JP2003005413A - 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

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JP2003005413A
JP2003005413A JP2001194446A JP2001194446A JP2003005413A JP 2003005413 A JP2003005413 A JP 2003005413A JP 2001194446 A JP2001194446 A JP 2001194446A JP 2001194446 A JP2001194446 A JP 2001194446A JP 2003005413 A JP2003005413 A JP 2003005413A
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友子 ▲崎▼村
Tomoko Sakimura
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はクリーニングブレード等との擦過に
対する耐摩耗特性、及び繰り返し使用時の電子写真特性
(帯電、感度、残留電位特性等)が改善された高耐久の
電子写真感光体を提供すること、該電子写真感光体の製
造方法、画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカ
ートリッジを提供することにある。 【解決手段】 導電性支持体上に樹脂層を設けてなる電
子写真感光体において、該樹脂層が、ポリカーボネート
成分、シロキサン縮合体成分及び電荷輸送構造成分を有
し、該シロキサン縮合体成分が少なくともエポキシ基又
はその開環基を有する有機ケイ素化合物を用いて形成さ
れた樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機やプリンタ
ーの分野において用いられる電子写真感光体、電子写真
感光体の製造方法及び該電子写真感光体を用いた画像形
成方法、画像形成装置、プロセスカートリッジに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真感光体(以下単に、感光
体とも云う)は有機光導電物質を含有する有機電子写真
感光体(以後、有機感光体とも云う)が最も広く用いら
れている。有機感光体は可視光から赤外光まで各種露光
光源に対応した材料を開発しやすいこと、環境汚染のな
い材料を選択できること、製造コストが安いことなどが
他の感光体に対して有利な点であるが、欠点としては機
械的強度が弱く、多数枚の複写やプリント時に感光体表
面の劣化や傷が発生しやすいことである。
【0003】前記のような要求される様々な特性を満た
すため、これまで種々のことが検討されてきた。
【0004】上記のような有機感光体の耐久性を向上す
るための課題としてクリーニングブレード等の擦過によ
る摩耗を抑制することが強く求められてきた。そのため
のアプローチとして、感光体の表面に高強度の保護層を
設置するなどの技術が検討されてきた。例えば特開平6
−118681号公報では感光体の表面層として、コロ
イダルシリカ含有硬化性シロキサン樹脂を用いることが
報告されている。しかし、シロキサン結合(Si−O−
Si結合)が三次元的に繰り返されてなるシリカのみか
らなる保護層では、表面にクラック(亀裂)が発生した
り、感光層との接着性が悪化したり、感光層の静電特性
が低下して問題となっていた。
【0005】又、耐摩耗性と感光層との接着性を改善す
る試みとして有機ポリマーと架橋されたシロキサン成分
の両特性を併せ持つ、有機−無機のハイブリッドポリマ
ーが提案されている。例えば特開2000−22172
3号公報には電子写真感光体の保護層としてポリシロキ
サンとシリル基含有ビニル系樹脂とが化学的に結合した
重合体を含有する保護層が報告されている。又、特開2
000−221721号公報には電子写真感光体として
側鎖にシリル基を有するポリカーボネート又はポリアリ
レートを縮合させた表面層を有する電子写真感光体が報
告されている。
【0006】しかしながら、このような保護層を有する
感光体は機械的な耐摩耗特性は改善されるが、繰り返し
使用時の電子写真特性が不十分であり、カブリや画像ボ
ケが発生しやすく、このような保護層を有する感光体は
カールソンプロセス等の最も広く使用されている電子写
真方式の感光体としては不適であった。
【0007】そこで、機械的な耐摩耗性と繰り返し使用
時の電子写真特性を同時に満足する電子写真感光体の保
護層として、本研究者等は電荷輸送性能付与基を有し、
且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂層を感光体の保
護層として提案してきた(特願平11−70308
号)。この保護層を有する感光体は従来の重要な課題で
あった耐摩擦特性、及び繰り返し使用時の電子写真特性
(帯電、感度、残留電位特性等)が改善され、高耐久の
有機電子写真感光体として十分に実用性を有している。
しかしながら、この保護層も又、シロキサン系樹脂特有
の高次に架橋された樹脂が生成するため、弾性的挙動の
強い保護層となり、ブレードクリーニングを用いたクリ
ーニング装置を用いると、感光体とクリーニングブレー
ド間のトルクが上昇し、トナーのクリーニング性能やク
リーニングブレードのめくれに対する安定性が低下する
といった問題がしばしば発生しやすい。更に高湿環境で
は画像の解像度が従来の有機感光体に比べて著しく低下
する問題も明らかとなった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたものであり、クリーニングブレード等と
の擦過に対する耐摩耗特性、及び繰り返し使用時の電子
写真特性(帯電、感度、残留電位特性等)が改善された
高耐久の電子写真感光体を提供すること、更に、トナー
のクリーニング性能やクリーニングブレードのめくれに
対する安定性の優れた保護層を有する感光体を提供する
こと、更に高湿環境でも鮮明な画像を得ることが出来る
保護層を有する感光体を提供することを目的とすること
であり、該電子写真感光体の製造方法、該電子写真感光
体を用いた画像形成方法、画像形成装置、及びプロセス
カートリッジを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の目的は以
下の構成により達成される。
【0010】1.導電性支持体上に樹脂層を設けてなる
電子写真感光体において、該樹脂層が、ポリカーボネー
ト成分、シロキサン縮合体成分及び電荷輸送構造成分を
有し、該シロキサン縮合体成分が少なくともエポキシ基
又はその開環基を有する有機ケイ素化合物を用いて形成
された樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光
体。
【0011】2.前記樹脂のポリカーボネート成分とシ
ロキサン縮合体成分の質量比が1:0.1〜10である
ことを特徴とする前記1に記載の電子写真感光体。
【0012】3.前記シロキサン縮合体成分はエポキシ
基又はその開環基を有する有機ケイ素化合物とその他の
有機ケイ素化合物を用いて形成され、且つ両者の質量比
が1:0.01〜100であることを特徴とする前記1
又は2に記載の電子写真感光体。
【0013】4.前記ポリカーボネート成分とシロキサ
ン縮合体成分の総質量に対する電荷輸送性構造成分の質
量比が1:0.01〜10であることを特徴とする前記
1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
【0014】5.前記ポリカーボネート成分の主鎖末端
でシロキサン縮合体成分が結合していることを特徴とす
る前記1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
【0015】6.前記樹脂層全体が架橋構造を形成して
いることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載
の電子写真感光体。
【0016】7.前記樹脂層が、酸化防止剤を含有する
ことを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の電
子写真感光体。
【0017】8.前記樹脂層が、金属キレート化合物を
含有することを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に
記載の電子写真感光体。
【0018】9.前記金属キレート化合物の含有量が樹
脂層の全固形分質量に対して0.01〜20質量%であ
ることを特徴とする前記8に記載の電子写真感光体。
【0019】10.前記金属キレート化合物がアルミニ
ウムキレートであることを特徴とする前記8又は9に記
載の電子写真感光体。
【0020】11.前記金属キレート化合物がチタンキ
レートであることを特徴とする前記8又は9に記載の電
子写真感光体。
【0021】12.前記樹脂層が表面層であることを特
徴とする前記1〜11のいずれか1項に記載の電子写真
感光体。
【0022】13.導電性支持体上に樹脂層を有する電
子写真感光体の製造方法において、該樹脂層はアルコキ
シシリル基を有するポリカーボネートと少なくともエポ
キシ基又はその開環基を有する有機ケイ素化合物及び反
応性電荷輸送性化合物を含有する塗布液を塗布した後、
硬化することにより形成されることを特徴とする電子写
真感光体の製造方法。
【0023】14.前記ポリカーボネートの数平均分子
量が1,000〜20,000であることを特徴とする
前記13に記載の電子写真感光体の製造方法。
【0024】15.前記数平均分子量が2,000〜1
0,000であることを特徴とする前記14に記載の電
子写真感光体の製造方法。
【0025】16.導電性支持体上に樹脂層を有する電
子写真感光体の製造方法において、該樹脂層は少なくと
もエポキシ基又はその開環基を有する有機ケイ素化合物
を用いて形成されたシロキサン縮合物を有するポリカー
ボネートと反応性電荷輸送性化合物を含有する塗布液を
塗布した後、硬化することにより形成されることを特徴
とする電子写真感光体の製造方法。
【0026】17.前記塗布液には更に有機ケイ素化合
物が含有されることを特徴とする前記16に記載の電子
写真感光体の製造方法。
【0027】18.前記反応性電荷輸送性化合物が反応
性基として水酸基を有することを特徴とする前記13〜
17のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方
法。
【0028】19.前記反応性電荷輸送性化合物が反応
性基としてシリル基を有することを特徴とする前記13
〜18のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方
法。
【0029】20.前記反応性電荷輸送性化合物が分子
内に反応性基を複数個有することを特徴とする前記13
〜19のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方
法。
【0030】21.前記反応性電荷輸送性化合物の分子
量が100〜700であることを特徴とする前記13〜
20のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方
法。
【0031】22.前記反応性電荷輸送性化合物の分子
量が100〜450であることを特徴とする前記21に
記載の電子写真感光体の製造方法。
【0032】23.前記塗布液が、金属キレート化合物
を含有することを特徴とする前記13〜22のいずれか
1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
【0033】24.前記金属キレート化合物の含有量が
塗布液の全固形分質量に対して0.01〜20質量%で
あることを特徴とする前記23に記載の電子写真感光体
の製造方法。
【0034】25.前記金属キレート化合物がアルミニ
ウムキレートであることを特徴とする前記23又は24
に記載の電子写真感光体の製造方法。
【0035】26.前記金属キレート化合物がチタンキ
レートであることを特徴とする前記23又は24に記載
の電子写真感光体の製造方法。
【0036】27.前記1〜12のいずれか1項に記載
の電子写真感光体を用いて、少なくとも帯電工程、像露
光工程、現像工程、ブレードクリーニング工程の各工程
を経て画像形成することを特徴とする画像形成方法。
【0037】28.前記27に記載の画像形成方法を用
いることを特徴とする画像形成装置。
【0038】29.前記1〜12のいずれか1項に記載
の電子写真感光体と、帯電器、像露光器、現像器、クリ
ーニング器のいずれか1つと一体に組み合わされてお
り、該画像形成装置に出し入れ可能に構成されているこ
とを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0039】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の樹脂層はポリカーボネート成分、シロキサン縮合
体成分及び電荷輸送構造成分を有する樹脂を含有する。
【0040】前記樹脂を構成するポリカーボネートとは
カーボネート構造(−OCOO−)を有する重合体であ
る。
【0041】更に本発明では下記一般式(B)で示され
るポリカーボネートが好ましい。
【0042】
【化1】
【0043】式中、R1,R2は各々独立にハロゲン原
子、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル
基、ビニル基、アリル基、炭素数6〜12の置換もしく
は無置換のアリール基、炭素数5から7の置換もしくは
無置換のシクロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ
基、または炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリ
ールオキシ基であり、aおよびbは各々独立に0から4
の整数であり、Yは単結合、−O−、−CO−、−S
−、−SO−、−SO2−、−CR34−、炭素数5〜
11の置換もしくは無置換のシクロアルキリデン基、炭
素数2〜12の置換、もしくは無置換のアルキレン基、
9,9’−フルオレニリデン基、1,8−メンタンジイ
ル基、2,8−メンタンジイル基、置換もしくは無置換
のピラジリデン基、または炭素数6〜12の置換もしく
は無置換のアリーレン基であり、ただしR3およびR4
