JP2003147234A - インクジェット用顔料インクとそれを用いたインクジェットカートリッジ、インクジェット画像記録方法及びインクジェット記録画像 - Google Patents

インクジェット用顔料インクとそれを用いたインクジェットカートリッジ、インクジェット画像記録方法及びインクジェット記録画像

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、インクジェット記録画像の
耐指紋付着性、耐擦過性及び光沢性に優れたインクジェ
ット用顔料インクとそれを用いたインクジェットカート
リッジ、インクジェット画像記録方法及びインクジェッ
ト記録画像を提供することである。 【解決手段】 水性媒体に顔料粒子を分散したインクジ
ェット用顔料インクにおいて、該インクジェット用顔料
インク中の脂肪酸誘導体の総含有量が1.0質量%以下
であり、かつ該顔料粒子が表面に極性基を有しているこ
とを特徴とするインクジェット用顔料インク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット用
顔料インクとそれを用いたインクジェットカートリッ
ジ、インクジェット画像記録方法及びインクジェット記
録画像に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、インクの微小液
滴を種々の作動原理により飛翔させて記録媒体に付着さ
せ、画像、文字等の記録を行うものであるが、比較的高
速、低騒音、多色化が容易であるという利点を有してい
る。
【0003】また、近年の技術進歩により、染料インク
によるインクジェットプリントが、その銀塩写真に迫る
高画質や装置の低価格化に伴い、その普及を加速させて
いる。
【0004】染料は溶媒に可溶であり、色素分子は分子
状態もしくはクラスター状態で着色している。従って、
各分子の環境が似通っているために、その吸収スペクト
ルはシャープであり高純度で鮮明な発色を呈する。更
に、粒子に起因する粒状パターンがなく、また、散乱光
や反射光が発生しないため、透明性が高く色相も鮮明な
インクジェット画像を得ることができる。
【0005】しかしその一方で、光化学反応等により分
子が破壊された場合には、分子数の減少がそのまま着色
濃度に反映するために、耐光性が悪いという欠点を有し
ている。染料インクを用いたインクジェット記録画像
は、高画質であるが、経時保存による画像品質の低下が
大きく、画像保存性の観点で銀塩写真を凌駕する技術が
未だ現れていないのが現状である。
【0006】染料インクに対して、光による退色に強い
画像を必要とする用途向けのインクとして、耐光性が良
好である顔料を着色剤として用いる顔料インクが使用さ
れている。しかしながら、顔料は染料と比べて顔料粒子
として存在するため、光の散乱を受けやすく、透明感の
ない画像を与えるので、色再現性の点で染料には及ばな
い欠点があった。
【0007】上述のように、染料インクは、粒状性、光
沢性、色再現性に優れた点を有しているものの、耐光性
に劣り、逆に、顔料インクは、耐光性に優れているもの
の粒状性、光沢性、色再現性に劣るという相反する特性
である。
【0008】この欠点を克服するために、顔料粒子とし
て、分散により分散粒径の小さい顔料インクを調製し
て、色再現を向上することが試みられている。しかしな
がら、一般的に、一次粒子が小さくなるほど、顔料の分
散及び安定性の確保が難しくなり、また粘度上昇等の悪
影響がある。それを回避するための技術としては、例え
ば、分散剤なしで分散が可能な顔料(以下、この顔料を
自己分散顔料と称す)等が知られている。
【0009】上記自己分散顔料は、例えば、WO97/
48769号公報、特開平11−57458号公報、同
11−189739号公報、特開2000−26509
4公報等に記載の顔料粒子表面をスルホン化剤、酸化剤
等を用いて修飾する方法、特開平11−49974号公
報、特開2000−273383公報、同2000−3
03014公報等に記載の顔料誘導体をミリングなどの
処理で顔料粒子表面に吸着させる方法、特願2000−
377068、同2001−1495、同2001−2
34966に記載の顔料と顔料誘導体を溶媒に溶解した
後、貧溶媒中で晶析させる方法等により得ることがで
き、高分子化合物を用いないで、小粒径で分散安定性の
良い顔料インクを調製することができる。
【0010】しかしながら、上記に記載の方法で得られ
た顔料粒子は、いずれも高い分散安定性を有してはいる
が、それにより形成されるインクジェット形成画像は、
画像の光沢性のレベルが決して満足のいく品質ではな
く、更に指紋付着性や擦過性が劣るという課題を有して
おり、新たな改良技術の開発が切望されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
鑑みなされたものであり、その目的は、インクジェット
記録画像の耐擦過性、光沢性及び耐指紋付着性に優れた
インクジェット用顔料インクとそれを用いたインクジェ
ットカートリッジ、インクジェット画像記録方法及びイ
ンクジェット記録画像を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記の構成により達成された。
【0013】1.水性媒体に顔料粒子を分散したインク
ジェット用顔料インクにおいて、該インクジェット用顔
料インク中の脂肪酸誘導体の総含有量が1.0質量%以
下であり、かつ該顔料粒子が表面に極性基を有している
ことを特徴とするインクジェット用顔料インク。
【0014】2.前記式(1)で表される再分散係数が
0.5〜5であることを特徴とする前記1項に記載のイ
ンクジェット用顔料インク。
【0015】3.pHが、7.0以上であることを特徴
とする前記1又は2項に記載のインクジェット用顔料イ
ンク。
【0016】4.表面張力が、25〜45mN/mであ
ることを特徴とする前記1〜3項のいずれか1項に記載
のインクジェット用顔料インク。
【0017】5.前記顔料粒子の二次体積平均粒子径
が、10〜150nmであることを特徴とする前記1〜
4項のいずれか1項に記載のインクジェット用顔料イン
ク。
【0018】6.多価金属イオン含有量が、5ppm以
下であることを特徴とする前記1〜5項のいずれか1項
に記載のインクジェット用顔料インク。
【0019】7.インク溶剤含有量が、5〜70質量%
であることを特徴とする前記1〜6項のいずれか1項に
記載のインクジェット用顔料インク。
【0020】8.アニオン界面活性剤を含有することを
特徴とする前記1〜7項のいずれか1項に記載のインク
ジェット用顔料インク。
【0021】9.ノニオン界面活性剤を含有することを
