JP2001108659A - 金属表面探傷用渦流プローブ - Google Patents

金属表面探傷用渦流プローブ

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JP2001108659A
JP2001108659A JP28721699A JP28721699A JP2001108659A JP 2001108659 A JP2001108659 A JP 2001108659A JP 28721699 A JP28721699 A JP 28721699A JP 28721699 A JP28721699 A JP 28721699A JP 2001108659 A JP2001108659 A JP 2001108659A
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Mitsuo Hashimoto
光男 橋本
Hideo Miwa
秀雄 三輪
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AMIKKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リフトオフ効果及び材質不連続部の影響を低
減させて、確実に傷を検出するようにし、さらに傷の方
向性を検出し得るようにした金属表面探傷用渦流プロー
ブを提供する。 【解決手段】 金属表面、例えばレールRに対向して配
設する少なくとも一つの自己誘導型差動コイル11から
成る金属表面探傷用渦流プローブ10において、各自己
誘導型差動コイル11が、レールRの表面に対向して配
設される板状でほぼ正方形の非磁性体12と、非磁性体
12の互いに対向する二組の対辺の間に互いに交差する
ようにそれぞれ巻回されていて互いに差動接続された二
つのコイル13,14と、二つのコイルを覆うように形
成した封止樹脂とで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属材料及びその
溶接部、例えば鉄道のレールとその溶接部、石油貯蔵タ
ンクのような溶接構造物とその溶接部、さらには火力・
原子力発電タービンのダイヤフラムとローター等の主要
部品などに発生する傷を広い領域で検出するための金属
表面探傷用渦流プローブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、金属材料表層部の傷を検出するた
めの探傷方法として、電磁誘導検査が知られている。こ
の電磁誘導検査は、渦流探傷検査とも呼ばれており、交
流を流したコイルを導電性の物体(金属材料)に接近さ
せたとき、電磁誘導現象によって発生する金属材料中の
渦電流(渦流)の時間的変化を電気的に測定して、金属
材料表層部の傷の有無あるいは材質の変化等を検出する
ものである。その際、磁性を有する金属材料においての
渦流は、所謂表皮効果によってコイルの磁界が金属材料
表層部のみに作用することにより、金属材料表層部のみ
に集中することから、金属材料表層部のみの傷の有無の
検出を行なうことができる。ここで、上記渦流の時間的
変化の電気的測定は、例えばコイルに流す電流を一定に
しておき、渦電流による電圧変化を測定することにより
行なわれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成の電磁誘導検査においては、コイルの金属材料
表面に対する距離が変動すると、所謂リフトオフ効果に
よってノイズが発生してしまうと共に、渦流の及ぶ範囲
が小さく、傷から離れると、傷を検出できなくなる。ま
た、石油貯蔵タンクや各種の溶接配管等の溶接構造物の
溶接部のような冶金的材質の不連続部においては、溶接
部周辺の金属部分との電気的性質が異なるためノイズが
発生してしまい、溶接部から検出したこのノイズを傷と
して検出してしまうなど、傷とノイズとの判別が容易に
できなかった。さらに、傷の方向性を検出することがで
きず、金属材料の継ぎ目も傷として検出してしまうこと
がある。
【0004】本発明は、以上の点にかんがみて、リフト
オフ効果を低減させると共に、材質不連続部の影響を受
けることなく確実に傷を検出するようにし、さらに傷の
方向性を検出し得るようにした、広領域探傷に適してい
る金属表面探傷用渦流プローブを提供することを目的と