々独立に水素原子、炭素数1〜10の置換もしくは無置
換のアルキル基、または炭素数6〜12の置換もしくは
無置換のアリール基である。
【0044】一般式(B)の具体的なポリカーボネート
としては下記に示すような構造式のポリカーボネートが
挙げられるが本発明ではこの具体例に限定されない。
【0045】
【化2】
【0046】
【化3】
【0047】次にポリカーボネート成分とシロキサン縮
合体成分を有する樹脂の形成について記載する。
【0048】ポリカーボネート成分とシロキサン縮合体
成分を有する樹脂は、例えば、下記一般式(A)のシリ
ル基を有するポリカーボネートに該シリル基を介して有
機ケイ素化合物等を反応させ、シロキサン縮合体を形成
することにより得られる。
【0049】
【化4】
【0050】(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル
基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のア
ラルキル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基
であり、複数個の場合はそれらは同一であっても異なっ
ていてもよい。Xは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキ
シ基、アルコキシ基、フェノキシ基、アルキルチオ基、
アシロキシ基、アミノ基、アミド基、またはアルケニル
オキシ基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基で
あり、複数個の場合はそれらは同一であっても異なって
いてもよい。aは0〜2の整数である。) ポリカーボネート成分とシロキサン縮合体成分を有する
樹脂の形成に際して、原料としてのシリル基を有するポ
リカーボネートの分子量は1,000〜20,000が
好ましく、2,000〜10,000が最も好ましい。
上記分子量が1,000未満の場合はこれらの反応によ
り形成される樹脂層の耐摩耗特性等の膜物性が不十分に
成りやすく、20,000より大きい場合は樹脂層の平
滑性が十分に達成されにくい。
【0051】ここで、本発明の反応とは縮合反応、重縮
合反応、架橋反応等の化学反応を意味し、その結果共有
結合、イオン結合、水素結合等の化学結合を形成する反
応を意味する。
【0052】前記シリル基はポリカーボネートの側鎖又
は主鎖末端に導入されればよいが、好ましくはポリカー
ボネートの主鎖末端(直鎖状のポリカーボネートの片側
末端、両側末端のいずれか)に反応官能基として存在す
るのが好ましい。即ち、後記するようにポリカーボネー
ト成分の主鎖末端にシロキサン縮合体成分を形成するこ
とにより、ポリカーボネート成分とシロキサン縮合耐性
分の膜物性に対する特性をそれぞれ、独立に制御しやす
い。以下、ポリカーボネート末端にシリル基を導入する
方法について記載するが、これらの方法は特開平11−
209596等に詳しく記載されている。
【0053】ポリカーボネートの主鎖末端にシリル基を
導入するにはこれらポリカーボネート主鎖末端に存在す
る、或いは主鎖末端に導入した官能基とアルコキシシラ
ン化合物とを反応させて得られる。この官能基として
は、アルコキシシラン化合物或いはその加水分解生成物
と反応し得るものであれば特に限定されない。
【0054】アルコキシシラン化合物と反応する官能基
としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、チオー
ル基、アルケニル基、アルキニル基、酸ハロゲン基、酸
エステル基、ホルミル基、ハロゲン基、エポキシ基、及
びイソシアネート基等が例示できる。好ましいものは、
水酸基、アミノ基、カルボキシル基のような活性水素を
有する官能基又はアルケニル基、アルキニル基である。
【0055】次に、ポリカーボネートとアルコキシシラ
ン化合物との反応の具体例を以下に説明する。
【0056】水酸基、アミノ基、カルボキシル基、チオ
ール基等の活性水素を有する官能基を持つポリカーボネ
ートと、イソシアネート基、エポキシ基、カルボキシル
基、酸ハロゲン化物基、酸無水物基等の官能基を有する
アルコキシシラン化合物とを溶剤中で、好ましくは不活
性ガス雰囲気下で反応させる。用いる溶剤はポリカーボ
ネートとアルコキシシラン化合物を共によく溶解させる
ものであればよい。
【0057】又、上記反応に用いられるアルコキシシラ
ン化合物としては、下記のようなアルコキシシラン化合
物が挙げられる。
【0058】RlmSi(R’X)n 式中、Rは炭素数1〜12、好ましくは1〜5のアルキ
ル基、Aは炭素数1〜8、好ましくは1〜4のアルコキ
シ基、R'は炭素数1〜4、好ましくは2〜4のアルキ
レン基又はアルキリデン基、Xはイソシアネート基、エ
ポキシ基、カルボキシル基、酸ハロゲン基、及び酸無水
物基からなる群から選択される官能基、そしてlは0〜
3の整数であり、m及びnは独立して1〜3の整数であ
る。
【0059】このようなアルコキシシラン化合物を具体
的に例示すれば、3−イソシアネートプロピルトリエト
キシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシ
シラン、2−イソシアネートエチルトリエトキシシラン
等のモノイソシアネートトリアルコキシシラン化合物;
3−イソシアネートプロピルエチルジエトキシシラン等
のモノイソシアネートジアルコキシシラン化合物;3−
イソシアネートプロピルジエチルエトキシシラン等のモ
ノイソシアネートモノアルコキシシラン化合物;ジ(3
−イソシアネートプロピル)ジエトキシシラン等のジイ
ソシアネートアルコキシシラン化合物;エトキシシラン
トリイソシアネート等のトリイソシアネートアルコキシ
シラン化合物;γ−グリシドキシプロピルトリエトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、3,4−エポキシブチルトリメトキ
シシラン等のエポキシ基を官能基とするアルコキシシラ
ン化合物;メチルトリメトキシシラン、エチルトリエト
キシシラン、イソプロピルトリイソプロポキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシラン、
ジイソプロピルジイソプロポキシシラン、トリメチルメ
トキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリイソプ
ロピルイソプロポキシシラン等のアルコキシ基を官能基
とするアルキルアルコキシシラン類;3−(トリエトキ
シシリル)−2−メチルプロピルコハク酸無水物等の酸
無水物基を官能基とするアルコキシシラン化合物;2−
(4−クロロスルフォニルフェニル)エチルトリエトキ
シシラン等の酸ハロゲン化物を官能基とするアルコキシ
シラン化合物;を挙げることができる。
【0060】その他、3−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプ
トプロピルトリエトキシシラン、等のアミノ基やメルカ
プト基を官能基とするアルコキシシラン類等を用いても
よい。
【0061】又、下記のようなアルコキシシラン化合物
も好ましく用いられる。 A4Si 式中、Aは炭素数1〜8、好ましくは1〜4のアルコキ
シ基を示す。
【0062】具体的には、テトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラア
ルコキシシラン類が挙げられる。
【0063】アルコキシシラン化合物は1種類だけでも
よく、2種類以上を併用しても良い。また、又、1分子
内に2個以上の繰り返し単位を有するオリゴマータイプ
のアルコキシシラン化合物を用いても良い。
【0064】本発明において、樹脂層はシリル基を有す
るポリカーボネートを、加水分解、重縮合させて得られ
る。
【0065】この重縮合はシリル基を有するポリカーボ
ネート同士の重縮合でも良いが、重縮合時に有機ケイ素
化合物や反応性電荷輸送性化合物を存在させて、加水分
解と、それに続くシロキサン縮合体の形成、及び電荷輸
送性基を樹脂層中に樹脂構造の一部(部分構造)として
形成する重縮合を進行させることにより、架橋構造を有
し、且つ電荷輸送構造を有する樹脂層を形成でき、耐摩
耗特性等の機械的強度と電子写真特性を併せ持った樹脂
層を得ることができる。
【0066】即ち、本発明の樹脂層はシリル基を有する
ポリカーボネートと後記一般式(1)の有機ケイ素化合
物、該有機ケイ素化合物の加水分解生成物、或いはシロ
キサン縮合体との反応により、シロキサン縮合体を有す
るポリカーボネートを形成することができ、これらのシ
ロキサン縮合体を有するポリカーボネート同志、或いは
有機ケイ素化合物等と加水分解後に相互に反応すること
により、全体が架橋構造で結合した耐摩耗特性等に強い
樹脂層を形成する。ここでシロキサン縮合体とはシロキ
サン結合(Si−O−Si結合)が三次元的に繰り返さ
れてなる樹脂構造を言う。
【0067】又、本発明のシロキサン縮合体は、少なく
ともエポキシ基又はその開環基を有する有機ケイ素化合
物を用いて形成される。
【0068】即ち、エポキシ基又はその開環基を有する
有機ケイ素化合物を用いて形成されたシロキサン縮合体
を有する本発明の樹脂層は、電子写真感光体の表面層と
して用いると、電子写真感光体の耐摩耗特性を改善し、
且つ高湿環境や低湿環境で画像ボケを発生させない。
【0069】本発明に好ましく用いられるエポキシ基又
はその開環基を有する有機ケイ素化合物としては(3−
グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、2−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリエトキシシラン、5,6−エポキシヘキシルト
リエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチ
ルジエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メ
チルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、(3−グリ
シドキシプロピル)ジメチルエトキシシラン、ジエトキ
シ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン等が挙げら
れる。
【0070】本発明のシロキサン縮合体成分を形成する
には、上記エポキシ基又はその開環基を有する有機ケイ
素化合物以外に下記一般式(1)で示される有機ケイ素
化合物を併用して重縮合を形成するのが好ましい。
【0071】一般式(1) (R)n−Si−(X)4-n 式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が直
接結合した形の有機基を表し、Xは加水分解性基を表
し、nは0〜3の整数を表す。
【0072】一般式(1)で表される有機ケイ素化合物
において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形
の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル等のアル
キル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等の
アリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、
γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロ
ピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロ
ピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等
の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−
メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプ
ロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル
等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−ト
リフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフル
オロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、
シアノ置換アルキル基を挙げられる。また、Xの加水分
解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、
ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。
【0073】また、一般式(1)で表される有機ケイ素
化合物は、単独でも良いし、2種以上組み合わせて使用
しても良い。
【0074】また、一般式(1)で表される有機ケイ素
化合物の具体的化合物で、nが2以上の場合、複数のR
は同一でも異なっていても良い。同様に、nが2以下の
場合、複数のXは同一でも異なっていても良い。又、一
般式(1)で表される有機ケイ素化合物を2種以上を用
いるとき、R及びXはそれぞれの化合物間で同一でも良
く、異なっていても良い。
【0075】以下に一般式(1)の具体的な化合物例を
以下に挙げるが、本発明ではこれら具体例に限定されな
い。尚、前記エポキシ基又はその開環基を有する有機ケ
イ素化合物の具体例も一般式(1)の化合物例にあた
る。
【0076】nが0の化合物例としては下記の化合物が
挙げられる。テトラクロロシラン、ジエトキシジクロロ
シラン、テトラメトキシシラン、フェノキシトリクロロ
シラン、テトラアセトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、テトラアリロキシシラン、テトラプロポキシシラ
ン、テトライソプロポキシシラン、テトラキス(2−メ
トキシエトキシ)シラン、テトラブトキシシラン、テト
ラフェノキシシラン、テトラキス(2−エチルブトキ
シ)シラン、テトラキス(2−エチルヘキシロキシ)シ
ラン等が挙げられる。
【0077】nが1の化合物例としては下記の化合物が
挙げられる。即ち、トリクロロシラン、メチルトリクロ
ロシラン、ビニルトリクロロシラン、エチルトリクロロ
