JP2003149555A - ズームレンズ及びそれを用いた電子撮像装置 - Google Patents
ズームレンズ及びそれを用いた電子撮像装置Info
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Abstract
を有するズーム方式とズーム構成を選択し、各群の総厚
を薄くして、ビデオカメラやデジタルカメラの徹底的薄
型化を図る。 【解決手段】 負の第1群G1と正の第2群G2と正の
第3群G3よりなり、無限遠物点合焦時における広角端
から望遠端への変倍に際して、各レンズ群の間隔を変化
させつつ、第2群G2が物体側へのみ移動し、かつ、第
3群G3は第2群G2とは異なる軌跡で移動し、第2群
G2が物体側成分と像側成分の2つのレンズ成分からな
り、その中一方のレンズ成分は正レンズと負レンズの接
合成分、他方のレンズ成分は正の単レンズのみからな
り、物体側成分が、その物体側面と像側面における光軸
上の曲率半径の比に関する条件式(1)を満足する。
Description
それを用いた電子撮像装置に関し、特に、ズームレンズ
等の光学系部分の工夫により奥行き方向の薄型化を実現
したズームレンズ及びそれを用いたビデオカメラやデジ
タルカメラ等の電子撮像装置に関するものである。ま
た、そのズームレンズはリアフォーカスを可能にならし
めたものに関するものである。
カ版)カメラに代わる次世代カメラとしてデジタルカメ
ラ(電子カメラ)が注目されてきている。さらに、それ
は業務用高機能タイプからポータブルな普及タイプまで
幅広い範囲でいくつものカテゴリーを有するようになっ
てきている。本発明においては、特にポータブルな普及
タイプのカテゴリーに注目し、高画質を確保しながら奥
行きの薄いビデオカメラ、デジタルカメラを実現する技
術を提供することを狙っている。
ネックとなっているのは、光学系特にズームレンズ系の
最も物体側の面から撮像面までの厚みである。最近で
は、撮影時に光学系をカメラボディ内からせり出し、携
帯時に光学系をカメラボディ内に収納するいわゆる沈胴
式鏡筒を採用することが主流になっている。しかしなが
ら、使用するレンズタイプやフィルターによって光学系
沈胴時の厚みが大きく異なる。特にズーム比やF値等仕
様を高く設定するには、最も物体側のレンズ群が正の屈
折力を有するいわゆる正先行型ズームレンズが適してい
るが、各々のレンズエレメントの厚みやデッドスペース
が大きく、沈胴してもたいして厚みが薄くならない(特
開平11−258507号)。負先行型で特に2乃至3
群構成のズームレンズはその点有利であるが、群内構成
枚数が多かったり、エレメントの厚みが大きかったり、
最も物体側のレンズが正レンズの場合も沈胴しても薄く
ならない(特開平11−52246号)。現在知られて
いる中で電子撮像素子用に適しかつズーム比、画角、F
値等含めた結像性能が良好で、沈胴厚を最も薄くできる
可能性を有するものの例として、特開平11−2879
53号、特開2000−267009、特開2000−
275520等のものがある。
るのがよいが、そのためには第2群の倍率を高くするこ
とになる。一方、そのために第2群の負担が大きくな
り、それ自身を薄くすることが困難になるばかりでな
く、収差補正の困難さや製造誤差の効きが増大し好まし
くない。薄型化小型化を実現するには、撮像素子を小さ
くすればよいが、同じ画素数とするためには画素ピッチ
を小さくする必要があり、感度不足を光学系でカバーし
なければならない。回折の影響も然りである。
めに、合焦時のレンズ移動を前群で行うのではなく、後
群で行ういわゆるリアフォーカスが駆動系のレイアウト
上有効である。そのためには、リアフォーカスを実施し
たときの収差変動が少ない光学系を選択する必要性が出
てくる。
況に鑑みてなされたものであり、その目的は、構成枚数
が少なく、リアフォーカス方式等機構レイアウト上小型
で簡素にしやすく、無限遠から近距離まで安定した高い
結像性能を有するズーム方式とズーム構成を選択し、さ
らには、ズームレンズの各レンズエレメントを薄くして
各群の総厚を薄くしたりフィルター類の選択をも考慮し
て、ビデオカメラやデジタルカメラの徹底的薄型化を図
ることである。
に、本発明のズームレンズは、物体側より順に、負の屈
折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2
レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群よりな
り、無限遠物点合焦時における広角端から望遠端への変
倍に際して、各レンズ群の間隔を変化させつつ、前記第
2レンズ群が物体側へのみ移動し、かつ、前記第3レン
ズ群は第2レンズ群とは異なる軌跡で移動するズームレ
ンズにおいて、前記第2レンズ群は、物体側レンズ成分
と像側レンズ成分の2つのレンズ成分からなり、その中
一方のレンズ成分は正レンズと負レンズの接合レンズ成
分、他方のレンズ成分は正の単レンズのみからなり、前
記物体側のレンズ成分が以下の条件を満足することを特
徴とするものである。
側レンズ成分の物体側面及び像側面における光軸上の曲
率半径である。
と作用について説明する。
に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を
有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ
群よりなり、無限遠物点合焦時における広角端から望遠
端への変倍に際して、各レンズ群の間隔を変化させつ
つ、第2レンズ群が物体側へのみ移動し、かつ、第3レ
ンズ群は第2レンズ群とは異なる軌跡で移動するズーム
レンズにおいて、第2レンズ群は、物体側レンズ成分と
像側レンズ成分の2つのレンズ成分からなり、その中一
方のレンズ成分は正レンズと負レンズの接合レンズ成
分、他方のレンズ成分は正の単レンズのみからなる(2
成分3枚構成)ズームレンズを採用しており、さらに、
その2成分の中、物体側のレンズ成分が以下の条件を満
足するとよい。
側レンズ成分の物体側面及び像側面における光軸上の曲
率半径である。
の媒質からなるレンズを一単位とし、接合レンズは複数
のレンズからなるものとする。また、レンズ成分は、間
に空気間隔を配さないレンズ群を意味し、単レンズ又は
接合レンズを意味する。
ズとしてよく使用される負正の2群ズームレンズにおい
て、それを小型化するために各焦点距離における正の後
群(第2レンズ群)の倍率を高くするのがよいが、その
ために、第2レンズ群のさらに像側に正レンズ成分を第
3レンズ群として加え、広角端から望遠端に変倍する際
に第2レンズ群との間隔を変化させるという方法がよく
知られている。また、この第3レンズ群はフォーカス用
としても使用できる可能性を有している。
胴収納時のレンズ部総厚を薄くしてなおかつ第3レンズ
群にてフォーカスをする際、非点収差を始めとする軸外
収差の変動を抑制するために、第2レンズ群を、物体側
から順に、物体側レンズ成分と像側レンズ成分の2つの
レンズ成分からなり、その中一方のレンズ成分は正レン
ズと負レンズの接合レンズ成分、他方のレンズ成分は正
の単レンズのみからなる構成することが必要不可欠要件
となっている。