特徴とする前記1〜7項のいずれか1項に記載のインク
ジェット用顔料インク。
【0022】10.カチオン界面活性剤を含有すること
を特徴とする前記1〜7項のいずれか1項に記載のイン
クジェット用顔料インク。
【0023】11.アニオン界面活性剤とノニオン界面
活性剤とを含有することを特徴とする前記1〜7項のい
ずれか1項に記載のインクジェット用顔料インク。
【0024】12.水溶性高分子または水不溶性高分子
分散液を含有することを特徴とする前記1〜11項のい
ずれか1項に記載のインクジェット用顔料インク。
【0025】13.前記1〜12項のいずれか1項に記
載のインクジェット用顔料インクを少なくとも1つ収容
したインク収容部を有することを特徴とするインクジェ
ットカートリッジ。
【0026】14.前記1〜12項のいずれか1項に記
載のインクジェット用顔料インクを少なくとも1つ用い
て画像形成することを特徴とするインクジェット画像記
録方法。
【0027】15.前記1〜12項のいずれか1項に記
載のインクジェット用顔料インクを少なくとも1つ用い
て、インクジェット画像記録を行うことにより形成され
たことを特徴とするインクジェット記録画像。
【0028】本発明者らは、顔料インクによる出力画像
の耐擦過性、光沢性及び耐指紋付着性の向上に関し鋭意
検討を重ねた結果、水性媒体に顔料粒子を分散したイン
クジェット用顔料インク(以下、単に顔料インクともい
う)において、顔料インク中の脂肪酸誘導体の総含有量
が1.0質量%以下であり、かつ該顔料粒子が表面に極
性基を有しているインクジェット用顔料インクを用いる
ことにより、実現できることを見いだしたものである。
【0029】本発明の構成の上記課題に対する詳細な効
果に関しては明確ではないが、以下のように推測してい
る。すなわち、顔料粒子は記録媒体上で他の顔料粒子と
水素結合やファンデルワールス力等の相互作用により緩
やかに結合し、安定な画像を形成している。記録媒体表
面上にインクを印字した際、インク溶剤が蒸発や記録媒
体中へ浸透することにより、顔料粒子が記録媒体表面に
残留する。この際、顔料インク中に脂肪酸誘導体が含有
されていると、顔料粒子を構成している樹脂との相互作
用が強いため、インク溶剤のように蒸発あるいは記録媒
体中へ浸透することなく、表面に顔料インクと共に存在
することになる。インク溶剤が蒸発あるいは記録媒体中
へ浸透することにより、顔料粒子と脂肪酸誘導体との濃
度が高くなるに従って、脂肪酸誘導体が顔料粒子表面を
被覆することにより、顔料粒子同士の結合が阻害される
と共に、形成された画像表面が疎水化される結果とな
る。
【0030】その様な特性を有する画像表面を指等で触
れた際には、指先の皮脂等が画像に転写しやすくなり、
指紋が画像に付着するという問題点を生ずると考えられ
る。また、同様の理由で、顔料粒子同士の結合が阻害さ
れ、耐擦過性が劣化する。
【0031】更に、同様の理由により、顔料粒子同士の
結合が阻害されることにより、記録媒体表面で顔料粒子
が整然と配列せずに、無秩序な凝集を起こすことで、光
沢性が低下すると推測している。
【0032】以上のような理由により、顔料インク中の
脂肪酸誘導体の含有率を、本発明で規定する量以下とす
ることにより、顔料粒子の表面状態を親水性に保つこと
ができ、上記各課題を解決できたものと推測している。
【0033】一方、特開平9−3375号公報では、い
わゆる高分子分散剤を用いて分散された顔料インクにお
いて、脂肪酸エステルの含有量を規定した例が記載され
ている。インク長期保存中で、脂肪酸エステルが析出物
を生じさせ、インクジェットノズルの目詰まりが発生す
ることを記載してあるが、光沢性に関しては一切記載さ
れていない。本発明者らは、上記構成による追試実験を
行った結果、光沢性については全く不十分なレベルであ
り、現在要求されている品質レベルを満足するものでは
ないことが判明した。
【0034】本発明の上記効果は、更に、顔料インクの
再分散性、pH、表面張力、顔料粒子径、多価金属イオ
ンの含有量、インク溶剤量を特定の範囲に設定するこ
と、界面活性剤を用いること、水溶性高分子または水不
溶性高分子分散液を用いることにより、一層発揮される
ことを見いだし、本発明に至った次第である。
【0035】以下、本発明の詳細について説明する。は
じめに、本発明のインクジェット用顔料インクについて
説明する。
【0036】請求項1に係る発明では、水性媒体に顔料
粒子を分散したインクジェット用顔料インクにおいて、
インクジェット用顔料インク中の脂肪酸誘導体の総含有
量が1.0質量%以下であり、かつ顔料粒子が表面に極
性基を有していることが特徴である。
【0037】本発明でいう脂肪酸誘導体とは、脂肪酸エ
ステル、脂肪酸アミドや脂肪酸無水物等の脂肪酸又は脂
肪酸塩より誘導される化合物を意味する。
【0038】脂肪酸エステルとは、炭素数が8から22
までの飽和又は不飽和のアルキルカルボン酸(例えば、
ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン
酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等)とアルコール(例え
ば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−
ブタノール、シクロヘキサノール、イソトリデシルアル
コール、ステアリルアルコール等)から生成するエステ
ル化合物を指し、例えば、ミリスチン酸イソトリデシ
ル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステア
リン酸プロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリ
ン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシル、オレイン酸メチ
ル、オレイン酸エチル、パルミチン酸メチル、ベヘニン
酸メチル等を挙げることができる。
【0039】脂肪酸アミドとは、上記脂肪酸とアンモニ
ア又は低級アミンから形成されるアミド化合物を指し、
例えば、エチレンビスステアロアミド、オレイン酸アミ
ド、ステアリン酸アミド、N,N′−メチレンビスステ
アルアミド等が挙げられる。
【0040】脂肪酸無水物とは、上記脂肪酸から形成さ
れる酸無水物を指し、例えば、無水ステアリル、無水オ
レイル、無水ミリスチル、ステアリル酸−酢酸無水物等
が挙げられる。
【0041】本発明においては、上記脂肪酸誘導体の総
含有量が、インク全質量に対し1.0質量%以下である
ことが一つの特徴であるが、好ましくは0.01〜0.
