JP2003149839A - 有機感光体、有機感光体の製造方法、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

有機感光体、有機感光体の製造方法、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ

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JP2003149839A
JP2003149839A JP2001351410A JP2001351410A JP2003149839A JP 2003149839 A JP2003149839 A JP 2003149839A JP 2001351410 A JP2001351410 A JP 2001351410A JP 2001351410 A JP2001351410 A JP 2001351410A JP 2003149839 A JP2003149839 A JP 2003149839A
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JP2001351410A
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Akihiko Itami
明彦 伊丹
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、画像品質を向上させ且つ環境依存
性を低減できる高耐久の有機感光体、トナーのクリーニ
ング性能やクリーニングブレードの鳴きに対する安定性
の優れた有機感光体、更に該有機感光体の製造方法、該
有機感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置及びプ
ロセスカートリッジを提供することを目的とする。 【解決手段】 導電性支持体上に架橋構造を有するポリ
オルガノシロキサンからなる核部と該核部上にフッ素原
子を有する架橋構造を有するポリオルガノシロキサンを
形成した微粒子を含有する層を有することを特徴とする
有機感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機やプリンタ
ーの分野において用いられる有機感光体、有機感光体の
製造方法、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカ
ートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真感光体は有機光導電物質
を含有する有機感光体が最も広く用いられている。有機
感光体は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した
材料を開発しやすいこと、環境汚染のない材料を選択で
きること、製造コストが安いことなどが他の感光体に対
して有利な点であるが、機械的強度が弱く、多数枚の複
写やプリント時に感光体表面の劣化や傷が発生しやす
い。
【0003】前記のような要求される様々な特性を満た
すため、これまで種々のことが検討されてきた。
【0004】上記のような有機感光体の耐久性を向上す
るための課題としてクリーニングブレード等の擦過によ
る摩耗を抑制することが強く求められてきた。そのため
のアプローチとして、感光体の表面に微粒子を含有させ
て、ブレードとの摩擦力を低減させるなどの技術が検討
されてきた。例えば特開平5−181291号公報では
感光層にアルキルシルセスキオキサン樹脂微粒子を含有
させることが報告されている。しかし、アルキルシルセ
スキオキサン樹脂微粒子は吸湿性があり、高湿環境下で
は感光体の表面の濡れ性が大きくなり、解像度が低下す
るとともにブレードとの摩擦力が増加し、ブレード鳴き
が発生するといった問題がある。一方、特開昭63−5
6658号公報では感光層にフッ素樹脂粉体を含有させ
た感光層が報告されている。しかしながらフッ素樹脂粉
体では十分な表面強度が得られず、感光体表面の傷に起
因したスジ故障が発生し易いという問題があった。
【0005】この問題に対して検討を行った結果、粒子
の濡れ性を改善するには粒子表面にフッ素原子含有基の
導入が有効であり、且つブレード鳴きを抑制するには微
粒子自体の濡れ性の改善に加えて、粒子を感光層に均一
に分散することが重要であることを見出した。フッ素原
子含有基が導入されると、粒子表面の濡れ性が低下し、
特に画像ボケ等を引き起こす原因となっているNO2
どの求電子剤の吸着を抑制させ、問題となっていたカブ
リや画像ボケが抑制される。更に耐傷性を向上させるに
は粒子の強度と分散バインダーの選択の適正化が重要
で、特にバインダー樹脂の影響が大きいことが明らかと
なったが、従来の技術ではこれらの要求特性を全て満足
する感光層は見出せていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたものであり、画像品質を向上させ且つ環
境依存性を低減できる高耐久の有機感光体を提供するこ
と、更に、トナーのクリーニング性能やクリーニングブ
レードの鳴きに対する安定性の優れた有機感光体を提供
すること、更に高湿環境でも鮮明な画像を得ることが出
来る有機感光体を提供すること、該有機感光体の製造方
法、該有機感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置
及びプロセスカートリッジを提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は以下のよ
うな構成を取ることにより達成される。
【0008】1.導電性支持体上に架橋構造を有するポ
リオルガノシロキサンからなる核部と該核部上にフッ素
原子を有する架橋構造を有するポリオルガノシロキサン
を形成した微粒子を含有する層を有することを特徴とす
る有機感光体。
【0009】2.前記微粒子を含有する層がシロキサン
単位を有するポリカーボネートを含有することを特徴と
する前記1に記載の有機感光体。
【0010】3.前記ポリカーボネートがポリジアルキ
ルシロキサン単位を有するカーボネート構造の繰り返し
単位を有することを特徴とする前記2に記載の有機感光
体。
【0011】4.前記ポリカーボネートがポリジアルキ
ルシロキサン単位を有するカーボネート構造の繰り返し
単位とシロキサン単位を持たないカーボネート構造の繰
り返し単位との共重合体であることを特徴とする前記2
又は3に記載の有機感光体。
【0012】5.前記微粒子を含有する層が有機感光体
の表面層であることを特徴とする前記1〜4のいずれか
1項に記載の有機感光体。
【0013】6.導電性支持体上に感光層を有する有機
感光体の製造方法において、該感光層の表面層がアルキ
ルトリアルコキシシラン又はその部分加水分解縮合物を
アルカリ水溶液中で加水分解させて、架橋構造を有する
ポリオルガノシロキサンからなる核部を形成させた後、
該核部が分散する水性媒体中にフッ素原子を有するアル
キルトリアルコキシシランを加えて加水分解縮合を行
い、前記核部上にフッ素原子を含む架橋構造を有するポ
リオルガノシロキサンを形成した微粒子を作製し、その
結果得られた微粒子を用いて作製した分散液を塗布、乾
燥して形成されることを特徴とする有機感光体の製造方
法。
【0014】7.前記分散液がシロキサン単位を有する
ポリカーボネートを含有することを特徴とする前記6に
記載の有機感光体の製造方法。
【0015】8.前記1〜5のいずれか1項に記載の有
機感光体を用いて電子写真画像を形成することを特徴と
する画像形成方法。
【0016】9.前記8に記載の画像形成方法を用いて
電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成装