収差変動が問題になるが、第3レンズ群に必要以上の量
の非球面が入ると、その効果を出すために第1レンズ群
・第2レンズ群で残存する非点収差を第3レンズ群にて
補正することになり、ここで第3レンズ群がフォーカス
のために動くと、そのバランスが崩れてしまい好ましく
ない。したがって、第3レンズ群でフォーカスする場合
は、第1レンズ群・第2レンズ群で非点収差をズーム全
域に亘り略取り切らねばならない。
非球面量にて構成し、開口絞りを第2レンズ群の物体側
に配し、第2レンズ群は、物体側レンズ成分と像側レン
ズ成分の2つのレンズ成分から構成し、その中一方のレ
ンズ成分は正レンズと負レンズの接合レンズ成分、他方
のレンズ成分は正の単レンズのみからなる3枚構成とす
るのがよい。
球面収差・コマ収差・非点収差の補正には有利だが、接
合による偏心敏感度の緩和の効果が少ない。下限を越え
ると、全系収差の球面収差・コマ収差・非点収差の補正
が困難になりやすい。
よく、さらに以下の条件を満足するとよい。
長、R2FC は第2レンズ群の物体側成分の接合面の光軸
上の曲率半径、n2FP 、n2FN はそれぞれ第2レンズ群
の物体側レンズ成分の正レンズ、負レンズのd線屈折
率、ν2FN は第2レンズ群の物体側レンズ成分における
負レンズのd線基準アッベ数である。
する規定であって、この条件の上限の0.8を越える
と、第2レンズ群の接合レンズの厚みを薄くしやすい
が、軸上色収差の補正が困難になる。下限の0を越える
と、軸上色収差の補正には有利だが、接合レンズの厚み
を厚くせざるを得ず、沈胴厚を薄くするのに足枷とな
る。
分の正レンズ、負レンズの媒質屈折率差を規定したもの
で、下限値の0.01を越えると、第2レンズ群内の2
つの成分間の相対偏心敏感度を小さくする効果はある
が、コマ収差等の全体的な補正が困難になる。上限値の
0.2を越えると、ズーム全域各収差の補正には有利で
あるが、第2レンズ群内の2つの成分間の相対偏心敏感
度の改善には不利である。
する規定であって、この条件の上限の26.5を越える
と、軸上色収差の補正不足を招く。下限はそれ以下に現
実に適した媒質が存在しないため特に設けないが、あえ
て下限値を付けるとすれば、下限値を20とし、ν2FN
がそれ以上となるようにするとよい。下限値20を越え
ると、ガラス材料が高価となる。
上あるいは全てを以下のようにするとよりよい。
ようにするとさらによい。特に全てを以下のようにする
と最もよい。
レンズ成分とし、像側レンズ成分を正の単レンズのみか
ら構成する場合、その第2レンズ群の最も像側の正レン
ズに関して、以下の条件式を満足するのがよい。
レンズ成分の物体側の面・像側の面の光軸上での曲率半
径である。
れているレンズ)の空気接触面側に非球面を導入して球
面収差を補正してF値を明るくするが、それでも条件
(5)の下限値の−1.0を越えると、球面収差が発生
しやすく、上限値の0.6を越えると、第1レンズ群に
非球面を導入しても非点収差を補正し切れない。
(歪曲収差・非点収差・コマ収差補正)と、第2レンズ
群(球面収差補正)に各々1枚ずつ、全系で合計2枚と
するのがよい。それ以上入れても効果は少なく、コスト
高になるだけである。
外の収差変動を少なくするため、第3レンズ群は、像側
に凸の軌跡で動くようにするのがよい。
の条件を満足すると、球面収差の補正上よい。
側レンズ成分の最も物体側の面、最も像側の面の光軸上
での曲率半径である。
収差補正不足になりやすく、レンズ厚が厚くなりやす
い。また、物体側レンズ成分の正レンズの加工性も悪化
する。下限の5を越えると、逆に高次の球面収差が発生
したり、負レンズ側の深い凹面の加工性が悪化する。
し、さらに以下の条件を満足すると、射出瞳位置つまり
シェーディングに関して有利である。
ンズ成分と第3レンズ群の焦点距離、d2FR は第2レン
ズ群の物体側レンズ成分の像側面と像側レンズ成分の物
体側面との間隔、R2FR は第2レンズ群の物体側レンズ
成分の像側面の光軸上での曲率半径、t2 は第2レンズ
群の最も物体側の面から最も像側の面までの光軸上での
距離である。
広角端における射出瞳位置つまりシェーディングには有
利であるが、望遠端に変倍する際の射出瞳位置の変動量
が大きく、望遠端でのシェーディングにとって不利とな
る。下限値の0.1を越えると、広角端での射出瞳が近
すぎてシェーディングが発生しやすく、また、第3レン
ズ群にてフォーカスをする際にその移動量が大きくなり
すぎてスペース上の不利がある。また、近軸的に軸上光
線高の高い第2レンズ群の像側の正レンズを強くする必
要があるため第2レンズ群の主点位置が後ろへ移動し、
高い倍率を得難く、第1レンズ群が巨大化しやすい。
非点収差の補正に不利であるのに加え、広角端での射出
瞳位置の関係でシェーディングが発生しやすい。上限の
0.6を越えると、第2レンズ群の厚みが厚く、沈胴厚
を小さくするのに足枷となる。
1 これとは別に、条件(5)又は(6)に対し、さらに以
下の条件を満足すると、沈胴時の小型化に有利である。
合面の曲率半径、f2Fは第2レンズ群の物体側レンズ成
分の焦点距離である。
2レンズ群の物体側レンズ成分の厚みを薄くしやすい
が、軸上色収差の補正が困難になる。上限値2を越える
と、軸上色収差の補正には有利だが、物体側レンズ成分
の厚みを厚くせざるを得ず、沈胴厚を薄くするのに足枷
となる。
は条件(9)を満たす系に対し、さらに以下の条件の何
れか、又は、複数を同時に満足すると、沈胴時の小型化
に有利である。
は第2レンズ群の像側レンズ成分の焦点距離、t2Nは第
2レンズ群の物体側レンズ成分の接合された正レンズの
像側の面から負レンズの像側の面までの光軸上の距離、
t2 は第2レンズ群の最も物体側の面から最も像側の面
までの光軸上での距離、Lは撮像素子の有効撮像領域
(略矩形)の対角長である。
ズの単体焦点距離と第2レンズ群全体の合成焦点距離の
比を規定したものである。その上限の1.3を越える
と、第2レンズ群の主点が像側寄りになるために第2レ
ンズ群倍率が高くならず、第1レンズ群の移動量が大き
くなったり大型化しやすいか、使用状態における第2レ
ンズ群後方にデッドスペースができやすく、全長が長く
なり、沈胴厚を薄くするために鏡枠機械構成が複雑にな
るか巨大化する。あるいは、あまり薄くできない。下限
値の0.0を越えると、非点収差の補正が困難となる。
成分の接合された正レンズの像側の面から負レンズの像
側の面までの光軸上の距離t2Nを規定したものである。
この部位はある程度厚くしないと非点収差が補正し切れ
ないが、光学系の各エレメントの厚みを薄くする目的の
場合、これが足枷になる。したがって、非点収差の補正
は、第1レンズ群の何れかの面に非球面を導入して補正
する。それでも、下限値の0.04を越えると、非点収
差は補正し切れなくなる。上限値の0.2を越えると、
厚さが許容できない。
いて個別に又は複数を同時に、次のようにすればより好
ましい。
又は複数を同時に、次のようにすればさらに望ましい。
満足すると、薄型化に寄与する。
限遠物点)、f2 は第2レンズ群の焦点距離、fW はズ
ームレンズ全系の広角端(無限遠物点)焦点距離であ
る。
る無限遠物点時倍率β2tを規定したものである。これは
できるだけ絶対値が大きい方が広角端における入射瞳位
