JP2003145728A - インクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェットプリンタ

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JP2003145728A
JP2003145728A JP2001346569A JP2001346569A JP2003145728A JP 2003145728 A JP2003145728 A JP 2003145728A JP 2001346569 A JP2001346569 A JP 2001346569A JP 2001346569 A JP2001346569 A JP 2001346569A JP 2003145728 A JP2003145728 A JP 2003145728A
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JP
Japan
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temperature
ink
head
medium
recording medium
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Application number
JP2001346569A
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English (en)
Inventor
Ryuji Tanno
龍司 丹野
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定したUVインクの吐出を可能とすると共
に、高品質の印刷を保持することができ、UV照射強度
をさらに強くしても記録媒体を変質させることなく印刷
できるインクジェットプリンタを提供する。 【解決手段】 インクを吐出する記録ヘッドと、記録媒
体を搬送する搬送手段とを有し、紫外線が照射されるこ
とにより硬化するUVインクを、前記記録ヘッドから、
前記搬送手段に搬送される記録媒体の印刷面に吐出し印
刷を行うインクジェットプリンタである。前記記録ヘッ
ド内のUVインクの温度をヘッド目標設定温度に制御す
るヘッド温度調節機構と、前記記録ヘッドから吐出され
たUVインクが着弾して印刷が行われる記録媒体の温度
をメディア目標設定温度に制御するメディア温度調節機
構とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録液としてUV
インクを用いるインクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のインクジェットプリンタには、紫
外線が照射されることで硬化するUVインクを記録液と
して用いたものがある。このように、UVインクを用い
て印刷を行った場合、印刷後に紫外線を照射すればUV
インクは硬化し、長期間にわたって印刷画像を消え難く
することができ、印刷物を屋外などに配置した際におい
ても優れた耐候性を示すことができる。
【0003】ところが、UVインクは常温時において一
般的なインクと比べて粘度が高いという特性を備えてお
り、安定した吐出を得るためには、UVインクを吐出前
に低粘度化しておかなければならなかった。一般的に、
UVインクは、加熱により低粘度化する性質をもってい
る。
【0004】このような問題を解決すべく、UVインク
を用いたインクジェットプリンタには、インクタンクか
ら記録ヘッドまでUVインクを供給する供給路に、UV
インクを加熱して低粘度化する加熱手段が設けられたも
のが開発されている。
【0005】しかしながら、上記のように加熱手段を供
給路に設けたインクジェットプリンタでは、UVインク
の加熱を供給路で行うことはできるが記録ヘッドで行う
ことはできない。つまり、供給路内でUVインクが加熱
されても、記録ヘッドに供給された際に、記録ヘッドの
温度の影響を受け、UVインクは冷やされてしまうおそ
れがある。こうなると、せっかく安定吐出に必要なだけ
低粘度化されたにも関わらず、記録ヘッド内で粘度が上
昇してしまい、常に安定した吐出を行うことが困難とな
ってしまう問題があった。
【0006】また、設置場所や時期等に起因してインク
ジェットプリンタの環境温度、特にプリンタ内部の温度
が変化すると、これに伴い、印刷される記録媒体の温度
も変化する。前記したように、UVインクは温度により
粘性が変化するものであり、記録媒体の温度が変化する
と、その温度変化の影響を受けてUVインクの記録媒体
への付着性、滲み性も変化する。
【0007】例えば、印刷される記録媒体には加熱によ
り低粘度となったUVインクが射出されて印刷が行われ
るが、このインクは加熱されているため記録媒体に付着
すると、その記録媒体自体、特に記録媒体におけるイン
クが付着した部分近傍の温度を上昇させる。また、プリ
ンタが比較的温度の高い室内に設置されていたり、プリ
ンタを稼動し続けてプリンタ内部で余熱が蓄えられたり
した場合にも、印刷されるべき記録媒体自体の温度は上
昇する。そして、これらの要因により温度の上昇した記
録媒体上では、低粘性となって射出されたインクは記録
媒体自体の温度が上昇したままなので低粘性から高粘性
を有する状態になるまでやや時間がかかり、この間、こ
のインクは低粘性を保持した状態にあり、記録媒体上で
又は記録媒体内にこのインクが滲みやすくなっている。
【0008】また、温度変化した記録媒体上では、吐出
されたUVインクの液滴径が記録媒体の温度によってや
や変わり常に一定になっているとは限らない。よって、
