JP2003152682A - 干渉除去方法、干渉除去装置及び受信装置 - Google Patents

干渉除去方法、干渉除去装置及び受信装置

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JP2003152682A
JP2003152682A JP2001345446A JP2001345446A JP2003152682A JP 2003152682 A JP2003152682 A JP 2003152682A JP 2001345446 A JP2001345446 A JP 2001345446A JP 2001345446 A JP2001345446 A JP 2001345446A JP 2003152682 A JP2003152682 A JP 2003152682A
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Masayuki Ariyoshi
正行 有吉
Jonas Karlsson
カールソン ヨナス
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Telefonaktiebolaget LM Ericsson AB
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各ステージで取り扱う信号の状態に応じて適
切に干渉レプリカ信号を生成し、より正確にマルチアク
セス干渉を低減する。 【解決手段】 マルチステージ干渉キャンセラを利用し
たマルチユーザ受信機において、第1〜第kのユーザ毎
の各ステージにそれぞれマルチパスについてのパス検出
をするサーチャ4S1U1〜4S3Ukを設け、各ステージのI
GU(干渉レプリカ生成ユニット)5S1U1〜5S3Ukへ供
給される入力受信信号と同じ入力受信信号からパス情報
を取得する。IGU5S1U1〜5S3Ukでは、サーチャ4S1
U1〜4S3Ukから供給されるパス情報に基づいてレイク合
成受信やレプリカ信号生成等が行われる。第1及び第2
ステージでは、各ユーザの干渉レプリカ信号が生成さ
れ、第3ステージでは、それらの干渉レプリカ信号によ
りマルチアクセス干渉を除去した受信信号からレイク合
成受信により受信情報データが取得される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CDMA(Code D
ivision Multiple Access(符号分割多元接続))方式
による通信において受信信号中の干渉を除去して受信情
報を取得するための通信技術に関する。
【0002】
【従来の技術】CDMA方式は、複数のチャネルで同じ
周波数帯域を共用し、異なる拡散符号でのスペクトラム
拡散によってチャネル間の分離をする通信方式であり、
周波数の有効利用を図るために近年のセルラー無線通信
システム等における無線通信で用いられている。無線通
信では、送信側のそれぞれの局から送信された信号が互
いに干渉して受信側の局に到来するので、CDMA方式
による無線通信システムにおいては、同じ周波数帯域を
共用するチャネルの数、すなわち、同時に通信をするユ
ーザの数が増加するに従い、送信側の各局からの信号に
対する他の局からの干渉信号が増大し、特定の局から送
信された信号を受信側での逆拡散により分離することが
困難になる。このような送信側の各局からの信号に対す
る他の局からの干渉信号は、一般にマルチアクセス干渉
(MAI(Multiple Access Interference))と呼ばれて
おり、CDMA方式による無線通信システムの容量を増
やすためには、このマルチアクセス干渉による影響を低
減する技術が必要になる。
【0003】かかるマルチアクセス干渉による影響を低
減する技術として、主に無線基地局のマルチユーザ受信
機で利用されるマルチステージ干渉キャンセラがある。
マルチステージ干渉キャンセラは、送信側である複数の
移動局によるマルチアクセス干渉を除去するためのステ
ージが多段構成されたものとなっており、それぞれのス
テージで各移動局からの信号を各ユーザの干渉レプリカ
信号として生成し、それらの干渉レプリカ信号を用いて
受信信号中のマルチアクセス干渉を除去する。セルラー
無線通信システムでは、各移動局と無線基地局の間に存
在する地物等により送信波の伝搬時間が異なる複数のパ
スが形成され、一つの移動局から無線基地局に到来する
信号がそれぞれ遅延時間の異なるマルチパスを経由した
複数の信号成分に分散するので、一般のマルチユーザ受
信機においては、それらの分散した信号成分をそれぞれ
逆拡散して最大比合成するレイク合成受信と呼ばれるダ
イバーシチ受信技術が採用されている。マルチステージ
干渉キャンセラは、そのレイク合成受信における復調器
の部分で得られた受信情報データの信号を再び拡散変調
することにより、各ステージで各ユーザの干渉レプリカ
信号を生成してマルチアクセス干渉の除去を行う。
【0004】図10は、従来における一般的なマルチス
テージ干渉キャンセラを利用したマルチユーザ受信機の
構成例を示した図である。このマルチユーザ受信機は、
第1〜第kまでのk人のユーザ(k個の移動局)を受信
対象とし、3ステージのパラレル型干渉キャンセラを設
けた構成になっており、図示のようにアンテナ10、無
線信号処理部20、バッファ30S1及び30S2、k個の
サーチャ40U1〜40Uk、k×3個のIGU(Interfer
ence Replica Generation Unit(干渉レプリカ生成ユニ
ット))50S1U1〜50S1Uk、50S2U1〜50S2Uk及び
50S3U1〜50S3Uk、減算器60S1及び60S2、並びに
k×2個の加算器70S2U1〜70S2Uk及び70S3U1〜7
0S3Ukを有している。なお、参照符号中「S」及び「U」
の半角添字は、各構成要素が属するステージ(S)の番
号及び処理対象とするユーザ(U)の番号に対応させて
ある(例えば、参照符号に「S1U1」が付いた構成要素
は、第1ステージに属し、第1のユーザに係る信号を処
理対象としている。)。
【0005】図示せぬ送信側である各ユーザの移動局で
は、受信側に対して既知の予め定められたパイロット信
号や受信側に対して未知の各種情報を表すデータ信号等
が当該各ユーザに割り当てられている拡散符号を用いて
CDMA変調され、そのCDMA変調された信号が既定
の搬送波により共用周波数帯域の無線信号に高周波変調
されて送信される。アンテナ10は、かかる各ユーザの
移動局から送信された無線信号を受信して無線信号処理
部20へ供給する。無線信号処理部20は、アンテナ1
0からの信号を干渉キャンセラでの処理に適した基底帯
域の受信信号としてバッファ30S1、サーチャ40U1〜
40Uk及びIGU50S1U1〜50S1Ukに出力する。
【0006】バッファ30S1は、第1ステージでの干渉
レプリカ信号生成に要する時間分だけ受信信号を遅延さ
せる遅延バッファである。バッファ30S2は、第1ステ
ージでの生成された干渉レプリカ信号による干渉除去と
第2ステージでの干渉レプリカ信号生成とに要する時間
分だけバッファ30S1を介した受信信号を遅延させる遅
延バッファである。
【0007】サーチャ40U1、40U2、…、40Ukは、
それぞれ、第1、第2、…、第kのユーザに割り当てら
れている拡散符号のタイミングをずらしながら受信信号
の逆拡散処理を行い、受信信号中に含まれる第1、第
2、…、第kのユーザからの信号について各拡散符号タ
イミングでの受信レベルを検出する。各ユーザの移動局
から送信される上述のパイロット信号は、この受信レベ
ルの検出に利用できる信号の一例である。パイロット信
号を受信レベルの検出に利用する場合には、受信信号中
に含まれる第1、第2、…、第kのユーザからの信号の
うち、パイロット信号に相当する部分の信号について各
拡散符号タイミングでの受信レベルがサーチャ40U1、
40U2、…、40Ukでそれぞれ検出されることになる。
このようにして得られる拡散符号タイミングと受信レベ
ルの関係は、ユーザとマルチユーザ受信機(移動局と無
線基地局)の間におけるマルチパスを経由して来た遅延
波の構成を示すものとなり、一般に遅延プロファイルと
呼ばれている。サーチャ40U1、40U2、…、40Uk
は、例えば、その遅延プロファイル中で所定の閾値を上
回る受信レベルのピークを判定することにより、遅延プ
ロファイル中のマルチパスに対応するピークを判定し、
判定した各ピークの拡散符号タイミングをマルチパスの
各パス・タイミングとして検出する。
【0008】CDMA方式による無線通信システムで
は、受信側が逆拡散及び復調を行うために受信信号のパ
ス・タイミングを捕捉することが必要であり、サーチャ
40U1〜40Ukは、そのパス・タイミングを捕捉する手
段に相当する。このようなサーチャは、一般にはマルチ
パス・サーチャとも呼ばれており、図示のサーチャ40
U1〜40Ukのように各ユーザに対して一つずつマルチス
テージ干渉キャンセラの最初のステージに設けられ、各
ユーザからの無線信号が経由して来た無線伝送路のパス
についての情報を検出し、その検出した情報に基づくパ
ス情報を自身と同じユーザに対応する各ステージのIG
Uに供給する。サーチャが供給するパス情報には、検出
したパス・タイミングやパス(ピーク)の数を始めとし
て、必要に応じて各パスの受信強度順位(ピーク受信レ
ベルの大きさの順位)等が含まれ、それらの情報によっ
て各ステージでのレイク合成受信(マルチパスのダイバ
ーシチ受信)を行うためのフィンガの割当及び同期受信
タイミング(レイク合成するパスに同期した受信をする
ための拡散符号タイミング)が指定される。図示の第
1、第2、…、第kのユーザに対応するサーチャ40U
1、40U2、…、40Ukは、それぞれの同じユーザに対
応するIGU50S1U1、50S2U1及び50S3U1、IGU
50S1U2、50S2U2及び50S3U2、…、IGU50S1U
k、50S2Uk及び50S3Ukに対し、上記判定の結果に基
づいてパス情報を供給する。
【0009】IGU50S1U1〜50S3Ukは、それぞれ干
渉レプリカ信号を生成するIGU(干渉レプリカ生成ユ
ニット)である。これらのIGUは、回路構成等の基本
的な構成は共通しているが、それぞれ干渉レプリカ信号
生成用の入力受信信号として前ステージからの信号(第
1ステージのIGUは無線信号処理部20からの受信信
号)を用い、対応するユーザに割り当てられている拡散
符号を逆拡散処理等で用いるものとなっている。
【0010】かかるIGUの基本的な構成を図11に示
す。この図に示すように、IGUは、それぞれチャネル
推定器50a、逆拡散器50b及びチャネル補正器50
cを有するn個のレイク検波フィンガ50FD1〜50FDn
と、レイク合成器50dと、仮判定器50eと、それぞ
れ再拡散器50f及びチャネル逆補正器50gを有する
n個のレプリカ生成フィンガ50FG1〜50FGnと、加算
器50hとによって構成されている。レイク検波フィン
ガ50FD1〜50FDnは、レイク合成のための検波を行う
フィンガであり、それぞれが逆拡散処理等の逆拡散プロ
セスを実行する。レプリカ生成フィンガ50FG1〜50F
Gnは、干渉レプリカ信号を形成する個々の信号レプリカ
(各パスの受信信号のレプリカ)を生成するフィンガで
あり、それぞれがレイク検波フィンガ50FD1〜50FD
n、レイク合成器50d及び仮判定器50eでのレイク
合成及び仮判定処理(詳細は後述)を介して得られた信
号を再び拡散変調する再拡散プロセスを実行する。一般
的な在来のIGUにおいては、図示のレイク検波フィン
ガ50FD1〜50FDnとレプリカ生成フィンガ50FG1〜
50FGnのように、レイク合成のための検波とレプリカ
生成とを行うフィンガの数が同一で動作するレイク検波
フィンガとレプリカ生成フィンガがそれぞれ1対1に対
応している。サーチャからの上述したようなパス情報
は、各パスに係る情報毎に一組の対応フィンガにおける
チャネル推定器50a、逆拡散器50b、チャネル補正
器50c及びチャネル逆補正器50gへと供給され、フ
ィンガの割当及び各フィンガでの同期受信タイミングを
指定する。
【0011】チャネル推定器50aは、パス情報中のパ
ス・タイミングに従って入力受信信号中のパイロット信
号を逆拡散し、得られたパイロット信号と既知のパイロ
ット信号を比較する。この比較により、チャネル推定器
50aは、指定されたタイミングのパスにおける受信信
号が無線伝送路上で受けた位相回転や振幅変化等のチャ
ネル変動(フェージングによるチャネル変動)を推定
し、推定結果をチャネル補正器50c及びチャネル逆補
正器50gへ供給する。逆拡散器50bは、前記パス情
報中のパス・タイミングに従って入力受信信号(パイロ
ット信号やデータ信号等を含めた入力受信信号)を逆拡
散し、チャネル補正器50cへ出力する。チャネル補正
器50cは、チャネル推定器50aからの推定結果に基
づき、逆拡散器50bで逆拡散された入力受信信号の位
相や振幅等を推定されたチャネル変動を受ける前の状態
に補正するチャネル補正を行う。これにより、チャネル
補正後の信号は、逆拡散をしたパスの受信強度に応じて
最大比合成のための重み付けもなされた信号となる。ま
た、チャネル補正器50cは、前記パス情報に基づいて
チャネル補正後の信号の出力タイミングを調整し、逆拡
散及びチャネル補正を経た各パスの入力受信信号がレイ
ク合成器50dに対してすべてのレイク検波フィンガか
ら同じタイミングで出力されるようにする。
【0012】レイク合成器50dは、各レイク検波フィ
ンガから出力された信号をすべて加算する。これによ
り、各パスを経由して来た受信信号がそれぞれ逆拡散さ
れてレイク合成されることになる。仮判定器50eは、
そのレイク合成後の信号レベルを硬判定する仮判定処理
を行う判定器であり、判定結果に応じた信号をレプリカ
生成フィンガへ出力する。この判定結果が示す値は、干
渉レプリカ信号生成中の仮の受信データ判定値である
が、最後段のステージにおけるIGUでは、その値を
(図中の破線で示すように)受信情報データの最終的な
判定出力とする。
【0013】なお、仮判定器50eでの仮判定処理は、
必要に応じて軟判定により行う場合もある。また、干渉
レプリカ信号を生成するための仮判定シンボルについて
は、レプリカ生成フィンガへ入力する前に抑圧係数(1
より小さい係数)を乗ずることによって干渉キャンセラ
受信機としての性能を向上させる手法が知られているの
で、この手法が利用される場合には、仮判定器50eと
レプリカ生成フィンガ50FG1〜50FGnとの間に適宜抑
圧係数乗算用の演算器が設けられる。
【0014】再拡散器50fは、仮判定器50eからの
判定結果に応じた信号を再び拡散変調し、チャネル逆補
正器50gに出力する。チャネル逆補正器50gは、そ
の再拡散された信号に対し、チャネル推定器50aから
の推定結果に基づいてチャネル補正器50cで行ったチ
ャネル補正を元に戻すチャネル逆補正(位相が回転した
り振幅が変化したりしている元の入力受信信号の状態に
戻す逆の補正)を行う。これにより、チャネル逆補正後
の信号は、再拡散をしたパスの受信強度に応じた信号成
分となり、元の入力受信信号中にあったときのレベルに
戻されることになる。そして、チャネル逆補正器50g
は、そのチャネル逆補正をした信号の出力タイミングを
前記パス情報に基づいて調整し、それぞれのレプリカ生
成フィンガからの信号レプリカが元の入力受信信号中に
あったときと同じタイミングで加算器50hに出力され
るようにする。加算器50hは、各レプリカ生成フィン
ガからの信号レプリカを加算し、干渉レプリカ信号とし
て出力する。
【0015】図10のIGU50S1U1〜50S1Uk、50
S2U1〜50S2Uk及び50S3U1〜50S3Ukは、それぞれが
上述の基本的な構成を有している。減算器60S1は、I
GU50S1U1〜50S1Ukで生成された干渉レプリカ信号
を受け、バッファ30S1を介した受信信号からそれらの
干渉レプリカ信号を減算する。減算器60S2は、IGU
50S2U1〜50S2Ukで生成された干渉レプリカ信号を受
け、バッファ30S1及び30S2を介した受信信号からそ
れらの干渉レプリカ信号を減算する。加算器70S2U1、
70S2U2、…、70S2Ukは、それぞれ、IGU50S1U
1、50S1U2、…、50S1Ukで生成された干渉レプリカ
信号と減算器60S1での減算後の残差信号とを加算し、
IGU50S2U1、50S2U2、…、50S2Ukへの入力受信
