JP2003157557A - 対物レンズ駆動装置 - Google Patents

対物レンズ駆動装置

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JP2003157557A
JP2003157557A JP2001353371A JP2001353371A JP2003157557A JP 2003157557 A JP2003157557 A JP 2003157557A JP 2001353371 A JP2001353371 A JP 2001353371A JP 2001353371 A JP2001353371 A JP 2001353371A JP 2003157557 A JP2003157557 A JP 2003157557A
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JP
Japan
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objective lens
mass
drive coil
driving device
mass balancer
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JP2001353371A
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Goichi Akanuma
悟一 赤沼
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで可動部の振動を抑制することであ
る。 【解決手段】 光スポットを形成する対物レンズ1と駆
動用コイル5とを備えた可動部8と、基台9に固定され
た固定部材11と、一端側が可動部8に固定されて他端
側が固定部材11に固定されることにより可動部8を基
台9に対して弾性を持って支持する複数の棒状弾性支持
部材3と、基台9に設けられたヨーク10a,10bと
ともに駆動用コイル5に対する磁気回路12を形成する
駆動用磁石13a,13bとを備えた対物レンズ駆動装
置において、対物レンズ1を可動部8の一端部に配置
し、可動部8の質量中心位置を調整するマスバランサ7
を、可動部8の質量中心位置に対して対物レンズ1と対
称となる位置である可動部8の他端部に、接着後におい
ても弾性を有する接着剤Sを介して可動部8に取り付け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクドライ
ブ又は光磁気ディスクドライブにおいて適用される対物
レンズ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスク装置は、レーザ光の光束を光
ディスクの記録面に照射し、その反射光を識別すること
によって情報を読み取っている。光ディスク装置に搭載
されている光ピックアップ装置の対物レンズ駆動装置
は、反射光から得られる制御信号を用いて、対物レンズ
を光ディスクの面振れや偏芯などの動きに追従するよう
にフォーカシング方向Fとトラッキング方向Tとに駆動
するように構成されている。従来の対物レンズ駆動装置
の第1の従来例を図12に示す。
【0003】この第1の従来例の対物レンズ駆動装置
は、対物レンズセンター型であり、対物レンズ101が
対物レンズ保持部材102の略中央の上端部で保持さ
れ、対物レンズ保持部材102が4本のワイヤバネ10
3によって弾性を持って支持されている。対物レンズ保
持部材102には対物レンズ101の光軸方向(フォー
カシング方向F)と平行な軸を中心としてフォーカシン
グ駆動用コイル104が巻線され、対物レンズ101の
光軸方向と垂直な方向(トラッキング方向T、紙面表裏
方向)と平行な軸を中心としてトラッキング駆動用コイ
ル105が巻線されている。
【0004】ここで、フォーカシング駆動用コイル10
4、トラッキング駆動用コイル105の両端は各々4本
のワイヤバネ103に電気的に結線されている。また、
ワイヤバネ103の他端は固定部材106に接着固定さ
れた基板107上に配線されたランド部に半田108に
より半田付けされている。このとき、ワイヤバネ103
は固定部材106と基板107にあけられた穴を通して
組み付けられる。また、固定部材106の穴部分には粘
弾性を持つ粘弾性材料109がワイヤバネ103の固定
部側の根元部分の周りを囲むように抽入され、対物レン
ズ保持部材102等による可動部110のフォーカシン
グ方向F及びトラッキング方向Tの制振を行っている。
【0005】基板107を通してフォーカシング駆動用
コイル104及びトラッキング駆動用コイル105に電
気を流すことによって、対物レンズ101、対物レンズ
保持部材102、フォーカシング駆動用コイル104、
トラッキング駆動用コイル105で構成される可動部1
10をフォーカシング方向Fとトラッキング方向Tとの
2軸方向に移動することができる。なお、図12中、1
11は基台、112は駆動用磁石、113はヨークであ
り、駆動用磁石112とヨーク113とにより、フォー
カシング駆動用コイル104及びトラッキング駆動用コ
イル105に対する磁気回路114が形成されている。
【0006】ここで、対物レンズ101の下方には、立
上げミラー(図示せず)が配置されている。この立上げ
ミラーは、レーザ(図示せず)から出射されてコリメー
トレンズ(図示せず)を通過したレーザ光を対物レンズ
101の光軸方向に向きを変える。そして、これらの立
上げミラー、レーザ等により構成される光学系と、上述
した対物レンズ駆動装置等により光ピックアップ装置が
構成されている。
【0007】また、対物レンズ駆動装置には、薄型化を
図るために、図13に示すように対物レンズ101の光