従来、UVインクの付着した記録媒体にそのままUVを
照射しこの付着したUVインクを記録媒体に定着させて
いるが、印刷時における記録媒体の温度に影響してUV
インクの液滴径が不安定なので、最終的な印刷物の印刷
品質が最良のものになるとは限らないという問題があっ
た。
【0009】さらに、記録媒体にUVを照射した際にこ
の記録媒体の温度は高温化するが、この記録媒体の高温
化を抑えないと、この記録媒体自体が変質する可能性が
あり、これにより、印刷品質の低下を招く可能性があっ
た。従って、記録媒体の高温化による変質を防ぐために
は、UV照射強度をさらに強くすることは難しく、必然
的にUV照射強度には限界があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の課題
は、安定したUVインクの吐出を可能とすると共に、高
品質の印刷を保持することができ、UV照射強度をさら
に強くしても記録媒体を変質させることなく印刷できる
インクジェットプリンタを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
インクを吐出する記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬
送手段とを有し、紫外線が照射されることにより硬化す
るUVインクを、前記記録ヘッドから、前記搬送手段に
搬送される記録媒体の印刷面に吐出し印刷を行うインク
ジェットプリンタであって、前記記録ヘッド内のUVイ
ンクの加熱を行うヘッド内インク加熱手段と、前記記録
ヘッドから吐出されたUVインクが着弾して印刷が行わ
れる記録媒体の冷却のを行うメディア冷却手段と、を備
えることを特徴としている。
【0012】ここでUVインクとしては、30℃での粘
度が50〜3000mPa・sの液体であることが好ま
しい。より好ましくは、50〜1000mPa・sであ
り、更に好ましくは、100〜500mPa・sであ
る。50mPa・s以下では、滲みやすいため明瞭な印
刷が行えない。また、3000mPa・s以上では、画
質の平滑性が失われる。さらに、60℃での粘度が3〜
30mPa・sの液体であることが好ましい。3mPa
・s未満では高速射出に不具合を生じるおそれがあり、
また、30mPa・sを越えると射出性が劣化してしま
うおそれがある。また、特にピエゾ素子からなる記録ヘ
ッドから吐出される場合、粘度は3〜30mPa・sの
液体であることが好ましい。
【0013】請求項1記載の発明によれば、ヘッド内イ
ンク加熱手段によって、記録ヘッド内のUVインクが加
熱されるので、記録ヘッド内に供給されたUVインク
が、記録ヘッドの温度の影響で冷やされることを防止で
き、記録ヘッド内においてもUVインクを安定吐出に必
要なだけ低粘度化することができる。したがって、安定
吐出が保たれ、明瞭な印刷を行うことが可能となる。ま
た、万が一、記録ヘッド内のUVインクが冷やされ高粘
度化してしまったとしても、ヘッド内インク加熱手段に
より再びUVインクを加熱し低粘度化することができ
る。さらに、記録媒体(メディア)を冷却するメディア
冷却手段を設けたことにより、記録媒体の搬送経路のい
ずれかの位置において、記録媒体自体を冷却することが
できる。すなわち、上述したように、加熱されたインク
が記録媒体に射出されて付着した場合やプリンタが外部
環境の影響を受けて記録媒体の温度が上昇した場合にお
いても、記録媒体自体の温度が上昇するのを抑えること
ができる。この場合、加熱により低粘性となったインク
はメディア冷却手段の影響により記録媒体の印刷面に射
出された際に熱を奪われ迅速に高粘性化されるので、こ
のインクが記録媒体上で又は記録媒体内に滲みにくくな
る。これにより、このインクの記録媒体への付着性が安
定し、印刷品質の向上を図ることができる。また、上記
構成では、メディア冷却手段により記録媒体が冷却され
るので、例えばプリンタの外部環境の影響を受けて記録
媒体自体の温度が様々な状態で印刷されるのではなく、
ある程度安定した温度環境で印刷が行われることにな
る。これにより、例えば長時間印刷を行いたい場合に
も、プリンタ内部の余熱によって記録媒体自体の温度が
上昇するのを抑えることができ、従って記録媒体上で又
は記録媒体内へのインクの滲みを軽減し、長時間にわた
る印刷であっても、印刷品質を劣化させることなく高品
質の印刷を安定して確保することができる。
【0014】なお、「メディア冷却手段」は、記録媒体
のうち予め決められた印刷領域(インクが射出される領
域)又はこの印刷領域よりも広範な領域全面を覆うよう
に冷却し、記録媒体の印刷領域内で温度分布にムラの無
いように記録媒体を冷却できるものが好ましい。
【0015】請求項2記載の発明は、インクを吐出する
記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送手段とを有し、
紫外線が照射されることにより硬化するUVインクを、
前記記録ヘッドから、前記搬送手段に搬送される記録媒
体の印刷面に吐出し印刷を行うインクジェットプリンタ
であって、前記記録ヘッド内のUVインクの温度をヘッ
ド目標設定温度に制御するヘッド温度調節機構と、前記
記録ヘッドから吐出されたUVインクが着弾して印刷が
行われる記録媒体の温度をメディア目標設定温度に制御
するメディア温度調節機構と、を備えることを特徴とし
ている。
【0016】請求項2記載の発明によれば、ヘッド温度
調節機構によって、記録ヘッド内のUVインクの温度を
ヘッド目標設定温度に制御できるため、一定の粘度に低
粘度化したUVインクを吐出することができる。また、
メディア温度調節機構によって、記録媒体の温度をメデ
