JP2003154631A - 印刷用ゴムローラおよびその製造方法 - Google Patents

印刷用ゴムローラおよびその製造方法

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JP2003154631A JP2001356200A JP2001356200A JP2003154631A JP 2003154631 A JP2003154631 A JP 2003154631A JP 2001356200 A JP2001356200 A JP 2001356200A JP 2001356200 A JP2001356200 A JP 2001356200A JP 2003154631 A JP2003154631 A JP 2003154631A
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Seiji Tomono
誠二 伴野
Hiroshi Tajima
啓 田島
Toshio Kamata
敏生 鎌田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】印刷機におけるインキ機構に用いられるゴムロ
ーラであって、印刷の連続稼動においても印圧調整の頻
度が少なくて済み、しかも印刷性能がよく維持されたゴ
ムローラを提供する。 【解決手段】加硫されたゴム組成物であって、それに動
的変化応力(チャック間距離20mm、40℃、初期歪
み2mm、振幅50mm、振動数10Hz)を加えたと
きのtanδが0.17以下であるゴム組成物を用いて
ゴムローラを形成する。このゴムローラは、インキに対
する体積変化率ΔVを±15%以内に、またゴム硬度を
40〜70IRHDに調整されていることが好ましい。
このゴムローラは、連続稼動の印刷に供してもニップ幅
を調整するなどの印圧調整の頻度を減らすことができる
ので、印刷作業性が向上する。前記印刷用ゴムローラ
は、それを形成する加硫ゴム組成物の調製に際して、前
記のtanδ値となるようにに、さらに好ましくは前記
のΔVおよびゴム硬度を有することを指標にして、ゴム
材料と配合薬剤の種類および配合量を選択することによ
り製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷機のインキ機
構に供する、印刷作業性の向上に適したゴムローラとそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】印刷機には、インキ転移やインキ練りな
どのためにゴムローラが使用されており、連続稼動して
も安定に所期目的を果たす機能を有することが要求され
る。このために従来は、印刷用ゴムローラのニップ圧
(幅)を微妙に調整しながら印刷を行っているが、この
調整の仕方によって印刷品質やローラの寿命に影響が現
れる。例えば、特許第2931719号特許公報にも記
載されているように、ニップ圧を強くすれば、インキ量
の制御はし易くなるが、圧力と、周速差による発熱が大
きくなり、同時にインキ受渡しローラの表面磨耗が激し
くなり、そのローラの寿命が著しく低下させることにな
り、逆にニップ圧を軽くすれば、発熱と消耗は少なくな
るが、パターン再現やインキのミスティング、インキ量
のムラが発生する。特に版と接触する印刷ローラを連続
稼動させると熱膨張により印圧が高くなり印刷品質が変
化しドットゲインやスラーの原因となり、印刷物に悪影
響を及ぼす。
【0003】また、インキにより印刷用ゴムローラが膨
潤することによっても同様の問題が発生する。このため
に、従来のゴムローラを用いて連続稼動し常に同品質の
印刷物を得ようとすれば、しばしば印刷機を停止させて
印圧を微調整しなければならず、印刷生産性が阻害され
ている場合が多い。上記の特許第2931719号特許
公報は、ロール表面を対角度が20°〜160°の格子
型または軸方向との角度が10°〜80°の斜線型で、
幅および深さがランダムな溝状に粗面化して、連通した
凹部を有する印刷用ローラを開示し、インキの流動性と
転移量を満足しようとすることが記載されている。この
ようにゴムローラの形状に特徴を有する発明であるが、
汎用性の程度は不明である。
【0004】一方、特開平10−287780号公報に
は、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、塩化ビニル系
ポリマー、熱可塑性ポリウレタン及び可塑剤を含む熱可
塑性動的加硫弾性体組成物から形成されているオフセッ
ト印刷用弾性体ローラを開示し、低発熱性、耐印刷イン
キ性などの効果が謳われている。しかし、塩化ビニル系
ポリマーが含まれていることから、圧縮永久歪みが大き
くなり、印刷用ローラとして十分な機能を有するかどう
か疑問点を残している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
印刷用ゴムローラは運転中の熱膨張あるいはインキによ
る体積変化を抑えることが困難であり、印刷の品質を維
持するためには連続稼動中にニップ幅などを調整する頻