シラン、アリルトリクロロシラン、n−プロピルトリク
ロロシラン、n−ブチルトリクロロシラン、クロロメチ
ルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メ
ルカプトメチルトリメトキシシラン、トリメトキシビニ
ルシラン、エチルトリメトキシシラン、3,3,4,
4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリク
ロロシラン、フェニルトリクロロシラン、3,3,3−
トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロ
プロピルトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、3
−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、2−アミノエチルアミノ
メチルトリメトキシシラン、ベンジルトリクロロシラ
ン、メチルトリアセトキシシラン、クロロメチルトリエ
トキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、フェニル
トリメトキシシラン、3−アリルチオプロピルトリメト
キシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−ブロモプロピルトリエトキシシラン、3−ア
リルアミノプロピルトリメトキシシラン、プロピルトリ
エトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、3−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、ビス(エチルメチルケト
オキシム)メトキシメチルシラン、ペンチルトリエトキ
シシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリ
エトキシシラン等が挙げられる。
【0078】nが2の化合物例としては下記の化合物が
挙げられる。ジメチルジクロロシラン、ジメトキシメチ
ルシラン、ジメトキシジメチルシラン、メチル−3,
3,3−トリフルオロプロピルジクロロシラン、ジエト
キシシラン、ジエトキシメチルシラン、ジメトキシメチ
ル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3−ク
ロロプロピルジメトキシメチルシラン、クロロメチルジ
エトキシシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジメトキ
シ−3−メルカプトプロピルメチルシラン、3,3,
4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルメ
チルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、
ジアセトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビ
ニルシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジクロ
ロシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラ
ン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキ
シメチルシラン、t−ブチルフェニルジクロロシラン、
3−メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、
3−(3−シアノプロピルチオプロピル)ジメトキシメ
チルシラン、3−(2−アセトキシエチルチオプロピ
ル)ジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチル−2−
ピペリジノエチルシラン、ジブトキシジメチルシラン、
3−ジメチルアミノプロピルジエトキシメチルシラン、
ジエトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシ−3−グ
リシドキシプロピルメチルシラン、3−(3−アセトキ
シプロピルチオ)プロピルジメトキシメチルシラン、ジ
メトキシメチル−3−ピペリジノプロピルシラン、ジエ
トキシメチルオクタデシルシラン等が挙げられる。
【0079】nが3の化合物例としては下記の化合物が
挙げられる。トリメチルクロロシラン、メトキシトリメ
チルシラン、エトキシトリメチルシラン、メトキシジメ
チル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3−
クロロプロピルメトキシジメチルシラン、メトキシ−3
−メルカプトプロピルメチルメチルシラン等が挙げられ
る。
【0080】又、本発明のシロキサン縮合体成分を製造
するに際し、前記一般式(1)で示される有機ケイ素化
合物を2種以上用いる場合はそれぞれの有機ケイ素化合
物のRは同一でも良く、異なっていてもよい。
【0081】架橋構造を有するシロキサン縮合体の原料
として用いられる前記一般式(1)の有機ケイ素化合物
は、一般にはケイ素原子に結合している加水分解性基の
数(4−n)のnが3のとき、有機ケイ素化合物の高分
子化反応は抑制される。nが0、1又は2のときは高分
子化反応が起こりやすく、特に1或いは0では高度に架
橋反応を進めることが可能である。従って、これらをコ
ントロールすることにより得られる塗布層液の保存性や
塗布膜の硬度等を制御することが出来る。
【0082】本発明の電荷輸送性構造成分とは電子或い
は正孔のドリフト移動度を有する性質を示す電荷輸送性
構造基であり、又別の定義としてはTime−Of−F
light法などの電荷輸送性能を検知できる公知の方
法により電荷輸送に起因する検出電流が得られる電荷輸
送性構造基である。
【0083】本発明の樹脂中に電荷輸送性構造成分を導
入するには、有機ケイ素化合物と反応性電荷輸送性化合
物を用い、シロキサン縮合体中に電荷輸送性構造成分を
組み込むことができる。ここで反応性電荷輸送性化合物
とは前記有機ケイ素化合物、或いはポリカーボネートの
末端のシリル基と化学結合可能な反応性基を有する電荷
輸送性化合物を意味する。以下、反応性電荷輸送性化合
物について説明する。
【0084】前記反応性電荷輸送性化合物としては水酸
基、メルカプト基、アミン基、シリル基を有する電荷輸
送性化合物等が挙げられる。
【0085】水酸基を有する電荷輸送性化合物は下記一
般式(2)で表される。 一般式(2) X−(R7−OH)m ここにおいて、 X:電荷輸送性構造基、 R7:単結合、置換又は無置換のアルキレン基、アリー
レン基、 m:1〜5の整数である。
【0086】その中でも代表的なものを挙げれば下記の
ごときものがある。例えばトリアリールアミン系化合物
は、トリフェニルアミン等のトリアリールアミン構造を
電荷輸送性構造基=Xとして有し、前記Xを構成する炭
素原子を介して、又はXから延長されたアルキレン、ア
リーレン基を介して水酸基を有する化合物が好ましく用
いられる。
【0087】次に、水酸基を有する電荷輸送性化合物の
合成例について述べる。 化合物B−1の合成
【0088】
【化5】
【0089】ステップA 温度計、冷却管、撹拌装置、滴下ロートの付いた四頭コ
ルベンに、化合物(1)49gとオキシ塩化リン184
gを入れ加熱溶解した。滴下ロートよりジメチルホルム
アミド117gを徐々に滴下し、その後反応液温を85
〜95℃に保ち、約15時間撹拌を行った。次に反応液
を大過剰の温水に徐々に注いだ後、撹拌しながらゆっく
り冷却した。
【0090】析出した結晶を濾過及び乾燥した後、シリ
カゲル等により不純物吸着及びアセトニトリルでの再結
晶により精製を行って化合物(2)を得た。収量は30
gであった。 ステップB 化合物(2)30gとエタノール100mlをコルベン
に投入し撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム1.9gを
徐々に添加した後、液温を40〜60℃に保ち、約2時
間撹拌を行った。次に反応液を約300mlの水に徐々
にあけ、撹拌して結晶を析出させた。濾過後充分水洗し
て、乾燥し化合物(3)を得た。収量は30gであっ
た。
【0091】メルカプト基を有する電荷輸送性化合物は
下記一般式(3)で表される。 一般式(3) X−(R8−SH)m ここにおいて、 X:電荷輸送性構造基、 R8:単結合、置換又は無置換のアルキレン、アリーレ
ン基、 m:1〜5の整数である。
【0092】アミン基を有する電荷輸送性化合物は下記
一般式(4)で表される。 一般式(4) X−(R9−NR10H)m ここにおいて、 X:電荷輸送性構造基、 R9:単結合、置換、無置換のアルキレン、置換、無置
換のアリーレン基、 R10:水素原子、置換、無置換のアルキル基、置換、無
置換のアリール基、 m:1〜5の整数である。
【0093】アミノ基を有する電荷輸送性化合物の中
で、第一級アミン化合物(−NH2)の場合は2個の水
素原子が有機珪素化合物と反応し、シロキサン構造に連
結しても良い。第2級アミン化合物(−NHR10)の場
合は1個の水素原子が有機珪素化合物と反応し、R10
ブランチとして残存する基でも良く、架橋反応を起こす
基でも良く、電荷輸送物質を含む化合物残基でもよい。
【0094】更に、シリル基を有する電荷輸送性化合物
は下記一般式(5)で表される。 一般式(5) X−(−R1−Si(R113-a(R12am 式中、Xは電荷輸送性構造基であり、R11は水素原子、
置換若しくは無置換のアルキル基、アリール基を示し、
12は加水分解性基又は水酸基を示し、R1は置換若し
くは無置換のアルキレン基を示す。aは1〜3の整数を
示し、mは1〜5の整数を示す。
【0095】前記一般式(2)〜(5)の代表例を下記
に示す。
【0096】
【化6】
【0097】
【化7】
【0098】
【化8】
【0099】
【化9】
【0100】本発明の反応性電荷輸送性化合物としては
同一分子内に複数の反応性基を有する化合物が好まし
い。このことにより、反応性電荷輸送性化合物は有機ケ
イ素化合物との反応性が向上し、本発明の樹脂層に良好
な電荷輸送特性を付与する。
【0101】本発明の樹脂の電荷輸送性構造成分とは前
記一般式(2)〜(5)中の電荷輸送性構造基Xに相当
する化学構造成分を示す。電荷輸送性構造基Xの具体的
な化合物構造としては、例えば正孔輸送型CTMとして
は、キサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、トリ
アゾール、イミダゾール、イミダゾロン、イミダゾリ
ン、ビスイミダゾリジン、スチリル、ヒドラゾン、ベン
ジジン、ピラゾリン、スチルベン化合物、アミン、オキ
サゾロン、ベンゾチアゾール、ベンズイミダゾール、キ
ナゾリン、ベンゾフラン、アクリジン、フェナジン、ア
ミノスチルベン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ
−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセンな
どの化学構造を有する基が挙げられる。
【0102】一方、電子輸送型CTMとしては無水コハ
ク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリッ
ト酸、無水メリット酸、テトラシアノエチレン、テトラ
シアノキノジメタン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼ
ン、トリニトロベンゼン、テトラニトロベンゼン、ニト
ロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、キノンクロル
イミド、クロラニル、ブロマニル、ベンゾキノン、ナフ
トキノン、ジフェノキノン、トロポキノン、アントラキ
ノン、1−クロロアントラキノン、ジニトロアントラキ
ノン、4−ニトロベンゾフェノン、4,4′−ジニトロ
ベンゾフェノン、4−ニトロベンザルマロンジニトリ
ル、α−シアノ−β−(p−シアノフェニル)−2−
(p−クロロフェニル)エチレン、2,7−ジニトロフ
ルオレン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,
4,5,7−テトラニトロフルオレノン、9−フルオレ
ニリデンジシアノメチレンマロノニトリル、ポリニトロ
−9−フルオロニリデンジシアノメチレンマロノジニト
リル、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安
息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、ペンタフルオロ安
息香酸、5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリ
チル酸、フタル酸、メリット酸などの化学構造を有する
基が挙げられる。
【0103】本発明で用いられる反応性電荷輸送性化合
物の分子量は700以下、100以上が好ましい。70
0以下の反応性電荷輸送性化合物を用いることにより、
残電上昇が小さく電子写真特性が良好で、且つクリーニ
ング性の優れた樹脂層を形成できる。更に、450以
下、100以上の分子量の反応性電荷輸送性化合物が好
ましい。
【0104】前記、一般式(2)〜(5)において、m
が2以上の場合、電荷輸送性構造基Xは樹脂中で2価以
上のクロスリンク基として接合してもよく、単にペンダ
ント基として接合していてもよい。
【0105】本発明の樹脂層はポリカーボネート成分、
シロキサン縮合体成分及び電荷輸送構造成分を有する樹
脂を含有するが、樹脂層中のこれらの樹脂は相互に化学
結合により結合しており、樹脂層全体が架橋構造を有す
る樹脂で形成されている。
【0106】本発明の樹脂層中のポリカーボネート成分
とシロキサン縮合体成分の総質量に対する電荷輸送性構
造成分の比が1:0.01〜10であることが好まし
い。電荷輸送性構造成分の配合比が少ないと繰り返し使
用時の電子写真特性(帯電、感度、残留電位特性等)が
劣化し、一方多いと膜強度が低下する。
【0107】本発明の樹脂層のポリカーボネート成分、
シロキサン縮合体成分、及び電荷輸送性構造成分の比率
はポリカーボネート成分1に対し、シロキサン縮合体成
分0.1〜10、電荷輸送性構造成分0.02〜50の
配合比で構成されていることが好ましい。シロキサン縮
合体成分の配合比が少ないと膜強度が低下し、一方多い