ィア目標設定温度に制御できるため、記録媒体に着弾し
たUVインクを一定の粘度とすることができ、これによ
り、印刷品質の向上を図ることができる。さらに、メデ
ィア温度調節機構により記録媒体の温度をメディア目標
設定温度に制御しているので、UV照射による記録媒体
の温度が高温化するのを抑えることができ、記録媒体が
変質するのを防止することができる。また、この場合、
UV照射強度を従来よりも強くすることができ、これに
よりUV照射時間を短縮でき、さらにUV照射時間の短
縮に伴い印刷工程時間の短縮につなげることもできる。
【0017】なお、「目標設定温度に制御」とは、UV
インクや記録媒体の温度を設定された温度に全く一致さ
せるという意味も含んで、ある程度の幅を持たせて高品
質の印刷を確保できる温度にするという意味である。
【0018】請求項3記載の発明は、請求項2記載のイ
ンクジェットプリンタにおいて、前記ヘッド温度調節機
構は、前記記録ヘッド内のUVインクの温度を検出する
ヘッド温度検出手段と、前記記録ヘッド内のUVインク
の加熱を行うヘッド温度調節手段と、前記ヘッド温度検
出手段の検出結果に基づいて、前記ヘッド温度調節手段
を制御するヘッド温度制御手段と、を備えることを特徴
としている。
【0019】請求項3記載の発明によれば、ヘッド温度
制御手段が、ヘッド温度検出手段の検出結果に基づい
て、ヘッド温度調節手段を制御するので、記録ヘッド内
にあるUVインクの温度に対応させて、ヘッド温度調節
手段の出力を変更することができる。つまり、記録ヘッ
ド内のUVインクの温度が、ヘッド目標設定温度以上
(例えば、安定吐出に必要なだけ低粘度化している温
度)であれば、ヘッド温度調節手段の出力を弱め、ヘッ
ド目標設定温度以下であれば、出力を強めることが可能
となる。したがって、記録ヘッド内で効率的にUVイン
クを加熱できる。
【0020】請求項4記載の発明は、請求項2又は3記
載のインクジェットプリンタにおいて、前記メディア温
度調節機構は、記録媒体の温度を検出するメディア温度
検出手段と、記録媒体の加熱又は冷却の少なくとも一方
を行うメディア温度調節手段と、前記メディア温度検出
手段の検出結果に基づいて、前記メディア温度調節手段
を制御するメディア温度制御手段と、を備えることを特
徴としている。
【0021】請求項4記載の発明によれば、メディア温
度制御手段が、メディア温度検出手段の検出結果に基づ
いて、メディア温度調節手段を制御するので、温度調節
前の記録媒体の温度に対応させて、メディア温度調節手
段の出力を変更することができる。つまり、記録媒体の
温度が、メディア目標設定温度付近(例えば、着弾した
UVインクが所定時間で高粘度化する温度)であれば、
メディア温度調節手段の出力を弱め、メディア目標設定
温度付近でなければ、出力を強めることが可能となる。
したがって、効率的に記録媒体の温度制御ができる。
【0022】請求項5記載の発明は、請求項2記載のイ
ンクジェットプリンタにおいて、前記ヘッド温度調節機
構は、前記記録ヘッド内のUVインクの温度を検出する
ヘッド温度検出手段と、前記記録ヘッド内のUVインク
の加熱を行うヘッド温度調節手段と、前記ヘッド温度検
出手段の検出結果に基づいて、前記ヘッド温度調節手段
を制御するヘッド温度制御手段と、を備え、前記メディ
ア温度調節機構は、記録媒体の温度を検出するメディア
温度検出手段と、記録媒体の加熱又は冷却の少なくとも
一方を行うメディア温度調節手段と、前記メディア温度
検出手段の検出結果に基づいて、前記メディア温度調節
手段を制御するメディア温度制御手段と、を備え、前記
ヘッド温度制御手段と前記メディア温度制御手段は、共
通の制御装置で構成されていることを特徴としている。
【0023】請求項5記載の発明によれば、請求項3及
び4の効果を奏すると共に、前記ヘッド温度制御手段と
前記メディア温度制御手段が、共通の制御装置で構成さ
れているため、インクジェットプリンタの構成要素が少
なくて済むと共に、双方の制御を連動させて効率的にヘ
ッド内のUVインクの温度制御と、UV照射前の記録媒
体の温度制御を行うことができる。
【0024】請求項6記載の発明は、請求項2〜5のい
ずれかひとつに記載のインクジェットプリンタにおい
て、前記ヘッド温度調節機構は、前記ヘッド目標設定温
度を変更可能となっていることを特徴としている。
【0025】請求項6記載の発明によれば、前記ヘッド
温度調節機構がヘッド目標設定温度を変更可能となって
おり、外気温などの外部環境の違いや、UVインクの種
類等に応じて、最適なヘッド目標設定温度を設定するこ
とができる。
【0026】なお、ヘッド目標設定温度の変更には、手
動の場合と自動の場合があり、手動の場合には、キーボ
ード等の入力手段から入力した変更値に基づきヘッド温
度調節機構がヘッド目標設定温度を設定し、自動の場合
には、ヘッド温度調節機構がセンサ等から得られる種々
の条件から自動的に適切なヘッド目標設定温度を設定す
る。
【0027】請求項7記載の発明は、請求項2〜6のい
ずれかひとつに記載のインクジェットプリンタにおい
て、前記メディア温度調節機構は、前記メディア目標設
定温度を変更可能となっていることを特徴としている。
【0028】請求項7記載の発明によれば、前記メディ
ア温度調節機構がメディア目標設定温度を変更可能とな
っており、外気温などの外部環境の違いや、紙の違いな
ど記録媒体の種類等に応じて、最適なメディア目標設定
温度を設定することができる。
【0029】なお、メディア目標設定温度の変更には、
手動の場合と自動の場合があり、手動の場合には、キー
ボード等の入力手段から入力した変更値に基づきメディ
ア温度調節機構がメディア目標設定温度を設定し、自動
の場合には、メディア温度調節機構がセンサ等から得ら