6質量%であり、さらに好ましくは0.01〜0.2質
量%の範囲である。
【0042】請求項1に係る発明では、水性媒体に顔料
粒子を分散したインクジェット用顔料インクにおいて、
顔料粒子が表面に極性基を有していることが一つの特徴
である。
【0043】本発明でいう表面に極性基を有する顔料粒
子とは、顔料粒子表面に直接極性基で修飾させた顔料、
あるいは有機顔料母核を有する有機物で直接に又はジョ
イントを介して極性基が結合しているもの(以下、顔料
誘導体という)をいう。
【0044】極性基としては、例えば、スルホン酸基、
カルボン酸基、燐酸基、硼酸基、水酸基が挙げられる
が、好ましくはスルホン酸基、カルボン酸基であり、更
に好ましくは、スルホン酸基である。
【0045】本発明で用いることのできる顔料として、
公知の有色有機あるいは有色無機顔料を用いることがで
きる。例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ
顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニ
ン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔
料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオイン
ジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等
の多環式顔料や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レー
キ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニ
リンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブ
ラック等の無機顔料が挙げられるが、本発明はこれらに
限定されるものではない。
【0046】具体的な有機顔料を以下に例示する。マゼ
ンタまたはレッド用の顔料としては、例えば、C.I.
ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、
C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッ
ド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメン
トレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.
I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレ
ッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、
C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメント
レッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.
I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッ
ド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.
ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド1
78、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられ
る。
【0047】オレンジまたはイエロー用の顔料として
は、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.
I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエ
ロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.
ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー
15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグ
メントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー9
3、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメ
ントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー13
8等が挙げられる。
【0048】グリーンまたはシアン用の顔料としては、
例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグ
メントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー1
5:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグ
メントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が
挙げられる。
【0049】また、ブラック用の顔料としては、例え
ば、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメン
トブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げ
られる。
【0050】本発明において、顔料粒子表面に極性基を
付与する方法としては、例えば、WO97/48769
号公報、特開平11−57458号公報、同11−18
9739号公報、特開2000−265094公報等に
記載の顔料粒子表面をスルホン化剤、酸化剤等を用いて
修飾する方法、特開平11−49974号公報、特開2
000−273383公報、同2000−303014
公報等に記載の顔料誘導体をミリングなどの処理で顔料
粒子表面に吸着させる方法、特願2000−37706
8、同2001−1495、同2001−234966
に記載の顔料を顔料誘導体と共に溶媒で溶解した後、貧
溶媒中で晶析させる方法等を挙げることができ、いずれ
の方法でも容易に、表面に極性基を有する顔料粒子を得
ることができる。
【0051】本発明においては、極性基は、フリーでも
塩の状態でも良いし、あるいはカウンター塩を有してい
ても良い。カウンター塩としては、例えば、無機塩(リ
チウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシ
ウム、アルミニウム、ニッケル、アンモニウム)、有機
塩(トリエチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、
ピリジニウム、トリエタノールアンモニウム等)が挙げ
られ、好ましくは1価の価数を有するカウンター塩であ
る。
【0052】顔料表面を直接修飾する場合には、顔料表
面分子の0.1〜50%の範囲で修飾することが好まし
く、より好ましくは0.1〜20%である。
【0053】顔料誘導体を用いる場合の添加量は、顔料
に対して0.1mol%以上50mol%以下が好まし
い。0.1mol%未満では顔料粒子の成長及び凝集を
抑制する効果が少なくなり、50mol%を越えると期
待する程の効果が得られない。
【0054】請求項2に係る発明では、水性媒体に顔料
粒子を分散したインクジェット用顔料インクにおいて、
水性溶媒中での該顔料粒子の前記式(1)で表される再
分散係数が0.5〜5であることが特徴の一つである。
【0055】本発明でいう再分散係数とは、顔料粒子の
分散安定性、凝集性を表す尺度であり、前記式(1)で
表されるように、顔料粒子の再分散前の体積平均粒子径
に対する再分散後の顔料粒子の体積平均粒子径の比で表
す。なお、本発明における体積平均粒子径は、二次粒子
径で測定した値である。
【0056】詳しくは、再分散前の顔料粒子の体積平均
粒子径は、調製した顔料インクの二次粒子径を表し、再
分散後の顔料粒子の体積平均粒子径とは、顔料インクを
乾燥した後、水、あるいは有機溶剤等の顔料インク媒体
中に乾燥した顔料粒子を添加、解膠した後の顔料粒子の
二次粒子径であり、式(1)で表される再分散係数が小
さいほど、解膠性、分散性に優れ、凝集体の発生が少な
いことを表し、再分散係数1は再分散前後で二次粒子径
の変化がないことを意味する。
【0057】具体的な測定方法としては、顔料インクを
1ml採取し、これを洗浄済みのシャーレ上に均一に広
げた後、常温、常湿下で1週間放置して、乾燥する。次
いで、乾燥物に1mlの水を添加し、ガラス棒を用い
て、2分間攪拌して再分散させて、乾燥前及び再分散後
の顔料溶液中の顔料粒子の体積平均粒子径を下記の方法
で測定する。
【0058】体積平均粒子径の測定は、例えば、光散乱
法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販
の粒径測定機器により求めることができ、具体的粒径測
定装置としては、例えば、島津製作所製のレーザー回折
式粒径測定装置SLAD1100、粒径測定機(HOR
IBA LA−920)、マルバーン社製ゼータサイザ
ー1000等を挙げることができる。
【0059】本発明では、再分散係数が0.5〜5であ
ることが特徴であるが、好ましくは0.5〜4、更に好
ましくは0.5〜3、特に好ましくは0.5〜2であ
る。
【0060】本発明において、再分散係数を上記で規定
した範囲にする手段として、特に制限はないが、例え
ば、本発明に係る表面に極性基を有する顔料粒子を用い
ること、本発明に係る顔料表面を高分子化合物で被覆す
ること、界面活性剤の種類及び添加量を最適化するこ
と、顔料粒子の二次粒径分布をコントロールすること、
顔料分散手段とその分散条件を最適化すること等の各手
段を適宜選択、あるいは組み合わせることにより、所望
の再分散度を得ることができる。
【0061】本発明で用いることのできる分散装置とし
ては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライタ
ー、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロ
イドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジ
ェットミル、ペイントシェーカー等の各種分散機を挙げ
ることができる。
【0062】請求項3に係る発明では、請求項1又は2
で規定するインクジェット用顔料インクのpHが、7.
