JP2003156506A - 流体スイッチ及びこれを備えた熱源機 - Google Patents

流体スイッチ及びこれを備えた熱源機

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JP2003156506A
JP2003156506A JP2001354065A JP2001354065A JP2003156506A JP 2003156506 A JP2003156506 A JP 2003156506A JP 2001354065 A JP2001354065 A JP 2001354065A JP 2001354065 A JP2001354065 A JP 2001354065A JP 2003156506 A JP2003156506 A JP 2003156506A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誤動作のおそれを可及的に排除し、併せて部
品点数を可及的に削減した流体スイッチを提供する。 【解決手段】 弁体4として、近接センサ6をONさせ
るため及び重量調整用の重錘として機能させるための磁
石5と、両端部を突出させて回転支軸を形成するための
シャフト42とを共に内部に埋め込んだ状態になるよう
に合成樹脂成形により一体に形成する。蓋体3に凹状の
溝部35を、ハウジング本体2に溝部に内嵌する凸部2
71をそれぞれ一体に形成する。溝部に回転支軸を装入
した状態で蓋体をハウジング本体に連結すれば、同時に
凸部が溝部に内嵌して回転支軸を回転自在に保持するよ
うにする。流路24に臨んで突起物が存在せず、回転支
持のための複雑な形状部分の存在を排除し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体用配管に介装
されて配管内に所定流量の流体の流れが生じたことを検
知するために用いられる流体スイッチ及びこれを備えた
熱源機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の流体スイッチとして、所
定の重量バランスを有するフラップタイプの弁体を用い
たものが知られている。これは、弁体が配管の流路に対
し揺動回転自在に配設され、所定流量の流れがないとき
には弁体の自重に基づき上記流路を略閉止状態にした位
置に位置付けられる一方、流体の流れが所定流量以上に
なるとその流れにより弁体が跳ね上げられ、この弁体の
位置変換により電気信号が出力されて流体の流れが検知
されるように構成されている。
【0003】上記のフラップタイプの一例として浴槽と
風呂釜とを接続する追い焚き循環路に介装される流体ス
イッチ10を図6に示す。この流体スイッチ10では、
下から上に流れる流路24に対し弁体40がシャフト4
2の軸回りに揺動回転して略閉止状態と跳ね上げ状態と
の間を相互に位置変換可能に配設されており、所定流量
の流れがないときには弁体40の自重により上記流路2
4を塞ぐように倒伏して閉状態(一点鎖線に示す状態)
になる一方、流れが所定流量以上になるとその流れの圧
力により上記弁体40が跳ね上げられて開状態(実線で
示す状態)になるようになっている。そして、この例で
は上記弁体40に重量調整を兼ねる磁石5が一体に取り
付けられており、弁体40が跳ね上げられることにより
上記磁石5の磁界が近接センサ6に作用し、この近接セ
ンサ6から発せられるON信号により所定流量の流れが
生じたことを検知し得るようになっている。
【0004】上記の図例の弁体40は図7に詳細を示す
ように、金属板を折曲加工した弁体本体401と、磁石
5を収納した合成樹脂製容器402と、例えば銅製のカ
シメピン403と、上記弁体本体401に挿通される回
転支軸となるシャフト42とから構成されている。かか
る弁体40は、上記弁体本体401に対し磁石5を収納
させた容器402を位置決めし、この位置決めした状態
でカシメピン403を取付孔404に貫通させて突出端
をカシメ固定することにより組み立てられる。そして、
組み立てられた弁体40に対しシャフト42を挿通し、
このシャフト42の両端部を蓋体30の凹状の受け部3
01に内嵌させた状態でシャフト42の中央部をネジ3
02頭部のワッシャー303で締め付けて脱落しないよ
うに固定する。この後、弁体40が装着された蓋体30
