JP4503884B2 - ズームレンズ及びそれを用いた撮像装置 - Google Patents

ズームレンズ及びそれを用いた撮像装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ズームレンズ及びそれを用いた撮像装置に関し、特に、ビデオカメラやデジタルカメラ用のズームレンズであって光学系部分の工夫により奥行き方向の薄型化を実現したビデオカメラやデジタルカメラ用ズームレンズとそれを用いた撮像装置に関するものである。また、リアフォーカスを可能にならしめたズームレンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、銀塩35mmフィルム(通称ライカ版)カメラに代わる次世代カメラとしてデジタルカメラ(電子カメラ)が注目されてきている。さらに、それは業務用高機能タイプからポータブルな普及タイプまで幅広い範囲でいくつものカテゴリーを有するようになってきている。本発明においては、特にポータブルな普及タイプのカテゴリーに注目し、高画質を確保しながら奥行きの薄いビデオカメラ、デジタルカメラを実現する技術を提供することを狙っている。
【0003】
カメラの奥行き方向を薄くするのに最大のネックとなっているのは、光学系特にズームレンズ系の最も物体側の面から撮像面までの厚みである。最近では、撮影時に光学系をカメラボディ内からせり出し、携帯時に光学系をカメラボディ内に収納するいわゆる沈胴式鏡筒を採用することが主流になっている。しかしながら、使用するレンズタイプやフィルターによって光学系沈胴時の厚みが大きく異なる。特にズーム比やF値等仕様を高く設定するには、最も物体側のレンズ群が正の屈折力を有するいわゆる正先行型ズームレンズが適しているが、各々のレンズエレメントの厚みやデッドスペースが大きく、沈胴してもたいして厚みが薄くならない(特開平11−258507号)。負先行型で特に2乃至3群構成のズームレンズはその点有利であるが、群内構成枚数が多かったり、エレメントの厚みが大きかったり、最も物体側のレンズが正レンズの場合も沈胴しても薄くならない(特開平11−52246号)。現在知られている中で電子撮像素子用に適しかつズーム比、画角、F値等含めた結像性能が良好で、沈胴厚を最も薄くできる可能性を有するものの例として、特開平11−287953号、特開2000−267009、特開2000−275520等のものがある。
【0004】
第1群を薄くするには入射瞳位置を浅くするのがよいが、そのためには第2群の倍率を高くすることになる。一方、そのために第2群の負担が大きくなり、それ自身を薄くすることが困難になるばかりでなく、収差補正の困難さや製造誤差の効きが増大し好ましくない。薄型化小型化を実現するには、撮像素子を小さくすればよいが、同じ画素数とするためには画素ピッチを小さくする必要があり、感度不足を光学系でカバーしなければならない。回折の影響も然りである。
【0005】
また、奥行きの薄いカメラボディにするために、合焦時のレンズ移動を前群で行うのではなく、後群で行ういわゆるリアフォーカスが駆動系のレイアウト上有効である。そのためには、リアフォーカスを実施したときの収差変動が少ない光学系を選択する必要性が出てくる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、構成枚数が少なく、リアフォーカス方式等機構レイアウト上小型で簡素にしやすく、無限遠から近距離まで安定した高い結像性能を有するズーム方式とズーム構成を選択し、さらには、ズームレンズの各レンズエレメントを薄くして各群の総厚を薄くしたりフィルター類の選択をも考慮して、ビデオカメラやデジタルカメラの徹底的薄型化を図ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のズームレンズは、物体側より順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と正の屈折力を有する第2レンズ群と正の屈折力を有する第3レンズ群よりなり、無限遠物点合焦時に広角端から望遠端への変倍を、前記第2レンズ群の物体側のみへの移動と、前記第3レンズ群の前記第2レンズ群とは異なる量の移動により行うズームレンズにおいて、第2レンズ群が、物体側から順に、正レンズ・負レンズの順の接合レンズ及び正屈折力の単レンズで構成され、以下の条件式を満足することを特徴とするものである。
【0008】
(1) −1.0<(R24+R25)/(R24−R25)<0.6
ただし、R24、R25はそれぞれ第2レンズ群の最も像側の正レンズの物体側の面・像側の面の光軸上での曲率半径である。なお、曲率半径は面に対して曲率中心が像側にあるときを正とし、反対に物体側に曲率中心があるときを負の符号とする。
【0009】
以下、本発明において上記構成をとる理由と作用について説明する。
【0010】
本発明のズームレンズは、物体側より順に、負の屈折力を有する第1群と正の屈折力を有する第2群と正の屈折力を有する第3群よりなり、無限遠物点合焦時に広角端から望遠端への変倍を第2群の物体側への単調な移動と、第3群の第2群とは異なる量の移動により行うズームレンズにおいて、第2群が、物体側から順に、正レンズ・負レンズの順の接合レンズ及び正の単レンズで構成している。
【0011】
古くから銀塩フィルムカメラ用ズームレンズとしてよく使用される負正の2群ズームレンズにおいて、それを小型化するために各焦点距離における正の後群(第2群)の倍率を高くするのがよいが、そのために、第2群のさらに像側に1枚の正レンズを第3群として加え、広角端から望遠端に変倍する際に第2群との間隔を変化させるという方法がよく知られている。また、この第3群はフォーカス用としても使用できる可能性を有している。そして、本発明の目的の達成、つまり、沈胴収納時のレンズ部総厚を薄くしてなおかつ第3群にてフォーカスをする際、非点収差を始めとする軸外収差の変動を抑制するために、第2群を、物体側から順に、正レンズ・負レンズの順の接合レンズ及び正レンズにて構成することが必要不可欠要件となっている。
【0012】
第3群にてフォーカスをする場合、収差変動が問題になるが、第3群に必要以上の量の非球面が入ると、その効果を出すために第1・2群で残存する非点収差を第3群にて補正することになり、ここで第3群がフォーカスのために動くと、そのバランスが崩れてしまい好ましくない。したがって、第3群でフォーカスする場合は、第1・2群で非点収差をズーム全域に亘り略取り切らねばならない。よって、第3群は球面系又は少ない非球面量にて構成し、開口絞りを第2群の物体側に配し、第2群の最も像側のレンズは正レンズとしたトータルで3枚、つまり、正レンズ、負レンズ、正レンズの順に構成するのがよい。また、このタイプでは前玉径が大きくなり難いので、開口絞りを第2群と一体(後記の本発明実施例では、第2群の直前に配置し、第2群と一体)とした方が、機構上単純であるばかりでなく、沈胴時のデッドスペースが発生し難く、広角端と望遠端のF値差が小さい。また、第2群の物体側の正レンズと負レンズはそれらの相対的偏心による収差の発生が著しいので、これらは接合とすることが不可欠である。さらに、第2群の最も像側の正レンズに関して以下の条件式を満足するのがよい。
【0013】
(1) −1.0<(R24+R25)/(R24−R25)<0.6
ここで、R24、R25はそれぞれ第2群の最も像側の正レンズの物体側の面・像側の面の光軸上での曲率半径である。
【0014】
第2群の物体側の正レンズ(接合されているレンズ)の空気接触面側に非球面を導入して球面収差を補正してF値を明るくするが、それでも条件(1)の下限値の−1.0を越えると、球面収差が発生しやすく、上限値の0.6を越えると、第1群に非球面を導入しても非点収差を補正し切れない。
【0015】
なお、次のようにすればより好ましい。
【0016】
(1’) −0.7<(R24+R25)/(R24−R25)<0.34
さらに、次のようにすればさらに望ましい。
【0017】
(1”) 0.025<(R24+R25)/(R24−R25)<0.34
また、収差補正のための非球面レンズは、第1群(歪曲収差・非点収差・コマ収差補正)と、第2群(球面収差補正)に各々1枚ずつ、全系で合計2枚とするのがよい。それ以上入れても効果は少なく、コスト高になるだけである。
【0018】
また、広角端から望遠端に変倍する際、軸外の収差変動を少なくするため、第3群は、像側に凸の軌跡で動くようにするのがよい。
【0019】
条件(1)を満たす系に対し、さらに以下の条件を満足すると、球面収差の補正上よい。
【0020】
(2) 5<(R21+R23)/(R21−R23)<60
ここで、R21、R23はそれぞれ第2群の接合レンズの最も物体側の面と最も像側の面の光軸上での曲率半径である。
【0021】
条件(2)の上限の60を越えると、球面収差補正不足になりやすく、レンズ厚が厚くなりやすい。また、物体側正レンズの加工性も悪化する。下限の5を越えると、逆に高次の球面収差が発生したり、負レンズ側の深い凹面の加工性が悪化する。
【0022】
なお、次のようにすればより好ましい。
【0023】
(2’) 7<(R21+R23)/(R21−R23)<60
さらに、次のようにすればさらに望ましい。
【0024】
(2”) 8<(R21+R23)/(R21−R23)<60
条件(1)を満たす系又は条件(2)を満たす系に対し、さらに以下の条件を満足すると、射出瞳位置つまりシェーディングに関して有利である。
【0025】
(3) 0.1<f23 /f30<1.2
(4) 0.01<d23×R23/t2 2 <0.5
