JP2003146986A - 3−アミノチオフェン−2−カルボン酸エステルおよびそのn−アシル体の製造方法 - Google Patents

3−アミノチオフェン−2−カルボン酸エステルおよびそのn−アシル体の製造方法

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JP2003146986A
JP2003146986A JP2001344403A JP2001344403A JP2003146986A JP 2003146986 A JP2003146986 A JP 2003146986A JP 2001344403 A JP2001344403 A JP 2001344403A JP 2001344403 A JP2001344403 A JP 2001344403A JP 2003146986 A JP2003146986 A JP 2003146986A
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aminothiophene
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Kan Takahashi
完 高橋
Kenji Odaka
建次 小高
Kanji Tomitani
完治 冨谷
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工業的に安全であり且つ安価な3−アミノチ
オフェン−2−カルボン酸エステルの製造法を提供す
る。 【解決手段】式(2)で表される化合物に酸化剤を作用
させ、式(1)で表される化合物を得、これに有機酸又
は無機酸を作用させることにより式(3)で表される化
合物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学工業上有益且
つ新規な中間体である3−アミノジヒドロチオフェン−
2−カルボン酸エステルのS−オキシド体に関する。ま
た本発明は前記中間体を用いて医農薬の重要な中間体と
なる3−アミノチオフェン−2−カルボン酸エステルお
よび3−アミノチオフェン−2−カルボン酸エステルの
N−アシル体を製造する方法に関する。またさらに3−
アミノジヒドロチオフェン−2−カルボン酸エステルの
S−オキシド体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平9−235282号公報には、3
−アシルアミノチオフェン誘導体が農園芸用の優れた殺
菌剤であることが記載されている。3−アシルアミノチ
オフェン誘導体の製造方法において、式(4)(化8)
【0003】
【化8】
【0004】〔式中R1は前記と同じ意味を示し、R2はC1
−C4アルキルもしくは置換されていてもよいフェニルも
しくは置換されていてもよい含窒素もしくは含硫黄ヘテ
ロ環〕で表わされる3−アミノチオフェン−2−カルボ
ン酸エステルのN−アシル体は重要な中間体となる。
【0005】通常、3−アミノチオフェン−2−カルボ
ン酸エステルのN−アシル体は、市販されている3−ア
ミノチオフェン−2−カルボン酸エステルをN−アシル
化して得られる。しかし、3−アミノチオフェン−2−
カルボン酸エステルは農園芸用の殺菌剤の原料としては
高価なものであるため、3−アミノチオフェン−2−カ
ルボン酸エステルの安価な製造方法が求められていた。
【0006】特許掲載公報第2574085号には、
2,3−ジハロゲノプロピオニトリルもしくは2−ハロ
ゲノアクリロニトリルとメルカプト酢酸エステルからア
ルカリ金属の炭酸塩の存在下、3−アミノチオフェン−
2−カルボン酸エステルを得る製造方法が記載されてい
る。また、Salo Gronowitz編集の「チオ
フェンとその誘導体第1部」(John Wileya
nd Sons出版、1985年出版)には、2,3−
ジハロゲノプロピオニトリルとメルカプト酢酸エステル
とをアルカリ金属アルコラートの存在下、エーテル溶媒
中で反応させ、3−アミノチオフェン−2−カルボン酸
エステルを得る製造方法が記載されている。さらに、S
ynthetic Communications 1
979年第9巻、第8号、第731頁には、2−クロロ
アクリロニトリルとメルカプト酢酸メチルとをナトリウ
ムメトキシドの存在下、メタノール中で反応させ、3−
アミノチオフェン−2−カルボン酸エステルを得る製造
方法が記載されている。上記の方法の原料となる2,3
−ジハロゲノプロピオニトリルおよび2−ハロゲノアク
リロニトリルは、ともに刺激性が強く輸送による大量入
手が困難である。また、これら2種の原料を製造する場
合、アクリロニトリルから製造する方法があるが、刺激
性が強く取り扱いの難しいハロゲン単体を使用するため
工業化が困難である。このように、3−アミノチオフェ
ン−2−カルボン酸エステルの現行の製造方法には問題
点が多かった。
【0007】
【発明が解決するための課題】本発明は、工業的に安全