度を多くしなければならず、しばしば印刷作業性の低下
をまねいている。本発明の目的は、かかる課題が解決さ
れた印刷用ゴムローラを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは印
刷用ゴムローラの性能に及ぼす諸要因を種々検索した結
果、動的変化応力(チャック間距離20mm、測定温度
40℃、初期歪み2mm、振幅50mm、振動数10H
z)を加えたときのtanδが0.17以下であるゴム
組成物からゴムローラを形成するとき、ゴムローラの発
熱膨張が抑制されるとの知見を得て、これに基づきさら
に検討を重ねて本発明を完成したものである。
【0007】すなわち、本発明の印刷用ゴムローラは、
動的変化応力(チャック間距離20mm、測定温度40
℃、初期歪み2mm、振幅50mm、振動数10Hz)
を加えたときのtanδが0.17以下であるゴム組成
物から形成されていることを特徴とするものである。こ
こで、前記tanδは前記ゴム組成物に正弦波振動など
の動的に変化する応力を加えたときにみられる粘弾性特
性であり、複素弾性率E*〔下記の式(2)〕における
貯蔵弾性率E’と損失弾性率E’’の比〔下記の式
(3)〕で表される。
【0008】
【数3】
【0009】〔式中、iは虚数を示し、次式(4):
【0010】
【数4】
【0011】で表される。〕本発明の印刷用ゴムローラ
は、前記のとおりtanδが0.17以下のゴム組成物
を用いることにより、連続稼動しても低発熱性であり膨
張が抑えられていることから、印圧調整の頻度を少なく
しても印刷品質がよく維持される。本発明において、前
記tanδは、0.12以下であればさらに好ましく、
また下限値は特に限定されないがゴムの耐久性などを考
慮すれば0.04以上であることが好ましい。
【0012】本発明の印刷用ゴムローラは、それを形成
するゴム組成物が前記tanδ値を有し、かつインキに
浸漬したときの体積変化率ΔV(%)を式(1):
【0013】
【数5】
【0014】(式中、V1は厚み0.3mmのゴム試料
をインキ中に40℃で24時間浸漬したときの体積を、
0はその浸漬前の体積をそれぞれ示す)で表すとき、
ΔVが±15%以内であることが好ましく、ΔVが±1
0%以内であればさらに好ましいものである。このよう
にインキ浸漬による膨潤を上記の特定値以下に制御する
ことによってローラの発熱膨張がさらに抑えられ、また
逆に収縮を制御する方向にも作用してローラの径が細く
なることが防止されるから、印圧調整が一層し易くな
る。本発明において、印刷用ゴムローラは上記のtan
δとΔV値を有し、これに加えてゴム硬度が40〜70
IRHD(国際ゴム硬さ単位)であるゴム組成物で形成
することにより、印刷稼動中の発熱がより一層抑制され
て印圧調整の頻度を減らし、印刷性能をよく維持すると
いう効果がより強く発揮される。ここで、IRHDは、
JIS 6253-1993に規定されている方法により測定
したゴム硬さである。ゴム硬度が40IRHD未満で
は、印圧が不足しがちでニップ幅を狭くするために圧縮
永久歪みを生じやすくなり、一方で75IRHDを超え
ると逆にベタ着肉性が悪くなる傾向がある。このゴム硬
度は45〜65IRHDであれば、効果上さらに好まし
い本発明の印刷用ゴムローラは、「ゴム材料および配合
薬剤よりなるゴム組成物を円筒状に成形し、加硫する印
刷用ゴムローラの製造において、前記加硫後のゴム組成
物に動的変化応力(チャック間距離20mm、測定温度
40℃、初期歪み2mm、振幅50mm、振動数10H
z)を加えたときに、tanδが0.17以下であるこ
とを指標にして、前記ゴム材料および配合薬剤の種類と
配合量を選択することを特徴とする印刷用ゴムローラの
製造方法」によって作製できる。この製造方法におい
て、前記加硫後のゴム組成物が、前記(1)式で求めら
れるΔVが±15%以内であることを指標にしてゴム材
料および配合薬剤の種類と配合量を選択することが好ま
しく、ΔVが±10%以内であるように選択することが
さらに好ましい。これに加えて、ゴム硬度が40〜70
IRHD(国際ゴム硬さ単位)、さらに好ましくは45
〜65IRHDであるように、ゴム材料および配合薬剤
の種類と配合量を選択することがより一層好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明で対象とする印刷用ゴムロ
ーラは、平版あるいは樹脂凸版印刷機などに使用される
インキ移しローラ、インキ練りローラあるいはインキ着
けローラのいずれであってもよい。これらのローラのな
かでも、版面にインキを着けるためのインキ着けローラ
を好対象とする。このローラは、芯金にゴム組成物を被
覆して形成され、通常の形状は、外径が約90mm、芯
金の直径が約60mm、ゴム層の厚みが約15mm付近
であるが、この形状に特に限定されるものではない。
【0016】本発明において、ゴムローラを形成するた
めのゴム組成物は、前記したとおりのtanδ値を有す
るものであり、これに加えて前記体積変化率ΔVを備え
ていることが好ましく、さらには前記ゴム硬さを備えて
いることが一層好ましい。このゴム組成物は、ゴム材料
