JP2003148548A - 流体封入式防振装置 - Google Patents

流体封入式防振装置

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JP2003148548A
JP2003148548A JP2001343691A JP2001343691A JP2003148548A JP 2003148548 A JP2003148548 A JP 2003148548A JP 2001343691 A JP2001343691 A JP 2001343691A JP 2001343691 A JP2001343691 A JP 2001343691A JP 2003148548 A JP2003148548 A JP 2003148548A
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真彰 濱田
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英揮 大嶋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 衝撃的な大荷重の振動入力時において、受圧
室に生ぜしめられる負圧を速やかに解消することによ
り、振動や異音の発生を回避せしめ得る、新規な構造の
流体封入式防振装置を提供することを、目的とする。 【解決手段】 本体ゴム弾性体16で壁部の一部が構成
された受圧室54と、可撓性膜48で壁部の一部が構成
された平衡室56とを、相互に連通するオリフィス通路
58を短絡する短絡通路を形成すると共に、短絡通路を
遮断せしめて予め定められた設定負圧よりも大きな負圧
が受圧室54に生ぜしめられた場合にだけ短絡通路を連
通せしめてオリフィス通路58を短絡せしめる弁手段4
0を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、内部に封入された非圧縮性流体
の流動作用に基づいて防振効果を得るようにした流体封
入式防振装置に係り、例えば自動車用のエンジンマウン
トやボデーマウント,デフマウント等として好適に採用
され得る流体封入式防振装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、振動伝達系を構成する部材間に
介装される防振装置において、封入された非圧縮性流体
の共振作用等の流動作用に基づく防振効果を利用するこ
とが提案されており、その一種として、例えば特公平4
−17291号公報や特公平5−55739号公報等に
開示されているように、防振連結される一方の部材に取
り付けられる第一の取付部材と、防振連結される他方の
部材に取り付けられる第二の取付部材を、互いに離隔配
置せしめて、それら第一及び第二の取付部材を互いに本
体ゴム弾性体で連結せしめる一方、該本体ゴム弾性体で
壁部の一部が構成されて振動入力に際して圧力変動が生
ぜしめられる受圧室と、壁部の一部が可撓性膜で構成さ
れて容積変化が容易に許容される平衡室を形成すると共
に、それら受圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス
通路を設けた流体封入式防振装置が、知られている。
【0003】このような流体封入式防振装置において
は、オリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の共
振作用に基づいて有効な防振効果を得ることが出来ると
共に、装着状態下でパワーユニット支持荷重等の静的な
初期荷重が及ぼされる場合でも、封入された非圧縮性流
体の圧力変化が平衡室の容積変化に基づいて軽減乃至は
回避され得て、流体の共振作用に基づく所期の防振効果
が安定して発揮されること等から、例えば自動車用のエ
ンジンマウント等に有利に採用され得るのである。
【0004】ところで、かかる従来構造の流体封入式防
振装置においては、衝撃的な大荷重振動が入力された際
に、比較的大きな振動伝達が発生したり衝撃的な異音が
発生する場合がある。例えば、自動車用エンジンマウン
トに適用した場合には、エンジンクランキング時や急加
減速時等において、そのような振動や異音の発生が確認
されている。従来、このような現象は、受圧室と平衡室
の間での流体流動がオリフィス通路で制限されることに
起因する受圧室の圧力増大が原因である、という考えが
あり、そのような考えに基づいて、例えば特公平7−1
07416号公報等に記載されているように、受圧室の
圧力を逃す構造が提案されている。
【0005】しかしながら、このような構造の流体封入
式防振装置においては、防振すべき振動入力時にも、受
圧室の圧力変動を逃してしまい、その結果、オリフィス
通路を通じての流体流動量が減少して、流体の流動作用
に基づく所期の防振効果が低下してしまうという問題が
あり、必ずしも有効な方策ではなかった。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、防振すべき振動入力時におけるオリフィス
通路を通じての流体流動量を十分に確保しつつ、衝撃的
な大荷重振動が入力された際の異音や衝撃の軽減を、簡
単な構造で実現することが出来る、新規な構造の流体封
入式防振装置を提供することにある。
【0007】
【解決手段】以下、このような課題を解決するために為
された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各
態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の
組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至
は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることな
く、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの
記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づ
いて認識されるものであることが理解されるべきであ
る。
【0008】先ず、従来構造の流体封入式防振装置にお
いて問題となっていた衝撃的な大荷重振動入力時の比較
的大きな振動伝達や衝撃的な異音が発生するメカニズム
について、本発明者等が多数の実験を行い、検討を加え
た結果、受圧室内の急激な圧力増大が問題ではなく、受
圧室内に発生する過大な負圧が問題になるということを
新たに見出したのである。そして、本発明者等は、多数