0以上であることが特徴であるが、好ましくは8.0〜
10.0である。本発明の顔料インクに使用される水性
媒体で用いられるpH調整剤としては、例えば、モノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化
リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸物等
の無機アルカリ剤、有機酸や、鉱酸が挙げられる。
【0063】また、請求項4に係る発明では、請求項1
〜3で規定するインクジェット用顔料インクの表面張力
が、25〜45mN/mであることが特徴であり、好ま
しくは30〜40mN/mである。本発明の顔料インク
の表面張力の調整手段としては、後述の各種界面活性剤
を用いて、種類及び添加量を適宜調整することが好まし
い。
【0064】また、請求項5に係る発明では、顔料粒子
の二次体積平均粒子径が、10〜150nmであること
が特徴であり、好ましくは20〜120nm、特に好ま
しくは20〜90nmであり、本発明で規定する体積平
均粒子径とすることにより、本発明の効果をいかんなく
発揮することができ好ましい。
【0065】顔料粒子の二次体積平均粒子径は、前述の
再分散係数で記載したのと同様の方法で求めることがで
きる。
【0066】また、請求項6に係る発明では、顔料イン
クの多価金属イオン含有量が、5ppm以下であること
が特徴であり、好ましくは0.1〜3ppm、特に好ま
しくは0.1〜1ppmである。顔料インク中の多価金
属イオンの含有量を、上記で規定した量とすることによ
り、高い分散安定性を有する顔料インクを得ることがで
きる。
【0067】本発明でいう多価金属イオンとは、例え
ば、Fe3+、Sr2+、Mg2+、Ca2+、Zn2+、Z
2+、Ni2+、Al3+などを挙げることができ、それら
は硫酸塩、塩化物、硝酸塩、酢酸塩、有機アンモニウム
塩、EDTA塩等で含有されている。
【0068】請求項7に係る発明では、インク溶剤含有
量が、5〜70質量%であることが特徴であり、好まし
くは10〜60質量%、特に好ましくは20〜50質量
%である。
【0069】本発明でいうインク溶剤とは、特に制限は
ないが、下記一般式(1)で表される化合物を用いるこ
とが好ましい。 一般式(1) A−B 式中、Aは親水性置換基を含む基を表し、Bは疎水性基
を表す。
【0070】ここでAで表される基は、親水性置換基を
含む基であり、親水性置換基としてはヒドロキシ基、カ
ルボキシル基、スルホキシド基、スルホン基、スルホン
酸基、2−ケト−1−ピロリジニル基等が挙げられる。
中でもヒドロキシ基が好ましい。
【0071】Bは疎水性基を表し、好ましくは炭素原子
数3〜10の脂肪族あるいは芳香族炭化水素基である。
さらにBは炭素原子数4〜8の脂肪族基であることが好
ましい。
【0072】前記一般式(1)で表される化合物は一般
的な界面活性剤と類似の構造を有している。一般的な界
面活性剤は水溶液中で、低濃度でミセルを形成する特徴
を示す。
【0073】一般式(1)で表される化合物は、このよ
うなミセル形成能力を有していないことが好ましい。こ
れはミセル形成能を有する場合、分子間の相互作用が強
いため、1%を超え濃度が上昇すると、インクの粘度を
著しく増加させてしまう欠点があるためである。
【0074】前記一般式(1)で示される化合物のう
ち、好ましい例としては、例えば多価アルコールエーテ
ル誘導体および炭素原子数4〜8の脂肪族1,2−ジオ
ールが挙げられ、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノブ
チルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエー
テル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、1,
2−ヘキサンジオール、あるいは1,2−ペンタンジオ
ールから選ばれる化合物であることがより好ましい。さ
らに好ましくはトリエチレングリコールモノブチルエー
テルあるいは1,2−ヘキサンジオールである。
【0075】本発明で用いることのできるその他のイン
ク溶剤としては、水溶性の有機溶媒が好ましく、具体的
にはアルコール類(例えば、メタノール、エタノール、
プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブ
タノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタ
ノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノ
ール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例
えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオ
ール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオ
ール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル
類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリ
コールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフ
ェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエー
テル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテ
ル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリ
エチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレン
グリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコー
ルジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロ
ピルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエー
テル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジ
エタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モ
ルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、
ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラ
エチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチ
ルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジア
ミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド
等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル
−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリド
ン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチル
スルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン
等)、スルホン酸塩類(例えば1−ブタンスルホン酸ナ
トリウム塩等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が
挙げられる。
【0076】本発明の顔料インクにおいて、請求項8に
係る発明ではアニオン界面活性剤を、また請求項9に係
る発明ではノニオン界面活性剤を、また請求項10に係