ここで、f23とf30はそれぞれ第2群の像側の正レンズと第3群の焦点距離、d23は第2群の接合レンズの像側面と正レンズの物体側面との間隔、R23は第2群の接合レンズの像側面の光軸上での曲率半径、t2 は第2群の最も物体側の面から最も像側の面までの距離である。
【0026】
条件(3)の上限値の1.2を越えると、広角端における射出瞳位置つまりシェーディングには有利であるが、望遠端に変倍する際の射出瞳位置の変動量が大きく、望遠端でのシェーディングにとって不利となる。下限値の0.1を越えると、広角端での射出瞳が近すぎてシェーディングが発生しやすく、また、第3群にてフォーカスをする際にその移動量が大きくなりすぎてスペース上の不利がある。また、近軸的に軸上光線高の高い第2群の像側の正レンズを強くする必要があるため第2群の主点位置が後ろへ移動し、高い倍率を得難く、第1群が巨大化しやすい。条件(4)の下限の0.01を越えると、非点収差の補正に不利であるのに加え、広角端での射出瞳位置の関係でシェーディングが発生しやすい。上限の0.5を越えると、第2群の厚みが厚く、沈胴厚を小さくするのに足枷となる。
【0027】
なお、次のようにすればより好ましい。
【0028】
(3’) 0.15<f23 /f30<1.0
(4’) 0.05<d23×R23/t2 2 <0.3
さらに、次のようにすればさらに望ましい。
【0029】
(3”) 0.3<f23 /f30<0.8
(4”) 0.09<d23×R23/t2 2 <0.2
これとは別に、条件(1)又は(2)に対し、さらに以下の条件を満足すると、沈胴時の小型化に有利である。
【0030】
(5) 0.2<R22/fce<2
ここで、R22は第2群の接合レンズの接合面の曲率半径、fceは第2群の接合レンズの焦点距離である。
【0031】
条件(5)の下限の0.2を越えると、第2群の接合レンズの厚みを薄くしやすいが、軸上色収差の補正が困難になる。上限値2を越えると、軸上色収差の補正には有利だが、接合レンズの厚みを厚くせざるを得ず、沈胴厚を薄くするのに足枷となる。
【0032】
なお、次のようにすればより好ましい。
【0033】
(5’) 0.3<R22/fce<1.6
さらに、次のようにすればさらに望ましい。
【0034】
(5”) 0.4<R22/fce<1.2
上記条件(1)を満たす系又は条件(2)を満たす系又は条件(5)を満たす系に対し、さらに以下の条件の何れか、又は、複数を同時に満足すると、沈胴時の小型化に有利である。
【0035】
(a) 0.0<f2 /f23<1.3
(b) 0.04<t2N/t2 <0.2
(c) 0.5<t2 /L<1.2
ここで、f2 は第2群全体の合成焦点距離、f23は第2群の像側の正レンズの単体焦点距離、t2Nは第2群の接合された物体側正レンズの像側の面から第2群の負レンズの像側の面までの光軸上の距離、t2 は第2群の最も物体側の面から最も像側の面までの光軸上での厚み、Lは撮像素子の有効撮像領域(略矩形)の対角長である。
【0036】
条件(a)は第2群の像側の正レンズの単体焦点距離と第2群全体の合成焦点距離の比を規定したものである。その上限の1.3を越えると、第2群の主点が像側寄りになるために第2群倍率が高くならず、第1群の移動量が大きくなったり大型化しやすいか、使用状態における第2群後方にデッドスペースができやすく、全長が長くなり、沈胴厚を薄くするために鏡枠機械構成が複雑になるか巨大化する。あるいは、あまり薄くできない。下限値の0.0を越えると、非点収差の補正が困難となる。
【0037】
条件(b)は第2群の接合された物体側正レンズの像側の面から第2群の負レンズの像側の面までの光軸上の距離t2Nを規定したものである。この部位はある程度厚くしないと非点収差が補正し切れないが、光学系の各エレメントの厚みを薄くする目的の場合、これが足枷になる。したがって、非点収差の補正は、第1群の何れかの面に非球面を導入して補正する。それでも、下限値の0.04を越えると、非点収差は補正し切れなくなる。上限値の0.2を越えると、厚さが許容できない。
【0038】
なお、(a)、(b)、(c)の各々について個別に又は複数を同時に、次のようにすればより好ましい。
【0039】
(a’) 0.5<f2 /f23<1.2
(b’) 0.06<t2N/t2 <0.18
(c’) 0.55<t2 /L<1.1
さらに、(a)、(b)、(c)の各々について個別に又は複数を同時に、次のようにすればさらに望ましい。
【0040】
(a”) 0.9<f2 /f23<1.1
(b”) 0.08<t2N/t2 <0.16
(c”) 0.6<t2 /L<1.0
ところで、ズーム比2.3倍以上の場合、以下の条件を満足すると、薄型化に寄与する。
【0041】
(d) 1.2<−β2t<2.0
(e) 1.6<f2 /fW <3.0
ここで、β2tは第2群の望遠端における倍率(無限遠物点)、f2 は第2群の焦点距離、fW はズームレンズ全系の広角端(無限遠物点)焦点距離である。
【0042】
条件(d)は第2群の望遠端における無限遠物点時倍率β2tを規定したものである。これはできるだけ絶対値が大きい方が広角端における入射瞳位置を浅くできて第1群の径を小さくしやすく、ひいては厚みを小さくできる。下限の1.2を越えると、厚みを満足するのが困難で、上限の2.0を越えると、収差補正(球面収差、コマ収差、非点収差)が困難となる。
【0043】
条件(e)は第2群焦点距離f2 を規定したものである。焦点距離が短い方が第2群自身の薄型化には有利であるが、第2群の前側主点を物体側に、第1群の後側主点を像側に位置するようなパワー配置上の無理が出やすく、収差補正上好ましくない。下限の1.6を越えると、球面収差、コマ収差、非点収差等の補正が困難になる。上限の3.0を越えると、薄型化が困難となる。
【0044】
なお、(d)、(e)について各々個別に又は同時に、次のようにすればより好ましい。
【0045】
(d’) 1.25<−β2t<1.9
(e’) 1.8<f2 /fW <2.7
さらに、(d)、(e)について各々個別に又は同時に、次のようにすればさらに望ましい。
【0046】
(d”) 1.3<−β2t<1.8
(e”) 2.0<f2 /fW <2.5
以上述べてきたように、薄型化と収差補正とは相反する。そこで、第2群の最も物体側の正レンズに非球面を導入するとよい。球面収差、コマ収差補正に効果が大きく、その分で非点収差や軸上色収差の補正を有利に実施できる。
【0047】
先に、第3群にてリアフォーカスを実施する場合、第1群と第2群にてズーム全域に亘り軸外収差補正を略完結させた方がよい旨述べてきた。第2群の構成に対して第1群の構成の選択を工夫すれば、第1群と第2群にてズーム全域に亘り軸外収差補正を略完結することができる。以下、そのときの第1群の構成について述べる。一つは、物体側から順に、2枚以下の負レンズで構成される負レンズ群と1枚の正屈折力の単レンズで構成される正レンズ群よりなり、その負レンズ群の中少なくとも1枚の負レンズは非球面を含むものであり、以下の条件(f)、(g)を満足するものである。
【0048】
(f) −0.03<fW /R11<0.4
(g) 0.15<dNP/fW <1.0
ここで、R11は第1群の物体側から1番目のレンズ面の光軸上での曲率半径、dNPは負レンズ群と正レンズ群の光軸上での空気間隔、fW はズームレンズ全系の広角端(無限遠物点)焦点距離である。
【0049】
条件(f)は第1群の構成が上記の一つ目の種類のときの第1面の曲率半径を規定するものである。第1群に非球面を導入することで歪曲収差を補正し、残る球面成分で非点収差の補正を行うのがよい。上限値の0.4を越えると、非点収差の補正には不利になり、下限値の−0.03を越えると、非球面でも歪曲収差を補正し切れない。
【0050】
条件(g)は第1群の構成が上記の一つ目の種類のときの負レンズ群と正レンズ群の光軸上での空気間隔dNPを規定するものである。上限値の1.0を越えると、非点収差の補正には有利になるが、第1群の厚みが増し小型化に反する。下限値の0.15を越えると、非点収差の補正が困難となる。
【0051】
なお、(f)、(g)について各々個別に又は同時に、次のようにすればより好ましい。
【0052】
(f’) −0.02<fW /R11<0.24
(g’) 0.18<dNP/fW <0.7
さらに、(f)、(g)について各々個別に又は同時に、次のようにすればさらに望ましい。
【0053】
(f”) −0.01<fW /R11<0.16
(g”) 0.2<dNP/fW <0.5
一方、第1群を、物体側から順に、物体側に凸面を向けた2枚の負のメニスカスレンズと1枚の正レンズで構成する場合、非球面はその2枚の負メニスカスレンズ間の空気間隔(光軸に沿った量はdNN)に面した何れかの面に非球面を導入するのが、歪曲収差・非点収差・コマ収差補正に有利であり、さらに、以下の条件を満たすのが、主点位置の関係から有利である。
【0054】
(h) 0.4<R12/R13<1.3
(i) 0.02<dNN/fW <0.25
条件(h)は物体側から第1の負メニスカスレンズの像側のレンズ面の光軸上での曲率半径R12と第2の負メニスカスレンズの物体側のレンズ面の光軸上での曲率半径R13との比を規定したものである。下限の0.4を越えると、歪曲収差が悪化しやすいのと、レンズ干渉の関係でdNNを大きくせざるを得ない。上限の1.3を越えると、非点収差補正上不利な他に、第2の負メニスカスレンズが加工し難い形状となる。
【0055】
条件(i)については、レンズ干渉が許される限り小さくするのがよいが、上限の0.25を越えると、dNPを無理に小さくせざるを得ず、非点収差の補正が困難となる。
【0056】
