JP2003149209A - 渦電流探傷用プローブとそのプローブを用いた渦電流探傷装置 - Google Patents
渦電流探傷用プローブとそのプローブを用いた渦電流探傷装置Info
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Abstract
い範囲の探傷を可能にすること及びリフトオフ雑音を小
さくすこと。 【解決手段】 矩形状の励磁コイルCe内に、n個の検
出コイルCd1〜Cdnを配置し、検出コイルに発生す
るキズ信号の振幅波形の極性を比較してキズの位置を評
価する。またキズ信号の位相により、キズの深さ及び検
査体の表面のキズか、裏面のキズかを評価する。検出コ
イルCd1〜Cdnは、励磁コイルCe内に配置するか
ら、キズに起因する渦電流が発生しているときのみ起電
力を発生する。
Description
ローブとそのプローブを用いた渦電流探傷装置に関す
る。
のプローブを説明する。渦電流により金属板等のキズを
探傷する渦電流探傷装置には、図10(a)のパンケー
キ状コイルCpを用いた自己誘導型上置プローブが使用
されている。コイルCpは、励磁コイルと検出コイルを
兼ねている。コイルCpを金属板等の検査体上に上置
し、コイルCpに励磁電流を流すと、検査体に渦電流I
が発生し、その渦電流Iは、コイルCpに起電力を発生
する。コイルCpの直下の検査体にキズがあるときは、
渦電流Iは、そのキズの部分で変化するため、コイルC
pの起電力も変化する。渦電流探傷装置は、その起電力
の変化を検知してキズを評価している。
キズによる渦電流Iの変化に起因する起電力、いわゆる
キズ信号とが同時に発生する。一方コイルCpと検査体
との相対距離(以下リフトオフと呼ぶ)が変化すると、
渦電流Iも変化して、いわゆるリフトオフ雑音を発生す
るため、キズの評価精度が低下する。キズの探傷には、
プローブを検査体に沿って移動しなければならないた
め、リフトオフの変化は避けがたく、特に長いキズの場
合には、リフトオフの変化をなくすことは困難である。
ブのリフトオフ雑音を低減するため、図10(b)のプ
ローブが提案されている。図10(b)のプローブは、
矩形状の励磁コイルCe内に縦置き型の検出コイルCd
を配置してある。励磁コイルCeに励磁電流を流すと、
検査体には励磁コイルCeの巻線に沿って渦電流Iが発
生する。この場合、検出コイルCdは、渦電流Iの内側
に配置されているから、検出コイルCdには、渦電流I
により起電力は発生しない。したがって図10(b)の
プローブは、リフトオフ雑音の影響を受けることがな
い。
0(b)のプローブによって検査体、例えば圧延材等の
キズを探傷する場合、圧延材等の全面にわたってプロー
ブを走査しなければならないから、探傷に長時間を要す
る。また、プローブを走査する際、図10(a)のプロ
ーブの場合には、リフトオフ雑音の影響が大きくなる。
本願発明は、これらの問題点を改善するため、リフトオ
フ雑音の影響がない図10(b)のプローブを用いて、
探傷時間が短く、かつキズの評価が容易なプローブと、
そのプローブを用いた渦電流探傷装置の提供を目的とす
る。
プローブは、励磁コイル内に、複数の縦置き型の検出コ
イルを配置し、各検出コイルは、独立して出力を発生す
ることを特徴とする渦電流探傷用プローブ。本願発明の
渦電流探傷用プローブは、前記渦電流探傷用プローブに
おいて、励磁コイルは、矩形状であることを特徴とす
る。本願発明の渦電流探傷装置は、矩形状の励磁コイル
内に、複数の縦置き型の検出コイルを配置し、各検出コ
イルは、独立して出力を発生するプローブ、そのプロー
ブの各検出コイルのキズ信号を検出するキズ信号検出
器、キズ信号検出器のキズ信号により検査体のキズを評