れる種々の条件から自動的に適切なメディア目標設定温
度を設定する。
【0030】請求項8記載の発明は、請求項2〜5のい
ずれかひとつに記載のインクジェットプリンタにおい
て、前記ヘッド温度調節機構は、前記ヘッド目標設定温
度を変更可能となっており、前記メディア温度調節機構
は、前記メディア目標設定温度を変更可能となってお
り、前記ヘッド温度調節機構と前記メディア温度調節機
構は、一方の目標設定温度の変更に連動して他方の目標
設定温度を変更するようになっていることを特徴として
いる。
【0031】請求項8記載の発明によれば、請求項6及
び7の効果を奏すると共に、前記ヘッド温度調節機構と
前記メディア温度調節機構が、一方の目標設定温度の変
更に連動して他方の目標設定温度を変更するようになっ
ているため、外部環境やUVインクの種類、記録媒体の
種類等を総合的に判断した上で、各目標設定温度を適切
な温度に設定することができ、より確実かつ効率的に高
品質な印刷を行うことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明のインクジェットプ
リンタに係る実施の形態について、図面を参照して説明
する。
【0033】図1は、シート状の紙である記録媒体への
印刷工程をわかりやすく説明するためのインクジェット
プリンタの要部断面図である。同図に示すように、イン
クジェットプリンタAは、概略的に、シート状用紙等の
記録媒体Rを搬送する役割を担う搬送ローラ1a、1b
と、該搬送ローラ1a、1bにより搬送された記録媒体
Rに印刷を行う印刷部2と、該印刷部2でインクの付着
した記録媒体RにUVを照射するUVランプ(UV照射
手段)3と、記録媒体Rを搬送方向Fにガイドするガイ
ド部材4と、を備えている。そして、搬送ローラ1aに
より搬送された記録媒体Rが、印刷部2を経て、さらに
搬送ローラ1bにより搬送されるような搬送経路が、搬
送方向Fに沿って確立されている。
【0034】なお、本実施の形態では、給紙源がロール
状に巻かれたロール紙を適用する例を示し、このロール
紙を「記録媒体R」と表現する。また、この記録媒体R
としては、上記ロール紙に限らず、例えばカットシート
であってもよく、紙の種類は適宜変更可能である。さら
に、記録媒体Rとして、紙以外の材質のものであっても
よく、例えば樹脂製のフィルムであってもよい。また、
記録媒体Rは、シート状に限られるものではなく、板状
であってもよい。
【0035】図1に示すように、搬送ローラ1a、1b
は、印刷部2で記録媒体Rに印刷が行われる前後の位置
に互いに離間して配置されている。搬送ローラ1a、1
bは互いに同じ方向に回転駆動し、記録媒体Rを搬送方
向Fに送り出す搬送手段としての機能を有するものであ
る。
【0036】印刷部2には、インクジェット方式の記録
ヘッド21と、該記録ヘッド21を備えるキャリッジ2
2と、該キャリッジ22の移動を案内するキャリッジレ
ール23とが備えられている。
【0037】記録ヘッド21には、シアン(C)、マジ
ェンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(B)等のイ
ンクが不図示のチューブやインクカートリッジによって
供給される。このインクは、常温において高粘性を有
し、加熱により低粘性を有し、さらにUVを照射すると
硬化する性質をもっている。以下、このインクを「UV
インク」として称することにする。
【0038】キャリッジ22は記録ヘッド21を備え、
連結部22aを介してキャリッジレール23に接続され
ている。キャリッジレール23は、記録媒体Rの搬送方
向Fに略直交して延在するレールであって、搬送方向F
と略直交する方向(図1紙面において表側から裏側若し
くは裏側から表側に向かう方向)にキャリッジ22を案
内するものである。なお、このキャリッジレール23の
延在する方向を「走査方向」と称して、以下の説明を行
う。記録媒体Rに印刷が行われる場合には、キャリッジ
22がキャリッジレール23に案内されるとともに走査
方向に移動しながら、記録ヘッド21から記録媒体Rに
UVインクが吐出されるようになっている。
【0039】UVランプ(UV照射手段)3は、印刷部
2での工程の後に、UVインクの付着した記録媒体Rの
印刷面にUVを照射するものである。UVを照射するこ
とにより当該記録媒体Rに付着したUVインクは硬化す
るようになっている。このUVランプ3は、連結部3a
を介して前述したキャリッジレール23に固定されてい
る。
【0040】ガイド部材4は、記録媒体Rの幅と同じ又
はその幅より大きな幅を有する板状の部材である。この
ガイド部材4は、記録ヘッド21に対向して配置されて
記録ヘッド21により印刷が行われる記録媒体Rを非印
刷面側から支持し、かつ、該記録媒体Rを搬送方向Fに
ガイドするものである。なお、「非印刷面」とは、記録
媒体Rの印刷面の反対側の面、すなわち印刷が行われな
い面である。なお、詳細には、ガイド部材4のうち記録
ヘッド21に対向して配置される部分はプラテン4aと
なっている。このプラテン4aの裏側には吸引室(図示
しない)が設けられているとともに、該吸引室に連通す
る複数の小孔からなる吸引口(図示しない)が設けら
れ、記録ヘッド21による印刷時に、このプラテン4a
は記録媒体Rの非印刷面を吸引保持している。
【0041】そして、上記した各構成要素を組み合わせ
ることにより、搬送ローラ1a、1bにより搬送された
記録媒体Rが非印刷面側からガイド部材4により支持さ
れた状態で、キャリッジ22が走査方向に移動しなが
ら、記録ヘッド21からUVインクが当該記録媒体Rの
印刷面に吐出されて、印刷が行われるのである。