なお、(h)、(i)を各々個別に又は同時に、次のようにすればより好ましい。
【0057】
(h’) 0.47<R12/R13<1.0
(i’) 0.02<dNN/fW <0.2
さらに、(h)、(i)を各々個別に又は同時に、次のようにすればさらに望ましい。
【0058】
(h”) 0.5<R12/R13<0.8
(i”) 0.02<dNN/fW <0.17
また、第1群を、物体側から順に、物体側に凸面を向けた1枚の負のメニスカスレンズと1枚の正レンズで構成する場合、第1群に関して以下の条件を満たすとよい。
【0059】
(j) −5.0<(R1P1 +R1P2 )/(R1P1 −R1P2 )<−1.3
(k) 1.7<nd1N <1.95
ここで、R1P1 とR1P2 はそれぞれ第1群の正レンズの物体側と像側の光軸上での曲率半径、nd1N は第1群の負メニスカスレンズの媒質屈折率である。
【0060】
条件(j)は第1群正レンズのシェープファクターを規定したものである。下限の−5.0を越えると、非点収差の補正上不利になる他、変倍時の機械的干渉を回避するために第2群との間隔を余分に必要とする点も不利になる。上限の−1.3を越えると、歪曲収差の補正が不利になりやすい。
【0061】
条件(k)は第1群負レンズの媒質屈折率を規定したものである。1枚のみで第1群の強い負のパワーを確保するためにR11が負の強い曲率を持つようになると、例えこのレンズに非球面を導入したとしても歪曲収差の補正は十分に行えなくなる。そこで、媒質の屈折率を極力高く設定するのがよい。下限の1.7を越えると、歪曲収差が発生しやすい。上限の1.95は色収差(アッベ数)を含めて現実のガラスが存在しないため設けた。
【0062】
なお、(j)、(k)について各々個別に又は同時に、次のようにすればより好ましい。
【0063】
(j’) −5.0<(R1P1 +R1P2 )/(R1P1 −R1P2 )<−1.7
(k’) 1.74<nd1N <1.95
さらに、(j)、(k)について各々個別に又は同時に、次のようにすればさらに望ましい。
【0064】
(j”) −5.0<(R1P1 +R1P2 )/(R1P1 −R1P2 )<−2.0
(k”) 1.75<nd1N <1.95
二つ目として、第1群は、物体側から順に、1枚の非球面を含む弱い屈折力の単レンズと1枚の負の単レンズと1枚の正の単レンズとよりなり、以下の条件(l)を満たすものである。
【0065】
(l) −0.2<fW /f1*<0.3
ここで、f1*は第1群の非球面を含む弱い屈折力のレンズの焦点距離、fW はズームレンズ全系の広角端(無限遠物点)焦点距離である。
【0066】
条件(l)は第1群の構成が上記の二つ目の種類のときの非球面を含む弱い屈折力のレンズの焦点距離f1*を規定するものである。上限値の0.3を越えると、第1群内の負レンズのパワーが強くなりすぎディストーションが悪化しやすく、また、凹面の曲率半径が小さくなりすぎ加工が困難になる。下限値の−0.2を越えると、非球面がディストーション補正に注がれ非点収差補正の面で好ましくない。
【0067】
なお、次のようにすればより好ましい。
【0068】
(l’) −0.15<fW /f1*<0.2
さらに、次のようにすればさらに望ましい。
【0069】
(l”) −0.1<fW /f1*<0.1
また、第3群については、両面共略球面より構成した正の単レンズ1枚がよいが、その際、形状的に以下の条件を満たすのがよい。
【0070】
(m) −1<(R31+R32)/(R31−R32)<1
ここで、R31とR32はそれぞれ第3群の正レンズの物体側と像側の曲率半径である。条件(m)の上限値の1を越えると、リアフォーカスによる非点収差の変動が大きくなりすぎ、無限物点で非点収差を良好に補正し得ても近距離物点に対しては非点収差が悪化しやすい。下限値の−1を越えると、リアフォーカスによる非点収差変動は少ないが、無限物点に対する収差補正が困難となる。
【0071】
なお、次のようにすればより好ましい。
【0072】
(m’) −0.45<(R31+R32)/(R31−R32)<0.5
さらに、次のようにすればさらに望ましい。
【0073】
(m”) −0.25<(R31+R32)/(R31−R32)<0.5
ところで、収差や近軸量を最適化しながら第1群、第2群を薄くするためには、それぞれの群の厚みの関係を以下のようにバランスさせるのがよい。
【0074】
(n) 0.5<t2 /t1 <1.5
(o) 0.4<t1 /L<1.3
ここで、t1 は第1群の最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの光軸上での厚みを示す。t2 は第2群の接合レンズの物体側の面から最も像側の正レンズ像側の面までの光軸上での厚みを示す。Lは撮像素子の有効撮像領域(略矩形)の対角長である。
【0075】
条件(n)は第1群と第2群のそれぞれの群の厚みの比を規定したものである。軸外収差、特に非点収差を補正するためにはそれぞれの群内の何れかの面間隔を大きくすることが効果的であるが、厚みを薄くする上で許容できない。そこで、群内の各々の面間隔を小さくしても非球面の効果で軸外収差の劣化が少ないのは第2群の方である。つまり、条件(n)の値は小さい方がバランスがよいことになる。上限の1.5を越えると、各群を薄くしていった場合に非点収差等、軸外収差を十分補正し切れない。下限値の0.5を越えると、第2群が物理的に構成できないか、却って第1群が厚くなってしまう。
【0076】
条件(o)は第1群の総厚を規定したものである。上限値の1.3を越えると、薄型化の妨げになりやすく、下限値の0.4を越えると、各レンズ面の曲率半径を緩くせざるを得ず、近軸関係の成立や諸収差補正が困難になる。
【0077】
なお、条件(n)については次のようにすればより好ましい。
【0078】
(n’) 0.6<t2 /t1 <1.4
さらに、次のようにすればさらに望ましい。
【0079】
(n”) 0.7<t2 /t1 <1.3
なお、条件(o)におけるより適切な範囲は、縁肉・機械的スペース確保上、Lの値によって変える必要がある。
【0080】
(o' ) 0.6<t1 /L<1.3 ただし、L・fW <6.2のとき
0.5<t1 /L<1.2 ただし、6.2<L・fW <9.2のとき
0.4<t1 /L<1.1 ただし、9.2<L・fW のとき
以上、ズームレンズ部について沈胴厚を薄くしつつも結像性能を良好にする手段を提供した。次に、フィルター類を薄くする件について言及する。電子撮像装置には通常赤外光が撮像面に入射しないように一定の厚みのある赤外吸収フィルターを撮像素子よりも物体側に挿入している。これを厚みのないコーティングに置き換えることを考える。当然その分薄くなる訳だが、副次的効果がある。ズームレンズ系後方にある撮像素子よりも物体側に、600nmでの透過率が80%以上、700nmでの透過率が10%以下の近赤外シャープカットコートを導入すると、吸収タイプよりも相対的に赤側の透過率が高くなり、補色モザイクフィルターを有するCCDの欠点である青紫側のマゼンタ化傾向がゲイン調整により緩和され、原色フィルターを有するCCD並みの色再現を得ることができる。一方、補色フィルターの場合、その透過光エネルギーの高さから原色フィルター付きCCDと比べ、実質的感度が高く、かつ解像的にも有利であるため、小型CCDを使用したときのメリットが大である。もう一方のフィルターである光学的ローパスフィルターについても、その総厚tLPF が以下の条件を満たすようにするとよい。
【0081】
(p) 0.15<tLPF /a<0.45 〔mm〕
ここで、aは電子撮像素子の水平画素ピッチ(単位μm)である。
【0082】
沈胴厚を薄くするには光学的ローパスフィルターを薄くすることも効果的であるが、一般的にはモアレ抑制効果が減少して好ましくない。一方、画素ピッチが小さくなるにつれて結像レンズ系の回折の影響により、ナイキスト限界以上の周波数成分のコントラストは減少し、モアレ抑制効果の減少はある程度許容されるようになる。例えば、像面上投影時の方位角度が水平(=0°)と±45°方向にそれぞれ結晶軸を有する3種類のフィルターを光軸方向に重ねて使用する場合、かなりモアレ抑制効果があることが知られている。この場合のフィルターが最も薄くなる仕様としては、水平にaμm、±45°方向にそれぞれSQRT(1/2) *aμmだけずらせるものが知られている。ここで、SQRTはスクエアルートであり平方根を意味する。このときのフィルター厚は、およそ[1+2*SQRT(1/2) ]*a/5.88(mm)となる。
【0083】
これは、ちょうどナイキスト限界に相当する周波数においてコントラストをゼロにする仕様である。これよりは数%乃至数十%程度薄くすると、ナイキスト限界に相当する周波数のコントラストが少し出てくるが、上記回折の影響で抑えることが可能になる。上記以外のフィルター仕様、例えは2枚重ねあるいは1枚で実施する場合も含めて、条件(p)を満足するのがよい。上限値の0.45を越えると、光学的ローパスフィルターが厚すぎ薄型化の妨げになる。下限値の0.15を越えると、モアレ除去が不十分になる。ただし、これを実施する場合のaの条件は5μm以下である。
【0084】
aが4μm以下なら、より回折の影響を受けやすいので、
(p' ) 0.13<tLPF /a<0.42 〔mm〕
としてもよい。また、以下のようにしてもよい。
【0085】
(p”)4μm以上:
0.3<tLPF /a<0.4 〔mm〕
(ただし、フィルターが3枚重ね、かつ、a<5μmのとき)
0.2<tLPF /a<0.28 〔mm〕
(ただし、フィルターが2枚重ね、かつ、a<5μmのとき)