であり且つ安価な3−アミノチオフェン−2−カルボン
酸エステルの製造法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】日本化学会誌 1993
年 11巻 1263−1269頁には、下記反応式
(1)(化9)
【0009】
【化9】
【0010】に示すように、2,3−ジ置換ジヒドロチ
オフェン体を酸化しPummerer転位を行うことに
よって、2,3−ジ置換チオフェンが得られることが記
載されている。しかしこの文献に記載されているもの
は、2,3−ジアルキル体であり、アミノ基やエステル
基の置換したものについての記載は一切見られない。我
々はこの反応に着目し、3−アミノジヒドロチオフェン
−2−カルボン酸エステルに適用させるべく鋭意検討を
重ねた。その結果、下記反応式(2)(化10)
【0011】
【化10】
【0012】に示すように、式(2)から新規化合物で
ある式(1)を合成できることを見出した。さらに式
(1)を経由することによって、式(2)→式(1)→
式(3)の二工程で3−アミノジヒドロチオフェン−2
−カルボン酸エステルから3−アミノチオフェン−2−
カルボン酸エステルを高収率で得る方法を見出した。ま
た、式(1)から3−アミノチオフェン−2−カルボン
酸エステルのN−アシル体式(4)までは、式(1)→
式(3)→式(4)のように通常二工程要するが、式
(1)→式(4)の一工程で製造できる方法を見出し、
本発明を完成した。
【0013】すなわち、本発明は以下のとおりである。 〔1〕式(1)(化11)
【0014】
【化11】
【0015】〔式中R1は、C1−C4アルキルもしくは置換
されていてもよいフェニル〕で表わされ且つ新規中間体
である3−アミノジヒドロチオフェン−2−カルボン酸
エステルのS−オキシド体。 〔2〕式(2)(化12)
【0016】
【化12】
【0017】〔式中R1は、前記と同じ意味を示す〕で表
わされる3−アミノジヒドロチオフェン−2−カルボン
酸エステルに酸化剤を作用させ、式(1)(化13)
【0018】
【化13】
【0019】〔式中R1は、前記と同じ意味を示す〕で表
わされる新規中間体を得る製造方法。 〔3〕式(1)(化14)
【0020】
【化14】
【0021】〔式中R1は、前記と同じ意味を示す〕で表
わされる新規中間体に有機酸もしくは無機酸を作用させ
ることにより、式(3)(化15)
【0022】
【化15】
【0023】〔式中R1は前記と同じ意味を示す〕で表わ
される3−アミノチオフェン−2−カルボン酸エステル
を得る製造方法。 〔4〕式(1)(化16)
【0024】
【化16】
【0025】〔式中R1は、前記と同じ意味を示す〕で表
わされる新規中間体に酸無水物もしくは酸ハロゲン化物
を反応させることにより、式(4)(化17)
【0026】
【化17】
【0027】〔式中R1は前記と同じ意味を示し、R2はC1
−C4アルキルもしくは置換されていてもよいフェニルも
しくは置換されていてもよいヘテロ環〕で表わされる3
−アミノチオフェン−2−カルボン酸エステルのN−ア
シル体を得る製造方法。
【0028】Journal Organic Che
mistry 1995年 第60巻 1461頁に
は、本製造法の出発原料となる式(2)(化18)
【0029】
【化18】
【0030】〔式中R1は、C1−C4アルキルもしくは置
換されていてもよいフェニル〕で表わされる3−アミノ
ジヒドロチオフェン−2−カルボン酸エステルは、下記
反応式(3)(化19)
【0031】
【化19】
【0032】に示すように安価な試薬であるメルカプト
酢酸エステルとアクリロニトリルから高収率で得られる
ことが記載されている。さらに、別法として、下記反応
式(4)(化20)
【0033】
【化20】
【0034】に示すように、安価な試薬であるメルカプ
ト酢酸エステルとアクリル酸エステルを原料に用いて、
二工程で高収率に得ることもできる。このように、本発
明は安価な原料を用いなお且つ工業的に安全な3−アミ
ノチオフェン−2−カルボン酸エステルおよびそのN−
保護体の製造方法に関する。また、新規中間体の3−ア
ミノジヒドロチオフェン−2−カルボン酸エステルのS
−オキシド体に関する。
【0035】
【発明の実施の形態】式(2)の化合物から式(1)の
化合物を得るには、通常、酸化剤として過酸化水素、メ
タクロロ過安息香酸、のような過酸化物を用いる。酸化
剤の使用量は基質の3−アミノジヒドロチオフェン−2
−カルボン酸エステルに対して1〜1.2当量用いる。
溶媒はメタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ルのようなアルコール類、クロロホルム、ジクロロメタ
ンのような含ハロゲン類、ベンゼン、トルエンのような
芳香族炭化水素類、アセトンのようなケトン類、酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル類が使