軸を対物レンズ保持部材102の一端部に配置すること
により対物レンズ101を可動部110の端部に配置し
た構造の対物レンズオフセットタイプがある(第2の従
来例)。これにより、立上げミラー115を対物レンズ
101の真下に配置することができる。したがって、対
物レンズ駆動装置と光学系とを略同一平面に配置するこ
とが可能であるので光学ピックアップ装置全体の厚さを
薄くする構成とすることが可能である。ここで、この対
物レンズ駆動装置では、対物レンズ保持部材102のタ
ンジェンシャル方向の中心付近に駆動用磁石112とヨ
ーク113とが配置され、これら駆動用磁石112とヨ
ーク113とによりフォーカシング駆動用コイルとトラ
ッキング駆動用コイル(共に図示せず)に対する磁気回
路114が形成されている。さらに、可動部110の質
量中心位置を駆動力作用点に一致させるために磁気回路
114部分に対して、対物レンズ101とは反対側にマ
スバランサ116が配置されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】光ディスク装置では、
近年、記録密度の高密度化、読み取り及び書き込み速度
の高速度化が進み、それに伴って、対物レンズ駆動装置
の可動部110の弾性変形が主要因である10〜40k
Hz付近の高次共振が大きな問題となっている。制御上
は、ゲインマージンを確保できるように高次共振の周波
数は高く、共振峰は小さい方が望ましい。この特性を向
上させるために、対物レンズ駆動装置では、対物レンズ
保持部材102の材料にLCPやマグネシウム合金等の
高剛性かつ軽量な材料を用いるようになってきている
が、それでも高次共振周波数は20〜40kHz付近に
発生してしまう。ここで、この可動部110の弾性変形
による共振が起きる要因の一つとして、対物レンズ10
1が可動部110の質量中心位置、ワイヤバネ103に
よる可動部110の支持中心位置、駆動力作用点に対し
てずれた位置に配置されていることが挙げられる。
【0009】そして、高次共振のピーク値が大きくなる
と、ある基準周波数(サーボの交叉周波数の付近)のゲ
インと高次共振のピークのゲインとの差(ゲインマージ
ン)が小さくなり又はマイナスとなる。
【0010】ここで、ゲインとは、入力電圧(電流)に
対して可動部がどれだけ動くかを示す比であり、ゲイン
マージンが大きくなると、強いサーボ制御が可能にな
り、対物レンズ駆動装置の出力加速度をアップさせて光
ディスクの面振れや偏芯に対する追従性を高めることが
でき、高速読み取りや高速書き込みが可能となる。
【0011】上述した第1の従来例の対物レンズ駆動装
置は、対物レンズ101が可動部110の略中央の上端
部に位置しているため、第2の従来例のような対物レン
ズ駆動装置よりはフォーカシング方向Fの高次共振の周
波数が高く有利では有るが、トラッキング方向Tはゲイ
ンマージンを十分に確保することが難しい。
【0012】また、第2の従来例の対物レンズ駆動装置
は、対物レンズ101の光軸が可動部110の質量中心
位置、ワイヤバネ103による可動部110の支持中心
位置、駆動力作用点とに対してタンジェンシャル方向に
オフセットしている構造である。また、対物レンズ保持
部材102の中央付近に磁気回路114を配置するため
の開口を設ける必要がある。これによって、可動部11
0の剛性が低下するため、第1の従来例よりも高次共振
特性が不利となる場合が多い。
【0013】上述した課題を解決する提案例として、特
開平10−79129号公報に示された対物レンズ駆動
装置がある(第3の従来例)。これは、第2の従来例の
ような対物レンズオフセットタイプの対物レンズ駆動装
置に対して、図14に示すように、可動部110に板バ
ネからなる衝突ダンパ117を設けたものである。この
対物レンズ駆動装置は、衝突ダンパ117により可動部
110の高次共振の共振ピークを減衰させることで、ゲ
インマージンを増加させることができる。しかし、この
ような対物レンズ駆動装置では、衝突ダンパ117を別
途設ける必要があるためコストの増加につながってしま
う。
【0014】また、別の提案例として、再公表特許WO
99−10882号公報に示された対物レンズ駆動装置
がある(第4の従来例)。これは、図15及び図16に
示すように、第2の従来例で示したような対物レンズオ
フセットタイプの対物レンズ駆動装置において、マスバ
ランサ116が片持はり状に設けられて、その固有振動
数が可動部110のフォーカシング方向Fの高次共振周
波数と略一致するとともに振動時にその位相が逆となる
ように幅、長さ等の寸法及び重量が設定されている。そ
して、運転時、マスバランサ116が弾性変形すること
により、ダイナミックダンパとして作用し、高次共振の
共振ピークを減衰させることで、ゲインマージンを増加
させることができる。しかし、このような対物レンズ駆
動装置では、マスバランサ116自体が変形するように
しているために部品形状が複雑になってしまう。これは
コスト増加にもつながる。
【0015】一方、対物レンズ駆動装置の運転時におい
てフォーカシング駆動用コイル104やトラッキング駆
動用コイル105に通電すると、フォーカシング駆動用
コイル104やトラッキング駆動用コイル105が発熱
する。このような発熱によりフォーカシング駆動用コイ
ル104やトラッキング駆動用コイル105の温度が上
昇すると、流れる電流の量が抑制される。そして、流れ
る電流の量が抑制されることにより強いサーボ制御が困
難になり、対物レンズ駆動装置の出力加速度をアップさ
せて光ディスク装置の面振れや偏芯に対する追従性を高
めることが困難になり、高速読み取りや高速書き込みが
困難になる。
【0016】本発明の目的は、可動部の振動を抑制する
ことである。
【0017】本発明の目的は、低コストで可動部の振動
を抑制することである。
【0018】本発明の目的は、対物レンズ駆動装置の運