0.1<tLPF /a<0.16 〔mm〕
(ただし、フィルターが1枚、かつ、a<5μmのとき)
4μm以下:
0.25<tLPF /a<0.37 〔mm〕
(ただし、フィルターが3枚重ね、かつ、a<4μmのとき)
0.16<tLPF /a<0.25 〔mm〕
(ただし、フィルターが2枚重ね、かつ、a<4μmのとき)
0.08<tLPF /a<0.14 〔mm〕
(ただし、フィルターが1枚、かつ、a<4μmのとき)
画素ピッチの小さな撮像素子を使用する場合、絞り込みによる回折効果の影響で画質が劣化する。しがって、開口サイズが固定の複数の開口を有し、その中の1つを第1群の最も像側のレンズ面と第3群の最も物体側のレンズ面の間の何れかの光路内に挿入でき、かつ、他のものと交換可能とすることで、像面照度を調節することができる電子撮像装置としておき、その複数の開口の中、一部の開口内に550nmに対する透過率がそれぞれ異なり、かつ、80%未満であるような媒体を有するようにして光量調節を行なうのがよい。あるいは、a(μm)/Fナンバー<0.4となるようなF値に相当する光量になるように調節を実施する場合は、開口内に550nmに対する透過率がそれぞれ異なりかつ80%未満の媒体を有する電子撮像装置とするのがよい。例えば、開放値から上記条件の範囲外ではその媒体なしかあるいは550nmに対する透過率が91%以上のダミー媒質としておき、範囲内のときは回折の影響が出る程に開口絞り径を小さくするのではなく、NDフィルターのようなもので光量調節するのがよい。
【0086】
また、その複数の開口をそれぞれ径をF値に反比例して小さくしたものにして揃えておき、NDフィルターの代わりにそれぞれ周波数特性の異なる光学的ローパスフィルターを開口内に入れておくのでもよい。絞り込むにつれて回折劣化が大きくなるので、開口径が小さくなる程光学的ローパスフィルターの周波数特性を高く設定しておく。
【0087】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のズームレンズの実施例1〜7について説明する。実施例1、3、7の無限遠物点合焦時の広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(c)でのレンズ断面図をそれぞれ図1〜図3に示す。実施例2、4〜6については、実施例1と同様であるので図示は省く。図1〜図3中、第1群はG1、第2群はG2、第3群はG3、光学的ローパスフィルターや電子撮像素子であるCCDのカバーガラス等の平行平面板群はF、CCDの像面はIで示してあり、平行平面板群Fは第3群G3と像面Iの間に固定配置されている。
【0088】
実施例1のズームレンズは、図1に示すように、負屈折力の第1群G1、正屈折力の第2群G2、正屈折力の第3群G3からなり、無限遠物点合焦時に広角端から望遠端に変倍する際は、第1群G1は一旦像面側へ移動しその後物体側に反転して移動し、望遠端では広角端の位置と略同じになり、第2群G2は物体側へ単調に移動して、第1群G1と第2群G2の間隔が小さくなり、第3群G3は像面側へ若干移動する。
【0089】
実施例1の第1群G1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ2枚と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとからなり、第2群G2は、絞りと、その後に配置された物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズの接合レンズと、両凸レンズとからなり、第3群G3は両凸レンズ1枚からなる。非球面は、第1群G1の物体側の負メニスカスレンズの像面側の面、第2群G2の接合レンズの物体側の面の2面に用いられている。
【0090】
実施例2のズームレンズは、実施例1と同様に、負屈折力の第1群G1、正屈折力の第2群G2、正屈折力の第3群G3からなり、無限遠物点合焦時に広角端から望遠端に変倍する際は、第1群G1は一旦像面側へ移動しその後物体側に反転して移動し、望遠端では広角端より若干像面側の位置になり、第2群G2は物体側へ単調に移動して、第1群G1と第2群G2の間隔が小さくなり、第3群G3は像面側へ若干移動する。
【0091】
各群G1〜G3のレンズ構成は実施例1と同様であるが、非球面は、第1群G1の像面側の負メニスカスレンズの物体側の面、第2群G2の接合レンズの物体側の面の2面に用いられている。
【0092】
実施例3のズームレンズは、図2に示すように、負屈折力の第1群G1、正屈折力の第2群G2、正屈折力の第3群G3からなり、無限遠物点合焦時に広角端から望遠端に変倍する際は、第1群G1は一旦像面側へ移動しその後物体側に反転して移動し、望遠端では広角端より若干像面側の位置になり、第2群G2は物体側へ単調に移動して、第1群G1と第2群G2の間隔が小さくなり、第3群G3は像面側へ若干移動する。
【0093】
実施例3の第1群G1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、両凹負レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとからなり、第2群G2は、絞りと、その後に配置された物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズの接合レンズと、両凸レンズとからなり、第3群G3は両凸レンズ1枚からなる。非球面は、第1群G1の負メニスカスレンズの物体側の面、第2群G2の接合レンズの物体側の面の2面に用いられている。
【0094】
実施例4のズームレンズは、実施例1と同様に、負屈折力の第1群G1、正屈折力の第2群G2、正屈折力の第3群G3からなり、無限遠物点合焦時に広角端から望遠端に変倍する際は、第1群G1は一旦像面側へ移動しその後物体側に反転して移動し、望遠端では広角端の位置と略同じになり、第2群G2は物体側へ単調に移動して、第1群G1と第2群G2の間隔が小さくなり、第3群G3は像面側へ若干移動する。
【0095】
各群G1〜G3のレンズ構成は実施例1と同様であるが、非球面は、第1群G1の像面側の負メニスカスレンズの物体側の面、第2群G2の接合レンズの物体側の面の2面に用いられている。
【0096】
実施例5、6のズームレンズは、実施例1と同様に、負屈折力の第1群G1、正屈折力の第2群G2、正屈折力の第3群G3からなり、無限遠物点合焦時に広角端から望遠端に変倍する際は、第1群G1は一旦像面側へ移動しその後物体側に反転して移動し、望遠端では広角端より若干像面側の位置になり、第2群G2は物体側へ単調に移動して、第1群G1と第2群G2の間隔が小さくなり、第3群G3は一旦像面側へ移動しその後若干物体側に移動する。
【0097】
各群G1〜G3のレンズ構成は実施例1と同様であるが、非球面は、第1群G1の像面側の負メニスカスレンズの物体側の面、第2群G2の接合レンズの物体側の面の2面に用いられている。
【0098】
実施例7のズームレンズは、図3に示すように、負屈折力の第1群G1、正屈折力の第2群G2、正屈折力の第3群G3からなり、無限遠物点合焦時に広角端から望遠端に変倍する際は、第1群G1は一旦像面側へ移動しその後物体側に反転して移動し、望遠端では広角端より若干像面側の位置になり、第2群G2は物体側へ単調に移動して、第1群G1と第2群G2の間隔が小さくなり、第3群G3は一旦物体側へ移動しその後若干像側に移動する。
【0099】
実施例7の第1群G1は、両凹負レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとからなり、第2群G2は、絞りと、その後に配置された物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズの接合レンズと、両凸レンズとからなり、第3群G3は両凸レンズ1枚からなる。非球面は、第1群G1の両凹負レンズの像面側の面、第2群G2の接合レンズの物体側の面の2面に用いられている。
【0100】
以下に、上記各実施例の数値データを示すが、記号は上記の外、fは全系焦点距離、FNOはFナンバー、ωは半画角、WEは広角端、STは中間状態、TEは望遠端、r1 、r2 …は各レンズ面の曲率半径、d1 、d2 …は各レンズ面間の間隔、nd1、nd2…は各レンズのd線の屈折率、νd1、νd2…は各レンズのアッベ数である。なお、非球面形状は、xを光の進行方向を正とした光軸とし、yを光軸と直交する方向にとると、下記の式にて表される。
【0101】
x=(y2 /r)/[1+{1−(K+1)(y/r)2 1/2 ]+A44 +A66 +A88 + A1010
ただし、rは近軸曲率半径、Kは円錐係数、A4、A6、A8、A10 はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数である。
【0102】
Figure 0004503884
Figure 0004503884
【0103】
Figure 0004503884
Figure 0004503884
【0104】
Figure 0004503884
Figure 0004503884
【0105】
Figure 0004503884
Figure 0004503884
【0106】
Figure 0004503884
Figure 0004503884
【0107】
Figure 0004503884
Figure 0004503884
【0108】
Figure 0004503884
Figure 0004503884
【0109】