価するキズ評価器とを備えていることを特徴とする。本
願発明の渦電流探傷装置は、前記渦電流探傷装置におい
て、キズ評価器は、キズ信号の振幅波形を表示すること
を特徴とする。本願発明の渦電流探傷装置は、前記渦電
流探傷装置において、キズ評価器は、キズ信号の位相を
表示することを特徴とする。本願発明の渦電流探傷装置
は、前記渦電流探傷装置において、キズ評価器は、キズ
信号の位相に基づきキズの深さ、及び検査体の表面のキ
ズか、裏面のキズかを表示することを特徴とする渦電流
探傷装置。
の実施の形態を説明する。なお各図に共通の部分は、同
じ符号を使用している。
ーブの構成を示す。図1(a)は、プローブの平面図、
図1(b)は、図1(a)のX1−X1部分の断面図、
図1(c),(d)は、プローブを構成するコイルの斜
視図である。プローブは、図1(a),(b)のよう
に、矩形状の励磁コイルCe内に、縦置き型の検出コイ
ルCd1〜Cdnを、所定間隔で配置してある。検出コ
イルCd1〜Cdnは、巻き方向が同じで、検出コイル
毎に独立してキズ信号を発生する。励磁コイルCeは、
図1(c)のように矩形状に巻線を施してある。また検
出コイルCd1〜Cdnの各検出コイルは、図1(d)
の検出コイルCdのように矩形状に巻線を施してある。
を説明する図である。図2(a)のように、検査体Tに
励磁コイルCeを上置すると、検査体Tには、図2
(b)のように、励磁コイルCeの巻線に沿って渦電流
Iが発生する。検査体TにキズTFがあるときは、図2
(c)のように、キズTFに起因する渦電流i1,i2
が発生する。渦電流i1,i2は、キズTFの両側を逆
方向に流れる。
1〜Cdnのキズ信号を検証するため、1個の検出コイ
ルCdを走査し、その走査によって検出コイルCdに発
生するキズ信号の振幅波形を示す。図3(a)は、検出
コイルCdの走査方向を、図3(b)は、検出コイルC
dの走査により検出コイルCdに発生するキズ信号の振
幅波形を示す。図3(b)の横軸は、検出コイルCdの
走査距離を、縦軸は、キズ信号の最大振幅で正規化した
振幅を表している。
ルCeと検出コイルCdを上置し、検出コイルCdをキ
ズTFと直交する矢印方向に走査すると、検出コイルC
dには、まず渦電流i2により起電力が発生し、いわゆ
るキズ信号が発生る。検出コイルCdがキズTFの真上
に進むと、検出コイルCdには、渦電流i1,i2によ
り逆方向の起電力が発生するため、キズ信号は発生しな
い。検出コイルCdがさらに進み、キズTFを外れる
と、検出コイルCdには、渦電流i1によりキズ信号が
発生する。検出コイルCdに発生するキズ信号の振幅波
形は、検出コイルCdの走査位置により、図3(b)の
ように変化する。なお渦電流i1,i2によって発生す
るキズ信号は、逆極性になるが、図3(b)は、同極性
で表示してある。またL1,L2は、キズ信号の振幅が
最大振幅の2分の1以上になる範囲を示す。
よってキズ信号が発生するが、図2の渦電流Iによる起
電力は発生しない。即ち検出コイルCdには、キズTF
に起因して発生する渦電流i1,i2によってのみ出力
を発生するから、検出コイルCdの出力は、リフトオフ
の変化の影響を受けない。したがって、検出コイルCd
のキズ信号は、従来のパンケーキ型プローブのようにリ
フトオフ雑音の影響を受けることがない。S/Nは、従
来のパンケーキ型プローブが0.4程度であるのに対し
て、本実施の形態のプローブは、12.4程度になる。
をした。励磁コイルCeは、長さ20mm、幅9mm、
巻線断面1×1mm2のものを、検出コイルCdは、幅
7mm、高さ9mm、巻線断面1×1mm2のものを用
い、また検査体Tは、160×160×1.5mm3の
黄銅平板を用い、その黄銅平板に長さ15mm、幅0.