とクリーニング性が劣化し、ブレードめくれが発生しや
すい。又、下層の感光層に対する接着性が悪化する。電
荷輸送性構造成分の配合比が少ないと繰り返し使用時の
電子写真特性(帯電、感度、残留電位特性等)が劣化
し、一方多いと膜強度が低下する。
【0108】又、上記シロキサン縮合体成分はエポキシ
基又はその開環基を有する有機ケイ素成分とその他の有
機ケイ素成分の質量比が1:0.01〜100の比率で
形成されることが好ましい。更に、該質量比は1:1〜
20の比率が好ましい。
【0109】本発明の樹脂層の膜厚は0.03〜30μ
m、好ましくは0.03〜10μm、最も好ましくは
0.1〜5μmであることが望ましい。特に本発明の樹
脂層を保護層として用いる場合は保護層の膜厚が0.0
3〜10μm、好ましくは0.1〜5μmであることが
望ましい。本発明の樹脂層を保護層とした場合は、保護
層の膜厚がこのように比較的厚くても、従来から問題と
なっていた感度や残留電位等の静電特性を低下させるこ
となく、耐摩耗特性、トナーのクリーニング性能やクリ
ーニングブレードのめくれに対する安定性を向上させる
ことができる。更に高湿環境でも鮮明な画像を得ること
が出来る。
【0110】上記のような樹脂層には、本発明の効果を
阻害しない範囲内で、金属酸化物粒子が配合されていて
よい。金属酸化物粒子を配合することによって本発明の
樹脂層の耐摩耗特性をさらに向上させることができ、ト
ナーのクリーニング性能やクリーニングブレードのめく
れに対する安定性を向上させることができる。
【0111】前記金属酸化物粒子の一次粒径は5nm〜
500nmであることが好ましい。これらの金属酸化物
粒子は通常は液相法によって合成され、コロイド粒子と
して得ることができる。金属原子の例としてはSi、T
i、Al、Cr、Zr、Sn、Fe、Mg、Mn、N
i、Cuなどが挙げられる。
【0112】又、前記金属酸化物粒子は該粒子表面に前
記有機ケイ素化合物と反応性を有する化合物基を有する
ことが好ましい。該反応性を有する化合物基としては、
例えば水酸基、アミノ基等が挙げられる。このような反
応性基を有する金属酸化物粒子を用いることにより、本
発明樹脂のシロキサン縮合成分と該金属酸化物粒子表面
が化学結合をした複合化された樹脂層を形成し、ブレー
ドクリーニング等の擦過に対して摩耗しにくい、電子写
真特性の良好な樹脂層を形成することができる。配合量
としては、樹脂層全質量の0.1〜30質量%が好まし
い。これらの配合量が30質量%を越えるとクリーニン
グ性能が劣化し、高湿環境での画像が劣化する。
【0113】また、樹脂層には、有機微粒子等が配合さ
れていてよい。これらを配合することによって樹脂層の
表面エネルギーを低下させ、クリーニング特性を向上さ
せることができる。有機微粒子としては、フッ素樹脂、
シリコーン樹脂、アクリル樹脂、オレフィン樹脂等が挙
げられ、特に良好なものとしてはポリテトラフルオロエ
チレン、ポリフッ化ビニルデン等のフッ素樹脂ならびに
ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂が挙
げられる。有機微粒子は1種または2種以上混合して用
いてもよい。
【0114】有機微粒子の大きさとしては、平均体積粒
径あるいは粒子投影像の最大長さとして0.01〜1.
0μm、好ましくは0.01〜0.3μmであることが
望ましい。有機微粒子の配合量は、樹脂層全質量の0.
1〜30質量%が好ましい。これらの配合量が30質量
%を越えると感光体の感度が低下し、繰り返し使用時
に、感光体の残留電位が上昇しカブリが生じる。
【0115】また本発明中の樹脂層にはヒンダードフェ
ノール、ヒンダードアミン、チオエーテル又はホスファ
イト部分構造を持つ酸化防止剤を添加することができ、
環境変動時の電位安定性・画質の向上に効果的である。
【0116】ここでヒンダードフェノールとはフェノー
ル化合物の水酸基に対しオルト位置に分岐アルキル基を
有する化合物類及びその誘導体を云う(但し、水酸基が
アルコキシに変成されていても良い)。
【0117】又、ヒンダードアミンは、例えば下記構造
式で示される有機基を有する化合物類が挙げられる。
【0118】
【化10】
【0119】式中のR13は水素原子又は1価の有機基、
14、R15、R16、R17はアルキル基、R18は水素原
子、水酸基又は1価の有機基を示す。
【0120】ヒンダードフェノール部分構造を持つ酸化
防止剤としては、例えば特開平1−118137号(P
7〜P14)記載の化合物が挙げられるが本発明はこれ
に限定されるものではない。
【0121】ヒンダードアミン部分構造を持つ酸化防止
剤としては、例えば特開平1−118138号(P7〜
P9)記載の化合物も挙げられるが本発明はこれに限定
されるものではない。
【0122】以下に代表的な酸化防止剤の化合物例を挙
げる。
【0123】
【化11】
【0124】
【化12】
【0125】
【化13】
【0126】
【化14】
【0127】又、製品化されている酸化防止剤としては
以下のような化合物、例えば「イルガノックス107
6」、「イルガノックス1010」、「イルガノックス
1098」、「イルガノックス245」、「イルガノッ
クス1330」、「イルガノックス3114」、「イル
ガノックス1076」、「3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシビフェニル」以上ヒンダードフェノール
系、「サノールLS2626」、「サノールLS76
5」、「サノールLS2626」、「サノールLS77
0」、「サノールLS744」、「チヌビン144」、
「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マー
クLA67」、「マークLA62」、「マークLA6
8」、「マークLA63」以上ヒンダードアミン系、
「スミライザーTPS」、「スミライザーTP−D」以
上チオエーテル系、「マーク2112」、「マークPE
P−8」、「マークPEP−24G」、「マークPEP
−36」、「マーク329K」、「マークHP−10」
以上ホスファイト系が挙げられる。これらの中で特にヒ
ンダードフェノール、ヒンダードアミン系酸化防止剤が
好ましい。酸化防止剤の添加量としては樹脂層固形分の
総質量100部に対し、0.1〜10質量部を用いるこ
とが好ましい。
【0128】次に、前記樹脂層の製造方法について記載
する。本発明において樹脂層は上記のような樹脂層が形
成されればいかなる方法によって形成されてもよい。以
下に、代表的な本発明の樹脂層の製造方法について記載
する。
【0129】本発明の樹脂層はシリル基を主鎖末端に持
つポリカーボネート、有機ケイ素化合物及び反応性電荷
輸送性化合物を含有する塗布液を感光層上に塗布した
後、硬化することにより形成することができる。特に有
機ケイ素化合物に少なくともエポキシ基又はその開環基
を有する有機ケイ素化合物を用いることが好ましい。
【0130】又、本発明の樹脂層は少なくともエポキシ
基又はその開環基を有する有機ケイ素化合物を用いて形
成されたシロキサン縮合物を主鎖末端に持つポリカーボ
ネートと反応性電荷輸送性化合物を含有する塗布液を感
光層上に塗布した後、硬化することによっても形成する
ことができる。
【0131】具体的には、主鎖末端にシリル基を有する
ポリカーボネートを少なくともエポキシ基又はその開環
基を有する有機ケイ素化合物、反応性電荷輸送性化合物
と混合した塗布液を塗布、硬化してもよく、又、主鎖末
端にシリル基を有するポリカーボネートと少なくともエ
ポキシ基又はその開環基を有する有機ケイ素化合物を混
合し、予めポリカーボネートの主鎖末端にシロキサン縮
合体を形成し、その後有機ケイ素化合物、反応性電荷輸
送性化合物と混合した塗布液を塗布、硬化してもよい。
【0132】当該硬化によって、シロキサン縮合体が3
次元化され、シロキサン縮合体とシリル基を有するポリ
カーボネート、及び反応性電荷輸送性化合物がシリル基
や反応性基を介して化学的に結合し、これによって耐摩
耗性、感光層との接着性およびクリーニング特性の良好
な樹脂層が形成される。
【0133】上記いずれの製造方法でも、原料となる有
機ケイ素化合物、シロキサン縮合体、シリル基を有する
ポリカーボネート、及び反応性電荷輸送性化合物の塗布
液中の配合比は得られる樹脂層中のポリカーボネート成
分、シロキサン縮合体成分、電荷輸送性構造成分の配合
比が前記範囲内になるような比率であればよく、例え
ば、有機ケイ素化合物、シリル基を有するポリカーボネ
ート、反応性電荷輸送性化合物の質量比は100:25
〜400:1〜1000の配合比が好ましい。
【0134】又、有機ケイ素化合物はエポキシ基又はそ
の開環基を有する有機ケイ素化合物とその他の有機ケイ
素化合物の質量比が1:0.01〜100の比率で配合
されることが好ましい。更に、その配合比は質量比で
1:1〜20の比率が好ましい。
【0135】有機ケイ素化合物、シリル基を有するポリ
カーボネート、反応性電荷輸送性化合物の反応を促進す
るためには、塗布液中、或いは塗布液生成過程で金属キ
レート化合物を添加することが好ましい。ここで金属キ
レート化合物は、ジルコニウム、チタンおよびアルミニ
ウムの群から選ばれる金属のキレート化合物である(以
下、金属キレート化合物(III)という)。金属キレー
ト化合物(III)は、前記の有機ケイ素化合物とシリル
基を有するポリカーボネート、反応性電荷輸送性化合物
との加水分解および/または部分縮合反応を促進し、3
成分の共縮合物の形成を促進する作用をなすものと考え
られる。
【0136】このような金属キレート化合物(III)の
例としては、一般式(6)、(7)、(8)で表される
化合物、あるいはこれらの化合物の部分加水分解物が挙
げられる。
【0137】 一般式(6) Zr(OR5p(R6COCHCOR74-p 一般式(7) Ti(OR5q(R6COCHCOR74-q 一般式(8) Al(OR5r(R6COCHCOR73-r 一般式(6)、(7)、(8)におけるR5およびR
6は、それぞれ独立に炭素数1〜6の1価の炭化水素
基、具体的には、エチル基、n−プロピル基、i−プロ
ピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル
基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル
基、フェニル基等を示し、R7は、R5およびR 6と同様
の炭素数1〜6の1価の炭化水素基のほか、炭素数1〜
16のアルコキシ基、具体的には、メトキシ基、エトキ
シ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブト
キシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ラウリ
ルオキシ基、ステアリルオキシ基等を示す。また、pお
よびqは0〜3の整数、rは0〜2の整数である。
【0138】このような金属キレート化合物(III)の
具体例としては、トリ−n−ブトキシ・エチルアセトア
セテートジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチ
ルアセトアセテート)ジルコニウム、n−ブトキシ・ト
リス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラ
キス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、
テトラキス(アセチルアセトアセテート)ジルコニウ
ム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウ
ム等のジルコニウムキレート化合物;ジ−i−プロポキ
シ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジ−
i−プロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタニウ
ム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトン)チ
タニウム等のチタンキレート化合物;ジ−i−プロポキ
シ・エチルアセトアセテートアルミニウム、ジ−i−プ
ロポキシ・アセチルアセトナートアルミニウム、i−プ
ロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウ
ム、i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ア
ルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミ
ニウム、トリス(エチルアセテート)アルミニウム、ト
リス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノアセ
チルアセトナート・ビス(エチルアセトアセテート)ア
ルミニウム等のアルミニウムキレート化合物等が挙げら
れる。これらの化合物のうち、トリ−n−ブトキシ・エ
チルアセトアセテートジルコニウム、ジ−i−プロポキ
シ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジ−i
−プロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、
トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウムが好ま
しい。これらの金属キレート化合物(III)は、単独で
または2種以上を混合して使用することができる。
【0139】金属キレート化合物(III)の添加量は、
有機ケイ素化合物、シロキサン縮合体、シリル基を有す
るポリカーボネート、及び反応性電荷輸送性化合物等の
塗布液固形分(塗布液固形分とは塗布液を乾燥した後、
残留する成分)の全質量に対する配合量が0.01〜2
0質量%、好ましくは0.5〜20質量%となるような
量である。金属キレート化合物(III)の量が少なすぎ
ると樹脂層の3次元化が達成されないおそれがあり、一
方、多すぎると塗液のポットライフが悪化する。
【0140】樹脂層の塗布液を塗布した後の硬化条件
は、使用される有機ケイ素化合物の反応性に依存する
が、60〜150℃にて30分〜6時間の乾燥を行わせ
るのが好ましい。
【0141】これらの硬化反応を促進するためには有機
溶媒が存在することが好ましい。又、樹脂層塗布液の全
固形分濃度を調製し、併せて粘度も調製するために、有
機溶媒を使用することが必要である。ここで使用可能な