上記実施例1の無限遠にフォーカシングした場合の収差図を図4に、第3群G3を移動することで撮影距離10cmにフォーカシングした場合の収差図を図5にそれぞれ示す。また、実施例2〜7の無限遠にフォーカシングした場合の収差図をそれぞれ図6〜図11に示す。これら収差図の(a)は広角端、(b)は中間状態、(c)は望遠端での収差を表し、“SA”は球面収差、“AS”は非点収差、“DT”は歪曲収差、“CC”は倍率色収差を示す。また、各収差図中、“FIY”は像高を示す。
【0110】
次に、上記各実施例1〜7における条件式(1)〜(5)、(a)〜(p)の値、及び、L(mm)とa(μm)の値を以下に示す。
【0111】
Figure 0004503884
なお、各実施例ではa=0.75としているが、各実施例共0.4<a<1.0〔μm)の範囲で使用可能である。
【0112】
さて、以上のような本発明のズームレンズは、ズームレンズで物体像を形成しその像をCCDや銀塩フィルムといった撮像素子に受光させて撮影を行う撮影装置、とりわけデジタルカメラやビデオカメラ、パソコン、電話、特に持ち運びに便利な携帯電話等に用いることができる。以下に、デジタルカメラに用いた場合を例示する。
【0113】
図12〜図14は、本発明によるのズームレンズをデジタルカメラの撮影光学系41に組み込んだ構成の概念図を示す。図12はデジタルカメラ40の外観を示す前方斜視図、図13は同後方斜視図、図14はデジタルカメラ40の構成を示す断面図である。デジタルカメラ40は、この例の場合、撮影用光路42を有する撮影光学系41、ファインダー用光路44を有するファインダー光学系43、シャッター45、フラッシュ46、液晶表示モニター47等を含み、カメラ40の上部に配置されたシャッター45を押圧すると、それに連動して撮影光学系41、例えば実施例1のズームレンズを通して撮影が行われる。撮影光学系41によって形成された物体像が、光学的ローパスフィルター等のフィルター類Fを介してCCD49の撮像面上に形成される。このCCD49で受光された物体像は、処理手段51を介し、電子画像としてカメラ背面に設けられた液晶表示モニター47に表示される。また、この処理手段51には記録手段52が接続され、撮影された電子画像を記録することもできる。なお、この記録手段52は処理手段51と別体に設けてもよいし、フロッピーディスクやメモリーカード、MO等により電子的に記録書込を行うように構成してもよい。また、CCD49に代わって銀塩フィルムを配置した銀塩カメラとして構成してもよい。
【0114】
さらに、ファインダー用光路44上にはファインダー用対物光学系53が配置してある。このファインダー用対物光学系53によって形成された物体像は、像正立部材であるポロプリズム55の視野枠57上に形成される。このポリプリズム55の後方には、正立正像にされた像を観察者眼球Eに導く接眼光学系59が配置されている。なお、撮影光学系41及びファインダー用対物光学系53の入射側、接眼光学系59の射出側にそれぞれカバー部材50が配置されている。
【0115】
このように構成されたデジタルカメラ40は、撮影光学系41が広画角で高変倍比であり、収差が良好で、明るく、フィルター等が配置できるバックフォーカスの大きなズームレンズであるので、高性能・低コスト化が実現できる。
【0116】
なお、図14の例では、カバー部材50として平行平面板を配置しているが、パワーを持ったレンズを用いてもよい。
【0117】
以上の本発明のズームレンズは、例えば次のように構成することができる。
【0118】
〔1〕 物体側より順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と正の屈折力を有する第2レンズ群と正の屈折力を有する第3レンズ群よりなり、無限遠物点合焦時に広角端から望遠端への変倍を、前記第2レンズ群の物体側のみへの移動と、前記第3レンズ群の前記第2レンズ群とは異なる量の移動により行うズームレンズにおいて、第2レンズ群が、物体側から順に、正レンズ・負レンズの順の接合レンズ及び正屈折力の単レンズで構成され、以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
【0119】
(1) −1.0<(R24+R25)/(R24−R25)<0.6
ただし、R24、R25はそれぞれ第2レンズ群の最も像側の正屈折力の単レンズの物体側の面及び像側の面の光軸上での曲率半径である。
【0120】
〔2〕 以下の条件を満足することを特徴とする上記1記載のズームレンズ。
【0121】
(2) 5<(R21+R23)/(R21−R23)<60
ただし、R21、R23はそれぞれ第2レンズ群の接合レンズの最も物体側の面と最も像側の面の光軸上での曲率半径である。
【0122】
〔3〕 以下の条件を満足することを特徴とする上記1又は2記載のズームレンズ。
【0123】
(3) 0.1<f23 /f30<1.2
(4) 0.01<d23×R23/t2 2 <0.5
ただし、f23とf30はそれぞれ第2レンズ群の像側の正屈折力の単レンズと第3レンズ群の焦点距離、d23は第2レンズ群の接合レンズの像側面と正レンズの物体側面との間隔、R23は第2レンズ群の接合レンズの像側面の光軸上での曲率半径、t2 は第2レンズ群の最も物体側の面から最も像側の面までの距離である。
【0124】
〔4〕 以下の条件を満足することを特徴とする上記1から3の何れか1項記載のズームレンズ。
【0125】
(5) 0.2<R22/fce<2
ただし、R22は第2レンズ群の接合レンズの接合面の曲率半径、fceは第2レンズ群の接合レンズの焦点距離である。
【0126】
〔5〕 広角端から望遠端に変倍する際、第3レンズ群は像側に凸の軌跡で動くことを特徴とする上記1から4の何れか1項記載のズームレンズ。
【0127】
〔6〕 前記第3レンズ群を移動することによりフォーカシングを行うことを特徴とする上記1から5の何れか1項記載のズームレンズ。
【0128】
〔7〕 前記第2レンズ群と一体で移動する絞りを有することを特徴とする上記1から6の何れか1項記載のズームレンズ。
【0129】
〔8〕 前記第2群の最も物体側のレンズ面は、非球面であることを特徴とする上記1から7の何れか1項記載のズームレンズ。
【0130】
〔9〕 条件(1)に代えて以下の条件(1’)を満足することを特徴とする上記1から8の何れか1項記載のズームレンズ。
【0131】
(1’) −0.7<(R24+R25)/(R24−R25)<0.34
〔10〕 前記第1レンズ群は非球面を1面のみ有し、前記第2レンズ群は非球面を1面のみ有し、前記第3レンズ群は球面レンズのみからなることを特徴とする上記1から9の何れか1項記載のズームレンズ。
【0132】
〔11〕 条件(2)に代えて以下の条件(2’)を満足することを特徴とする上記2記載のズームレンズ。
【0133】
(2’) 7<(R21+R23)/(R21−R23)<60
〔12〕 条件(3)に代えて以下の条件(3’)を満足することを特徴とする上記3記載のズームレンズ。
【0134】
(3’) 0.15<f23 /f30<1.0
〔13〕 条件(4)に代えて以下の条件(4’)を満足することを特徴とする上記3記載のズームレンズ。
【0135】
(4’) 0.05<d23×R23/t2 2 <0.3
〔14〕 条件(5)に代えて以下の条件(5’)を満足することを特徴とする上記4記載のズームレンズ。
【0136】
(5’) 0.3<R22/fce<1.6
〔15〕 以下の条件(a)を満足することを特徴とする上記1から14の何れか1項記載のズームレンズ。
【0137】
(a) 0.0<f2 /f23<1.3
ただし、f2 は第2レンズ群全体の合成焦点距離、f23は第2レンズ群の像側の正屈折力の単レンズの単体焦点距離である。
【0138】
〔16〕 以下の条件(b)を満足することを特徴とする上記1から15の何れか1項記載のズームレンズ。
【0139】
(b) 0.04<t2N/t2 <0.2
ただし、t2Nは第2レンズ群の接合レンズの物体側正レンズの像側の面から第2群の負レンズの像側の面までの光軸上の距離、t2 は第2レンズ群の最も物体側の面から最も像側の面までの距離である。
【0140】
〔17〕 ズーム比が2.3倍以上であり、以下の条件(d)、(e)を満足することを特徴とする上記1から16の何れか1項記載のズームレンズ。
【0141】
(d) 1.2<−β2t<2.0
(e) 1.6<f2 /fW <3.0
ただし、β2tは第2レンズ群の無限遠物点合焦時の望遠端における倍率、f2 は第2レンズ群の焦点距離、fW はズームレンズ全系の無限遠物点合焦時の広角端における焦点距離である。
【0142】
〔18〕 前記第1レンズ群が、物体側から順に、2枚以下の負レンズで構成される負レンズ群と1枚の正屈折力の単レンズからなる正レンズ群よりなり、前記負レンズ群は非球面を含むことを特徴とする上記1から17の何れか1項記載のズームレンズ又は撮像装置。
【0143】
〔19〕 前記第1レンズ群が以下の条件(f)、(g)を満足することを特徴とする上記18記載のズームレンズ。
【0144】
(f) −0.03<fW /R11<0.4
(g) 0.15<dNP/fW <1.0
ただし、R11は第1レンズ群の物体側から1番目のレンズ面の光軸上での曲率半径、dNPは第1レンズの負レンズ群と正レンズ群の光軸上での空気間隔、fW はズームレンズ全系の無限遠物点合焦時の広角端における焦点距離である。
【0145】
〔20〕 前記第1レンズ群が、物体側から順に、物体側に凸面を向けた2枚の負メニスカスレンズと1枚の正屈折力の単レンズからなり、該2枚の負メニスカスレンズの空気間隔に面した何れか一方の面が非球面であることを特徴とする上記1から17の何れか1項記載のズームレンズ。