をハウジング本体20に固定することにより、水流スイ
ッチ10の組み付けが完了する。この構造では、上記の
ワッシャー303及びネジ302頭部と干渉しないよう
に弁体40の基端側には切欠部405の形成が必要にな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の流体
スイッチ10においては、弁体40自体に角部やエッジ
部等の細かな突起が比較的多く存在し、これらに対し流
路24を流れる流体に含まれる微細な異物等がからみつ
いて付着堆積し、位置変換の支障要因を増大させて作動
不良や誤動作を招くおそれがある一方、構成部品の部品
点数が多くて組み立てに手間がかかるという不都合があ
る。加えて、上記弁体40の回転支持部においては流路
24に臨んでシャフト42やワッシャー303付きのネ
ジ302の頭部あるいは上記切欠部405等により複雑
な形状部分を生じさせることになるため、上記の異物等
のからみつきに起因する作動不良や誤動作のおそれは、
より高まることになる。
【0006】特に、流体スイッチ10を浴槽と風呂釜と
を接続する追い焚き循環路に介装した場合には、その追
い焚き循環路に流れる流体である浴槽内の湯水には入浴
により脱落した髪の毛、タオルの繊維屑又は湯垢等が含
まれるため、上記突起や複雑な形状部分が流路に臨んで
存在すると上記髪の毛等がからみつき易く、このからみ
つきに起因して位置変換の作動不良をより招き易くな
る。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、誤動作のおそ
れを可及的に排除し、併せて部品点数を可及的に削減し
た流体スイッチを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明では、流路に臨んで揺動回転自
在に配設されてその流路に流体の所定の流れがないとき
は閉状態に維持される一方、流体の流れの圧力を受けて
開作動する弁体を備え、この開閉作動により流体の流れ
を検知するように構成された流体スイッチを対象とし
て、上記弁体を、閉状態に維持するための重量調整用の
重錘を内部に埋め込んだ状態で合成樹脂成形により一体
形成してなるものとした。
【0009】この請求項1によれば、重錘が内部に埋め
込まれた状態で弁体の全体が合成樹脂成形により一体に
形成されているため、外表面に突起等の存在をなくすこ
とができ滑らかな外表面になし得る。このため、流路に
流れる流体中に微細な異物や髪の毛等の繊維状のものが
含まれていても、弁体に付着したりからみついたりする
ことを可及的に防止して、それらに起因する作動不良や
誤作動の発生を確実に防止することが可能になる。
【0010】この請求項1における上記重錘として磁石
を用いることにより(請求項2)、開作動の検知により
流体の流れ発生の検知を上記磁石の磁界を利用して行う
場合に、その磁石の配設と流れのないときに閉作動させ
るための重錘の配設とを共に実現させ、かつ、上記の如
く誤作動等の発生防止をも確実に図り得る。
【0011】また、請求項3に係る発明では、ハウジン
グに対し揺動回転自在に保持されて流路に流体の所定の
流れがないときは上記流路を塞いだ閉状態に維持される
一方、流体の流れの圧力を受けて開作動する弁体を備
え、この開閉作動により流体の流れを検知するように構
成された流体スイッチを対象として、以下の特定事項を
備えることとした。すなわち、上記弁体に回転支軸を両
側に突出させ、上記ハウジングとして第1部材と第2部
材との互いの開口部を相対向させて互いに連結すること
により形成されるものとする。加えて、上記第1部材と
第2部材との一方に対し上記両側の回転支軸が上記相対
向方向から装入可能な一対の凹状溝部を一体に形成し、
他方に対し上記両溝部内に上記相対向方向から内嵌可能
な一対の凸部を一体に形成する。そして、上記凸部と溝
部とを、その溝部内に上記回転支軸を上記相対向方向か
ら装入させた状態で上記第1部材と第2部材とを互いに
連結させることにより、上記凸部が溝部内に内嵌されて
上記回転支軸が溝部内から脱落しないように上記溝部を
封止する構成とする。
【0012】この請求項3によれば、弁体の両側から突
出している回転支軸を一対の溝部内に装入した状態で第
1部材と第2部材とを互いに連結すれば、この連結作業
により一対の凸部が上記溝部内に内嵌して上記回転支軸
が脱落しないように保持されることになる。つまり、上
