JP2003147891A - ファスナー及びその埋設定着部の構造 - Google Patents

ファスナー及びその埋設定着部の構造

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JP2003147891A JP2001350639A JP2001350639A JP2003147891A JP 2003147891 A JP2003147891 A JP 2003147891A JP 2001350639 A JP2001350639 A JP 2001350639A JP 2001350639 A JP2001350639 A JP 2001350639A JP 2003147891 A JP2003147891 A JP 2003147891A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな支持強度を確保でき、取付けを容易か
つ確実に行うことができる連結固定部の構造を提供す
る。 【課題手段】 壁材(カーテンウォール5,6)と建物
躯体(鉄骨梁7)とを連結するためのファスナー9であ
って、本体プレート10と、定着金物30と、前記本体
プレートと直交する向きに固着されている定着板20
と、前記定着板の壁面に対して直交する向きに配筋され
ている第1定着筋(かんざし筋21A、21B)と、前
記定着板において前記壁材の縦筋方向に延出して配筋さ
れている第2定着筋(ひげ筋22)と、を備え、前記定
着板における前記第2定着筋の延出部側の端縁部が、前
記本体プレートにおける前記第2定着筋の延出部側の端
縁部(下端部10e)よりも突出する形状に形成されて
いるファスナーとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプレキャストコンク
リート(以下、「PC」という)製の壁材と建物躯体と
を連結するためのファスナー及び当該ファスナーを壁材
に埋設した埋設定着部の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、各種ファスナーを使用して、
PCカーテンウォール等の外壁材を建物躯体の床や梁等
の水平部材に連結固定することが行われている。以下、
既往の代表的なファスナー9’を使用して、上下2体の
PCカーテンウォール5’,6’を、鉄骨梁7’に連結
固定した連結固定部(以下、「連結固定部」という)の
構造1’を例として説明する。
【0003】図4〜図6に示すように、既往のファスナ
ー9’は、上下のPCカーテンウォール5’,6’の接
合部における内側壁面に沿って設けられている本体プレ
ート10’と、当該本体プレート10’に挿通された状
態で下部PCカーテンウォール6’に埋設定着されると
ともに、鉄骨梁7’に植立しただぼピン35’に接合さ
れる定着金物30’とを備えている。前記本体プレート
10’には、その上部に連結ボルト13’を遊嵌するた
めの溝部10a’が、また、当該溝部10a’の下部に
は押しボルト挿通孔10b’(符号19’は押しボルト
を示す)が、また、下端部には下部PCカーテンウォー
ル6’に対する定着用アイボルト26’の挿通孔10
f’が、さらに、当該アイボルト26’の挿通孔10
f’の上部には、定着金物30’の埋設部31’の挿通
孔10c’がそれぞれ穿設されている。前記定着金物3
0’は、下部PCカーテンウォール6’への埋設部3
1’と、その先端の支持部33’とから形成されてお
り、当該支持部33’には、だぼピン35’を遊嵌する
ための遊嵌孔33a’が形成されている。
【0004】従来の連結固定部の構造1’では、前記フ
ァスナー9’を用い、上部PCカーテンウォール5’,
6’に埋設された連結ボルト13’を、本体プレート1
0’の溝部10a’に通し、調整座金14’、滑り材
(図示せず)、座金15’及びナット16’を使用して
当該本体プレート10’に定着することにより、上部P
Cカーテンウォール5’が固定されている。また、下部
PCカーテンウォール6’は、定着金物30’の埋設部
31’を当該下部PCカーテンウォール6’に埋設する
とともに、アイボルト26’により定着されている。さ
らに、鉄骨梁7’は、定着金物30’の支持部33’の