信号として出力する。加算器70S3U1、70S3U2、…、
70S3Ukは、それぞれ、IGU50S2U1、50S2U2、
…、50S2Ukで生成された干渉レプリカ信号と減算器6
0S2での減算後の残差信号とを加算し、IGU50S3U
1、50S3U2、…、50S3Ukへの入力受信信号として出
力する。
【0016】以上のような構成において、各ユーザの移
動局から送信された無線信号がアンテナ10で受信され
ると、その受信信号が無線信号処理部20を介して第1
ステージのバッファ30S1、サーチャ40U1〜40U2及
びIGU50S1U1〜50S1Ukへ供給される。受信信号を
受けたサーチャ40U1、40U2、…、40Ukでは、その
受信信号中に含まれる第1、第2、…、第kのユーザか
らのパイロット信号等の受信レベルがそれぞれ検出さ
れ、それぞれのユーザについてマルチパスのパス情報が
取得される。IGU50S1U1、50S1U2、…、50S1Uk
では、それぞれサーチャ40U1、40U2、…、40Ukか
らのパス情報を受け、各レイク検波フィンガでの逆拡散
プロセス、レイク合成器50dでのレイク合成、仮判定
器50eでの仮判定処理、各レプリカ生成フィンガでの
再拡散プロセスが順に実行される。
【0017】ここで、各レイク検波フィンガでは、受け
たパス情報中の各パス・タイミング等に従ってチャネル
推定器50aによるチャネル推定、逆拡散器50bによ
る逆拡散及びチャネル補正器50cによるチャネル補正
が行われ、各ユーザの各パス毎に逆拡散プロセスが実行
される。また、対応する各レプリカ生成フィンガでも同
じパス情報中の各パス・タイミング等に従って再拡散器
50fによる再拡散及びチャネル逆補正器50gによる
チャネル逆補正が行われ、各ユーザの各パス毎に再拡散
プロセスが実行される。これにより、受信信号中の各ユ
ーザからの信号がレイク合成を経て一旦復調され、その
復調した各ユーザからの信号に基づくマルチパスの個々
の信号レプリカがIGU50S1U1〜50S1Ukの各加算器
50hで加算される。なお、パス情報を供給されなかっ
たレイク検波フィンガとレプリカ生成フィンガの組は動
作しない。
【0018】各加算器50hで加算されたマルチパスの
信号レプリカは、第1ステージで生成された各ユーザの
干渉レプリカ信号として、第2ステージの各加算器70
S2U1、70S2U2、…、70S2Ukに出力される。また、そ
れらの干渉レプリカ信号は、減算器60S1でバッファ3
0S1を介した元々の受信信号から減算される。この減算
後の残差信号は、第1ステージで生成されたすべてのユ
ーザの干渉レプリカ信号を全体の受信信号から差し引い
た干渉除去後の残差信号となり、これも第2ステージの
各加算器70S2U1、70S2U2、…、70S2Ukに出力され
る。
【0019】減算器60S1からの残差信号を受けた加算
器70S2U1、70S2U2、…、70S2Ukでは、その残差信
号がそれぞれIGU50S1U1、50S1U2、…、50S1Uk
からの干渉レプリカ信号に加算される。これにより、加
算器70S2U1、70S2U2、…、70S2Ukから出力される
信号は、それぞれ第1ステージで生成された他のユーザ
の干渉レプリカ信号(マルチアクセス干渉)が除去され
た第1、第2、…、第kのユーザからの受信信号にな
る。第2ステージのIGU50S2U1、50S2U2、…、5
0S2Ukは、そのマルチアクセス干渉が除去された受信信
号を入力受信信号として、それぞれ上記第1ステージと
同様にサーチャ40U1、40U2、…、40Ukからのパス
情報に従って干渉レプリカ信号を生成する。これによ
り、第2ステージでは、第1ステージよりも正確な干渉
レプリカ信号が生成され、生成された各干渉レプリカ信
号が第3ステージの各加算器70S3U1、70S3U2、…、
70S3Ukと減算器60S2に出力される。減算器60S2で
は、それらの干渉レプリカ信号がバッファ30S1及び3
0S2を介した元々の受信信号から減算され、第2ステー
ジで生成されたすべてのユーザの干渉レプリカ信号を全
体の受信信号から差し引いた残差信号が第3ステージの
加算器70S3U1、70S3U2、…、70S3Ukに出力され
る。
【0020】減算器60S2からの残差信号を受けた加算
器70S3U1、70S3U2、…、70S3Ukでは、その残差信
号がそれぞれIGU50S2U1、50S2U2、…、50S2Uk
からの干渉レプリカ信号に加算される。これにより、加
算器70S3U1、70S3U2、…、70S3Ukから出力される
信号は、それぞれ第2ステージで生成された他のユーザ
の干渉レプリカ信号(マルチアクセス干渉)が除去され
た第1、第2、…、第kのユーザからの受信信号にな
る。第3ステージのIGU50S3U1、50S3U2、…、5
0S3Ukは、そのマルチアクセス干渉が除去された受信信
号を入力受信信号として、それぞれ上記第1ステージ及
び第2ステージと同様にサーチャ40U1、40U2、…、
40Ukからのパス情報に従って逆拡散プロセス、レイク
合成及び仮判定処理を行う。これにより、第3ステージ
のIGU50S3U1、50S3U2、…、50S3Ukにおいて
は、第2ステージよりも正確にマルチアクセス干渉が除
去された入力受信信号による復調が行われ、最終的な受
信情報データの判定出力がなされる。
【0021】このように、マルチステージ干渉キャンセ
ラにおいては、後段のステージで前段のステージよりも
正確な干渉レプリカ信号をユーザ毎に生成し、全体の受
信信号から干渉信号として減算する。そして、その過程
を複数のステージで繰り返すことによってより正確なマ
ルチアクセス干渉の除去を図り、最後のステージでマル
チユーザ受信機としての最終的な受信情報データを得
る。なお、Mamoru Sawahashi, et. al.,“Pilot symbol
-assisted coherent multistage interference cancell
er using recursive channel estimation for DS-CDMA
mobile radio”,IEICE Trans. Commun., vol. E79-B, N
o. 9, September, 1996には、このような干渉キャンセ
ラの機能を有するマルチユーザ検波(MUD(Multi-Use
r Detection))受信機について開示されている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】ところで、レイク合成
受信を行う一般的なレイク受信機は、受信対象ユーザか
らの各パスの受信レベルを検出するために、マルチアク
セス干渉を含む受信信号中に埋もれた受信対象ユーザか
らのパイロット信号等の受信レベルを検出するパス・サ
ーチャを有している。すなわち、一般的なレイク受信機
は、マルチアクセス干渉を含む受信信号から特定のユー
ザに係るマルチパスについてのパス検出をする手段とし
てパス・サーチャを有し、それによって検出した受信レ
ベルのピーク・タイミング等に従って復調器の部分が逆
拡散等の復調処理を行う構成になっている。一方、マル
チステージ干渉キャンセラは、上述したようにレイク合
成受信における復調器の部分で得られた受信情報データ
の信号を再び拡散変調することにより、各ステージで干
渉レプリカ信号を生成してマルチアクセス干渉を除去す
るものである。したがって、マルチステージ干渉キャン
セラの各ステージは、レイク受信機中の復調器の部分、
干渉レプリカ信号を生成する部分及びマルチアクセス干
渉を除去する部分によって構成することができる。
【0023】これに対し、上記従来のマルチユーザ受信
機もレイク合成受信を行うレイク受信機の一種であり、
第1ステージにあるレイク検波フィンガ50FD1〜50F
Dn、レイク合成器50d及び仮判定器50eの部分が一
般的なレイク受信機における復調器の部分に相当する。
したがって、マルチステージ干渉キャンセラを構成する
ためには、その復調器の部分、干渉レプリカ信号を生成
する部分及びマルチアクセス干渉を除去する部分を多段
構成すればよい。このようなことから、上記従来のマル
チユーザ受信機においては、その復調器の部分と干渉レ
プリカ信号を生成するレプリカ生成フィンガ50FG1〜
50FGn及び加算器50hの部分を各ステージに設ける
と共に、各ステージでマルチアクセス干渉を除去する部
分として減算器60S1及び60S2並びに加算器70S2U1
〜70S2Uk及び70S3U1〜70S3Ukを設けることによ
り、マルチステージ干渉キャンセラを構成している。
【0024】その結果として、従来のマルチステージ干
渉キャンセラは、上述したようにマルチパスの各パス・
タイミング等を検出するサーチャが各ユーザに対して一
つずつ最初のステージに設けられた構成になっている。
このサーチャで検出されたマルチパスの各パス・タイミ
ングは、最初のステージでレイク合成受信における同期
受信タイミングとして用いられると共に、干渉レプリカ
信号生成における各信号レプリカのパス・タイミングと
しても用いられる。そして、第2段目以降の各ステージ
においても、その最初のステージにあるサーチャで検出
された同じパス・タイミングがレイク合成受信と干渉レ
プリカ信号生成の双方で同様に利用され、マルチアクセ
ス干渉を除去するための処理が繰り返されていく。
【0025】ところが、最初のステージへの入力受信信
号は、無線信号処理を経ただけで受信時の基底帯域にお
ける雑音やマルチアクセス干渉をそのまま含んでいるの
で、後段のステージへの入力受信信号よりもSIR(Si
gnal to Interference PowerRatio(信号電力対干渉電
力比))ないしSNIR(Signal to Noise and Interf
erence power Ratio(信号電力対雑音及び干渉電力
比))が低い。したがって、その最初のステージにある
サーチャでは、後段のステージよりもSIR等が劣悪な
状態でマルチパスについてのパス検出を行っており、正
確な検出結果が得られない場合もある。そしてさらに、
かかる劣悪な信号状態での検出結果は、第2段目以降の
ステージでも引き続き利用されるので、すべてのステー
ジにおける処理に影響を与えることになる。このため、
サーチャでパス・タイミングの見落しや誤報等の誤りを
含む正確でないパス情報が取得されると、その誤りがす
べてのステージに影響を及ぼし、マルチアクセス干渉を
正しく除去することが困難になる。このような事態は、
チャネルがマルチパス・フェージングの激しい状況にあ
る場合には特に発生しやすく、マルチステージ干渉キャ
ンセラの性能を低下させる。
【0026】また、各ステージで生成する干渉レプリカ
信号は、これをマルチアクセス干渉として受信信号から
減算した上で後続の処理を行うための暫定的なレプリカ
信号なので、正確でない干渉レプリカ信号が生成される
と却って後続の処理に悪影響を及ぼす(後のステージに
おいて、各ユーザについての信号処理だけでなく、他の
ユーザについての信号処理にも悪影響を及ぼす。)。こ
れに対し、従来のマルチステージ干渉キャンセラでは、
最初のステージのサーチャで検出取得したパス情報を各
ステージにおけるレイク合成受信と干渉レプリカ信号生
成の双方で同様に利用している。すなわち、上述したよ
うに同数のレイク検波フィンガとレプリカ生成フィンガ
が対応して動作し、各ステージにおいて同じパス情報中
のすべてのパスに対応する信号レプリカが画一的に生成
され、それらの信号レプリカをすべて合わせた干渉レプ
リカ信号が生成されることになっている。このため、生
成される干渉レプリカ信号に誤った信号レプリカが含め
られてしまう可能性があり、特にマルチパス・フェージ
ングの激しい状況ではその可能性が高い。そして、かか
る誤った信号レプリカが事実上雑音となり、後続の処理
に悪影響を与えることになる。
【0027】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、劣悪な信号状態で検出された正確でないマ
ルチパスの情報が後段のステージに影響を与えることな
く、SIR等の各ステージで取り扱う信号の状態に応じ
て適切に干渉レプリカ信号を生成することを可能にし、
より正確にマルチアクセス干渉を低減することができる
干渉除去技術を提供することを目的としている。
【0028】また、本発明は、各ステージにおいて事実
上雑音となるような信号レプリカが生成されることを防
止し、前のステージから後続の処理に及ぶ悪影響を払拭
して適切な処理によるマルチアクセス干渉の除去を実現
する干渉除去技術を提供することを目的としている。
【0029】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明に係る干渉除去方法では、複数の送信局から
の信号が含まれる受信信号を受け、各送信局からの信号
に相当するレプリカ信号をそれぞれ生成し、生成したレ
プリカ信号を用いて当該各送信局以外の送信局からの信
号による干渉の除去処理を行うこととし、当該各送信局
からの信号が経由した伝送路のパスについてのパス情報
を前記除去処理が少なくとも一度なされた信号から取得
し、その取得したパス情報に基づいて前記レプリカ信号
をそれぞれ生成する。この本発明に係る干渉除去方法に
おいては、前記除去処理の開始時には、パス情報を前記
受信信号から取得し、その取得したパス情報に基づいて
前記レプリカ信号をそれぞれ生成することとし、前記開
始時後の所定の時点以降で、パス情報を前記除去処理が
少なくとも一度なされた信号から取得し、その取得した
パス情報に基づいて前記レプリカ信号をそれぞれ生成す
ることにしてもよい。
【0030】本発明に係る他の干渉除去方法では、複数
の送信局からの信号が含まれる受信信号を受け、複数の
ステージにおいて、各送信局からの信号が経由した伝送
路のパスについてのパス情報に基づいて当該各送信局か
らの信号に相当するレプリカ信号をそれぞれ生成し、生
成したレプリカ信号を用いて当該各送信局以外の送信局
からの信号による干渉の除去処理を順次行うこととし、
第1番目のステージにおいては、パス情報を前記受信信
号から取得し、その取得したパス情報に基づいて前記レ
プリカ信号をそれぞれ生成し、第2番目以降のステージ
においては、パス情報を前のステージで前記除去処理が
なされた信号から取得し、その取得したパス情報に基づ
いて前記レプリカ信号をそれぞれ生成する。
【0031】また、本発明に係る干渉除去装置は、複数
の送信局からの信号が含まれる受信信号を受け、複数の
ステージにおいて、各送信局からの信号に相当するレプ
リカ信号をそれぞれ生成し、生成したレプリカ信号を用
いて当該各送信局以外の送信局からの信号による干渉の
除去処理を順次行う干渉除去装置であって、前記複数の
ステージについてそれぞれ設けられ、前記受信信号又は
前のステージで前記除去処理がなされた信号に基づき、
当該各送信局からの信号が経由した伝送路のパスについ
てのパス情報をそれぞれ検出する検出手段と、前記複数
のステージにそれぞれ設けられ、同一ステージについて
設けられた前記検出手段により検出されたパス情報に基
づいて前記レプリカ信号をそれぞれ生成する生成手段と
を有する。
【0032】本発明に係る他の干渉除去装置は、複数の
送信局からの信号が含まれる受信信号を受け、複数のス
テージにおいて、各送信局からの信号に相当するレプリ
カ信号をそれぞれ生成し、生成したレプリカ信号を用い
て当該各送信局以外の送信局からの信号による干渉の除
去処理を順次行う干渉除去装置であって、供給された信
号に基づいて当該各送信局からの信号が経由した伝送路
のパスについてのパス情報を検出する検出手段と、前記
複数のステージにそれぞれ設けられ、前記検出手段によ
り検出されたパス情報に基づいて前記レプリカ信号をそ
れぞれ生成する生成手段と、前記検出手段に対し、前記
受信信号又はいずれかのステージで前記除去処理がなさ
れた信号を選択して供給する選択手段とを有する。
【0033】上記干渉除去装置において、前記生成手段
は、前記受信信号又は前のステージで前記除去処理がな
された信号をレイク合成処理によって復調し、その復調
した信号から前記レプリカ信号を生成するものとし、前
記検出手段は、前記レイク合成処理のための第1のパス
情報と前記レプリカ信号の生成のための第2のパス情報
とをそれぞれ別個に検出し、前記生成手段へそれぞれ供
給するものとしてもよい。この場合、前記検出手段は、
第1、第2の閾値を設定し、当該第1、第2の閾値に基
づいてそれぞれ前記第1、第2のパス情報を検出するも
のとしてもよい。あるいは、前記検出手段は、第1、第
2の閾値を設定し、前記第1の閾値に基づいて前記第1