用できるが、特にアルコール類が好ましい。このとき、
溶媒の使用量としては、基質の3−アミノジヒドロチオ
フェン−2−カルボン酸エステルに対して1〜50倍の
重量である。触媒としてタングステン酸ナトリウム2水
和物を加えると穏やかに反応を行うことができるが、特
に加えなくてもよい。触媒の使用量としては、基質の3
−アミノジヒドロチオフェン−2−カルボン酸エステル
に対して0.1〜20%の重量が好ましい。反応温度
は、−20〜50℃の範囲で行うことができるが、好ま
しくは0〜30℃である。
【0036】式(1)の化合物から式(3)の化合物を
得るには、通常、種々の有機酸や無機酸を作用させる。
酸としては、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン
酸のようなスルホン酸類、酢酸、トリフルオロ酢酸のよ
うな脂肪族カルボン酸類、塩化水素、臭化水素のような
無機酸を使用することができる。酸の使用量は、基質の
3−アミノジヒドロチオフェン−2−カルボン酸エステ
ルのS−オキシド体に対して、0.1〜5当量である
が、好ましくは0.5〜2当量である。溶媒は、メタノ
ール、エタノールのようなアルコール類、テトラヒドロ
フラン、1,4−ジオキサンのようなエーテル類、酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル類、
ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素
類を使用することができる。溶媒の使用量としては、基
質の3−アミノジヒドロチオフェン−2−カルボン酸エ
ステルのS−オキシド体に対して、1〜20倍の重量で
ある。反応温度は、20〜150℃の範囲で行うことが
できるが、通常は加熱反応であり、50〜120℃が好
ましい。反応終了時、生成した3−アミノチオフェン−
2−カルボン酸エステルは反応試剤の酸と塩を形成する
場合がある。このような場合、反応マスをアルカリ水溶
液で中和して有機溶媒で抽出することにより、目的の3
−アミノチオフェン−2−カルボン酸エステルを得るこ
とができる。
【0037】式(1)の化合物から式(4)の化合物を
得るには、種々のカルボン酸無水物もしくはカルボン酸
ハロゲン化物を作用させる。酸無水物、酸ハロゲン化物
としては、無水酢酸、塩化アセチル、塩化ベンゾイルの
ような脂肪族や芳香族のカルボン酸無水物やカルボン酸
ハライドを用いることができる。酸無水物もしくは酸ハ
ロゲン化物の使用量は、基質の3−アミノジヒドロチオ
フェン−2−カルボン酸エステルのS−オキシド体に対
して、0.1〜5当量であるが、好ましくは0.8〜
2.5当量である。溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシ
レンのような芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、
1,4−ジオキサンのようなエーテル類、酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル類を使用する
ことができる。溶媒の使用量としては、基質の3−アミ
ノジヒドロチオフェン−2−カルボン酸エステルのS−
オキシド体に対して、1〜20倍の重量である。反応温
度は、20〜150℃の範囲で行うことができるが、通
常は加熱反応であり、50〜120℃が好ましい。本反
応は、上記記載方法によっても反応は充分に進行する
が、より効率的に反応を進行させるために以下の方法を
加えることが望ましい。基質に酸無水物を用いた場合、
触媒として、p−トルエンスルホン酸を加えると効率的
に反応が進行する。触媒の使用量としては、基質の3−
アミノジヒドロチオフェン−2−カルボン酸エステルS
−オキシド体に対して0.1〜20%の重量が好まし
い。基質に酸ハライドを用いた場合、ピリジン、トリエ
チルアミン等の有機塩基を加えると効率的に反応が進行
する。有機塩基の使用量は、基質の3−アミノジヒドロ
チオフェン−2−カルボン酸エステルのS−オキシド体
に対して、1〜5当量であるが好ましくは1〜2.5当
量である。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本反応を説明するが、本
発明はこれらのみに限定されるものではない。 [実施例1]3−アミノジヒドロチオフェン−2−カル
ボン酸メチルのS−オキシド体の合成 3−アミノジヒドロチオフェン−2−カルボン酸メチル
1.0g(6.284mmol)とタングステン酸ナト
リウム2水和物(Na2WO42H2O)0.10g
(0.3142mmol)をメタノール20mlに溶解
し、31%過酸化水素水0.69g(6.284mmo
l)をゆっくりと滴下した。このとき、反応液の温度
は、20〜30℃に保持した。室温で2時間撹拌後、反
応液を濃縮することによって白色固体を得た。これを、
メタノール10mlと酢酸エチル20mlで洗浄するこ