している。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明によ
れば、金属材料の表面に対向して配設される少なくとも
一つの自己誘導型差動コイルから成る金属表面探傷用渦
流プローブにおいて、各自己誘導型差動コイルが、金属
材料の表面に対向して配設される板状でほぼ正方形の非
磁性体と、上記非磁性体の互いに対向する二組の対辺の
間に互いに交差するようにそれぞれ巻回されていて互い
に差動接続された二つのコイルとから構成され、好まし
くは、上記二つのコイルを覆うように形成された封止樹
脂とから構成されることにより達成される。
【0006】この発明による金属表面探傷用渦流プロー
ブは、好ましくは、上記非磁性体が平坦である。この発
明による金属表面探傷用渦流プローブは、好ましくは、
上記非磁性体が金属材料の表面に沿って曲率を有してい
る。
【0007】また、この発明による金属表面探傷用渦流
プローブは、好ましくは、複数個の自己誘導型差動コイ
ルを備えており、各自己誘導型差動コイルが、全体とし
て金属材料の広い領域を覆うように配設されている。こ
の発明による金属表面探傷用渦流プローブは、好ましく
は、各自己誘導型差動コイルが互いに横方向に並んで配
設されている。さらに、この発明による金属表面探傷用
渦流プローブは、好ましくは、金属材料の表面に対向し
て、長手方向にずれて少なくとも二つの自己誘導型差動
コイルを備えている。
【0008】上記構成によれば、各コイルに流される交
流電流により発生する磁界が、対向する金属材料に作用
して、材料表面に渦電流が発生する。そして、金属材料
表層部に傷が発生していると、渦電流がこの傷を迂回す
ることになり、傷によって上記渦電流が変化する。これ
により、コイル両端の電圧も変化することになるので、
コイル両端の電圧変化を検出することにより、傷の発生
を検出することができる。
【0009】この場合、二つのコイルが互いに交差して
いると共に、互いに差動接続されているので、渦流探傷
器による検波後の電圧変化の方向、即ち+側または−側
の変動により、傷の方向性を検出することができ、さら
にリフトオフは二つのコイルに対して逆極性のノイズに
なることから、リフトオフによるノイズが相殺されるこ
とになり、リフトオフ効果を低減することができる。
【0010】また、扁平な板状の非磁性体に二つのコイ
ルが互いに交差して巻回されていることにより、全体と
して薄型に構成されており、例えば鉄道施設の踏切やポ
イント等の狭隘な箇所でも金属材料の探傷を行なうこと
ができる。さらに、コイルがほぼ正方形の面状に形成さ
れているので、金属表面の広い領域をカバーして探傷す
ることができる。
【0011】上記非磁性体が平坦である場合には、例え
ば平坦なアクリル樹脂板等を使用することにより、容易
に構成することができる。
【0012】上記非磁性体が金属材料の表面に沿って曲
率を有している場合には、金属材料の曲面に沿って金属
材料の表面からほぼ一定距離で各コイルが配設されるこ
とになり、リフトオフの影響を低減させることができ
る。
【0013】複数個の自己誘導型作動コイルを備えてお
り、各自己誘導型差動コイルが、全体として金属材料の
広い領域、例えば鉄道レールの頭部上面及び車輪側の側
面を覆うように配設されている場合には、各自己誘導型
差動コイルにより、レールの鉄道車両の車輪接触領域全
体の探傷を行なうことができる。
【0014】各自己誘導型差動コイルが、互いに横方向
に並んで配設されている場合には、各自己誘導型差動コ
イルの信号処理を時分割で行なうことにより、各自己誘
導型差動コイル間の干渉を排除して、正確な金属材料探
傷を行なうことができる。
【0015】金属材料の表面に対向して、長手方向にず
れて少なくとも二つの自己誘導型差動コイルを備えてい
る場合には、そのずれの距離による時間差を考慮して、
各自己誘導型差動コイルの信号を処理することにより、
金属材料の継ぎ目を判別することができ、この継ぎ目を
傷と誤認することがない。
【0016】
【発明の実施の形態】この発明の金属表面探傷用渦流プ
ローブは、種々の金属製品の傷のみならず、これらの金
属製品の溶接部に生じた傷も検出することができる。例
えば、鉄道のレールとその溶接部、石油貯蔵タンクのよ
うな溶接構造物とその溶接部、或いは火力・原子力発電
タービンのダイヤフラムとローター等の主要部品などに
発生する傷なども、精度良く検出することができるが、
以下の説明では、鉄道レールを例にとり、図面に示した