の実験,検討を行った結果、オリフィス通路を通じての
流体流動が制限されて受圧室に生ぜしめられる過大な負
圧によって封入流体から分離された気体が再び封入流体
に溶けこむ際に発生する比較的大きな振動伝達や衝撃的
な異音が問題となるのであろうという新たな知見を得た
のであり、本発明は、このようにして得られた新たな知
見に基づいて更なる検討を加えたことによって、完成さ
れたものである。
【0009】すなわち、本発明の第一の態様は、防振連
結される一方の部材に取り付けられる第一の取付部材と
防振連結される他方の部材に取り付けられる第二の取付
部材を本体ゴム弾性体で連結せしめて、該本体ゴム弾性
体で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された
受圧室と、壁部の一部が可撓性膜で構成されて非圧縮性
流体が封入された平衡室を形成すると共に、それら受圧
室と平衡室を相互に連通せしめるオリフィス通路を設け
た流体封入式防振装置において、前記オリフィス通路を
短絡する短絡通路を形成すると共に、該短絡通路を遮断
せしめて予め定められた設定負圧よりも大きな負圧が前
記受圧室に生ぜしめられた場合にだけ該短絡通路を連通
せしめて該オリフィス通路を短絡させる弁手段を設けた
ことを、特徴とする。
【0010】このような本態様に従う構造とされた流体
封入式防振装置においては、通常の振動入力時、即ち、
予め定められた設定負圧以下の負圧(絶対値が設定負圧
より小さい負圧)が受圧室に生ぜしめられる場合には、
弁手段によって短絡通路が遮断せしめられてオリフィス
通路を流動せしめられる流体の共振作用に基づく防振効
果が有効に発揮され得る一方、衝撃的な大荷重振動が入
力されて受圧室の負圧が予め定められた設定負圧よりも
大きくなった場合には、弁手段によって短絡通路が連通
せしめられてオリフィス通路が短絡せしめられることに
より、受圧室と平衡室との間の流体流動が流通抵抗の小
さい短絡通路を通じて許容されることとなり、受圧室に
生ぜしめられた設定負圧よりも大きな負圧が可及的速や
かに解消されて、大きな振動伝達や異音の主たる発生原
因である受圧室での気体分離を抑えることが出来るので
ある。
【0011】また、本態様においては、受圧室と平衡室
の流体流動がオリフィス通路を短絡せしめる短絡通路を
通じて許容されることにより、受圧室に生ぜしめられた
設定負圧よりも大きな負圧が速やかに解消されるように
なっていることから、例えば、特公平4−17291号
公報等に記載されているような可動板や、実開平1−1
06651号公報等に記載されているような可動膜等の
液圧吸収機構を配設するスペース、或いは、オリフィス
通路と異なるチューニングが施された別のオリフィス通
路を形成するスペース等を有利に確保することが可能と
なり、それによって、防振特性のチューニング自由度の
大きい流体封入式防振装置が容易に実現可能となる。
【0012】なお、本態様における設定負圧は、受圧室
に封入された非圧縮性流体から気体が分離せしめられる
負圧よりも小さい値、即ち絶対値で小さな負圧値に設定
することが望ましい。また、本態様における弁手段は、
例えば、受圧室内に配設された圧力検出手段による非圧
縮性流体の圧力検出値が設定負圧よりも大きな負圧(絶
対値で大きい負圧)である場合において短絡通路を連通
せしめる電磁制御弁によって構成することも可能である
が、コイルスプリングやゴム板等のように金属ばねやゴ
ム弾性体を利用した弾性部材によって弁手段を構成して
弾性部材自体の有する弾性力に基づいて設定負圧を設定
することも可能であり、それによって、弁手段ひいては
流体封入式防振装置の構造が簡略化されると共に、弾性
部材の材料や寸法を調節してばね特性を変更することに
よって設定負圧の大きさを容易に変更することも可能と
なる。
【0013】また、本発明の第二の態様は、前記第一の
態様に係る流体封入式防振装置において、前記短絡通路
として、前記オリフィス通路における通路長手方向の中
間部分を前記受圧室に短絡せしめる短絡通孔を少なくと
も一つ形成したことを、特徴とする。このような本態様
に従えば、短絡通路を簡単な構造によって有利に実現す
ることが出来る。
【0014】また、本発明の第三の態様は、前記第二の
態様に係る流体封入式防振装置において、前記オリフィ
ス通路の通路長手方向で相互に離隔した複数箇所に位置
するように、前記短絡通孔を複数設けたことを、特徴と
する。このような本態様に従う構造とされた流体封入式
防振装置においては、短絡通路の開口面積を大きくする
ことが可能となり、それによって、受圧室に生ぜしめら
れた設定負圧よりも大きな負圧を一層速やかに解消する
ことが出来るのである。なお、複数の短絡通孔の通孔断
面積を相互に異ならせて防振特性を調節しても良い。
【0015】また、本発明の第四の態様は、前記第三の
態様に係る流体封入式防振装置において、前記複数の短
絡通孔を遮断する複数の前記弁手段において、開口状態
となる前記設定負圧を複数の異なる値に設定したこと
を、特徴とする。このような本態様に従う構造とされた
流体封入式防振装置においては、設定負圧が大きくなる
に従って、例えば、開口状態となる短絡通孔を、オリフ
ィス通路における平衡室側の開口部に近づけていくこと
により、オリフィス通路の通路長さが短くなるように設
定したり、或いは、設定負圧が大きくなるに従って、例
えば、開口状態となる短絡通孔の数を増やしていくこと
により、短絡通路の開口面積が大きくなるように設定す
ることも可能であり、それによって、設定負圧を複数段
階に設定し、受圧室に生ぜしめられる負圧の大きさに応
じて、短絡通路の流通抵抗を調節してオリフィス通路の
流体流動量を有利に確保しつつ、受圧室における大きな
負圧を一層効率的に解消することが可能となるのであ
る。
【0016】また、本発明の第五の態様は、前記第一乃
至第四の何れかの態様に係る流体封入式防振装置におい
て、前記短絡通路における前記受圧室側の開口部を覆蓋
すると共に、該受圧室に対して前記設定負圧よりも大き
な負圧が生ぜしめられた場合に該短絡通路の開口部から
弾性的に離隔せしめられる弁体によって、前記弁手段を
構成したことを、特徴とする。このような本態様に従う
構造とされた流体封入式防振装置においては、設定負圧
以下の負圧が受圧室に生ぜしめられる通常の振動入力時
において、短絡通路における受圧室側の開口部を安定し
て覆蓋すると共に、受圧室における設定負圧より大きい
負圧を速やかに解消せしめ得る弁手段が簡単な構造で有
利に実現され得る。なお、本態様における弁体として
は、例えば、受圧室側の開口部を覆蓋するゴム弾性体で
形成された蓋体の周縁部を部分的に短絡通路の形成部材