転時における駆動用コイルからの放熱を有効に行わせる
ことである。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
光スポットを形成する対物レンズと駆動用コイルとを備
えた可動部と、基台に固定された固定部材と、一端側が
前記可動部に固定されて他端側が前記固定部材に固定さ
れることにより前記可動部を前記基台に対して弾性を持
って支持する複数の棒状弾性支持部材と、前記基台に設
けられたヨークとともに前記駆動用コイルに対する磁気
回路を形成する駆動用磁石と、を備えた対物レンズ駆動
装置において、前記対物レンズが前記可動部の一端部に
配置され、前記可動部の質量中心位置を調整するマスバ
ランサが、前記可動部の質量中心位置に対して前記対物
レンズと対称となる位置である前記可動部の他端部に、
接着後においても弾性を有する接着剤を介して取り付け
られている。
【0020】したがって、対物レンズとマスバランサと
が可動部の質量中心位置を挟んで対称となる可動部の両
端部に配置されているので、対物レンズ駆動装置の運転
時において可動部が振動したとき、接着後においても弾
性を有する接着剤を介して駆動用コイルに取付けられて
いるマスバランサがダイナミックダンパとして効果的に
作用し、可動部の高次共振のピークを小さくすることが
でき、それによりゲインマージンを大きくすることがで
きる。そして、ゲインマージンが大きくなることによ
り、強いサーボ制御が可能になり、対物レンズ駆動装置
の出力加速度をアップさせて光ディスクの面振れや偏芯
に対する追従性を高めることができ、高速読み取りや高
速書き込みが可能となる。
【0021】請求項2記載の発明は、光スポットを形成
する対物レンズと駆動用コイルとを備えた可動部と、基
台に固定された固定部材と、一端側が前記可動部に固定
されて他端側が前記固定部材に固定されることにより前
記可動部を前記基台に対して弾性を持って支持する複数
の棒状弾性支持部材と、前記基台に設けられたヨークと
ともに前記駆動用コイルに対する磁気回路を形成する駆
動用磁石と、を備えた対物レンズ駆動装置において、前
記可動部の質量中心位置を調整するマスバランサが、少
なくとも一部を大気中に露出されて前記可動部に接着剤
を介して取り付けられ、前記接着剤又は前記マスバラン
サのうち少なくとも一方が前記駆動用コイルに接触して
いる。
【0022】したがって、駆動用コイルからの放熱がマ
スバランサを介して良好に行われ、駆動用コイルの温度
上昇が抑制され、駆動用コイルが温度上昇することに伴
ってこの駆動用コイルを流れる電流が抑制されるという
ことが防止され、駆動用コイルに十分な量の電流を流す
ことができる。そして、駆動用コイルに十分な量の電流
を流せることにより、強いサーボ制御が可能になり、対
物レンズ駆動装置の出力加速度をアップさせて光ディス
クの面振れや偏芯に対する追従性を高めることができ、
高速読み取りや高速書き込みが可能になる。
【0023】請求項3記載の発明は、請求項1記載の対
物レンズ駆動装置において、前記マスバランサと前記可
動部との対向部のうち一方には凸部が形成され、この凸
部が前記マスバランサと前記可動部とのうちの他方の対
向部に当接している。
【0024】したがって、マスバランサと可動部との接
触面積が小さくなり、マスバランサと可動部との摩擦が
小さいので、マスバランサが可動部に対して振動し易く
なり、マスバランサがダイナミックダンパとして効果的
に作用する。
【0025】請求項4記載の発明は、請求項1又は3記
載の対物レンズ駆動装置において、前記マスバランサの
少なくとも一部が大気中に露出され、前記接着剤又は前
記マスバランサのうち少なくとも一方が前記駆動用コイ
ルに接触している。
【0026】したがって、駆動用コイルからの放熱がマ
スバランサを介して良好に行われ、駆動用コイルの温度
上昇が抑制され、駆動用コイルが温度上昇することに伴
ってこの駆動用コイルを流れる電流が抑制されるという
ことが防止され、駆動用コイルに十分な量の電流を流す
ことができる。そして、駆動用コイルに十分な量の電流
を流せることにより、強いサーボ制御が可能になり、対
物レンズ駆動装置の出力加速度をアップさせて光ディス
クの面振れや偏芯に対する追従性を高めることができ、
高速読み取りや高速書き込みが可能になる。
【0027】請求項5記載の発明は、請求項2又は4記
載の対物レンズ駆動装置において、前記可動部への前記
マスバランサの取付けは、シリコン系の接着剤を用いて
行われている。
【0028】したがって、シリコン系の接着剤は熱伝導
率が高いので、駆動用コイルからマスバランサへの熱伝
導が良好に行われ、駆動用コイルで発生した熱がマスバ
ランサから良好に放熱され、駆動用コイルの温度上昇が
効果的に抑制される。
【0029】請求項6記載の発明は、請求項2又は4記
載の対物レンズ駆動装置において、前記マスバランサ
は、黄銅により形成されている。
【0030】したがって、黄銅は熱伝導率が高いので、
駆動用コイルからマスバランサへの熱伝導が良好に行わ
れ、駆動用コイルで発生した熱がマスバランサから良好
に放熱され、駆動用コイルの温度上昇が効果的に抑制さ
れる。
【0031】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態]本発明の第1
の実施の形態を図1ないし図4に基づいて説明する。図
1は対物レンズ駆動装置を示す斜視図、図2はその平面
図、図3はその側面図、図4はマスバランサの取り付け
構造を示す斜視図である。
【0032】この対物レンズ駆動装置は、対物レンズオ
フセット型であり、対物レンズ1が対物レンズ保持部材
2の一端部で保持され、対物レンズ保持部材2が棒状弾
性支持部材である4本のワイヤバネ3によってフォーカ
シング方向F及びトラッキング方向Tの2軸方向に弾性
