JP2003147540A - 無電解ニッケルめっき液中の硫黄含有化合物濃度の測定方法 - Google Patents

無電解ニッケルめっき液中の硫黄含有化合物濃度の測定方法

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JP2003147540A
JP2003147540A JP2001344000A JP2001344000A JP2003147540A JP 2003147540 A JP2003147540 A JP 2003147540A JP 2001344000 A JP2001344000 A JP 2001344000A JP 2001344000 A JP2001344000 A JP 2001344000A JP 2003147540 A JP2003147540 A JP 2003147540A
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Kazuyuki Suda
和幸 須田
Kazunori Hibi
一徳 日比
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無電解ニッケルめっき液中の硫黄含有化合物
濃度の測定方法を提供する。 【解決手段】 無電解ニッケルめっき液中の硫黄含有
化合物濃度の測定方法であって、(1)硫黄含有化合物
を含む無電解ニッケルめっき液またはその希釈液に、金
属クーポンを浸漬処理する工程、および(2)前記処理
された金属クーポンをパラジウム含有液に浸漬し、該金
属クーポン表面の変化を測定する工程を含む、前記無電
解ニッケルめっき液中の硫黄含有化合物濃度の測定方
法。前記方法により、めっき液中の硫黄含有化合物濃度
を、迅速、高精度かつ簡便に測定することが可能とな
る。また、該測定方法を用いて、めっき液の管理がより
高精度かつ効率的になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無電解ニッケルめ
っき液中の硫黄含有化合物濃度の測定方法に関する。ま
た、本発明は、前記測定方法を用いた、硫黄含有化合物
を含む無電解ニッケルめっき液の管理方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】無電解ニッケルめっき液においては、浴
の安定化をはじめとする種々の目的を達成するために、
該めっき液中に硫黄含有化合物が添加される場合が多
い。この様な硫黄含有化合物は、めっきを行なうことで
めっき皮膜に取り込まれたり、汲み出し、熱による分解
等により浴中の濃度が低下する。そのため、無電解ニッ
ケルめっき浴を常に一定の状態に保つためには、硫黄含
有化合物の濃度を測定し、その不足分を補給することに
より、無電解ニッケルめっき浴を管理する必要がある。
【0003】上述のような、無電解ニッケルめっき液中
での硫黄含有化合物の濃度管理の問題を解決する方法と
して、特開平2000−329727号には、無電解ニ
ッケルめっき浴における析出停止電位を指標として、硫
黄含有化合物の濃度を測定する方法が開示されている。
そして、この方法は、無電解ニッケルめっき液中の他の
成分や不純物に影響されることなく、硫黄含有化合物の
濃度を測定できるという利点を有している。
【0004】しかし、この方法では、無電解ニッケルめ
っき液中の硫黄含有化合物濃度の測定において、その測
定誤差が1.3〜2.6μモル/L程度なので、測定限
界も約5.3μモル/L以上となり、硫黄含有化合物に
ついて、この濃度より低濃度での管理が求められる場合
には、該方法を使用することができなかった。実際に、
無電解ニッケルめっき液中で使用される硫黄含有化合物
濃度は、約3.9μモル/L程度であることが多く、こ
の場合、望まれる管理範囲も3.9±2.6μモル/L
程度であり、上記方法ではその管理が困難であった。ま
た、その測定時間についても、上記方法では1時間程度
を要するので、無電解ニッケルめっき浴を運転しつつリ
アルタイムで浴を管理する場合に、測定時間によるタイ
ムラグができてしまい、時間的に微細な管理が望まれる
場合には、めっき浴を適切に管理できないという場合も
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、無電解ニッ
ケルめっき液中の他の成分や不純物に影響されることな
く、無電解ニッケルめっき液中の硫黄含有化合物濃度
を、より高い測定精度で、より迅速に、より簡便に測定
することができる測定方法を提供することを目的とす
る。また、本発明は、前記測定方法の結果に従って、硫
黄含有化合物の濃度を適切に維持することにより、無電
解ニッケルめっき処理において、長時間に渡り、より安
定したニッケル析出速度を維持できる、硫黄含有化合物
を含む無電解ニッケルめっき液の管理方法を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、無電解ニッケ
ルめっき液中の硫黄含有化合物濃度の測定方法であっ