置を浅くできて第1レンズ群の径を小さくしやすく、ひ
いては厚みを小さくできる。下限の1.2を越えると、
厚みを満足するのが困難で、上限の2.0を越えると、
収差補正(球面収差、コマ収差、非点収差)が困難とな
る。
規定したものである。焦点距離が短い方が第2レンズ群
自身の薄型化には有利であるが、第2レンズ群の前側主
点を物体側に、第1レンズ群の後側主点を像側に位置す
るようなパワー配置上の無理が出やすく、収差補正上好
ましくない。下限の1.6を越えると、球面収差、コマ
収差、非点収差等の補正が困難になる。上限の3.0を
越えると、薄型化が困難となる。
又は同時に、次のようにすればより好ましい。
に、次のようにすればさらに望ましい。
る。そこで、第2レンズ群の最も物体側の正レンズに非
球面を導入するとよい。球面収差、コマ収差補正に効果
が大きく、その分で非点収差や軸上色収差の補正を有利
に実施できる。
実施する場合、第1レンズ群と第2レンズ群にてズーム
全域に亘り軸外収差補正を略完結させた方がよい旨述べ
てきた。第2レンズ群の構成に対して第1レンズ群の構
成の選択を工夫すれば、第1レンズ群と第2レンズ群に
てズーム全域に亘り軸外収差補正を略完結することがで
きる。以下、そのときの第1レンズ群の構成について述
べる。一つは、物体側から順に、2枚以下の負レンズで
構成される負レンズ群と1枚の正屈折力の単レンズで構
成される正レンズ群よりなり、その負レンズ群の中少な
くとも1枚の負レンズは非球面を含むものであり、以下
の条件(f)、(g)を満足するものである。
ズ面の光軸上での曲率半径、dNPは負レンズ群と正レン
ズ群の光軸上での空気間隔、fW はズームレンズ全系の
広角端(無限遠物点)焦点距離である。
一つ目の種類のときの第1面の曲率半径を規定するもの
である。第1レンズ群に非球面を導入することで歪曲収
差を補正し、残る球面成分で非点収差の補正を行うのが
よい。上限値の0.4を越えると、非点収差の補正には
不利になり、下限値の−0.03を越えると、非球面で
も歪曲収差を補正し切れない。
一つ目の種類のときの負レンズ群と正レンズ群の光軸上
での空気間隔dNPを規定するものである。上限値の1.
0を越えると、非点収差の補正には有利になるが、第1
レンズ群の厚みが増し小型化に反する。下限値の0.1
5を越えると、非点収差の補正が困難となる。
又は同時に、次のようにすればより好ましい。
に、次のようにすればさらに望ましい。
を向けた2枚の負のメニスカスレンズと1枚の正レンズ
で構成する場合、非球面はその2枚の負メニスカスレン
ズ間の空気間隔(光軸に沿った量はdNN)に面した何れ
かの面に非球面を導入するのが、歪曲収差・非点収差・
コマ収差補正に有利であり、さらに、以下の条件を満た
すのが、主点位置の関係から有利である。
側のレンズ面の光軸上での曲率半径R12と第2の負メニ
スカスレンズの物体側のレンズ面の光軸上での曲率半径
R13との比を規定したものである。下限の0.4を越え
ると、歪曲収差が悪化しやすいのと、レンズ干渉の関係
でdNNを大きくせざるを得ない。上限の1.3を越える
と、非点収差補正上不利な他に、第2の負メニスカスレ
ンズが加工し難い形状となる。
れる限り小さくするのがよいが、上限の0.25を越え
ると、dNPを無理に小さくせざるを得ず、非点収差の補
正が困難となる。
時に、次のようにすればより好ましい。
ようにすればさらに望ましい。
を向けた1枚の負のメニスカスレンズと1枚の正レンズ
で構成する場合、第1レンズ群に関して以下の条件を満
たすとよい。
ンズの物体側と像側の光軸上での曲率半径、nd1N は第
1レンズ群の負メニスカスレンズのd線屈折率である。
ープファクターを規定したものである。下限の−5.0
を越えると、非点収差の補正上不利になる他、変倍時の
機械的干渉を回避するために第2レンズ群との間隔を余
分に必要とする点も不利になる。上限の−1.3を越え
ると、歪曲収差の補正が不利になりやすい。
屈折率を規定したものである。1枚のみで第1レンズ群
の強い負のパワーを確保するためにR11が負の強い曲率
を持つようになると、例えこのレンズに非球面を導入し
たとしても歪曲収差の補正は十分に行えなくなる。そこ
で、媒質の屈折率を極力高く設定するのがよい。下限の
1.7を越えると、歪曲収差が発生しやすい。上限の
1.95は色収差(アッベ数)を含めて現実のガラスが
存在しないため設けた。
又は同時に、次のようにすればより好ましい。
に、次のようにすればさらに望ましい。
の非球面を含む弱い屈折力の単レンズと1枚の負の単レ
ンズと1枚の正の単レンズとよりなり、以下の条件
(l)を満たすものである。
のレンズの焦点距離、f W はズームレンズ全系の広角端
(無限遠物点)焦点距離である。
二つ目の種類のときの非球面を含む弱い屈折力のレンズ
の焦点距離f1*を規定するものである。上限値の0.3
を越えると、第1レンズ群内の負レンズのパワーが強く
なりすぎディストーションが悪化しやすく、また、凹面
の曲率半径が小さくなりすぎ加工が困難になる。下限値
の−0.2を越えると、非球面がディストーション補正
に注がれ非点収差補正の面で好ましくない。
した正の単レンズ1枚がよいが、その際、形状的に以下
の条件を満たすのがよい。
の物体側と像側の曲率半径である。条件(m)の上限値
の1を越えると、リアフォーカスによる非点収差の変動
が大きくなりすぎ、無限物点で非点収差を良好に補正し
得ても近距離物点に対しては非点収差が悪化しやすい。
下限値の−1を越えると、リアフォーカスによる非点収
差変動は少ないが、無限物点に対する収差補正が困難と
なる。
群、第2レンズ群を薄くするためには、それぞれの群の
厚みの関係を以下のようにバランスさせるのがよい。
ら最も像側のレンズ面までの光軸上での距離を示す。t
2 は第2レンズ群の最も物体側の面から最も像側の面ま
での光軸上での距離を示す。Lは撮像素子の有効撮像領
域(略矩形)の対角長である。
のそれぞれの群の厚みの比を規定したものである。軸外
収差、特に非点収差を補正するためにはそれぞれの群内
の何れかの面間隔を大きくすることが効果的であるが、
厚みを薄くする上で許容できない。そこで、群内の各々
の面間隔を小さくしても非球面の効果で軸外収差の劣化
が少ないのは第2レンズ群の方である。つまり、条件
(n)の値は小さい方がバランスがよいことになる。上
限の1.5を越えると、各群を薄くしていった場合に非
点収差等、軸外収差を十分補正し切れない。下限値の
0.5を越えると、第2レンズ群が物理的に構成できな
いか、却って第1レンズ群が厚くなってしまう。
たものである。上限値の1.3を越えると、薄型化の妨
げになりやすく、下限値の0.4を越えると、各レンズ
面の曲率半径を緩くせざるを得ず、近軸関係の成立や諸
収差補正が困難になる。
ればより好ましい。
械的スペース確保上、Lの値によって変える必要があ
る。
して垂直に近い状態で射出できるため、その像面側に撮
像素子を配した電子撮像装置として構成することが望ま
しい。
の対角長Lが3.0mm乃至12.0mmであること
が、良好な画質と小型化を両立する上でより好ましい。
この下限値3.0mmを越えて撮像素子が小さくなる
と、感度不足がカバーし難くなる。一方、上限値12.