を持って支持されている。対物レンズ保持部材2には上
下通孔4が形成され、この上下通孔4内には筒状に巻線
されたフォーカシング駆動用コイル5が固定され、フォ
ーカシング駆動用コイル5の一つの外側面には、2つの
トラッキング駆動用コイル6が固定されている。対物レ
ンズ保持部材2には、マスバランサ7が取り付けられて
いる。そして、対物レンズ1、対物レンズ保持部材2、
フォーカシング駆動用コイル5、トラッキング駆動用コ
イル6、マスバランサ7等により、可動部8が構成され
ている。
【0033】マスバランサ7は、板状に形成され、可動
部8の質量中心位置を調整するように設けられている。
具体的には、マスバランサ7は、可動部8全体の質量中
心位置がフォーカシング駆動用コイル5、トラッキング
駆動用コイル6の駆動力作用点、若しくはワイヤバネ3
による可動部8の支持中心位置と略一致するようにその
位置及び質量が調整されている。さらに具体的には、マ
スバランサ7は、可動部の質量中心位置である後述する
磁気回路12部分に対して対物レンズ1と対称となる位
置である対物レンズ保持部材2の他端部に取り付けられ
ている。
【0034】マスバランサ7の取り付けは、接着後にお
いても弾性を有する接着剤Sを用いて行われている。接
着剤Sによるマスバランサ7の取り付けは、マスバラン
サ7の一方の片面(以後、裏面という)7a全体が対物
レンズ保持部材2の表面2aに当接した状態で、マスバ
ランサ7の対向する2つの側面が対物レンズ保持部材2
の表面に接着されることにより行われている。
【0035】また、この対物レンズ駆動装置には基台9
が設けられており、この基台9の略中央部には一対のヨ
ーク10a、10bが一体に形成され、基台9の一端側
には固定部材11が固定されている。
【0036】ヨーク10a、10bにはこれらのヨーク
10a、10bとともにフォーカシング駆動用コイル5
及びトラッキング駆動用コイル6に対する磁気回路12
を形成する駆動用磁石13a、13bが固定されてい
る。これら駆動用磁石13a、13bはフォーカシング
駆動用コイル5及びトラッキング駆動用コイル6の駆動
部分に磁束が貫くようにギャップを設けて配置されてい
る。
【0037】対物レンズ保持部材2の両側にはコイル端
子基板14が固定され、これらのコイル端子基板14に
ワイヤバネ3の一端側が半田付けされている。ワイヤバ
ネ3の他端側は固定部材11に固定され、さらに、ワイ
ヤバネ3の他端側先端部は、固定部材11に貼り付けら
れた基板15に半田付けされている。
【0038】なお、図3において、16は光ディスク、
17は基台9に搭載された光路変更用の立上げプリズム
である。
【0039】このような構成において、基板15からワ
イヤバネ3とコイル端子基板14とを介してフォーカシ
ング駆動用コイル5、トラッキング駆動用コイル6へ通
電することにより、可動部8をフォーカシング方向F、
トラッキング方向Tの2軸方向へ移動させることができ
る。
【0040】ここで、対物レンズ保持部材2にマスバラ
ンサ7が弾性を有する接着剤Sで取り付けられているの
で、このマスバランサ7は可動部8の移動に伴って振動
しやすい構造となっており、可動部8の移動時にはこの
マスバランサ7がダイナミックダンパとして作用する。
これにより、可動部8の高次共振のピークを下げること
ができ、ゲインマージンを大きくすることができる。そ
して、ゲインマージンが大きくなることにより、強いサ
ーボ制御が可能になり、対物レンズ駆動装置の出力加速
度をアップさせて光ディスク16の面振れや偏芯に対す
る追従性を高めることができ、高速読み取りや高速書き
込みが可能となる。
【0041】また、このマスバランサ7は、可動部8の
質量中心位置に対して可動部8の振動発生要因である対
物レンズ1と対称となる位置である対物レンズ保持部材
2の他端部に配置されており、このとき質量中心位置か
ら離れた端部の方がより大きな振動が得られることか
ら、マスバランサ7がダイナミックダンパとして有効に
作用する。
【0042】しかも、このマスバランサ7は、フォーカ
シング方向Fとトラッキング方向Tとのいずれの方向に
も振動可能であるので、フォーカシング方向Fとトラッ
キング方向Tとのいずれの方向の移動に対してもダイナ
ミックダンパとして有効に作用する。
【0043】さらに、マスバランサ7の取り付けの際に
は、マスバランサ7を可動部8の振動発生要因である対
物レンズ1と可動部8の質量中心位置に対して対称の位
置になるように配置すれば良いので、バランス調整を容
易にすることができる。
【0044】さらに、可動部8の高次共振のピークを下
げるための構造として、可動部8の対物レンズ保持部材
2にマスバランサ7を接着剤Sで取り付けただけであ
り、かつ、マスバランサ7の形状についても特別な工夫
を凝らす必要が無く、簡単な構造とすることができるの
で低コストである。
【0045】[第2の実施の形態]つぎに、本発明の第2
の実施の形態を図5及び図6に基づいて説明する。図5
は対物レンズ駆動装置を示す側面図、図6はマスバラン
サの取り付け構造を示す斜視図である。
【0046】本実施の形態の対物レンズ駆動装置は、対
物レンズセンター型であり、対物レンズ1が対物レンズ
保持部材2の略中央の上端部で保持され、対物レンズ保
持部材2が4本のワイヤバネ3によってフォーカシング
方向F及びトラッキング方向Tの2軸方向に弾性を持っ
て支持されている。対物レンズ保持部材2には対物レン
ズ1の光軸方向(フォーカシング方向F)と平行な軸を
中心としてフォーカシング駆動用コイル5が巻線され、
対物レンズ1の光軸方向と垂直な方向(トラッキング方
向T、図5において紙面表裏方向)と平行な軸を中心と
してトラッキング駆動用コイル6が巻線されている。こ
こで、フォーカシング駆動用コイル5、トラッキング駆
動用コイル6の両端は各々4本のワイヤバネ3に電気的