実施形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
【0017】図1はこの発明による金属表面探傷用渦流
プローブの第一の実施形態を示している。図1におい
て、金属表面探傷用渦流プローブ10は、一つの自己誘
導型差動コイル11から成り、この自己誘導型差動コイ
ル11は、金属材料の表面に対向して配設される板状で
ほぼ正方形の非磁性体12と、上記非磁性体12の互い
に対向する二組の対辺の間に互いに交差するようにそれ
ぞれ巻回された二つのコイル13,14と、上記二つの
コイル13,14を覆うように形成された封止樹脂(図
示せず)と、から構成されている。
【0018】上記非磁性体12は、例えばアクリル樹脂
板から構成されており、大きさは例えば20mm四方で
厚さが5mmに選定されている。
【0019】上記コイル13,14は、それぞれ例えば
0.1mmの銅線を使用して、例えば160ターンに設
定されており、図2に示すように、互いに差動接続され
ている。
【0020】本発明による金属表面探傷用渦流プローブ
10は、以上のように構成されており、使用の際には、
図2に示すように、二つのコイル13,14が、一端で
互いに接続されると共に、例えば100kHzの交流電
源20に接続される。また、各コイル13,14の他端
は、それぞれ抵抗21,22を介してアース接続される
と共に、さらに差動アンプ23を介して位相検波器24
の入力端子に接続される。この位相検波器24は、各コ
イル13,14からの信号をそれぞれ位相検波して、x
成分及びy成分を出力する。この場合、位相検波後の位
相を調整することにより、y成分は、図1における非磁
性体12に水平な傷の方向を+,−で出力した成分であ
る。尚、以下に説明する傷による電圧変化は、すべてこ
のy成分における電圧変化をいう。
【0021】また、金属表面探傷用渦流プローブ10
は、例えば図3に示すように、鉄道レールRの頭部上面
の中心線から一側にて対向するように配設される。具体
的には、レールR上を走行する台車等の上に固定される
ことにより、レールRの頭部上面に対して所定距離に保
持される。
【0022】このような金属表面探傷用渦流プローブ1
0によれば、例えばレールRの長手方向に関して長さ1
0mm,幅0.5mm,深さ5mmの人工的な傷を検出
する場合、プローブ10の傷に対する長手方向に対して
横向きの距離dとすると、コイル13,14のy成分の
電圧変化は、図4に示すようになり、距離dが大きくな
っても、電圧の低下はなだらかであり、コイル13,1
4がレールRの表層部に発生させる渦電流の範囲が広い
ことが分かる。これにより、金属表面探傷用渦流プロー
ブ10の傷検出範囲が広くなり、確実に傷の発生を検出
することができる。
【0023】尚、金属表面探傷用渦流プローブ10にお
いて、各コイル13,14が互いに差動接続されている
ことにより、各コイル13,14のリフトオフによるノ
イズが互いに相殺されることになり、リフトオフ効果を
低減することができる。さらに、各コイル13,14が
平坦な非磁性体に巻回されていることから、金属表面探
傷用渦流プローブ10全体が扁平に薄く構成されるの
で、例えば踏切やポイントさらには道路併用軌道等の狭
隘な場所であっても、確実にレールの探傷を行なうこと
ができる。
【0024】また、鉄道レールの他、例えば配管や石油
貯蔵タンクなどの金属製品の溶接部などの傷を検査する
場合にも、この発明は同様に有効に適用される。すなわ
ち、溶接部のような材質的不連続部における電気的な性
質の変化によるノイズは、各コイル13,14が互いに
差動接続されていることにより互いに相殺されることに
なり、このような材質の不連続部の影響を受けることな
く、結果的に、溶接部に発生した傷を検出することがで
きる。
【0025】ここで、各種人工的な傷(以下、人工傷と
いう)を加工した金属材料Rを使用して、金属表面探傷
用渦流プローブ10の動作試験を行った。この金属材料
Rに、図5及び図6に示すような各種人工傷を形成し
た。即ち、金属材料Rして鉄道レールを用い、このレー
ルは、長手方向に関して、一側から順に、等間隔(例え
ば50mm)で加工された符号A1乃至A6を付した横
方向に延びる傷(以下、横傷という)及び等間隔(例え
ば100mm)で加工された符号A7乃至A9を付した
長手方向に延びる傷(以下、縦傷という)と、これらに
平行して等間隔(例えば100mm)で加工された符号