と配合薬剤(加硫剤・加硫促進剤、補強剤、可塑剤な
ど)の種類と配合量を、前記特性を有するように選択
し、決定することによって調製できる。例えば、ゴム材
料としてアクリルニトリル含有量が少ないアクリルニト
リルブタジエンゴム(NBR)を用いること、補強剤で
あるシリカ量を少なくすること、可塑剤の量を多くする
こと、加硫剤・加硫促進剤の量を少なくすることは、い
ずれもtanδ値を小さくする方向に作用するから、こ
れらの調節によって所望のtanδ値を有するように調
製すればよい。要は、前記した測定法によるtanδが
0.17以下であることを指標にして、諸要因を変化さ
せて加硫ゴム組成物を調製すればよい。
【0017】また、前記のインキ浸漬時の体積変化率Δ
Vを有するゴムローラは、印刷に用いるインキの種類に
よって適切なゴム材料を選択し、さらに配合薬剤の種類
や配合量などを調整して、所望のΔVを有するように調
製すればよい。本発明におけるゴムローラのためのゴム
材料としては、油性インキ用ローラの場合、耐油性であ
るもの、例えばNBR、水素添加NBR、液状NBR、
クロロプレンゴム(CR)、チオコール(T)あるいは
ウレタンゴム(U)などを用いることができる。また、
UVインキ用ローラの場合、極性の低いもの、例えばE
PDMあるいはEPMなどを用いることができる。EP
DMには、ゴム成分のみからなる非油展タイプと親展を
含む親展タイプとが存在するが、本発明の印刷用ローラ
にはいずれのタイプのものも用いることができる。本発
明においては、複数のゴム材料を組み合わせることによ
り、前記のtanδ等の物性値を有するように調整して
もよい。
【0018】本発明の印刷用ゴムローラは、前記したよ
うなゴム材料と配合薬剤の種類および配合量を、加硫後
のゴム組成物が前記したtanδを有し、さらに好まし
くは前記したΔV(%)、ゴム硬度を有するように選択
し、円筒状に成形して加硫することによって得られる。
一般に、加硫後は、外周面を研磨し、所望の厚みと表面
粗さを有するように調整する。前記の配合薬剤として
は、次のものが例示される。加硫剤としては、例えば硫
黄、有機含硫化合物のほか、有機過酸化物なども使用可
能である。有機含硫化合物としては、例えばテトラメチ
ルチウラムジスルフィド、N,N’−ジチオビスモルホ
リン等が挙げられる。また、有機過酸化物としては、例
えばベンゾイルペルオキシド等が挙げられる。加硫剤の
配合量は、当該ゴム組成物が加硫されるに十分な量であ
ってtanδが0.17以下となる量であればよく、通
常、ゴム100重量部に対して1〜10重量部の範囲か
ら選択される。
【0019】加硫促進剤としては、例えばテトラメチル
チウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフ
ィド等のチウラム類;ジブチルジチオカルバミン酸亜
鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛などのジチオカル
バミン酸類;2−メルカトベンゾチアゾール、N−シク
ロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドな
どのチアゾール類;トリメチルチオ尿酸;N,N’−ジ
エチルチオ尿素などのチオウレア類などの有機促進剤
や、消石灰、マグネシア(MgO)、リサージ(Pb
O)などの無機促進剤が挙げられる。
【0020】加硫促進助剤としては、例えば亜鉛華など
の金属酸化物、ステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸
などの脂肪酸、その他従来公知の種々の加硫促進助剤が
挙げられる。可塑剤としては、例えばフタル酸系、アジ
ピン酸系、セバチン系、安息香酸系などの化合物が用い
られる。具体的には、ジブチルフタレート(DBP)、
ジオクチルフタレート(DOP)、トリクレジルフォス
フェート(TCC)などが挙げられる。
【0021】補強剤(充填剤)としては、例えばシリ
カ、炭酸カルシウム、カーボンブラック、クレー、タル
ク、硫酸バリウム、ケイ藻土などが挙げられる。本発明
の印刷用ゴムローラにおける芯金としては、従来公知の
ものがいずれも使用可能である。具体的には、銅、ステ
ンレス、アルミニウムなどのシャフトが挙げられる。本
発明の印刷用ゴムローラの製造に際しては、予備試験的
にゴム材料と配合薬剤についてそれらの種類と配合量と
を、その加硫後のゴム組成物が前記のtanδと、さら
に好ましくはΔV値、ゴム硬度を有するように、決定し
ておき、その結果に基づいて工業的実施に移すことが望
ましい。ゴムローラの成形方法は常法に従ってよく、ゴ
ム材料と配合薬剤はよく混練した後、金型成型や円筒状
に押出し成形し、加硫する。加硫は、必要に応じて2次
加硫を行ってもよい。
【0022】上記加硫の方法としては缶加硫が好適であ
るが、その他の加硫方法であってもよい。加硫条件は、
使用するゴム材料の種類や配合組成を考慮し、かつ上記
tanδとさらにはゴム硬度を有するような条件を選択
する。通常、温度は140〜170℃、加熱時間で0.