に結線されている。また、ワイヤバネ3の他端は固定部
材11に接着固定された基板15上に配線されたランド
部に半田21により半田付けされている。このとき、ワ
イヤバネ3は固定部材11と基板15にあけられた穴を
通して組み付けられる。また、固定部材11の穴部分に
は粘弾性を持つ粘弾性材料22がワイヤバネ3の固定部
側の根元部分の周りを囲むように抽入され、対物レンズ
保持部材2等による可動部8のフォーカシング方向F及
びトラッキング方向Tの制振を行っている。また、対物
レンズ駆動装置には基台9、ヨーク10、駆動用磁石1
3が設けられている。これらのヨーク10と駆動用磁石
13とは、フォーカシング駆動用コイル5及びトラッキ
ング駆動用コイル6に対する磁気回路12を形成してい
る。
【0047】対物レンズ保持部材2には、可動部8の質
量中心位置を調整するマスバランサ23が取り付けられ
ている。マスバランサ23は、リング状に形成され、可
動部8の質量中心位置がフォーカシング駆動用コイル
5、トラッキング駆動用コイル6の駆動力作用点若しく
は可動部8支持中心位置と、略一致するようにその位置
及び質量が調整されている。具体的には、マスバランサ
23は、可動部8の質量中心位置である磁気回路12部
分に対して対物レンズ1と対称となる位置である対物レ
ンズ保持部材2の下端部に取り付けられている。
【0048】マスバランサ23の取り付けは、接着後に
おいても弾性を有する接着剤Sを用いて行われている。
接着剤Sによるマスバランサ23の取り付けは、マスバ
ランサ23の裏面23aが対物レンズ保持部材2の表面
2aに当接した状態で、マスバランサ23の外周面が対
物レンズ保持部材2の表面2aに接着されることにより
行われている。
【0049】このような構成において、基板15を通し
てフォーカシング駆動用コイル5及びトラッキング駆動
用コイル6に電気を流すことによって、対物レンズ1、
対物レンズ保持部材2、フォーカシング駆動用コイル
5、トラッキング駆動用コイル6で構成される可動部8
をフォーカシング方向Fとトラッキング方向Tとの2軸
方向に移動することができる。
【0050】ここで、対物レンズ保持部材2にマスバラ
ンサ23が弾性を有する接着剤Sで取り付けられている
ので、このマスバランサ23は可動部8の移動に伴って
振動しやすい構造となっており、可動部8の移動時には
このマスバランサ23がダイナミックダンパとして作用
する。これにより、可動部8の高次共振のピークを下げ
ることができ、ゲインマージンを大きくすることができ
る。そして、ゲインマージンが大きくなることにより、
強いサーボ制御が可能になり、対物レンズ駆動装置の出
力加速度をアップさせて光ディスク16の面振れや偏芯
に対する追従性を高めることができ、高速読み取りや高
速書き込みが可能となる。
【0051】また、このマスバランサ23は、可動部8
の質量中心位置に対して可動部8の振動発生要因である
対物レンズ1と対称となる位置である対物レンズ保持部
材2の下端部に配置されており、このとき質量中心位置
から離れた端部の方がより大きな振動が得られることか
ら、マスバランサ23がダイナミックダンパとして有効
に作用する。
【0052】しかも、このマスバランサ23は、フォー
カシング方向Fとトラッキング方向Tとのいずれの方向
にも振動可能であるので、フォーカシング方向Fとトラ
ッキング方向Tとのいずれの方向の移動に対してもダイ
ナミックダンパとして有効に作用する。
【0053】さらに、可動部8の高次共振のピークを下
げるための構造として、可動部8の対物レンズ保持部材
2にマスバランサ23を接着剤Sで取り付けただけであ
り、かつ、マスバランサ23の形状についても特別な工
夫を凝らす必要が無く、簡単な構造とすることができる
ので低コストである。
【0054】さらに、マスバランサ23の取り付けの際
には、マスバランサ23を可動部8の振動発生要因であ
る対物レンズ1と可動部8の質量中心位置に対して対称
の位置になるように配置すれば良いので、バランス調整
を容易にすることができる。
【0055】なお、本実施の形態及び第1の実施の形態
では、可動部8をワイヤバネ3で支持するタイプの対物
レンズ駆動装置への適用例を説明したが、これに限るも
のではなく、板バネ支持タイプや軸摺動タイプ等の対物
レンズ駆動装置に適用することができる。
【0056】[第3の実施の形態]つぎに、本発明の第3
の実施の形態を図7に基づいて説明する。図7は、マス
バランサ7の取り付け構造を示す斜視図である。なお、
図1ないし図6において説明した部分と同じ部分は同じ
符号で示し、説明も省略する(以下の実施の形態でも同
じ)。
【0057】本実施の形態の基本構造は、第1の実施の
形態と同じであり、第1の実施の形態との相違点は、マ
スバランサ7の対物レンズ保持部材2への取り付け構造
である。
【0058】対物レンズ保持部材2の表面2aにおける
マスバランサ7に対向する対向部2bには、対向するマ
スバランサ7よりも広い範囲で凹部31が形成され、こ
の凹部31には、凸形状に形成された凸部であるボス3
2が形成されている。このボス32は、その先端が対物
レンズ保持部材2の表面2aと同じ高さになるように形
成されている。
【0059】そして、マスバランサ7がボス32にのみ
当接した状態で接着剤Sにより対物レンズ保持部材2に
取り付けられている。
【0060】このような構成において、マスバランサ7
は、対物レンズ保持部材2に形成されたボス32にのみ
当接した状態で取り付けられているので、マスバランサ
7と対物レンズ保持部材2との接触面積がマスバランサ
7の裏面7a全体が対物レンズ保持部材2の表面2aに
当接しているものに比べ小さくなる。これにより、マス
バランサ7が振動する際のマスバランサ7と対物レンズ
保持部材2との摩擦が小さくなるので、マスバランサ7