のパス情報を検出すると共に、検出した前記第1のパス
情報のうちから前記第2の閾値に基づいて前記第2のパ
ス情報を検出するものとしてもよい。
【0034】また、上記干渉除去装置において、前記生
成手段は、前記受信信号又は前のステージで前記除去処
理がなされた信号をレイク合成処理によって復調し、そ
の復調した信号から前記レプリカ信号を生成するものと
し、前記検出手段は、前記レイク合成処理のためのパス
情報を検出して前記生成手段へ供給するものとして、前
記生成手段は、前記検出手段から供給されたパス情報に
基づいて前記レイク合成処理を行うと共に、前記レイク
合成処理におけるレイク合成用のパスの中からレプリカ
信号を生成するためのパスを決め、その決めたパスに基
づいて前記レプリカ信号の生成を行うものとしてもよ
い。なお、上記干渉除去装置において、前記検出手段
は、前記受信信号又は前記除去処理がなされた信号と当
該各送信局での信号の変調に用いられた拡散符号との相
関値に基づいてパス情報を検出するものとしてもよい。
【0035】さらに、上記干渉除去装置において、前記
検出手段は、検出したパス情報中のパスを知らせる情報
を後のステージについて設けられた前記検出手段に供給
すると共に、前のステージについて設けられた前記検出
手段から供給された前記情報に基づいてパス情報の検出
をする信号の範囲を定めるものとしてもよい。
【0036】そして、本発明に係る受信装置では、以上
のような干渉除去装置によって干渉を除去した前記受信
信号から当該各送信局が送信した情報を得る。
【0037】
【発明の実施の形態】<第1実施形態> A.基本構成形態 (1)構成 以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明
する。図1は、本発明の第1の実施形態によるマルチス
テージ干渉キャンセラを利用したマルチユーザ受信機の
基本構成を示した図である。本実施形態は、マルチステ
ージ干渉キャンセラの各ステージがパス・サーチャの機
能を有するものとする形態であり、図1では、その形態
を適用した基本的な構成の一例として、3ステージのパ
ラレル型干渉キャンセラを利用する場合のマルチユーザ
受信機の基本構成を示してある。
【0038】本マルチユーザ受信機は、CDMA方式に
よるセルラー無線通信システムの無線基地局等で用いら
れる対複数ユーザ用の受信装置であり、第1〜第kまで
のk人のユーザ(k個の移動局)を受信対象としてい
る。それらk人のユーザからの信号を受信し、受信信号
中の干渉を除去して受信情報を取得するための構成要素
として、本マルチユーザ受信機は、図示のようにアンテ
ナ1、無線信号処理部2、バッファ3S1及び3S2、k×
3個のサーチャ4S1U1〜4S1Uk、4S2U1〜4S2Uk及び4
S3U1〜4S3Uk、k×3個のIGU(Interference repli
ca Generation Unit(干渉レプリカ生成ユニット))5
S1U1〜5S1Uk、5S2U1〜5S2Uk及び5S3U1〜5S3Uk、減
算器6S1及び6S2、並びにk×2個の加算器7S2U1〜7
S2Uk及び7S3U1〜7S3Ukを有している。これらの構成要
素のうち、マルチステージ干渉キャンセラの第1ステー
ジは、バッファ3S1と、各ユーザに対応する(各ユーザ
のチャネルを担当する)サーチャ4S1U1〜4S1Uk及びI
GU5S1U1〜5S1Ukと、減算器6S1とによって構成され
ている。第2ステージは、バッファ3S2と、各ユーザに
対応するサーチャ4S2U1〜4S2Uk、IGU5S2U1〜5S2
Uk及び加算器7S2U1〜7S2Ukと、減算器6S2とによって
構成されている。第3ステージは、各ユーザに対応する
サーチャ4S3U1〜4S3Uk、IGU5S3U1〜5S3Uk及び加
算器7S3U1〜7S3Ukによって構成されている。なお、参
照符号中「S」及び「U」の半角添字は、各構成要素が属
するステージ(S)の番号及び処理対象とするユーザ
(U)の番号に対応させてある(例えば、参照符号に「S
1U1」が付いた構成要素は、第1ステージに属し、第1
のユーザに係る信号を処理対象としている。)。
【0039】アンテナ1は、無線信号を受信する高周波
アンテナである。送信側の局である各ユーザの移動局
(図示略)では、受信側に対して既知の予め定められた
パイロット信号や受信側に対して未知の各種情報を表す
データ信号等が当該各ユーザに割り当てられている拡散
符号を用いてCDMA変調され、そのCDMA変調され
た信号が既定の搬送波により共用周波数帯域の無線信号
に高周波変調されて送信される。アンテナ1は、かかる
各ユーザの移動局から送信された無線信号を受信して無
線信号処理部2へ供給する。
【0040】無線信号処理部2は、所定の増幅器、局部
発振器、ミキサ及びA/D変換器等によって構成され、
アンテナ1から供給された信号を干渉キャンセラでの処
理に適した基底帯域の受信信号としてバッファ3S1、サ
ーチャ4S1U1、4S1U2、…、4S1Uk、IGU5S1U1、5
S1U2、…、5S1Ukにそれぞれ出力する。この無線信号処
理部2のA/D変換器等では、所定のオーバーサンプリ
ング・レートでアンテナ1からの信号をサンプリング
し、拡散符号のチップ・レート以上(チップ・レートの
整数倍等)の分解能を有するデジタル信号形式で前記受
信信号を出力する。
【0041】バッファ3S1は、無線信号処理部2からの
受信信号を蓄積し、第1ステージでの干渉レプリカ信号
生成に要する時間分だけ受信信号を遅延させて送出する
バッファである。バッファ3S2は、バッファ3S1を介し
た受信信号を蓄積し、第1ステージでの生成された干渉
レプリカ信号による干渉除去と第2ステージでの干渉レ
プリカ信号生成とに要する時間分だけ受信信号を遅延さ
せて送出するバッファである。これらのバッファ3S1、
3S2は、逆拡散等の処理を経ていない元々の受信信号の
ステージ間伝達時間を調整する遅延手段であり、それぞ
れ後述する減算器6S1、6S2に対して受信信号が干渉レ
プリカ信号と同じタイミングで入力されるようにする。
【0042】サーチャ4S1U1〜4S3Ukは、それぞれパス
・タイミング捕捉等を始めとするマルチパスについての
パス検出を行う検出手段であり、それぞれの入力受信信
号から遅延プロファイルを取得してパス検出を行い、各
ユーザからの無線信号が経由して来た無線伝送路のパス
についてのパス情報を取得する。ここで、入力受信信号
としては、第1ステージのサーチャ4S1U1〜4S1Ukが無
線信号処理部2からの受信信号を用い、第2ステージの
サーチャ4S2U1、4S2U2、…、4S2Ukがそれぞれ後述す
る加算器7S2U1、7S2U2、…、7S2Ukからの出力信号を
用い、第3ステージのサーチャ4S3U1、4S3U2、…、4
S3Ukがそれぞれ後述する加算器7S3U1、7S3U2、…、7
S3Ukからの出力信号を用いる。サーチャ4S1U1〜4S3U
1、4S1U2〜4S3U2、…、4S1Uk〜4S3Ukは、それぞ
れ、第1、第2、…、第kのユーザに割り当てられてい
る拡散符号のタイミングをずらしながらそれらの入力受
信信号の逆拡散処理を行い、入力受信信号中に含まれる
第1、第2、…、第kのユーザからの信号について、各
拡散符号タイミングでの入力受信信号と拡散符号との相
関値によって受信レベルを検出する。これにより、拡散
符号タイミングと受信レベルの関係を示す遅延プロファ
イルが取得され、サーチャ4S1U1〜4S3Ukは、それぞれ
が取得した遅延プロファイル中で所定の閾値を上回る受
信レベルのピークを判定し、判定した各ピークの拡散符
号タイミングをマルチパスの各パス・タイミングとして
検出する。
【0043】なお、各ユーザの移動局から送信される上
述のパイロット信号は、サーチャ4S1U1〜4S3Ukでの受
信レベルの検出に利用できる信号の一例である。パイロ
ット信号を受信レベルの検出に利用する場合には、受信
信号中に含まれる第1、第2、…、第kのユーザからの
信号のうち、パイロット信号に相当する部分の信号につ
いて各拡散符号タイミングでの受信レベルがサーチャ4
S1U1〜4S3U1、4S1U2〜4S3U2、…、4S1Uk〜4S3Ukで
それぞれ検出されることになる。この場合、パイロット
信号は、受信側である本マルチユーザ受信機において既
知の信号であるので、受信レベルの検出においては、所
定区間分(数シンボル分又は数スロット分)の累積加算
によって利得の向上を図る検出手法を採用してもよい。
また、閾値との比較による受信レベルのピーク判定は、
遅延プロファイル中のマルチパスに対応するピークを判
定する手法の一例であり、必要に応じて他のピーク判定
手法を利用することにしてもよい。
【0044】本マルチユーザ受信機におけるサーチャ4
S1U1〜4S3Ukの形態としては、それらが各ステージに設
けられているという本実施形態の特質に起因する様々な
構成を採用することができ、その採用する構成によって
後述するIGU5S1U1〜5S3Ukの構成も変わってくる
が、在来のサーチャの構成を利用することも可能であ
る。そこで、基本構成としては、在来のサーチャを利用
する場合を例として話を進め、その後で本実施形態の特
質に起因して採用し得るサーチャの構成例について説明
することにする。
【0045】在来のサーチャにおけるアルゴリズムは、
遅延プロファイル演算とピーク判定の部分に分けること
ができる。そのアルゴリズムを実行するサーチャの構成
例を図2に示す。図示のサーチャは、整合フィルタ4MF
により入力受信信号を逆拡散し、その逆拡散後の信号を
用いて遅延プロファイル演算部4DPCでの遅延プロファ
イル演算と仮候補パス選択部4PCPS、SIR演算部4SI
RC、閾値設定部4TS及びパス選択部4PSでのピーク判定
を行う構成になっている。
【0046】整合フィルタ4MFは、遅延プロファイルを
取得する所定のサーチ窓(遅延時間軸上の所定区間)に
渡って拡散符号のタイミングをずらしながら入力受信信
号を逆拡散し、逆拡散後の信号を遅延プロファイル演算
部4DPCへ出力する。遅延プロファイル演算部4DPCは、
整合フィルタ4MFからの逆拡散後の信号を用いて同相加
算(Coherent Accumulation)、絶対値二乗演算(Squar
ed Absolute Calculation)及び電力加算(非同相加算
(Non-coherent Accumulation))を順次行うことによ
り、遅延プロファイル演算を行う。
【0047】ここで、同相加算では、サーチ窓の初めか
ら所定の周期(例えば所定のシンボル長等)毎に、逆拡
散処理による相関値(電圧等のベクトル値)がIDP
(Initial Delay Profile(初期遅延プロファイル))
として順次取得され、一定個数の連続するシンボルない
しスロット毎に含まれる複数周期分のIDPが各周期中
での対応要素毎に同相加算(ベクトル加算)される。こ
のように複数周期に渡って逆拡散した結果を同相加算す
ることにより、SN比が高められたAccIDP(Accumul
ated IDP(累積加算したIDP))が得られる。絶
対値二乗演算では、同相加算で得られたAccIDPの絶
対値を二乗した値が計算され、AccIDPを電力値の次
元にしたRDP(Real Delay Profile(実遅延プロファ
イル))が得られる。電力加算では、絶対値二乗演算で
順次得られるRDPが一定個数毎に(位相に拘わらず)
積分され、平均化されたPDP(Power Delay Profile
(受信レベルを電力値の次元で表した遅延プロファイ
ル))が得られる。
【0048】その得られたPDPを用いてピーク判定が
行われるが、ピーク判定は、仮候補パス選択、SIR演
算、閾値設定及びパス選択の過程からなり、これらの過
程を遅延プロファイル演算部4DPCの後段にある構成で
実行する。仮候補パス選択部4PCPSは、PDPにおいて
極大値を示しているピークを一定個数選出することによ
り、選出した各ピークの拡散符号タイミングに対応する
パスをピーク判定用の仮候補パスとして選択する。SI
R演算部4SIRCは、仮候補パス選択部4PCPSで選択され
た各仮候補パスのピークを除くPDPの要素を平均化す
ることによってパスの判定に用いるための干渉電力を演
算すると共に、各仮候補パスのピーク受信レベルをS
(信号電力)、演算した干渉電力をI(干渉電力)とし
て各時点でのSIRを演算する。閾値設定部4TSは、S
IR演算部4SIRCで演算されたSIR及び干渉電力の値
を受け、そのSIRの関数としてTF(Threshold Fact
or(閾値係数))を決定すると共に、その干渉電力レベ
ルのTF倍に閾値を設定する。パス選択部4PSは、仮候
補パス選択部4PCPSからの各仮候補パスのピーク受信レ
ベルを閾値設定部4TSで設定された閾値と比較し、閾値
を超えるピーク受信レベルの仮候補パスを有効な候補パ
スとして選択する。これにより、パス選択部4PSから
は、有効な各候補パスの拡散符号タイミング(遅延時
間)やそれらの候補パスの個数等がサーチャでの検出結
果(パス情報)として出力され、各候補パスの拡散符号
タイミングはレイク合成受信のための同期受信タイミン
グを指定するものとなる。
【0049】なお、このような構成によるサーチャのア
ルゴリズムに関しては、例えば、「Adaptive Path Sele
ction Threshold Setting for DS-CDMA Receiver」と題
された国際公開WO00/04648号公報等の開示が
参考になる。
【0050】図1のサーチャ4S1U1〜4S3Ukについて
は、上記図2に示したサーチャ等のような在来のサーチ
ャの構成を利用することができる。すなわち、在来のサ
ーチャ部分の構成を各ステージに設け、上述したよう
に、第1ステージのサーチャ4S1U1〜4S1Ukが無線信号
処理部2からの受信信号を入力受信信号とし、第2ステ
ージのサーチャ4S2U1、4S2U2、…、4S2Ukがそれぞれ
加算器7S2U1、7S2U2、…、7S2Ukからの出力信号を入
力受信信号とし、かつ、第3ステージのサーチャ4S3U
1、4S3U2、…、4S3Ukがそれぞれ加算器7S3U1、7S3U
2、…、7S3Ukからの出力信号を入力受信信号とするよ
うに構成する。そしてさらに、第1ステージのサーチャ
4S1U1、4S1U2、…、4S1Ukがそれぞれパス情報の出力
先を同じ第1ステージのIGU5S1U1、5S1U2、…、5
S1Ukとし、第2ステージのサーチャ4S2U1、4S2U2、
…、4S2Ukがそれぞれパス情報の出力先を同じ第2ステ
ージのIGU5S2U1、5S2U2、…、5S2Ukとし、かつ、
第3ステージのサーチャ4S3U1、4S3U2、…、4S3Ukが
それぞれパス情報の出力先を同じ第3ステージのIGU
5S3U1、5S3U2、…、5S3Ukとするように構成する。
【0051】IGU5S1U1〜5S3Ukは、それぞれ干渉レ
プリカ信号を生成するIGU(干渉レプリカ生成ユニッ
ト)である。これらのIGU5S1U1〜5S3Ukについて
は、サーチャ4S1U1〜4S3Ukの形態に応じた様々な構成
を採用することができるが、ここでは上述した在来のサ
ーチャに合わせて在来のIGUを利用する場合について
説明し、他の構成についてはさらに後述することにす
る。在来のIGUとしては、例えば上記図11に示した
ものを利用することができる。すなわち、図11に示し
たような在来のIGU部分の構成を各ステージに設け、
第1ステージのIGU5S1U1〜5S1Ukが無線信号処理部
2からの受信信号を入力受信信号とし、第2ステージの
IGU5S2U1、5S2U2、…、5S2Ukがそれぞれ加算器7
S2U1、7S2U2、…、7S2Ukからの出力信号を入力受信信
号とし、かつ、第3ステージのIGU5S3U1、5S3U2、
…、5S3Ukがそれぞれ加算器7S3U1、7S3U2、…、7S3
Ukからの出力信号を入力受信信号とするように構成す
る。そしてさらに、第1ステージのIGU5S1U1、5S1
U2、…、5S1Ukがそれぞれ同じ第1ステージのサーチャ
4S1U1、4S1U2、…、4S1Ukからパス情報を受け、第2
ステージのIGU5S2U1、5S2U2、…、5S2Ukがそれぞ
れ同じ第2ステージのサーチャ4S2U1、4S2U2、…、4
S2Ukからパス情報を受け、かつ、第3ステージのIGU
5S3U1、5S3U2、…、5S3Ukがそれぞれ同じ第3ステー
ジのサーチャ4S3U1、4S3U2、…、4S3Ukからパス情報
を受けるように構成する。これにより、本マルチユーザ
受信機は、各ステージの各ユーザに対応するサーチャと
IGUがそれぞれ同じ入力受信信号(SIR等の信号状