に固着せしめて該蓋体自体の弾性に基づいて受圧室側の
開口部を覆蓋せしめるようにしたり、或いは、受圧室側
の開口部を覆蓋する蓋体をコイルスプリング等の付勢手
段によって覆蓋する方向に付勢すること等によって、有
利に構成され得る。
【0017】また、本発明の第六の態様は、前記第五の
態様に係る流体封入式防振装置において、前記受圧室側
に開口して延びる凹溝の開口部に弾性蓋体を重ね合わせ
て、該弾性蓋体を該凹溝の幅方向一方の側で固定的に支
持せしめると共に、該弾性蓋体を該凹溝の幅方向他方の
側に延び出させて該凹溝の開口部を覆蓋せしめることに
より、前記オリフィス通路の少なくとも一部を構成せし
めて、該受圧室に対して前記設定負圧よりも大きな負圧
が生ぜしめられた場合に該弾性蓋体における該凹溝の幅
方向他方の側に延び出した部分が該凹溝の長手方向の少
なくとも一部において該凹溝の開口部から弾性的に離隔
せしめられるようにして前記弁体を構成したことを、特
徴とする。このような本態様に従う構造とされた流体封
入式防振装置においては、オリフィス通路を構成する弾
性蓋体を巧く利用することによって、設定負圧よりも大
きな負圧が受圧室に生ぜしめられた際に負圧を解消する
ようになっていると共に、通常の振動入力時には、弾性
蓋体自身が有する弾性力に基づいて凹溝の開口部が覆蓋
されて、オリフィス通路が形成されているのであり、オ
リフィス通路の壁部を利用して弁体が一層有利に構成さ
れることとなる。
【0018】また、本態様においては、例えば、弾性蓋
体の形成材料や厚さ寸法等を変更することにより、弾性
蓋体が凹溝の開口部から弾性的に離隔せしめられる際に
受圧室に生ぜしめられる負圧、即ち、予め定められた設
定負圧の大きさを容易に設定,変更することが出来る。
【0019】また、本発明の第七の態様は、前記第一乃
至第六の何れかの態様に係る流体封入式防振装置におい
て、前記短絡通路によって短絡された前記オリフィス通
路よりも更に短い通路長さで前記受圧室と前記平衡室を
連通せしめる透孔を、該オリフィス通路から独立して形
成すると共に、該透孔を通じての該受圧室と該平衡室の
間での流体流動量を制限する可動板部材を設けたこと
を、特徴とする。このような本態様に従う構造とされた
流体封入式防振装置においては、オリフィス通路のチュ
ーニング周波数よりも高周波数域の振動入力時における
オリフィス通路の流通抵抗の著しい増大に起因する受圧
室の圧力増大が可動板部材の変位に基づく透孔を通じて
の流体圧の逃げによって回避されることとなり、それに
よって、複数の乃至は広い周波数域で有効な防振効果を
得ることが可能となる。
【0020】また、本発明の第八の態様は、前記第一乃
至第七の態様に係る流体封入式防振装置において、前記
第二の取付部材に形成された筒状部の一方の開口部側に
離隔して前記第一の取付部材を配設せしめて、それら第
一の取付部材と第二の取付部材を連結する前記本体ゴム
弾性体で該筒状部の該一方の開口部を流体密に閉塞する
と共に、該筒状部の他方の開口部を前記可撓性膜で流体
密に閉塞する一方、該筒状部の中心軸に対して略直交し
て広がる仕切部材を該第二の取付部材で固定的に支持せ
しめて、該仕切部材を挟んだ一方の側に前記受圧室を他
方の側に前記平衡室をそれぞれ形成すると共に、該仕切
部材の外周部分を周方向に延びるように前記オリフィス
通路を形成したことを、特徴とする。このような本態様
に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、オ
リフィス通路の通路長さを有利に確保することが可能と
なり、それによって、オリフィス通路の設計自由度が向
上され得ると共に、かかるオリフィス通路と受圧室およ
び平衡室を優れたスペース効率をもって形成することが
可能となる。
【0021】また、特に本第八の態様は、前記第七の態
様と組み合わせて採用することが望ましく、それによっ
て、可動板部材の配設面積も併せて有利に確保すること
が出来る。
【0022】また、本発明の第九の態様は、前記第六の
態様に係る流体封入式防振装置において、前記第二の取
付部材に形成された筒状部の一方の開口部側に離隔して
前記第一の取付部材を配設せしめて、それら第一の取付
部材と第二の取付部材を連結する前記本体ゴム弾性体で
該筒状部の該一方の開口部を流体密に閉塞すると共に、
該筒状部の他方の開口部を前記可撓性膜で流体密に閉塞
する一方、該筒状部の中心軸に対して略直交して広がる
仕切部材を該第二の取付部材で固定的に支持せしめて、
該仕切部材を挟んだ一方の側に前記受圧室を他方の側に
前記平衡室をそれぞれ形成し、該仕切部材の外周部分に
おいて前記受圧室側に開口して周方向に所定長さで延び
るように前記凹溝を形成すると共に、該筒状部から径方
向内方に突設されて該凹溝の開口部に重ね合わせられる
ことにより該開口部を覆蓋する弾性突出片によって前記
弾性蓋体を構成したことを、特徴とする。このような本
態様に従えば、簡単な構造によって目的とする流体封入
式防振装置を有利に実現することが出来る。
【0023】また、本発明の第十の態様は、前記第九の
態様に係る流体封入式防振装置において、前記仕切部材
の中央部分に前記受圧室側に開口する収容凹所を形成す
ると共に、該収容凹所の底部を貫通して前記平衡室に至
る透孔を設けて、前記短絡通路によって短絡された前記
オリフィス通路よりも更に短い通路長さで前記受圧室と
前記平衡室を該透孔を通じて連通せしめる一方、該収容
凹所の略全体に亘って広がる可動板部材を該収容凹所に
収容配置すると共に、前記弾性突出片の突出先端部分を
該収容凹所まで延び出させて、該収容凹所の底部と該弾
性突出片の対向面間で該可動板部材の板厚方向の変位量
を制限することにより、前記透孔を通じての前記受圧室
と前記平衡室の間での流体流動量を制限するようにした
ことを、特徴とする。このような本態様に従う構造とさ
れた流体封入式防振装置においては、凹溝の開口部を覆
蓋する弾性突出片を巧く利用して、可動板部材の板厚方
向の変位量を制限することが出来るのであり、それによ
って、目的とする流体封入式防振装置が、より簡単な構
造で一層有利に実現可能となる。
【0024】
【発明の実施形態】以下、本発明を更に具体的に明らか
にするために、本発明の実施形態について、図面を参照
しつつ、詳細に説明する。
【0025】先ず、図1及び図2には、本発明の第一の
実施形態としての自動車用エンジンマウント10が示さ
れている。このエンジンマウント10は、第一の取付部
材としての第一の取付金具12と第二の取付部材として
の第二の取付金具14が離隔配置されていると共に、そ
れら第一の取付金具12と第二の取付金具14が本体ゴ