A10乃至A12を付した縦傷及び等間隔(例えば50
mm)で加工された符号A13乃至A18を付した横傷
と、を備えており、さらに横傷A6及び縦傷A7そして
縦傷A12及び横傷A13の間に、順次に切断面(継ぎ
目)A19及び自然傷(亀裂)A20を備えている。各
傷A1乃至A18は、図6(A)に示す位置及び大きさ
で加工されており、その際加工位置xは、金属材料R端
部からの距離を示しており、括弧内の数字は、切断面A
19からの距離を示している。
【0026】このような人工傷を備えた金属材料Rに対
して、この発明に係る金属表面探傷用渦流プローブ10
により金属材料Rの中心線と基準線との間の金属材料探
傷を行なった場合、位相検波器24からのy成分の出力
電圧は、図7のグラフに示すように変化する。即ち、各
人工傷A1乃至A9及び継ぎ目A19,自然亀裂A20
に関して、それぞれ電圧変動が発生しており、その際、
位相検波すると、横傷A1乃至A6では、+側の電圧変
動が発生し、縦傷A7乃至A9では、−側の電圧変動が
発生していることが分かる。これにより、電圧変動の+
側かまたは−側かによって、横傷及び縦傷の判別を行な
うことができる。
【0027】尚、金属表面探傷用渦流プローブ10の金
属材料Rの頭部に対する横方向位置が、中心線と基準線
との間に配設されていることから、人工傷A10乃至A
18に関しては、感度を有していないので、金属材料R
の頭部に対する傷の横方向位置を特定することができ
る。
【0028】さらに、図7において、自然亀裂A20で
は、人工傷例えばA9と比較して、傷自体は長さ約39
mm,幅0.5mm以下,深さ不明と人工傷A9の長さ
50mm,幅0.5mm,深さ5mmに比較して小さい
にもかかわらず、電圧変動Vaは、縦傷A9の電圧変動
Vbより大きく現われていると共に、自然亀裂A20の
屈曲した形状により、複数個のピークを備えた複雑な形
状の電圧変動になっている。これにより、自然傷に対す
る感度が高いことが分かり、電圧変動Vaの変動を観察
することにより、容易に自然傷を判別することができ
る。
【0029】また、図7における各人工傷A1乃至A9
に対する電圧変動において、各人工傷例えばA1乃至A
9の長さに対する電圧変化を図8に示す。図8におい
て、例えば幅0.5mm,深さ1mmの場合の長さに対
する電圧変化が曲線B1により示され、また幅0.5m
m,深さ5mmの場合の長さに対する電圧変化が曲線B
2により示されている。このグラフにより、人工傷の長
さに対応して、電圧変化が生じていることが分かる。し
たがって、得られた電圧に基づいて、検出した傷の長さ
を推定することができる。
【0030】また、図7における各人工傷A1乃至A9
に対する電圧変動において、各人工傷、例えばA1乃至
A9の深さに対する電圧変化を図9に示す。図9におい
て、例えば幅0.5mm,長さ10mmの場合の深さに
対する電圧変化が曲線C1により示され、また幅0.5
mm,長さ20mmの場合の深さに対する電圧変化が曲
線C2により示され、幅0.5mm,長さ30mmの場
合の深さに対する電圧変化が曲線C3により示されてい
る。このグラフにより、人工傷の深さに対応して、電圧
変化が生じていることが分かる。したがって、得られた
電圧に基づいて、検出した傷の深さを推定することがで
きる。
【0031】図10は、本発明による金属表面探傷用渦
流プローブの第二の実施形態を示している。図10にお
いて、金属表面探傷用渦流プローブ30は、図1に示し
た金属表面探傷用渦流プローブ10とほぼ同様の構成で
あるが、自己誘導型差動コイル11が、レールRの頭部
の一側の肩部の屈曲形状に対応して、曲率を有するよう
に形成されている。
【0032】このような金属表面探傷用渦流プローブ3
0によれば、図10に示すように、金属材料Rに対向し
て配設されることにより、例えば図5及び図6に示した
人工傷のうち、A10乃至A18に対向する。したがっ
て、二つのコイルに、人工傷A10乃至A18に対する
電圧変化が発生し、これらの人工傷A10乃至A18を
検出することができる。
【0033】図11は、本発明による金属表面探傷用渦
流プローブの第三の実施形態を示している。図11にお
いて、金属表面探傷用渦流プローブ40は、三つの自己
誘導型差動コイル41,42,43を有している。これ
らの自己誘導型差動コイル41,42,43のうち、自
己誘導型差動コイル41は、図11(B)に示すよう