態が同一の入力受信信号)を用い、各IGUが自身と同
じステージにあるサーチャからパス情報を供給される構
成となっている。
【0052】減算器6S1及び6S2は、受信信号と干渉レ
プリカ信号から干渉除去後の残差信号を生成する演算手
段であり、各ステージにおいて生成した干渉レプリカ信
号を受信信号から除去する。したがって、干渉信号を生
成しない第3ステージ(最終的な受信情報データを出力
する最後段ステージ)については、この演算手段に相当
する構成要素はない。減算器6S1は、第1ステージのI
GU5S1U1〜5S1Ukで生成されたすべての干渉レプリカ
信号を受け、バッファ3S1を介した受信信号からそれら
の干渉レプリカ信号を減算する。減算器6S2は、第2ス
テージのIGU5S2U1〜5S2Ukで生成されたすべての干
渉レプリカ信号を受け、バッファ3S1及び3S2を介した
受信信号からそれらの干渉レプリカ信号を減算する。
【0053】加算器7S2U1〜7S2Uk及び7S3U1〜7S3Uk
は、前段のステージで生成された干渉レプリカ信号と干
渉除去後の残差信号から各ユーザのチャネルに係る入力
受信信号を生成する演算手段である。したがって、前段
のステージがなく、元々の受信信号を各ユーザのチャネ
ルに係る入力受信信号として用いる第1ステージについ
ては、この演算手段に相当する構成要素はない。加算器
7S2U1、7S2U2、…、7S2Ukは、それぞれ、IGU5S1
U1、5S1U2、…、5S1Ukで生成された干渉レプリカ信号
と減算器6S1での減算後の残差信号とを加算し、サーチ
ャ4S2U1及びIGU5S2U1、サーチャ4S2U2及びIGU
5S2U2、…、サーチャ4S2Uk及びIGU5S2Ukへの入力
受信信号として出力する。加算器7S3U1、7S3U2、…、
7S3Ukは、それぞれ、IGU5S2U1、5S2U2、…、5S2
Ukで生成された干渉レプリカ信号と減算器6S2での減算
後の残差信号とを加算し、サーチャ4S3U1及びIGU5
S3U1、サーチャ4S3U2及びIGU5S3U2、…、サーチャ
4S3Uk及びIGU5S3Ukへの入力受信信号として出力す
る。
【0054】(2)動作 次に、上記構成による動作について説明する。各ユーザ
の移動局から送信された無線信号がアンテナ1で受信さ
れると、その受信信号が無線信号処理部2を介して第1
ステージのバッファ3S1、サーチャ4S1U1〜4S1U2及び
IGU5S1U1〜5S1Ukへ供給される。受信信号を受けた
サーチャ4S1U1、4S1U2、…、4S1Ukでは、受けた受信
信号中に含まれる第1、第2、…、第kのユーザからの
パイロット信号等の受信レベルがそれぞれ検出されてマ
ルチパスについてのパス検出が行われ、それぞれのユー
ザについてパス情報が取得される。サーチャ4S1U1〜4
S1Ukに上記図2の構成を利用した場合には、受信信号が
整合フィルタ4MFにより逆拡散されて遅延プロファイル
演算部4DPCで遅延プロファイルが演算され、仮候補パ
ス選択部4PCPS、SIR演算部4SIRC、閾値設定部4TS
及びパス選択部4PSでのピーク判定によりパス情報が得
られる。
【0055】そして、サーチャ4S1U1、4S1U2、…、4
S1Ukで取得されたパス情報は、それぞれ第1ステージの
IGU5S1U1、5S1U2、…、5S1Ukだけに供給され、I
GU5S1U1、5S1U2、…、5S1Ukにおいてそれぞれ供給
されたパス情報に基づくレプリカ信号生成が行われる。
IGU5S1U1〜5S1Ukに上記図11の構成を利用した場
合には、各レイク検波フィンガでの逆拡散プロセス、レ
イク合成器50dでのレイク合成、仮判定器50eでの
仮判定処理、各レプリカ生成フィンガでの再拡散プロセ
スが順に実行され、レイク合成を経て一旦復調された各
ユーザからの信号に基づくマルチパスの個々の信号レプ
リカが加算器50hで加算されて干渉レプリカ信号とな
る。
【0056】IGU5S1U1、5S1U2、…、5S1Ukで生成
された各ユーザの干渉レプリカ信号は、それぞれ第1ス
テージからの干渉レプリカ信号として第2ステージの加
算器7S2U1、7S2U2、…、7S2Ukに出力される。また、
それらの干渉レプリカ信号が減算器6S1でバッファ3S1
を介した元々の受信信号から減算され、第1ステージで
生成されたすべての干渉レプリカ信号を全体の受信信号
から差し引いた干渉除去後の残差信号が第2ステージの
各加算器7S2U1、7S2U2、…、7S2Ukに出力される。
【0057】減算器6S1からの残差信号を受けた加算器
7S2U1、7S2U2、…、7S2Ukでは、その残差信号がそれ
ぞれIGU5S1U1、5S1U2、…、5S1Ukからの干渉レプ
リカ信号に加算される。これにより、加算器7S2U1、7
S2U2、…、7S2Ukから出力される信号は、それぞれ、第
1ステージで生成された他のユーザの干渉レプリカ信号
(マルチアクセス干渉)を除去した第1、第2、…、第
kのユーザからの受信信号になり、第2ステージのサー
チャ4S2U1及びIGU5S2U1、サーチャ4S2U2及びIG
U5S2U2、…、サーチャ4S2Uk及びIGU5S2Ukに供給
される。
【0058】その受信信号を受けたサーチャ4S2U1〜4
S2Ukでは、上記サーチャ4S1U1〜4S1Ukと同様の手順で
マルチパスの情報が取得される。ただし、このとき用い
る入力受信信号は、第1ステージからの干渉レプリカ信
号により一度マルチアクセス干渉が除去された信号であ
る。したがって、第1ステージよりも入力受信信号のS
IRないしSNIRが高い状態でマルチパスについての
パス検出を行うことができ、第1ステージよりも正確な
検出結果を期待できる。そして、IGU5S2U1、5S2U
2、…、5S2Ukは、かかる検出結果によるパス情報に基
づき、それぞれサーチャ4S2U1、4S2U2、…、4S2Ukと
同じ入力受信信号を用いて干渉レプリカ信号を生成す
る。
【0059】これにより、第2ステージでは、第1ステ
ージよりも正確なパス情報に基づいて干渉レプリカ信号
が生成され、単に一度マルチアクセス干渉が除去された
入力受信信号を第2ステージのIGUで用いるだけの場
合よりも正確な干渉レプリカ信号が得られる。また、第
1ステージとは別に、IGU5S2U1〜5S2Ukと同じ入力
受信信号を用いてサーチャ4S2U1〜4S2Ukで新たにマル
チパスについてのパス検出を行っているので、第1ステ
ージのサーチャ4S1U1〜4S1Ukでの検出結果自体が第2
ステージのサーチャ4S2U1〜4S2Ukにおけるパス検出に
影響を与えることもない。
【0060】このようにしてIGU5S2U1、5S2U2、
…、5S2Ukで生成された干渉レプリカ信号は、それぞれ
第3ステージの加算器7S3U1、7S3U2、…、7S3Ukと減
算器6S2に出力される。減算器6S2では、それらの干渉
レプリカ信号がバッファ3S1及び3S2を介した元々の受
信信号から減算され、第2ステージで生成されたすべて
のユーザの干渉レプリカ信号を全体の受信信号から差し
引いた残差信号が第3ステージの各加算器70S3U1、7
0S3U2、…、70S3Ukに出力される。
【0061】減算器6S2からの残差信号を受けた加算器
7S3U1、7S3U2、…、7S3Ukでは、その残差信号がそれ
ぞれIGU5S2U1、5S2U2、…、5S2Ukからの干渉レプ
リカ信号に加算される。これにより、加算器7S3U1、7
S3U2、…、7S3Ukから出力される信号は、それぞれ、第
2ステージで生成された他のユーザの干渉レプリカ信号
(マルチアクセス干渉)を除去した第1、第2、…、第
kのユーザからの受信信号になり、第3ステージのサー
チャ4S3U1及びIGU5S3U1、サーチャ4S3U2及びIG
U5S3U2、…、サーチャ4S3Uk及びIGU5S3Ukに供給
される。
【0062】その受信信号を受けたサーチャ4S3U1〜4
S3Ukでは、上記サーチャ4S1U1〜4S1Uk及び4S2U1〜4
S2Ukと同様の手順でマルチパスの情報が取得される。た
だし、このとき用いる入力受信信号は、上記第1ステー
ジ及び第2ステージと加算器7S3U1〜7S3Ukでの処理に
より、マルチアクセス干渉の除去が二度なされた信号で
ある。したがって、第1ステージ及び第2ステージより
も入力受信信号のSIR等が高い状態でマルチパスにつ
いてのパス検出を行うことができ、第1ステージ及び第
2ステージよりも正確な検出結果を期待できる。そし
て、IGU5S3U1、5S3U2、…、5S3Ukは、かかる検出
結果によるパス情報に基づき、それぞれサーチャ4S3U
1、4S3U2、…、4S3Ukと同じ入力受信信号を用いて逆
拡散プロセス、レイク合成及び仮判定処理を行う。
【0063】これにより、第3ステージでは、第1ステ
ージ及び第2ステージよりもさらに正確なパス情報に基
づいて逆拡散プロセス、レイク合成及び仮判定処理が行
われ、単に二度のマルチアクセス干渉除去を経た入力受
信信号を第3ステージのIGUで用いるだけの場合より
も正確な仮判定結果が得られる。また、第1ステージ及
び第2ステージとは別に、IGU5S3U1〜5S3Ukと同じ
入力受信信号を用いてサーチャ4S3U1〜4S3Ukで新たに
マルチパスについてのパス検出を行っているので、第1
ステージのサーチャ4S1U1〜4S1Ukや第2ステージのサ
ーチャ4S2U1〜4S2Ukでの検出結果自体が第3ステージ
での処理に影響を与えることもない。
【0064】このようにしてIGU5S3U1〜5S3Ukで得
られた仮判定結果は、本マルチユーザ受信機による最終
的な判定出力とされる。すなわち、最終の第3ステージ
にあるIGU5S3U1、5S3U2、…、5S3Ukでの仮判定結
果(硬判定結果ないし軟判定結果)は、復調された第
1、第2、…、第kのユーザからの受信情報データとし
て出力される。
【0065】本マルチユーザ受信機においては、以上の
ようにサーチャとIGUの双方による処理が各ステージ
毎に並列的に行われ、後段のステージにおけるサーチャ
が前段のステージよりも良好な信号状態でマルチパスに
ついてのパス検出を行う。また、各ステージにおける検
出結果は当該各ステージのIGUのみで用いられるの
で、前段のステージにおける検出結果自体が後段のステ
ージにおけるパス検出に影響を与えることはない。さら
に、各ステージのサーチャは、自身がパス情報を供給す
るIGUと同じ入力受信信号からマルチパスの情報を検
出しているので、検出されるパス・タイミング等の情報
がIGUでの処理により即応したものとなる。これによ
り、マルチパスについてのパス検出と干渉信号の生成が
各ステージで適切に行われ、より正確にマルチアクセス
干渉を低減することができる。
【0066】B.サーチャ及びIGUの構成形態 (1)第1構成形態 ・サーチャの構成 次に、上述した基本構成において採用し得るサーチャ及
びIGUの各種構成形態について説明する。図3は、第
1の構成形態におけるサーチャの構成を示した図であ
る。この図に示すように、本構成形態におけるサーチャ
は、整合フィルタ4a、遅延プロファイル演算部4b、
仮候補パス選択部4c、SIR演算部4d、閾値演算部
4e、ピーク判定部4f及びピーク判定部4gを有して
いる。
【0067】整合フィルタ4aは、遅延プロファイルを
取得する所定のサーチ窓(遅延時間軸上の所定区間)に
渡り、対応するユーザに割り当てられている拡散符号の
タイミングをずらしながら入力受信信号を逆拡散し、逆
拡散後の信号を遅延プロファイル演算部4bへ出力す
る。遅延プロファイル演算部4bは、整合フィルタ4a
からの逆拡散後の信号により、入力受信信号中に含まれ
るパイロット信号等の受信レベルを各拡散符号タイミン
グ毎に検出して遅延プロファイルを取得し、取得した遅
延プロファイルを仮候補パス選択部4c及びSIR演算
部4dへ供給する。なお、遅延プロファイル演算部4b
において遅延プロファイルを取得する際の演算処理で
は、上記遅延プロファイル演算部4DPC同様の同相加算
や電力加算、あるいは、それらの加算処理についてのフ
ェージング変動に応じた最適化等を必要に応じて適宜利
用することとしてもよい。
【0068】仮候補パス選択部4cは、遅延プロファイ
ル演算部4bからの遅延プロファイル中で極大値を示し
ている受信レベルのピークを一定個数選出することによ
り、選出した各ピークの拡散符号タイミングに対応する
パスをピーク判定用の仮候補パスとして選択する。この
仮候補パス選択部4cは、選択した各仮候補パスを知ら
せる情報をSIR演算部4dへ供給すると共に、選択し
た各仮候補パスの拡散符号タイミング及びピーク受信レ
ベルをピーク判定部4fとピーク判定部4gの双方へ供
給する。SIR演算部4dは、遅延プロファイル演算部
4bからの遅延プロファイルにおいて、仮候補パス選択
部4cで選択された各仮候補パスのピークを除く受信レ
ベルの要素を平均化することにより、パスの判定に用い
るための干渉電力を演算する。そして、各仮候補パスの
ピーク受信レベルをS(信号電力)、演算した干渉電力
をI(干渉電力)としてSIRを演算し、そのSIRを
閾値演算部4eへ供給する。
【0069】閾値演算部4eは、レイク合成受信を行う
べきパスを判定するためのレイク用閾値ThRAKEと、信
号レプリカの生成をすべきパスを判定するためのレプリ
カ用閾値ThREPとをそれぞれ別個に演算する。すなわ
ち、閾値演算部4eは、SIR演算部4dからのSIR
に基づき、IGUのレイク検波フィンガに対するパス・
タイミングとして判定するピークの受信レベル閾値(レ
イク用閾値ThRAKE)を定め、これとは別にIGUのレ
プリカ生成フィンガに対するパス・タイミングとして判
定するピークの受信レベル閾値(レプリカ用閾値ThRE
P)を定める。本構成形態においては、閾値演算部4e
でレプリカ用閾値ThREPを演算する形態の一例とし
て、基本的に低いSIRに対して高い値を定め、高いS
IRに対して低い値を定める形態を採用することにす
る。
【0070】例えば、SIRが低い場合には、多くのパ
スからの信号をレイク合成して信号電力を高めるのが好
ましいが、あまり多くのパスに対応する信号レプリカを
生成すると干渉レプリカ信号に誤った信号レプリカが含
められる可能性が高くなる。そこで、低いSIRに対し
ては、閾値演算部4eがレイク用閾値ThRAKEよりも高
い閾値をレプリカ用閾値ThREPとして定める。これに
対し、SIRが十分高い場合には、多くのパスに対応す
る信号レプリカを生成すれば干渉レプリカ信号の精度を
高めることができる。そこで、十分に高いSIRに対し
ては、閾値演算部4eがレイク用閾値ThRAKEよりも低
い閾値をレプリカ用閾値ThREPとして定める。
【0071】このように、レイク合成用パスとレプリカ
生成用パスを選択するための最適な規準は必ずしも同一
でないので、閾値演算部4eは、レイク用閾値ThRAKE
とレプリカ用閾値ThREPをそれぞれ独立した閾値とし
て、SIR等に応じた最適な値を設定するための演算を
行う。そして、レイク用閾値ThRAKEをピーク判定部4
fに供給し、レプリカ用閾値ThREPをピーク判定部4
gに供給する。
【0072】ピーク判定部4fは、仮候補パス選択部4
cから各仮候補パスの拡散符号タイミングとピーク受信
レベルを受け、それらの各仮候補パスのピーク受信レベ
ルが閾値演算部4eからのレイク用閾値ThRAKEを超え
るものであるか否かを判定する。この判定の結果に基づ
き、ピーク判定部4fは、レイク用閾値ThRAKEを超え
る各ピーク受信レベルの拡散符号タイミングをレイク合
成用パスの各パス・タイミングとし、それらのパス・タ
イミングやレイク合成用パスの数(レイク用閾値ThRA
KEを超えるピーク受信レベルの個数)を含めた候補パス
情報をIGU(レイク検波フィンガ)へ出力する。な
お、候補パス情報には、必要に応じて各レイク合成用パ
スの受信強度順位(ピーク受信レベルの大きさの順位)
等の他の情報を含めるものとしてもよい。
【0073】ピーク判定部4gは、仮候補パス選択部4
cから各仮候補パスの拡散符号タイミングとピーク受信
レベルを受け、それらの各仮候補パスのピーク受信レベ
ルが閾値演算部4eからのレプリカ用閾値ThREPを超
えるものであるか否かを判定する。この判定の結果に基
づき、ピーク判定部4gは、レプリカ用閾値ThREPを
超える各ピーク受信レベルの拡散符号タイミングを信号
レプリカ生成用パスの各パス・タイミングとし、それら
のパス・タイミングや信号レプリカ生成用パスの数(レ
プリカ用閾値ThREPを超えるピーク受信レベルの個
数)を含めたレプリカ用パス情報をIGU(レプリカ生
成フィンガ)へ出力する。なお、レプリカ用パス情報に