ム弾性体16で弾性連結された構造を有しており、第一
の取付金具12が自動車のパワーユニット側に取り付け
られる一方、第二の取付金具14が自動車のボデー側に
取り付けられることによって、パワーユニットをボデー
に対して防振支持せしめるようになっている。なお、以
下の説明中、上下方向とは、原則として、図1中の上下
方向をいうものとする。
【0026】より詳細には、第一の取付金具12は、全
体として略円板形状を有しており、その上面には、円形
ブロック形状の中央突部18が一体形成されている。ま
た、中央突部18には、上方に向かって突出する取付ネ
ジ20が一体形成されており、かかる取付ネジ20によ
って、第一の取付金具12がパワーユニット側に取り付
けられるようになっている。
【0027】一方、第二の取付金具14は、筒状部とし
ての筒金具22と底金具24によって構成されている。
筒金具22は、大径の段付円筒形状を有しており、軸方
向中間部分に形成された段差部26を挟んで軸方向上側
が小径部28とされていると共に、軸方向下側が大径部
30とされている。また、小径部28の上側開口部に
は、径方向外方に広がるフランジ部32が一体形成され
ている。一方、底金具24は、全体として大径の浅底有
底円筒形状を有しており、その開口周縁部には、径方向
外方に広がるフランジ状部34が一体形成されている。
そして、筒金具22の大径部30に底金具24が内挿さ
れて、底金具24のフランジ状部34に対して大径部3
0の開口周縁部がかしめ固定されることにより、第二の
取付金具14が全体として深底の略有底円筒形状をもっ
て形成されている。また、底金具24の底部中央には、
下方に向かって突出する取付ボルト36が固設されてお
り、この取付ボルト36によって、第二の取付金具14
が、図示しない自動車のボデー側に取り付けられるよう
になっている。
【0028】そして、第一の取付金具12は、第二の取
付金具14の軸方向上方に所定距離を隔てて略同一中心
軸上に配設されており、これら第一の取付金具12と第
二の取付金具14の間に本体ゴム弾性体16が介装され
ている。この本体ゴム弾性体16は、大径の略中空円錐
台形状を有しており、小径側端面に第一の取付金具12
が重ね合せられて加硫接着されている一方、大径側端部
外周部分には、第二の取付金具14を構成する筒金具2
2の小径部28が埋設された状態で加硫接着されてい
る。これによって、筒金具22の軸方向上側の開口部が
本体ゴム弾性体16で流体密に閉塞されている。なお、
本体ゴム弾性体16の大径側端面には、筒金具22内に
開口するすり鉢形状の凹所38が形成されている。
【0029】また、筒金具22の大径部30の上端部分
には、弾性突出片としての蓋ゴム40が径方向内方に突
出して被着形成されている。この蓋ゴム40は、円環板
形状を有しており、周方向全周に亘って略一定の断面形
状とされている。そして、蓋ゴム40は、外周縁部の上
面が段差部26の下面に加硫接着されていると共に、外
周面が大径部30の内周面に加硫接着されており、それ
によって、段差部26の下方に位置して大径部30から
径方向内方に突出するようにして配設されている。
【0030】更にまた、蓋ゴム40の内径寸法は、筒金
具22の小径部28の内径寸法よりも小さくされてお
り、小径部28の下方において蓋ゴム40の内周部分4
2が径方向内方に向かって突出せしめられている。な
お、蓋ゴム40は、軸方向下面が略軸直角方向に広がる
平坦面とされていると共に、径方向内方に突出せしめら
れた内周部分42の上面が、径方向内方に向かって下傾
する傾斜面とされており、内周側に行くに従って厚さ寸
法が次第に小さくされている。特に本実施形態では、蓋
ゴム40の内径寸法が、後述する仕切部材46の中央凹
所50の開口部の内径寸法と同じか僅かに小さくされて
いる。また、本実施形態では、本体ゴム弾性体16が筒
金具22の小径部28の内周面に沿って薄膜状に段差部
26まで延び出しており、蓋ゴム40が本体ゴム弾性体
16と一体形成された一体加硫成形品として形成されて
いる。
【0031】そして、かかる蓋ゴム40は、凹所38の
開口部において径方向内方に突出せしめられた内周部分
42が主に剪断変形を伴って厚さ方向に弾性変形可能と
されている。ここにおいて、本実施形態では、蓋ゴム4
0の弾性変形特性が後述する受圧室54の設定圧力を決
定することとなり、それ故、例えば、蓋ゴム40の形成
材料や内周部分42の厚さ寸法,形状等を変更すること
により、蓋ゴム40の内周部分42が弾性変形せしめら
れる際の受圧室54に生ぜしめられる負圧(設定負圧)
の大きさを設定,変更することが出来る。
【0032】また、筒金具22の大径部26内には、仕
切部材46と、可撓性膜としてのダイヤフラム48が、
順次、挿入されて、配設されている。仕切部材46は、
硬質の合成樹脂材や金属材等の硬質材によって形成され
ており、全体として厚肉の円板形状を有している。ま
た、仕切部材46の中央部分には、上側に開口する円形
凹所50が略一定深さで広がって形成されていると共
に、外周部分には、上側に開口して周方向に所定の長さ
に亘って連続して延びる凹溝52が形成されている。そ
して、仕切部材46は、筒金具22の大径部26に挿入
されて、外周部分が蓋ゴム40に重ね合せられて底金具
24のフランジ状部34と共に、大径部26の開口周縁
部でかしめ固定されることにより、筒金具22の中心軸
に対して略直交して広がる状態で、第二の取付金具14
に対して固定的に支持されている。一方、ダイヤフラム
48は、変形容易な薄肉のゴム膜で形成されており、外
周部分には、容易に変形するように弛みがもたせてあ
る。そして、ダイヤフラム48は、筒金具22の大径部
26に挿入されて、その外周縁部が仕切部材46の下面
外周縁部に重ね合せられて、底金具24のフランジ状部
34と共に、大径部26の開口周縁部でかしめ固定され
ることにより、筒金具22の下側開口部を流体密に閉塞
する状態で、第二の取付金具14に取り付けられてい
る。
【0033】これにより、筒金具22の軸方向両側の開
口部が本体ゴム弾性体16とダイヤフラム48によって
流体密に閉塞されており、本体ゴム弾性体16とダイヤ
フラム48の対向面間で外部空間から遮断された密閉領
域が形成されている。また、かかる密閉領域は、仕切部
材46によって流体密に二分されており、それによっ
て、仕切部材46の上側には、壁部の一部が本体ゴム弾
性体16で構成されて非圧縮性流体が封入された受圧室
54が形成されている一方、仕切部材46の下側には、
壁部の一部がダイヤフラム48によって構成されて非圧
縮性流体が封入された平衡室56が形成されている。な
お、受圧室54及び平衡室56に封入される非圧縮性流