0mmを越えて撮像素子が大きくなると、それに付随し
てズームレンズも大きくなる傾向にあり、薄型化の効果
が薄れる。後記の実施例1ないし7は広角端の焦点距離
を1として規格化して記載してあるが、実施例8に示す
通り、撮像素子の有効撮像領域の対角長を適切にするこ
とが好ましい。
含む電子撮像装置を構成する上で有利である。特に、広
角端における対角方向の半画角ωW が以下の条件を満足
する電子撮像装置に用いることが好ましい(後記の各実
施例に記載の広角端半画角はωW に相当する。)。
なると、収差補正上は有利になるが、実用的な広角端で
の画角ではなくなる。一方、上限値の42°を越える
と、歪曲収差、倍率の色収差が発生しやすくなり、レン
ズ枚数が増加する。
くしつつも結像性能を良好にする手段を提供した。次
に、フィルター類を薄くする件について言及する。電子
撮像装置には通常赤外光が撮像面に入射しないように一
定の厚みのある赤外吸収フィルターを撮像素子よりも物
体側に挿入している。これを厚みのないコーティングに
置き換えることを考える。当然その分薄くなる訳だが、
副次的効果がある。ズームレンズ系後方にある撮像素子
よりも物体側に、600nmでの透過率が80%以上、
700nmでの透過率が10%以下の近赤外シャープカ
ットコートを導入すると、吸収タイプよりも相対的に赤
側の透過率が高くなり、補色モザイクフィルターを有す
るCCDの欠点である青紫側のマゼンタ化傾向がゲイン
調整により緩和され、原色フィルターを有するCCD並
みの色再現を得ることができる。一方、補色フィルター
の場合、その透過光エネルギーの高さから原色フィルタ
ー付きCCDと比べ、実質的感度が高く、かつ解像的に
も有利であるため、小型CCDを使用したときのメリッ
トが大である。もう一方のフィルターである光学的ロー
パスフィルターについても、その総厚tLPF が以下の条
件を満たすようにするとよい。
m)である。
ルターを薄くすることも効果的であるが、一般的にはモ
アレ抑制効果が減少して好ましくない。一方、画素ピッ
チが小さくなるにつれて結像レンズ系の回折の影響によ
り、ナイキスト限界以上の周波数成分のコントラストは
減少し、モアレ抑制効果の減少はある程度許容されるよ
うになる。例えば、像面上投影時の方位角度が水平(=
0°)と±45°方向にそれぞれ結晶軸を有する3種類
のフィルターを光軸方向に重ねて使用する場合、かなり
モアレ抑制効果があることが知られている。この場合の
フィルターが最も薄くなる仕様としては、水平にaμ
m、±45°方向にそれぞれSQRT(1/2) *aμmだけず
らせるものが知られている。ここで、SQRTはスクエ
アルートであり平方根を意味する。このときのフィルタ
ー厚は、およそ[1+2*SQRT(1/2) ]*a/5.88
(mm)となる。
る周波数においてコントラストをゼロにする仕様であ
る。これよりは数%乃至数十%程度薄くすると、ナイキ
スト限界に相当する周波数のコントラストが少し出てく
るが、上記回折の影響で抑えることが可能になる。上記
以外のフィルター仕様、例えは2枚重ねあるいは1枚で
実施する場合も含めて、条件(p)を満足するのがよ
い。上限値の0.45を越えると、光学的ローパスフィ
ルターが厚すぎ薄型化の妨げになる。下限値の0.15
を越えると、モアレ除去が不十分になる。ただし、これ
を実施する場合のaの条件は5μm以下である。
けやすいので、 (p)' 0.13<tLPF /a<0.42 〔mm〕 としてもよい。また、以下のようにしてもよい。
とき) 0.2<tLPF /a<0.28 〔mm〕 (ただし、フィルターが2枚重ね、かつ、a<5μmの
とき) 0.1<tLPF /a<0.16 〔mm〕 (ただし、フィルターが1枚、かつ、a<5μmのと
き) 4μm以下: 0.25<tLPF /a<0.37 〔mm〕 (ただし、フィルターが3枚重ね、かつ、a<4μmの
とき) 0.16<tLPF /a<0.25 〔mm〕 (ただし、フィルターが2枚重ね、かつ、a<4μmの
とき) 0.08<tLPF /a<0.14 〔mm〕 (ただし、フィルターが1枚、かつ、a<4μmのと
き) 画素ピッチの小さな撮像素子を使用する場合、絞り込み
による回折効果の影響で画質が劣化する。しがって、開
口サイズが固定の複数の開口を有し、その中の1つを第
1レンズ群の最も像側のレンズ面と第3レンズ群の最も
物体側のレンズ面の間の何れかの光路内に挿入でき、か
つ、他のものと交換可能とすることで、像面照度を調節
することができる電子撮像装置としておき、その複数の
開口の中、一部の開口内に550nmに対する透過率が
それぞれ異なり、かつ、80%未満であるような媒体を
有するようにして光量調節を行なうのがよい。あるい
は、a(μm)/Fナンバー<0.4となるようなF値
に相当する光量になるように調節を実施する場合は、開
口内に550nmに対する透過率がそれぞれ異なりかつ
80%未満の媒体を有する電子撮像装置とするのがよ
い。例えば、開放値から上記条件の範囲外ではその媒体
なしかあるいは550nmに対する透過率が91%以上
のダミー媒質としておき、範囲内のときは回折の影響が
出る程に開口絞り径を小さくするのではなく、NDフィ
ルターのようなもので光量調節するのがよい。
に反比例して小さくしたものにして揃えておき、NDフ
ィルターの代わりにそれぞれ周波数特性の異なる光学的
ローパスフィルターを開口内に入れておくのでもよい。
絞り込むにつれて回折劣化が大きくなるので、開口径が
小さくなる程光学的ローパスフィルターの周波数特性を
高く設定しておく。
施例1〜8について説明する。実施例1、3、7、8の
無限遠物点合焦時の広角端(a)、中間状態(b)、望
遠端(c)でのレンズ断面図をそれぞれ図1〜図4に示
す。実施例2、4〜6については、実施例1と同様であ
るので図示は省く。図1〜図4中、第1レンズ群はG
1、第2レンズ群はG2、第3レンズ群はG3、光学的
ローパスフィルターや電子撮像素子であるCCDのカバ
ーガラス等の平行平面板群はF、CCDの像面はIで示
してあり、平行平面板群Fは第3レンズ群G3と像面I
の間に固定配置されている。実施例7(図3)、実施例
8(図4)中の平行平面板群Fは、物体側から順に、赤
外カット吸収フィルター、光学的ローパスフィルター、
CCDのカバーガラスで構成されている。なお、赤外カ
ット吸収フィルターに代えて、透明平板の入射面に近赤
外シャープカットコートとしたものを用いてもよいし、