【0146】
〔21〕 前記第1レンズ群が以下の条件(h)、(i)を満足することを特徴とする上記20記載のズームレンズ。
【0147】
(h) 0.4<R12/R13<1.3
(i) 0.02<dNN/fW <0.25
ただし、R12は第1レンズ群の物体側の負メニスカスレンズの像側のレンズ面の光軸上での曲率半径、R13は第1レンズ群の物体側から2番目の負メニスカスレンズの物体側のレンズ面の光軸上での曲率半径、dNNは2枚の負メニスカスレンズの空気間隔の光軸に沿った量、fW はズームレンズ全系の無限遠物点合焦時の広角端における焦点距離である。
【0148】
〔22〕 前記第1レンズ群が、物体側から順に、物体側に凸面を向けた1枚の負メニスカスレンズと1枚の正屈折力の単レンズからなり、以下の条件(j)、(k)を満足することを特徴とする上記1から17の何れか1項記載のズームレンズ。
【0149】
(j) −5.0<(R1P1 +R1P2 )/(R1P1 −R1P2 )<−1.3
(k) 1.7<nd1N <1.95
ただし、R1P1 とR1P2 はそれぞれ第1レンズ群の正屈折力の単レンズの物体側と像側のレンズ面の光軸上での曲率半径、nd1N は第1レンズ群の負メニスカスレンズの媒質の屈折率である。
【0150】
〔23〕 前記第1レンズ群が、物体側から順に、以下の条件(l)を満足する弱い屈折力の単レンズと、1枚の負の単レンズと、1枚の正の単レンズからなることを特徴とする上記1から17の何れか1項記載のズームレンズ。
【0151】
(l) −0.2<fW /f1*<0.3
ただし、f1*は第1レンズ群の弱い屈折力の単レンズの焦点距離、fW はズームレンズ全系の無限遠物点合焦時の広角端における焦点距離である。
【0152】
〔24〕 前記第3レンズ群が以下の条件(m)を満足する形状の正の単レンズのみで構成され、かつ、前記正の単レンズは両面が球面であることを特徴とする上記1から23の何れか1項記載のズームレンズ。
【0153】
(m) −1<(R31+R32)/(R31−R32)<1
ただし、R31とR32はそれぞれ第3レンズ群の正の単レンズの物体側と像側のレンズ面の光軸上での曲率半径である。
【0154】
〔25〕 上記1から24の何れか1項記載のズームレンズと、その像側に配された撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置。
【0155】
〔26〕 前記ズームレンズが以下の条件(c)を満足することを特徴とする上記25記載の撮像装置。
【0156】
(c) 0.5<t2 /L<1.2
ただし、t2 は第2レンズ群の最も物体側の面から最も像側の面までの距離、Lは撮像素子の有効撮像領域の対角長である。
【0157】
〔27〕 前記ズームレンズが以下の条件(n)、(o)を満足することを特徴とする上記25又は26記載の撮像装置。
【0158】
(n) 0.5<t2 /t1 <1.5
(o) 0.4<t1 /L<1.3
ただし、t1 は第1レンズ群の最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの光軸上での厚み、t2 は第2レンズ群の接合レンズの物体側のレンズ面から最も像側の正レンズの像側レンズ面までの光軸上での厚み、Lは撮像素子の有効撮像領域の対角長である。
【0159】
【発明の効果】
本発明により、沈胴厚が薄く収納性に優れ、かつ、高倍率で、リアフォーカスにおいても結像性能の優れたズームレンズを得ることができ、ビデオカメラやデジタルカメラの徹底的薄型化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のズームレンズの広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(c)のレンズ断面図である。
【図2】本発明の実施例3のズームレンズの図1と同様のレンズ断面図である。
【図3】本発明の実施例7のズームレンズの図1と同様のレンズ断面図である。
【図4】実施例1の無限遠にフォーカシングした場合の広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(c)の収差図である。
【図5】実施例1の撮影距離10cmにフォーカシングした場合の広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(c)の収差図である。
【図6】実施例2の図4と同様の収差図である。
【図7】実施例3の図4と同様の収差図である。
【図8】実施例4の図4と同様の収差図である。
【図9】実施例5の図4と同様の収差図である。
【図10】実施例6の図4と同様の収差図である。
【図11】実施例7の図4と同様の収差図である。
【図12】本発明によるズームレンズを組み込んだデジタルカメラの外観を示す前方斜視図である。
【図13】図12のデジタルカメラの後方斜視図である。
【図14】図12のデジタルカメラの断面図である。
【符号の説明】
G1…第1群
G2…第2群
G3…第3群
F…平行平面板群
I…CCDの像面
40…デジタルカメラ
41…撮影光学系
42…撮影用光路
43…ファインダー光学系
44…ファインダー用光路
45…シャッター
46…フラッシュ
47…液晶表示モニター
49…CCD
50…カバー部材
51…処理手段
52…記録手段
53…ファインダー用対物光学系
55…ポロプリズム
57…視野枠
59…接眼光学系

Claims (36)

  1. 物体側より順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と正の屈折力を有する第2レンズ群と正の屈折力を有する第3レンズ群よりなり、無限遠物点合焦時に広角端から望遠端への変倍を、前記第2レンズ群の物体側のみへの移動と、前記第3レンズ群の前記第2レンズ群とは異なる量の移動により行うズームレンズにおいて、前記第1レンズ群が、物体側から順に、2枚以下の負レンズで構成される負レンズ群と1枚の正屈折力の単レンズからなる正レンズ群よりなり、前記負レンズ群は非球面を含み、第2レンズ群が、物体側から順に、正レンズ・負レンズの順の接合レンズ及び正屈折力の単レンズで構成され、以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
    (1) −1.0<(R24+R25)/(R24−R25)<0.6
    (2"') 5<(R 21 +R 23 )/(R 21 −R 23 )≦19.10338
    ただし、R24、R25はそれぞれ第2レンズ群の最も像側の正屈折力の単レンズの物体側の面及び像側の面の光軸上での曲率半径、 21 、R 23 はそれぞれ第2レンズ群の接合レンズの最も物体側の面と最も像側の面の光軸上での曲率半径である。
  2. 物体側より順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と正の屈折力を有する第2レンズ群と正の屈折力を有する第3レンズ群よりなり、無限遠物点合焦時に広角端から望遠端への変倍を、前記第2レンズ群の物体側のみへの移動と、前記第3レンズ群の前記第2レンズ群とは異なる量の移動により行うズームレンズにおいて、前記第1レンズ群が、物体側から順に、2枚以下の負レンズで構成される負レンズ群と1枚の正屈折力の単レンズからなる正レンズ群よりなり、前記負レンズ群は非球面を含み、第2レンズ群が、物体側から順に、正レンズ・負レンズの順の接合レンズ及び正屈折力の単レンズで構成され、以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
    (1) −1.0<(R 24 +R 25 )/(R 24 −R 25 )<0.6
    (5’) 0.3<R 22 /f ce <1.6
    ただし、R 24 、R 25 はそれぞれ第2レンズ群の最も像側の正屈折力の単レンズの物体側の面及び像側の面の光軸上での曲率半径、R 22 は第2レンズ群の接合レンズの接合面の曲率半径、f ce は第2レンズ群の接合レンズの焦点距離である。
  3. 物体側より順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と正の屈折力を有する第2レンズ群と正の屈折力を有する第3レンズ群よりなり、無限遠物点合焦時に広角端から望遠端への変倍を、前記第2レンズ群の物体側のみへの移動と、前記第3レンズ群の前記第2レンズ群とは異なる量の移動により行うズームレンズにおいて、前記第1レンズ群が、物体側から順に、物体側に凸面を向けた1枚の負メニスカスレンズと1枚の正屈折力の単レンズからなり、第2レンズ群が、物体側から順に、正レンズ・負レンズの順の接合レンズ及び正屈折力の単レンズで構成され、以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
    (1) −1.0<(R 24 +R 25 )/(R 24 −R 25 )<0.6
    (2) 5<(R 21 +R 23 )/(R 21 −R 23 )<60
    (j) −5.0<(R 1P1 +R 1P2 )/(R 1P1 −R 1P2 )<−1.3
    (k) 1.7<n d1N <1.95
    ただし、R 24 、R 25 はそれぞれ第2レンズ群の最も像側の正屈折力の単レンズの物体側の面及び像側の面の光軸上での曲率半径、R 22 は第2レンズ群の接合レンズの接合面の曲率半径、R 21 、R 23 はそれぞれ第2レンズ群の接合レンズの最も物体側の面と最も像側の面の光軸上での曲率半径、R 1P1 とR 1P2 はそれぞれ第1レンズ群の正屈折力の単レンズの物体側と像側のレンズ面の光軸上での曲率半径、n d1N は第1レンズ群の負メニスカスレンズの媒質の屈折率である。