体としては、例えば、水やアルキレングリコール,ポリ
アルキレングリコール,シリコーン油等が採用可能であ
るが、特に、後述する流体の共振作用に基づく防振効果
を有効に得るためには、粘度が0.1Pa・s以下の低
粘性流体が好適に採用される。
【0034】また、仕切部材46の外周縁部は、周方向
の全周に亘って、蓋ゴム40の下面に圧接されており、
それによって、仕切部材46に設けられた凹溝52の上
側開口部が蓋ゴム40によって流体密に閉塞されて、仕
切部材46の外周部分を周方向に所定の長さに亘って連
続して延びるオリフィス通路58が形成されている。こ
のことから明らかなように、本実施形態では、蓋ゴム4
0によってオリフィス通路58の壁部の一部(上壁部)
が構成されており、通常の振動入力時、即ち、オリフィ
ス通路58のチューニング周波数域の振動入力時には、
かかる蓋ゴム40自身が有する弾性力によって蓋ゴム4
0が凹溝52の上側開口部を覆蓋する状態に保持される
ことにより該凹溝52の上側開口部が流体密に覆蓋され
て、オリフィス通路58が形成されている。そして、オ
リフィス通路58は、周方向一方の端部が蓋ゴム40の
内周部分42における周上の一箇所に設けられた切欠6
0によって受圧室54に開口せしめられている一方、周
方向他方の端部が仕切部材46に設けられた連通孔62
によって平衡室56に開口せしめられており、それによ
って、受圧室54と平衡室56がオリフィス通路58に
よって相互に連通されているのである。
【0035】このような構造とされたエンジンマウント
10においては、自動車への装着状態下で第一の取付金
具12と第二の取付金具14の間に略上下方向の振動が
入力されると、受圧室54と平衡室56の間に相対的な
圧力差が生ぜしめられることに基づいて、それら両室5
4,56間において、オリフィス通路58を通じての流
体流動が生ぜしめられることとなる。特に、本実施形態
では、オリフィス通路58がエンジンシェイク等の低周
波数域にチューニングされており、エンジンシェイク等
の低周波大振幅振動が入力された際には、蓋ゴム40自
身の有する弾性力によって凹溝52の上側開口部が覆蓋
状態に保持されて、オリフィス通路58が形成されてお
り、かかるオリフィス通路58を通じて流動せしめられ
る流体の共振作用に基づいて、エンジンシェイク等の低
周波大振幅振動に対して、有効な防振効果が発揮される
こととなる。
【0036】一方、自動車のクランキングや急加減速等
に際して、エンジンマウント10に衝撃的な大荷重振動
が入力されることにより、受圧室54に予め定められた
設定負圧よりも大きな負圧が生ぜしめられた場合には、
図3に示されているように、蓋ゴム40の内周部分42
が捲れあがるようにして凹溝52の上側開口部から弾性
的に離隔せしめられることとなり、それによって、凹溝
52の上側開口部が開口せしめられることとなり、仕切
部材46の外周部分を周方向に延びるように形成されて
いたオリフィス通路58が実質的に消失せしめられて、
受圧室54と平衡室56との間での流体流動が仕切部材
46の凹溝52の上側開口部を通じて生ぜしめられるこ
ととなる。その結果、受圧室54に生ぜしめられる大き
な負圧が、可及的速やかに解消されて、受圧室54にお
ける気体の分離とそれに起因する衝撃的な音や振動が効
果的に防止され得るのである。なお、このことから明ら
かなように、本実施形態では、凹溝52の上側開口部に
よって短絡通路としての短絡通孔が構成されていると共
に、蓋ゴム40によって弁手段が構成されている。ま
た、蓋ゴム40自体の有する弾性によって、該蓋ゴム4
0の材質や形状,寸法によって、蓋ゴム40が捲れあが
って受圧室54と平衡室56が短絡状態となる設定負圧
の大きさが設定されている。なお、この受圧室54の設
定負圧は、受圧室54と平行室56の相対的な圧力差と
なるが、振動入力が瞬間的であることおよび平衡室56
が略大気圧に保持されるようになっていること等から、
一般に、受圧室54の圧力値と考えて差し支えない。
【0037】また、図4及び5には、本発明の第二の実
施形態としての自動車用エンジンマウント64が示され
ている。なお、以下の説明において、第一の実施形態と
同様な構造とされた部材および部位については、図中
に、第一の実施形態と同一の符号を付すことにより、そ
れらの詳細な説明を省略する。
【0038】すなわち、本実施形態のエンジンマウント
64は、第一の実施形態のエンジンマウント(10)に
比して、仕切部材46の凹所50に可動板部材としての
可動板66が収容配置されている。
【0039】より詳細には、可動板66は、ゴム弾性体
によって形成されており、凹所50の深さ寸法よりも所
定量だけ薄肉の厚さ寸法と、凹所50の内径寸法よりも
僅かに小さな外径寸法を有する円板形状を有している。
また、凹所50の底壁部には、複数の透孔68が形成さ
れている。そして、可動板66は、凹所50の略全体に
亘って広がるようにして、凹所50に収容配置されてい
る。ここにおいて、本実施形態では、蓋ゴム40の内周
部分42は、凹所50の上方まで延び出しており、それ
によって、蓋ゴム40の内周部分42と凹所50の底壁
部との対向面間で、可動板66が板厚方向で所定量だけ
変位可能とされていると共に、可動板66の板厚方向の
変位量が制限されることとなり、複数の透孔68を通じ
ての受圧室54と平衡室56の間での流体流動量が制限
されるようになっている。このことから明らかなよう
に、本実施形態では、凹所50によって収容凹所が形成
されている。
【0040】このような構造とされたエンジンマウント
64においては、自動車への装着状態下で第一の取付金
具12と第二の取付金具14の間に略上下方向の振動が
入力されると、受圧室54と平衡室56の間に相対的な
圧力差が生ぜしめられることに基づいて、それら両室5
4,56間において、オリフィス通路58を通じての流
体流動や可動板66の変位に基づく複数の透孔を通じて
の実質的な流体流動が、生ぜしめられることとなる。特
に、本実施形態では、オリフィス通路58がエンジンシ
ェイク等の低周波数域にチューニングされており、エン
ジンシェイク等の低周波大振幅振動が入力された際に
は、蓋ゴム40自身が有する弾性力で凹溝52の開口部
が覆蓋されることによって形成されたオリフィス通路5
8を通じて流動せしめられる流体の共振作用に基づい
て、エンジンシェイク等の低周波大振幅振動に対して、
有効な防振効果が発揮されることとなる。また、オリフ
ィス通路58のチューニング周波数よりも高周波数域の
走行こもり音等の高周波小振幅振動が入力された場合に
は、オリフィス通路58の流通抵抗が著しく増大するこ