5mmのキズTFを形成して、キズTFの評価を行っ
た。なお励磁信号の周波数は、20kHzに設定した。
るが、図3(b)は、キズTFの深さが黄銅平板の厚み
の80%のときの振幅波形である。また図3(b)のL
1,L2は、約4.5mmである。仮に検出コイルCd
の検出範囲をL1,L2に設定する場合には、図1の検
出コイルCd1〜Cdnの各コイルの間隔は、4.5m
m程度に設定すればよい。
dnの位置関係を示し、図5〜図7は、図4のプローブ
をキズTFと平行する矢印方向へ走査したとき、検出コ
イルCd1〜Cdnに発生するキズ信号の振幅波形を示
す。図4(a)は、キズTFが、検出コイルCd2の真
下にある場合、図4(b)は、キズTFが、検出コイル
Cd1と検出コイルCd2との中間にある場合、図4
(c)は、キズTFが、検出コイルCd2と検出コイル
Cd3との中間にある場合を示す。図5〜図7の横軸
は、プローブの走査距離を、縦軸は、キズ信号の最大振
幅で正規化した振幅を表している。また図5〜図7にお
いて、(a)は、図4の検出コイルCd1のキズ信号
を、(b)は、検出コイルCd2のキズ信号を、(c)
は、検出コイルCd3のキズ信号を示す。
は、渦電流i1,i2により逆極性の起電力が発生する
から、キズ信号は発生しないが、検出コイルCd1に
は、渦電流i1により、また検出コイルCd3には、渦
電流i2によりそれぞれ逆極性のキズ信号が発生する。
図4(a)の位置にあるプローブを、キズTFと平行に
矢印方向へ走査すると、検出コイルCd1,Cd2,C
d3に発生するキズ信号の振幅波形は、図5のようにな
る。図5の場合には、検出コイルCd1,Cd3のキズ
信号は極性が逆になり、検出コイルCd2にはキズ信号
が発生しないから、検出コイルCd1,Cd2,Cd3
のキズ信号の極性と信号の有無により、キズTFの位置
を評価することができる。
は、渦電流i1により、また検出コイルCd2には、渦
電流i2によりそれぞれ逆極性のキズ信号が発生する
が、検出コイルCd3には、キズ信号は発生しない。図
4(b)の位置にあるプローブを、キズTFと平行に矢
印方向へ走査すると、検出コイルCd1,Cd2,Cd
3に発生するキズ信号の振幅波形は、図6のようにな
る。図6の場合には、検出コイルCd1,Cd2のキズ
信号は、逆極性であるから、検出コイルCd1,Cd2
のキズ信号の極性により、キズTFの位置を評価するこ
とができる。
は、渦電流i1により、また検出コイルCd3には、渦
電流i2によりそれぞれ逆極性のキズ信号が発生する
が、検出コイルCd1には、キズ信号は発生しない。図
4(c)の位置にあるプローブを、キズTFと平行に矢
印方向へ走査すると、検出コイルCd1,Cd2,Cd
3に発生するキズ信号の振幅波形は、図7のようにな
る。図7の場合には、検出コイルCd2,Cd3のキズ
信号は、逆極性であるから、検出コイルCd2,Cd3
のキズ信号の極性により、キズTFの位置を評価するこ
とができる。
両側にある検出コイルのキズ信号は、極性が逆になるか
ら、検出コイルCd1〜Cdnのキズ信号の極性を比較
することにより、簡単にTFの位置を評価することがで
きる。
ぞれに発生するキズ信号の位相とキズの深さとの関係を
示す。グラフFは、キズTFが検査体Tの表面、即ち励
磁コイルCeと対向する面にあるときのキズ信号の位相
とキズの深さとの関係を示し、グラフBは、キズTFが
検査体Tの裏面にあるときのキズ信号の位相とキズの深
さとの関係を示す。
信号は、キズTFの深さにより、またキズが検査体Tの
表面にあるか、裏面にあるかにより位相が異なるから、
前記のようにキズ信号の振幅波形によりキズTFの位置
を評価し、キズ信号の位相により、キズTFの深さ及び
表面のキズか、裏面のキズかを判別することができる。
探傷装置のブロック図である。渦電流探傷装置は、金属
板等の検査体Tに上置するプローブ2、そのプローブ2
に励磁電流を供給する励磁電流供給器1、プローブ2に
発生するキズ信号を検出するキズ信号検出器3、及びキ
ズ信号検出器3のキズ信号に基づいてキズの位置、深
さ、及び検査体の表面のキズか、裏面のキズを評価する
キズ評価器から成る。
検出コイルCd1〜Cdnには、検査体Tのキズに起因
して発生する渦電流i1,i2により発生する起電力に
より、キズ信号が発生する。キズ信号検出器3は、検出
コイルCd1〜Cdnの夫々のキズ信号の波形や位相を
検出し、キズ評価器4に表示する。キズ評価器4は、デ
ィスプレイやレコーダー等を備えている。キズ評価器4
に表示される検出コイルCd1〜Cdnのキズ信号の波
形や位相から、キズの位置、深さ、及び検査体の表面の
キズか、裏面のキズか等を評価することができる。キズ
の深さ及び検査体の表面のキズか、裏面のキズかの評価
は、キズ信号検出器3により検出されたキズ信号の位相
と図8の関係を利用し、キズの深さ等を直接表示して行
うこともできる。
イルを用いたが、矩形に限らず、三角形、円形等であっ
てもよい。
ル内に、複数の検出コイルを配置してあるから、一個の
プローブで広い範囲のキズを探傷することができる。し
たがって本願発明の渦電流探傷装置は、従来のプローブ
を用いた渦電流探傷装置に比べ、探傷時間を短縮でき、
探傷作業を効率的に行うことができる。かつ本願発明の
渦電流探傷装置は、複数の検出コイルのキズ信号の振幅
波形を比較して、極性の反転箇所を判別するだけでキズ