て、(1)硫黄含有化合物を含む無電解ニッケルめっき
液またはその希釈液に、金属クーポンを浸漬処理する工
程、および(2)前記処理された金属クーポンをパラジ
ウム含有液に浸漬し、該金属クーポン表面の変化を測定
する工程を含む、前記無電解ニッケルめっき液中の硫黄
含有化合物濃度の測定方法に関する。また、本発明は、
硫黄含有化合物を含む無電解ニッケルめっき液の管理方
法であって、前記測定方法により、無電解ニッケルめっ
き液中の硫黄含有化合物濃度を測定し、該無電解ニッケ
ルめっき液中の該硫黄含有化合物濃度を一定範囲に管理
する、前記管理方法にも関する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明で使用される無電解ニッケルめっき液は、
ニッケルを無電解めっきできるものであれば任意の、公
知の浴液が使用可能であり、例えば、還元剤の違いによ
って、無電解ニッケル−リン合金めっき液、無電解ニッ
ケル−ホウ素合金めっき浴などが挙げられ、また、酸性
無電解ニッケルめっき浴、アルカリ性無電解ニッケルめ
っき浴のいずれであっても良く、特に限定されるもので
はない。
【0008】本発明においては、無電解ニッケルめっき
液中に硫黄含有化合物が含まれる。本発明における「硫
黄含有化合物」とは、分子内に硫黄原子を含む任意の化
合物を意味し、特に限定されるものではない。例えば、
一般的には、硫黄含有化合物としては、無電解ニッケル
めっき液において触媒毒となる硫黄含有安定剤として使
用可能な化合物が挙げられるが、これに限定されず、分
子内に硫黄原子を含む化合物であれば、他の目的に使用
される化合物も、本発明における硫黄含有化合物に包含
される。また、硫黄含有化合物としては、1種類の化合
物が使用されても良いし、2種類以上の化合物が使用さ
れても良い。
【0009】硫黄含有化合物の例としては、チオール、
スルフィド、アルキレンスルフィド、ジスルフィド、チ
オアルデヒド、チオケトン、チオシアン酸及びその塩、
チオ尿素及びその誘導体、チオ硫酸及びその塩、等が挙
げられるがこれらに限定されるものではない。好ましく
は、チオールとしては、メルカプトコハク酸、メルカプ
トプロピオン酸等;スルフィドとしては、チオジグリコ
ール酸、チオ乳酸、チオジ乳酸等;アルキレンスルフィ
ドとしては、プロピレンスルフィド、ブチレンスルフィ
ド等;ジスルフィドとしては、メチレンジスルフィド、
エチレンジスルフィド等;チオアルデヒドとしては、ト
リチオホルムアルデヒド、トリチオアセトアルデヒド
等;チオケトンとしては、トリチオアセトン、チオアセ
ト酢酸エチル等;チオシアン酸;チオ硫酸;イソチオシ
アン酸アリル;チオ尿素;メチルチオ尿素;ジメチルチ
オ尿素;ジエチルチオ尿素;およびこれらの塩が挙げら
れるがこれらに限定されるものではない。無電解ニッケ
ルめっき液中でより不安定な硫黄含有化合物の場合に
は、無電解ニッケルめっき処理を行う際に、より迅速で
より高精度の測定およびそれに基づく浴液の管理が望ま
れるところ、かかる硫黄含有化合物が使用される場合に
本発明の管理方法の利点がより大きくなる。よって、こ
の観点から、本発明における硫黄含有化合物は、無電解
ニッケルめっき液中で不安定な硫黄含有化合物であるの
が好ましく、より好ましくは、メルカプトコハク酸、チ
オ乳酸、イソチオシアン酸アリル、チオ尿素、ジメチル
チオ尿素、ジエチルチオ尿素およびこれらの塩が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0010】硫黄含有化合物が安定剤である場合には、
安定剤は、例えば、1〜100μモル/L、好ましく
は、2〜10μモル/Lの範囲で使用することができ
る。めっき液中の濃度が1μモル/L以下の場合には、
安定剤としての効果が得られない。また、100μモル
/Lを越える場合であっても、それに見合う効果の向上
はほとんど得られないので、経済的観点から好ましくな
い。硫黄含有化合物を安定剤以外の目的で使用する場合
に、その使用量の好適な範囲は当業者が適宜決定するこ
とのできる事項である。
【0011】本発明における無電解ニッケルめっき液の
基本組成としては、公知の、通常の無電解ニッケルめっ
き液に使用されるものであれば特に制限なく使用するこ
とができ、本発明の目的が達成される限りにおいては、
適宜、基本組成の組成物の変更、濃度の変更、任意の添
加剤の添加等をすることが可能である。また、無電解ニ
ッケルめっき液のpHも任意であり、特に限定されるも
のではないが、好ましくは、無電解ニッケルめっき液の
pHは4〜7であり、より好ましくは、4〜6である。
無電解ニッケルめっき液に含まれるニッケルのソースと
しては、ニッケルイオンを浴液に供給できるものであれ
ば、任意のソースが可能であり、例えば、硫酸ニッケ
ル、ジ亜リン酸ニッケル、酢酸ニッケル、塩化ニッケル
等のニッケル塩が可能であるがこれらに限定されるもの
ではない。これらのニッケル塩としては、一般には、
0.01〜1モル/Lの濃度であり、好ましくは、0.