とに伴って受圧室54に惹起される大きな圧力変動が可
動板66の変位に基づいて平衡室56に逃されて軽減乃
至は解消されることとなり、それによって、オリフィス
通路58の実質的な閉塞化に起因する著しい高動ばね化
が回避されて良好な防振性能が発揮され得ることとな
る。
【0041】一方、自動車のクランキングや急加減速等
に際して、エンジンマウント10に衝撃的な大荷重が入
力されることにより、受圧室54に予め定められた設定
負圧より大きな負圧が生ぜしめられた場合には、蓋ゴム
40の内周部分42が捲れあがって受圧室54と平衡室
56の間での流体流動が凹溝52の上側開口部を通じて
生ぜしめられることから、第一の実施形態と同様な効果
を得ることが出来るのである。
【0042】また、図6及び7には、本発明の第三の実
施形態としてのエンジンマウント70が示されている。
なお、以下の説明において、第一の実施形態と同様な構
造とされた部材及び部位については、図中に、第一の実
施形態と同一の符号を付すことにより、それらの詳細な
説明を省略する。
【0043】すなわち、本実施形態のエンジンマウント
70は、第一の実施形態のエンジンマウント(10)に
比して、蓋ゴム72が本体ゴム弾性体16と別体形成さ
れている。この蓋ゴム72は、円環板形状を有してお
り、周方向全周に亘って略一定の断面形状とされてい
る。また、蓋ゴム72の外径寸法は、大径部30の内径
寸法と略同じとされていると共に、内径寸法は、凹所5
0の内径寸法と略同じとされている。更に、蓋ゴム72
の外周部分には、リング金具74が埋設状態で加硫接着
されている。なお、蓋ゴム72は、下面が平坦面とされ
ていると共に、内周部分の上面が径方向内方に向かって
下傾する傾斜面とされており、内周側に行くに従って厚
さ寸法が次第に小さくされている。そして、蓋ゴム72
は、段差部26と仕切部材46の外周部分との間で挟圧
保持されることにより、段差部26の下面に沿って大径
部30から径方向内方に突出する状態で配設されて、凹
溝52の上側開口部を覆蓋することとなり、それによっ
て、オリフィス通路58の壁部の一部が蓋ゴム72によ
って構成されている。このように蓋ゴム72が配設され
た状態下では、蓋ゴム72の内周部分73は、凹所38
の下方において径方向内方に突出せしめられており、そ
れによって、内周部分73が主に剪断変形を伴って厚さ
方向に弾性変形可能とされている。また、本実施形態で
は、通常の振動入力時、即ち、オリフィス通路58のチ
ューニング周波数域の振動入力時には、かかる蓋ゴム7
2自身が有する弾性力によって凹溝52の開口部が覆蓋
されてオリフィス通路58が形成されており、それによ
って、オリフィス通路58による防振効果が有効に発揮
されるようになっている。
【0044】このような構造とされたエンジンマウント
70においても、オリフィス通路58のチューニング周
波数域の振動入力時には、蓋ゴム72自身が有する弾性
力によって凹溝52が覆蓋されて形成されたオリフィス
通路58による防振効果が発揮され得る一方、自動車の
クランキングや急加減速等に際して、エンジンマウント
に衝撃的な大荷重振動が入力されることにより、受圧室
54に予め定められた設定負圧より大きな負圧が生ぜし
められた場合には、蓋ゴム72の内周部分73が上側に
捲れて凹溝52の上側開口部が開口せしめられて、受圧
室54と平衡室56の間での流体流動が凹溝52の上側
開口部を通じて生ぜしめられることから、第一の実施形
態と同様な効果を得ることが出来るのである。
【0045】また、本実施形態では、蓋ゴム72が本体
ゴム弾性体16と別体形成されていることから、蓋ゴム
72の形成材料を本体ゴム弾性体16の形成材料と異な
らせて蓋ゴム72のばね特性を変更することが可能とな
り、それによって、蓋ゴム72の内周部分73が捲れあ
がる際における受圧室54の負圧(設定負圧)の大きさ
を変更することが容易に出来る。
【0046】また、図8及び9には、本発明の第四の実
施形態としてのエンジンマウント76が示されている。
なお、以下の説明において、第一の実施形態と同様な構
造とされた部材及び部位については、図中に、第一の実
施形態と同一の符号を付すことにより、それらの詳細な
説明を省略する。
【0047】すなわち、本実施形態のエンジンマウント
76は、第一の実施形態のエンジンマウント(10)に
比して、凹所50に可動部材としての可動板78が収容
配置されていると共に、凹所50の上側開口部を閉塞す
るようにして蓋部材80が配設されている。また、蓋ゴ
ム86が本体ゴム弾性体16と別体形成されている。更
にまた、第二の取付金具14を構成する筒金具82が異
なっている。
【0048】より詳細には、可動板78は、第二の実施
形態と同様に、ゴム弾性体によって形成されており、凹
所50の深さ寸法よりも所定量だけ薄肉の厚さ寸法と、
凹所50の内径寸法よりも僅かに小さな外径寸法を有す
る円板形状とされている。そして、可動板78は、凹所
50の略全体に亘って広がるようにして、凹所50に収
容配置されている。一方、蓋部材80は、硬質の合成樹
脂材や金属等の硬質材によって形成された中央円板部8
4の外周面に対して、周方向全周に亘って略一定の断面
形状を有する円環板形状の蓋ゴム86の内周面が加硫接
着された構造とされている。また、蓋ゴム86の外径寸
法は、仕切部材46の外径寸法よりも僅かに小さくされ
ている。そして、蓋部材80は、仕切部材46の上面に
対して同一中心軸上で重ね合せられて固着されており、
それによって、凹溝52の上側開口部が凹溝52の溝幅
方向内側で中央円板部84に固定的に支持されて凹溝5
2の溝幅方向内側から溝幅方向外側に向かって延び出す
ように配設された蓋ゴム86によって覆蓋されて、仕切
部材46の外周部分に上壁部が蓋ゴム86によって構成
されたオリフィス通路58が形成されており、かかるオ
リフィス通路58は、蓋ゴム86に形成された連通孔8
7によって受圧室54に開口せしめられている。ここに
おいて、本実施形態では、蓋部材80を構成する中央円
板部84が仕切部材46に固着されており、それによっ
て、蓋ゴム86の外周部分が厚さ方向に弾性変形可能と
されており、受圧室54に設定負圧より大きな負圧が生
ぜしめられた際には、蓋ゴム86の外周部分が捲れあが
るようになっていると共に、通常の振動入力時、即ち、
オリフィス通路58のチューニング周波数域の振動入力
時には、蓋ゴム86自身が有する弾性力によって凹溝5
2の開口部が覆蓋されてオリフィス通路58が形成され
ており、それによって、オリフィス通路58による防振
効果が有効に発揮されるようになっている。また、凹所
50の開口部が中央円板部84によって覆蓋されている