置。
【0017】10.少なくとも前記1〜5のいずれか1
項に記載の有機感光体と帯電器、像露光器、現像器、転
写器、クリーニング器の少なくとも1つを一体として有
しており、画像形成装置に出し入れ可能に構成されたこ
とを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0018】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明は上述の如く導電性支持体上に、特に有機感光体の
表面層として架橋構造を有するポリオルガノシロキサン
からなる核部と該核部上にフッ素原子を有する架橋構造
を有するポリオルガノシロキサンを形成した微粒子(以
後、単に本発明の微粒子とも云う)を含有する層を設け
ることにより、環境依存性を低減でき、トナーのクリー
ニング性やクリーニングブレードの鳴きを防止でき、且
つ耐摩耗性に優れた高耐久の有機感光体を提供すること
が出来る。
【0019】上記本発明の微粒子は3官能性又は4官能
性基を有する有機ケイ素化合物を用いて作製することが
出来る。即ち、3官能性又は4官能性基を有する有機ケ
イ素化合物、或いはそれらの縮合物をアルカリ水溶性媒
体中で加水分解させて架橋構造を有するポリオルガノシ
ロキサン微粒子からなる核部を形成し、その後、フッ素
原子を有する有機ケイ素化合物を加えて、加水分解縮合
を行い、前記核部上にフッ素原子を有する架橋構造を有
するポリオルガノシロキサンを形成し、本発明の微粒子
を作製する。前記核部上に形成されるフッ素原子を有す
る架橋構造を有するポリオルガノシロキサンは、該核部
全面を被覆することが好ましいが、部分的に被覆された
状態でも、それなりに本発明の効果が発現される。
【0020】上記有機ケイ素化合物としては下記一般式
(1)で表される化合物を用いることが好ましい。
【0021】一般式(1) (R)n−Si−(X)4-n (式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が
直接結合した形の有機基を表し、Xは加水分解性基を表
し、nは0又は1の整数を表す。) 一般式(1)で表される有機ケイ素化合物において、R
で示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基とし
ては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、
ヘキシル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニ
ル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ
−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキ
シプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メ
タ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3
−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、
ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプ
ロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−
β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ
基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプ
ロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチル
エチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換ア
ルキル基を挙げられる。また、Xの加水分解性基として
はメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、
アシルオキシ基が挙げられる。
【0022】また、一般式(1)で表される有機ケイ素
化合物は、単独でも良いし、2種以上組み合わせて使用
しても良い。
【0023】また、一般式(1)で表される有機ケイ素
化合物の具体的化合物で、複数のXは同一でも異なって
いても良い。又、一般式(1)で表される有機ケイ素化
合物を2種以上を用いるとき、R及びXはそれぞれの化
合物間で同一でも良く、異なっていても良い。
【0024】nが0の化合物例としては下記の化合物が
挙げられる。テトラクロロシラン、ジエトキシジクロロ
シラン、テトラメトキシシラン、フェノキシトリクロロ
シラン、テトラアセトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、テトラアリロキシシラン、テトラプロポキシシラ
ン、テトライソプロポキシシラン、テトラキス(2−メ
トキシエトキシ)シラン、テトラブトキシシラン、テト
ラフェノキシシラン、テトラキス(2−エチルブトキ
シ)シラン、テトラキス(2−エチルヘキシロキシ)シ
ラン等が挙げられる。
【0025】nが1の化合物例としては下記の化合物が
挙げられる。即ち、トリクロロシラン、メチルトリクロ
ロシラン、ビニルトリクロロシラン、エチルトリクロロ
シラン、アリルトリクロロシラン、n−プロピルトリク
ロロシラン、n−ブチルトリクロロシラン、クロロメチ
ルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メ
ルカプトメチルトリメトキシシラン、トリメトキシビニ
ルシラン、エチルトリメトキシシラン、3,3,4,
4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリク
ロロシラン、フェニルトリクロロシラン、3,3,3−
トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロ
プロピルトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、3
−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、2−アミノエチルアミノ
メチルトリメトキシシラン、ベンジルトリクロロシラ
ン、メチルトリアセトキシシラン、クロロメチルトリエ
トキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、フェニル
トリメトキシシラン、3−アリルチオプロピルトリメト
キシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−ブロモプロピルトリエトキシシラン、3−ア
リルアミノプロピルトリメトキシシラン、プロピルトリ
エトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、3−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、ビス(エチルメチルケト
オキシム)メトキシメチルシラン、ペンチルトリエトキ
シシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリ
エトキシシラン等が挙げられる。
【0026】又、上記一般式(1)の化合物と共に下記
一般式(2)の1又は2官能性の有機ケイ素化合物を併
用し、本発明の微粒子の硬さを調製することも出来る。
【0027】一般式(2) (R)n−Si−(X)4-n (式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が