下面に座金36’及びナット38’を介してだぼピン3
5’を接合することにより定着されている。この連結固
定部の構造1’によって、上下のPCカーテンウォール
5’,6’と鉄骨梁7’を連結固定して、当該上下のP
Cカーテンウォール5’,6’の荷重を鉄骨梁7’に伝
達することができるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記ファスナ
ー9’及び連結固定部の構造1’は、以下のような問題
点を有していた。 (1)ファスナー9’の支持耐力が小さく、標準重量が
約4t〜5tである大型のPCカーテンウォールに使用
することが難しかった。また、ファスナー9’の定着金
物30’における支持部33’に局所的に過大な荷重が
作用し易いため、大きな支持強度を得ることが難しかっ
た。 (2)ファスナー9’の本体プレート10’に定着金物
30’の埋設部31’が挿通されている構造であり、定
着金物30’の支持部33’と本体プレート10’との
固定度が低く、また、アイボルト26’は定着面積が小
さく、その定着力のねばりを期待できないため、大きな
荷重を本体プレート10’に有効に伝達することができ
なかった。 (3)ファスナー9’における定着金物30’の支持部
33’においてだぼビン35’が螺着されておらず、建
て方作業において当該だぽピン35’が脱落する恐れが
あった。
【0006】本発明は前記の問題点を解決するためにな
されたものであり、大きな支持強度を確保でき、取り付
けを容易かつ確実に行うことができるファスナー及び当
該ファスナーを壁材に埋設した埋設定着部の構造を提供
することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明のファスナーは、プレキャストコンクリート
製の壁材と建物躯体とを連結するためのファスナーであ
って、前記壁材に固着されている本体プレートと、前記
本体プレートの前記建物躯体側に突設されており、前記
建物躯体と接合される定着金物と、前記本体プレートの
前記壁材側であり、前記本体プレートと直交する向きに
固着されている定着板と、前記定着板に対して直交する
向きに配筋されている第1定着筋と、前記定着板におい
て前記壁材の縦筋方向に延出して配筋されている第2定
着筋と、を備え、前記定着板における前記第2定着筋の
延出部側の端縁部が、前記本体プレートにおける前記第
2定着筋の延出部側の端縁部よりも突出する形状に形成
されていることを特徴としている。
【0008】ここで、定着金物は、一体成形されている
ことが好ましいものである。また、定着金物は、本体プ
レートに貫通している固着部と、当該固着部に連設して
いる幅広の拡径部と、当該拡径部と滑らかに結ばれてい
る支持部と、から構成すると、当該定着金物と本体プレ
ートとの固着性を増加させることができるとともに、拡
径部と支持部とが滑らかに結ばれている形状であるため
当該支持部に局所的に過大な荷重が作用することを防止
することができる。なお、前記拡径部は、断面形状が固
着部側から小さくなるとともに、支持部の先端におい
て、前記支持部材の挿通孔が穿設されていることが好ま
しい。
【0009】本発明によれば、本体プレート、定着板及
び定着金物を固着していることから、各部材の定着力を
高めることができ、定着金物を面内水平力及び面内鉛直
力で有効に抵抗させることができる。また、定着板にお
ける第2定着筋の延出部側の端縁部が、本体プレートに
おける前記第2定着筋の延出部側の端縁部よりも突出す
る形状に形成されているため、定着金物に過大な荷重が
作用した場合であっても、当該突出部が抵抗力を発揮で
きることから、壁材の重量が大きい場合にも適用可能で
ある支持耐力の大きいファスナーとすることができる。
さらに、前記突出している端縁部を有する定着板と、当
該定着板において前記壁材の縦筋方向に延出して配筋さ
れている第2定着筋とを備えていることから、前記第2
定着筋を長寸法とすることができる。そのため、第2定
着筋が抵抗力を発揮できることから、壁材の重量が大き
い場合にも適用可能な支持耐力の大きいファスナーとす
ることができる。
【0010】なお、前記定着板は、複数枚設けることが
好ましいものである。また、第1定着筋も定着板の上下