ローパスフィルターに直接近赤外シャープカットコート
を施してもよい(実施例1〜6)。
うに、負屈折力の第1レンズ群G1、正屈折力の第2レ
ンズ群G2、正屈折力の第3レンズ群G3からなり、無
限遠物点合焦時に広角端から望遠端に変倍する際は、第
1レンズ群G1は一旦像面側へ移動しその後物体側に反
転して移動し、望遠端では広角端の位置と略同じにな
り、第2レンズ群G2は物体側へ単調に移動して、第1
レンズ群G1と第2レンズ群G2の間隔が小さくなり、
第3レンズ群G3は像面側へ若干移動する。
凸面を向けた負メニスカスレンズ2枚と、物体側に凸面
を向けた正メニスカスレンズとからなり、第2レンズ群
G2は、絞りと、その後に配置された物体側に凸面を向
けた正メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた負メニ
スカスレンズの接合レンズと、両凸レンズとからなり、
第3レンズ群G3は両凸レンズ1枚からなる。非球面
は、第1レンズ群G1の物体側の負メニスカスレンズの
像面側の面、第2レンズ群G2の接合レンズの物体側の
面の2面に用いられている。
様に、負屈折力の第1レンズ群G1、正屈折力の第2レ
ンズ群G2、正屈折力の第3レンズ群G3からなり、無
限遠物点合焦時に広角端から望遠端に変倍する際は、第
1レンズ群G1は一旦像面側へ移動しその後物体側に反
転して移動し、望遠端では広角端より若干像面側の位置
になり、第2レンズ群G2は物体側へ単調に移動して、
第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間隔が小さくな
り、第3レンズ群G3は像面側へ若干移動する。
同様であるが、非球面は、第1レンズ群G1の像面側の
負メニスカスレンズの物体側の面、第2レンズ群G2の
接合レンズの物体側の面の2面に用いられている。
うに、負屈折力の第1レンズ群G1、正屈折力の第2レ
ンズ群G2、正屈折力の第3レンズ群G3からなり、無
限遠物点合焦時に広角端から望遠端に変倍する際は、第
1レンズ群G1は一旦像面側へ移動しその後物体側に反
転して移動し、望遠端では広角端より若干像面側の位置
になり、第2レンズ群G2は物体側へ単調に移動して、
第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間隔が小さくな
り、第3レンズ群G3は像面側へ若干移動する。
凸面を向けた負メニスカスレンズと、両凹負レンズと、
物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとからなり、
第2レンズ群G2は、絞りと、その後に配置された物体
側に凸面を向けた正メニスカスレンズと物体側に凸面を
向けた負メニスカスレンズの接合レンズと、両凸レンズ
とからなり、第3レンズ群G3は両凸レンズ1枚からな
る。非球面は、第1レンズ群G1の負メニスカスレンズ
の物体側の面、第2レンズ群G2の接合レンズの物体側
の面の2面に用いられている。
様に、負屈折力の第1レンズ群G1、正屈折力の第2レ
ンズ群G2、正屈折力の第3レンズ群G3からなり、無
限遠物点合焦時に広角端から望遠端に変倍する際は、第
1レンズ群G1は一旦像面側へ移動しその後物体側に反
転して移動し、望遠端では広角端の位置と略同じにな
り、第2レンズ群G2は物体側へ単調に移動して、第1
レンズ群G1と第2レンズ群G2の間隔が小さくなり、
第3レンズ群G3は像面側へ若干移動する。
同様であるが、非球面は、第1レンズ群G1の像面側の
負メニスカスレンズの物体側の面、第2レンズ群G2の
接合レンズの物体側の面の2面に用いられている。
と同様に、負屈折力の第1レンズ群G1、正屈折力の第
2レンズ群G2、正屈折力の第3レンズ群G3からな
り、無限遠物点合焦時に広角端から望遠端に変倍する際
は、第1レンズ群G1は一旦像面側へ移動しその後物体
側に反転して移動し、望遠端では広角端より若干像面側
の位置になり、第2レンズ群G2は物体側へ単調に移動
して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間隔が小
さくなり、第3レンズ群G3は一旦像面側へ移動しその
後若干物体側に移動する。
同様であるが、非球面は、第1レンズ群G1の像面側の
負メニスカスレンズの物体側の面、第2レンズ群G2の
接合レンズの物体側の面の2面に用いられている。
うに、負屈折力の第1レンズ群G1、正屈折力の第2レ
ンズ群G2、正屈折力の第3レンズ群G3からなり、無
限遠物点合焦時に広角端から望遠端に変倍する際は、第
1レンズ群G1は一旦像面側へ移動しその後物体側に反
転して移動し、望遠端では広角端より若干像面側の位置
になり、第2レンズ群G2は物体側へ単調に移動して、
第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間隔が小さくな
り、第3レンズ群G3は一旦物体側へ移動しその後若干
像側に移動する。
ンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとか
らなり、第2レンズ群G2は、絞りと、その後に配置さ
れた物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと物体側
に凸面を向けた負メニスカスレンズの接合レンズと、両
凸レンズとからなり、第3レンズ群G3は両凸レンズ1
枚からなる。非球面は、第1レンズ群G1の両凹負レン
ズの像面側の面、第2レンズ群G2の接合レンズの物体
側の面の2面に用いられている。
うに、負屈折力の第1レンズ群G1、正屈折力の第2レ
ンズ群G2、正屈折力の第3レンズ群G3からなり、無
限遠物点合焦時に広角端から望遠端に変倍する際は、第
1レンズ群G1は一旦像面側へ移動しその後物体側に反
転して移動し、望遠端では広角端より若干像面側の位置
になり、第2レンズ群G2は物体側へ単調に移動して、
第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間隔が小さくな
り、第3レンズ群G3は物体側に凸の軌跡を描いて移動
し、望遠端では広角端より若干物体側の位置になる。
凸面を向けた負メニスカスレンズと、物体側に凸面を向
けた正メニスカスレンズとからなり、第2レンズ群G2
は、絞りと、その後に配置された物体側に凸面を向けた
正メニスカスレンズと、両凸正レンズと像面側に凸面を