05〜0.2モル/Lの濃度である。また、本発明の無
電解ニッケルめっき液に含まれる還元剤としては、ジ亜
リン酸およびその塩、例えば、ジ亜リン酸ナトリウム、
並びに、ジメチルアミンボラン、トリメチルアミンボラ
ン、ヒドラジンなどが挙げられるが、これらの限定され
るものではない。これら還元剤の濃度としては、一般に
は、0.01〜1モル/Lであり、好ましくは、0.0
5〜0.5モル/Lである。また、本発明の無電解ニッ
ケルめっき液は、錯化剤を含むことができ、錯化剤とし
ては、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、酢酸等の
有機酸およびこれらの塩、並びに、グリシン、アラニ
ン、イミノジ酢酸、アルギニン、グルタミン酸をはじめ
とするアミノ酸およびこれらの塩が挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。これら錯化剤の濃度とし
ては、一般的には、0.01から2モル/Lであり、好
ましくは、0.05〜1モル/Lである。さらに、本発
明の無電解ニッケルめっき液は、金属安定剤を含むこと
ができ、金属安定剤としては、鉛、カドミウム、ビスマ
ス、アンチモンなどが挙げられるが、これらに限定され
るものではない。鉛、カドミウム、ビスマスについて
は、一般的には、0.01〜10ppm、好ましくは、
0.1〜2ppmの範囲であり、アンチモンについて
は、一般的には、0.5〜30ppm、好ましくは、4
〜10ppmの範囲である。
【0012】本発明の無電解ニッケルめっき液中の硫黄
含有化合物濃度の測定方法においては、工程(1)とし
て、「硫黄含有化合物を含む無電解ニッケルめっき液ま
たはその希釈液に、金属クーポンを浸漬処理する工程」
が行われる。工程(1)においては、金属クーポンが、
硫黄含有化合物を含む無電解ニッケルめっき液またはそ
の希釈液に浸漬されることにより、該めっき液中に含ま
れる硫黄含有化合物が金属クーポンの表面に吸着する。
該工程(1)において、金属クーポンが浸漬される液と
して、無電解ニッケルめっき液の希釈液が含まれている
のは、後の工程(2)において行われる金属クーポン表
面の変化の測定においては、硫黄含有化合物濃度の測定
可能範囲が存在し、硫黄含有化合物濃度が該範囲の上限
を超える場合には、金属クーポン表面の変化と硫黄含有
化合物濃度が対応せず、測定不能となるためである。希
釈液作成の際の希釈比率は、工程(2)における金属ク
ーポン表面の変化の測定方法において、硫黄含有化合物
濃度が測定可能範囲に含まれるように設定される。無電
解ニッケルめっき液の希釈の際に使用される液として
は、本発明の目的に反しない、蒸留水、イオン交換水な
ど任意の液体が可能であるが、硫黄含有化合物以外の成
分の濃度を変化させないという観点から、硫黄含有化合
物を含まないこと以外は本発明における測定対象となる
無電解ニッケルめっき液と同じ成分の溶液で希釈するの
が好ましい。また、安価、簡便であるという観点から
は、蒸留水、イオン交換水などの水で希釈するのが好ま
しい。
【0013】本発明において使用される金属クーポン
は、表面に金属層を有するクーポンであれば良く、クー
ポン全体が金属からなるものであっても良いし、内部が
任意の材質、例えば、樹脂、セラミック、表面の金属と
は異なる他の金属または合金などであって、表面が金属
で覆われているものであっても良い。好ましくは、金属
クーポンとしては、全体が同一の金属からなるクーポン
である。金属クーポンを構成する金属(この場合の「構
成する金属」とは、クーポンの表面に存在している金属
種をいう)としては、本発明の目的に反しない限りは任
意の種類の金属が可能であり、特に限定されるものでは
ない。また、該金属は、単一の元素からなる金属であっ
ても良いし、複数の元素からなる合金であっても良い。
本明細書においては、特に区別して記載されていない限
りは、金属とは、単一の元素からなる金属および複数の
元素を含む合金の双方を含む。該金属としては、例え
ば、金属Al、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、C
o、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Se、Y、
Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、C
d、In、Sb、Te、Hf、Ta、W、Re、Os、
Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、BiもしくはP
o、またはこれらの金属を構成する元素の少なくとも1
つを含む合金が挙げられる。好ましくは、金属は、金属
Al、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、G
a、Mo、Ru、Rh、Ag、Cd、In、Sb、O
s、Ir、Pt、Au、PbもしくはBi、またはこれ
らの金属を構成する元素の少なくとも1つを含む合金で
ある。より好ましくは、金属は、金属Al、Cr、M