に配筋することが好ましいものである。この場合には、
定着板を本体プレートの端縁部よりも突出して形成する
ことにより、上下の第1定着筋間の距離を長くすること
ができるため、定着金物に過大な荷重が作用した場合で
あっても、複数本の第1定着筋の抵抗力により大きな定
着耐力を確保することができる。
【0011】また、本発明の前記ファスナーの埋設定着
部の構造は、前記壁材に前記定着板、前記第1定着筋及
び前記第2定着筋を埋設するとともに、側面視で、前記
本体プレートと前記第2定着筋の間に、前記縦筋方向の
補強筋を配筋したことを特徴としている。ここで、補強
筋は、第1定着筋と定着板との間に設けることが配筋を
行う上で好適である。なお、補強筋の長さには特に制限
はない。
【0012】本発明によれば、本体プレートと第2定着
筋の間に、他の補強筋を配設することにより、埋設定着
部におけるファスナーの定着耐力を高めることができる
ことから、壁材の重量が大きい場合にも適用可能な構造
とすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について、
図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明で
は、上下2体のPCカーテンウォール5,6(壁材)に
対して水平態となるように鉄骨梁7(建築躯体)がファ
スナー9により接合されており、その場合における連結
固定部の構造1を例として説明する。ここで、上下のP
Cカーテンウォール5,6には、水平方向及び鉛直方向
にそれぞれ、複数の横筋6a及び縦筋6b(下部PCカ
ーテンウォール6のみ図示する)が配筋されている。ま
た、側面視とは、図1に示す方向をいう。
【0014】[ファスナー]図1〜図3に示すように、
前記ファスナー9は、本体プレート10、2枚の定着板
20及び定着金物30から構成される本体部と、連結ボ
ルト13,押しボルト19及び支持ボルト35等から構
成される付属部品とを備えている。
【0015】○本体プレート 本体プレート10は、上部PCカーテンウォール5の自
重等の荷重を下部PCカーテンウォール6と鉄骨梁7に
伝達するための鋼製の板状部材であり、上下のPCカー
テンウォール5,6の接合部における内側(鉄骨梁7
側)壁面に跨設されている。前記本体プレート10の上
端部の中央には、連結部材である連結ボルト13を挿通
するために上縁部が解放されている溝部10aが、ま
た、当該溝部10aの下部には押しボルト挿通孔10b
が、また、当該押しボルト挿通孔10bの下部には定着
金物挿通孔10cが穿設されている。なお、定着金物挿
通孔10cの上部にはエア抜き孔10dが穿設されてい
る。
【0016】○定着板 本体プレート10の下半部のPCカーテンウォール5,
6側には、その壁面に対して垂直に、2つの鋼製の定着
板20が定着金物挿通孔10cを挟んで所定間隔を隔て
て溶接されている。この定着板20は、2枚の略長方形
形状部とその間の略菱形形状部を結合させた形状であ
り、上下方向に突出部20a,20bを有し、下方の突
出部20bにおける下端部(端縁部)が本体プレート1
0の下端部10e(端縁部)よりもさらに突出して形成
されている。なお、この下方の突出部20bは、ファス
ナー9の定着部における定着耐力を増加させるために、
下部PCカーテンウォール6の内部側(端部と反対側)
に延出するように設けられている。
【0017】この各定着板20には、水平方向のかんざ
し筋21A,21B(第1定着筋)の挿通孔20cが穿
設されており(本実施形態ではそれぞれ2孔づつ)、当
該挿通孔20cを貫通した状態で上下のかんざし筋21
A,21Bが平行に(定着板20の壁面に対して直交す
る向きに)配筋されている。さらに、前記各定着板20
の外側壁面には、鉛直方向(下部PCカーテンウォール
6の縦筋6b方向)にひげ筋22(第2定着筋)が溶接
されている。なお、これらのかんざし筋21,21Bと
ひげ筋22は、ファスナー9の定着耐力を増加させるこ
と、及び、本体プレート10の補剛を目的として設ける
ものである。
【0018】○定着金物 定着金物30は、上下のPCカーテンウォール5,6の
荷重を、後記支持ボルト35(支持部材)を介して、鉄