記第1部材と第2部材との組み付ければ、この組み付け
と同時に、弁体をハウジングの内部で揺動回転可能に保
持し得ることになる。これにより、組み付け工数の大幅
な低減を実現して容易に組み付け可能となる。しかも、
弁体の回転支軸を保持する溝部と凸部とがハウジングを
構成する第1部材及び第2部材の内面にそれぞれ一体に
形成されているため、ハウジングの内部空間、つまり流
体の流路に臨む空間に弁体の回転支持部のために従来の
如き複雑な形状部分の存在を排して単純な形状にするこ
とが可能となる。これにより、流路に流れる流体中に微
細な異物や髪の毛等の繊維状のものが含まれていても、
上記回転支持部に付着したりからみついたりすることを
可及的に防止して、それらに起因する回転作動不良の発
生を確実に回避し得る。このため、作動不良や誤作動の
発生を直接的にかつ確実に防止することが可能になる。
【0013】上記の場合、弁体と回転支軸とを互いに相
対回転自在に組み付ける場合には、上記の凸部と溝部と
により両者間に挟まれる回転支軸をきつく保持させれ
ば、所定位置に固定した回転支軸に対し弁体が揺動回転
可能に支持されることになる。また、上記弁体と回転支
軸とを互いに固定(相対回転不能状態)する場合には、
上記の凸部と溝部とにより両者間に挟まれる回転支軸を
緩く保持させれば、弁体及び回転支軸の全体がハウジン
グ側で相対回転可能に支持されることになる。
【0014】上記の請求項3においては、弁体自体を金
属板により形成したとしても、あるいは、回転支軸を弁
体に対し相対回転可能として上記溝部と凸部とにより相
対回転不能な状態に保持させるようにしたとしても、上
記の如く回転支持部におけるからみつきの防止により回
転作動不良等の発生を直接的に防止し得るものである
が、次の構成を採用することにより、組み付け工数のよ
り低減化と共に作動不良や誤作動の防止をより一層確実
なものとなし得る。すなわち、上記弁体を回転支軸とな
るシャフトと一体に合成樹脂成形により形成し、上記凸
部と溝部として、第1部材と第2部材とが互いに連結さ
れた状態で上記シャフトの両突出端部を相対回転可能に
保持する構成とする(請求項4)。
【0015】このようにすることにより、弁体とシャフ
トとは一体に形成されて弁体とシャフトとの組み付け工
数を削減し得る上に、弁体とシャフトとは相対回転不能
に固定され、そのシャフトの両突出端部である回転支軸
が上記溝部と凸部とにより相対回転可能に保持されるこ
とになる。このため、回転摺動部がハウジングの内面に
沿った位置に配設されることになり、弁体に対しシャフ
トを遊嵌させて相対回転自在にして回転摺動部がハウジ
ング内の流体の流れと直接に接触することになる場合と
比べ、からみつき等による回転作動不良の発生をより可
及的に防止し得ることになる。
【0016】この請求項4の構成に加え、さらに、上記
弁体を、閉状態に維持するための重量調整用の重錘を内
部に埋め込んだ状態で合成樹脂成形により一体形成する
構成を採用することにより(請求項5)、弁体自体の外
表面から突起等の存在を排して上記からみつき等に起因
する作動不良等の発生をより一層可及的に防止し得るこ
とになる。
【0017】さらに、合成樹脂成形により弁体を形成す
る上記の請求項1、請求項2、請求項4及び請求項5の
いずれかの流体スイッチにおいては、上記弁体として、
回転支軸となるシャフトの両端部のみを外部に露出させ
てそのシャフトを略全長にわたり内部に埋め込んだ状態
で形成する構成をさらに追加するようにしてもよい(請
求項6)。このようにすることにより、従来の場合の切
欠部の存在や、シャフトと弁体との間の微小な隙間の存
在等を排して、繊維状の異物がからみつく要因を可及的
に除去して作動不良等の発生をより一層確実に回避し得
る。
【0018】なお、この請求項6の場合を加えて上記の
合成樹脂成形により弁体を形成する流体スイッチにおい
ては、その弁体に抗菌加工を施すようにすることもでき
る(請求項7)。例えば、抗菌剤を含浸させた合成樹脂
を用いて弁体を成形したり、成形された合成樹脂製弁体
の外表面に抗菌皮膜を形成したりすればよい。これによ
り、弁体への菌の付着や繁殖を防止し得る。
【0019】一方、請求項8に係る発明では、流体を流
すための配管を備えた流体加熱用の熱源機を対象とし
て、上記配管に対し、請求項1〜請求項7のいずれかに
記載の流体スイッチを介装してなるものとした。