n、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ag、Cd、P
t、AuもしくはPb、またはこれらの金属を構成する
元素の少なくとも1つを含む合金である。さらにより好
ましくは、金属は、金属Ni、FeもしくはCu、また
はこれらの金属を構成する元素の少なくとも1つを含む
合金である。最も好ましくは、金属は、金属Cuまたは
Cu元素を含む合金である。なお、金属が合金を形成す
る場合には、金属元素だけに限らず、任意の元素が合金
を構成することができる。金属クーポンとしては、任意
の公知の方法により製造されたものを使用することがで
きる。また、その形状も、ワイヤー状、棒状、板状など
任意の形状が可能であり、特に限定されるものではな
い。工程(2)において、金属クーポンの変色を観察す
る場合には、観察が容易であるとの観点から、板状の形
状を有する金属クーポンが好ましい。また、工程(2)
において、電位差の最大値を観察する場合には、ワイヤ
ー状、板状、棒状等が好ましい。工程(1)において使
用される金属クーポンについては、浸漬処理前に前処理
を行うことが可能である。前処理としては任意の処理が
可能であり、例えば、脱脂処理および/または、ソフト
エッチングなどの活性化処理が挙げられる。脱脂処理お
よび活性化処理としては、無電解ニッケルめっき処理に
おいて通常行われる、任意の、公知の脱脂処理および活
性化処理を適用可能である。例えば、脱脂処理として
は、金属クーポンを水酸化ナトリウムで処理することが
挙げられ、また、活性化処理としては、金属クーポンを
過硫酸ナトリウムで処理することが挙げられる。
【0014】工程(1)における金属クーポンの浸漬処
理は、硫黄含有化合物を含む無電解ニッケルめっき液ま
たはその希釈液に、金属クーポンを浸漬することにより
行われる。浸漬条件は、めっき液または希釈液中の硫黄
含有化合物が金属クーポンに充分に吸着する様に適宜設
定されればよく、特に限定されるものではないが、一般
には、浸漬時間は、10秒〜5分、好ましくは、30秒
〜1分である。また、金属クーポンが浸漬されるめっき
液または希釈液の液温は、一般的には、20〜90℃で
あり、好ましくは、20〜30℃である。
【0015】工程(1)で浸漬処理された金属クーポン
は、そのまま工程(2)の処理を受けても良いし、該ク
ーポンは工程(2)の処理を受ける前に、水で洗浄され
ても良い。好ましくは、工程(1)の後で、工程(2)
の前に、金属クーポンは水洗される。水洗の条件は特に
限定されるものではなく、使用される水としては、蒸留
水、イオン交換水等、工程(2)における測定に影響を
及ぼす成分を含まない任意の水を使用することができ
る。
【0016】本発明の測定方法においては、工程(1)
の後に、工程(2)として、「(2)前記処理された金
属クーポンをパラジウム含有液に浸漬し、該金属クーポ
ン表面の変化を測定する工程」が行われる。理論に拘束
されるのは望むものではないが、工程(2)において
は、工程(1)で処理された金属クーポンに吸着した硫
黄含有化合物の量に応じて、パラジウム含有液中のパラ
ジウムが、金属パラジウムとしておよび/またはその他
の状態で、金属クーポン表面に吸着するものと考えられ
る。そして、金属クーポン表面へパラジウムが吸着する
ことにより、該金属クーポン表面の表面状態が変化し、
この変化を測定することによって、金属クーポンに吸着
した硫黄含有化合物の量が特定され、最終的に、測定対
象である無電解ニッケルめっき液中の硫黄含有化合物濃
度が特定される。なお、工程(1)において、硫黄含有
化合物を含まない無電解ニッケルめっき液が使用された
場合には、工程(2)における金属クーポンの表面の変
化は認められない。本発明の測定方法における測定精度
としては、実際に工程(1)に供される、測定対象であ
る無電解ニッケルめっき液またはその希釈液中の硫黄含
有化合物の濃度として、0.1μモル/Lのオーダーで
測定可能であり、好ましくは、0.01μモル/Lのオ
ーダーまで測定可能である。
【0017】工程(2)において使用されるパラジウム
含有液としては、パラジウム元素を含む任意の溶液を使
用でき、特に限定されるものではない。パラジウム含有
液中のパラジウム濃度およびその他の成分の組成、並び
にpH等は、本発明の目的を達成できる限りは、任意の
濃度に設定可能であり、特に限定されるものではない。
好ましくは、パラジウム濃度は、10〜100mg/L
であり、より好ましくは、30〜50mg/Lである。
好ましくは、パラジウム含有液は、パラジウム元素がイ
オンの状態で存在する溶液である。より好ましくは、パ
ラジウム含有液は、無電解ニッケルめっき処理におい
て、パラジウム触媒付与に使用されるパラジウム溶液で
あり、例えば、塩酸酸性の塩化パラジウム溶液が挙げら
れ、この場合のパラジウム濃度は一般的に、10〜10
0mg/L、好ましくは、30〜50mg/Lであり、
塩酸濃度は0〜200mL/L、好ましくは、100〜
200mL/Lである。
【0018】工程(2)においては、金属クーポンのパ
ラジウム含有液への浸漬時間は、金属クーポンの表面の