が可動部8に対して振動し易くなり、マスバランサ7を
ダイナミックダンパとして効果的に作用させることがで
きる。
【0061】ここで、ボス32が形成されていないとき
には、製造のバラツキなどにより生じるマスバランサ7
と対物レンズ保持部材2との隙間に接着剤Sが流れ込
み、マスバランサ7と対物レンズ保持部材2とが面接着
の状態となり、接着剤Sによる適当な弾性が保てなくな
ることが考えられるが、本実施の形態では、ボス32に
よりマスバランサ7と対物レンズ保持部材2との間にあ
る程度の間隔が形成されるので、マスバランサ7と対物
レンズ保持部材2との間に接着剤Sが流れ込んだ場合に
もマスバランサ7と対物レンズ保持部材2とが面接触の
状態になることが防止され、接着剤Sによる適当な弾性
を保つことができる。
【0062】なお、本実施の形態では、対物レンズ保持
部材2にボス32を形成した例を説明したが、マスバラ
ンサ7の対物レンズ保持部材2に対向する対向部である
裏面7aにボス32を形成しても良い。
【0063】また、本実施の形態では、第1の実施の形
態の対物レンズ駆動装置に適用した例を説明したが、第
2の実施の形態の対物レンズ駆動装置に適用して良い。
【0064】[第4の実施の形態]つぎに、本発明の第4
の実施の形態を図8に基づいて説明する。図8は、マス
バランサ7の取り付け構造を示す斜視図である。
【0065】本実施の形態の基本構造は、第1の実施の
形態と同じであり、第1の実施の形態との相違点は、マ
スバランサ7が接着剤Sを介してフォーカシング駆動用
コイル5に接触した状態で取り付けられている点であ
る。具体的には、マスバランサ7のフォーカシング駆動
用コイル5側の側面が接着剤Sで対物レンズ保持部材2
に接着されており、この接着剤Sがフォーカシング駆動
用コイル5に接触している。ここで、マスバランサ7の
他方の片面(表面)及び内周面は大気中に露出されてい
る。
【0066】ここで、本実施の形態では、接着剤Sに接
着後においても弾性を有するとともに熱伝導性の良いシ
リコン系の接着剤、マスバランサ7に熱伝導率の高い黄
銅が採用されている。
【0067】このような構成において、マスバランサ7
は熱伝導性の良いシリコン系の接着剤Sを介してフォー
カシング駆動用コイル5に接触した状態でており、しか
も、熱伝導性の良い材料である黄銅により形成されてい
るので、フォーカシング駆動用コイル5やトラッキング
駆動用コイル6で発生した熱をマスバランサ7に効率良
く伝えることができる。そして、マスバランサ7の表面
が大気中に露出されているので、マスバランサ7に伝わ
った熱をマスバランサ7の表面から大気中へ効率良く放
熱することができ、フォーカシング駆動用コイル5やト
ラッキング駆動用コイル6の温度上昇を防止することが
できる。
【0068】このようにしてフォーカシング駆動用コイ
ル5やトラッキング駆動用コイル6からの放熱を有効に
行えることにより、フォーカシング駆動用コイル5やト
ラッキング駆動用コイル6が通電により温度上昇してこ
れらのフォーカシング駆動用コイル5やトラッキング駆
動用コイル6を流れる電流が抑制されるということが防
止され、フォーカシング駆動用コイル5やトラッキング
駆動用コイル6に十分な量の電流を流すことができる。
そして、フォーカシング駆動用コイル5やトラッキング
駆動用コイル6に十分な量の電流を流せることにより、
強いサーボ制御が可能になり、対物レンズ駆動装置の出
力加速度をアップさせて光ディスク16の面振れや偏芯
に対する追従性を高めることができ、高速読み取りや高
速書き込みが可能になる。
【0069】なお、本実施の形態では、接着剤Sを介し
てマスバランサ7をフォーカシング駆動用コイルに接触
させたが、マスバランサ7をフォーカシング駆動用コイ
ルに直接接触させることによりフォーカシング駆動用コ
イル5やトラッキング駆動用コイル6の熱をマスバラン
サ7を通して放熱するようにしても良い。
【0070】また、本実施の形態では、第1の実施の形
態の対物レンズ駆動装置に適用した例を説明したが、第
2の実施の形態の対物レンズ駆動装置に適用して良い。
【0071】[第5の実施の形態]つぎに、本発明の第5
の実施の形態を図9に基づいて説明する。図9は光ピッ
クアップ装置を示す概略構成図である。本実施の形態
は、上述した各実施の形態のように構成された対物レン
ズ駆動装置41を備えた光ピックアップ装置42への適
用例を示す。なお図9では、対物レンズ駆動装置の例と
して第1の実施の形態の対物レンズ駆動装置を示してい
る。
【0072】光ピックアップ装置42に搭載されている
半導体レーザ等のレーザ光源43から出射された拡散光
は、コリメートレンズ44によって略平行光になる。そ
の後、ビームスプリッタ45を通り、立上げミラー46
(立上げプリズム17に相当する)により折り曲げられ
る。立上げミラー46によって折り曲げられた平行光は
光ピックアップ装置42に搭載された対物レンズ駆動装
置41の対物レンズ1に入射し光ディスク16上にスポ
ットを形成する。
【0073】スポットの反射光はビームスプリッタ45
によって来た方向と向きをかえられ、集光レンズ47と
シリンドリカルレンズ48を通った後、4分割受光素子
49に入射する。光ディスク16上のスポットの反射光
が4分割受光素子49に入射するように上述の各光学部
品を配置しておく。4分割受光素子49で得られた信号
を元にして対物レンズ駆動装置41のフォーカシング駆
動用コイル5、トラッキング駆動用コイル6に通電し、
光ディスク16に対して対物レンズ1を追従させること
で光ディスク16の情報を得ることができる。集光レン
ズ47、シリンドリカルレンズ48及び4分割受光素子
49により受光光学系50が構成されている。さらに、
4分割受光素子49の受光信号に基づいて対物レンズ駆
動装置41に対する駆動信号を出力する対物レンズ1制