骨梁7に伝達するために設けられている一体成型された
鋼製のブラケットである。前記定着金物30は、固着部
31と、当該固着部31に連設されており鉛直方向に幅
広となっている拡径部32と、当該拡径部32から鉄骨
梁7側に向かい鉛直方向に連続して滑らかに幅狭となっ
ている支持部33と、から構成されている。前記定着金
物30の固着部は、本体プレート10の定着金物挿通孔
10cに挿通された状態で溶接されており、当該本体プ
レート10と定着金物30は一体となっている。また、
支持部33は、略ブロック状になっているが、平面視で
両側面が鉄骨梁7側に向けてテーバー状に拡がるととも
に、円弧状の球面と滑らかに結合して形成されており、
その先端部には、鉛直方向のネジ孔33aが穿設されて
いる(図3参照)。
【0019】[連結固定部の構造]連結固定部の構造1
は、前記ファスナー9と上部PCカーテンウォール5と
の接合部(以下、「上部接合部2」という)、前記ファ
スナー9を下部PCカーテンウォール6に埋設した埋設
定着部3及び前記ファスナー9と鉄骨梁7との接合部
(以下、「下部接合部4」という)から構成されてい
る。そして、この構造により、上下のPCカーテンウォ
ール5,6と鉄骨梁7を連結固定して、当該上下のPC
カーテンウォール5,6の荷重を鉄骨梁7に伝達するこ
とができるようになっている。
【0020】○上部接合部 上部接合部2は、上部PCカーテンウォール5に埋設さ
れた連結ボルト13を、ファスナー9の本体プレート1
0に螺着する構造となっている。以下、その構造につい
て詳述する。上部PCカーテンウォール5の下端部にお
ける下部PCカーテンウォール6との接合部の近傍に
は、当該上部PCカーテンウォール5の製作時に予め埋
設されている連結ボルト13が、先端部を鉄骨梁7側に
突出させた状態で設けられている。この連結ボルト13
の突出部は、前記本体プレート10の溝部10aに遊挿
され、調整座金14、滑り材(図示せず)及び座金15
を介して、ナット16で螺着締結させることにより、上
部PCカーテンウォール5と本体プレート10が固定さ
れている。なお、符号18は、上部PCカーテンウォー
ル5の内側壁面に沿って設けられている鋼板である。
【0021】また、押しボルト19が、前記押しボルト
挿通孔10bに挿通されている。この押しボルト19
は、上部PCカーテンウォール5に定着した鋼板18に
当接させることによって、上部PCカーテンウォール5
の建入れを調節するために設けるものである。さらに、
調整座金14には、ロッキング方式に対応する場合は縦
長となり、スウェイ方式に対応するときは横長となるよ
うに前記連結ボルト13を遊挿可能である溝孔14aが
穿設されている。
【0022】○埋設定着部 埋設定着部3では、下部PCカーテンウォール6の上部
の壁内に、ファスナー9の各定着板20とかんざし筋2
1A,21Bとひげ筋22と定着金物30の固着部31
が埋設され、当該下部PCカーテンウォール6と本体プ
レート10とが固定されている構造となっている。ま
た、下部PCカーテンウォール6における上部かんざし
筋21Aの上面部には側面視で鉤状に形成されている複
数本(本実施形態では4本)の補強筋25(他の補強
筋)が、下部PCカーテンウォール6の縦筋6b方向に
所定間隔で配筋されている。この補強筋25は、上部か
んざし筋21Aの上面部及び側面部と下部かんざし筋2
1Bの側面部に沿って配筋されており、先端のフック部
25aが、下部PCカーテンウォール6の横筋6a(か
んざし筋21A,21Bと平行に配筋されている鉄筋)
に掛止されている。
【0023】○下部定着部 下部定着部4は、前記定着金物30の支持部33におけ
るネジ孔33aに、上下のPCカーテンウォール5,6
の荷重を受け、鉄骨梁7に伝達するための支持ボルト3
5が調整溝型鋼37上に載置されている取付座板36を
介して螺着されており、上下のPCカーテンウォール
5,6と鉄骨梁7とが連結固定されている構造になって
いる。前記調整溝形鋼37は、その開口部37aが鉄骨
梁7の上面方向となるように下向きに溶接されており、
その底面部の中央には支持ボルト35を挿通するための
遊嵌孔37bが穿設されている。この遊嵌孔37bの寸
法は、上下のPCカーテンウォール5,6の層間変位に