有機溶媒としては、アルコール類、芳香族炭化水素類、
エーテル類、ケトン類、エステル類などが好適である。
有機溶媒の使用量は有機ケイ素化合物に対して限定され
るものではなく、使用目的に応じて調製される。
【0142】硬化反応促進させる溶媒としては有機ケイ
素化合物、シリル基を有するポリカーボネート、反応性
基を有する電荷輸送性化合物を均一に溶解させる溶媒が
好ましく用いられる。これらの溶媒としてはアルコール
類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エステ
ル類などが用いられるが、特に下記に例示ような溶媒が
好ましい。
【0143】アルコール類としては、例えば1価または
2価のアルコールを挙げることができ、具体的にはメタ
ノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブ
チルアルコール、t−ブチルアルコール、n−ヘキシル
アルコール、n−オクチルアルコール、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノn−プロピルエーテル、エチレングリコールモノn−
ブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等
を挙げることができる。これらのうち、炭素数1〜8の
1価の飽和脂肪族アルコールが好ましい。
【0144】また、前記芳香族炭化水素類の具体例とし
ては、ベンゼン、トルエン、キシレン等を挙げることが
でき、前記エーテル類の具体例としては、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン等を挙げることができ、前記エステ
ル類の具体例としては、酢酸エチル、酢酸n−プロピ
ル、酢酸n−ブチル、炭酸プロピレン等を挙げることが
できる。ケトン系の溶媒としてはエチルメチルケトン、
メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン等
を挙げることが出来る。これらの有機溶媒は、単独また
は2種以上を混合して使用することができる。有機溶媒
の添加方法は特に限定されるものではなく、本発明の表
面保護液を調製する際および/または調製後の適宜の段
階で添加することができる。
【0145】上記樹脂層塗布液中には、更に、硬化促進
剤を必要により添加することができる。
【0146】硬化促進剤としては、ナフテン酸、オクチ
ル酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸などのアルカ
リ金属塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのア
ルカリ性化合物;アルキルチタン酸、リン酸、p−トル
エンスルホン酸、フタル酸などの酸性化合物;エチレン
ジアミン、ヘキサンジアミン、ジエチレントリアミン、
トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、
ピペリジン、ピペラジン、メタフェニレンジアミン、エ
タノールアミン、トリエチルアミン、エポキシ樹脂の硬
化剤として用いられる各種変性アミン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−
アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノ
エチル)−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−アニリノプロピルトリメトキシシランなどのアミン系
化合物、(C492Sn(OCOC11232、(C4
92Sn(OCOCH=CHCOOCH32、(C4
92Sn(OCOCH=CHCOOC492、(C8
172Sn(OCOC11 232、(C8172Sn
(OCOCH=CHCOOCH32、(C8172Sn
(OCOCH=CHCOOC492、(C8172
n(OCOCH=CHCOOC8172、Sn(OCO
CC8172、などのカルボン酸型有機スズ化合物;
(C492Sn(SCH2COO)2、(C492Sn
(SCH2COOC8172、(C8172Sn(SC
2COO)2、(C8172Sn(SCH 2CH2CO
O)2、(C8172Sn(SCH2COOCH2CH2
COCH2S)2、(C8172Sn(SCH2COOC
2CH2CH2CH2OCOCH2S)2、(C8172
n(SCH2COOC8172、(C8172Sn(S
CH2COOC12252
【0147】
【化15】
【0148】などのメルカプチド型有機スズ化合物;
【0149】
【化16】
【0150】などのスルフィド型有機スズ化合物;(C
492SnO、(C8172SnO、(C492Sn
O、(C8172SnOなどの有機スズオキサイドとエ
チルシリケート、エチルシリケート40、マレイン酸ジ
メチル、マレイン酸ジエチル、フタル酸ジオクチルなど
のエステル化合物との反応生成物などの有機スズ化合物
などが使用される。
【0151】上記塗布液中の硬化促進剤の添加量は、塗
布液固形分(固形分とは塗布液成分中の乾燥後に残留す
る成分を意味する)100質量部に対して0.1〜20
質量部、好ましくは0.5〜100質量部である。これ
らの量が少なすぎると膜の強度が低下するおそれがあ
り、一方、多すぎると塗液のポットライフが悪化する。
【0152】又、上記塗布液には前記した金属酸化物粒
子、有機微粒子、酸化防止剤を必要に応じて添加し、本
発明の樹脂層を作製することが出来る。
【0153】次に、樹脂層以外の本発明の感光体構成に
ついて記載する。本発明の感光体としてはセレンやアモ
ルファスシリコン等を用いた無機感光体にも適用できる
が、本発明の目的からは有機電子写真感光体(有機感光
体とも云う)に本発明の樹脂層を適用することが好まし
い。
【0154】本発明において、有機感光体とは電子写真
感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送
機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構
成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生
物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷
発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体
等公知の有機電子写真感光体を全て含有する。
【0155】有機感光体の層構成は、特に限定はない
が、導電性支持体上に、中間層、電荷発生層、電荷輸送
層、或いは電荷発生・電荷輸送層(電荷発生と電荷輸送
の機能を同一層に有する層)等の感光層を設置した層構
成、或いはその上に保護層を更に設置した層構成が良く
知られ、本発明の樹脂層は前記したそれぞれの層に適用
することが可能であるが、中でも、樹脂層を構成する保
護層に本発明の樹脂層を適用した構成をとるのが好まし
い。
【0156】以下に本発明に好ましく用いられる具体的
な感光体の構成について記載する。導電性支持体本発明
の感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状、
円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコン
パクトに設計するためには円筒状導電性支持体の方が好
ましい。
【0157】本発明の円筒状導電性支持体とは回転する
ことによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒
状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ
0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好まし
い。この真円度及び振れの範囲を超えると、良好な画像
形成が困難になる。
【0158】導電性の材料としてはアルミニウム、ニッ
ケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸
化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又
は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用
することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗
103Ωcm以下が好ましい。
【0159】本発明で用いられる導電性支持体は、その
表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを
用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム
酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等
の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最
も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場
合、硫酸濃度は100〜200g/l、アルミニウムイ
オン濃度は1〜10g/l、液温は20℃前後、印加電
圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定される
ものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常2
0μm以下、特に10μm以下が好ましい。
【0160】中間層 本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤ
ー機能を備えた中間層を設けることもできる。
【0161】本発明においては導電性支持体と前記感光
層のとの接着性改良、或いは該支持体からの電荷注入を
防止するために、該支持体と前記感光層の間に中間層
(下引層も含む)を設けることもできる。該中間層の材
料としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビ
ニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの
2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これら下引
き樹脂の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく
できる樹脂としてはポリアミド樹脂が好ましい。又、こ
れら樹脂を用いた中間層の膜厚は0.01〜0.5μm
が好ましい。
【0162】又本発明に最も好ましく用いられる中間層
はシランカップリング剤、チタンカップリング剤等の有
機金属化合物を熱硬化させた硬化性金属樹脂を用いた中
間層が挙げられる。硬化性金属樹脂を用いた中間層の膜
厚は、0.1〜2μmが好ましい。
【0163】感光層 本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生
機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感
光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電
荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した
構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることに
より繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御で
き、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやす
い。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(C
GL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取るこ
とが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が
負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好まし
い感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体
構成である。
【0164】以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成
について説明する。 電荷発生層 電荷発生層:電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を
含有する。その他の物質としては必要によりバインダー
樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
【0165】電荷発生物質(CGM)としては公知の電
荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフ
タロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニ
ウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り
返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGM
は複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる立体、電位
構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を
有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙
げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θ
が27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシア
ニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイ
ミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣
化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができ
る。
【0166】電荷発生層にCGMの分散媒としてバイン
ダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用
いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマ
ール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコー
ン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられ
る。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バイン
ダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ま
しい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用
に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の
膜厚は0.01μm〜2μmが好ましい。
【0167】電荷輸送層 電荷輸送層:電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及
びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。
その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤
を含有しても良い。
【0168】電荷輸送物質(CTM)としては公知の電
荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばト
リフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル
化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用
いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当な
バインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。これら
の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくで
きるCTMは高移動度で、且つ組み合わされるCGMと
のイオン化ポテンシャル差が0.5(eV)以下の特性
を有するものであり、好ましくは0.25(eV)以下
である。
【0169】CGM、CTMのイオン化ポテンシャルは
表面分析装置AC−1(理研計器社製)で測定される。
【0170】電荷輸送層(CTL)に用いられる樹脂と
しては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリ
ル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並
びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を
含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−
N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げら
れる。
【0171】これらCTLのバインダーとして最も好ま
しいものはポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネ
ート樹脂はCTMの分散性、電子写真特性を良好にする
ことにおいて、最も好ましい。バインダー樹脂と電荷輸
送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し
10〜200質量部が好ましい。又、電荷輸送層の膜厚
は10〜40μmが好ましい。
【0172】保護層 感光体の保護層として、前記した本発明のシロキサン系
樹脂層を設けることにより、本発明の最も好ましい層構
成を有する感光体を得ることができる。
【0173】上記では本発明の最も好ましい感光体の層
構成を例示したが、本発明では上記以外の感光体層構成
でも良い。
【0174】中間層、感光層等の層形成に用いられる溶
媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルア
ミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、ト
リエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−
ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロ
メタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプ
ロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−
トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロ
エタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサ
ン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパ
ノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシ
ド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれら
に限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2
−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用
いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の
混合溶媒として用いることもできる。
【0175】次に本発明の電子写真感光体を製造するた
めの塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、
円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光
層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないた
め、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は
円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗
布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお本発明
の樹脂層は前記円形量規制型塗布加工方法を用いるのが
最も好ましい。前記円形量規制型塗布については例えば
特開昭58−189061号公報に詳細に記載されてい
る。
【0176】図1は本発明の画像形成方法の一例として
の画像形成装置の断面図である。図1に於いて50は像
担持体である感光体ドラム(感光体)で、有機感光層を
ドラム上に塗布し、その上に本発明の樹脂層を塗設した
感光体で、接地されて時計方向に駆動回転される。52
はスコロトロンの帯電器(帯電工程)で、感光体ドラム
50周面に対し一様な帯電をコロナ放電によって与えら
れる。この帯電器52による帯電に先だって、前画像形
成での感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を
用いた帯電前露光部51による露光を行って感光体周面
の除電をしてもよい。
【0177】感光体への一様帯電の後、像露光器(像露
光工程)53により画像信号に基づいた像露光が行われ
る。この図の像露光器53は図示しないレーザーダイオ
ードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー53
1、fθレンズ等を経て反射ミラー532により光路を
曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静
電潜像が形成される。
【0178】ここで本発明の反転現像とは帯電器52に
より、感光体表面を一様に帯電し、像露光が行われた領
域、即ち感光体の露光部電位(露光部領域)を現像工程
により、顕像化する画像形成方法である。一方未露光部
電位は現像スリーブ541に印加される現像バイアス電
位により現像されない。
【0179】その静電潜像は次いで現像器(現像工程)
54で現像される。感光体ドラム50周縁にはトナーと
キャリアとから成る現像剤を内蔵した現像器54が設け
られていて、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転
する現像スリーブ541によって現像が行われる。現像
器54内部は現像剤攪拌搬送部材544、543、搬送
量規制部材542等から構成されており、現像剤は攪
拌、搬送されて現像スリーブに供給されるが、その供給
量は該搬送量規制部材542により制御される。該現像
剤の搬送量は適用される電子写真感光体の線速及び現像
剤比重によっても異なるが、一般的には20〜200m
g/cm2の範囲である。
【0180】現像剤は、例えばフェライトをコアとして
そのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリア
と、前述のスチレンアクリル系樹脂を主材料としてカー
ボンブラック等の着色剤と荷電制御剤と本発明の低分子
量ポリオレフィンからなる着色粒子に、シリカ、酸化チ
タン等を外添したトナーとからなるもので、現像剤は搬
送量規制部材によって層厚を規制されて現像域へと搬送
され、現像が行われる。この時通常は感光体ドラム50
と現像スリーブ541の間に直流バイアス、必要に応じ
て交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。また、現
像剤は感光体に対して接触あるいは非接触の状態で現像
される。感光体の電位測定は電位センサー547を図1
のように現像位置上部に設けて行う。
【0181】記録紙Pは画像形成後、転写のタイミング
の整った時点で給紙ローラー57の回転作動により転写
域へと給紙される。
【0182】転写域においてはトナーと逆極性の電荷を
付与する転写電極(転写工程)58により感光体上のト
ナーが給紙された記録紙Pに転写される。
【0183】次いで記録紙Pは分離電極(分離工程)5
9によって除電がなされ、感光体ドラム50の周面より
分離して定着装置(定着工程)60に搬送され、熱ロー
ラー601と圧着ローラー602の加熱、加圧によって
トナーを溶着したのち排紙ローラー61を介して装置外
部に排出される。なお前記の転写電極58及び分離電極
59は記録紙Pの通過後感光体ドラム50の周面より退
避離間して次なるトナー像の形成に備える。
【0184】一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム
50は、クリーニング器(クリーニング工程)62のブ
レード621の圧接により残留トナーを除去・清掃し、
再び帯電前露光部51による除電と帯電器52による帯
電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
【0185】尚、70は感光体、帯電器、転写器、分離
器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプ
ロセスカートリッジである。
【0186】本発明の画像形成方法及び画像形成装置は
電子写真複写機、レーザープリンター、LEDプリンタ
ー及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一
般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディス
プレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置
にも幅広く適用することができる。
【0187】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の様態はこれに限定されない。なお、文中
「部」とは「質量部」を表す。
【0188】合成例1 市販のビスフェノールA型ポリカーボネート「E−20
00F」(三菱瓦斯化学社製)40.32g(2mmo
l)と、ビスフェノールA2.28g(10mmol)
と、酢酸亜鉛0.21g(1.0mmol)を、1,
2,4−トリクロロベンゼン200ml中に懸濁させ
て、180℃3時間の加熱撹拌をした。放冷後大過剰の
メタノールに投入し、析出物を濾別して、32.5gの
下式(diol−1)で表されるポリカーボネートジオ
ール(数平均分子量4200)を得た。得られたポリカ
ーボネートジオール(3.0g)をトルエン30gに溶
解させ、その溶液に3−イソシアネートプロピルトリエ
トキシシラン(IPTES)0.6gを添加し、8時間
加熱還流した。反応液をメタノール500mlに滴下
し、反応物を析出させた。析出物を濾別し、メタノール
で洗浄した後減圧乾燥し、主鎖末端シリル変性ポリカー
ボネートAを得た。(収率90.2%)。
【0189】合成例2 合成例1と同様にして得られたポリカーボネートジオー
ル(diol−1、数平均分子量4200)3.0gを
クロロホルム30mlに溶解させ、その溶液にγ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン0.7gと触媒量
の酢酸を添加して、8時間加熱還流した。反応液をメタ
ノール500mlに滴下し、反応物を析出させた。析出
物を濾別し、メタノールで洗浄した後減圧乾燥し、主鎖
末端シリル変性ポリカーボネートBを得た。(収率9
3.5%)。
【0190】合成例3 市販のビスフェノールZ型ポリカーボネート「ユーピロ
ンZ200」(三菱瓦斯化学社製)45gと、ビスフェ
ノールZ2.68g(10mmol)と、酢酸亜鉛0.