に、レールRの頭部の車輪側の側面に対向して配設され
ていると共に、自己誘導型コイル42,43は、レール
Rの頭部上面にて、それぞれ中心線から一側及び他側に
対向して配設されている。さらに、自己誘導型差動コイ
ル42は、他の自己誘導型差動コイル41,43に対し
て、図11(A)に示すように、レールRの長手方向に
距離Dだけずれて配設されている。これにより、各自己
誘導型差動コイル41,42,43が互いに干渉しない
ように構成されている。ここで、各自己誘導型差動コイ
ル41,42,43は、図2に示すように、互いにパラ
レルにその電圧を位相検波器24に出力する。
【0034】このような構成の金属表面探傷用渦流プロ
ーブ40によれば、各自己誘導型差動コイル41,4
2,43が、それぞれレールRの車輪側の側面及び頭部
上面の金属材料探傷を行なうことにより、レールRの車
輪が接触する領域全体のレール探傷をおこなうことがで
きる。
【0035】さらに、金属表面探傷用渦流プローブが一
つの自己誘導型差動コイルのみを有する場合には、図1
2(A)に示すように、自己誘導型差動コイル11がレ
ールRに対して長手方向に一定速度で継ぎ目D1及び傷
D2を走査する場合、図12(B)に示すように、これ
らの継ぎ目D1及び傷D2における電圧変化は、継ぎ目
D1及び傷D2に対応しているが、継ぎ目D1と傷D2
の判別を行なうことは困難である。
【0036】これに対して、本金属表面探傷用渦流プロ
ーブ40の場合には、図13(A)に示すように、各自
己誘導型差動コイル41,42,43がレールRに対し
て長手方向に一定速度で継ぎ目D1,傷D2を走査する
と、図13(B)に示すように、継ぎ目D1の場合に
は、各自己誘導型差動コイル41,42,43が同じ幅
の電圧変動を生じ、その際自己誘導型差動コイル42の
電圧変動は、距離Dに対応した時間Tだけ遅延する。他
方、傷D2の場合には、自己誘導型差動コイル42,4
3のみが電圧変動を生じ、その際、自己誘導型差動コイ
ル42の電圧変動は、距離Dに対応した時間Tだけ遅延
する。したがって、継ぎ目D1の場合には、すべての自
己誘導型差動コイル41,42,43が同じ幅で長手方
向の距離Dだけ時間遅延した電圧変動を生ずることによ
り、継ぎ目D1を判別することができる。
【0037】尚、図11に示した実施形態において、各
自己誘導型差動コイル41,42,43の信号が例えば
マルチプレクサ等を使用することによって、時分割で位
相検波器24に入力されるように構成すれば、各自己誘
導型差動コイル41,42,43が互いに干渉すること
がないので、各自己誘導型差動コイル41,42,43
は、互いにレールRの横方向に並んで配設されてもよ
い。
【0038】上述した実施形態においては、金属表面探
傷用渦流プローブ10,30は、一つの自己誘導型差動
コイル11を備えており、また金属表面探傷用渦流プロ
ーブ40は、三つの自己誘導型差動コイル41,42,
43を備えているが、これに限らず、二つまたは四つ以
上の自己誘導型差動コイルを備えていてもよい。ここ
で、二つの自己誘導型差動コイルを備える場合には、例
えば図1及び図10の自己誘導型差動コイルを併設する
ようにすればよい。
【0039】さらに、本発明の金属表面探傷用渦流プロ
ーブは上記した鉄道レールの他、例えば配管や石油貯蔵
タンクなどの金属製品の溶接部などの傷を検査する場合
にも同様に有効に適用される。すなわち、溶接部のよう
な材質的不連続部における電気的な性質の変化によるノ
イズは、各コイル13,14が互いに差動接続されてい
ることにより互いに相殺されることになり、このような
材質の不連続部の影響を受けることなく、結果的に、溶
接部に発生した傷を検出することができる。
【0040】例えば、石油貯蔵タンクの底板や側板下部
に防食を目的としてコーティングを施工しているが、そ
の溶接部の探傷試験を行う場合、従来では溶接線に沿っ
てコーティング皮膜を剥離したうえでなければ探傷でき
なかったが、本発明によればコーティング皮膜上から溶
接部の探傷試験が実施できるなど、優れた作用効果を発
揮することができる。
【0041】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、リ
フトオフ効果を低減させるとともに、溶接部などのよう
に材質の不連続部があってもそのノイズの影響を受ける
ことなく、確実に傷を検出するようにし、さらに傷の方