【0020】この請求項8によれば、上記流体スイッチ
により作動不良や誤動作等の発生が確実に防止され、配
管内に流体の流れが生じたときには上記流体スイッチか
らの検知信号を受けてその流れの発生を熱源機側で確実
に検知し得ることになる。このため、熱源機やこの熱源
機を構成する機器類の各作動状況の確認、作動異常の発
生の検知、あるいは、流体の流れの発生に基づく上記機
器類の作動開始制御等を確実に行い得る熱源機とするこ
とが可能になる。
【0021】このような「熱源機」としては、例えば風
呂釜、もしくは、湯張りが可能な給湯器付き風呂釜、あ
るいは、温水を循環させて暖房を行う温水暖房器等があ
り、特に循環のための配管内を流体がポンプ等により強
制循環されるタイプの熱源機においてその流体の強制循
環流の発生を検知するために上記流体スイッチが用いら
れるものに好適に適用される。
【0022】
【発明の効果】以上、説明したように、請求項1、請求
項2、請求項6及び請求項7のいずれかの流体スイッチ
によれば、重錘が内部に埋め込まれた状態で弁体の全体
が合成樹脂成形により一体に形成されているため、上記
重錘による閉作動の確実化を図りつつ、外表面に突起等
の存在をなくして滑らかな外表面にすることができる。
このため、流路に流れる流体中に微細な異物や髪の毛等
の繊維状のものが含まれていても、弁体に付着したりか
らみついたりすることを可及的に防止することができ、
それらに起因する作動不良や誤作動の発生を確実に防止
することができるようになる。
【0023】特に、請求項2によれば、磁石を重錘とし
て用いることにより、上記磁石の磁界を利用して開作動
に基づく流体の流れ発生の検知を行うことができ、検知
のための磁石と、重量調整用の重錘とを共に一つの磁石
の配設により実現させることができる。
【0024】請求項3〜請求項7のいずれかの流体スイ
ッチによれば、流体スイッチにおける弁体の回転支持部
構造として、従来の如き複雑な形状部分の存在を排して
単純な形状にすることができ、これにより、からみつき
等に起因する作動不良や誤作動等の発生を確実に防止し
得るものを提供することができる。その上に、その回転
支持部構造の組み付けを第1部材と第2部材とを組み付
けさえすればその組み付けと同時に完了させることがで
き、従来の組み付け工数よりも大幅な低減を実現させて
容易な組み付けを実現させることができる。
【0025】特に、請求項4によれば、弁体とシャフト
とが一体に形成されるため弁体とシャフトとの組み付け
工数を削減することができる上に、弁体と一体とされた
シャフトの回転支持部におけるからみつき等による回転
作動不良の発生をより可及的に防止することができるよ
うになる。
【0026】請求項5によれば、請求項4の弁体を重量
調整用の重錘が内部に埋め込まれた状態で合成樹脂成形
により一体形成することにより、弁体自体の外表面から
突起等の存在を排して上記のからみつき等に起因する作
動不良等の発生をより一層可及的に防止することができ
ようになる。
【0027】請求項6によれば、従来の場合の切欠部の
存在や、シャフトと弁体との間の微小な隙間の存在等を
排して、繊維状の異物がからみつく要因を可及的に除去
することができ、これにより、作動不良等の発生をより
一層確実に回避することができるようになる。
【0028】請求項7によれば、流路に介装される流体
スイッチの弁体として、菌の付着や繁殖を防止したもの
とすることができる。
【0029】また、請求項8の熱源機によれば、請求項
1〜請求項7のいずれかの流体スイッチを備えることに
より作動不良や誤動作等の発生を確実に防止して、配管
内に流体の流れが生じたときには上記流体スイッチから
の検知信号を受けてその流れの発生を熱源機側で確実に
検知することができるようになる。このため、風呂釜等
の熱源機として、熱源機やこの熱源機を構成する機器類
の各作動状況の確認、作動異常の発生の検知、あるい
は、流体の流れの発生に基づく上記機器類の作動開始制
御等が確実に行い得るものを提供することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0031】図1は、本発明の第1実施形態に係る流体
スイッチ1の縦断面図を示す。この流体スイッチ1は水
流スイッチともいわれるものであり、同図において、2
はハウジングを構成する第1部材としてのハウジング本