【0042】ここで、本発明の特徴部分の構成を説明す
る。インクジェットプリンタAには、図2に示すメディ
ア温度調節機構5及びヘッド温度調節機構6が備えられ
ている。メディア温度調節機構5は、記録ヘッド21に
より印刷が行われる記録媒体Rの温度をメディア目標設
定温度に制御することにより、記録媒体Rに着弾したU
Vインクを所定の温度に制御するものである。図2に示
すように、メディア温度調節機構5は、概略して、メデ
ィア温度調節手段51と、メディア温度検出手段52
と、入力手段53と、メディア温度制御手段(ここでは
制御部30が相当する)とを備えている。なお、メディ
ア温度調節手段51、メディア温度検出手段52及び入
力手段53と、メディア温度制御手段(制御部30)と
の間は、インターフェース31を介して互いに接続され
ている。
【0043】メディア温度調節手段51は、搬送手段と
しての搬送ローラ1a、1bにより搬送される記録媒体
Rの搬送経路の少なくとも一部の近傍に備えられ、記録
媒体Rの加熱又は冷却の少なくとも一方を行うものであ
る。具体的には、図1に示すように、メディア温度調節
手段51は、記録ヘッド21により印刷が行われる前の
記録媒体Rの印刷面側に配置されており、ヒータ51a
と、リフレクタ51bとを備えている。
【0044】ヒータ51aは、記録媒体Rの幅方向(図
1紙面において表側から裏側又は裏側から表側に向かう
方向)に延在する熱源として機能を有するものである。
リフレクタ51bは、記録媒体Rの印刷面側が開放され
た状態でヒータ51aを覆って配置され、ヒータ51a
を作動させることにより生じるヒータ51aからの輻射
熱を反射するものである。従って、これらヒータ51a
及びリフレクタ51bが、記録媒体Rを印刷面側から加
熱するメディア温度調節手段51としての機能を有す
る。
【0045】メディア温度検出手段52は、図1におい
て搬送ローラ1a、1bにより搬送される記録媒体Rの
搬送経路の少なくとも一部の近傍に配置され、記録媒体
Rの温度を検出するものである。具体的には、メディア
温度検出手段52は、記録ヘッド21により印刷が行わ
れる前の記録媒体Rの印刷面側に配置されており、図1
に示す温度センサ52aに相当するものである。図1に
示すように、温度センサ52aは前述のリフレクタ51
bに固定されるとともに、記録媒体Rの表面には直接接
触しない非接触型センサとなっている。この温度センサ
52aにより、記録媒体Rの温度を検出するようになっ
ている。そして、この温度検出手段52としての温度セ
ンサ52aは、図2に示すように、検出結果としての記
録媒体Rの温度情報(以下、"検出温度情報"と称する)
を制御部30に入力する。
【0046】入力手段53は、操作盤、キーボード等で
あり、記録媒体Rの種類(形態、材質、厚み等)に関す
る情報(以下、"設定情報"と称する)を制御部30に入
力するものである。この入力手段53は、オペレータの
手動操作により操作盤、キーボード等に設定情報が打ち
込まれると、打ち込まれた設定情報を制御部30に入力
する。なお、具体的には、設定情報は、形態:ロール
紙,材質:紙,厚み:0.01mm等の記録媒体Rが有
する性質に関する情報となっている。
【0047】制御部30は、メモリ33と、CPU32
とを備えている。メモリ33は、メディア温度検出手段
52から出力された検出温度情報、入力手段から出力さ
れた設定情報等を記憶する。また、メモリ33は、設定
情報に対応する目標設定温度の情報(以下、"目標温度
情報"と称する)をデータテーブルとして記憶してい
る。従って、メモリ33では、入力手段53による設定
情報に応じて目標温度情報が切り替えられるようになっ
ている。具体的には、形態:ロール紙,材質:紙,厚
み:0.01mm等といった設定情報から、形態:フィ
ルム,材質:樹脂,厚み:0.05mm等といった設定
情報に変更されると、目標温度も28℃から26℃に切
り替わるように目標温度情報が切り替えられるようにな
っている。なお、前記目標設定温度は、入力手段による
手動の設定情報の変更に基づいて変更される他、センサ
等により設定情報や他の条件を取得して、自動的に目標
設定温度を変更する場合もある。
【0048】CPU32は、メモリ33に記憶された検
出温度情報及び目標温度情報を読み出し、これら情報の
比較をする等の各種演算を行う。そして、CPU32
は、演算結果に伴い記録媒体Rの温度の上昇又は下降が
必要であると判断した場合には、メディア温度調節手段
51に加熱又は冷却の少なくとも一方を行わせる作動信
号を送る。また、CPU32は、演算結果に伴い記録媒
体Rの温度の上昇又は下降が不必要であると判断した場
合には、メディア温度調節手段51に作動信号は送らな
い。
【0049】インターフェース31は、上記したメディ
ア温度調節手段51、メディア温度検出手段52又は入
力手段53と、制御部30との間で行われる各種情報及
び信号の転送を媒介するものである。
【0050】次に、ヘッド温度調節機構6について説明
する。ヘッド温度調節機構6は、記録ヘッド21内のイ
ンクをヘッド目標設定温度に制御することにより、UV
インクを安定した低粘度状態で吐出できるように制御す
るものである。図2に示すように、ヘッド温度調節機構
6は、概略して、ヘッド温度調節手段(面ヒーター16
及びヘッドヒーター13)と、ヘッド温度検出手段(ヘ
ッド温度センサ)19と、ヘッド温度制御手段(ここで
は制御部30が相当する)とを備えている。なお、ヘッ
ド温度調節手段、ヘッド温度検出手段と、ヘッド温度制
御手段(制御部30)との間は、インターフェース31
を介して互いに接続されている。
【0051】記録ヘッド21には、図3または図4に示
すように、インクが注入されるインク入口部17と、イ