御系(図示せず)も設けられている。
【0074】このような構成において、光ピックアップ
装置42に搭載されている対物レンズ駆動装置41は、
上述した第1ないし第4の実施の形態で説明したように
構成されており、上述のように対物レンズ駆動装置41
によって対物レンズ1を光ディスク16に対して追従さ
せて光ディスク16の情報の読み取り、又は、光ディス
ク16への情報の書き込みを行える。しかも、この対物
レンズ駆動装置41は、可動部8の高次共振のピークが
小さくされてゲインマージンが大きくされており、ま
た、フォーカシング駆動用コイルやトラッキング駆動用
コイルからの放熱が良好に行われて温度上昇が抑制され
るので、強いサーボ制御が可能になり、対物レンズ駆動
装置41の出力加速度をアップさせて光ディスク16の
面振れや偏芯に対する追従性を高めることができ、高速
読み取りや高速書き込みが可能となる。
【0075】[第6の実施の形態]つぎに、本発明の第6
の実施の形態を図10及び図11に基づいて説明する。
図10は光ディスクドライブを示す概略平面図、図11
はその側面図である。本実施の形態は、上述したような
光ピックアップ装置42を搭載した光ディスクドライブ
(光ディスク装置)への適用例を示す。なお図10で
は、対物レンズ駆動装置の例として第1の実施の形態の
対物レンズ駆動装置を示している。
【0076】まず、光ディスクドライブの筐体51に防
振ゴム52を介してピックアップモジュールベース53
が設置されている。ピックアップモジュールベース53
には光ディスク16を回転させる回転駆動系としてのス
ピンドルモータ54が固定されている。また、ピックア
ップモジュールベース53に取り付けられたシークレー
ル55には光ピックアップ装置42が搭載されている。
光ピックアップ装置42はシークレール55上を光ディ
スク16の半径方向(ラジアル方向)に移動可能とされ
ている。
【0077】ここで、当該光ディスクドライブに搭載さ
れている光ピックアップ装置42は、上述した第5の実
施の形態で説明したように、可動部8の高次共振のピー
クが小さくされてゲインマージンが大きくされており、
また、フォーカシング駆動用コイルやトラッキング駆動
用コイルからの放熱が良好に行われて温度上昇が抑制さ
れるので、強いサーボ制御が可能になり、対物レンズ駆
動装置41の出力加速度をアップさせて光ディスク16
の面振れや偏芯に対する追従性を高めることができ、高
速読み取りや高速書き込みが可能となる。
【0078】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、対物レン
ズとマスバランサとが可動部の質量中心位置を挟んで対
称となる可動部の両端部に配置されているので、対物レ
ンズ駆動装置の運転時において可動部が振動したとき、
接着後においても弾性を有する接着剤を介して駆動用コ
イルに取付けられているマスバランサがダイナミックダ
ンパとして効果的に作用し、可動部の高次共振のピーク
を小さくすることができ、それによりゲインマージンを
大きくすることができる。そして、ゲインマージンが大
きくなることにより、強いサーボ制御が可能になり、対
物レンズ駆動装置の出力加速度をアップさせて光ディス
クの面振れや偏芯に対する追従性を高めることができ、
高速読み取りや高速書き込みが可能となる。このような
効果を得るのに可動部にマスバランサを接着剤で取り付
けただけであり、低コストで実施することができる。ま
た、マスバランサの取り付けの際には、マスバランサを
可動部の質量中心位置に対して対物レンズと対称の位置
になるように配置すれば良いので、バランス調整を容易
にすることができる。
【0079】請求項2記載の発明によれば、駆動用コイ
ルからの放熱がマスバランサを介して良好に行われ、駆
動用コイルの温度上昇が抑制され、駆動用コイルが温度
上昇することに伴ってこの駆動用コイルを流れる電流が
抑制されるということが防止され、駆動用コイルに十分
な量の電流を流すことができる。そして、駆動用コイル
に十分な量の電流を流せることにより、強いサーボ制御
が可能になり、対物レンズ駆動装置の出力加速度をアッ
プさせて光ディスクの面振れや偏芯に対する追従性を高
めることができ、高速読み取りや高速書き込みが可能に
なる。
【0080】請求項3記載の発明によれば、請求項1記
載の対物レンズ駆動装置において、前記マスバランサと
前記可動部との対向面のうち一方には凸部が形成され、
この凸部が前記マスバランサと前記可動部とのうちの他
方の対向面に当接していることにより、マスバランサと
可動部との接触面積が小さくなり、マスバランサと可動
部との摩擦が小さいので、マスバランサが可動部に対し
て振動し易くなり、マスバランサをダイナミックダンパ
として効果的に作用させることができる。
【0081】請求項4記載の発明によれば、請求項1又
は3記載の対物レンズ駆動装置において、前記マスバラ
ンサの少なくとも一部が大気中に露出され、前記接着剤
又は前記マスバランサのうち少なくとも一方が前記駆動
用コイルに接触していることにより、駆動用コイルから
の放熱がマスバランサを介して良好に行われ、駆動用コ
イルの温度上昇が抑制され、駆動用コイルが温度上昇す
ることに伴ってこの駆動用コイルを流れる電流が抑制さ
れるということが防止され、駆動用コイルに十分な量の
電流を流すことができる。そして、駆動用コイルに十分
な量の電流を流せることにより、強いサーボ制御が可能
になり、対物レンズ駆動装置の出力加速度をアップさせ
て光ディスクの面振れや偏芯に対する追従性を高めるこ
とができ、高速読み取りや高速書き込みが可能になる。
【0082】請求項5記載の発明によれば、請求項2又
は4記載の対物レンズ駆動装置において、前記可動部へ
の前記マスバランサの取付けは、シリコン系の接着剤を
用いて行われていることにより、シリコン系の接着剤は