は、必要に応じて各信号レプリカ生成用パスの受信強度
順位(ピーク受信レベルの大きさの順位)等の他の情報
を含めるものとしてもよい。
【0074】・IGUの構成 一方、このようなサーチャの構成に対応するIGUの構
成としては、図4に示したものを採用することができ
る。図4のIGUは、それぞれチャネル推定器5a、逆
拡散器5b及びチャネル補正器5cを有するn個のレイ
ク検波フィンガ5FD1〜5FDnと、レイク合成器5dと、
仮判定器5eと、それぞれ再拡散器5f及びチャネル逆
補正器5gを有するm個のレプリカ生成フィンガ5FG1
〜5FGmと、加算器5hとによって構成されている。レ
イク検波フィンガ5FD1〜5FDnは、レイク合成のための
検波を行うフィンガであり、それぞれが逆拡散処理等の
逆拡散プロセスを実行する。レプリカ生成フィンガ5FG
1〜5FGmは、干渉レプリカ信号を形成する個々の(各パ
スの)信号レプリカを生成するフィンガであり、それぞ
れがレイク検波フィンガ5FD1〜5FDn、レイク合成器5
d及び仮判定器5eでのレイク合成及び仮判定処理(詳
細は後述)を介して得られた信号を再び拡散変調する再
拡散プロセスを実行する。
【0075】このIGUにおいては、レイク検波フィン
ガの個数nとレプリカ生成フィンガの個数mが同一であ
る必要はなく、動作するレイク検波フィンガとレプリカ
生成フィンガは必ずしも1対1に対応しない。これは、
図示のようにレイク検波フィンガ5FD1〜5FDnが候補パ
ス情報を受けて動作するのに対し、レプリカ生成フィン
ガ5FG1〜5FGmが候補パス情報から独立したレプリカ用
パス情報を受けて動作するためである。すなわち、サー
チャからの上記候補パス情報は、各レイク合成用パスに
係る情報毎に一つのレイク検波フィンガのチャネル推定
器5a、逆拡散器5b及びチャネル補正器5cへ供給さ
れ、上記レプリカ用パス情報は、各レプリカ生成用パス
に係る情報毎に一つのレプリカ生成フィンガのチャネル
逆補正器5gへ供給される。これにより、レイク検波フ
ィンガの割当及び各レイク検波フィンガでの逆拡散タイ
ミングと、レプリカ生成フィンガの割当及び各レプリカ
生成フィンガでの信号レプリカ送出タイミングとがそれ
ぞれ別に指定される。なお、レイク検波フィンガのうち
で候補パス情報を供給されなかったものは動作せず、レ
プリカ生成フィンガのうちでレプリカ用パス情報を供給
されなかったものも動作しない。
【0076】チャネル推定器5aは、候補パス情報中の
パス・タイミングに従って入力受信信号中のパイロット
信号を逆拡散し、得られたパイロット信号と既知のパイ
ロット信号を比較する。この比較により、チャネル推定
器5aは、指定されたタイミングのレイク合成用パスに
おける受信信号が無線伝送路上で受けた位相回転や振幅
変化等のチャネル変動(フェージングによるチャネル変
動)を推定し、推定結果をチャネル補正器5c及びチャ
ネル逆補正器5gへ供給する。
【0077】ここで、チャネル推定器5aは、そのチャ
ネル推定器5aがあるレイク検波フィンガのレイク合成
用パスと同一のパスをレプリカ生成用パスとするレプリ
カ生成フィンガのチャネル逆補正器5gに対して推定結
果を供給するものとする。例えば、レイク検波フィンガ
の割当(各レイク合成用パスに係る情報の供給)におい
て、受信強度の順位が高いレイク合成用パスを順にレイ
ク検波フィンガ5FD1、5FD2、5FD3、…と割り当てる
と共に、レプリカ生成フィンガの割当(各レプリカ生成
用パスに係る情報の供給)において、受信強度の順位が
高いレプリカ生成用パスを順にレプリカ生成用フィンガ
5FG1、5FG2、5FG3、…と割り当てる。あるいは、レ
イク検波フィンガの割当において、パス・タイミングの
遅延時間が早い(若しくは遅い)レイク合成用パスを順
にレイク検波フィンガ5FD1、5FD2、5FD3、…と割り
当てると共に、レプリカ生成フィンガの割当において、
パス・タイミングの遅延時間が早い(若しくは遅い)レ
プリカ生成用パスを順にレプリカ生成用フィンガ5FG
1、5FG2、5FG3、…と割り当てる。このようなフィン
ガ割当を適宜行うことにより、例えば、参照符号におけ
る半角添字中のフィンガ番号が同一であるレプリカ生成
用フィンガのチャネル逆補正器5gに対し、各レイク合
成フィンガのチャネル推定器5aから推定結果を供給す
るようにする。
【0078】逆拡散器5bは、前記候補パス情報中のパ
ス・タイミングに従って入力受信信号(パイロット信号
やデータ信号等を含めた入力受信信号)を逆拡散し、チ
ャネル補正器5cへ出力する。チャネル補正器5cは、
チャネル推定器5aからの推定結果に基づき、逆拡散器
5bで逆拡散された入力受信信号の位相や振幅等を推定
されたチャネル変動を受ける前の状態に補正するチャネ
ル補正を行う。これにより、チャネル補正後の信号は、
逆拡散をしたレイク合成用パスの受信強度に応じて最大
比合成のための重み付けもなされた信号となる。また、
チャネル補正器5cは、前記候補パス情報に基づいてチ
ャネル補正後の信号の出力タイミングを調整し、逆拡散
及びチャネル補正を経た各レイク合成用パスの入力受信
信号がレイク合成器5dに対してすべてのレイク検波フ
ィンガから同じタイミングで出力されるようにする。
【0079】レイク合成器5dは、各レイク検波フィン
ガから出力された信号をすべて加算する。これにより、
各レイク合成用パスを経由して来た受信信号がそれぞれ
逆拡散されてレイク合成されることになる。仮判定器5
eは、そのレイク合成後の信号レベルを硬判定する仮判
定処理を行う判定器であり、判定結果に応じた信号をレ
プリカ生成フィンガへ出力する。この判定結果が示す値
は、干渉レプリカ信号生成中の仮の受信データ判定値で
あるが、最後段のステージにおけるIGUでは、その値
を(図中の破線で示すように)受信情報データの最終的
な判定出力とする。
【0080】なお、仮判定器5eでの仮判定処理は、必
要に応じて軟判定によって行うこととしてもよい。ま
た、干渉レプリカ信号を生成するための仮判定シンボル
については、レプリカ生成フィンガへ入力する前に抑圧
係数(1より小さい係数)を乗ずることにより、干渉キ
ャンセラ受信機としての性能を向上させる手法が知られ
ている。本実施形態におけるIGU(図4や後述する図
6のIGU等)でもその手法を利用することができ、例
えば、仮判定器5eとレプリカ生成フィンガ5FG1〜5F
Gnとの間に適宜抑圧係数乗算用の演算器を設け、抑圧係
数を乗じた信号がレプリカ生成フィンガ5FG1〜5FGnへ
入力されるようにしてもよい。
【0081】再拡散器5fは、仮判定器5eからの判定
結果に応じた信号を再び拡散変調し、チャネル逆補正器
5gに出力する。チャネル逆補正器5gは、その再拡散
された信号に対し、チャネル推定器5aからの推定結果
に基づいてチャネル補正器5cでしたチャネル補正を元
に戻すチャネル逆補正(位相が回転したり振幅が変化し
たりしている元の入力受信信号の状態に戻す逆の補正)
を行う。
【0082】ここで、上記チャネル推定器5aからの推
定結果は、上述したようにレイク合成用パスと同一のパ
スをレプリカ生成用パスとするレプリカ生成フィンガの
チャネル逆補正器5gに対して供給される。したがっ
て、レプリカ生成用パスの方がレイク合成用パスよりも
多い場合には、候補パス情報に基づいて動作するチャネ
ル推定器5aからはチャネル推定結果を供給されないチ
ャネル逆補正器5gがあることになる。そこで、かかる
チャネル逆補正器5gで処理すべきレプリカ生成用パス
については、そのレプリカ用パス情報を用いたチャネル
推定を必要に応じて行い、チャネル逆補正器5gに対し
てチャネル推定結果が供給されるようにする。例えば、
サーチャで得られた候補パス情報とレプリカ用パス情報
に基づき、対応するレイク合成用パスがないレプリカ生
成用パスのレプリカ用パス情報を空いているレイク検波
フィンガのチャネル推定器5a(候補パス情報を供給し
ないチャネル推定器5a)に供給することとし、そのチ
ャネル推定器5aが当該レプリカ生成用パスについての
チャネル推定を行い、当該レプリカ生成用パスについて
のチャネル逆補正を行うチャネル逆補正器5gに推定結
果を供給するようにする。
【0083】レプリカ用パス情報が供給されるチャネル
逆補正器5gに対しては、このようにしてすべてにチャ
ネル推定結果を供給し、チャネル逆補正器5gが各レプ
リカ生成用パスについてのチャネル逆補正を行うものと
する(対応するレイク合成用パスがないレプリカ生成用
パスについては、チャネル補正器5cでしたチャネル補
正を元に戻すわけではないが、位相回転や振幅変化を元
の入力受信信号における状態に戻す同形態の逆の補正を
行う。)。このチャネル逆補正により、各レプリカ生成
用パスについての再拡散後の信号は、当該各レプリカ生
成用パスの受信強度に応じた信号成分に分散され、元の
入力受信信号中にあったときのレベルに戻されることに
なる。そして、チャネル逆補正器5gは、チャネル逆補
正後の信号の出力タイミングをレプリカ用パス情報に基
づいて調整し、それぞれのレプリカ生成フィンガからの
信号レプリカが元の入力受信信号中にあったときと同じ
タイミングで加算器5hに出力されるようにする。
【0084】加算器5hは、各レプリカ生成フィンガか
らの信号レプリカを加算し、干渉レプリカ信号として出
力する。
【0085】・動作 図1のマルチユーザ受信機において、サーチャ4S1U1〜
4S3Ukに図3の構成によるサーチャを用いると共に、I
GU5S1U1〜5S3Ukに図4の構成によるIGUを用いる
ことにすると、全体的な動作は上記基本構成の場合と同
様に並列的に進行していくが、各ステージにおける各サ
ーチャのパス検出動作と各IGUの干渉生成動作は上述
した動作とは異なる形態になる。
【0086】すなわち、各ステージにおいて各サーチャ
に入力受信信号が供給されると、その入力受信信号が整
合フィルタ4aで順次逆拡散され、サーチ窓の範囲に渡
る逆拡散後の信号が遅延プロファイル演算部4bに供給
される。遅延プロファイル演算部4bでは、供給された
逆拡散後の信号から遅延プロファイルが演算され、仮候
補パス選択部4cとSIR演算部4dに供給される。そ
の遅延プロファイルを受けた仮候補パス選択部4cでは
仮候補パスが選択され、各仮候補パスがSIR演算部4
dに知らされると共に、各仮候補パスの拡散符号タイミ
ング及びピーク受信レベルがピーク判定部4f及びピー
ク判定部4gの双方へ供給される。仮候補パスを知らさ
れたSIR演算部4dでは、それらの仮候補パスと遅延
プロファイル演算部4bからの遅延プロファイルとに基
づいてSIRが演算され、閾値演算部4eに供給され
る。
【0087】そして、閾値演算部4eでは、SIR演算
部4dからのSIRに基づき、レイク合成用パスの判定
閾値とレプリカ生成用パスの判定閾値がそれぞれ別個に
演算される。これにより、互いに独立したレイク用閾値
ThRAKEとレプリカ用閾値ThREPが求められ、ピーク
判定部4fに対してレイク用閾値ThRAKEが供給される
と共に、ピーク判定部4gに対してレプリカ用閾値Th
REPが供給される。
【0088】ピーク判定部4fでは、仮候補パス選択部
4cから供給された各仮候補パスのピーク受信レベルを
閾値演算部4eからのレイク用閾値ThRAKEと比較し、
レイク用閾値ThRAKEを超えるピーク受信レベルの拡散
符号タイミングをレイク合成用パスのパス・タイミング
と判定する。その判定結果に基づき、ピーク判定部4f
は、各レイク合成用パスのパス・タイミングやレイク合
成用パスの数等を含む候補パス情報をIGUのレイク検
波フィンガへ供給する。
【0089】一方、ピーク判定部4gでは、仮候補パス
選択部4cから供給された各仮候補パスのピーク受信レ
ベルを閾値演算部4eからのレプリカ用閾値ThREPと
比較し、レプリカ用閾値ThREPを超えるピーク受信レ
ベルの拡散符号タイミングをレプリカ生成用パスのパス
・タイミングと判定する。その判定結果に基づき、ピー
ク判定部4gは、各レプリカ生成用パスのパス・タイミ
ングやレプリカ生成用パスの数等を含むレプリカ用パス
情報をIGUのレプリカ生成フィンガへ供給する。
【0090】これにより、ピーク判定部4gでは、前記
レイク用閾値ThRAKEから独立した閾値を判定基準とし
てレプリカ生成用パスが選択され、その選択されたレプ
リカ生成用パスに係るパス情報が前記候補パス情報とは
別個のレプリカ用パス情報としてIGUに供給される。
すなわち、IGUに対しては、レイク合成のためのパス
情報とレプリカ生成のためのパス情報がそれぞれ独立し
て供給され、それらのパス情報が得られた入力受信信号
と同じ入力受信信号を用いるIGUでの処理が開始され
る。
【0091】まず、候補パス情報を受けたレイク検波フ
ィンガでは、その候補パス情報中の各パス・タイミング
等に従ってチャネル推定器5aによるチャネル推定、逆
拡散器5bによる逆拡散及びチャネル補正器5cによる
チャネル補正が行われ、各レイク合成用パス毎に逆拡散
プロセスが実行される。そして、各レイク検波フィンガ
から出力された信号がレイク合成器5dで合成され、合
成後の信号により仮判定器5eでの仮判定処理がなされ
る。
【0092】ここで、一つのレイク検波フィンガは、候
補パス情報中の一つのレイク合成用パスに係る逆拡散プ
ロセスを担当する。したがって、動作するレイク検波フ
ィンガの数は候補パス情報で指定されたレイク合成用パ
スの数に等しく、その数分のマルチパスに対応する受信
信号がレイク合成され、仮判定器5eでの仮判定処理に
より復調されることになる。これにより、受信情報デー
タが一旦復調され、その受信情報データを示す信号が仮
判定器5eからレプリカ生成フィンガへ供給される。
【0093】仮判定器5eからの信号をレプリカ生成フ
ィンガ側が受けると、上記ピーク判定部4gからレプリ
カ用パス情報を供給されているレプリカ生成フィンガに
おいて再拡散プロセスが実行される。すなわち、レプリ
カ生成フィンガでは、再拡散器5fによる再拡散及びチ
ャネル逆補正器5gによるチャネル逆補正が行われ、各
レプリカ生成用パス毎に再拡散プロセスが実行される。
そして、再拡散プロセスを経た信号レプリカがレプリカ
用パス情報中の各パス・タイミングに従って各レプリカ
生成フィンガから出力され、加算器5hで加算されて干
渉レプリカ信号として出力される。
【0094】ここで、一つのレプリカ生成フィンガは、
レプリカ用パス情報中の一つのレプリカ生成用パスに係
る再拡散プロセスを担当する。したがって、動作するレ
プリカ生成フィンガの数はレプリカ用パス情報で指定さ
れたレプリカ生成用パスの数に等しく、その数分のマル
チパスに対応する信号レプリカが加算器5hで加算さ
れ、干渉レプリカ信号としてIGUから出力されること
になる。
【0095】このように、本構成形態によれば、候補パ
ス情報とレプリカ用パス情報がそれぞれの異なる閾値に
基づいて取得され、レイク検波フィンガとレプリカ生成
フィンガに対してそれぞれ独立してフィンガの割当やパ
ス・タイミング等の指定がなされる。すなわち、レイク
合成のためのパス情報とレプリカ生成のためのパス情報
がそれぞれ異なる規準によって生成され、レイク検波フ
ィンガとレプリカ生成フィンガがそれぞれ独立して制御
される。したがって、レイク合成のためのパス情報生成
とレプリカ生成のためのパス情報生成におけるそれぞれ
の規準をSIRやSNIR等に応じて最適化し、レイク
合成用のマルチパス選択とレプリカ生成用のパス設定を
それぞれ適応制御することが可能である。
【0096】例えば、誤った信号レプリカが生成される
と後続の処理に悪影響を及ぼすので、受信強度が弱い
(SIRないしSNIRが低い)パスをレプリカ用パス
に選択して信号レプリカを生成するのは好ましくない。
これに対し、本構成形態においては、SIRが低ければ
上記閾値演算部4eによってレイク用閾値ThRAKEより
も高いレプリカ用閾値ThREPが設定され、そのレプリ
カ用閾値ThREPによって上記ピーク判定部4gでパス
・タイミングが判定される。したがって、比較的受信状
態が良好なパスだけをレプリカ生成用パスに選択するこ
とになるので、誤った信号レプリカの生成を防止するこ
とができる。さらに、受信強度が弱いパスはチャネル推
定結果が低品質なものとなるが、かかるチャネル推定結
果による悪影響を生じさせるようなパスの信号レプリカ
を排除することにもなる。一方、SIRが十分高い場合
には、閾値演算部4eによってレイク用閾値ThRAKEよ
りも低いレプリカ用閾値ThREPが設定され、そのレプ
リカ用閾値ThREPによってピーク判定部4gでパス・
タイミングが判定される。したがって、比較的多くのレ