向けた負メニスカスレンズの接合レンズとからなり、第
3レンズ群G3は物体側に凸面を向けた負メニスカスレ
ンズと両凸レンズの接合レンズからなる。非球面は、第
1レンズ群G1の負メニスカスレンズの像面側の面、第
2レンズ群G2の正メニスカスレンの物体側の面の2面
に用いられている。
が、記号は上記の外、fは全系焦点距離、FNOはFナン
バー、ωは半画角、WEは広角端、STは中間状態、T
Eは望遠端、r1 、r2 …は各レンズ面の曲率半径、d
1 、d2 …は各レンズ面間の間隔、nd1、nd2…は各レ
ンズのd線の屈折率、νd1、νd2…は各レンズのアッベ
数である。なお、非球面形状は、xを光の進行方向を正
とした光軸とし、yを光軸と直交する方向にとると、下
記の式にて表される。
A8、A10 はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面
係数である。
た場合の収差図を図5に、第3レンズ群G3を物体側に
移動することで撮影距離10cmにフォーカシングした
場合の収差図を図6にそれぞれ示す。実施例8の同様の
収差図を図7と図8に示す。これら収差図の(a)は広
角端、(b)は中間状態、(c)は望遠端での収差を表
し、“SA”は球面収差、“AS”は非点収差、“D
T”は歪曲収差、“CC”は倍率色収差を示す。また、
各収差図中、“FIY”は像高を示す。
(1)〜(9)、(a)〜(p)の値、及び、a(μ
m)とL(mm)の値を以下に示す。
7〜8ではa=0.92としているが、各実施例共0.4<
a<1.0〔μm)の範囲で使用可能である。
の総厚tLPF は何れも1.500(mm)で3枚重ねで
構成している。もちろん、上述の実施例は、例えばロー
パスフィルターLFを1枚で構成する等、前記した構成
の範囲内で種々変更可能である。
aについて説明しておく。図9は、撮像素子の画素配列
の1例を示す図であり、画素間隔aでR(赤)、G
(緑)、B(青)の画素あるいはシアン、マゼンダ、イ
エロー、グリーン(緑)の4色の画素(図9)がモザイ
ク状に配されている。有効撮像面は撮影した映像の再生
(パソコン上での表示、プリンターによる印刷等)に用
いる撮像素子上の光電変換面内における領域を意味す
る。図中に示す有効撮像面は、光学系の性能(光学系の
性能が確保し得るイメージサークル)に合わせて、撮像
素子の全光電変換面よりも狭い領域に設定されている。
有効撮像面の対角長Lは、この有効撮像面の対角長であ
る。なお、映像の再生に用いる撮像範囲を種々変更可能
としてよいが、そのような機能を有する撮像装置に本発
明のズームレンズを用いる際は、その有効撮像面の対角
長Lが変化する。そのような場合は、本発明における有
効撮像面の対角長Lは、Lのとり得る範囲における最大
値とする。
ット吸収フィルターIFと赤外シャープカットコートと
があり、赤外カット吸収フィルターIFはガラス中に赤
外吸収体が含有される場合で、赤外シャープカットコー
トは吸収でなく反射によるカットである。したがって、
前記したように、この赤外カット吸収フィルターIFを
除去して、ローパスフィルターLFに直接赤外シャープ
カットコートを施してもよいし、ダミー透明平板上に施
してもよい。
は、波長600nmでの透過率が80%以上、波長70
0nmでの透過率が10%以下となるように構成するこ
とが望ましい。具体的には、例えば次のような27層の
層構成からなる多層膜である。ただし、設計波長は78
0nmである。
率特性は図10に示す通りである。
には、図11に示すような短波長域の色の透過を低滅す
る色フィルターを設けるか若しくはコーティングを行う
ことで、より一層電子画像の色再現性を高めている。
ティングにより、波長400nm〜700nmで透過率
が最も高い波長の透過率に対する420nmの波長の透
過率の比が15%以上であり、その最も高い波長の透過
率に対する400nmの波長の透過率の比が6%以下で
あることが好ましい。
と、撮像及び再生される画像の色とのずれを低減させる
ことができる。言い換えると、人間の視覚では認識され
難い短波長側の色が、人間の目で容易に認識されること
による画像の劣化を防止することができる。
%を越えると、人間の目では認識され難い単波長城が認
識し得る波長に再生されてしまい、逆に、上記の420
nmの波長の透過率の比が15%よりも小さいと、人間
の認識し得る波長城の再生が低くなり、色のバランスが
悪くなる。
ザイクフィルターを用いた撮像系においてより効果を奏
するものである。
波長400nmにおける透過率を0%、420nmにお
ける透過率を90%、440nmにて透過率のピーク1
00%となるコーティングとしている。
作用の掛け合わせにより、波長450nmの透過率99
%をピークとして、400nmにおける透過率を0%、
420nmにおける透過率を80%、600nmにおけ
る透過率を82%、700nmにおける透過率を2%と
している。それにより、より忠実な色再現を行ってい
る。
投影時の方位角度が水平(=0°)と±45°方向にそ
れぞれ結晶軸を有する3種類のフィルターを光軸方向に
重ねて使用しており、それぞれについて、水平にaμ
m、±45°方向にそれぞれSQRT(1/2) ×aだけずらす
ことで、モアレ抑制を行っている。ここで、SQRTは
前記のようにスクエアルートであり平方根を意味する。
示す通り、シアン、マゼンダ、イエロー、グリーン
(緑)の4色の色フィルターを撮像画素に対応してモザ
イク状に設けた補色モザイクフィルターを設けている。
これら4種類の色フィルターは、それぞれが略同じ数に
なるように、かつ、隣り合う画素が同じ種類の色フィル
ターに対応しないようにモザイク状に配置されている。
それにより、より忠実な色再現が可能となる。
図12に示すように少なくとも4種類の色フィルターか
ら構成され、その4種類の色フィルターの特性は以下の
通りであることが好ましい。
光強度のピークを有し、イエローの色フィルターYe は
波長YP に分光強度のピークを有し、シアンの色フィル
ターCは波長CP に分光強度のピークを有し、マゼンダ
の色フィルターMは波長MP1とMP2にピークを有し、以
下の条件を満足する。
それぞれの分光強度のピークに対して波長530nmで
は80%以上の強度を有し、マゼンダの色フィルターは
その分光強度のピークに対して波長530nmでは10
%から50%の強度を有することが、色再現性を高める
上でより好ましい。
の一例を図13に示す。グリーンの色フィルターGは5