体、3は同じくハウジングを構成する第2部材としての
蓋体、4は弁体、5は弁体に埋め込まれた磁石、6はこ
の磁石5の磁界を受けてON信号を出力する近接センサ
である。
【0032】上記ハウジング本体2は、下向きに開口す
る流入口21と、上部位置で横向きに開口する流出口2
2と、上下中間位置において横向き(図1において右横
向き)に開口する開口部23とを備えたものであり、そ
して、上記流入口21から流出口22までの間が流路2
4とされ、流体はこの流路24に対し上向きに流される
ようになっている。また、上記流路24には閉状態(図
1に一点鎖線で示す状態)の上記弁体4に対し流体が流
れた際に流体圧を作用させるように通孔25が形成さ
れ、この通孔25の上側位置の近傍には上記閉状態の弁
体4が当接する当接部26が形成されている。この当接
部26は、上記弁体4が閉状態になっても上記通孔25
を完全に密閉状態にはせずに流入口21側と流出口22
側とを若干量連通状態に維持させるために設けられたも
のである。
【0033】上記蓋体3は上部に上記近接センサ6が例
えば割りピン61により脱落しないように収容され、内
部に上記弁体4の基端部側を収容する収容空間31が形
成されている。この収容空間31は横向き(図1におい
て左横向き)に上記開口部23と同等サイズで開口され
ており、この開口部32を上記開口部23と相対向させ
て両者間にシール材33を介した状態でハウジング本体
2に対し蓋体3をネジ34で連結することにより、ハウ
ジング1が組み付けられるようになっている。上記の相
対向させる方向(図1においては同図の左右方向)のこ
とを以後相対向方向という。
【0034】上記弁体4は、図2にも示すように側面視
でへの字状の全体形状を有する本体41と、先端縁41
aへの屈曲部上の凸状部41b内に埋め込み固定された
磁石5と、基端部41c内に埋め込み固定された回転支
軸となるシャフト42とからなり、これらが合成樹脂成
形により一体に形成されている。この合成樹脂成形は成
形型のキャビティの所定位置に上記磁石5とシャフト4
2とをインサート材として配置した上で溶融状態の合成
樹脂を流し込んで硬化させればよい。この合成樹脂成形
により上記凸状部41bや先端縁41cを含む本体41
の全体が滑らかな外表面を有するように形成され、基端
部41cの両側からシャフトの各端部が回転支軸43,
43(図3も併せて参照)として突出することになる。
なお、図2及び図1中の符号36は蓋体3に一体に形成
された当止部であり、この当止部36は弁体4が上向き
に跳ね上げられたときに凸状部41bが突き当たるよう
になっている。このようにすることにより、突き当たる
際の騒音抑制を図るようにしている。
【0035】再度、上記ハウジング本体2と、蓋体3と
の説明に戻ると、ハウジング本体2の両側の内側面には
図3に示すように上記相対向方向(図3においては同図
の上下方向)に横向きに延びて開口部23から蓋体3の
側に突出する一対の凸条部27が形成されている。一
方、上記蓋体3の両側の内側面には上記相対向方向に延
びる一対の凹状の溝部35,35が形成されている。こ
の各溝部35は、図4(a)に示すように上記相対向方
向(図4においては同図の左右方向)のハウジング本体
2の側と、上記相対向方向に直交して一対の溝部35,
35を結ぶ側とにそれぞれ開口され、上記相対向方向の
ハウジング本体2の側とは逆の側がUの字状の底壁部3
51とされている。
【0036】上記各溝部35はその溝幅が上記回転支軸
43の外径よりも微小寸法だけ大きいものの上記外径と
ほぼ同等の寸法に設定されており、上記各凸条部27の
突出端には段部を介して上記溝部35に内嵌し得る凸部
271が形成されている。また、上記各凸部271は図
4(b)に示すように蓋体3をハウジング本体2に対し
ネジ34(図1参照)で連結することにより上記溝部3
5に内嵌して回転支軸43を相対回転自在に保持するよ
うに位置付けられている。そして、上記の連結が完了し
た状態では、凸部271の先端と上記底壁部351との
間に上記回転支軸43の外径よりも微小寸法だけ大きい
間隔のスペースを残した状態で凸部271が内嵌し、こ
れにより、上記回転支軸43,43を相対回転自在に保
持する回転支持部が形成されるようになっている。
【0037】なお、図1中の符号29はサーミスタ等の
温度センサであり、この温度センサ29により流路24