とによって、1.11gの黄色結晶を得た(quan
t)。
【0039】反応前後のシリカゲル薄層クロマトグラフ
ィーの挙動は、反応前のRf=0.80から反応後のR
f=0.31に大きく変化し、これにより反応の進行を
確認した。また、物性データとして、得られた結晶のマ
ススペクトルを測定し、m/z=176.07という結
果を得た。 [マススペクトルの測定条件] イオン化法:APCI法 測定モード:Positive 本実施例においてはメチルエステル体の合成法を記載し
たが、本発明はこれに限定されるものでなく、請求項1
1に記載したこれ以外の化合物についても同様の方法に
よって得ることができる。表1に一覧表を示す。
【0040】
【表1】
【0041】[実施例2]3−アミノチオフェン−2−
カルボン酸メチルの合成 3−アミノジヒドロチオフェン−2−カルボン酸メチル
のS−オキシド体1.0g(5.71mmol)を1,
4−ジオキサン4mlに懸濁させ、4N HCl/di
oxane 6ml(24mmol)を加えた。80℃
で2時間反応させた後、室温にもどし、飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液を滴下して、反応液を中和した。酢酸エ
チル100mlで抽出し、飽和食塩水50mlで洗浄
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得
られた褐色オイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで精製することによって(展開相:Hexane/A
cOEt=4/1)、3−アミノチオフェン−2−カル
ボン酸メチルを淡黄色結晶として得た(0.60g,y
=67%)。1 H−NMR(CDCl3,δppm):δ3.83(3
H,s),δ5.46(2H,brs),δ6.53
(1H,d,J=5.5),δ7.26(1H,d,J
=5.5) mp 64〜66℃
【0042】[実施例3]3−アミノチオフェン−2−
カルボン酸メチルの合成 3−アミノジヒドロチオフェン−2−カルボン酸メチル
のS−オキシド体1.0g(5.71mmol)をトル
エン12mlに懸濁させ、p−トルエンスルホン酸一水
和物 1.09g(5.71mmol)を加えた。11
0℃で1時間反応させた後、室温にもどし、飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液を滴下して、反応液を中和した。ト
ルエン100mlで抽出し、飽和食塩水50mlで洗浄
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得
られた褐色オイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで精製することによって(展開相:Hexane/A
cOEt=4/1)、3−アミノチオフェン−2−カル
ボン酸メチルを淡黄色結晶として得た(0.65g,y
=72%)。物性値は実施例2に同じ。
【0043】[実施例4]N−{3−(2−メトキシカ
ルボニル)チエニル}安息香酸アミドの合成 3−アミノジヒドロチオフェン−2−カルボン酸メチル
のS−オキシド体1.0g(5.71mmol)をトル
エン12mlに懸濁させ、ピリジン0.99g(12.
56mmol)を加えた。ここにベンゾイルクロリド
1.77g(12.56mmol)のトルエン溶液3m
lを室温でゆっくり滴下した。室温で10分間撹拌した
後、80℃に昇温し、2.5時間反応させた。反応液を
室温にもどし、1N塩酸100mlを加え、トルエン50
mlで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液100mlで洗浄し、さらに飽和食塩水100mlで
洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮すると
褐色液体を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーで精製することによって(展開相:Hexane
/AcOEt=9/1)、N−{3−(2−メトキシカ
ルボニル)チエニル}安息香酸アミドを黄色結晶として
得た(1.46g,y=98%)。1 H−NMR(CDCl3,δppm):δ3.94(3
H,s),δ7.55(4H,m),δ8.02(2
H,dd,J=8.1,1.6),δ8.31(1H,
d,J=4.9) IR(cm-1):3338,1671,1578,14
15,777,689 mp 101.4〜102.3℃
【0044】[実施例5]N−{3−(2−メトキシカ
ルボニル)チエニル}酢酸アミドの合成 3−アミノジヒドロチオフェン−2−カルボン酸メチル
のS−オキシド体1.0g(5.71mmol)をベン
ゼン20mlに懸濁させ、無水酢酸2.91g(28.
55mmol)とp−トルエンスルホン酸一水和物0.