25nmに分光強度のビークを有している。イエローの
色フィルターYe は555nmに分光強度のピークを有
している。シアンの色フイルターCは510nmに分光
強度のピークを有している。マゼンダの色フィルターM
は445nmと620nmにピークを有している。ま
た、530nmにおける各色フィルターは、それぞれの
分光強度のピークに対して、Gは99%、Ye は95
%、Cは97%、Mは38%としている。
ないコントローラー(若しくは、デジタルカメラに用い
られるコントローラー)で、電気的に次のような信号処
理を行い、 輝度信号 Y=|G+M+Ye +C|×1/4 色信号 R−Y=|(M+Ye )−(G+C)| B−Y=|(M+C)−(G+Ye )| の信号処理を経てR(赤)、G(緑)、B(青)の信号
に変換される。
コートの配置位置は、光路上のどの位置であってもよ
い。また、ローパスフィルターLFの枚数も前記した通
り2枚でも1枚でも構わない。
は、ズームレンズで物体像を形成しその像をCCD等の
電子撮像素子に受光させて撮影を行う撮影装置、とりわ
けデジタルカメラやビデオカメラ、情報処理装置の例で
あるパソコン、電話、特に持ち運びに便利な携帯電話等
に用いることができる。以下に、その実施形態を例示す
る。
ンズをデジタルカメラの撮影光学系41に組み込んだ構
成の概念図を示す。図14はデジタルカメラ40の外観
を示す前方斜視図、図15は同後方斜視図、図16はデ
ジタルカメラ40の構成を示す断面図である。デジタル
カメラ40は、この例の場合、撮影用光路42を有する
撮影光学系41、ファインダー用光路44を有するファ
インダー光学系43、シャッター45、フラッシュ4
6、液晶表示モニター47等を含み、カメラ40の上部
に配置されたシャッター45を押圧すると、それに連動
して撮影光学系41、例えば実施例1のズームレンズを
通して撮影が行われる。撮影光学系41によって形成さ
れた物体像が、近赤外カットコートをダミー透明平板上
に施してなる赤外カット吸収フィルターIF、光学的ロ
ーパスフィルターLFを介してCCD49の撮像面上に
形成される。このCCD49で受光された物体像は、処
理手段51を介し、電子画像としてカメラ背面に設けら
れた液晶表示モニター47に表示される。また、この処
理手段51には記録手段52が接続され、撮影された電
子画像を記録することもできる。なお、この記録手段5
2は処理手段51と別体に設けてもよいし、フロッピー
(登録商標)ディスクやメモリーカード、MO等により
電子的に記録書込を行うように構成してもよい。また、
CCD49に代わって銀塩フィルムを配置した銀塩カメ
ラとして構成してもよい。
ァインダー用対物光学系53が配置してある。このファ
インダー用対物光学系53によって形成された物体像
は、像正立部材であるポロプリズム55の視野枠57上
に形成される。このポリプリズム55の後方には、正立
正像にされた像を観察者眼球Eに導く接眼光学系59が
配置されている。なお、撮影光学系41及びファインダ
ー用対物光学系53の入射側、接眼光学系59の射出側
にそれぞれカバー部材50が配置されている。
は、撮影光学系41が広画角で高変倍比であり、収差が
良好で、明るく、フィルター等が配置できるバックフォ
ーカスの大きなズームレンズであるので、高性能・低コ
スト化が実現できる。
して平行平面板を配置しているが、パワーを持ったレン
ズを用いてもよい。
いた電子撮像装置は例えば次のように構成することがで
きる。
する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群
と、正の屈折力を有する第3レンズ群よりなり、無限遠
物点合焦時における広角端から望遠端への変倍に際し
て、各レンズ群の間隔を変化させつつ、前記第2レンズ
群が物体側へのみ移動し、かつ、前記第3レンズ群は第
2レンズ群とは異なる軌跡で移動するズームレンズにお
いて、前記第2レンズ群は、物体側レンズ成分と像側レ
ンズ成分の2つのレンズ成分からなり、その中一方のレ
ンズ成分は正レンズと負レンズの接合レンズ成分、他方
のレンズ成分は正の単レンズのみからなり、前記物体側
のレンズ成分が以下の条件を満足することを特徴とする
ズームレンズ。
側レンズ成分の物体側面及び像側面における光軸上の曲
率半径である。
ズ成分からなり、前記像側レンズ成分は正の単レンズの
みからなり、以下の条件を満足することを特徴とする上
記1記載のズームレンズ。
レンズ成分の物体側の面・像側の面の光軸上での曲率半
径である。
とする上記1又は2記載のズームレンズ。
側レンズ成分の最も物体側の面、最も像側の面の光軸上
での曲率半径である。
とする上記1から3の何れか1項記載のズームレンズ。
ンズ成分と第3レンズ群の焦点距離、d2FR は第2レン
ズ群の物体側レンズ成分の像側面と像側レンズ成分の物
体側面との間隔、R2FR は第2レンズ群の物体側レンズ
成分の像側面の光軸上での曲率半径、t2 は第2レンズ
群の最も物体側の面から最も像側の面までの光軸上での
距離である。
とする上記1から4の何れか1項記載のズームレンズ。
合面の曲率半径、f2Fは第2レンズ群の物体側レンズ成
分の焦点距離である。
成分が前記接合レンズ成分で構成され、広角端から望遠
端に変倍する際、前記第3レンズ群は像側に凸の軌跡で
動くことを特徴とする上記1から5の何れか1項記載の
ズームレンズ。
によりフォーカシングを行うことを特徴とする上記1か
ら6の何れか1項記載のズームレンズ。
る絞りを有することを特徴とする上記1から7の何れか
1項記載のズームレンズ。
レンズ面は、非球面であることを特徴とする上記1から
8の何れか1項記載のズームレンズ。
(5)’を満足することを特徴とする上記2記載のズー
ムレンズ。
前記第2レンズ群は非球面を1面のみ有し、前記第3レ
ンズ群は球面レンズのみからなることを特徴とする上記
1から10の何れか1項記載のズームレンズ。
(6)’を満足することを特徴とする上記3記載のズー
ムレンズ。
足することを特徴とする上記4記載のズームレンズ。
足することを特徴とする上記4記載のズームレンズ。
足することを特徴とする上記5記載のズームレンズ。
る上記1から15の何れか1項記載のズームレンズ。
は第2レンズ群の像側レンズ成分の焦点距離である。
ズ成分が前記接合レンズ成分で構成され、その接合レン
ズ成分は、物体側から、正レンズ、負レンズの順で構成
されており、以下の条件(b)を満足することを特徴と