プリカ生成用パスを選択することになり、多くのパスに
対応する信号レプリカを生成して干渉レプリカ信号の精
度を高めることができる。
【0097】そして、マルチステージ干渉キャンセラに
おいては、後段のステージに進むにつれてSIR等の信
号状態が良くなるので、本構成形態におけるレプリカ用
閾値ThREPは、後段のステージに進むにつれて(増大
するSIRに応じて)徐々に低い値に設定されることに
なる。したがって、SIRが低い初めの方のステージで
は、誤りでないことが確かな少ない信号レプリカによる
小量の干渉レプリカ信号が除去され、SIRが高くなる
後段のステージに進むにつれて正確さを増したより多く
の信号レプリカによる干渉レプリカ信号が除去されてい
く。これにより、マルチステージ干渉キャンセラ本来の
機能を有効に活用した適切な干渉除去を実現することが
でき、マルチユーザ受信機の性能をより向上させること
ができる。
【0098】なお、このようなアプローチは、パス毎の
重み付け係数ないし抑圧係数を調整する干渉キャンセラ
に類似する。しかし、本構成形態では、サーチャの検出
結果出力によって干渉レプリカ信号の生成自体を制御す
るので、IGUへの入力受信信号に応じた適切な信号レ
プリカだけを生成することができ、無駄な信号レプリカ
の生成を回避することもできる。
【0099】(2)第2構成形態 第2の構成形態におけるサーチャの構成を図5に示す。
このサーチャは、上記第1構成形態におけるサーチャを
簡略化したものであり、図3のサーチャ同様の整合フィ
ルタ4a、遅延プロファイル演算部4b、SIR演算部
4d及び閾値演算部4eを有し、図3のサーチャとは信
号授受形態等が異なる仮候補パス選択部4c′、ピーク
判定部4f′及びピーク判定部4g′を有している。
【0100】仮候補パス選択部4c′は、上記仮候補パ
ス選択部4cと同様に仮候補パスを選択し、選択した各
仮候補パスをSIR演算部4dに知らせるが、選択した
各仮候補パスの拡散符号タイミング及びピーク受信レベ
ルをピーク判定部4f′にのみ供給する。ピーク判定部
4f′は、仮候補パス選択部4c′からの各仮候補パス
の拡散符号タイミング及びピーク受信レベルと閾値演算
部4eからのレイク用閾値ThRAKEとを用い、上記ピー
ク判定部4fと同様の判定を行って候補パス情報をIG
U(レイク検波フィンガ)へ出力するが、その候補パス
情報をピーク判定部4g′にも供給する。このとき、ピ
ーク判定部4f′は、ピーク判定部4g′に対しては候
補パス情報中にレイク用閾値ThRAKEを超える各ピーク
受信レベルも含めて供給する。
【0101】ピーク判定部4g′は、ピーク判定部4
f′からの候補パス情報中にある各ピーク受信レベルが
閾値演算部4eからのレプリカ用閾値ThREPを超える
ものであるか否かを判定する。この判定の結果に基づ
き、ピーク判定部4g′は、レプリカ用閾値ThREPを
超える各ピーク受信レベルの拡散符号タイミングを信号
レプリカ生成用パスの各パス・タイミングとし、それら
のパス・タイミングや信号レプリカ生成用パスの数(レ
プリカ用閾値ThREPを超えるピーク受信レベルの個
数)を含めたレプリカ用パス情報をIGU(レプリカ生
成フィンガ)へ出力する。
【0102】すなわち、ピーク判定部4g′は、レイク
合成用パスを示すピークとしてピーク判定部4f′で選
ばれたものの中からレプリカ生成用パスを示すピークを
選ぶようになっている。これにより、マルチパスとして
(レイク合成用にではあるが)一度選ばれたパスからさ
らにレプリカ生成用パスが選抜されるので、不適切なレ
プリカ生成用パスの選択がより確実に防止されることに
なり、特に受信状態が悪い場合(SIR、SNIRない
しSN比が低い場合)に有効となる。また、上記ピーク
判定部4gがピーク判定部4f同様に各仮候補パスのピ
ーク受信レベルを判定対象とするのに対し、ピーク判定
部4g′はピーク判定部4f′から与えられるピーク受
信レベルのみを判定対象とするので、レプリカ用パス情
報を取得するための演算処理量を減らすことができ、そ
の演算処理に要する回路等の簡略化や縮小化を図ること
もできる。なお、上記ピーク判定部4f、4g同様、ピ
ーク判定部4f′、4g′から出力する候補パス情報、
レプリカ用パス情報についても、それぞれ、各レイク合
成用パスの受信強度順位、各信号レプリカ生成用パスの
受信強度順位等の他の情報を必要に応じて含めることに
してもよい。
【0103】このような構成により、図5のサーチャ
は、上記第1構成形態におけるサーチャと同種の候補パ
ス情報とレプリカ用パス情報をIGUへ供給するものと
なっている。したがって、図1のマルチユーザ受信機で
図5のサーチャをサーチャ4S1U1〜4S3Ukに用いる場合
には、IGU5S1U1〜5S3Ukに上記図4のIGUを用い
ることができる。その場合の動作では、各ステージの各
サーチャにおいて、上述したようにピーク判定部4f′
からの候補パス情報に基づいてピーク判定部4g′での
判定が行われる。そして、各サーチャから候補パス情報
とレプリカ用パス情報がそれぞれIGUへ供給され、上
記第1構成形態の場合と同様にレイク検波フィンガとレ
プリカ生成フィンガがそれぞれ独立して制御される。こ
れにより、上記同様にレイク合成用のマルチパス選択と
レプリカ生成用のパス設定をそれぞれ適応制御すること
ができ、適切な干渉除去を行うことができる。
【0104】なお、本構成形態においては、ピーク判定
部4f′で選ばれたレイク合成用パスからピーク判定部
4g′がレプリカ生成用パスを選抜することとしている
ので、レプリカ生成用パスの数はレイク合成用パスの数
以下となる。したがって、IGU5S1U1〜5S3Ukに上記
図4のIGUを用いる場合においては、レプリカ用パス
情報を供給されるすべてのチャネル逆補正器5gに対
し、対応するレイク合成用パスの候補パス情報に基づい
て動作するチャネル推定器5aからチャネル推定結果が
供給されることになり、それらのチャネル逆補正器5g
でのチャネル逆補正がそれぞれ行われることになる。こ
のため、候補パス情報を供給されないチャネル推定器5
aを上記第1構成形態のように適宜動作させたりする必
要はない。
【0105】(3)第3構成形態 第3の構成形態におけるIGUの構成を図6に示す。本
構成形態は、上記第2構成形態におけるサーチャに準じ
た機能の一部をIGU側に持たせた形態である。図示の
ように、本構成形態におけるIGUは、それぞれチャネ
ル推定器5a、逆拡散器5b及びチャネル補正器5c′
を有するn個のレイク検波フィンガ5FD1〜5FDnと、レ
イク合成器5dと、仮判定器5eと、それぞれ再拡散器
5f及びチャネル逆補正器5g′を有するm個のレプリ
カ生成フィンガ5FG1〜5FGmと、加算器5hと、レプリ
カ用パス制御部5iとによって構成されている。
【0106】これらの構成要素のうち、チャネル推定器
5a、逆拡散器5b、レイク合成器5d、仮判定器5
e、再拡散器5f及び加算器5hは、図4のIGUにお
けるものと同様の機能を担う。チャネル補正器5c′
は、図4のIGUにおけるチャネル補正器5cと同様の
機能を担うのに加え、チャネル補正後の信号をレプリカ
用パス制御部5iへも出力する。
【0107】レプリカ用パス制御部5iは、レイク検波
フィンガへ供給された候補パス情報と各レイク検波フィ
ンガ(各チャネル補正器5c′)から出力されるチャネ
ル補正後の信号を受け、それらに基づいて上記レプリカ
用パス情報に相当する情報をレプリカ生成フィンガへ供
給する。各レイク検波フィンガからのチャネル補正後の
信号は、候補パス情報における各レイク合成用パスの受
信信号成分を検波した検波信号に相当するので、レプリ
カ用パス制御部5iは、それらの検波信号の強度に基づ
いて各レイク合成用パスをレプリカ生成用パスとして採
用するか否かを判定する。
【0108】すなわち、検波された信号の強度が低いレ
イク合成用パスについては、有効な信号レプリカの生成
が期待できないのでレプリカ生成用パスに採用しない。
これに対し、検波された信号の強度が高いレイク合成用
パスについては、有効な信号レプリカの生成が期待でき
るのでレプリカ生成用パスとして採用する。例えば、チ
ャネル補正後の信号強度が上記レプリカ用閾値ThREP
に対応する強度を上回る場合には、そのレイク合成用パ
スをレプリカ生成用パスとして採用するようにする。レ
プリカ用パス制御部5iは、このようにして候補パス情
報にあるレイク合成用パスからレプリカ生成用パスを選
択する。そして、選択した各レプリカ生成用パスのパス
・タイミング等を候補パス情報から抽出し、レプリカ用
パス情報としてレプリカ生成フィンガへ供給する。
【0109】チャネル逆補正器5g′は、再拡散器5f
で再拡散された信号に対し、上記チャネル逆補正器5g
同様のチャネル逆補正を行う。このチャネル逆補正によ
り、各レプリカ生成用パスについての再拡散後の信号
は、当該各レプリカ生成用パスの受信強度に応じた信号
成分に分散され、元の入力受信信号中にあったときのレ
ベルに戻されることになる。そして、チャネル逆補正器
5g′は、チャネル逆補正後の信号の出力タイミングを
レプリカ用パス制御部5iから供給されるレプリカ用パ
ス情報に基づいて調整し、それぞれのレプリカ生成フィ
ンガからの信号レプリカが元の入力受信信号中にあった
ときと同じタイミングで加算器5hに出力されるように
する。
【0110】なお、本構成形態においては、レプリカ用
パス制御部5iが候補パス情報にあるレイク合成用パス
からレプリカ生成用パスを選択することとしているの
で、レプリカ生成用パスの数はレイク合成用パスの数以
下となる。したがって、レプリカ用パス制御部5iから
レプリカ用パス情報を供給されるすべてのチャネル逆補
正器5g′に対し、対応するレイク合成用パスの候補パ
ス情報に基づいて動作するチャネル推定器5aからチャ
ネル推定結果が供給されることになり、それらのチャネ
ル逆補正器5g′でのチャネル逆補正がそれぞれ行われ
ることになる。
【0111】以上の構成によるIGUは、入力受信信号
から干渉レプリカ信号を生成するに当たり、サーチャか
らのパス情報としてレイク合成用のパス情報だけを必要
とする。したがって、図6のIGUは、図11等の在来
のIGUと同様のインターフェースを有するものとする
ことができ、図1のマルチユーザ受信機において図2等
の在来のサーチャと共に利用することができる。また、
図3のサーチャにおいてピーク判定部4gを取り去り、
あるいは、図5のサーチャにおいてピーク判定部4g′
を取り去り、候補パス情報のみを供給するように構成し
たサーチャと共に図1のマルチユーザ受信機で利用する
こともできる。
【0112】かかるサーチャと共に図6のIGUを図1
のマルチユーザ受信機で(IGU5S1U1〜IGU5S3Uk
として)利用した場合には、各ステージの各IGUにお
いて、候補パス情報と各パスのチャネル補正後の信号か
らレプリカ用パス制御部5iによって上述したようにレ
プリカ生成用パス情報が生成される。すなわち、上記第
2構成形態同様にレイク合成用パスとして一度選ばれた
パスの中からレプリカ生成用パスが選抜され、候補パス
情報とは別のパス情報によってレプリカ生成フィンガに
対するフィンガ割当やパス・タイミング等の指定がなさ
れる。これにより、候補パス情報だけを供給するサーチ
ャを利用する場合にも、受信状態が悪い場合等に不適切
なレプリカ生成用パスが選択されるのを防止し、誤った
信号レプリカの生成を回避して正確な干渉レプリカ信号
を得ることができる。
【0113】なお、図6のIGUでは、レプリカ用パス
制御部5iがチャネル補正後の信号を入力としてレプリ
カ生成用のパスを判定することとしたが、これに限らず
各パスの受信状態等を評価し得る他の信号を入力として
判定を行うこととしてもよい。例えば、チャネル補正前
の逆拡散された信号を逆拡散器5bからレプリカ用パス
制御部5iへ供給することとし、逆拡散器5bからの信
号の電力等に基づいてレプリカ生成用のパスを判定して
もよい(チャネル補正による誤差が大きいと見込まれる
場合には、この方が有効である。)。
【0114】以上のサーチャ及びIGUの構成形態によ
れば、上述したようにレイク合成のための候補パス情報
とレプリカ生成のためのレプリカ用パス情報をそれぞれ
別個に生成し、レイク合成用のマルチパス選択とレプリ
カ生成用のパス設定をそれぞれ独立して適応制御するこ
とができる。そして、かかる適応制御が各ユーザ毎に各
ステージでそれぞれ実行されるので、上記基本構成形態
の場合よりもさらに正確な干渉レプリカ信号を生成する
ことができ、マルチユーザ受信機の性能をより一層高め
ることができる。
【0115】C.サーチ窓の変更 (1)構成 サーチ窓におけるパスの検出分解能は、遅延プロファイ
ルのレベルを検出するオーバーサンプリング・レートに
よって決まる。サーチャの回路規模や処理時間を一定と
した場合、サーチ窓については、一般にサーチ窓内のオ
ーバーサンプリング・レートとサーチ窓の幅との間にト
レード−オフ関係が成立する。例えば、4倍の高速オー
バーサンプリングを行う(パス検出分解能を4倍にす
る)と、遅延プロファイルのレベル検出間隔が1/4に
なるので、検出可能なサーチ窓の幅は1/4になる。こ
のため、サーチ窓の幅を変えずに高精度なパス検出を行
うには、サーチャの回路規模を大きくしたり処理時間を
長く確保したりすることが必要になる。
【0116】これに対し、本実施形態におけるマルチス
テージ干渉キャンセラは、各ステージにサーチャを有し
ており、SIRの高い後段のステージにあるサーチャで
正確なパス検出が期待できる構成になっている。この構
成によれば、各ステージにおけるサーチャのサーチ窓に
ついて、オーバーサンプリング・レート、幅ないし位置
等をそれぞれ適宜変更することにより、サーチャの回路
規模や処理時間を一定としたまま精度の高いパス検出を
行うことができる。
【0117】図7は、かかるサーチ窓の変更を実現する
マルチユーザ受信機の構成例を示した図である。このマ
ルチユーザ受信機は、上記「A.基本構成形態」並びに
「B.サーチャ及びIGUの構成形態」で述べた構成に
よるマルチユーザ受信機において、さらなる機能を追加
した図示のサーチャ4S1U1′〜4S3Uk′を採用したもの
となっている。すなわち、サーチャ4S1U1′〜4S3Uk′
は、上記サーチャ4S1U1〜4S3Uk(図2、図3又は図5
のサーチャ)と同様の機能を有し、それに加えてサーチ
窓を変更する機能を備えている。サーチ窓の変更は、サ
ーチャ4S1U1′〜4S3Uk′のそれぞれにおいて、入力受
信信号を取り込むサンプリングのタイミングを制御する
ことによって行われる。
【0118】一般のマルチステージ干渉キャンセラにお
いては、各ステージのIGUに対し、最初に無線信号を
オーバーサンプリングした受信時と同じオーバーサンプ
リング・レートで処理対象の受信信号を供給する。図7
の構成例もこれに準じたものとなっており、サーチャ4
S1U1′〜4S3Uk′及びIGU5S1U1〜5S3Ukに対して受
信時と同じオーバーサンプリング・レートで入力受信信
号が供給される。そこで、サーチャ4S1U1′〜4S3Uk′
は、それぞれ、その入力受信信号を取り込むサンプリン
グ・レートを適宜変更することにより、サーチ窓内のオ
ーバーサンプリング・レートを変更する。また、その入
力受信信号を取り込むサンプリングの開始点、終了点及
び再開点を適宜設定することにより、サーチ窓の位置と
幅を変更する。なお、サーチ窓内のオーバーサンプリン
グ・レートは、受信時のオーバーサンプリング・レート
(無線信号処理部2でのオーバーサンプリング・レー
ト)に対応するレートより高くすることはできないの
で、そのレート以下の範囲で適宜選定する。
【0119】また、第1ステージのサーチャ4S1U1′、
4S1U2′、…、4S1Uk′は、それぞれ取得したパス情報
におけるレイク合成用パスの各パス・タイミングを第2
ステージのサーチャ4S2U1′、4S2U2′、…、4S2Uk′
へ供給する。第2ステージのサーチャ4S2U1′、4S2U
2′、…、4S2Uk′は、それぞれ取得したパス情報にお
けるレイク合成用パスの各パス・タイミングを第3ステ
ージのサーチャ4S3U1′、4S3U2′、…、4S3Uk′へ供
給する。そして、第2ステージのサーチャ4S2U1′、4
S2U2′、…、4S2Uk′、第3ステージのサーチャ4S3U
1′、4S3U2′、…、4S3Uk′は、それぞれ、遅延時間
軸上における供給された各パス・タイミング前後の所定
区間(例えば、パス・タイミング前後の予め定めたチッ
プ数分に相当する区間)をサーチ窓に設定し、そのサー