変化が認められる時間であれば充分である。本発明の方
法における、金属クーポンの表面の変化は、一般には、
1秒〜5分の浸漬時間、好ましくは、1秒〜1分の浸漬
時間で認められる。また、浸漬温度については、本発明
の目的に反しない限りは任意の温度を採用することがで
き、特に限定されるものではない。
【0019】工程(2)における、金属クーポン表面の
変化の測定については、該変化を測定可能であれば任意
の方法が可能であり、特に限定されるものではない。1
態様としては、工程(2)は、「パラジウム含有液と、
該パラジウム含有液中に浸漬された参照電極を有するパ
ラジウム浴中に、工程(1)で処理された金属クーポン
を浸漬し、該金属クーポンと該参照電極間の電位差の経
時変化を測定し、該電位差の最大値から硫黄含有化合物
濃度を測定する工程」である態様が挙げられる。理論に
拘束されるのは望まないが、この態様においては、金属
クーポンに吸着された硫黄含有化合物の量に対応して、
金属クーポンの表面状態が変化し、それに伴って電位差
の最大値が低下するものと考えられる。この態様におい
ては、パラジウム含有液を有するパラジウム浴が設けら
れ、該パラジウム浴中に電位差測定のための参照電極が
設けられる。参照電極としては、電位差を測定でき、本
発明の目的に反しない限りは任意の公知の電極を使用す
ることができ、例えば、水素電極、カロメル電極、硫酸
水銀電極、銀ハロゲン化銀電極等が挙げられるが、これ
に限定されるものではない。この態様においては、金属
クーポンをパラジウム含有液に浸漬させた後の金属クー
ポンと参照電極間の電位差の経時変化を測定し、該電位
差の最大値を特定する。本発明の測定方法においては、
電位差の最大値と無電解ニッケルめっき液中の硫黄含有
化合物濃度とは一定の相関関係を有しているので、工程
(2)で得られた電位差の最大値と前記相関関係から、
硫黄含有化合物濃度が特定される。
【0020】前記相関関係の特定方法は特に限定される
ものではないが、好ましい態様としては、硫黄含有化合
物濃度が既知である無電解ニッケルめっき液またはその
希釈液を用いて工程(1)の処理を行い、工程(2)の
電位差の最大値を測定して、該硫黄含有化合物濃度と該
電位差の最大値の相関関係を特定する態様が挙げられ
る。典型的な例として、図1に、硫黄含有化合物濃度が
既知である無電解ニッケルめっき液の10倍希釈液を用
いた場合における、浸漬時間と電位差の経時的変化の測
定結果を示す。なお、図1中に示されるチオ尿素の量は
希釈前の無電解ニッケルめっき液中の濃度である。図1
に示されるように、浸漬開始から10秒以内に、電位差
が最大値を示し、該電位差の最大値と硫黄含有化合物濃
度の相関係数を調べたところ、図2に示されるように、
硫黄含有化合物濃度が一定の範囲内においては、良好な
相関関係を示すことが解る。なお、図1および図2から
明らかなように、測定対象となる無電解ニッケルめっき
液中の硫黄含有化合物濃度が一定範囲を超える場合に
は、電位差の最大値に対して良好な相関を示さず、この
場合には、測定対象となる無電解ニッケルめっき液は適
宜希釈されることが必要となる。
【0021】他の態様としては、工程(2)は、「工程
(2)が、工程(1)で処理された金属クーポンをパラ
ジウム含有液に浸漬し、析出するパラジウムの量から硫
黄含有化合物濃度を測定する工程」である態様が挙げら
れる。この態様においては、既に述べたように、工程
(2)における金属クーポンへのパラジウムの吸着量
は、工程(1)の処理により、金属クーポン上に吸着し
た硫黄含有化合物の量に応じて変化するものなので、工
程(2)において金属クーポン上に析出するパラジウム
の量を特定することにより、測定対象である無電解ニッ
ケルめっき液中の硫黄含有化合物濃度が特定される。こ
の態様におけるパラジウムの量の測定方法としては、パ
ラジウム量を測定できるのであれば任意の、公知の方法
を採用することができ、特に限定されるものではない。
例えば、金属クーポンの変色の程度を指標として、これ
を目視でまたは分光光学的に観察する方法、また、金属
クーポンの表面または全部を溶解し、ICP発光分光法
などを用いて定量する方法、また、金属クーポンの表面
を電子プローブマイクロアナライザなどを用いてパラジ
ウム量を測定する方法などが挙げられるが、これらに限
定されるものではない。短時間に簡便に測定できるとい
う観点から、析出するパラジウムによる金属クーポンの
変色の程度を指標とする方法が好ましい。
【0022】上記態様の測定方法においては、析出する
パラジウムの量から、測定対象である無電解ニッケルめ
っき液中の硫黄含有化合物の濃度が特定されるが、この
特定のための方法は特に限定されるものではない。好ま
しい態様としては、析出するパラジウムの量からの硫黄
含有化合物濃度の測定が、硫黄含有化合物濃度が既知で
ある無電解ニッケルめっき液またはその希釈液を用い
て、工程(1)の処理を行い、金属クーポンに析出する
パラジウムの量を求め、該パラジウムの量に基づいて該
硫黄含有化合物濃度を測定する態様が挙げられる。ま
た、工程(2)における、析出するパラジウムの量から