る発明ではカチオン界面活性剤を、また請求項11に係
る発明ではアニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤と
を含有していることが特徴である。
【0077】本発明で用いることのできる各界面活性剤
として、特に制限はないが、例えば、ジアルキルスルホ
コハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂
肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルア
リルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシ
エチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類
等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四
級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げら
れる。特にアニオン性界面活性剤およびノニオン性界面
活性剤を好ましく用いることができる。
【0078】また、本発明においては、高分子界面活性
剤も用いることができ、例えば、スチレン−アクリル酸
−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−ア
クリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸
アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重
合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエ
ステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、ス
チレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナ
フタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マ
レイン酸共重合体等を挙げることができる。
【0079】請求項12に係る発明では、顔料インクが
水溶性高分子または水不溶性高分子分散液を含有してい
ることが特徴である。
【0080】水溶性高分子としての好ましい例としては
天然高分子が挙げられ、その具体例としては、にかわ、
ゼラチン、ガゼイン、若しくはアルブミンなどのたんぱ
く質類、アラビアゴム、若しくはトラガントゴムなどの
天然ゴム類、サボニンなどのグルコシド類、アルギン酸
及びアルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギ
ン酸トリエタノールアミン、若しくはアルギン酸アンモ
ニウムなどのアルギン酸誘導体、メチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、若しくはエチルヒドロキシルセルロースなどのセル
ロース誘導体が挙げられる。
【0081】更に、水溶性高分子の好ましい例として合
成高分子が挙げられ、ポリビニルアルコール類、ポリビ
ニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アク
リルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリル
ニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共
重合体、若しくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重
合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重
合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メ
タクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−
α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、若しくはス
チレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸
エステル共重合体などのスチレンアクリル酸樹脂、スチ
レン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸
共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビ
ニルナフタレン−マレイン酸共重合体、及び酢酸ビニル
−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレ
ン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合
体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−ア
クリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれ
らの塩が挙げられる。これらの中で、特に好ましい例と
しては、ポリビニルピロリドン類が挙げられる。
【0082】水溶性高分子の分子量は、1,000以上
200,000以下が好ましい。更には、3,000以
上20,000以下がより好ましい。1,000未満で
は顔料粒子の成長及び凝集を抑制する効果が少なくな
り、200,000を越えると粘度上昇、溶解不良等の
問題が発生し易くなる。
【0083】水溶性高分子の添加量は、顔料に対して1
0質量%以上1,000質量%以下が好ましい。更に
は、50質量%以上200質量%以下がより好ましい。
10質量%未満では顔料粒子の成長及び凝集を抑制する
効果が少なくなり、1000質量%を越えると粘度上
昇、溶解不良等の問題が発生し易くなる。
【0084】また、本発明で用いることのできる水不溶
性高分子分散液(以下、ラテックスともいう)として、
特に制限はないが、例えば、スチレン−ブタジエン共重
合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体、アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、
シリコン−アクリル共重合体およびアクリル変性フッ素
授脂等のラテックスが挙げられる。ラテックスは、乳化
剤を用いてポリマー粒子を分散させたものであっても、
また乳化剤を用いないで分散させたものであってもよ
い。乳化剤としては界面活性剤が多く用いられるが、ス
ルホン酸基、カルボン酸基等の水に可溶な基を有するポ
リマー(例えば、可溶化基がグラフト結合しているポリ
マー、可溶化基を持つ単量体と不溶性の部分を持つ単量
体とから得られるポリマー)を用いることも好ましい。
【0085】また本発明の顔料インクでは、ソープフリ
ーラテックスを用いることが特に好ましい。ソープフリ
ーラテックスとは、乳化剤を使用していないラテック
ス、およびスルホン酸基、カルボン酸基等の水に可溶な
基を有するポリマー(例えば、可溶化基がグラフト結合
しているポリマー、可溶化基を持つ単量体と不溶性の部
分を持つ単量体とから得られるポリマー)を乳化剤とし
て用いたラテックスのことを指す。
【0086】近年ラテックスのポリマー粒子として、粒
子全体が均一であるポリマー粒子を分散したラテックス
以外に、粒子の中心部と外縁部で組成を異にしたコア・
シェルタイプのポリマー粒子を分散したラテックスも存
在するが、このタイプのラテックスも好ましく用いるこ
とができる。
【0087】本発明の顔料インクにおいて、ラテックス
中のポリマー粒子の平均粒径は10nm以上、300n
m以下であり、10nm以上、100nm以下であるこ
とがより好ましい。ラテックスの平均粒径が300nm
を越えると、画像の光沢感の劣化が起こり、10nm未