直接結合した形の有機基を表し、Xは加水分解性基を表
し、nは2又は3の整数を表す。) nが2の化合物例としては下記の化合物が挙げられる。
【0028】ジメチルジクロロシラン、ジメトキシメチ
ルシラン、ジメトキシジメチルシラン、メチル−3,
3,3−トリフルオロプロピルジクロロシラン、ジエト
キシシラン、ジエトキシメチルシラン、ジメトキシメチ
ル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3−ク
ロロプロピルジメトキシメチルシラン、クロロメチルジ
エトキシシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジメトキ
シ−3−メルカプトプロピルメチルシラン、3,3,
4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルメ
チルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、
ジアセトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビ
ニルシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジクロ
ロシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラ
ン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキ
シメチルシラン、t−ブチルフェニルジクロロシラン、
3−メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、
3−(3−シアノプロピルチオプロピル)ジメトキシメ
チルシラン、3−(2−アセトキシエチルチオプロピ
ル)ジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチル−2−
ピペリジノエチルシラン、ジブトキシジメチルシラン、
3−ジメチルアミノプロピルジエトキシメチルシラン、
ジエトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシ−3−グ
リシドキシプロピルメチルシラン、3−(3−アセトキ
シプロピルチオ)プロピルジメトキシメチルシラン、ジ
メトキシメチル−3−ピペリジノプロピルシラン、ジエ
トキシメチルオクタデシルシラン等が挙げられる。
【0029】nが3の化合物例としては下記の化合物が
挙げられる。トリメチルクロロシラン、メトキシトリメ
チルシラン、エトキシトリメチルシラン、メトキシジメ
チル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3−
クロロプロピルメトキシジメチルシラン、メトキシ−3
−メルカプトプロピルメチルメチルシラン等が挙げられ
る。
【0030】一般式(1)の化合物と一般式(2)の化
合物を併用する場合、その組成比は一般式(1)の化合
物を多くした組成比が好ましい。
【0031】又、本発明の微粒子の外表面を被覆する際
に用いられるフッ素原子を有する有機ケイ素化合物とし
ては以下のような化合物が例示される。
【0032】即ち、フッ素原子を有する有機ケイ素化合
物としては、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノ
ナフルオロヘキシルトリクロロシラン、3,3,3−ト
リフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル−3,
3,3−トリフルオロプロピルジクロロシラン、ジメト
キシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラ
ン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオ
ロヘキシルメチルジクロロシラン等が挙げられる。
【0033】本発明の微粒子の数平均粒径は0.01〜
10μmが好もしく、より好ましくは0.1〜5μmで
ある。数平均粒径が0.01μm未満では粒子の大きさ
が小さすぎ本発明の微粒子を用いた効果(クリーニング
性、耐摩耗性等の効果)が得られにくく、又10μmよ
り大きいと、本発明の微粒子が有機感光体から剥離、脱
落して返って耐摩耗性を劣化させたり、カブリや画像欠
陥の原因となりやすい。
【0034】尚、本発明の微粒子の数平均粒径は透過型
電子顕微鏡観察によって2000倍に拡大し、ランダム
に100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析に
よってフェレ方向平均径としての測定値である。
【0035】本発明の微粒子を含有する層としては、有
機感光体の表面層を形成する電荷輸送層、或いは保護層
等に上記本発明の微粒子を含有させた層構成が好まし
い。以下、本発明の微粒子を電荷輸送層に用いた有機感
光体を中心に説明する。
【0036】本発明において、有機感光体とは電子写真
感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送
機能のいずれか一方の機能を有機化合物に持たせて構成
された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物
質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発
生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等
公知の有機電子写真感光体を全て含有する。
【0037】有機感光体の層構成は、特に限定はない
が、電荷発生層、電荷輸送層、或いは電荷発生・電荷輸
送層(電荷発生と電荷輸送の機能を同一層に有する層)
等の感光層とその上に必要により、保護層を塗設した構
成をとるのが好ましい。
【0038】導電性支持体 本発明の感光体に用いられる導電性支持体としてはシー
ト状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置
をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の
方が好ましい。
【0039】円筒状導電性支持体とは回転することによ
りエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持
体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm
以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真円
度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難に
なる。
【0040】導電性の材料としてはアルミニウム、ニッ
ケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸
化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又
は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用
することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗
103Ωcm以下が好ましい。
【0041】本発明で用いられる導電性支持体は、その
表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを
用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム
酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等
の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最
も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場
合、硫酸濃度は100〜200g/L、アルミニウムイ
オン濃度は1〜10g/L、液温は20℃前後、印加電
圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定される
ものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常2
0μm以下、特に10μm以下が好ましい。
【0042】中間層 本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤ
ー機能を備えた中間層を設けることもできる。
【0043】本発明においては導電性支持体と前記感光
層のとの接着性改良、或いは該支持体からの電荷注入を
防止するために、該支持体と前記感光層の間に中間層
(下引層も含む)を設けることもできる。該中間層の材
料としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビ
ニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの
2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これら下引
き樹脂の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく
できる樹脂としてはポリアミド樹脂が好ましい。又、こ
れら樹脂を用いた中間層の膜厚は0.01〜0.5μm
が好ましい。
【0044】又本発明に好ましく用いられる中間層はシ
ランカップリング剤、チタンカップリング剤等の有機金
属化合物を熱硬化させた硬化性金属樹脂を用いた中間層
が挙げられる。硬化性金属樹脂を用いた中間層の膜厚
は、0.1〜2μmが好ましい。
【0045】又、本発明に好ましく用いられる中間層と
しては疎水化表面処理を行った酸化チタン微粒子(平均
粒径が0.01〜1μm)をポリアミド樹脂等のバイン
ダーに分散させた中間層が挙げられる。
【0046】感光層 本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生
機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感
光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電
荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した
構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることに
より繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御で
き、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやす
い。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(C
GL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取るこ
とが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が
負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好まし
い感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体
構成である。
【0047】以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成
について説明する。 電荷発生層 電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。そ
の他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他
添加剤を含有しても良い。
【0048】電荷発生物質(CGM)としては公知の電
荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフ
タロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニ
ウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り
返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGM
は複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる立体、電位
構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を
有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙
げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θ
が27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシア
ニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイ
ミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣
化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができ
る。
【0049】電荷発生層にCGMの分散媒としてバイン
ダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用
いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマ
ール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコー
ン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられ
る。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バイン
ダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ま
しい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用
に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の
膜厚は0.01μm〜2μmが好ましい。
【0050】電荷輸送層 電荷輸送層が有機感光体の表面層となる場合は、電荷輸
送層に本発明の微粒子を含有させることが好ましい。
【0051】電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及
びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。