の硫黄含有化合物濃度の測定が、「析出するパラジウム
による金属クーポンの変色の程度を指標として行われ
る」場合には、好ましい態様としては、析出するパラジ
ウムの量からの硫黄含有化合物濃度の測定が、硫黄含有
化合物濃度が既知である無電解ニッケルめっき液または
その希釈液を用いて、工程(1)の処理を行い、金属ク
ーポンの変色の程度を示す色見本を得て、該色見本に基
づいて、金属クーポンの変色の程度から硫黄含有化合物
濃度を測定する態様が挙げられる。
【0023】本発明の無電解ニッケルめっき液中の硫黄
含有化合物濃度の測定方法を用いることにより、硫黄含
有化合物を含む無電解ニッケルめっき液を用いた無電解
ニッケルめっき処理を行う際に、簡易、迅速かつ高精度
に硫黄含有化合物濃度を測定できるので、その測定結果
に応じて、硫黄含有化合物をめっき液に補給することが
可能となる。これにより、無電解ニッケルめっき液中の
硫黄含有化合物濃度を一定範囲に管理し、安定した析出
速度でめっき処理を行うことが可能となる。無電解ニッ
ケルめっき液中の硫黄含有化合物濃度の維持に際して
は、めっき処理における安定した析出速度の維持という
観点から、めっき液の建浴直後における硫黄含有化合物
濃度の50〜150%、好ましくは、80〜120%と
なるように、硫黄含有化合物濃度を維持することが望ま
れる。以下、実施例により本発明をより具体的に説明す
るが、本発明の範囲は以下に示される実施例の範囲に限
定されるものではない。
【0024】
【実施例】以下に示す組成の無電解ニッケルめっき液を
作成した。 硫酸ニッケル 0.1モル/L ジ亜リン酸ナトリウム 0.28モル/L 乳酸 0.3モル/L 硝酸鉛 0.5mg/L チオ尿素 6.6μモル/L
【0025】実施例1 電位差によるめっき液中の硫黄含有化合物濃度の測定 金属クーポンである直径1.2mm×長さ100mmの
銅ワイヤーを常法に従って、脱脂およびソフトエッチン
グ処理した。測定対象である無電解ニッケルめっき液2
0mLをイオン交換水で200mLとなるように希釈
(10倍希釈)した。次いで、前記処理を行った銅ワイ
ヤーを、上記10倍希釈した無電解ニッケルめっき液
に、室温で、1分間浸漬した。浸漬後、銅ワイヤーを水
洗し、パラジウム水溶液(パラジウム50mg/L、塩
酸170mL/L)に、30±1℃で浸漬し、参照電極
として銀/塩化銀電極を使用して、スターラーで撹拌し
つつ、エレクトロメーターを用いて、参照電極に対する
該銅ワイヤーの電位差を経時的に測定し、該電位差の最
大値を特定した。
【0026】上記方法を用いて、測定対象として、上述
の無電解ニッケルめっき液のチオ尿素の濃度を0μモル
/L;1.3μモル/L;6.6μモル/L;13μモ
ル/L;39μモル/Lとしためっき液の10倍希釈液
を作成し、これを用いて、各濃度における電位差の経時
変化を測定した。結果を図1に示す。なお、図1のグラ
フに示されるチオ尿素の濃度は、希釈前の無電解ニッケ
ルめっき液における濃度であり、実際に測定に供された
希釈液中のチオ尿素の濃度は、表示されている濃度の1
/10の濃度である。図1のグラフに示されるように、
いずれの濃度においても、10秒以内に電位差は最大値
を示し、最大値は、チオ尿素濃度が増大するにつれて低
下した。図1中には、各濃度における最大値が記号■
(0μモル/L);●(1.3μモル/L);▲(6.
6μモル/L);◆(13μモル/L)(濃度は、いず
れの希釈前の値であり、測定に供されたのは1/10希
釈液である)で示される。このときの最大値と、チオ尿
素の濃度の相関関係のグラフが図2に示される。図2の
グラフから明らかなように、チオ尿素が0〜6.6μモ
ル/Lの範囲では、電位差とチオ尿素濃度は、相関係数
=0.9980という非常に高い相関を示した。こ
のことから、本発明の方法は、測定対象となるめっき液
中の硫黄含有化合物の濃度を適切な範囲に設定すること
により、電位差を測定することで硫黄含有化合物の濃度
を測定できることが明らかとなった。また、本発明の測
定方法の測定精度は、測定に供される液中の硫黄含有化
合物濃度として、0.1μモル/Lのオーダーで、また
はこれより低いオーダーまで測定可能であることが明ら
かとなった。
【0027】実施例2 硫黄含有化合物濃度と金属クーポンの変色の相関 チオ尿素濃度を0μモル/L;13μモル/L;26μ
モル/L;39μモル/L;52μモル/L;65μモ
ル/Lとしたことを除き、上記無電解ニッケルめっき液
と同じ組成のめっき液を使用して以下の試験を行った。
金属クーポンである、厚さ0.25mm×幅30mm×
長さ30mmの銅板を常法に従って、脱脂およびソフト
エッチング処理した。次いで、前記処理を行った銅板
を、上記無電解ニッケルめっき液に、85℃で、1分間
浸漬した。次いで、パラジウム水溶液(パラジウム50
mg/L、塩酸170mL/L)に30±1℃の温度で
浸漬し、浸漬後、銅板の色を目視で評価した。なお、脱
脂およびソフトエッチング処理した後の銅板を未処理の
コントロールとした。目視による評価の結果、チオ尿素
濃度が0μモル/Lの場合には、未処理のコントロール
と同じ銅色を呈していた。また、チオ尿素濃度が13μ