21g(1.0mmol)を、1,2,4−トリクロロ
ベンゼン200ml中に懸濁させて、180℃3時間の
加熱撹拌をした。放冷後大過剰のメタノールに投入し、
析出物を濾別して、36.8gの下式(diol−2)
で表されるポリカーボネートジオール(数平均分子量3
900)を得た。得られたポリカーボネートジオール
(3.0g)をトルエン30gに溶解させ、その溶液に
3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(IP
TES)0.6gを添加し、8時間加熱還流した。反応
液をメタノール500mlに滴下し、反応物を析出させ
た。析出物を濾別し、メタノールで洗浄した後減圧乾燥
し、主鎖末端シリル変性ポリカーボネートCを得た。
(収率88.2%)。
【0191】合成例4 合成例3と同様にして得られたポリカーボネートジオー
ル(diol−2、数平均分子量3900)3.0gを
ジメチルホルムアミド60mlに溶解させ、その溶液に
炭酸ナトリウム3gとアリルブロマイド0.3gを添加
し、70℃で10時間反応した。放冷後、反応液をメタ
ノール500mlに滴下し、反応物を析出させた。析出
物を濾別し、メタノールで洗浄した後減圧乾燥し、両端
にアリル基を有するポリカーボネート樹脂を得た。(収
率75.3%)。
【0192】次いで、得られたアリル基含有樹脂2gを
テトラヒドロフラン50mlに溶解し、トリエトキシシ
ラン0.3gと触媒量の塩化白金酸を添加し、5時間加
熱還流した。放冷後、反応液をメタノール500mlに
滴下し、反応物を析出させた。析出物を濾別し、メタノ
ールで洗浄した後減圧乾燥し、主鎖末端シリル変性ポリ
カーボネートDを得た。(収率74.0%)。
【0193】
【化17】
【0194】
【化18】
【0195】感光体1の作製 下記の様に感光体1を作製した。 〈下引き層〉 チタンキレート化合物(TC−750 松本製薬製:ジイソプロポキシチタン ビスエチルアセトアセテート) 30g シランカップリング剤(KBM−503 信越化学社製) 17g 2−プロパノール 150ml 上記塗布液を用いてφ100mmの円筒形の導電性支持
体上に、膜厚0.5μmとなるよう塗布した。 〈電荷発生層〉 Y型チタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、 ブラッグ角2θ(±0.2)の27.2度に最大ピークを有する チタニルフタロシアニン) 60g シリコーン変性ブチラール樹脂(X−40−1211M:信越化学社製) 700g 2−ブタノン 2000ml を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発
生層塗布液を調製した。この塗布液を前記下引き層の上
に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を
形成した。 〈電荷輸送層〉 電荷輸送物質(N−(4−メチルフェニル)−N−{4− (β−フェニルスチリル)フェニル}−p−トルイジン) 225g ポリカーボネート(粘度平均分子量30,000) 300g 酸化防止剤(例示化合物1−3) 6g ジクロロメタン 2000ml を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この
塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾
燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0196】 〈保護層〉 主鎖末端シリル変性ポリカーボネート(A) 100g メチルトリメトキシシラン 70g γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 27g 反応性電荷輸送性化合物(例示化合物(B−1)) 40g 酸化防止剤(例示化合物2−1) 2g 2−プロパノール 120g 2−ブタノン 100g 3%酢酸 10g アルミキレートA(W)(川研ケミカル社製:アルミニウムトリスアセチルア セトネート) 10g を混合し、保護層用の塗布液を調製した。この塗布液を
前記電荷輸送層の上に円形量規制型塗布装置により塗布
して、110℃;90分加熱硬化し、乾燥膜厚3.0μ
mの本発明のポリカーボネート成分、及びシロキサン縮
合体成分、電荷輸送構造成分を有する樹脂層(ポリカー
ボネート成分とシロキサン縮合体の質量比は1:0.
6)を設けた感光体1を作製した。但し、上記ポリカー
ボネート成分とシロキサン縮合体の質量比は以下のよう
にして求めた。
【0197】上記保護層成分の中で乾燥後に固形分とし
て残留する物質はポリカーボネート成分及びシロキサン
縮合体成分、電荷輸送成分を有する樹脂、酸化防止剤、
アルミニウムキレートA(W)である。この内固形分量
が不明な物質はシラン化合物から形成されるシロキサン
縮合体のみであるので、保護層乾燥後に保護層質量より
シロキサン縮合体以外の固形分質量総量を減ずることに
より、シロキサン縮合体の質量を求めることができる。
このようにして求めたシロキサン縮合体の質量を用い
て、ポリカーボネート成分とシロキサン縮合体の質量比
を算出する。
【0198】感光体2の作製 感光体1の作製において、保護層(本発明の樹脂層)中
の反応性電荷輸送性化合物を例示化合物(B−1)の代
わりに例示化合物(Si−1)に代えた他は同様にして
感光体2を作製した。
【0199】感光体3の作製 感光体1の作製において、保護層(本発明の樹脂層)中
の硬化剤としてアルミキレートA(W)に代えてチタン
キレート化合物(TC−750:松本製薬製:ジイソプ
ロポキシチタンビスエチルアセトアセテート)を用いた
他は同様にして感光体3を作製した。
【0200】感光体4の作製 感光体1の作製において、保護層の主鎖末端シリル変性
ポリカーボネートAを合成例2の主鎖末端シリル変性ポ
リカーボネートBに代えた他は感光体1の作製と同様に
して、表面保護層(本発明の樹脂層)を有する感光体4
を作製した。
【0201】感光体5の作製 感光体1の作製において、保護層の主鎖末端シリル変性
ポリカーボネートAを合成例3の主鎖末端シリル変性ポ
リカーボネートCに代えた他は感光体1の作製と同様に
して、表面保護層(本発明の樹脂層)を有する感光体5
を作製した。
【0202】感光体6の作製 感光体1の作製において、保護層の主鎖末端シリル変性
ポリカーボネートAを合成例4の主鎖末端シリル変性ポ
リカーボネートDに代えた他は感光体1の作製と同様に
して、表面保護層(本発明の樹脂層)を有する感光体6
を作製した。
【0203】感光体7の作製 感光体1において電荷輸送層まで同様にして作製した。
【0204】 〈保護層:本発明の樹脂層〉 メチルトリメトキシシラン 70g 3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 27g 2−プロパノール 50g 3%酢酸 10g を混合し、50℃で24時間攪拌を行い、メチルトリメ
トキシシランと3−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シランのオリゴマー化溶液を調製した。
【0205】 上記オリゴマー化液 155g テトラメトキシシラン 10g 主鎖末端シリル変性ポリカーボネートA 100g 反応性電荷輸送性化合物(例示化合物(B−1)) 50g 酸化防止剤(例示化合物2−1) 2g 2−プロパノール 30g 2−ブタノン 100g アルミキレートA(W)(川研ケミカル社製) 10g を混合し、保護層用の塗布液を調製した。この塗布液を
前記電荷輸送層の上に円形量規制型塗布装置により乾燥
膜厚3μmの樹脂層を形成し、120℃、1時間の加熱
硬化を行い、本発明のポリカーボネート成分、シロキサ
ン縮合体成分、電荷輸送性構造成分を有する樹脂層(ポ
リカーボネート成分とシロキサン縮合体の質量比は1:
0.6)を有する感光体7を作製した。
【0206】感光体8〜11の作製 感光体1において保護層塗布液中の主鎖末端シリル変性
ポリカーボネート(A)と、有機ケイ素化合物(メチル
トリメトキシシラン及びγ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン)の質量比を代えた塗布液を調製し、最
終的に保護層樹脂のポリカーボネート成分とシロキサン
縮合体の質量比を表1のように変化させた感光体8〜1
1を作製した。
【0207】感光体12の作製(比較例) 感光体1の作製において、電荷輸送層まで同様にして作
製した。
【0208】 〈保護層〉 メチルトリメトキシシラン 150g ジメチルジメトキシシラン 30g 反応性電荷輸送性化合物(例示化合物(B−1)) 15g 酸化防止剤(例示化合物2−1) 0.75g 2−プロパノール 75g 3%酢酸 5g を混合し、保護層用の塗布液を調製した。この塗布液を
前記電荷輸送層の上に円形量規制型塗布装置により塗布
して、110℃;90分加熱硬化し、乾燥膜厚3.0μ
mの表面保護層を形成して感光体12を作製した。
【0209】感光体13の作製(比較例) 感光体1において電荷輸送層まで同様にして作製した。
【0210】 〈保護層〉 主鎖末端シリル変性ポリカーボネート(A) 100g メチルトリメトキシシラン 70g ジメチルジメトキシシラン 30g 反応性電荷輸送性化合物(例示化合物(B−1)) 40g 酸化防止剤(例示化合物2−1) 2g 2−プロパノール 120g 2−ブタノン 100g 3%酢酸 10g アルミキレートA(W)(川研ケミカル社製:アルミニウムトリスアセチルア セトネート) 10g を混合し、保護層用の塗布液を調製した。この塗布液を
前記電荷輸送層の上に円形量規制型塗布装置により塗布
して、110℃;90分加熱硬化し、乾燥膜厚3.0μ
mのポリカーボネート成分、及びシロキサン縮合体成
分、電荷輸送構造成分を有する樹脂層(ポリカーボネー
ト成分とシロキサン縮合体の質量比は1:0.6)を設
けた感光体13を作製した。
【0211】感光体14の作製(比較例) 感光体1の作製において、表面保護層を設けない以外
は、実施例1と同様にして感光体14を作製した。
【0212】評価 評価機としてコニカ社製デジタル複写機Konica7
075(コロナ帯電、レーザ露光、反転現像、静電転
写、爪分離、ブレードクリーニング、クリーニング補助
ブラシローラー採用プロセスを有する)を用い、該複写
機に感光体1〜10を搭載し評価した。クリーニング性
及び画像評価は、画素率が7%の文字画像、人物顔写
真、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にあ
るオリジナル画像をA4中性紙にコピーして行った。環
境条件は最も厳しいと思われる高温高湿環境(30℃、
80%RH)にて連続20万コピーを行いハーフトー
ン、ベタ白画像、ベタ黒画像を用いて評価した。評価項
目及び評価基準を下記に示す。
【0213】評価基準 画像濃度(マクベス社製RD−918を使用して測定。
紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定した。
初期と20万コピー後に評価した。) ◎:黒ベタ画像濃度が1.2以上 ○:黒ベタ画像濃度が1.2未満〜1.0 ×:黒ベタ画像濃度が1.0未満 解像度(文字画像の判別容易性で判定) ○:初期と20万コピー後の解像度に差がない △:20万コピー後の解像度に軽微な低下有り ×:20万コピー後の解像度に顕著な低下有り クリーニング性(10万、15万及び20万コピー終了
後にA3紙に連続10枚コピーを行い、ベタ白部でのク
リーニング不良の発生の有無で判定) ◎:20万枚でトナーのすり抜け発生なし ○:15万枚までトナーのすり抜け発生なし △:10万枚までトナーのすり抜け発生なし ×:10万枚未満でトナーのすり抜け発生 ブレードめくれ(20万コピー中のブレードめくれ発生