を流れる流体の温度が検出されるようになっている。
【0038】以上の構成の流体スイッチ1の組み付け
は、まず上記弁体4を合成樹脂成形により形成し、その
回転支軸43,43を蓋体3の溝部35,35(図2参
照)に装入する。そして、この装入した状態で、シール
材33を間に仮付けしたハウジング本体2の開口部23
から弁体4を流路24内に差し込みつつ、例えば蓋体3
の位置決め突起37,37(図2参照)をハウジング本
体2側の図示省略の孔にはめ込むようにネジ34で連結
させる。すると、この連結と同時に両凸部271,27
1が上記溝部35,35に内嵌して上記回転支軸43,
43が溝部の底壁部351側に位置付けられて相対回転
自在に保持されることになる。以上で組み付けが完了す
る。
【0039】そして、流体スイッチ1が配管の途中に介
装されると、流体の流れがないかその流れが所定流量未
満の僅かなものであれば弁体4は磁石5等の自重により
倒伏して通孔25を塞いだ閉状態(図1に一点鎖線で示
す状態)となる一方、所定流量以上の流れが生じればそ
の流体の流れの圧力を通孔25から上向きに受けて弁体
4が揺動回転により跳ね上げられて開状態(図1に実線
で示す状態)に位置変換されることになる。この開状態
になると磁石5の磁界が近接センサ6に及び、近接セン
サ6はこの磁界を受けてON信号を出力することにな
る。このON信号により所定流量以上の流体の流れが生
じたことが検知されることになる。そして、流体の流れ
が再び所定流量未満になると、上記磁石5等の自重と流
体の圧力との重量バランスにより弁体4が上記とは逆向
きの揺動回転により再び倒伏して閉状態になる。すなわ
ち、弁体4の先端縁41aが当接部26に当接して静止
状態になる。なお、上記の弁体4の揺動回転はその回転
支軸43,43自体が各溝部35と凸部271との間の
回転支持部において回転摺動することにより行われる。
【0040】このような流体スイッチ1の場合には、流
路24に臨む弁体4の基端側においてシャフト42は上
記弁体4自体に埋め込まれ露出しておらず、加えてその
回転支軸43,43が蓋体3の内側面の回転支持部によ
り保持されて、流路24に臨む部分に従来の流体スイッ
チ10(図6参照)やその弁体40(図6及び図7参
照)の如く複雑な形状部分が存在しないようになってい
るため、流路24に流される流体が髪の毛やタオル屑等
の繊維状の異物を含むものであっても、その繊維状の異
物のからみつきや付着の発生を可及的に回避することが
できる。加えて、弁体4自体が磁石5等を内部に埋め込
んだ状態で合成樹脂成形により一体に形成されるため、
従来の流体スイッチに比べ部品点数を大幅に低減させる
ことができる上に、上記の組み付けの手順においても説
明したように蓋体3をハウジング本体2に対し組み付け
るだけで、同時に、弁体4を揺動回転自在な状態に組み
付けることができる。これにより、流体スイッチの製造
を容易に行うことができる。
【0041】<第2実施形態>図5は、本発明の第2実
施形態に係る熱源機として給湯器付き風呂釜200を示
し、この給湯器付き風呂釜200はその追い焚き循環路
に対し上記第1実施形態の流体スイッチ1を介装させた
ものである。
【0042】上記給湯器付き風呂釜200として図5に
は1缶2回路式に構成されたものを示すが、これに限ら
ず、2缶2回路式に構成された給湯器付き風呂釜に上記
流体スイッチ1を適用しても同様の作用効果を得ること
ができる。
【0043】上記給湯器付き風呂釜200は、給湯回路
7と、浴槽100内の湯水の追い焚きを行う追い焚き回
路8と、上記給湯回路7及び追い焚き回路8の双方を熱
交換加熱するための共通の熱交換缶体9と、これらの各
運転作動を制御するコントローラ10とを備えたもので
ある。
【0044】上記給湯回路7は、水道管に接続された入
水管路71から給湯側熱交換器72に導入された水を共
通の燃焼バーナ73の燃焼熱により熱交換加熱し、加熱
後の湯水を出湯管路74を通して下流端の給湯栓75ま
で給湯させるようになっている。
【0045】この給湯回路7による給湯運転制御は上記
コントローラ10により行われ、給湯栓75が開かれて
最低作動流量以上の入水流量が検出されると上記燃焼バ
ーナ73が燃焼作動されて入水を所定温度まで加熱して
出湯管路74に出湯させるようになっている。
【0046】上記追い焚き回路8は配管としての循環路