追従可能となるように予め適切な寸法に定められてい
る。また、前記支持ボルト35の下端は、鉄骨梁7の上
部フランジ7aに載置されている。
【0024】前記支持ボルト35の上端には、回転調整
ナット38が取り付けられており、この回転調整ナット
38を回すことにより、鉄骨梁7に対する上下のPCカ
ーテンウォール5,6の高さを調整できるようになって
いる。また、取付座板36には、前記支持ボルト35の
外径と略同一寸法の貫通孔36aが穿設されており、当
該この取付座板36を介して、前記支持ボルト35の位
置決めと仮止めとを行うことができるようになってい
る。
【0025】なお、ロッキング方式による連結固定部の
構造1は、前記取付座板36を介装することなく、或い
は、取付座板36の貫通孔36aにおいて支持ボルト3
5が上下動可能となる程度のクリアランスをとり、上部
PCカーテンウォール5に埋設されている連結ボルト1
3を本体プレート10の溝部10aに遊挿し、調整座金
14の溝孔14aを垂直方向にして連結ボルト13を遊
挿した後に、座金15及び滑り材(図示せず)を介し
て、ナット16を螺着締結することにより行う。これに
より、上下のPCカーテンウォール5,6と鉄骨梁7の
支持ボルト35との間及び上部PCカーテンウォール5
と本体プレート10との間において、上下方向の相対移
動が許容され、地震時の建物挙動に対して上下のPCカ
ーテンウォール5,6が損傷を受けることを防止するこ
とができることになる。
【0026】また、スウェイ方式によるによる連結固定
部の構造1は、前記取付座板36を介装することなく、
前記支持ボルト35を調整溝型鋼37の遊嵌孔37aに
遊嵌して、水平方向にフリーの状態にするとともに、上
部PCカーテンウォール5に埋設されている連結ボルト
13を本体プレート10の溝部10aに遊嵌し、調整座
金14の溝孔14aを水平方向にして連結ボルト13を
遊挿した後に、すべり材及び座金15を介して、ナット
16を螺着締結することにより行う。これにより、前記
支持ボルト35を介して鉄骨梁7に接合された下部PC
カーテンウォール6、及び、本体プレート10に連結ボ
ルト13が遊挿された上部PCカーテンウォール5の水
平方向の相対移動が許容されることになる。従って、地
震時の建物挙動に対して上下のPCカーテンウォール
5,6が損傷を受けることを防止することができること
になる。
【0027】前記ファスナー9によれば、下部PCカー
テンウォール6に埋設されている定着板20の下部突出
部20bの下端部を、本体プレート10の下端部10e
よりも突出する形状に形成することにより、定着金物3
0に過大な荷重が作用した場合であっても、当該突出部
が抵抗力を発揮できることから、上下のPCカーテンウ
ォール5,6の重量が大きい場合にも適用可能な支持耐
力が大きいファスナー9とすることができる。また、下
端部が突出している定着板10に、ひげ筋22が延出し
て配筋されていることから、当該ひげ筋22を長寸法と
することができる。そのため、ひげ筋22が抵抗力を発
揮できることから、上下のPCカーテンウォール5,6
の重量が大きい場合にも適用可能な支持耐力が大きいフ
ァスナー9とすることができる。
【0028】また、下端部が突出している定着板10の
上下にかんざし筋21A,21Bを設けており、上下の
かんざし筋21A,21B間の距離を長くすることがで
きるため、定着金物30に過大な荷重が作用した場合で
あっても、複数本のかんざし筋21A,21Bの抵抗力
により大きな定着耐力を確保することができる。また、
かんざし筋21A,21Bと本体プレート10の間に、
補強筋25を配設することにより、定着部の定着耐力を
向上させて、上下のPCカーテンウォール5,6の重量
が大きい場合にも対応させることができる。
【0029】さらに、定着金物30は幅広の拡径部32
を備えているため、当該定着金物30と本体プレート1
0との固着性を増加させることができるとともに、拡径
部32と支持部33とが滑らかに結ばれている形状であ
るため、支持部33に局所的に過大な荷重が作用するこ
とを防止することができる。
【0030】また、前記連結固定部の構造1によれば、
本体プレート10に固設した定着板20を下部PCカー