5〜6時間程度の範囲から条件を設定すればよい。上記
方法で得られた弾力性を有する円筒状成形物に芯金を挿
入し、所定の長さにカットした後、必要に応じて表面を
研磨することによって本発明の印刷用ゴムローラが得ら
れる。
【0023】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて本発明をさ
らに具体的に説明する。 比較例1 NBR(アクリルニトリル含有量:35%)100重量
部と、これに対してシリカ50重量部、DBP(可塑
剤)15重量部、亜鉛華5重量部、ステアリン酸1重量
部、硫黄1重量部、加硫促進剤(1)(テトラメチルチウ
ラムジスルフィド)1重量部および加硫促進剤(2)(N
−ターシアリブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェン
アミド)1.5重量部を配合し、混練して円筒状に押出
し成形した後、加硫缶にて150℃で180分間加硫し
た。この成形物に芯金(直径60mm)を挿入し、外径
が90mmでゴム層の厚みが15mmとなるように研磨
仕上げをして印刷用ゴムローラを得た。
【0024】実施例1〜6 ゴム材料および配合薬剤を表1に示す各配合割合とし、
その他の条件は比較例1と同様にして各印刷用ゴムロー
ラを得た。 〔物性試験〕 tanδ: レオロジー社製のRHEOSPECTOL
ER DVE−V4型を用いて前記の条件で測定した。
【0025】ΔV(%): チョウバランス社製のアル
キメデス比重計を用いて前記の条件で測定した。 〔印刷試験〕 印刷機: 金属2ピース缶用印刷機「コンコルド」を用
いた。 インキ: 大日本インキ化学工業(株)製の金属用インキ
を用いた。
【0026】印刷条件: 初期のローラと版の圧力を2
kgとし、印刷速度700cpmで行った。 上記の印刷試験における評価項目と評価基準を次に示
す。 <印圧調整頻度> ×: 頻繁に印圧調整が必要である。 △: 立ち上がり時のみ印圧調整を必要とする場合があ
る。
【0027】 ○: 1000万缶印刷においても殆ど印圧調整が不要
である。 ◎: 立ち上がりから1000万缶まで印圧調整なしに
印刷可能である。 <印刷物のベタ着肉性> ×: ベタ部の濃度が不均一で素抜けが多い。 △: ベタ部に若干の素抜けが見られる。 ○: 均一なベタ着肉が得られる。
【0028】 ◎: インキの転移量も多く、非常に均一なベタ着肉が
得られる。 上記の物性測定および印刷試験の結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】これらの結果から、比較例1のように、t
anδが0.17を超え、さらにΔVが15%よりも大
きく、またゴム硬度が70IRHDよりも高いゴムロー
ラは、印圧調整頻度およびベタ着肉性のいずれにおいて
も改善を要することがわかる。一方、実施例1〜6のよ
うに、tanδを0.17以下となるように調整して得
られたゴムローラは、比較例1に比べて、印圧調整頻度
およびベタ着肉性のいずれも改善されていることを示し
ている。とりわけ、実施例1および2のゴムローラは、
ΔV値が小さくかつゴム硬度が40〜70IRHD以内
の真中あたりに調整されていることからよい結果を示し
ている。
【0031】さらに詳しくみると、実施例3のゴムロー
ラは、ΔVが20%でありややインキにより膨潤するた
めに、印刷の初期において印圧調整を要したものの、比
較例1に比べればよい結果を示した。実施例4のゴムロ
ーラは、可塑剤を比較的多くした例であるが、この場合
はインキにより可塑剤が抽出されてΔVが−20%とマ
イナス側になりローラの径が細る傾向にあり若干の印圧
調整を要したが、比較例1に比べればよい結果を示し
た。実施例5はゴム硬度が40IRHDとやや低めであ
り、若干の印圧調整を要したが、比較例1に比べればよ
い結果を示している。実施例6のゴムローラは、ゴム硬
度を75IRHDとやや高めに設定した例であるが、ベ
タ着肉性において実施例1に比べればやや劣るものの、
比較例1に比べればよい結果を示している。これらの結
果は、本発明においてゴム硬度を40〜70IRHDに
調整により、印刷作業性と印刷品質がより改善されるこ
と示している。
【0032】
【発明の効果】上記に説明したとおり、本発明の印刷用
ゴムローラは、tanδが0.17以下であるゴム組成
物から調製されていることに起因して、連続稼動の印刷