ンクを吐出する複数の吐出口15と、インク入口部17
から吐出口15までインクを導くヘッド内供給路(供給
路)11と、ヘッド内供給路11のインク温度を検出す
るヘッド温度センサ(ヘッド温度検出手段)19と、ヘ
ッド内供給路11の外部の少なくとも一部からインクを
加熱する面ヒーター(ヘッド温度調節手段(ヘッド内イ
ンク加熱手段))16と、ヘッド内供給路11の内部の
少なくとも一部でインクを加熱するヘッドヒーター(ヘ
ッド温度調節手段(ヘッド内インク加熱手段))13と
が設けられている。
【0052】インク入口部17は、図4(a)、(b)
に示すように、記録ヘッド21の側部から内部に向かっ
て先細る漏斗形状に形成されている。このインク入口部
17は、インク供給路(図示省略)と接続されており、
インクタンク(図示省略)からインク供給路を介してイ
ンクが供給される。
【0053】吐出口15は、記録ヘッド21の下面(ノ
ズル面15a)に備えられており、この下面のセンター
ラインに沿って等間隔に並ぶよう配置されている。
【0054】ヘッド内供給路11は、インク入口部17
から吐出口15までインクを導く過程で、一旦インクを
収納するインク収納部18と、インク収納部18から吐
出口15までインクを導くインクノズル12とを備えて
いる。
【0055】インク収納部18は、先方(図4(a)で
は左)に向かって細くなる側面視台形形状に形成されて
いる。このインク収納部18には、インク入口部17の
先端が後面に接続され、インク収納部18とインク入口
部の両者を連通している。また、このインク収納部18
には、吐出口15までインクを導くインクノズル12
が、各吐出口に対応するように複数、ノズル面15aと
対向する下面に設けられている。つまり、インクノズル
12は、インク入口部17から流れ込むインクの流れ方
向に沿うように、等間隔で並んで配置されている。この
ように、インクの流れ方向に沿うようにインクノズル1
2を配置した場合、インク入口部17から離れた位置に
あるインクノズル12に流れ込むインクの圧力が弱まっ
てしまい、安定した吐出を行えないおそれがある。この
ため、本実施の形態では、インク収納部18の形状を先
方に向かって細くなる側面視台形形状に形成すること
で、各インクノズルに流れ込むインクの圧力がばらつく
ことを防止している。
【0056】ヘッド温度センサ(ヘッド温度検出手段)
19は、インク入口部17から流入してきたインクの温
度を検出するために、インク入口部17近傍、つまりイ
ンク収納部18の後面から内部に向かって延出した状態
に設けられている。
【0057】面ヒーター16は、記録ヘッド21内部で
ヘッド内供給路11を覆うようにコ字状に形成されてお
り、この面ヒーター16が、ヘッド内供給路11のイン
クを加熱し低粘度化する。
【0058】ヘッドヒーター13は、円柱形状に形成さ
れ、インク収納部18下部でインクノズル12の並びに
沿った状態となるように、インク収納部18の先端から
後端に掛け渡されている。そして、このヘッドヒーター
13によって、各吐出口から吐出されるインクの各温度
が所定温度範囲内となるように、インクは加熱される。
このように、ヘッドヒーター13は、インク収納部18
下部でインクノズル12の並びに沿った状態であるた
め、各インクノズル12に流入する前のインクの各温度
がばらつくことなく加熱することができる。
【0059】ヘッド温度制御手段(ここでは制御部30
が相当する)は、図2に示すように、インターフェイス
31、CPU32、メモリ33等から構成され、メモリ
33中に書き込まれている制御プログラムや制御データ
に従いインターフェイス31に接続された各種機器を制
御するようになっている。なお、この実施の形態では、
ヘッド温度制御手段とメディア温度制御手段が共通の制
御装置(すなわち、制御部30)で構成されている。
【0060】インターフェイス31には、面ヒーター
(ヘッド温度調節手段)16と、ヘッドヒーター(ヘッ
ド温度調節手段)13と、ヘッド温度センサ(ヘッド温
度検出手段)19などが電気的に接続されている。
【0061】メモリ32には、インク供給における各種
データや、インクジェットプリンタの各部の動作に関す
る各種制御プログラムや制御データなどが書き込まれて
いる。インク供給における各種データとは、インクタン
クの交換時期の基準となるインクタンクのインク残量
と、面ヒーター16およびヘッドヒーター13の加熱を
行うか否かの基準となるインク温度と、面ヒーター16
およびヘッドヒーター13の加熱温度データなどであ
る。
【0062】面ヒーター16およびヘッドヒーター13
の加熱を行うか否かの基準となるインク温度は、ヘッド
内供給路11から吐出口15まで、面ヒーター16およ
びヘッドヒーター13による加熱が行われない状態でイ
ンクが供給された場合、つまりインクが冷めながら吐出
口15にまで至る場合であっても、吐出口15に至った
インクの温度が安定吐出可能な温度以上となるように設
定されている。面ヒーター16およびヘッドヒーター1
3の加熱温度データは、ヘッド内供給路11のインクを
安定吐出可能な所定温度範囲(インクの粘度が10mP
a・s以上50mPa・s以下となる温度範囲、好まし
くはインクの粘度が20mPa・s以上40mPa・s
以下となる温度範囲)内にまで加熱できる、面ヒーター
16およびヘッドヒーター13の加熱温度であり、この
加熱温度がヘッド温度センサ19で検出されるインク温
度に応じて設定されている。つまり、検出されたインク
温度が低ければ、インクになるたけ多くの熱量を与えな
ければならないので、加熱温度を高温に設定し、インク
温度が高ければ、インクに対してそれほど多くの熱量を