その他の物質としては、前記本発明の微粒子、酸化防止
剤等の添加剤を必要により含有させてることが好まし
い。
【0052】電荷輸送物質(CTM)としては公知の電
荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばト
リフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル
化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用
いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当な
バインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。これら
の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくで
きるCTMは高移動度で、且つ組み合わされるCGMと
のイオン化ポテンシャル差が0.5(eV)以下の特性
を有するものであり、好ましくは0.25(eV)以下
である。
【0053】CGM、CTMのイオン化ポテンシャルは
表面分析装置AC−1(理研計器社製)で測定される。
【0054】電荷輸送層(CTL)に用いられる樹脂と
しては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリ
ル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並
びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を
含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−
N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げら
れる。
【0055】これらCTLのバインダーとしては、前記
本発明の微粒子の分散性を良好にし、且つ膜形成がよい
バインダーが好ましいが、このようなバインダーとして
は、バインダーの樹脂構造中にシロキサン単位を有する
ポリカーボネートが好ましい。
【0056】このシロキサン単位を有するポリカーボネ
ートとしては、特開平5−88398号、特開平11−
65136号等に記載のポリカーボネートを用いること
が出来る。
【0057】即ち、上記シロキサン単位を有するポリカ
ーボネートとは、下記一般式(3)、一般式(4)で示
されるようにポリジアルキルシロキサン単位を有するカ
ーボネート構造の繰り返し単位を有することが好まし
い。
【0058】
【化1】
【0059】(式中、R5は炭素数2〜6のアルキレン
基又はアルキリデン基、R6及びR7は炭素数1〜3のア
ルキル基、フェニル基又は置換フェニル基、nは1〜2
00の整数を示す。)
【0060】
【化2】
【0061】(式中、Rは夫々同一であっても異なって
いてもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換または無置
換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、Bは(C
2xで、xは2〜6の整数、nは0〜200、mは1
〜50の範囲内とする) 又、本発明のシロキサン単位を有するポリカーボネート
は上記ポリジアルキルシロキサン単位を有するカーボネ
ート構造の繰り返し単位と下記一般式(5)で表される
シロキサン単位を持たないカーボネート構造の繰り返し
単位の共重合体であることが好ましい。
【0062】
【化3】
【0063】(式中、Aは炭素数1〜10の直鎖、分岐
鎖あるいは環状のアルキリデン基、アリール置換アルキ
リデン基、アリーレンジアルキリデン基、又は−O−,
−S−,−CO−,−SO−および−SO2−を示し、
1、R2、R3及びR4は水素、ハロゲン又は炭素数1〜
4のアルキル基、アルケニル基を示す。) 以下、シロキサン単位を有するポリカーボネートの具体
例を例示する。
【0064】
【化4】
【0065】
【化5】
【0066】
【化6】
【0067】
【化7】
【0068】上記シロキサン単位を有するポリカーボネ
ートの分子量は粘度平均分子量で、5,000〜20
0,000の範囲が好ましい。
【0069】本発明の微粒子を電荷輸送層に用いる場合
は、電荷輸送層中の成分割合はバインダー樹脂100質
量部に対し、電荷輸送物質10〜200質量部、本発明
の微粒子0.5〜100質量部が好ましい。該微粒子成
分がこの範囲より多くても又少なくても本発明の効果、
即ちクリーニング性の改良効果、膜強度の改良効果が低
下する。又、電荷輸送層の膜厚は10〜50μmが好ま
しい。又、本発明の電荷輸送層は2層以上の多層構成と
し、その最上層に保護層としての機能を持たせても良
い。
【0070】又、電荷輸送層には酸化防止剤を含有させ
ることが好ましい。該酸化防止剤とは、その代表的なも
のは有機感光体中ないしは有機感光体表面に存在する自
動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素
の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質であ
る。代表的には下記の化合物群が挙げられる。
【0071】
【化8】
【0072】
【化9】
【0073】
【化10】
【0074】
【化11】
【0075】中間層、感光層等の層形成に用いられる溶
媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルア
ミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、ト
リエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−
ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロ
メタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプ
ロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−
トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロ
エタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサ
ン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパ
ノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシ
ド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれら
に限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2
−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用
いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の
混合溶媒として用いることもできる。
【0076】次に本発明の電子写真感光体を製造するた
めの塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、
円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光
層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないた
め、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は
円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗
布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお本発明
の樹脂層は前記円形量規制型塗布加工方法を用いるのが
最も好ましい。前記円形量規制型塗布については例えば
特開昭58−189061号公報に詳細に記載されてい
る。
【0077】次に、本発明の画像形成装置について説明
する。図1は本発明の画像形成方法の1例としての画像
形成装置の断面図である。
【0078】図1に於いて50は像担持体である感光体
ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布し、
その上に本発明の樹脂層を塗設した感光体で、接地され
て時計方向に駆動回転される。52はスコロトロンの帯
電器(帯電手段)で、感光体ドラム50周面に対し一様
な帯電をコロナ放電によって与えられる。この帯電器5
2による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴
をなくすために発光ダイオード等を用いた帯電前露光部
51による露光を行って感光体周面の除電をしてもよ
い。
【0079】感光体への一様帯電の後、像露光手段とし
ての像露光器53により画像信号に基づいた像露光が行
われる。この図の像露光器53は図示しないレーザーダ
イオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー5
31、fθレンズ等を経て反射ミラー532により光路
を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、
静電潜像が形成される。
【0080】ここで本発明の反転現像プロセスとは帯電
器52により、感光体表面を一様に帯電し、像露光が行
われた領域、即ち感光体の露光部電位(露光部領域)を
現像工程(手段)により、顕像化する画像形成方法であ
る。一方未露光部電位は現像スリーブ541に印加され
る現像バイアス電位により現像されない。
【0081】その静電潜像は次いで現像手段としての現
像器54で現像される。感光体ドラム50周縁にはトナ
ーとキャリアとから成る現像剤を内蔵した現像器54が
設けられていて、マグネットを内蔵し現像剤を保持して
回転する現像スリーブ541によって現像が行われる。
現像器54内部は現像剤攪拌搬送部材544、543、
搬送量規制部材542等から構成されており、現像剤は
攪拌、搬送されて現像スリーブに供給されるが、その供
給量は該搬送量規制部材542により制御される。該現
像剤の搬送量は適用される有機電子写真感光体の線速及
び現像剤比重によっても異なるが、一般的には20〜2
00mg/cm2の範囲である。
【0082】現像剤は、例えば前述のフェライトをコア
としてそのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャ
リアと、前述のスチレンアクリル系樹脂を主材料として
カーボンブラック等の着色剤と荷電制御剤と本発明の低
分子量ポリオレフィンからなる着色粒子に、シリカ、酸
化チタン等を外添したトナーとからなるもので、現像剤
は搬送量規制部材によって層厚を規制されて現像域へと
搬送され、現像が行われる。この時通常は感光体ドラム
50と現像スリーブ541の間に直流バイアス、必要に
応じて交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。ま
た、現像剤は感光体に対して接触あるいは非接触の状態
で現像される。感光体の電位測定は電位センサー547
を図1のように現像位置上部に設けて行う。
【0083】記録紙Pは画像形成後、転写のタイミング
の整った時点で給紙ローラー57の回転作動により転写
域へと給紙される。
【0084】転写域においては転写のタイミングに同期
して感光体ドラム50の周面に転写電極(転写手段:転
写器)58が圧接され、給紙された記録紙Pを挟着して
転写される。
【0085】次いで記録紙Pは転写ローラーとほぼ同時
に圧接状態とされた分離電極(分離器)59によって除
電がなされ、感光体ドラム50の周面により分離して定
着装置60に搬送され、熱ローラー601と圧着ローラ
ー602の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排
紙ローラー61を介して装置外部に排出される。なお前
記の転写電極58及び分離電極59は記録紙Pの通過後
感光体ドラム50の周面より退避離間して次なるトナー
像の形成に備える。図1では転写電極58にコロトロン
の転写帯電極を用いている。転写電極の設定条件として
は、感光体のプロセススピード(周速)等により異なり
一概に規定することはできないが、例えば、転写電流と
しては+100〜+400μA、転写電圧としては+5
00〜+2000Vを設定値とすることができる。
【0086】一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム
50は、クリーニング器(クリーニング手段)62のブ
レード621の圧接により残留トナーを除去・清掃し、
再び帯電前露光部51による除電と帯電器52による帯
電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
【0087】尚、70は感光体、帯電器、転写器、分離
器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプ
ロセスカートリッジである。
【0088】本発明の有機電子写真感光体は電子写真複
写機、レーザープリンター、LEDプリンター及び液晶
シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応す
るが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記
録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く
適用することができる。
【0089】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の様態はこれに限定されない。なお、文中
「部」とは「質量部」を表す。
【0090】(微粒子Aの合成)還流冷却器及び攪拌機
を備えた反応容器に、水550gとアンモニア水50g
とを仕込み、攪拌しながら20℃の温度に保った。これ
に136gのメチルトリメトキシシランを滴下ロートを
通じて30分間で滴下し、更に1時間熟成を行い、ポリ
メチルシルセスキオキサン微粒子を得た。次いで攪拌し
ながらメタノールを留去し、90℃で3時間反応を行っ
た。得られた微粒子を捕集し、純水及びメタノールで洗
浄した。
【0091】次に得られた微粒子を2−プロパノール5
00mlと水50mlの混合溶媒に分散し、28.4g
のCF3(CF27(CH22Si(OCH33とメタ
ノール40gの混合物を室温下で30分間で滴下し、更
に1時間攪拌した。次いで微粒子を捕集し、メタノール
で洗浄後、80℃で24時間乾燥を行い、微粒子82.
6gを得た。得られた微粒子Aの数平均粒径は0.5μ
mであった。
【0092】(微粒子Bの合成)還流冷却器及び攪拌機
を備えた反応容器に、水550gとアンモニア水50g
とを仕込み、攪拌しながら20℃の温度に保った。これ
に136gのメチルトリメトキシシランを滴下ロートを
通じて30分間で滴下し、更に1時間熟成を行い、ポリ
メチルシルセスキオキサン微粒子を得た。次いで28.