  4. 物体側より順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と正の屈折力を有する第2レンズ群と正の屈折力を有する第3レンズ群よりなり、無限遠物点合焦時に広角端から望遠端への変倍を、前記第2レンズ群の物体側のみへの移動と、前記第3レンズ群の前記第2レンズ群とは異なる量の移動により行うズームレンズにおいて、前記第1レンズ群が、物体側から順に、物体側に凸面を向けた1枚の負メニスカスレンズと1枚の正屈折力の単レンズからなり、第2レンズ群が、物体側から順に、正レンズ・負レンズの順の接合レンズ及び正屈折力の単レンズで構成され、以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
    (1) −1.0<(R 24 +R 25 )/(R 24 −R 25 )<0.6
    (5) 0.2<R 22 /f ce <2
    (j) −5.0<(R 1P1 +R 1P2 )/(R 1P1 −R 1P2 )<−1.3
    (k) 1.7<n d1N <1.95
    ただし、R 24 、R 25 はそれぞれ第2レンズ群の最も像側の正屈折力の単レンズの物体側の面及び像側の面の光軸上での曲率半径、R 22 は第2レンズ群の接合レンズの接合面の曲率半径、f ce は第2レンズ群の接合レンズの焦点距離、R 1P1 とR 1P2 はそれぞれ第1レンズ群の正屈折力の単レンズの物体側と像側のレンズ面の光軸上での曲率半径、n d1N は第1レンズ群の負メニスカスレンズの媒質の屈折率である。
  5. 物体側より順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と正の屈折力を有する第2レンズ群と正の屈折力を有する第3レンズ群よりなり、無限遠物点合焦時に広角端から望遠端への変倍を、前記第2レンズ群の物体側のみへの移動と、前記第3レンズ群の前記第2レンズ群とは異なる量の移動により行うズームレンズにおいて、第2レンズ群が、物体側から順に、正レンズ・負レンズの順の接合レンズ及び正屈折力の単レンズで構成され、前記第3レンズ群が正の単レンズのみで構成され、かつ、前記第3レンズ群の前記正の単レンズは両面が球面であり、以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
    (1) −1.0<(R 24 +R 25 )/(R 24 −R 25 )<0.6
    (2) 5<(R 21 +R 23 )/(R 21 −R 23 )<60
    (m) −1<(R 31 +R 32 )/(R 31 −R 32 )<1
    ただし、R 24 、R 25 はそれぞれ第2レンズ群の最も像側の正屈折力の単レンズの物体側の面及び像側の面の光軸上での曲率半径、R 21 、R 23 はそれぞれ第2レンズ群の接合レンズの最も物体側の面と最も像側の面の光軸上での曲率半径、R 31 とR 32 はそれぞれ第3レンズ群の正の単レンズの物体側と像側のレンズ面の光軸上での曲率半径である。
  6. 物体側より順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と正の屈折力を有する第2レンズ群と正の屈折力を有する第3レンズ群よりなり、無限遠物点合焦時に広角端から望遠端への変倍を、前記第2レンズ群の物体側のみへの移動と、前記第3レンズ群の前記第2レンズ群とは異なる量の移動により行うズームレンズにおいて、第2レンズ群が、物体側から順に、正レンズ・負レンズの順の接合レンズ及び正屈折力の単レンズで構成され、前記第3レンズ群が正の単レンズのみで構成され、かつ、前記第3レンズ群の前記正の単レンズは両面が球面であり、以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
    (1) −1.0<(R 24 +R 25 )/(R 24 −R 25 )<0.6
    (5) 0.2<R 22 /f ce <2
    (m) −1<(R 31 +R 32 )/(R 31 −R 32 )<1
    ただし、R 24 、R 25 はそれぞれ第2レンズ群の最も像側の正屈折力の単レンズの物体側の面及び像側の面の光軸上での曲率半径、R 22 は第2レンズ群の接合レンズの接合面の曲率半径、f ce は第2レンズ群の接合レンズの焦点距離、R 31 とR 32 はそれぞれ第3レンズ群の正の単レンズの物体側と像側のレンズ面の光軸上での曲率半径である。
  7. ズームレンズと、その像側に配された撮像素子とを有する撮像装置において、前記ズームレンズが、物体側より順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と正の屈折力を有する第2レンズ群と正の屈折力を有する第3レンズ群よりなり、無限遠物点合焦時に広角端から望遠端への変倍を、前記第2レンズ群の物体側のみへの移動と、前記第3レンズ群の前記第2レンズ群とは異なる量の移動により行い、第2レンズ群が、物体側から順に、正レンズ・負レンズの順の接合レンズ及び正屈折力の単レンズで構成され、以下の条件式を満足することを特徴とする撮像装置。
    (1) −1.0<(R 24 +R 25 )/(R 24 −R 25 )<0.6
    (2) 5<(R 21 +R 23 )/(R 21 −R 23 )<60
    (n"') 0.77586≦t 2 /t 1 <1.5
    (o) 0.4<t 1 /L<1.3
    ただし、R 24 、R 25 はそれぞれ第2レンズ群の最も像側の正屈折力の単レンズの物体側の面及び像側の面の光軸上での曲率半径、R 21 、R 23 はそれぞれ第2レンズ群の接合レンズの最も物体側の面と最も像側の面の光軸上での曲率半径、t 1 は第1レンズ群の最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの光軸上での厚み、t 2 は第2レンズ群の接合レンズの物体側のレンズ面から最も像側の正レンズの像側レンズ面までの光軸上での厚み、Lは撮像素子の有効撮像領域の対角長である。
  8. ズームレンズと、その像側に配された撮像素子とを有する撮像装置において、前記ズームレンズが、物体側より順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と正の屈折力を有する第2レンズ群と正の屈折力を有する第3レンズ群よりなり、無限遠物点合焦時に広角端から望遠端への変倍を、前記第2レンズ群の物体側のみへの移動と、前記第3レンズ群の前記第2レンズ群とは異なる量の移動により行い、第2レンズ群が、物体側から順に、正レンズ・負レンズの順の接合レンズ及び正屈折力の単レンズで構成され、以下の条件式を満足することを特徴とする撮像装置。
    (1) −1.0<(R 24 +R 25 )/(R 24 −R 25 )<0.6
    (5) 0.2<R 22 /f ce <2
    (n"') 0.77586≦t 2 /t 1 <1.5
    (o) 0.4<t 1 /L<1.3
    ただし、R 24 、R 25 はそれぞれ第2レンズ群の最も像側の正屈折力の単レンズの物体側の面及び像側の面の光軸上での曲率半径、R 22 は第2レンズ群の接合レンズの接合面の曲率半径、f ce は第2レンズ群の接合レンズの焦点距離、t 1 は第1レンズ群の最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの光軸上での厚み、t 2 は第2レンズ群の接合レンズの物体側のレンズ面から最も像側の正レンズの像側レンズ面までの光軸上での厚み、Lは撮像素子の有効撮像領域の対角長である。
  9. 物体側より順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と正の屈折力を有する第2レンズ群と正の屈折力を有する第3レンズ群よりなり、無限遠物点合焦時に広角端から望遠端への変倍を、前記第2レンズ群の物体側のみへの移動と、前記第3レンズ群の前記第2レンズ群とは異なる量の移動により行うズームレンズにおいて、前記第1レンズ群が、物体側から順に、物体側に凸面を向けた2枚の負メニスカスレンズと1枚の正屈折力の単レンズからなり、該2枚の負メニスカスレンズの空気間隔に面した何れか一方の面が非球面であり、第2レンズ群が、物体側から順に、正レンズ・負レンズの順の接合レンズ及び正屈折力の単レンズで構成され、以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
    (1) −1.0<(R 24 +R 25 )/(R 24 −R 25 )<0.6
    ただし、R 24 、R 25 はそれぞれ第2レンズ群の最も像側の正屈折力の単レンズの物体側の面及び像側の面の光軸上での曲率半径である。
  10. 物体側より順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と正の屈折力を有する第2レンズ群と正の屈折力を有する第3レンズ群よりなり、無限遠物点合焦時に広角端から望遠端への変倍を、前記第2レンズ群の物体側のみへの移動と、前記第3レンズ群の前記第2レンズ群とは異なる量の移動により行うズームレンズにおいて、前記第1レンズ群が、物体側から順に、弱い屈折力の単レンズと、1枚の負の単レンズと、1枚の正の単レンズからなり、第2レンズ群が、物体側から順に、正レンズ・負レンズの順の接合レンズ及び正屈折力の単レンズで構成され、以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