与える必要もないので、加熱温度は低温に設定されてい
る。
【0063】メモリ33は、印刷される画像データ等の
各種データを記憶する記憶領域とCPU32による作業
領域なども備えられている。
【0064】CPU32は、メモリ33に格納されてい
る各種プログラムの中から指定されたプログラムを、メ
モリ33内の作業領域に展開し、各センサからの入力信
号に応じて、プログラムに従った各種処理を実行する。
【0065】この制御部30は、インクジェットプリン
タの動作全体を制御するものであるが、ここでは、ま
ず、インクタンクから記録ヘッド21へとインク供給す
る際に行われる制御について説明する。
【0066】インクの供給が行われると、制御部30
は、ヘッド温度センサ19の検知結果に基づいて、イン
ク収納部18内のインク温度を検知する。そして、制御
部30は、この検知された温度に対応した加熱温度デー
タを選択し、その選択された加熱温度データに基づいて
面ヒーター16およびヘッドヒーター13の出力状態を
制御して、ヘッド内供給路11のインクが所定温度範囲
内(ヘッド目標設定温度)となるように加熱を行う。
【0067】次に、本発明に係るインクジェットプリン
タAにおいて、記録媒体Rが給紙されてから排紙される
までの動作を説明する。まず、ここでは、オペレータの
手動操作により、操作盤、キーボード等の入力手段53
に設定情報が打ち込まれる。この場合、設定情報は、形
態:ロール紙,材質:紙,厚み:0.01mm等の記録
媒体Rが有する性質に関する情報となっている。これに
より、入力手段53はインターフェース31を介して設
定情報を制御部30に入力する。この設定情報は制御部
30のメモリ33に記憶される。インクジェットプリン
タA内では、スピンドル(図示しない)にセットされた
記録媒体Rの先端が給紙ガイド(図示しない)に沿って
搬送ローラ1aまで誘導され、記録媒体R先端の位置合
わせが行われる。
【0068】位置合わせされた記録媒体Rは、搬送ロー
ラ1aにより印刷部2へ搬送される。この間、メディア
温度検出手段52としての温度センサ52aは、記録ヘ
ッド21により印刷が行われるべき記録媒体Rの温度を
検出する。温度センサ52aは、検出温度情報を、イン
ターフェース31を介して制御部30に入力する。この
検出温度情報は制御部30のメモリ33に記憶される。
そして、制御部30のCPU32は、メモリ33に記憶
された検出温度情報と、設定情報に対応する目標温度情
報とを読み出し、比較演算する。そして、CPU32
は、その演算結果に伴い記録媒体Rの温度の上昇又は下
降が必要であると判断した場合には、作動信号をメディ
ア温度調節手段51にインターフェース31を介して入
力する。すると、メディア温度調節手段51は作動す
る。この場合、ヒータ51aが作動してヒータ51aか
ら輻射熱が発生し、記録媒体Rを印刷面側から加熱す
る。また、当該演算結果に伴い記録媒体Rの温度の上昇
又は下降が不必要であると判断した場合には、CPU3
2は、作動信号をメディア温度調節手段51に入力しな
い。従って、メディア温度調節手段51としてのヒータ
51aは作動せず、記録媒体Rの加熱は行われない。こ
のようにして、メディア温度調節機構5は、メディア温
度検出手段52による検出温度情報に基づいて、記録ヘ
ッド21により印刷が行われる記録媒体Rの温度をメデ
ィア目標設定温度に制御している。
【0069】引き続き、メディア温度調節機構5により
温度が制御された状態で、記録媒体Rは、ガイド部材4
により非印刷面側が支持されるとともに搬送方向Fにガ
イドされる。なお、この記録媒体Rは、ガイド部材4に
より非印刷面側が支持されるが、上述したようにプラテ
ン4aによって吸引保持された状態となっている。
【0070】そして、非印刷面が支持されている記録媒
体Rの印刷面に、記録ヘッド21により印刷が行われ
る。詳しくは、記録媒体Rの非印刷面がプラテン4aに
より吸引保持された状態で、キャリッジ22の動作に付
随して記録ヘッド21が走査方向に移動しながら記録媒
体の印刷面にUVインクを吐出し、印刷が行われるので
ある。印刷が行われた後の記録媒体Rは、記録ヘッド2
1より搬送方向Fの下流側、すなわちUVランプ3の直
下へと搬送される。
【0071】引き続き、UVランプ3の直下に搬送され
た記録媒体R、言い換えればUVインクが付着した記録
媒体Rに、UVランプ3からUVが照射され、記録媒体
Rに付着したUVインクが硬化することになる。そし
て、以上の工程を経た記録媒体Rは、排紙ガイド(図示
しない)を通過して排紙されるのである。
【0072】なお、この実施の形態においては、ヘッド
温度調節機構のヘッド温度制御手段とメディア温度調節
機構のメディア温度制御手段が共通の制御装置で構成さ
れている。これにより、インクジェットプリンタの構成
要素が少なくて済むと共に、双方の制御を連動させて効
率的にヘッド内のUVインクの温度制御と、UV照射前
の記録媒体の温度制御を行うことができる。また、本実
施の形態では、目標設定温度を変更可能となっている
が、ここでは、前記ヘッド温度調節機構と前記メディア
温度調節機構が、一方の目標設定温度の変更に連動して
他方の目標設定温度を変更するようになっている。この
ため、外部環境やUVインクの種類、記録媒体の種類等
を総合的に判断した上で、各目標設定温度を適切な温度
に設定することができ、より確実かつ効率的に高品質な
印刷を行うことができる。例えば、入力手段53によっ
て紙の変更が入力されたときには、適切なメディア目標
設定温度を導出すると共に、それに応じたヘッド目標設
定温度も導出できるようになっている。
【0073】以上、本実施の形態に係るインクジェット
プリンタAによれば、ヘッド温度調節機構6によって、