モル/Lから65μモル/Lになるにつれて、パラジウ
ムの析出による灰色の程度が濃くなっており、各濃度に
おける色調の違いは目視で認識可能であった。以上のこ
とから、本発明の測定方法において、金属クーポンの変
色の程度を指標として、測定対象の無電解ニッケルめっ
き液中の硫黄含有化合物を測定できることが明らかとな
った。
【0028】比較例1 上記無電解ニッケルめっき液(チオ尿素6.6μモル/
L含有)1Lをめっき槽に入れ、85℃に加温し、基体
として銅板を用いて、1時間ごとに銅板上に析出したニ
ッケル重量を測定し、析出速度に換算した。結果を表1
に示す。 比較例2 チオ尿素を含まないこと以外は、上記無電解ニッケルめ
っき液(チオ尿素6.6μモル/L含有)と同じめっき
液を用い、比較例1と同じ条件で、ニッケルの析出速度
を測定したところ、9.9μm/時間であった。
【0029】実施例3 上記無電解ニッケルめっき液(チオ尿素6.6μモル/
L含有)1Lをめっき槽に入れ、85℃に加温し、基体
として銅板を用いて、1時間ごとに銅板上に析出したニ
ッケル重量を測定し、析出速度に換算した。このニッケ
ルめっき処理と並行して、以下に示す方法でめっき液中
のチオ尿素濃度の測定を行い、測定結果に基づいて、チ
オ尿素をめっき液に補給した。めっき液中のチオ尿素の
濃度、ニッケルの析出速度およびチオ尿素の補給量を表
1に示す。なお、チオ尿素濃度の算出にあたっては、実
施例1の結果得られた相関関係を利用して、電位差の最
大値からチオ尿素濃度を求めた。
【0030】
【表1】
【0031】チオ尿素が補給されない比較例1の態様に
おいては、無電解めっき処理開始から2時間で析出速度
が低下し、3時間でその速度が10.5μm/時間とな
り、チオ尿素濃度を添加しない比較例2の析出速度9.
9μm/時間に近づいた。このことから、チオ尿素は約
3時間で枯渇してしまうことが推定される。これに対し
て、実施例3の態様においては、チオ尿素量を測定し、
その結果から、めっき液中のチオ尿素量が約6.6μモ
ル/Lとなるように補給を継続した。その結果、析出速
度は、めっき処理開始から7時間経過後であってもほぼ
一定であり、本発明の測定方法を利用して、硫黄含有化
合物を含む無電解ニッケルめっき液を有効に管理できる
ことが明らかとなった。
【0032】実施例4 ニッケルクーポンを使用した場合の電位差の最大値の変
化 金属クーポンとして、直径1.2mm×長さ100mm
のニッケルワイヤーを使用したことを除き、実施例1と
同じ方法で、電位差の最大値と硫黄含有化合物濃度の相
関関係を測定した。硫黄含有化合物としてはチオ尿素を
用い、無電解ニッケルめっき液中のチオ尿素の量は6.
6μモル/Lであり、これを10倍希釈したものを測定
に供した。なお、チオ尿素0μモル/Lのものをコント
ロールとして採用した。測定の結果、チオ尿素0μモル
/Lの場合には、電位差の最大値は263mVであった
が、チオ尿素6.6μモル/Lの場合には、電位差の最
大値は230mVであり、硫黄含有化合物であるチオ尿
素濃度の増加に対応した、電位差の最大値の低下が認め
られた。このことから、本発明の方法に使用される金属
クーポンとしては、銅クーポンだけでなくニッケルクー
ポンも使用可能であることが明らかとなり、本発明に使
用される金属クーポンにおける金属の種類は特に限定さ
れるものではないことが推察される。
【0033】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の測定方
法は、高精度に硫黄含有化合物濃度を測定できるという
有利な効果を有している。また、本発明の測定方法は、
数分間で硫黄含有化合物濃度を測定できるので、無電解
ニッケルめっき浴を運転しつつリアルタイムで浴を管理
する場合に、測定時間によるタイムラグが小さく、より
きめの細かい浴管理が可能になるという有利な効果を有
している。また、本発明の測定方法は、硫黄含有化合物
濃度の測定を簡便に行うことができるという有利な効果
を有している。さらに、本発明の測定方法は、無電解ニ
ッケルめっき液中の他の成分や不純物に影響されないと
いう有利な効果を有している。また、本発明の無電解め
っき液の管理方法は、前記測定方法の結果に従って、硫
黄含有化合物の濃度を適切に維持することにより、無電
解ニッケルめっき処理において、長時間に渡り、より安
定したニッケル析出速度を維持できるという有利な効果
を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の測定方法における、各硫黄
含有化合物濃度での電位差の経時変化を示すグラフであ
る。
【図2】 図2は、本発明の測定方法における、硫黄含
有化合物濃度と電位差の最大値の相関を示すグラフであ
る。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無電解ニッケルめっき液中の硫黄含有化
    合物濃度の測定方法であって、(1)硫黄含有化合物を
    含む無電解ニッケルめっき液またはその希釈液に、金属
    クーポンを浸漬処理する工程、および(2)前記処理さ