の位置を評価できるから、評価作業が簡単になる。また
本願発明の渦電流探傷装置は、前記のようにキズ信号の
振幅波形によりキズの位置を評価するとともに、キズ信
号の位相によりキズの深さ及び検査体の表面のキズか、
裏面のキズかも評価することができる。
状のコイルを使用するから、励磁コイル内に配置する検
出コイルの個数に関係なく、励磁コイルの幅は、一定に
することができる。したがって本願発明のプローブは、
幅を狭くすることができ、小型にできる。また本願発明
のプローブの励磁コイルは、励磁コイル内に配置する検
出コイルの個数に関係なく、1個でよいから、プローブ
の構造が簡単になる。本願発明のプローブは、励磁コイ
ル内に検出コイルを配置するから、検出コイルは、キズ
に起因する渦電流のみを検知する。したがって本願発明
のプローブは、リフトオフ雑音の影響を受けることな
く、高い精度でキズを評価できる。
図、断面、斜視図である。
を説明する図である。
号の振幅波形を示す図である。
イルと検査体のキズとの位置関係を示す図である。
キズ信号波形を示す図である。
キズ信号波形を示す図である。
キズ信号波形を示す図である。
号の位相とキズの深さとの関係を示す図である。
ブロック図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 励磁コイル内に、複数の縦置き型の検出
コイルを配置し、各検出コイルは、独立して出力を発生
することを特徴とする渦電流探傷用プローブ。 - 【請求項2】 請求項1に記載の渦電流探傷用プローブ
において、励磁コイルは、矩形状であることを特徴とす
る渦電流探傷用プローブ。 - 【請求項3】 矩形状の励磁コイル内に、複数の縦置き
型の検出コイルを配置し、各検出コイルは、独立して出
力を発生するプローブ、そのプローブの各検出コイルの
キズ信号を検出するキズ信号検出器、キズ信号検出器の
キズ信号により検査体のキズを評価するキズ評価器とを
備えていることを特徴とする渦電流探傷装置。 - 【請求項4】 請求項3に記載の渦電流探傷装置におい
て、キズ評価器は、キズ信号の振幅波形を表示すること
を特徴とする渦電流探傷装置。 - 【請求項5】 請求項3に記載の渦電流探傷装置におい
て、キズ評価器は、キズ信号の位相を表示することを特
徴とする渦電流探傷装置。 - 【請求項6】 請求項3に記載の渦電流探傷装置におい
て、キズ評価器は、キズ信号の位相に基づきキズの深
さ、及び検査体の表面のキズか、裏面のキズかを表示す
ることを特徴とする渦電流探傷装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001345738A JP3981964B2 (ja) | 2001-11-12 | 2001-11-12 | 渦電流探傷用プローブとそのプローブを用いた渦電流探傷装置 |
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JP2001345738A JP3981964B2 (ja) | 2001-11-12 | 2001-11-12 | 渦電流探傷用プローブとそのプローブを用いた渦電流探傷装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2003149209A true JP2003149209A (ja) | 2003-05-21 |
JP3981964B2 JP3981964B2 (ja) | 2007-09-26 |
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6791319B2 (en) | 2002-01-17 | 2004-09-14 | Marktec Corporation | Eddy current probe with transverse polygonal detecting coil |
JP2005164593A (ja) * | 2003-12-03 | 2005-06-23 | General Electric Co <Ge> | パルス渦電流センサプローブ及び検査方法 |
WO2005114165A1 (ja) * | 2004-05-21 | 2005-12-01 | Nihon University | 渦電流探傷プローブ及び渦電流探傷装置 |
JP2007263946A (ja) * | 2006-03-03 | 2007-10-11 | Hitachi Ltd | 渦電流探傷センサ及び渦電流探傷方法 |
WO2009025105A1 (ja) | 2007-08-21 | 2009-02-26 | Keiichi Nonogaki | 渦電流探傷方法とその装置 |
US8289016B2 (en) | 2006-11-21 | 2012-10-16 | Keiichi Nonogaki | Eddy-current flaw detection method and apparatus |
-
2001
- 2001-11-12 JP JP2001345738A patent/JP3981964B2/ja not_active Expired - Fee Related
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