11g(0.571mmol)を加えた。加熱還流下で
4時間反応させ、反応マスを室温にもどした。反応液を
ろ過し、ろ液に10%炭酸カリウム水溶液50mlを加
え、酢酸エチル50mlで抽出した。有機層を飽和食塩
水100mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、濃縮すると褐色固体を得た。これをシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーで精製することによって(展開
相:Hexane/AcOEt=5/1)、N−{3−
(2−メトキシカルボニル)チエニル}酢酸アミドを淡
黄色結晶として得た(0.80g,y=70%)。1 H−NMR(CDCl3,δppm):δ2.23(3
H,s),δ3.89(3H,s),δ7.46(1
H,d,J=5.6),δ8.12(1H,d,J=
5.6),δ10.15(1H,brs) IR(cm-1):3341,1702,1674,15
70,1448,1281,782 mp 94.7〜96.8℃
【0045】[参考例1] 3−アミノジヒドロチオフ
ェン−2−カルボン酸メチルの合成 3−オキソテトラヒドロチオフェン−2−カルボン酸メ
チル45.2g(0.282mol)をベンゼン200
mlに溶解し、酢酸アンモニウム43.6g(0.56
5mol)を加えた。ディーンスターク管を用いて共沸
脱水を行いながら、加熱還流下で2.5時間反応させ
た。反応液を室温にもどし、6%炭酸水素ナトリウム水
溶液800gをゆっくり滴下し、1時間撹拌した。静置
すると二層に分かれ、水層が中性(pH.8)になって
いることを確認して、酢酸エチル400mlで抽出し
た。有機層を飽和食塩水150mlで洗浄し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥し、濃縮した後、真空乾燥すること
によって3−アミノジヒドロチオフェン−2−カルボン
酸メチルを黄色結晶として得た(38.1g,y=85
%)。1 H−NMR(CDCl3,δppm):δ2.90(2
H,t,J=7.6),δ3.09(2H,t,J=
7.6),δ3.73(3H,s),δ5.92(2
H,brs) IR:3413,3305,3214,1654,16
36,1540,1449,1297,1079
【0046】
【発明の効果】本発明により、医農薬中間体、特に農園
芸用の優れた殺菌剤である3−アミノチオフェン−2−
カルボン酸エステルおよびそのN−アシル体が工業的に
安全で安価に得ることができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1)(化1) 【化1】 〔式中R1は、C1−C4アルキルもしくは置換されていても
    よいフェニル基〕で表わされる3−アミノジヒドロチオ
    フェン−2−カルボン酸エステルのS−オキシド体。
  2. 【請求項2】式(2)(化2) 【化2】 〔式中R1は、前記と同じ意味を示す〕で表わされる3−
    アミノジヒドロチオフェン−2−カルボン酸エステルに
    酸化剤を作用させ、式(1)(化3) 【化3】 〔式中R1は、前記と同じ意味を示す〕で表わされる請求
    項1記載の化合物を得る製造方法。
  3. 【請求項3】酸化剤が過酸化水素又はm−クロロ過安息
    香酸である請求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】式(1)(化4) 【化4】 〔式中R1は、前記と同じ意味を示す〕で表わされる化合
    物に有機酸もしくは無機酸を作用させることにより、式
    (3)(化5) 【化5】 〔式中R1は前記と同じ意味を示す〕で表わされる3−ア
    ミノチオフェン−2−カルボン酸エステルを得る製造方
    法。
  5. 【請求項5】有機酸がスルホン酸もしくはカルボン酸で
    ある請求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】スルホン酸がp−トルエンスルホン酸もし
    くはメタンスルホン酸であり、カルボン酸が酢酸もしく
    はトリフルオロ酢酸であり、無機酸が塩酸もしくは臭化
    水素酸である請求項5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】式(1)(化6) 【化6】 〔式中R1は、前記と同じ意味を示す〕で表わされる請求
    項1記載の化合物に、酸無水物もしくは酸ハロゲン化物
    を反応させることにより、式(4)(化7) 【化7】 〔式中R1は前記と同じ意味を示し、R2はC1−C4アルキル
    もしくは置換されていてもよいフェニルもしくは置換さ
    れていてもよい含窒素もしくは含硫黄ヘテロ環〕で表わ
    される3−アミノチオフェン−2−カルボン酸エステル
    のN−アシル体を得る製造方法。
  8. 【請求項8】酸無水物がカルボン酸無水物であり、酸ハ
    ロゲン化物がカルボン酸ハロゲン化物である請求項7記
    載の製造方法。
  9. 【請求項9】カルボン酸無水物が無水酢酸であり、カル
    ボン酸ハロゲン化物がベンゾイルクロリドもしくはアセ
    チルクロリドである請求項8記載の製造方法。
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