    れた金属クーポンをパラジウム含有液に浸漬し、該金属
    クーポン表面の変化を測定する工程を含む、前記無電解
    ニッケルめっき液中の硫黄含有化合物濃度の測定方法。
  2. 【請求項2】 金属クーポンが金属Al、Cr、Mn、
    Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ag、Cd、Pt、A
    u、もしくはPb、またはこれらの金属を構成する元素
    の少なくとも1つを含む合金のクーポンである、請求項
    1記載の測定方法。
  3. 【請求項3】 工程(2)が、パラジウム含有液と、該
    パラジウム含有液中に浸漬された参照電極を有するパラ
    ジウム浴中に、工程(1)で処理された金属クーポンを
    浸漬し、該金属クーポンと該参照電極間の電位差の経時
    変化を測定し、該電位差の最大値から硫黄含有化合物濃
    度を測定する工程である、請求項1または2記載の測定
    方法。
  4. 【請求項4】 硫黄含有化合物濃度が既知である無電解
    ニッケルめっき液またはその希釈液を用いて工程(1)
    の処理を行い、工程(2)の電位差の最大値を測定し
    て、該硫黄含有化合物濃度と該電位差の最大値の相関関
    係を求め、該相関関係に基づいて電位差の最大値から硫
    黄含有化合物濃度を測定する、請求項3記載の測定方
    法。
  5. 【請求項5】 工程(2)が、工程(1)で処理された
    金属クーポンをパラジウム含有液に浸漬し、析出するパ
    ラジウムの量から硫黄含有化合物濃度を測定する工程で
    ある、請求項1または2記載の測定方法。
  6. 【請求項6】 析出するパラジウムの量からの硫黄含有
    化合物濃度の測定が、硫黄含有化合物濃度が既知である
    無電解ニッケルめっき液またはその希釈液を用いて、工
    程(1)の処理を行い、金属クーポンに析出するパラジ
    ウムの量を求め、該パラジウムの量に基づいて該硫黄含
    有化合物濃度を測定する、請求項5記載の測定方法。
  7. 【請求項7】 析出するパラジウムの量からの硫黄含有
    化合物濃度の測定が、析出するパラジウムによる金属ク
    ーポンの変色の程度を指標として行われる、請求項5ま
    たは6記載の測定方法。
  8. 【請求項8】 析出するパラジウムの量からの硫黄含有
    化合物濃度の測定が、硫黄含有化合物濃度が既知である
    無電解ニッケルめっき液またはその希釈液を用いて、工
    程(1)の処理を行い、金属クーポンの変色の程度を示
    す色見本を得て、該色見本に基づいて、金属クーポンの
    変色の程度から硫黄含有化合物濃度を測定する、請求項
    7記載の測定方法。
  9. 【請求項9】 工程(1)と工程(2)の間に、金属ク
    ーポンが水洗される工程を含む、請求項1〜8のいずれ
    か1項記載の測定方法。
  10. 【請求項10】 硫黄含有化合物が、メルカプトコハク
    酸、メルカプトプロピオン酸、チオジグリコール酸、チ
    オ乳酸、チオジ乳酸、プロピレンスルフィド、ブチレン
    スルフィド、メチレンジスルフィド、エチレンジスルフ
    ィド、トリチオホルムアルデヒド、トリチオアセトアル
    デヒド、トリチオアセトン、チオアセト酢酸エチル、チ
    オシアン酸、チオ硫酸、イソチオシアン酸アリル、チオ
    尿素、メチルチオ尿素、ジメチルチオ尿素、ジエチルチ
    オ尿素、およびこれらの塩から選択される1種以上であ
    る、請求項1〜9のいずれか1項記載の測定方法。
  11. 【請求項11】 硫黄含有化合物を含む無電解ニッケル
    めっき液の管理方法であって、請求項1〜10のいずれ
    か1項記載の方法により、無電解ニッケルめっき液中の
    硫黄含有化合物濃度を測定し、該無電解ニッケルめっき
    液中の該硫黄含有化合物濃度を一定範囲に管理する、前
    記管理方法。
  12. 【請求項12】 無電解ニッケルめっき液中の硫黄含有
    化合物濃度が、該めっき液の建浴直後における該硫黄含
    有化合物濃度の50〜150%の範囲に管理される、請
    求項11記載の硫黄含有化合物を含む無電解ニッケルめ
    っき液の管理方法。
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Cited By (7)

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US11761090B2 (en) 2015-12-03 2023-09-19 Atotech Deutschland GmbH & Co. KG Method for monitoring the total amount of sulphur containing compounds in a metal plating bath

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