4gのCF3(CF27(CH22Si(OCH33
メタノール40gの混合物を室温下で30分間で滴下
し、更に1時間攪拌した。次いで加熱を行いながら内温
が90℃になるまでエステルアダプターを通じてメタノ
ールを留去し、更に90℃で3時間熟成反応を行った。
得られた微粒子を捕集し、水、メタノール、アセトンで
洗浄後、風乾して微粒子87.7gを得た。得られた微
粒子Bの数平均粒径は0.8μmであった。
【0093】感光体1の作製 下記の様に感光体1を作製した。
【0094】 〈下引き層〉 チタンキレート化合物(TC−750 松本製薬製) 30部 シランカップリング剤(KBM−503 信越化学社製) 17部 2−プロパノール 150部 上記塗布液を用いてφ100mmの円筒形の導電性支持
体上に、乾燥膜厚0.5μmとなるよう塗布した。
【0095】 〈電荷発生層〉 Y型チタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、ブ ラッグ角2θ(±0.2)の27.2度に最大ピークを有するチタニルフタロシ アニン) 60部 シリコーン変性ブチラール樹脂(X−40−1211M:信越化学社製) 700部 2−ブタノン 2000部 を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発
生層塗布液を調製した。この塗布液を前記下引き層の上
に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を
形成した。
【0096】 〈電荷輸送層〉 前記合成例の微粒子A 30部 電荷輸送剤(4−メトキシ−4′−(4−メチル−α−フェニルスチリル) トリフェニルアミン) 225部 ポリカーボネート(下記構造のポリカーボネートZ300:粘度平均分子量3 ×104:三菱ガス化学社製) 300部 酸化防止剤(Irganox1010:日本チバガイギー社製) 6部 ジクロロメタン 2000部 シリコンオイル(KF−54:信越化学社製) 1部 を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この
塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で乾燥膜厚2
0μmの電荷輸送層を形成した。次いで100℃1時間
の乾燥を行い感光体1を作製した。
【0097】
【化12】
【0098】感光体2の作製 感光体1において電荷輸送層に用いた微粒子Aの代わり
に微粒子Bを用いた他は感光体1と同様にして感光体2
を作製した。
【0099】感光体3の作製 感光体1において電荷輸送層に用いたバインダーのポリ
カーボネートの代わりに例示ポリカーボネート(Po−
2:粘度平均分子量2×104)を用いた他は感光体1
と同様にして感光体3を作製した。
【0100】感光体4の作製 感光体2において電荷輸送層に用いたバインダーのポリ
カーボネートの代わりに例示ポリカーボネート(Po−
13:粘度平均分子量3.5×104)を用いた他は感
光体2と同様にして感光体4を作製した。
【0101】感光体5の作製 感光体2において電荷輸送層に用いたバインダーのポリ
カーボネートの代わりに例示ポリカーボネート(Po−
12:粘度平均分子量3.15×104)を用いた他は
感光体2と同様にして感光体5を作製した。
【0102】感光体6の作製(比較例用感光体) 感光体1において電荷輸送層に用いた本発明の微粒子A
を用いない他は感光体1と同様にして感光体6を作製し
た。
【0103】評価 評価機としてコニカ社製デジタル複写機Konica7
075(コロナ帯電、レーザ露光、反転現像、静電転
写、爪分離、ブレードクリーニング、クリーニング補助
ブラシローラー採用プロセスを有する)を用い、該複写
機に感光体1〜6を搭載し評価した。クリーニング性及
び画像評価は、画素率が7%の文字画像、人物顔写真、
ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にあるオ
リジナル画像をA4中性紙に複写して行った。複写条件
は最も厳しいと思われる高温高湿環境(30℃、80%
RH)にて連続20万コピー行いハーフトーン、ベタ白
画像、ベタ黒画像を評価した。評価項目及び評価基準を
下記に示す。
【0104】評価項目及び評価基準 画像濃度(マクベス社製RD−918を使用して測定。
紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定した。
初期と20万コピー後の両方で評価) ◎:初期と20万コピー後の両方共1.2以上:良好 ○:初期と20万コピー後の両方共1.0以上:実用上
問題ないレベル ×:初期と20万コピー後の少なくとも一方が1.0未
満:実用上問題となるレベル カブリ:ベタ白画像濃度で判定 マクベス反射濃度計「RD−918」を用いて、印字さ
れていないコピー用紙(白紙)の濃度を20カ所、絶対
画像濃度で測定し、その平均値を白紙濃度とする。次
に、画像形成がなされた評価用紙の白地部分を同様に2
0カ所、絶対画像濃度で測定し、その平均濃度から前記
白紙濃度を引いた値をカブリ濃度として評価した。
【0105】 ◎:初期と20万コピー後の両方共0.005以下(良
好) ○:初期と20万コピー後の両方共0.01以下(実用
上問題ないレベル) ×:初期と20万コピー後の少なくとも一方が0.01
より大(明らかに、実用上問題あり) 解像度(文字画像の判別容易性で判定) ○:初期と20万コピー後の解像度に差がない △:ハーフトーン画像で20万コピー後の解像度に軽微
な低下有り ×:20万コピー後の解像度に顕著な低下有り クリーニング性(10万及び20万コピー終了後にA3
紙に連続10枚複写を行い、ベタ白部でのクリーニング
不良の発生の有無で判定) ◎:20万枚までトナーのすり抜け発生なし ○:10万枚までトナーのすり抜け発生なし ×:10万枚未満でトナーのすり抜け発生 ブレード鳴き ◎:20万枚まで発生なし ○:ドラム停止時に軽微なブレード鳴き発生 ×:ブレード鳴き発生 クリーニングブレードの起動トルク測定 20万コピー後のドラムカートリッジを用い、複写機本
体のドラム軸に連結したトルクゲージ(MODEL 6
BTG:TOHNICHI社製)を回転させて起動トル
クを測定した。測定は5回行い、平均値を採用した。