満であると耐水性、耐擦過性が不十分となる。ラテック
ス中のポリマー粒子の平均粒子径は、光散乱法、電気泳
動法、レーザードップラー法を用いた市販の粒径測定機
器により求めることができる。
【0088】本発明の顔料インクにおいて、ラテックス
は固形分添加量としてインクの全質量に対して0.1質
量%以上、20質量%以下となるように添加されるが、
ラテックスの固形分添加量を0.5質量%以上、10質
量%以下とすることが特に好ましい。ラテックスの固形
分添加量が0.1質量%未満では、耐水性に関して十分
な効果を発揮させることが難しく、また20質量%を越
えると、経時でインク粘度の上昇が起こったり、顔料分
散粒径の増大が起こりやすくなる等インク保存性の点で
問題が生じることが多い。
【0089】本発明の顔料インクでは、上記説明した以
外に、必要に応じて、出射安定性、プリントヘッドやイ
ンクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、そ
の他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、
例えば、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外
線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤
等を適宜選択して用いることができ、例えば、流動パラ
フィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェ
ート、シリコンオイル等の油滴微粒子、特開昭57−7
4193号、同57−87988号及び同62−261
476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−7419
2号、同57−87989号、同60−72785号、
同61−146591号、特開平1−95091号及び
同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特
開昭59−42993号、同59−52689号、同6
2−280069号、同61−242871号および特
開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤
等を挙げることができる。
【0090】本発明で用いられる記録媒体としては、普
通紙、コート紙、インク液を吸収して膨潤するインク受
容層を設けた膨潤型インクジェット用記録紙、多孔質の
インク受容層を持った空隙型インクジェット用記録紙、
また基紙の代わりにポリエチレンテレフタレートフィル
ムなどの樹脂支持体を用いたものも用いることができる
が、記録媒体としては、多孔質インクジェット記録媒体
を用いることが好ましく、この組み合わせにより本発明
の効果を最も発揮することができる。
【0091】多孔質インクジェット記録媒体としては、
具体的には、空隙型インクジェット用記録紙又は空隙型
インクジェット用フィルムを挙げることができ、これら
はインク吸収能を有する空隙層が設けられている記録媒
体であり、空隙層は、主に親水性バインダーと無機微粒
子の軟凝集により形成されるものである。
【0092】空隙層の設け方は、皮膜中に空隙を形成す
る方法として種々知られており、例えば、二種以上のポ
リマーを含有する均一な塗布液を支持体上に塗布し、乾
燥過程でこれらのポリマーを互いに相分離させて空隙を
形成する方法、固体微粒子及び親水性又は疎水性バイン
ダーを含有する塗布液を支持体上に塗布し、乾燥後に、
インクジェット記録用紙を水或いは適当な有機溶媒を含
有する液に浸漬して固体微粒子を溶解させて空隙を作製
する方法、皮膜形成時に発泡する性質を有する化合物を
含有する塗布液を塗布後、乾燥過程でこの化合物を発泡
させて皮膜中に空隙を形成する方法、多孔質固体微粒子
と親水性バインダーを含有する塗布液を支持体上に塗布
し、多孔質微粒子中や微粒子間に空隙を形成する方法、
親水性バインダーに対して概ね等量以上の容積を有する
固体微粒子及び/又は微粒子油滴と親水性バインダーを
含有する塗布液を支持体上に塗布して固体微粒子の間に
空隙を作製する方法などが挙げられるが、本発明のイン
クを用いる上では、いずれも方法で設けられても、良い
結果を与える。
【0093】本発明のインクジェット画像記録方法で用
いることのできるインクジェットヘッドとしては、オン
デマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。
また、吐出方式としては、電気−機械変換方式(例え
ば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、
ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアー
ドウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマ
ルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型
等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジ
ェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット
型等)などを具体的な例として挙げることができるが、
いずれの吐出方式を用いても構わない。
【0094】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されない。なお、特に説
明がない限りは、「部」は「質量部」を表す。
【0095】実施例1 《顔料粒子分散液の調製》 〈調製例1:顔料粒子分散液6及び顔料粒子分散液2〜
4の調製〉6モル/Lの塩酸水10g中に、スルファニ
ル酸1.5gを加えて溶解させた。その後、溶液を5℃
まで冷却し、亜硝酸ナトリウム1.8gを添加し溶解さ
せる。ここにC.I.ピグメントレッド122(PV
FastPink EB−Trans、クラリアント
製:PR122と略す)の粉末5.0gを加え、攪拌し
ながら80℃まで加熱する。そのまま窒素ガスの発生が
止まるまで反応を続けた後、室温まで冷却した。次い
で、アセトンを加えて顔料粒子分散液を濾過した後、イ
オン交換水中に分散し、さらに限外濾過を行い塩分を除
去し、顔料粒子分散液6を調製した。なお、顔料粒子分
散液6中の顔料粒子表面の極性基は、極性基2である。
本調製例を「顔料粒子調製方法A」と称す。
【0096】上記調製した顔料粒子分散液6中の顔料粒
子の平均粒径は81nmであった。なお、顔料粒子の平
均粒径は、顔料分散液を界面活性剤(花王製 エマルゲ
ン920)の0.1%水溶液で希釈した後、大塚電子製
のレーザー粒径解析システムを用いて求めた体積平均粒
子径である。
【0097】次いで、上記顔料粒子分散液6の調製にお
いて、顔料としてカーボンブラック(C.B.と略す)
を用い、かつスルファニル酸に代えて下記化合物を用い
た以外は同様にして、顔料粒子分散液2〜4を調製し
た。顔料粒子分散液2は、スルファニル酸の代わりに臭
化3−アミノ−N−エチルピリジニウムを用いた。な
お、顔料粒子表面の極性基は、極性基1である。また、
顔料粒子分散液3は、上記顔料粒子分散液6に対し、顔
料のみカーボンブラックに変更したものであり、顔料粒
子表面の極性基は、極性基2である。また、顔料粒子分
散液4は、スルファニル酸の代わりにアントラニル酸を
用いた。なお、顔料粒子表面の極性基は、極性基3であ
る。なお、カーボンブラックは、三菱化学製のMA−7
を用いた。
【0098】〈調製例2:顔料粒子分散液7、5の調
製〉PR122を100部、モノスルホキナクリドンを
8部、水を1000部混合し、0.3mmのジルコニア
ビーズを体積率で60%充填した横型ビーズミル(アシ
ザワ製 システムゼータミニ)を用いて分散した後、限
外濾過を行い未吸着のモノスルホキナクリドンを除去し
ながら濃縮し、顔料粒子分散液7を調製した。顔料粒子
分散液7中の顔料粒子表面には、モノスルホキナクリド
ンが吸着している。本調製例を「顔料粒子調製方法B」