    (1) −1.0<(R 24 +R 25 )/(R 24 −R 25 )<0.6
    (l) −0.2<f W /f 1* <0.3
    ただし、R 24 、R 25 はそれぞれ第2レンズ群の最も像側の正屈折力の単レンズの物体側の面及び像側の面の光軸上での曲率半径、f 1* は第1レンズ群の弱い屈折力の単レンズの焦点距離、f W はズームレンズ全系の無限遠物点合焦時の広角端における焦点距離である。
  11. 以下の条件を満足することを特徴とする請求項2、4、6、9、10の何れか1項記載のズームレンズ。
    (2) 5<(R21+R23)/(R21−R23)<60
    ただし、R21、R23はそれぞれ第2レンズ群の接合レンズの最も物体側の面と最も像側の面の光軸上での曲率半径である。
  12. 以下の条件を満足することを特徴とする請求項1から6、9から11の何れか1項記載のズームレンズ。
    (3) 0.1<f23 /f30<1.2
    (4) 0.01<d23×R23/t2 2 <0.5
    ただし、f23とf30はそれぞれ第2レンズ群の像側の正屈折力の単レンズと第3レンズ群の焦点距離、d23は第2レンズ群の接合レンズの像側面と正レンズの物体側面との間隔、R23は第2レンズ群の接合レンズの像側面の光軸上での曲率半径、t2 は第2レンズ群の最も物体側の面から最も像側の面までの距離である。
  13. 以下の条件を満足することを特徴とする請求項1、3、5、9から12の何れか1項記載のズームレンズ。
    (5) 0.2<R22/fce<2
    ただし、R22は第2レンズ群の接合レンズの接合面の曲率半径、fceは第2レンズ群の接合レンズの焦点距離である。
  14. 広角端から望遠端に変倍する際、第3レンズ群は像側に凸の軌跡で動くことを特徴とする請求項1から5、9から13の何れか1項記載のズームレンズ。
  15. 前記第3レンズ群を移動することによりフォーカシングを行うことを特徴とする請求項1から6、9から14の何れか1項記載のズームレンズ。
  16. 前記第2レンズ群と一体で移動する絞りを有することを特徴とする請求項1から6、9から15の何れか1項記載のズームレンズ。
  17. 前記第2群の最も物体側のレンズ面は、非球面であることを特徴とする請求項1から6、9から16の何れか1項記載のズームレンズ。
  18. 条件(1)に代えて以下の条件(1’)を満足することを特徴とする請求項1から6、9から17の何れか1項記載のズームレンズ。
    (1’) −0.7<(R24+R25)/(R24−R25)<0.34
  19. 前記第1レンズ群は非球面を1面のみ有し、前記第2レンズ群は非球面を1面のみ有し、前記第3レンズ群は球面レンズのみからなることを特徴とする請求項1から6、9から18の何れか1項記載のズームレンズ。
  20. 条件(2)に代えて以下の条件(2’)を満足することを特徴とする請求項3、5、11の何れか1項記載のズームレンズ。
    (2’) 7<(R21+R23)/(R21−R23)<60
  21. 条件(3)に代えて以下の条件(3’)を満足することを特徴とする請求項12記載のズームレンズ。
    (3’) 0.15<f23 /f30<1.0
  22. 条件(4)に代えて以下の条件(4’)を満足することを特徴とする請求項12記載のズームレンズ。
    (4’) 0.05<d23×R23/t2 2 <0.3
  23. 条件(5)に代えて以下の条件(5’)を満足することを特徴とする請求項4、6又は13の何れか1項記載のズームレンズ。
    (5’) 0.3<R22/fce<1.6
  24. 以下の条件(a)を満足することを特徴とする請求項1から6、9から23の何れか1項記載のズームレンズ。
    (a) 0.0<f2 /f23<1.3
    ただし、f2 は第2レンズ群全体の合成焦点距離、f23は第2レンズ群の像側の正屈折力の単レンズの単体焦点距離である。
  25. 以下の条件(b)を満足することを特徴とする請求項1から6、9から24の何れか1項記載のズームレンズ。
    (b) 0.04<t2N/t2 <0.2
    ただし、t2Nは第2レンズ群の接合レンズの物体側正レンズの像側の面から第2群の負レンズの像側の面までの光軸上の距離、t2 は第2レンズ群の最も物体側の面から最も像側の面までの距離である。
  26. ズーム比が2.3倍以上であり、以下の条件(d)、(e)を満足することを特徴とする請求項1から6、9から25の何れか1項記載のズームレンズ。
    (d) 1.2<−β2t<2.0
    (e) 1.6<f2 /fW <3.0
    ただし、β2tは第2レンズ群の無限遠物点合焦時の望遠端における倍率、f2 は第2レンズ群の焦点距離、fW はズームレンズ全系の無限遠物点合焦時の広角端における焦点距離である。
  27. 前記第1レンズ群が、物体側から順に、2枚以下の負レンズで構成される負レンズ群と1枚の正屈折力の単レンズからなる正レンズ群よりなり、前記負レンズ群は非球面を含むことを特徴とする請求項5又は6記載のズームレンズ。
  28. 前記第1レンズ群が以下の条件(f)、(g)を満足することを特徴とする請求項1、2、27の何れか1項記載のズームレンズ。
    (f) −0.03<fW /R11<0.4
    (g) 0.15<dNP/fW <1.0
    ただし、R11は第1レンズ群の物体側から1番目のレンズ面の光軸上での曲率半径、dNPは第1レンズの負レンズ群と正レンズ群の光軸上での空気間隔、fW はズームレンズ全系の無限遠物点合焦時の広角端における焦点距離である。
  29. 前記第1レンズ群が、物体側から順に、物体側に凸面を向けた2枚の負メニスカスレンズと1枚の正屈折力の単レンズからなり、該2枚の負メニスカスレンズの空気間隔に面した何れか一方の面が非球面であることを特徴とする請求項5又は6記載のズームレンズ。
  30. 前記第1レンズ群が以下の条件(h)、(i)を満足することを特徴とする請求項9又は29記載のズームレンズ。
    (h) 0.4<R12/R13<1.3
    (i) 0.02<dNN/fW <0.25
    ただし、R12は第1レンズ群の物体側の負メニスカスレンズの像側のレンズ面の光軸上での曲率半径、R13は第1レンズ群の物体側から2番目の負メニスカスレンズの物体側のレンズ面の光軸上での曲率半径、dNNは2枚の負メニスカスレンズの空気間隔の光軸に沿った量、fW はズームレンズ全系の無限遠物点合焦時の広角端における焦点距離である。
  31. 前記第1レンズ群が、物体側から順に、物体側に凸面を向けた1枚の負メニスカスレンズと1枚の正屈折力の単レンズからなり、以下の条件(j)、(k)を満足することを特徴とする請求項5又は6記載のズームレンズ。
    (j) −5.0<(R1P1 +R1P2 )/(R1P1 −R1P2 )<−1.3
    (k) 1.7<nd1N <1.95
    ただし、R1P1 とR1P2 はそれぞれ第1レンズ群の正屈折力の単レンズの物体側と像側のレンズ面の光軸上での曲率半径、nd1N は第1レンズ群の負メニスカスレンズの媒質の屈折率である。
  32. 前記第1レンズ群が、物体側から順に、以下の条件(l)を満足する弱い屈折力の単レンズと、1枚の負の単レンズと、1枚の正の単レンズからなることを特徴とする請求項5又は6記載のズームレンズ。
    (l) −0.2<fW /f1*<0.3
    ただし、f1*は第1レンズ群の弱い屈折力の単レンズの焦点距離、fW はズームレンズ全系の無限遠物点合焦時の広角端における焦点距離である。
  33. 前記第3レンズ群が以下の条件(m)を満足する形状の正の単レンズのみで構成され、かつ、前記正の単レンズは両面が球面であることを特徴とする請求項1から4、9から32の何れか1項記載のズームレンズ。
    (m) −1<(R31+R32)/(R31−R32)<1
    ただし、R31とR32はそれぞれ第3レンズ群の正の単レンズの物体側と像側のレンズ面の光軸上での曲率半径である。
  34. 請求項1から6、9から33の何れか1項記載のズームレンズと、その像側に配された撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置。
  35. 前記ズームレンズが以下の条件(c)を満足することを特徴とする請求項7、8、34の何れかに1項記載の撮像装置。
    (c) 0.5<t2 /L<1.2
    ただし、t2 は第2レンズ群の最も物体側の面から最も像側の面までの距離、Lは撮像素子の有効撮像領域の対角長である。
  36. 前記ズームレンズが以下の条件(n)、(o)を満足することを特徴とする請求項34又は35記載の撮像装置。
    (n) 0.5<t2 /t1 <1.5
    (o) 0.4<t1 /L<1.3
    ただし、t1 は第1レンズ群の最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの光軸上での厚み、t2 は第2レンズ群の接合レンズの物体側のレンズ面から最も像側の正レンズの像側レンズ面までの光軸上での厚み、Lは撮像素子の有効撮像領域の対角長である。
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