チ窓に対して適切な検出分解能によるパス検出が行われ
るようにオーバーサンプリング・レートを制御する。
【0120】(2)動作 このような構成において、例えば、第1のユーザからの
信号受信動作が開始されると、第1ステージのサーチャ
4S1U1′は、低いオーバーサンプリング・レート(例え
ばチップ・レートと同一レート)をサーチ窓内のオーバ
ーサンプリング・レートに設定し、そのオーバーサンプ
リング・レートにより入力受信信号をサンプリングして
遅延プロファイル演算等を行う。これにより、広いサー
チ窓に渡る検出分解能の粗い遅延プロファイルが取得さ
れ、その遅延プロファイルから検出されたレイク合成用
パスの各パス・タイミングが第2ステージのサーチャ4
S2U1′に供給される。
【0121】それらの各パス・タイミングを受けた第2
ステージのサーチャ4S2U1′は、受けた各パス・タイミ
ングの前後の所定区間をサーチ窓として設定する。そし
て、それらのサーチ窓内の区間に対応する入力受信信号
が供給されたときに、第1ステージのサーチャ4S1U1′
でのオーバーサンプリング・レート以上のオーバーサン
プリング・レートで入力受信信号をサンプリングして遅
延プロファイル演算等を行う。これにより、サーチャ4
S2U1′では、第1ステージのサーチャ4S1U1′で検出さ
れた各パス・タイミングの前後についてのみ、第1ステ
ージ以上の検出分解能による遅延プロファイルが取得さ
れ、その遅延プロファイルに基づいて第1ステージでの
精度以上の精確なレイク合成用パスないしレプリカ生成
用パスが検出される。
【0122】例えば、第1ステージのサーチャ4S1U1′
において、図8中に示す広いサーチ窓に渡って粗い検
出分解能による遅延プロファイル(図中上段の遅延時間
軸上にある遅延プロファイル)を取得し、P1、P2及び
P3のピーク・タイミングがレイク合成用パスのパス・
タイミングとして検出されたとする。すると、第2ステ
ージのサーチャ4S2U1′に対してパス・タイミングP
1、P2及びP3を知らせる情報が供給され、サーチャ4S
2U1′においては、パス・タイミングP1、P2及びP3の
周辺についてのみ、高い検出分解能によるパス検出がな
される。
【0123】今、第2ステージのサーチャ4S2U1′が第
1ステージのサーチャ4S1U1′の4倍のオーバーサンプ
リング・レートによるパス検出を行うものであったとす
ると、サーチャ4S1U1′からのパス・タイミングの情報
を利用せずにサーチャ4S2U1′が入力受信信号をそのま
まサンプリングする場合には、サーチャ4S2U1′のサー
チ窓が図8中のサーチ窓のようになり、(図中の破線
窓で示すように)4倍の処理を行わなければサーチ窓
と同じ区間に渡るパス検出ができない。これに対し、サ
ーチャ4S1U1′からのパス・タイミングの情報をサーチ
ャ4S2U1′が上述したように利用する場合には、図中の
一点鎖線で示すようにパス・タイミングP1、P2及びP
3の前後にサーチ窓が設定される。これにより、図中
の二点鎖線で示すようにサーチ窓に相当する分の窓を
分割し、各ピーク・タイミングの部分のみについて4倍
のオーバーサンプリング・レートによる精度の高い検出
をすることができる。
【0124】このようにしてサーチャ4S2U1′で検出さ
れたレイク合成用パスの各パス・タイミングは、第3ス
テージのサーチャ4S3U1′へ供給される。それらの各パ
ス・タイミングを受けた第3ステージのサーチャ4S3U
1′は、受けた各パス・タイミングの前後の所定区間を
サーチ窓として設定する。そして、それらのサーチ窓内
の区間に対応する入力受信信号が供給されたときに、第
2ステージのサーチャ4S2U1′でのオーバーサンプリン
グ・レート以上のオーバーサンプリング・レートで入力
受信信号をサンプリングして遅延プロファイル演算等を
行う。これにより、サーチャ4S3U1′では、第2ステー
ジのサーチャ4S2U1′で検出された各パス・タイミング
の前後についてのみ、第2ステージ以上の検出分解能に
よる遅延プロファイルが取得され、その遅延プロファイ
ルに基づいて第1ステージや第2ステージでの精度以上
の精確なレイク合成用パスが検出される。
【0125】第1のユーザに対応するサーチャ4S1U1′
〜4S3U1′でのパス検出は以上のようにして行われ、そ
れらのパス検出結果に基づいて同じく第1のユーザに対
応するIGU5S1U1〜5S3U1等により干渉レプリカ信号
の生成等が行われる。そして、この動作は、各ユーザに
対応する構成要素において、各ユーザから到来する信号
に応じてそれぞれ独自に実行される。すなわち、第2の
ユーザからの信号受信動作が開始されると、サーチャ4
S1U2′〜4S3U2′でのパス検出が(他のユーザに対応す
るサーチャとは別に)上記同様の動作形態で行われ、そ
れらのパス検出結果に基づいて第2のユーザに対応する
IGU5S1U2〜5S3U2等により干渉レプリカ信号の生成
等が行われる。同様に第3、第4、…、第kのユーザか
らの信号受信動作についても、それぞれ、サーチャ4S1
U3′〜4S3U3′、サーチャ4S1U4′〜4S3U4′、…、サ
ーチャ4S1Uk′〜4S3Uk′でのパス検出が(他のユーザ
に対応するサーチャとは別に)上記同様の動作形態で行
われ、それぞれのパス検出結果に基づいて第3、第4、
…、第kのユーザに対応するIGU5S1U3〜5S3U3、I
GU5S1U4〜5S3U4、…、IGU5S1Uk〜5S3Uk等によ
り干渉レプリカ信号の生成等が行われる。
【0126】これにより、各ユーザからの信号を受信す
る動作毎に、それぞれ、前段のステージでは低いオーバ
ーサンプリング・レートによる広く粗いサーチ窓が用い
られ、後段のステージでは前段のステージからの情報に
基づいて高いオーバーサンプリング・レートによる細か
いサーチ窓が適所に用いられることになる。すなわち、
SIRが低い初めの方のステージでは、低い分解能で広
範囲に渡っておおよそのパス・タイミングが捕捉され、
SIRが高い後の方のステージでは、そのおおよそのパ
ス・タイミング付近において高い分解能でパス・タイミ
ングが捕捉される。したがって、このサーチ窓を変更す
る形態によれば、パス検出を行う実質的な区間を狭める
ことなく、後段のステージでより精確にパス・タイミン
グを検出することができ、マルチステージ干渉キャンセ
ラにおける適切な干渉除去を実現することができる。
【0127】そして、後段のステージにおいては、前段
のステージで検出したパス・タイミング付近だけに範囲
を絞ってパス検出を行うので、サーチャでのオーバーサ
ンプリング・レートを前段のステージより高くしつつ、
取り扱うデータの量や実行する演算処理の量を一定量以
下に抑えることが可能である。したがって、一定の回路
規模によるサーチャを用い、かつ、サーチャでの処理時
間も一定とする場合であっても、後段のステージで高い
分解能による高精度なパス検出を行うことができる。
【0128】なお、上記形態では、パス情報におけるレ
イク合成用パスのパス・タイミングに基づいてサーチ窓
を変更することとしたが、他の情報(前のステージで得
られたマルチパスに関する他の情報)に基づいてサーチ
窓を適宜変更することとしてもよい。
【0129】<第2実施形態> A.構成 次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図9
は、本発明の第2の実施形態によるマルチステージ干渉
キャンセラを利用したマルチユーザ受信機の構成例を示
した図である。本実施形態は、マルチステージ干渉キャ
ンセラにおいて簡易な構成で有効なパス・サーチャの機
能を実現する形態であり、図9では、その形態を適用し
た構成の一例として、3ステージのパラレル型干渉キャ
ンセラを利用する場合のマルチユーザ受信機の構成を示
してある。
【0130】本マルチユーザ受信機も上記第1実施形態
同様CDMA方式によるセルラー無線通信システムの無
線基地局等で用いられる対複数ユーザ用の受信装置であ
り、第1〜第kまでのk人のユーザを受信対象としてい
る。それらk人のユーザからの信号を受信し、受信信号
中の干渉を除去して受信情報を取得するための構成要素
として、本マルチユーザ受信機は、図示のようにアンテ
ナ1、無線信号処理部2、バッファ3S1及び3S2、k個
のサーチャ4U1〜4Uk、k×3個のIGU5S1U1′〜5
S1Uk′、5S2U1′〜5S2Uk′及び5S3U1′〜5S3Uk′、
減算器6S1及び6S2、k×2個の加算器7S2U1〜7S2Uk
及び7S3U1〜7S3Uk、並びにk個の入力切換スイッチ8
U1〜8Ukを有している。これらの構成要素のうち、アン
テナ1、無線信号処理部2、バッファ3S1及び3S2、減
算器6S1及び6S2並びに加算器7S2U1〜7S2Uk及び7S3
U1〜7S3Ukは、上記第1実施形態における同一参照符号
の構成要素と同様の機能を担うものである。
【0131】サーチャ4U1、4U2、…、4Ukは、それぞ
れ、後述する入力切換スイッチ8U1、8U2、…、8Ukを
介して供給される信号を入力受信信号として、第1、第
2、…、第kのユーザからの受信信号に係るマルチパス
の各パス・タイミング等を検出する。図示のように、本
実施形態におけるサーチャ4U1、4U2、…、4Ukは、そ
れぞれのユーザ毎に最初のステージに一つだけ設けられ
たものとなっており、自身と同じユーザに対応する各ス
テージのIGUにパス情報を供給する。サーチャ4U1〜
4Uk自体の構成としては、例えば上記図2、図3又は図
5のいずれの構成を利用してもよいが、取得したパス情
報を同じユーザに対応するすべてのステージのIGUへ
供給するように構成する。
【0132】IGU5S1U1′〜5S3Uk′は、それぞれ干
渉レプリカ信号を生成するIGU(干渉レプリカ生成ユ
ニット)であり、IGU5S1U1′〜5S3U1′、IGU5
S1U2′〜5S3U2′、…、IGU5S1Uk′〜5S3Uk′がそ
れぞれサーチャ4U1、4U2、…、4Ukからのパス情報を
用いるものとなっている。IGU5S1U1′〜5S3Uk′自
体の構成としては、上記図4、図6又は図11等の構成
を利用することができるが、サーチャ4U1〜4Ukの構成
に応じたものを選定するようにする。例えば、サーチャ
4U1〜4Ukに図2の構成を採用する場合では、IGU5
S1U1′〜5S3Uk′に図6又は図11の構成を採用し、サ
ーチャ4U1〜4Ukに図3又は図5の構成を採用する場合
では、IGU5S1U1′〜5S3Uk′に図4の構成を採用す
る。
【0133】入力切換スイッチ8U1、8U2、…、8Uk
は、それぞれ、サーチャ4U1、4U2、…、4Ukへ供給す
る入力受信信号を選択的に切り換える切換手段であり、
サーチャ4U1、4U2、…、4Ukの前段に設けられてい
る。これらの入力切換スイッチ8U1〜8Ukに対しては、
無線信号処理部2からの受信信号と、それぞれの同じユ
ーザに対応する後段のステージ(第2ステージ以降)に
おけるIGUへの入力受信信号とが供給されるようにな
っており、入力切換スイッチ8U1〜8Ukは、それら受信
信号及び入力受信信号のうちのいずれかを選択してサー
チャ4U1〜4Ukへの入力受信信号として送出する。図示
の構成例では、入力切換スイッチ8U1〜8Ukが無線信号
処理部2からの受信信号と第3ステージにおけるIGU
への入力受信信号のいずれかをサーチャ4U1〜4Ukへの
入力受信信号として選択するようになっている。この入
力切換スイッチ8U1〜8Ukでの信号選択形態は、それぞ
れの時点でマルチパスについてのパス検出をするのに適
した入力受信信号を選ぶものとなっており、具体的には
次の動作説明で述べる通りである。
【0134】B.動作 以上のような構成において、各ユーザの移動局から送信
された無線信号がアンテナ1で受信されると、その受信
信号が無線信号処理部2を介して第1ステージのバッフ
ァ3S1、IGU5S1U1′〜5S1Uk′及び入力切換スイッ
チ8U1〜8Ukへ供給される。本マルチユーザ受信機を含
む通信システム全体の起動時等、本マルチユーザ受信機
が動作を開始した当初においては、入力切換スイッチ8
U1〜8Ukは、無線信号処理部2からの受信信号をそのま
まサーチャ4U1〜4Ukへの入力受信信号として送出す
る。
【0135】入力切換スイッチ8U1〜8Ukからの入力受
信信号を受けたサーチャ4U1〜4Ukでは、上記第1実施
形態で述べたサーチャ同様に逆拡散、遅延プロファイル
演算、閾値演算、ピーク判定等が行われ、そのサーチャ
構成に応じたパス情報(レイク合成用のパス情報のみ、
又は上記候補パス情報及びレプリカ用パス情報の双方)
が取得される。サーチャ4U1、4U2、…、4Ukで取得さ
れたパス情報は、それぞれ同じユーザに対応するIGU
5S1U1′〜5S3U1′、IGU5S1U2′〜5S3U2′、…、
IGU5S1Uk′〜5S3Uk′へ供給される。
【0136】サーチャ4U1〜4Ukからのパス情報を受け
たIGU5S1U1′〜5S1Uk′では、そのパス情報に従っ
て受信信号から干渉レプリカ信号が生成され、減算器6
S1及び加算器7S2U1〜7S2Ukに出力される。減算器6S1
では、それらの干渉レプリカ信号が元の受信信号から減
算され、減算後の残差信号が加算器7S2U1〜7S2Ukに出
力される。
【0137】減算器6S1からの残差信号を受けた加算器
7S2U1、7S2U2、…、7S2Ukでは、その残差信号がそれ
ぞれIGU5S1U1′、5S1U2′、…、5S1Uk′からの干
渉レプリカ信号に加算される。これにより、加算器7S2
U1〜7S2Ukからは、第1ステージで生成された他のユー
ザの干渉レプリカ信号(マルチアクセス干渉)を除去し
た入力受信信号がIGU5S2U1′〜5S2Uk′に出力され
る。IGU5S2U1′〜5S2Uk′では、その入力受信信号
を用い、サーチャ4U1〜4Ukから供給されたパス情報に
従って干渉レプリカ信号が生成され、減算器6S2及び加
算器7S3U1〜7S3Ukに出力される。減算器6S2では、そ
れらの干渉レプリカ信号が元の受信信号から減算され、
減算後の残差信号が加算器7S3U1〜7S3Ukに出力され
る。
【0138】減算器6S2からの残差信号を受けた加算器
7S3U1、7S3U2、…、7S3Ukでは、その残差信号がそれ
ぞれIGU5S2U1′、5S2U2′、…、5S2Uk′からの干
渉レプリカ信号に加算される。これにより、加算器7S3
U1〜7S3Ukからは、第2ステージで生成された他のユー
ザの干渉レプリカ信号を除去した入力受信信号がIGU
5S3U1′〜5S3Uk′に出力される。IGU5S3U1′〜5
S3Uk′では、その入力受信信号を用い、サーチャ4U1〜
4Ukから供給されたパス情報に従って逆拡散プロセス、
レイク合成及び仮判定処理が行われ、判定結果が第1〜
第kのユーザからの受信情報データとして出力される。
【0139】以後同様に各ユーザ毎に同一のパス情報に
基づく干渉レプリカ信号生成等が各ステージで行われ、
マルチアクセス干渉を除去した受信信号からの受信情報
データ取得が繰り返される。そして、各ステージが定常
的に動作して第3ステージからの受信情報データが所定
の状態で得られる定常状態に達すると、入力切換スイッ
チ8U1〜8Ukは、サーチャ4U1〜4Ukへ送出する入力受
信信号をIGU5S3U1′〜5S3Uk′への入力受信信号の
方に切り換える。
【0140】ここで、定常状態に達したか否かは、例え
ば、第3ステージから出力される受信情報データやIG
U5S3U1′〜5S3Uk′へ入力される入力受信信号等の状
態が予め定めた所望の状態となったか否かを監視するこ
とによって判断する。受信情報データの状態を監視する
場合にあっては、例えば、第3ステージのIGU5S3U
1′、5S3U2′、…、5S3Uk′から出力される各受信情
報データのBER(BitError Rate(ビット誤り率))
を測定する測定器を設け、それらの測定器によって各ユ
ーザ毎に受信情報データのBERを随時監視することに
する。そして、各測定器は、予め定めた所望のBERが
測定結果として得られるようになったとき(安定状態に
達したとき)に、その旨を各入力切換スイッチ(入力切
換スイッチ8U1〜8Ukのうち、各測定器がBERを監視
するユーザと同じユーザに対応する入力切換スイッチ)
に通報することとし、その通報を受けた入力切換スイッ
チがサーチャへ送出する入力受信信号を第3ステージか
らの入力受信信号に切り換えるようにする。
【0141】かかる入力切換スイッチ8U1〜8Ukでの切
換動作により、サーチャ4U1〜4Ukに対しては、第3ス
テージのIGU5S3U1′〜5S3Uk′で用いられるのと同