熱伝導率が高いので、駆動用コイルからマスバランサへ
の熱伝導を良好に行なわせることができ、駆動用コイル
で発生した熱をマスバランサから良好に放熱させて駆動
用コイルの温度上昇を効果的に抑制することができる。
【0083】請求項6記載の発明によれば、請求項2又
は4記載の対物レンズ駆動装置において、前記マスバラ
ンサは、黄銅により形成されていることにより、黄銅は
熱伝導率が高いので、駆動用コイルからマスバランサへ
の熱伝導を良好に行なわせることができ、駆動用コイル
で発生した熱をマスバランサから良好に放熱させて駆動
用コイルの温度上昇を効果的に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の対物レンズ駆動装
置を示す斜視図である。
【図2】その平面図である。
【図3】その側面図である。
【図4】マスバランサの取り付け構造を示す斜視図であ
る。
【図5】本発明の第2の実施の形態の対物レンズ駆動装
置を示す側面図である。
【図6】マスバランサの取り付け構造を示す斜視図であ
る。
【図7】本発明の第3の実施の形態のマスバランサの取
り付け構造を示す斜視図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態のマスバランサの取
り付け構造を示す斜視図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態の光ピックアップ装
置を示す概略構成図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態の光ディスクドラ
イブを示す概略平面図である。
【図11】その側面図である。
【図12】第1の従来例の対物レンズ駆動装置を示す側
面図である。
【図13】第2の従来例の対物レンズ駆動装置を示す側
面図である。
【図14】第3の従来例の対物レンズ駆動装置を示す平
面図である。
【図15】第4の従来例の対物レンズ駆動装置を示す平
面図である。
【図16】その側面図である。
【符号の説明】
1 対物レンズ 2b 対向部 3 棒状弾性支持部材(ワイヤバネ) 5 駆動用コイル(フォーカシング駆動用コイ
ル) 6 駆動用コイル(トラッキング駆動用コイル) 7,23 マスバランサ 7a,23a 対向部(裏面) 8 可動部 9 基台 10,10a,10b ヨーク 11 固定部材 12 磁気回路 13,13a,13b 駆動用磁石 32 凸部(ボス) 41 対物レンズ駆動装置 S 接着剤

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光スポットを形成する対物レンズと駆動
    用コイルとを備えた可動部と、 基台に固定された固定部材と、 一端側が前記可動部に固定されて他端側が前記固定部材
    に固定されることにより前記可動部を前記基台に対して
    弾性を持って支持する複数の棒状弾性支持部材と、 前記基台に設けられたヨークとともに前記駆動用コイル
    に対する磁気回路を形成する駆動用磁石と、を備えた対
    物レンズ駆動装置において、 前記対物レンズが前記可動部の一端部に配置され、 前記可動部の質量中心位置を調整するマスバランサが、
    前記可動部の質量中心位置に対して前記対物レンズと対
    称となる位置である前記可動部の他端部に、接着後にお
    いても弾性を有する接着剤を介して取り付けられている
    ことを特徴とする対物レンズ駆動装置。
  2. 【請求項2】 光スポットを形成する対物レンズと駆動
    用コイルとを備えた可動部と、 基台に固定された固定部材と、 一端側が前記可動部に固定されて他端側が前記固定部材
    に固定されることにより前記可動部を前記基台に対して
    弾性を持って支持する複数の棒状弾性支持部材と、 前記基台に設けられたヨークとともに前記駆動用コイル
    に対する磁気回路を形成する駆動用磁石と、を備えた対
    物レンズ駆動装置において、 前記可動部の質量中心位置を調整するマスバランサが、
    少なくとも一部を大気中に露出されて前記可動部に接着
    剤を介して取り付けられ、 前記接着剤又は前記マスバランサのうち少なくとも一方
    が前記駆動用コイルに接触していることを特徴とする対
    物レンズ駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記マスバランサと前記可動部との対向
    部のうち一方には凸部が形成され、この凸部が前記マス
    バランサと前記可動部とのうちの他方の対向部に当接し
    ていることを特徴とする請求項1記載の対物レンズ駆動
    装置。
  4. 【請求項4】 前記マスバランサの少なくとも一部が大
    気中に露出され、 前記接着剤又は前記マスバランサのうち少なくとも一方
    が前記駆動用コイルに接触していることを特徴とする請
    求項1又は3記載の対物レンズ駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記可動部への前記マスバランサの取付
    けは、シリコン系の接着剤を用いて行われていることを
    特徴とする請求項2又は4記載の対物レンズ駆動装置。
  6. 【請求項6】 前記マスバランサは、黄銅により形成さ
    れていることを特徴とする請求項2又は4記載の対物レ
    ンズ駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010500770A (ja) * 2006-08-16 2010-01-07 カール・ツァイス・エスエムティー・アーゲー 半導体リソグラフィ用光学系

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