テンウォール6に埋設するとともに、本体プレート10
に突設した定着金物30の定着部33におけるネジ孔3
3aに鉄骨梁7に立設した支持ボルト35を螺入させる
ことより、各部材の定着力を高めるとことができ、定着
金物30を面内水平力及び面内鉛直力で有効に抵抗させ
ることができる。また、鉄骨梁7と定着金物30を支持
部33のネジ孔33aにおいて支持ボルト35で螺着し
ているため、確実に上下のPCカーテンウォール5,6
の荷重を支持ボルト35に伝達することができるととも
に、建て方作業を容易に行うことができる。
【0031】なお、前記説明では、上下2体のPCカー
テンウォール5,6(壁材)と鉄骨梁7(建物躯体)と
の連結をする場合について説明したが、建物の最上階等
において、1体のPCカーテンウォール(壁材)と鉄骨
梁とを連結する際に適用してもよい。そして、その場合
におけるファスナーは、前記ファスナー9において、少
なくとも押しボルト19より下部の部位のみの構造を有
していればよい。
【0032】以上、本発明について、好適な実施形態に
ついての一例を説明したが、本発明は当該実施形態に限
られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更
が可能である。特に、壁材及び建物躯体を形成する部材
は、PCカーテンウォール及び鉄骨梁に限るものでない
ことは言うまでもない。さらに、各構成部材の材質、形
状及び寸法等は適宜変更が可能である。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、大きな支持強度を確保
でき、取付けを容易かつ確実に行うことができるファス
ナー及び当該ファスナーを壁材に埋設した埋設定着部の
構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のファスナー及び連結固定部の構造を示
す側断面図である。
【図2】本発明のファスナー及び連結固定部の構造を示
す正面図である。
【図3】図2におけるX−X断面図である。
【図4】従来の連結固定部の構造を示す側断面図であ
る。
【図5】従来の連結固定部の構造を示す正面図である。
【図6】図5におけるY−Y断面図である。
【符号の説明】
1 連結固定部の構造 2 上部接合部 3 埋設定着部 4 下部接合部 5,6 PCカーテンウォール(壁材) 6b 縦筋 7 鉄骨梁(建物躯体) 9 ファスナー 10 本体プレート 10a 溝部 10c 定着金物挿通孔 10e 下端部(端縁部) 13 連結ボルト 20 定着板 20a,20b 突出部 21A,21B かんざし筋(第1定着筋) 22 ひげ筋(第2定着筋) 25 補強筋 30 定着金物 31 固着部 32 拡径部 33 支持部 35 支持ボルト(支持部材)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プレキャストコンクリート製の壁材と建
    物躯体とを連結するためのファスナーであって、 前記壁材に固着されている本体プレートと、 前記本体プレートの前記建物躯体側に突設されており、
    前記建物躯体と接合される定着金物と、 前記本体プレートの前記壁材側であり、前記本体プレー
    トと直交する向きに固着されている定着板と、 前記定着板に対して直交する向きに配筋されている第1
    定着筋と、 前記定着板において前記壁材の縦筋方向に延出して配筋
    されている第2定着筋と、を備え、 前記定着板における前記第2定着筋の延出部側の端縁部
    が、前記本体プレートにおける前記第2定着筋の延出部
    側の端縁部よりも突出する形状に形成されていることを
    特徴とするファスナー。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載のファスナーの埋設
    定着部の構造であって、 前記壁材に前記定着板、前記第1定着筋及び前記第2定
    着筋を埋設するとともに、 側面視で、前記本体プレートと前記第2定着筋の間に、
    前記縦筋方向の補強筋を配筋したことを特徴とする埋設
    定着部の構造。
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