に供しても安定でありニップ幅を調整するなどの印圧調
整の頻度を減らすことができるので、印刷作業性が向上
する。しかも、印刷時のベタ着肉性などの印刷性能がよ
く維持されている。このゴムローラは、インキに対する
体積変化率ΔVを±15%以内となるように調整するこ
とが好ましく、±10%以内であればさらに好ましい。
また、ゴム硬度が40〜70IRHDに調整すれば一層
効果上好ましい。
【0033】前記印刷用ゴムローラは、それを形成する
加硫ゴム組成物の調製に際して、前記のtanδ値に、
さらに好ましくは前記のΔVおよびゴム硬度を有するこ
とを指標にして、ゴム材料と配合薬剤の種類および配合
量を選択することにより得られる。従って、これらを予
備試験的に小規模スケールで選択し決定しおくことによ
り、その結果に基づいて工業的規模の生産に円滑かつ安
全に移すことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鎌田 敏生 兵庫県神戸市中央区脇浜町3丁目6番9号 住友ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 2C250 DC12

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】印刷用ゴムローラであって、当該ゴムロー
    ラが、動的変化応力(チャック間距離20mm、測定温
    度40℃、初期歪み2mm、振幅50mm、振動数10
    Hz)を加えたときのtanδが0.17以下であるゴ
    ム組成物から形成されていることを特徴とする印刷用ゴ
    ムローラ。
  2. 【請求項2】前記ゴム組成物をインキに浸漬したときの
    体積変化率ΔVを式(1): 【数1】 (式中、V1は厚み0.3mmのゴム試料をインキ中に
    40℃で24時間浸漬したときの体積を、V0はその浸
    漬前の体積をそれぞれ示す)で表すとき、ΔVが±15
    %以内である請求項1記載の印刷用ゴムローラ。
  3. 【請求項3】前記体積変化率ΔVが±10%以内である
    請求項2記載の印刷用ゴムローラ。
  4. 【請求項4】前記ゴム組成物のゴム硬度が40〜70I
    RHD(国際ゴム硬さ単位)である請求項2または3記
    載の印刷用ゴムローラ。
  5. 【請求項5】ゴム材料および配合薬剤よりなるゴム組成
    物を円筒状に成形し、加硫に付する印刷用ゴムローラの
    製造において、前記加硫後のゴム組成物に動的変化応力
    (チャック間距離20mm、測定温度40℃、初期歪み
    2mm、振幅50mm、振動数10Hz)を加えたとき
    に、tanδが0.17以下であることを指標にして、
    前記ゴム材料および配合薬剤の種類と配合量を選択する
    ことを特徴とする印刷用ゴムローラの製造方法。
  6. 【請求項6】前記加硫ゴム組成物をインキに浸漬したと
    きの体積変化率ΔVを式(1): 【数2】 (式中、V1は厚み0.3mmのゴム試料をインキ中に
    40℃で24時間浸漬したときの体積を、V0はその浸
    漬前の体積をそれぞれ示す)で表すとき、ΔVが±15
    %以内であることを指標にして前記ゴム材料および配合
    薬剤を選択することを特徴とする請求項5記載の印刷用
    ゴムローラ製造方法。
  7. 【請求項7】前記体積変化率ΔVが±10%以内である
    請求項6記載の印刷用ゴムローラ。
  8. 【請求項8】前記加硫ゴム組成物のゴム硬度が40〜7
    0IRHD(国際ゴム硬さ単位)である請求項6または
    7記載の印刷用ゴムローラの製造方法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007297434A (ja) * 2006-04-28 2007-11-15 Toyoda Gosei Co Ltd 押出成形体、並びに、当該押出成形体を用いた自動車用シール部材
US7374527B2 (en) 2006-04-14 2008-05-20 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Rubber roller for image-forming apparatus

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