ことにより、中央円板部84と凹所50の底壁部との対
向面間で可動板78が板厚方向で所定量だけ変位可能と
されていると共に、可動板78の板厚方向の変位量が制
限されることとなり、中央円板部84に形成された複数
の上側透孔92と凹所50の底壁部に形成された複数の
下側透孔94を通じての受圧室54と平衡室56の間で
の流体流動量が制限されるようになっている。また一
方、筒金具82は、大径円筒形状の筒壁部88を備えて
おり、筒壁部88の軸方向上端部には、径方向外方に広
がるフランジ部90が一体形成された構造とされてい
る。そして、仕切部材46は、可動板78が収容配置さ
れた凹所50の開口部を覆蓋するようにして蓋部材80
が同一中心軸上で重ね合せられて固着された状態で、筒
壁部88に圧入固定されることによって、筒壁部88の
中心軸に対して略直交して広がる状態で第二の取付金具
14を構成する筒金具82によって固定的に支持されて
いる。このように筒金具82で固定的に支持された仕切
部材46に対して、ダイヤフラム48と底金具24のフ
ランジ状部34が、順次、重ね合せられて配設された
後、筒壁部88の開口周縁部でかしめ固定されることに
よって、エンジンマウント76が構成されている。
【0049】このような構造とされたエンジンマウント
76においては、仕切部材46の凹所50に可動板78
が配設されていると共に、凹溝52の上側開口部が蓋ゴ
ム86によって流体密に閉塞されていることから、第二
の実施形態と同様に、オリフィス通路58のチューニン
グ周波数域の振動入力時には、蓋ゴム86自身が有する
弾性力によって凹溝52の開口部が覆蓋されて形成され
たオリフィス通路58による防振効果が発揮され得る一
方、オリフィス通路58のチューニング周波数域よりも
高周波側の振動入力時には、オリフィス通路58の流動
抵抗が著しく増大することに伴って受圧室54に惹起さ
れる大きな圧力変動が可動板78の変位に基づいて平衡
室56に逃されて軽減乃至は解消されることとなり、そ
れによって、オリフィス通路58の実質的な閉塞化に起
因する著しい高動ばね化が回避されて良好な防振性能が
発揮され得ることとなる。
【0050】一方、自動車のクランキングや急加減速等
に際して、エンジンマウント76に衝撃的な大荷重振動
が入力されることにより、受圧室54に予め定められた
設定負圧より大きな負圧が生ぜしめられた場合には、図
10に示されているように、蓋ゴム86の外側部分が捲
れあがることにより、仕切部材46の外周部分に形成さ
れているオリフィス通路58が実質的に消滅することと
なり、受圧室54と平衡室56の間での流体流動が許容
されることから、受圧室54に生ぜしめられる設定負圧
よりも大きな負圧も、受圧室54と平衡室56の間での
流体流動に基づいて、可及的速やかに解消されるのであ
り、それによって、受圧室54における気体の分離とそ
れに起因する衝撃的な音や振動が効果的に防止され得る
のである。
【0051】以上、本発明の幾つかの実施形態について
詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本
発明は、かかる実施形態における具体的な記載によっ
て、何等、限定的に解釈されるものではない。
【0052】例えば、前記第一乃至第四の実施形態で
は、短絡通孔は、周方向に連続して延びる凹溝52の上
側開口部によって構成されていたが、図11に示すよう
に、オリフィス通路96の周上の一部分のみに設けられ
た通孔98で形成することも可能である。そのような場
合には、蓋ゴム100は、通孔98の開口部を覆蓋する
大きさを有していれば良い。
【0053】また、本発明は、互いに同心的に若しくは
偏心して配された第一の取付部材と第二の取付部材が本
体ゴム弾性体で連結されていると共に、それら第一の取
付部材と第二の取付部材の間を軸方向に貫通して延びる
肉抜空所が周方向に略半周に亘って形成されている一
方、第一の取付部材と第二の取付部材の間において本体
ゴム弾性体により壁部の一部が構成されて振動入力時に
圧力変化が生ぜしめられる受圧室が形成されていると共
に、肉抜空所内に可撓性膜が配設されて可撓性膜と第二
の取付部材の間において容積変化が容易に許容される平
衡室が形成されており、それら受圧室と平衡室に非圧縮
性流体が封入されていると共に、それら受圧室と平衡室
を相互に連通するオリフィス通路が形成されている流体
封入式防振装置に適用することも可能であり、このよう
な流体封入式防振装置に本発明を適用する場合における
オリフィス通路としては、受圧室の壁部に沿って蛇行す
るように延びるものや周方向1周以上の長さに亘って延
びるものが望ましく、それによって、オリフィス通路の
通路長手方向の中間部分を受圧室側に短絡せしめる短絡
通路としての短絡通孔を形成することが可能となり、オ
リフィス通路を短絡する短絡通路を容易に形成すること
が出来る。
【0054】また、前記第一乃至第四の実施形態では、
オリフィス通路が一つの流体封入式防振装置に対して、
本発明を適用したものの具体例が示されていたが、オリ
フィス通路が複数設けられた流体封入式防振装置に対し
て、本発明を適用することも、勿論、可能である。
【0055】加えて、前記第一乃至第四の実施形態で
は、本発明を自動車用のエンジンマウントに適用したも
のの具体例を示したが、本発明は、その他、自動車のボ
デーマウントや、或いは自動車以外の各種装置に用いら
れる防振装置に対して、何れも、有利に適用され得る。
【0056】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもない。
【0057】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、オ
リフィス通路を短絡せしめる弁手段によって短絡通路が
連通せしめられることにより、衝撃的な大荷重の振動入
力時に受圧室に惹起される設定負圧よりも大きな負圧が
可及的速やかに解消され得て、受圧室での気体の分離に
起因する大きな振動や異音の発生が防止され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態としての自動車用エン
ジンマウントを示す縦断面図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】図1に示されたエンジンマウントを構成する受
圧室に設定負圧より大きな負圧が生ぜしめられた状態を
示す要部拡大図である。
【図4】本発明の第二の実施形態としての自動車用エン
ジンマウントを示す縦断面図である。
【図5】図4におけるV−V断面図である。
【図6】本発明の第三の実施形態としての自動車用エン