と称す。上記調製した顔料粒子分散液7中の顔料粒子の
平均粒径は88nmであった。
【0099】次いで、上記顔料粒子分散液7の顔料粒子
調製方法Bにおいて、PR122に代えてカーボンブラ
ックを、また、モノスルホキナクリドンに代えてモノス
ルホフタロシアニン銅を用いた以外は同様にして、顔料
粒子分散液5を調製した。なお、顔料粒子分散液5中の
顔料粒子表面には、モノスルホフタロシアニン銅が吸着
している。
【0100】〈調製例3:顔料粒子分散液8の調製〉P
R122を100部、モノスルホキナクリドンを10
部、ポリビニルピロリドンを100部、ジメチルスルホ
キシドを1000部、さらに10%水酸化ナトリウム水
溶液を250部混合、溶解し、2000部のイオン交換
水中に攪拌しながら滴下した。その際、同時に限外濾過
を行い、電気伝導度が2000μS/cmとなるよう、
滴下速度を調整した。滴下終了後、さらに濃縮し、顔料
粒子分散液8を調製した。顔料粒子分散液8中の顔料粒
子表面には、モノスルホキナクリドンが吸着している。
本調製例を「顔料粒子調製方法C」と称す。
【0101】〈調製例4:顔料粒子分散液1の調製〉顔
料として、カーボンブラック(三菱化学製 MA−7)
を用い、特開平9−3375号の実施例に記載の方法に
準じて調製し、顔料粒子分散液1を調製した。得られた
カーボンブラック粒子の平均粒径は126nmであっ
た。
【0102】以上により調製した各顔料粒子分散液の詳
細を、まとめて表1に示す。なお、表1に記載の表面極
性基の詳細を以下に示す。
【0103】
【化1】
【0104】*1:モノスルホフタロシアニン銅が顔料
粒子表面に吸着している。 *2:モノスルホキナクリドンが顔料粒子表面に吸着し
ている。
【0105】
【表1】
【0106】《インクの調製》上記で調製した各顔料粒
子分散液を用い、インク1〜26を調製した。各インク
の調製においては、各顔料粒子分散液に、純水および表
2、3に記載の脂肪酸誘導体、インク溶媒、多価金属イ
オン水溶液、界面活性剤、高分子化合物を、表2、3に
記載の各濃度となるように加えて調製した。なお、各顔
料粒子分散液は、インク中の色材濃度が3%となるよう
にその添加量を適宜調整した。ただし、分散液中の色材
濃度が不足し、インク中の色材濃度を3%に調整できな
い場合には、顔料粒子分散液を減圧して、水を除去、濃
縮して調製した。
【0107】ここで、多価金属イオン水溶液として鉄イ
オン、アルミニウムイオン、カルシウムイオンを用いる
場合には、それぞれ塩化第二鉄、塩化アルミニウム、塩
化カルシウムの0.1%水溶液で添加し、表2、3に記
載の多価金属イオン濃度となるように調整した。なお、
表中に記載の多価金属イオン量は、最も高濃度の多価金
属イオンの種類とその濃度を表示した。また、pHは
0.1モル/Lの硝酸水溶液および水酸化ナトリウム水
溶液を用い、後述の表4に記載の値となるように調整し
た。
【0108】なお、表2、3中に記載の化合物略称の詳
細は、以下の通りである。 DEG:ジエチレングリコール gly:グリセリン TEGBE:トリエチレングリコールモノブチルエーテ
ル EG:エチレングリコール HDO:1,2−ヘキサンジオール TEG:テトラエチレングリコール PG:プロピレングリコール PYR:2−ピロリジノン SA−1:オルフィンE1010(日信化学製、ノニオ
ン界面活性剤) SA−2:ペレックスOT−P(花王製、アニオン界面
活性剤) SA−3:オルフィンE1004(日信化学製、ノニオ
ン界面活性剤) SA−4:レベノールWX(花王製、アニオン界面活性
剤) SA−5:エマルゲンLS−110(花王製、ノニオン
界面活性剤) SA−6:エマルゲン920(花王製、アニオン界面活
性剤) P−1:Nipol LX844B(日本ゼオン製、ア
クリル系ラテックス) P−2:タケラックW−605(武田薬品製、ウレタン
系ソープフリーラテックス) P−3:タケラックW−6060(武田薬品製、ウレタ
ン系ソープフリーラテックス) P−6:PVA203(クラレ製、ポリビニルアルコー
ル)
【0109】
【表2】
【0110】
【表3】
【0111】以上のようにして調製した各インクについ
て、下記に記載の方法に従って、インク及びインク中の
粒子の各特性について測定を行った。
【0112】〈再分散係数の測定〉各インクを1ml採
取し、これを洗浄済みのシャーレ上に均一に広げた後、
常温、常湿下で1週間放置して、乾燥する。次いで、乾
燥物に1mlの水を添加し、ガラス棒を用いて、2分間
攪拌して再分散させて、乾燥前及び再分散後のインク中
の顔料粒子の体積平均粒子径を下記の方法で測定した。
なお、体積平均粒子径の測定は、乾燥前後の各インクを
1000倍に希釈した後、マルバーン製ゼータサイザー
1000を用いて測定し、前記式(1)に従い再分散係
数を求めた。
【0113】〈pH及び表面張力の測定〉pH及び表面
張力は、常法に従い測定した。
【0114】以上により得られた各測定結果を、後述の
表4に記載する。 《画像形成及び評価》 (画像形成)上記調製した各インクをインクジェットカ
ートリッジに収納した後、カラーインクジェットプリン
ターPM820C(エプソン製)を用いて画像を出力し
た。
【0115】出力画像としては、出力濃度を0%から1
00%の間を16段階に分割したウェッジ画像(各濃度
について3cm×3cmのパッチ状に出力)を用いた。
【0116】(耐指紋付着性)上記で作成した各ウェッ
ジ画像を用い、最も画像濃度が高いパッチ画像(出力濃
度100%)に対し、任意に選んだ5人の人間が、右手
親指で各画像面に3箇所ずつ指紋を付着させ、その後恒
温恒湿器(温度65℃、相対湿度60%)中で7日間保
存した。保存処理後の画像について、画像付着部の変褪
色を20人の一般評価者により目視評価し、以下の基準
に則り判定した。
【0117】A:指紋付着部分が明確に変褪色している
と評価した人が4人以下 B:指紋付着部分が明確に変褪色していると評価した人
が5〜8人 C:指紋付着部分が明確に変褪色していると評価した人
が9〜12人 D:指紋付着部分が明確に変褪色していると評価した人
が13人以上 (耐擦過性の評価)耐擦過性については、上記で作成し
た各ウェッジ画像を用い、最も画像濃度が高いパッチ画
像(出力濃度100%)に対し、事務用消しゴム(MO
NO トンボ鉛筆社製)でその表面を5回の往復擦過を
行い、20人の一般評価者による残存濃度の目視評価を
行い、以下の基準に則り判定した。
【0118】4:ほぼ原画像の濃度が残存していると評
価した人が16人以上 3:ほぼ原画像の濃度が残存していると評価した人が1
2〜15人 2:ほぼ原画像の濃度が残存していると評価した人が8
〜11人 1:ほぼ原画像の濃度が残存していると評価した人が7
人以下 (光沢性の評価)光沢性は、上記で作成したウェッジ画
像を対し、20人の一般評価者による目視評価を行い、
以下の基準に則り判定した。
【0119】a:良好な光沢と評価した人が16人以上 b:良好な光沢と評価した人が12〜15人 c:良好な光沢と評価した人が8〜11人 d:良好な光沢と評価した人が7人以下 以上により得られた各評価結果を表4に示す。
【0120】
【表4】
【0121】表4から明らかなように、比較例では、耐
指紋付着性、耐擦過性及び光沢性のいずれの項目におい
ても低い評価結果となった。
【0122】これに対して、本発明の各試料は、いずれ
の試料も耐指紋付着性、耐擦過性、光沢性に優れた特性
を有していることを確認することができた。
【0123】実施例2 《カラー画像の作成及び評価》 (各色顔料粒子分散液の調製)実施例1に記載の顔料粒
子調製方法Cに準じ、イエローおよびシアン各色の顔料
粒子分散液を調製した。ここで、イエロー顔料としては
Pigment Yellow 128を用い、またモ
ノスルホキナクリドンの代わりに下記化合物(A)を用
いた。なお、化合物(A)は、従来公知の方法により合
成できる。シアン顔料としてはPigment Blu
e 15:3を用い、モノスルホキナクリドンの代わり
にスルホフタロシアニン銅を、ジメチルスルホキシドと
10%水酸化ナトリウム水溶液の代わりに濃硫酸を用い
た。