有無で判定) ◎:20万枚コピー終了までブレードめくれ発生なし ○:20万枚コピー終了までに軽微なブレード部分めく
れが発生 ×:20万枚コピー中に1回以上のブレードめくれ発生 クリーニングブレードの起動トルク測定 20万コピー後のドラムカートリッジを用い、複写機本
体のドラム軸に連結したトルクゲージ(MODEL 6
BTG:TOHNICHI社製)を回転させて起動トル
クを測定した。測定は5回行い、平均値を採用した。
【0214】感光体膜厚減耗量 減耗量は実写評価開始時と20万コピー終了時に測定し
た感光体の平均膜厚の差分を求め、膜厚減耗量とした。
【0215】膜厚測定法 感光層の膜厚は均一膜厚部分をランダムに10ケ所測定
し、その平均値を感光層の膜厚とする。膜厚測定器は渦
電流方式の膜厚測定器EDDY560C(HELMUT
FISCHER GMBTE CO社製)を用いて行
い、実写試験前後の感光層膜厚の差を膜厚減耗量とす
る。
【0216】その他評価条件 尚、上記デジタル複写機Konica7075を用い、
その他の評価条件は下記の条件に設定した。
【0217】帯電条件 帯電器;スコロトロン帯電器、初期帯電電位を−750
V 露光条件 露光部電位を−50Vにする露光量に設定 現像条件 DCバイアス;−550V 現像剤は、フェライトをコアとして絶縁性樹脂をコーテ
ィングしたキャリアとスチレンアクリル系樹脂を主材料
としてカーボンブラック等の着色剤と荷電制御剤と低分
子量ポリオレフィンからなる着色粒子に、シリカ、酸化
チタン等を外添したトナーの現像剤を使用 転写条件 転写極;コロナ帯電方式 クリーニング条件 クリーニング部に硬度70°、反発弾性34%、厚さ2
(mm)、自由長9mmのクリーニングブレードをカウ
ンター方向に線圧20(N/m)となるように重り荷重
方式で当接した。
【0218】評価結果を表1に示した。
【0219】
【表1】
【0220】表1から明らかなように保護層に本発明の
樹脂層を有する感光体1〜11は本発明外の感光体12
に比し、膜厚減耗量は若干低下するが、画像濃度、解像
度等の画像特性、及びクリーニング性、ブレードめくれ
等のクリーニング特性が改善されている。又、本発明の
感光体はクリーニングブレードの起動トルクが本発明外
の感光体12やエポキシ基を有しないシロキサン縮合体
の表面層を有する感光体13よりも小さいことからもク
リーニング特性が安定していることが示されている。
又、保護層のない感光体14等は膜厚は減耗量が大き
く、本発明の感光体に比し耐久性が小さい。
【0221】
【発明の効果】本発明のポリカーボネート成分、シロキ
サン縮合体成分及び電荷輸送構造成分を有し、該シロキ
サン縮合体成分が少なくともエポキシ基又はその開環基
を有する有機ケイ素化合物を用いて形成された樹脂層を
表面層とした電子写真感光体はクリーニングブレードと
の間の起動トルクが小さく、その結果クリーニング性、
ブレードめくれ等のクリーニング特性が改良され、該感
光体を用いて作成したコピー画像は多数枚のコピーを行
っても、十分な濃度と鮮鋭な画像を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法の一例としての画像形成
装置の断面図。
【符号の説明】
50 感光体ドラム(又は感光体) 51 帯電前露光部 52 帯電器 53 像露光器 54 現像器 541 現像スリーブ 543,544 現像剤攪拌搬送部材 547 電位センサー 57 給紙ローラー 58 転写電極 59 分離電極(分離器) 60 定着装置 61 排紙ローラー 62 クリーニング器 70 プロセスカートリッジ

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に樹脂層を設けてなる電
    子写真感光体において、該樹脂層が、ポリカーボネート
    成分、シロキサン縮合体成分及び電荷輸送構造成分を有
    し、該シロキサン縮合体成分が少なくともエポキシ基又
    はその開環基を有する有機ケイ素化合物を用いて形成さ
    れた樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記樹脂のポリカーボネート成分とシロ
    キサン縮合体成分の質量比が1:0.1〜10であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記シロキサン縮合体成分はエポキシ基
    又はその開環基を有する有機ケイ素化合物とその他の有
    機ケイ素化合物を用いて形成され、且つ両者の質量比が
    1:0.01〜100であることを特徴とする請求項1
    又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記ポリカーボネート成分とシロキサン
    縮合体成分の総質量に対する電荷輸送性構造成分の質量
    比が1:0.01〜10であることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記ポリカーボネート成分の主鎖末端で
    シロキサン縮合体成分が結合していることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 前記樹脂層全体が架橋構造を形成してい
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載
    の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 前記樹脂層が、酸化防止剤を含有するこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電
    子写真感光体。
  8. 【請求項8】 前記樹脂層が、金属キレート化合物を含
    有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に
    記載の電子写真感光体。
  9. 【請求項9】 前記金属キレート化合物の含有量が樹脂
    層の全固形分質量に対して0.01〜20質量%である
    ことを特徴とする請求項8に記載の電子写真感光体。
  10. 【請求項10】 前記金属キレート化合物がアルミニウ
    ムキレートであることを特徴とする請求項8又は9に記
    載の電子写真感光体。
  11. 【請求項11】 前記金属キレート化合物がチタンキレ
    ートであることを特徴とする請求項8又は9に記載の電
    子写真感光体。
  12. 【請求項12】 前記樹脂層が表面層であることを特徴
    とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の電子写真
    感光体。
  13. 【請求項13】 導電性支持体上に樹脂層を有する電子
    写真感光体の製造方法において、該樹脂層はアルコキシ
    シリル基を有するポリカーボネートと少なくともエポキ
    シ基又はその開環基を有する有機ケイ素化合物及び反応
    性電荷輸送性化合物を含有する塗布液を塗布した後、硬
    化することにより形成されることを特徴とする電子写真
    感光体の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記ポリカーボネートの数平均分子量
    が1,000〜20,000であることを特徴とする請
    求項13に記載の電子写真感光体の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記数平均分子量が2,000〜1
    0,000であることを特徴とする請求項14に記載の
    電子写真感光体の製造方法。
  16. 【請求項16】 導電性支持体上に樹脂層を有する電子
    写真感光体の製造方法において、該樹脂層は少なくとも
    エポキシ基又はその開環基を有する有機ケイ素化合物を
    用いて形成されたシロキサン縮合物を有するポリカーボ
    ネートと反応性電荷輸送性化合物を含有する塗布液を塗
    布した後、硬化することにより形成されることを特徴と
    する電子写真感光体の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記塗布液には更に有機ケイ素化合物
    が含有されることを特徴とする請求項16に記載の電子
    写真感光体の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記反応性電荷輸送性化合物が反応性
    基として水酸基を有することを特徴とする請求項13〜
    17のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方
    法。
  19. 【請求項19】 前記反応性電荷輸送性化合物が反応性
    基としてシリル基を有することを特徴とする請求項13
    〜18のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方
    法。
  20. 【請求項20】 前記反応性電荷輸送性化合物が分子内
    に反応性基を複数個有することを特徴とする請求項13
    〜19のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方
    法。
  21. 【請求項21】 前記反応性電荷輸送性化合物の分子量
    が100〜700であることを特徴とする請求項13〜
    20のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方
    法。
  22. 【請求項22】 前記反応性電荷輸送性化合物の分子量
    が100〜450であることを特徴とする請求項21に
    記載の電子写真感光体の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記塗布液が、金属キレート化合物を
    含有することを特徴とする請求項13〜22のいずれか
    1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記金属キレート化合物の含有量が塗
    布液の全固形分質量に対して0.01〜20質量%であ
    ることを特徴とする請求項23に記載の電子写真感光体
    の製造方法。
  25. 【請求項25】 前記金属キレート化合物がアルミニウ
    ムキレートであることを特徴とする請求項23又は24
    に記載の電子写真感光体の製造方法。
  26. 【請求項26】 前記金属キレート化合物がチタンキレ
    ートであることを特徴とする請求項23又は24に記載
    の電子写真感光体の製造方法。
  27. 【請求項27】 請求項1〜12のいずれか1項に記載
    の電子写真感光体を用いて、少なくとも帯電工程、像露
    光工程、現像工程、ブレードクリーニング工程の各工程
    を経て画像形成することを特徴とする画像形成方法。
  28. 【請求項28】 請求項27に記載の画像形成方法を用
    いることを特徴とする画像形成装置。
  29. 【請求項29】 請求項1〜12のいずれか1項に記載
    の電子写真感光体と、帯電器、像露光器、現像器、クリ
    ーニング器のいずれか1つと一体に組み合わされてお
    り、該画像形成装置に出し入れ可能に構成されているこ
    とを特徴とするプロセスカートリッジ。
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