じ入力受信信号が供給されることになる。この入力受信
信号は、第1ステージ及び第2ステージと加算器7S3U
1′〜7S3Uk′での処理により、マルチアクセス干渉の
除去が二度なされた信号である。したがって、サーチャ
4U1〜4Ukにおいては、無線信号処理部2からの受信信
号を受けていた時よりも入力受信信号のSIRが高い状
態で(良好な信号状態で)マルチパスについてのパス検
出を行うことができ、正確なパス情報を取得することが
できる。
【0142】その正確なパス情報は、サーチャ4U1、4
U2、…、4UkからIGU5S1U1′〜5S3U1′、IGU5
S1U2′〜5S3U2′、…、IGU5S1Uk′〜5S3Uk′へそ
れぞれ供給される。これにより、各ステージのIGUに
おいては、以前供給されていたパス情報よりも正確なパ
ス情報に基づいて干渉レプリカ信号が生成されることに
なる。したがって、以後、より正確な干渉レプリカ信号
によってマルチアクセス干渉が受信信号から適切に除去
され、より正確な受信情報データが得られることにな
る。
【0143】このように、本実施形態によれば、初めは
受信時の受信信号からパス情報が取得されるが、その後
マルチアクセス干渉を除去した受信信号からパス情報が
取得される状態に移行し、より正確なパス情報による干
渉除去がなされることになる。そして、サーチャについ
てはユーザ毎に一つずつだけ設けることとし、かかるパ
ス情報の取得をサーチャへ供給する入力受信信号の切換
によって実現しているので、上記第1実施形態よりサー
チャの数が少なくて済む。したがって、上記第1実施形
態より簡易な構成で適切に干渉信号を除去することがで
き、容易にマルチユーザ受信機の性能向上を図ることが
できる。
【0144】C.変形例 (1)入力受信信号の選択 上記マルチユーザ受信機では、定常状態に達したときに
第3ステージのIGUへの入力受信信号をサーチャへ供
給することとしたが、第2ステージのIGUへの入力受
信信号をサーチャへ供給することとしてもよい。また、
入力切換スイッチ8U1〜8Ukに受信信号とすべてのステ
ージのIGUへの入力受信信号とを供給し、入力切換ス
イッチ8U1〜8Ukが受信状態等に応じてサーチャ4U1〜
4Ukへ送出する信号を適宜選択することにしてもよい。
例えば、無線信号処理部2からの受信信号を送出してい
る状態からまず第2ステージのIGUへの入力受信信号
を送出する状態に移行し、それから第3ステージのIG
Uへの入力受信信号を送出する状態に移行するなど、段
階的に後段のステージのIGUへの入力受信信号を供給
するようにしてもよい。
【0145】(2)サーチャの構成形態 上述したように、本実施形態では、上記第1実施形態に
おける図2、図3及び図5のいずれのサーチャを利用す
ることもできるが、サーチャ4U1〜4Ukにおいて各ステ
ージのIGUへ供給するパス情報を別々に生成し、各ス
テージで異なるマルチパスのレイク合成やレプリカ生成
が行われるようにしてもよい。例えば、サーチャ4U1〜
4Ukとして図3若しくは図5の構成によるものを利用す
る場合において、閾値演算部4e、ピーク判定部4f若
しくは4f′及びピーク判定部4g若しくは4g′に相
当する構成を各ステージ分設け、各ステージ毎に異なる
レイク用閾値ThRAKE及びレプリカ用閾値ThREPを設
定してそれぞれピーク判定を行うこととし、それによっ
て得られた各ステージ毎の候補パス情報及びレプリカ用
パス情報を各ステージのIGUへと供給するようにして
もよい。これにより、本実施形態においてもレイク合成
用マルチパス選択とレプリカ生成用パス設定の独立した
適応制御を各ステージで行うことができる。
【0146】(3)IGUの構成形態 本実施形態においてIGU5S1U1′〜5S3Uk′に図6の
構成によるものを利用した場合には、レプリカ用パス制
御部5iの機能によって各ステージ毎にレプリカ生成用
パスがそれぞれ選択される。したがって、サーチャ4U1
〜4Ukからのパス情報如何に拘わらず(サーチャの構成
に拘わらず)、レイク合成とは独立してレプリカ生成に
ついての制御がなされることになる。
【0147】<変形等の例>上記第1及び第2実施形態
については多種多様な変形が可能であり、上述した構成
ないし動作等の形態は一例に過ぎず、様々な形態による
応用や利用も可能である。受信対象のユーザ数やマルチ
ステージ干渉キャンセラのステージ数が任意であること
は言うまでもないが、他の変形や応用等としては例えば
以下のようなものが挙げられる。
【0148】・サーチャの変形ないし応用 上記実施形態では、サーチャでのパス検出における受信
レベル・ピークの判定閾値をSIRに基づいて定めるこ
ととしたが、他の規準によってパス検出をすることとし
てもよい。例えば、ピーク・レベルが大きい順にいくつ
かの拡散符号タイミングを選択することにより、受信強
度が上位のパスをいくつかレイク合成用パスないしレプ
リカ生成用パスとして用いることとしてもよい。
【0149】また、サーチャは、一定周期等の所定のタ
イミングでパス検出を繰り返すのが通例であるが、検出
されたマルチパスの安定度等に応じて適宜パス検出の周
期を制御したり、ハンドオーバー時等に適宜サーチ窓の
設定位置等を変更したりするものであってもよい。さら
に、受信信号を遅延させて判定後の受信情報データの信
号をパイロット信号同様に利用するようなものであって
もよいが、各ステージにサーチャを有する上記第1実施
形態の場合では、前のステージで得られた判定結果を後
のステージのサーチャへ供給することにより、後のステ
ージで受信情報データの信号をパイロット信号同様に利
用するようにしてもよい。なお、伝送レートが高い高速
チャネルか伝送レートが低い低速チャネルかでレイク検
波フィンガの数を変えるようにパス情報を供給するもの
でもよいが、その場合には、レイク検波フィンガの数だ
けでなくレプリカ生成フィンガの数も高速チャネルか低
速チャネルかに応じて適宜変更してもよい。
【0150】・通信システムへの利用 上記実施形態によるマルチステージ干渉キャンセラない
しマルチユーザ受信機は、上述したように正確な干渉除
去を行うことができるので、通信システムの容量増大に
資するものである。そして、特定標準の通信システムに
おける構成を前提としていないので、CDMA方式によ
る通信システム全般に利用することができる。したがっ
て、W−CDMAやcdma2000による通信方式だ
けでなく、その他の方式を使用したCDMA通信システ
ムにおいても利用することができる。
【0151】以上の実施形態による干渉キャンセラによ
れば、上述したように精確な干渉レプリカ信号を生成し
て適切な干渉除去を行うことができ、より安定した効果
的な干渉キャンセラ受信機(基地局等における受信装
置)を実現することができる。これにより、システム容
量やセルカバレッジの増大を図ることができ、移動局の
送信電力を低減することも可能になる。
【0152】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、各
ステージでパス検出を行うこととしたので、劣悪な信号
状態で検出された正確でないマルチパスの情報が後段の
ステージに影響を与えることはなく、SIR等の各ステ
ージで取り扱う信号の状態に応じて適切に干渉レプリカ
信号を生成することができ、より正確にマルチアクセス
干渉を低減することができる。
【0153】また、信号レプリカを生成するパスをレイ
ク合成用のパスとは独立して設定することにしたので、
各ステージにおいて事実上雑音となるような信号レプリ
カが生成されることが防止され、前のステージから後続
の処理に及ぶ悪影響を払拭して適切な処理によるマルチ
アクセス干渉の除去を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態によるマルチステー
ジ干渉キャンセラを利用したマルチユーザ受信機の基本
構成例を示した図である。
【図2】 在来のサーチャ・アルゴリズムを実行するサ
ーチャの構成例を示した図である。
【図3】 図1の基本構成例において採用可能な第1構
成形態に係るサーチャの構成を示した図である。
【図4】 図3のサーチャの構成に対応して採用可能な
IGUの構成を示した図である。
【図5】 図1の基本構成例において採用可能な第2構
成形態に係るサーチャの構成を示した図である。
【図6】 図1の基本構成例において採用可能な第3構
成形態に係るIGUの構成を示した図である。
【図7】 図1の基本構成例においてサーチ窓を変更す
る形態に係るマルチユーザ受信機の構成例を示した図で
ある。
【図8】 図7のマルチユーザ受信機におけるサーチ窓
変更の例を示した図である。
【図9】 本発明の第2の実施形態によるマルチステー
ジ干渉キャンセラを利用したマルチユーザ受信機の構成
例を示した図である。
【図10】 従来における一般的なマルチステージ干渉
キャンセラを利用したマルチユーザ受信機の構成例を示
した図である。
【図11】 従来におけるIGUの基本的な構成の例を
示した図である。
【符号の説明】
4S1U1〜4S3Uk、4S1U1′〜4S3Uk′、4U1〜4Uk サ
ーチャ 4e 閾値演算部 4f、4f′ ピーク判定部 4g、4g′ ピーク判定部 5S1U1〜5S3Uk、5S1U1′〜5S3Uk′ IGU 5FD1〜5FDn レイク検波フィンガ 5FG1〜5FGm レプリカ生成フィンガ 5i レプリカ用パス制御部 6S1、6S2 減算器 7S2U1〜7S3Uk 加算器 8U1〜8Uk 入力切換スイッチ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の送信局からの信号が含まれる受信
    信号を受け、各送信局からの信号に相当するレプリカ信
    号をそれぞれ生成し、生成したレプリカ信号を用いて当
    該各送信局以外の送信局からの信号による干渉の除去処
    理を行う干渉除去方法であって、 当該各送信局からの信号が経由した伝送路のパスについ
    てのパス情報を前記除去処理が少なくとも一度なされた
    信号から取得し、その取得したパス情報に基づいて前記
    レプリカ信号をそれぞれ生成する干渉除去方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の干渉除去方法において、 前記除去処理の開始時には、パス情報を前記受信信号か
    ら取得し、その取得したパス情報に基づいて前記レプリ
    カ信号をそれぞれ生成し、 前記開始時後の所定の時点以降で、パス情報を前記除去
    処理が少なくとも一度なされた信号から取得し、その取
    得したパス情報に基づいて前記レプリカ信号をそれぞれ
    生成することを特徴とする干渉除去方法。
  3. 【請求項3】 複数の送信局からの信号が含まれる受信
    信号を受け、複数のステージにおいて、各送信局からの
    信号が経由した伝送路のパスについてのパス情報に基づ
    いて当該各送信局からの信号に相当するレプリカ信号を
    それぞれ生成し、生成したレプリカ信号を用いて当該各
    送信局以外の送信局からの信号による干渉の除去処理を
    順次行う干渉除去方法であって、 第1番目のステージにおいては、パス情報を前記受信信
    号から取得し、その取得したパス情報に基づいて前記レ
    プリカ信号をそれぞれ生成し、 第2番目以降のステージにおいては、パス情報を前のス
    テージで前記除去処理がなされた信号から取得し、その
    取得したパス情報に基づいて前記レプリカ信号をそれぞ
    れ生成する、干渉除去方法。
  4. 【請求項4】 複数の送信局からの信号が含まれる受信
    信号を受け、複数のステージにおいて、各送信局からの
    信号に相当するレプリカ信号をそれぞれ生成し、生成し
    たレプリカ信号を用いて当該各送信局以外の送信局から
    の信号による干渉の除去処理を順次行う干渉除去装置で
    あって、 前記複数のステージについてそれぞれ設けられ、前記受
    信信号又は前のステージで前記除去処理がなされた信号
    に基づき、当該各送信局からの信号が経由した伝送路の
    パスについてのパス情報をそれぞれ検出する検出手段
    と、 前記複数のステージにそれぞれ設けられ、同一ステージ
    について設けられた前記検出手段により検出されたパス
    情報に基づいて前記レプリカ信号をそれぞれ生成する生
    成手段とを備えた干渉除去装置。
  5. 【請求項5】 複数の送信局からの信号が含まれる受信
    信号を受け、複数のステージにおいて、各送信局からの
    信号に相当するレプリカ信号をそれぞれ生成し、生成し
    たレプリカ信号を用いて当該各送信局以外の送信局から
    の信号による干渉の除去処理を順次行う干渉除去装置で
    あって、 供給された信号に基づいて当該各送信局からの信号が経
    由した伝送路のパスについてのパス情報を検出する検出
    手段と、 前記複数のステージにそれぞれ設けられ、前記検出手段
    により検出されたパス情報に基づいて前記レプリカ信号
    をそれぞれ生成する生成手段と、 前記検出手段に対し、前記受信信号又はいずれかのステ
    ージで前記除去処理がなされた信号を選択して供給する
    選択手段とを備えた干渉除去装置。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5記載の干渉除去装置にお
    いて、 前記生成手段は、前記受信信号又は前のステージで前記
    除去処理がなされた信号をレイク合成処理によって復調
    し、その復調した信号から前記レプリカ信号を生成する
    手段であり、 前記検出手段は、前記レイク合成処理のための第1のパ
    ス情報と前記レプリカ信号の生成のための第2のパス情
    報とをそれぞれ別個に検出し、前記生成手段へそれぞれ
    供給することを特徴とする干渉除去装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の干渉除去装置において、 前記検出手段は、第1、第2の閾値を設定し、当該第
    1、第2の閾値に基づいてそれぞれ前記第1、第2のパ
    ス情報を検出することを特徴とする干渉除去装置。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の干渉除去装置において、 前記検出手段は、第1、第2の閾値を設定し、前記第1
    の閾値に基づいて前記第1のパス情報を検出すると共
    に、検出した前記第1のパス情報のうちから前記第2の
    閾値に基づいて前記第2のパス情報を検出することを特
    徴とする干渉除去装置。
  9. 【請求項9】 請求項4又は5記載の干渉除去装置にお
    いて、 前記生成手段は、前記受信信号又は前のステージで前記
    除去処理がなされた信号をレイク合成処理によって復調
    し、その復調した信号から前記レプリカ信号を生成する
    手段であり、 前記検出手段は、前記レイク合成処理のためのパス情報
    を検出して前記生成手段へ供給し、 前記生成手段は、前記検出手段から供給されたパス情報
    に基づいて前記レイク合成処理を行うと共に、前記レイ
    ク合成処理におけるレイク合成用のパスの中からレプリ
    カ信号を生成するためのパスを決め、その決めたパスに
    基づいて前記レプリカ信号の生成を行うことを特徴とす
    る干渉除去装置。
  10. 【請求項10】 請求項4又は5記載の干渉除去装置に
    おいて、 前記検出手段は、前記受信信号又は前記除去処理がなさ
    れた信号と当該各送信局での信号の変調に用いられた拡
    散符号との相関値に基づいてパス情報を検出することを
    特徴とする干渉除去装置。
  11. 【請求項11】 請求項4ないし10のいずれかに記載
    の干渉除去装置において、 前記検出手段は、検出したパス情報中のパスを知らせる
    情報を後のステージについて設けられた前記検出手段に
    供給すると共に、前のステージについて設けられた前記
    検出手段から供給された前記情報に基づいてパス情報の
    検出をする信号の範囲を定めることを特徴とする干渉除
    去装置。
  12. 【請求項12】 請求項4ないし11のいずれかに記載
    の干渉除去装置によって干渉を除去した前記受信信号か
    ら当該各送信局が送信した情報を得る受信装置。
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