【0124】また、マゼンタ顔料粒子としては表1に示
す顔料粒子分散液8を用い、ブラック顔料粒子としては
表1に示す顔料粒子分散液3を用いた。
【0125】
【化2】
【0126】(各インクの調製)上記調製した各顔料粒
子分散液を用い、表3に記載のインク20の内容に準
じ、各色インクを調製した。ここで、色材濃度として
は、ラージフォーマットインクジェットプリンター・イ
グアス1044SD(コニカ製)用の純正の吸光度と同
じとなるようそれぞれ調整し、各色共に濃淡二色ずつの
インクを調製し、インクジェットカートリッジに収納し
た。
【0127】(画像形成)得られた各色インクジェット
カートリッジを、吐出ノズル数=512、ノズル径=2
5μm、吐出周波数=30kHzであるピエゾ方式イン
クジェットヘッドを八機搭載したインクジェット試験機
を用い、コニカインクジェットペーパーPhotoli
ke QP上に、1440×720dpi(dpiとは
2.54cm当たりのドットの数を表す)の画素密度で
画像データを出力した。
【0128】なお、上記ノズルの駆動電圧を変化させ、
液滴速度が8m/secとなるように調整した。この
時、吐出されたインク液滴の量を測定したところ、7p
lであった。
【0129】また低〜中濃度部域では低濃度インクジェ
ット画像記録液を中心に、高濃度部域では高濃度のイン
クジェット画像記録液を中心に出力するよう、駆動条件
を設定した。
【0130】なお、上記ピエゾ方式インクジェット試験
機のヘッドの構成は図1(a)のようになっている。ま
た、ヘッド1のA−Aでの断面図を図1(b)に示す。
【0131】図1(a)では、説明のために5本の吐出
ノズルを有するヘッド1を例示しているが、実施例では
128本のノズルを有するヘッドを用いた。ピエゾ素子
の変位によりインク液滴の吐出を行わせるピエゾ素子2
が各吐出ノズルに対応してヘッド上に設けられている。
また、ピエゾ素子に対して駆動信号や加熱用信号を供給
するドライバIC3がインク流路(インク溜まり)上に
配置されている。
【0132】また、ピエゾ素子近傍の吐出ノズル上にサ
ーミスタ4が設けられていて、測温手段を備えている。
【0133】出力画像データとしては、実施例1で用い
たウェッジ画像と、財団法人・日本規格協会発行の、高
精細カラーデジタル標準画像データ「N5・自転車」
(1995年12月発行)を用いた。
【0134】また、同じ画像データをデジタルミニラボ
QD−21 PLUS(コニカ製)を用い、コニカカラ
ーQAペーパータイプA7上に出力し、現像処理して比
較用のカラー銀塩写真画像を得た。
【0135】これらの画像について、実施例1と同様の
方法により、耐指紋付着性、耐擦過性及び光沢性を評価
した。耐指紋付着性及び耐擦過性については、実施例1
の結果と同様に、各色とも良好な結果を示した。また、
光沢性についても、比較のカラー銀塩写真画像と同等以
上の良好な結果を示した。
【0136】
【発明の効果】本発明により、インクジェット記録画像
の耐指紋付着性、耐擦過性及び光沢性に優れたインクジ
ェット用顔料インクとそれを用いたインクジェットカー
トリッジ、インクジェット画像記録方法及びインクジェ
ット記録画像を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用されるピエゾ方式インクジェット
試験機のヘッドの一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 ヘッド 2 ピエゾ素子 3 ドライバIC 4 サーミスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA13 FA03 FA04 FA05 FA07 FB02 FC02 KC01 2H086 BA01 BA53 BA55 BA59 BA60 BA62 4J039 AB01 AB02 AB07 AD01 AD02 AD03 AD06 AD08 AD09 AD10 AD11 AD14 AD23 AE04 AE11 BC01 BC07 BC09 BC12 BC13 BC19 BC34 BE01 BE12 BE22 BE28 BE30 CA06 EA33 EA36 GA24

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性媒体に顔料粒子を分散したインクジ
    ェット用顔料インクにおいて、該インクジェット用顔料
    インク中の脂肪酸誘導体の総含有量が1.0質量%以下
    であり、かつ該顔料粒子が表面に極性基を有しているこ
    とを特徴とするインクジェット用顔料インク。
  2. 【請求項2】 下記式(1)で表される再分散係数が
    0.5〜5であることを特徴とする請求項1に記載のイ
    ンクジェット用顔料インク。 式(1) 再分散係数=再分散後の顔料粒子の二次体積平均粒子径
    /再分散前の顔料粒子の二次体積平均粒子径
  3. 【請求項3】 pHが、7.0以上であることを特徴と
    する請求項1又は2に記載のインクジェット用顔料イン
    ク。
  4. 【請求項4】 表面張力が、25〜45mN/mである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    インクジェット用顔料インク。
  5. 【請求項5】 前記顔料粒子の二次体積平均粒子径が、
    10〜150nmであることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれか1項に記載のインクジェット用顔料インク。
  6. 【請求項6】 多価金属イオン含有量が、5ppm以下
    であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に
    記載のインクジェット用顔料インク。
  7. 【請求項7】 インク溶剤含有量が、5〜70質量%で
    あることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記
    載のインクジェット用顔料インク。
  8. 【請求項8】 アニオン界面活性剤を含有することを特
    徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジ
    ェット用顔料インク。
  9. 【請求項9】 ノニオン界面活性剤を含有することを特
    徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジ
    ェット用顔料インク。
  10. 【請求項10】 カチオン界面活性剤を含有することを
    特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のインク
    ジェット用顔料インク。
  11. 【請求項11】 アニオン界面活性剤とノニオン界面活
    性剤とを含有することを特徴とする請求項1〜7のいず
    れか1項に記載のインクジェット用顔料インク。
  12. 【請求項12】 水溶性高分子または水不溶性高分子分
    散液を含有することを特徴とする請求項1〜11のいず
    れか1項に記載のインクジェット用顔料インク。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれか1項に記載
    のインクジェット用顔料インクを少なくとも1つ収容し
    たインク収容部を有することを特徴とするインクジェッ
    トカートリッジ。
  14. 【請求項14】 請求項1〜12のいずれか1項に記載
    のインクジェット用顔料インクを少なくとも1つ用いて
    画像形成することを特徴とするインクジェット画像記録
    方法。
  15. 【請求項15】 請求項1〜12のいずれか1項に記載
    のインクジェット用顔料インクを少なくとも1つ用い
    て、インクジェット画像記録を行うことにより形成され
    たことを特徴とするインクジェット記録画像。
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