81と、循環ポンプ82と、追い焚き側熱交換器83と
を備えている。上記循環路81は浴槽100内の湯水を
上記熱交換器83に戻す戻り管路81aと、熱交換器8
3で加熱された湯水を上記浴槽100に供給する往き管
路81bとから構成されている。そして、上記追い焚き
回路8においては、上記リモコン101の追い焚きスイ
ッチがON操作されるとコントローラ10により循環ポ
ンプ82が作動されて燃焼バーナ73が燃焼作動されて
追い焚き運転制御が行われるようになっている。これに
より戻り管路81aを通して上記熱交換器83に戻され
る浴槽100内の湯水を上記燃焼バーナ73の燃焼熱に
より追い焚き加熱し、加熱後の湯水を往き管路81bを
通して再び上記浴槽100内に供給して追い焚き循環加
熱されるようになっている。
【0047】この追い焚き運転制御の際に、上記循環ポ
ンプ82の作動により上記戻り管路81aに浴槽100
の湯水が熱交換器83側に強制的に流されると、上記循
環ポンプ82の下流側位置に介装された流体スイッチ1
の弁体4(図1参照)が上記湯水の流れの圧力を受けて
閉状態から開状態に位置変換し、これにより、上記流体
スイッチ1からコントローラ10に対しON信号が出力
されることになる。そして、コントローラ10ではこの
ON信号の出力を受けて循環流が生じていることの確認
(循環判定)を行い、この循環判定により循環流を確認
した上で上記燃焼バーナ73の燃焼作動を開始させるよ
うになっている。
【0048】なお、図5中76は注湯管路であり、この
注湯管路76は上記給湯回路7からの出湯を上記循環路
81を通して浴槽100に落とし込み、浴槽100の湯
張りを行うものである。
【0049】以上の給湯器付き風呂釜においては、上記
流体スイッチ1が第1実施形態の項でも説明したように
作動不良や誤動作の発生を可及的に防止して確実に流体
の流れを検知し得るようになっているため、上記の追い
焚き運転制御を確実に行うことができるようになる。
【0050】<他の実施形態>なお、本発明は上記第1
及び第2実施形態に限定されるものではなく、その他種
々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記第
1及び第2実施形態での流体スイッチ1では、磁石5
と、この磁石5の磁界によりON信号を出力する近接セ
ンサ6との組み合わせにより弁体4の開作動を検知し
て、これにより、流体の流れを検知するようにしている
が、これに限らず、例えば上記弁体4の位置変換をシャ
フト42の回転により検知してこのシャフト42の回転
を受けてON信号を出力するセンサスイッチを配設する
ことにより流体の流れの検知を行うように構成してもよ
い。
【0051】また、上記第1実施形態又は第2実施形態
の流体スイッチ1では、弁体4とシャフト42とを互い
に固定して蓋体3側の回転支持部により相対回転自在に
しているが、逆にシャフト42の回転支軸43を蓋体3
側に固定し、その固定された回転支軸43の回りを弁体
が相対回転するように構成してもよい。この場合には、
異物等のからみつきや付着の問題がなければ図3に符号
41dで示すような切欠部を形成することにより、シャ
フト42回りの回転の際の摺動抵抗を低減させることが
可能になる。
【0052】上記流体スイッチ1の回転支持部を構成す
る溝部35の溝底壁351の形状としては第1実施形態
に示す如くUの字溝形状にしなくても、例えばVの字溝
形状、あるいは、矩形溝形状にしてもよい。要するに、
回転支軸43の径方向への相対移動を線接触や面接触で
はなくても点接触により阻止できるようにすれば、相対
回転可能に保持し得る。
【0053】さらに、上記流体スイッチ1の弁体4を成
形するための合成樹脂として抗菌剤を含浸させたものを
用いることにより、成形された弁体4に抗菌加工を施す
ようにしてもよい。特に、第2実施形態のような熱源機
に用いる場合には、流れる流体が浴槽100内の湯水で
あるため、弁体4での菌の繁殖等を防止して清潔に維持
し得る点で好適に適用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の流体スイッチを示す縦
断面図である。
【図2】弁体と蓋体との分解斜視図である。
【図3】図1のA−A線における分解状態の断面説明図
である。
【図4】図3のB−B線における拡大断面説明図であ