ジンマウントを示す縦断面図である。
【図7】図6におけるVII−VII断面図である。
【図8】本発明の第四の実施形態としての自動車用エン
ジンマウントを示す縦断面図である。
【図9】図8におけるIX−IX断面図である。
【図10】図8に示されたエンジンマウントを構成する
受圧室に設定負圧より大きな負圧が生ぜしめられた状態
を示す要部拡大図である。
【図11】本発明における短絡通孔の他の実施形態を示
す斜視図である。
【符号の説明】
10 エンジンマウント 12 第一の取付金具 14 第二の取付金具 16 本体ゴム弾性体 40 蓋ゴム 48 ダイヤフラム 54 受圧室 56 平衡室 58 オリフィス通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D035 CA05 3J047 AA03 AB01 CA01 CB07 CB11 FA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 防振連結される一方の部材に取り付けら
    れる第一の取付部材と防振連結される他方の部材に取り
    付けられる第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結せし
    めて、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて非圧
    縮性流体が封入された受圧室と、壁部の一部が可撓性膜
    で構成されて非圧縮性流体が封入された平衡室を形成す
    ると共に、それら受圧室と平衡室を相互に連通せしめる
    オリフィス通路を設けた流体封入式防振装置において、 前記オリフィス通路を短絡する短絡通路を形成すると共
    に、該短絡通路を遮断せしめて予め定められた設定負圧
    よりも大きな負圧が前記受圧室に生ぜしめられた場合に
    だけ該短絡通路を連通せしめて該オリフィス通路を短絡
    させる弁手段を設けたことを特徴とする流体封入式防振
    装置。
  2. 【請求項2】 前記短絡通路として、前記オリフィス通
    路における通路長手方向の中間部分を前記受圧室に短絡
    せしめる短絡通孔を少なくとも一つ形成した請求項1に
    記載の流体封入式防振装置。
  3. 【請求項3】 前記短絡通路における前記受圧室側の開
    口部を覆蓋すると共に、該受圧室に対して前記設定負圧
    よりも大きな負圧が生ぜしめられた場合に該短絡通路の
    開口部から弾性的に離隔せしめられる弁体によって、前
    記弁手段を構成した請求項1又は2に記載の流体封入式
    防振装置。
  4. 【請求項4】 前記受圧室側に開口して延びる凹溝の開
    口部に弾性蓋体を重ね合わせて、該弾性蓋体を該凹溝の
    溝幅方向一方の側で固定的に支持せしめると共に、該弾
    性蓋体を該凹溝の溝幅方向他方の側に延び出させて該凹
    溝の開口部を覆蓋せしめることにより、前記オリフィス
    通路の少なくとも一部を構成せしめて、該受圧室に対し
    て前記設定負圧よりも大きな負圧が生ぜしめられた場合
    に該弾性蓋体における該凹溝の溝幅方向他方の側に延び
    出した部分が該凹溝の溝長方向の少なくとも一部におい
    て該凹溝の開口部から弾性的に離隔せしめられるように
    して前記弁体を構成した請求項3に記載の流体封入式防
    振装置。
  5. 【請求項5】 前記短絡通路によって短絡された前記オ
    リフィス通路よりも更に短い通路長さで前記受圧室と前
    記平衡室を連通せしめる透孔を、該オリフィス通路から
    独立して形成すると共に、該透孔を通じての該受圧室と
    該平衡室の間での流体流動量を制限する可動板部材を設
    けた請求項1乃至4の何れかに記載の流体封入式防振装
    置。
  6. 【請求項6】 前記第二の取付部材に形成された筒状部
    の一方の開口部側に離隔して前記第一の取付部材を配設
    せしめて、それら第一の取付部材と第二の取付部材を連
    結する前記本体ゴム弾性体で該筒状部の該一方の開口部
    を流体密に閉塞すると共に、該筒状部の他方の開口部を
    前記可撓性膜で流体密に閉塞する一方、該筒状部の中心
    軸に対して略直交して広がる仕切部材を該第二の取付部
    材で固定的に支持せしめて、該仕切部材を挟んだ一方の
    側に前記受圧室を他方の側に前記平衡室をそれぞれ形成
    すると共に、該仕切部材の外周部分を周方向に延びるよ
    うに前記オリフィス通路を形成した請求項1乃至5の何
    れかに記載の流体封入式防振装置。
  7. 【請求項7】 前記第二の取付部材に形成された筒状部
    の一方の開口部側に離隔して前記第一の取付部材を配設
    せしめて、それら第一の取付部材と第二の取付部材を連
    結する前記本体ゴム弾性体で該筒状部の該一方の開口部
    を流体密に閉塞すると共に、該筒状部の他方の開口部を
    前記可撓性膜で流体密に閉塞する一方、該筒状部の中心
    軸に対して略直交して広がる仕切部材を該第二の取付部
    材で固定的に支持せしめて、該仕切部材を挟んだ一方の
    側に前記受圧室を他方の側に前記平衡室をそれぞれ形成
    し、該仕切部材の外周部分において前記受圧室側に開口
    して周方向に所定長さで延びるように前記凹溝を形成す
    ると共に、該筒状部から径方向内方に突設されて該凹溝
    の開口部に重ね合わせられることにより該開口部を覆蓋
    する弾性突出片によって前記弾性蓋体を構成した請求項
    4に記載の流体封入式防振装置。
  8. 【請求項8】 前記仕切部材の中央部分に前記受圧室側
    に開口する収容凹所を形成すると共に、該収容凹所の底
    部を貫通して前記平衡室に至る透孔を設けて、前記短絡
    通路によって短絡された前記オリフィス通路よりも更に
    短い通路長さで前記受圧室と前記平衡室を該透孔を通じ
    て連通せしめる一方、該収容凹所の略全体に亘って広が
    る可動板部材を該収容凹所に収容配置すると共に、前記
    弾性突出片の突出先端部分を該収容凹所まで延び出させ
    て、該収容凹所の底部と該弾性突出片の対向面間で該可
    動板部材の板厚方向の変位量を制限することにより、前
    記透孔を通じての前記受圧室と前記平衡室の間での流体
    流動量を制限するようにした請求項7に記載の流体封入
    式防振装置。
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