する上記1から16の何れか1項記載のズームレンズ。
された正レンズの像側の面から負レンズの像側の面まで
の光軸上の距離、t2 は第2レンズ群の最も物体側の面
から最も像側の面までの光軸上での距離である。
り、以下の条件(d)、(e)を満足することを特徴と
する上記1から17の何れか1項記載のズームレンズ。
端における倍率、f2 は第2レンズ群の焦点距離、fW
はズームレンズ全系の無限遠物点合焦時の広角端におけ
る焦点距離である。
ら順に、2枚以下の負レンズで構成される負レンズ群と
1枚の正屈折力の単レンズからなる正レンズ群よりな
り、前記負レンズ群は非球面を含むことを特徴とする上
記1から18の何れか1項記載のズームレンズ又は撮像
装置。
(f)、(g)を満足することを特徴とする上記18記
載のズームレンズ。
ズ面の光軸上での曲率半径、dNPは第1レンズの負レン
ズ群と正レンズ群の光軸上での空気間隔、fW はズーム
レンズ全系の無限遠物点合焦時の広角端における焦点距
離である。
ら順に、物体側に凸面を向けた2枚の負メニスカスレン
ズと1枚の正屈折力の単レンズからなり、該2枚の負メ
ニスカスレンズの空気間隔に面した何れか一方の面が非
球面であることを特徴とする上記1から18の何れか1
項記載のズームレンズ。
(h)、(i)を満足することを特徴とする上記21記
載のズームレンズ。
ンズの像側のレンズ面の光軸上での曲率半径、R13は第
1レンズ群の物体側から2番目の負メニスカスレンズの
物体側のレンズ面の光軸上での曲率半径、dNNは2枚の
負メニスカスレンズの空気間隔の光軸に沿った量、fW
はズームレンズ全系の無限遠物点合焦時の広角端におけ
る焦点距離である。
ら順に、物体側に凸面を向けた1枚の負メニスカスレン
ズと1枚の正屈折力の単レンズからなり、以下の条件
(j)、(k)を満足することを特徴とする上記1から
18の何れか1項記載のズームレンズ。
折力の単レンズの物体側と像側のレンズ面の光軸上での
曲率半径、nd1N は第1レンズ群の負メニスカスレンズ
の媒質の屈折率である。
ら順に、以下の条件(l)を満足する弱い屈折力の単レ
ンズと、1枚の負の単レンズと、1枚の正の単レンズか
らなることを特徴とする上記1から18の何れか1項記
載のズームレンズ。
焦点距離、fW はズームレンズ全系の無限遠物点合焦時
の広角端における焦点距離である。
(m)を満足する形状の正の単レンズのみで構成され、
かつ、前記正の単レンズは両面が球面であることを特徴
とする上記1から24の何れか1項記載のズームレン
ズ。
ンズの物体側と像側のレンズ面の光軸上での曲率半径で
ある。
載のズームレンズと、その像側に配された撮像素子とを
有することを特徴とする電子撮像装置。
(c)を満足することを特徴とする上記26記載の電子
撮像装置。
像側の面までの光軸上での距離、Lは撮像素子の有効撮
像領域の対角長である。
(n)、(o)を満足することを特徴とする上記26又
は27記載の電子撮像装置。
ら最も像側のレンズ面までの光軸上での距離、t2 は第
2レンズ群の最も物体側の面から最も像側の面までの光
軸上での距離距離、Lは撮像素子の有効撮像領域の対角
長である。
第2レンズ群の物体側レンズ成分が前記接合レンズ成分
で構成され、以下の条件を満足することを特徴とする上
記26から28の何れか1項記載の電子撮像装置。
長、R2FC は第2レンズ群の物体側成分の接合面の光軸
上の曲率半径、n2FP 、n2FN はそれぞれ第2レンズ群
の物体側レンズ成分の正レンズ、負レンズのd線屈折
率、ν2FN は第2レンズ群の物体側レンズ成分における
負レンズのd線基準アッベ数である。
れ、かつ、高倍率で、リアフォーカスにおいても結像性
能の優れたズームレンズを得ることができ、ビデオカメ
ラやデジタルカメラの徹底的薄型化を図ることが可能と
なる。
(a)、中間状態(b)、望遠端(c)のレンズ断面図
である。
のレンズ断面図である。
のレンズ断面図である。
のレンズ断面図である。
広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(c)の収差図
である。
した場合の広角端(a)、中間状態(b)、望遠端
(c)の収差図である。
の対角長について説明するための図である。
特性を示す図である。
ィルターの一例の透過率特性を示す図である。
を示す図である。
示す図である。
タルカメラの外観を示す前方斜視図である。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 物体側より順に、負の屈折力を有する第
1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、正
の屈折力を有する第3レンズ群よりなり、無限遠物点合
焦時における広角端から望遠端への変倍に際して、各レ
ンズ群の間隔を変化させつつ、前記第2レンズ群が物体
側へのみ移動し、かつ、前記第3レンズ群は第2レンズ
群とは異なる軌跡で移動するズームレンズにおいて、 前記第2レンズ群は、物体側レンズ成分と像側レンズ成
分の2つのレンズ成分からなり、その中一方のレンズ成
分は正レンズと負レンズの接合レンズ成分、他方のレン
ズ成分は正の単レンズのみからなり、 前記物体側のレンズ成分が以下の条件を満足することを
特徴とするズームレンズ。 (1) 0.6<R2FR /R2FF <1.05 ただし、R2FF 、R2FR はそれぞれ第2レンズ群の物体
側レンズ成分の物体側面及び像側面における光軸上の曲
率半径である。 - 【請求項2】 請求項1記載のズームレンズと、その像
側に配された撮像素子とを有することを特徴とする電子
撮像装置。 - 【請求項3】 前記ズームレンズにおける前記第2レン
ズ群の物体側レンズ成分が前記接合レンズ成分で構成さ
れ、以下の条件を満足することを特徴とする請求項2記
載の電子撮像装置。 (2) 0<L/R2FC <0.8 (3) 0.01<n2FN −n2FP <0.2 (4) ν2FN <26.5 ただし、Lは撮像素子の有効撮像領域(略矩形)の対角
長、R2FC は第2レンズ群の物体側成分の接合面の光軸
上の曲率半径、n2FP 、n2FN はそれぞれ第2レンズ群
の物体側レンズ成分の正レンズ、負レンズのd線屈折
率、ν2FN は第2レンズ群の物体側レンズ成分における
負レンズのd線基準アッベ数である。
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