り、図4(a)は組み付け途中の状態を、図4(b)は
組み付け状態をそれぞれ示す。
【図5】第2実施形態の熱源機を示す模式図である。
【図6】従来の流体スイッチを示す図1対応図である。
【図7】図6の弁体の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 流体スイッチ 2 ハウジング本体(第1部材;ハウジン
グ) 3 蓋体(第2部材;ハウジング) 4 弁体 5 磁石(重錘) 6 近接センサ 23 ハウジング本体の開口部 24 流路 32 蓋体の開口部 35 溝部 42 シャフト 43 回転支軸(シャフトの突出端部、シャフ
トの両端部) 81 循環路(配管) 200 給湯器付き風呂釜(流体加熱用の熱源
機) 271 凸部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流路に臨んで揺動回転自在に配設されて
    その流路に流体の所定の流れがないときは閉状態に維持
    される一方、流体の流れの圧力を受けて開作動する弁体
    を備え、この開閉作動により流体の流れを検知するよう
    に構成された流体スイッチにおいて、 上記弁体が、閉状態に維持するための重量調整用の重錘
    を内部に埋め込んだ状態で合成樹脂成形により一体形成
    されてなることを特徴とする流体スイッチ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の流体スイッチであって、 上記重錘として磁石を用いてなる、流体スイッチ。
  3. 【請求項3】 ハウジングに対し揺動回転自在に保持さ
    れて流路に流体の所定の流れがないときは上記流路を塞
    いだ閉状態に維持される一方、流体の流れの圧力を受け
    て開作動する弁体を備え、この開閉作動により流体の流
    れを検知するように構成された流体スイッチにおいて、 上記弁体には回転支軸が両側に突出され、 上記ハウジングは第1部材と第2部材との互いの開口部
    を相対向させて互いに連結することにより形成され、 上記第1部材と第2部材との一方には上記両側の回転支
    軸が上記相対向方向から装入可能な一対の凹状溝部が一
    体に形成され、他方には上記両溝部内に対し上記相対向
    方向から内嵌可能な一対の凸部が一体に形成され、 上記凸部と溝部とは、その溝部内に上記回転支軸を上記
    相対向方向から装入させた状態で上記第1部材と第2部
    材とを互いに連結することにより、上記凸部が溝部内に
    内嵌されて上記回転支軸が溝部内から脱落しないように
    上記溝部を封止するように構成されていることを特徴と
    する流体スイッチ。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の流体スイッチであっ
    て、 上記弁体は回転支軸となるシャフトと一体に合成樹脂成
    形により形成され、 上記凸部と溝部とは第1部材と第2部材とが互いに連結
    された状態で上記シャフトの両突出端部を相対回転可能
    に保持するように構成されている、流体スイッチ。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の流体スイッチであっ
    て、 上記弁体が、閉状態に維持するための重量調整用の重錘
    を内部に埋め込んだ状態で合成樹脂成形により一体形成
    されてなる、流体スイッチ。
  6. 【請求項6】 請求項1、請求項2、請求項4及び請求
    項5のいずれかに記載の流体スイッチであって、 上記弁体が、回転支軸となるシャフトの両端部のみを外
    部に露出させてそのシャフトを略全長にわたり内部に埋
    め込んだ状態で形成されている、流体スイッチ。
  7. 【請求項7】 請求項1、請求項2、請求項4、請求項
    5及び請求項6のいずれかに記載の流体スイッチであっ
    て、 上記弁体に抗菌加工を施してなる、流体スイッチ。
  8. 【請求項8】 流体を流すための配管を備えた流体加熱
    用の熱源機において、 上記配管に対し、請求項1〜請求項7のいずれかに記載
    の流体スイッチを介装してなることを特徴とする熱源
    機。
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