向性を検出し得るようにした、極めて優れた金属表面探
傷用渦流プローブが提供されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による金属表面探傷用渦流プローブの第
一の一実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】図1の金属表面探傷用渦流プローブの使用状態
を示すブロック図である。
【図3】図1による金属表面探傷用渦流プローブのレー
ルとの対向状態を示す断面図である。
【図4】図1の金属表面探傷用渦流プローブのコイルと
人工傷との距離による電圧変動を示すグラフである。
【図5】金属表面探傷用渦流プローブの動作試験用の人
工傷を備えたレールの平面図である。
【図6】(A)は図5のレールの各人工傷の位置及び寸
法を示す図表、(B)は横傷の寸法図、(C)は縦傷の
寸法図である。
【図7】図1の金属表面探傷用渦流プローブによって図
5のレールを長手方向に走査して探傷したときの電圧変
化を示すグラフである。
【図8】図7のグラフによる人工傷の長さに対する電圧
変化を示すグラフである。
【図9】図7のグラフによる人工傷の深さに対する電圧
変化を示すグラフである。
【図10】本発明による金属表面探傷用渦流プローブの
第二の実施形態を示す概略断面図である。
【図11】本発明による金属表面探傷用渦流プローブの
第三の実施形態を示し、(A)は平面図、(B)は端面
図である。
【図12】(A)及び(B)は、それぞれ一つの自己誘
導型差動コイルを備えた金属表面探傷用渦流プローブに
よる金属材料探傷状態を示す平面図及び電圧変化のグラ
フである。
【図13】(A)及び(B)は、それぞれ図11の三つ
の自己誘導型差動コイルを備えた金属表面探傷用渦流プ
ローブによるレール探傷状態を示す平面図及び電圧変化
のグラフである。
【符号の説明】
10,30,40 金属表面探傷用渦流プローブ 11,41,42,43 自己誘導型差動コイル 12 非磁性体 13,14 コイル 20 交流電源 21,22 抵抗 23 差動アンプ 24 位相検波器 A1〜A18 人工傷 A1〜A6,A13〜A18 横傷 A7〜A12 縦傷 A19 継ぎ目 A20 自然傷(自然亀裂) D1 継ぎ目 D2 傷 R レール

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属材料の表面に対向して配設される少
    なくとも一つの自己誘導型差動コイルから成る金属表面
    探傷用渦流プローブにおいて、 自己誘導型差動コイルが、金属材料の表面に対向して配
    設される板状でほぼ正方形の非磁性体と、上記非磁性体
    の互いに対向する二組の対辺の間に互いに交差するよう
    にそれぞれ巻回されていて、互いに差動接続された二つ
    のコイルと、 から構成されていることを特徴とする、金属表面探傷用
    渦流プローブ。
  2. 【請求項2】 前記非磁性体に巻回した自己誘導型差動
    コイルを覆うように封止樹脂が形成されていることを特
    徴とする、請求項1に記載の金属表面探傷用渦流プロー
    ブ。
  3. 【請求項3】 前記非磁性体が、平坦であることを特徴
    とする、請求項1に記載の金属表面探傷用渦流プロー
    ブ。
  4. 【請求項4】 前記非磁性体が、金属材料の表面に沿っ
    て曲率を有していることを特徴とする、請求項1に記載
    の金属表面探傷用渦流プローブ。
  5. 【請求項5】 複数個の自己誘導型差動コイルを備えて
    おり、 各自己誘導型差動コイルが、全体として金属材料の広い
    領域を覆うように配設されていることを特徴とする、請
    求項1〜4のいずれかに記載の金属表面探傷用渦流プロ
    ーブ。
  6. 【請求項6】 各自己誘導型差動コイルが、互いに横方
    向に並んで配設されていることを特徴とする、請求項1
    〜4のいずれかに記載の金属表面探傷用渦流プローブ。
  7. 【請求項7】 金属材料の表面に対向して、長手方向に
    ずれて少なくとも二つの自己誘導型差動コイルを備えて
    いることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載
    の金属表面探傷用渦流プローブ。
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