【0106】感光体膜厚減耗量 減耗量は実写評価開始時と20万コピー終了時に測定し
た感光層の平均膜厚の差分を求め、膜厚減耗量とした。
【0107】膜厚測定法 感光層の膜厚は均一膜厚部分をランダムに10ケ所測定
し、その平均値を感光層の膜厚とする。膜厚測定器は渦
電流方式の膜厚測定器EDDY560C(HELMUT
FISCHER GMBTE CO社製)を用いて行
い、実写試験前後の感光層膜厚の差を膜厚減耗量とす
る。
【0108】その他評価条件 尚、上記7075を用いたその他の評価条件は下記の条
件に設定した。
【0109】帯電条件 帯電器;スコロトロン帯電器、初期帯電電位を−750
V 露光条件 露光部電位を−50Vにする露光量に設定。
【0110】現像条件 DCバイアス;−550V 現像剤は、フェライトをコアとして絶縁性樹脂をコーテ
ィングしたキャリアとスチレンアクリル系樹脂を主材料
としてカーボンブラック等の着色剤と荷電制御剤と本発
明の低分子量ポリオレフィンからなる着色粒子に、シリ
カ、酸化チタン等を外添したトナーの現像剤を使用 転写条件 転写極;コロナ帯電方式 クリーニング条件 クリーニング部に硬度70°、反発弾性65%、厚さ2
(mm)、自由長9mmのクリーニングブレードをカウ
ンター方向に線圧18(N/m)となるように重り荷重
方式で当接した。
【0111】評価結果を表1に示した。
【0112】
【表1】
【0113】表1から明らかなように本発明の微粒子を
表面層でもある電荷輸送層に用いた感光体1〜5は該微
粒子を含まない感光体6に比し、クリーニングブレード
との起動トルク値が小さく、表面エネルギーが小さくな
っているものと思われ、クリーニング性、ブレード鳴き
が改良され、且つ膜厚減耗量も小さく、高耐久化されて
いる。特に電荷輸送層或いは保護層のバインダーがシロ
キサン単位を有するポリカーボネートを用いた感光体
3、4、5はこれらの改良効果が顕著である。
【0114】
【発明の効果】実施例からも明らかなように、本発明の
構成を用いることにより、クリーニング性やブレード鳴
きが改良され、高耐久の有機感光体を提供することがで
きる。又、該有機感光体を用いた良好な電子写真画像を
達成できる画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカ
ートリッジを提供する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法の1例としての画像形成
装置の断面図。
【符号の説明】
50 感光体ドラム(又は感光体) 51 帯電前露光部 52 帯電器 53 像露光器 54 現像器 541 現像スリーブ 543,544 現像剤攪拌搬送部材 547 電位センサー 57 給紙ローラー 58 転写電極 59 分離電極(分離器) 60 定着装置 61 排紙ローラー 62 クリーニング器 70 プロセスカートリッジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 5/147 504 G03G 5/147 504

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に架橋構造を有するポリ
    オルガノシロキサンからなる核部と該核部上にフッ素原
    子を有する架橋構造を有するポリオルガノシロキサンを
    形成した微粒子を含有する層を有することを特徴とする
    有機感光体。
  2. 【請求項2】 前記微粒子を含有する層がシロキサン単
    位を有するポリカーボネートを含有することを特徴とす
    る請求項1に記載の有機感光体。
  3. 【請求項3】 前記ポリカーボネートがポリジアルキル
    シロキサン単位を有するカーボネート構造の繰り返し単
    位を有することを特徴とする請求項2に記載の有機感光
    体。
  4. 【請求項4】 前記ポリカーボネートがポリジアルキル
    シロキサン単位を有するカーボネート構造の繰り返し単
    位とシロキサン単位を持たないカーボネート構造の繰り
    返し単位との共重合体であることを特徴とする請求項2
    又は3に記載の有機感光体。
  5. 【請求項5】 前記微粒子を含有する層が有機感光体の
    表面層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    1項に記載の有機感光体。
  6. 【請求項6】 導電性支持体上に感光層を有する有機感
    光体の製造方法において、該感光層の表面層がアルキル
    トリアルコキシシラン又はその部分加水分解縮合物をア
    ルカリ水溶液中で加水分解させて、架橋構造を有するポ
    リオルガノシロキサンからなる核部を形成させた後、該
    核部が分散する水性媒体中にフッ素原子を有するアルキ
    ルトリアルコキシシランを加えて加水分解縮合を行い、
    前記核部上にフッ素原子を含む架橋構造を有するポリオ
    ルガノシロキサンを形成した微粒子を作製し、その結果
    得られた微粒子を用いて作製した分散液を塗布、乾燥し
    て形成されることを特徴とする有機感光体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記分散液がシロキサン単位を有するポ
    リカーボネートを含有することを特徴とする請求項6に
    記載の有機感光体の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の有
    機感光体を用いて電子写真画像を形成することを特徴と
    する画像形成方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の画像形成方法を用いて
    電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成装
    置。
  10. 【請求項10】 少なくとも請求項1〜5のいずれか1
    項に記載の有機感光体と帯電器、像露光器、現像器、転
    写器、クリーニング器の少なくとも1つを一体として有
    しており、画像形成装置に出し入れ可能に構成されたこ
    とを特徴とするプロセスカートリッジ。
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