記録ヘッド21内のUVインクの温度をヘッド目標設定
温度に制御できるため、一定の粘度に低粘度化したUV
インクを吐出することができる。また、メディア温度調
節機構5によって、記録媒体Rの温度をメディア目標設
定温度に制御できるため、記録媒体Rに着弾したUVイ
ンクを一定の粘度とすることができ、これにより、印刷
品質の向上を図ることができる。この場合、記録媒体R
の温度は常に一定した温度にされているので、この記録
媒体Rに付着したUVインクは低粘性の状態から高粘性
の状態になるまでの時間は、記録媒体Rの温度に起因し
て変化することはなくなる。従って、記録媒体R上での
UVインクの液滴径は常に安定したものとなる、すなわ
ち記録媒体RへのUVインクの付着性、滲み性が常に安
定する。これにより、環境の影響を受け印刷前の記録媒
体Rの温度が変化したとしても、記録媒体Rの温度変化
に起因して印刷品質が劣化することのない、高品質の印
刷を保持することができる。
【0074】また、本実施の形態に係るインクジェット
プリンタAでは、ヘッド温度制御手段30が、ヘッド温
度検出手段19の検出結果に基づいて、ヘッド温度調節
手段13,16を制御するので、記録ヘッド21内にあ
るUVインクの温度に対応させて、ヘッド温度調節手段
13,16の出力を変更することができる。これによ
り、記録ヘッド内のUVインクの温度をヘッド目標設定
温度により確実に制御することができ、高品質の印刷を
より確実に保持することができる。さらに、メディア温
度制御手段30が、メディア温度検出手段52の検出結
果に基づいて、メディア温度調節手段51を制御するの
で、温度調節前の記録媒体Rの温度に対応させて、メデ
ィア温度調節手段51の出力を変更することができる。
これにより、記録媒体Rの温度をメディア目標設定温度
により確実に制御することができ、高品質の印刷をより
確実に保持することができる。
【0075】次に、上述したメディア温度調節機構5の
変形例を図5〜図7を参照して説明する。なお、詳細に
は、図5〜図7に示す変形例において、図2に示すメデ
ィア温度調節手段51又はメディア温度検出手段52の
少なくとも一方が異なり、それ以外の構成要素は上記例
と同様である。従って、これら構成要素には上記例と同
様の符号を付し、詳細な説明は割愛する。
【0076】図5に示すように、温度調節手段51とし
てコンプレッサーを用いた冷却システムを適用する。こ
の冷却システムは、コンプレッサー51cと、冷却部5
1dと、これらコンプレッサー51c及び冷却部51d
を配管するホース51eとを備えている。この冷却シス
テムでは、コンプレッサー51cが冷媒を圧縮して液化
し、冷却部51dが液化した冷媒を気化することにより
記録媒体Rの冷却を行う。なお、メディア温度検出手段
52として、図1に示す温度センサ52aを冷却部51
dに固定している。従って、この場合、メディア温度検
出手段52としての温度センサ52aによる検出温度情
報に基づいて、このコンプレッサー51cを用いた冷却
システムを作動させ、記録ヘッド21により印刷が行わ
れる記録媒体Rを冷却し、この記録媒体Rの温度をメデ
ィア目標設定温度に制御している。
【0077】また、図6に示すように、メディア温度調
節手段51としてペルチェ素子を用いた冷却システムを
適用する。この冷却システムは、ペルチェ素子を内蔵し
たペルチェ素子内蔵ローラ51f、51gを備えてい
る。これらペルチェ素子内蔵ローラ51f、51gは、
記録媒体Rを間に介在させるように互いに隣接して配置
され、互いに逆回転駆動し記録媒体Rを挟持した状態で
搬送方向Fへ搬送する。これらペルチェ素子内蔵ローラ
51f、51gにおいて、内蔵されたペルチェ素子が作
動すると、挟持した記録媒体Rを印刷面及び非印刷面の
両面側から冷却できるようになっている。なお、ペルチ
ェ素子は吸熱と放熱を同時に行うので、この場合、例え
ば、これらペルチェ素子内蔵ローラ51f、51gを空
洞にし、この空洞となった部分にファン等によって送風
し、放熱する必要がある。また、メディア温度検出手段
52として熱電対センサ52bを適用する。熱電対セン
サ52bは、二つの異なる種類の金属を環状に連結し二
接点の温度差により発生する熱電量から記録媒体Rの温
度を検出する。従って、この場合、メディア温度検出手
段52としての熱電対センサ52bによる検出温度情報
に基づいて、このペルチェ素子を用いた冷却システムを
作動させ、記録ヘッド21により印刷が行われる記録媒
体Rを冷却し、この記録媒体Rの温度を目標設定温度に
制御している。
【0078】さらに、図7に示すように、メディア温度
調節手段51としてヒータ51h及び輻射ランプ51i
を用いた加熱システムを適用する。ヒータ51hは、ガ
イド部材4の背面側に配置されている。ヒータ51hが
作動すると、ガイド部材4(又はプラテン4a)を媒介
して、ガイド部材4(又はプラテン4a)により非印刷
面側が支持された記録媒体Rを、非印刷面側から加熱で
きるようになっている。なお、ガイド部材4(又はプラ
テン4a)は、熱伝導率の大きい材料で形成されている
ことが好ましく、記録媒体Rを加熱することを迅速かつ
効率的に媒介することのできる材料で形成されているこ
とが好ましい。輻射ランプ51iは、印刷部2のキャリ
ッジレール23に固定されているとともに、赤外線を輻
射するものである。輻射ランプ51iが作動すると、赤
外線を記録媒体Rの印刷面側に輻射し、印刷面側から記
録媒体Rを加熱できるようになっている。また、メディ
ア温度検出手段52として図4に示すものと同様の熱電
対センサ52bを適用する。従って、この場合、メディ
ア温度検出手段52としての熱電対センサ52bによる
検出温度情報に基づいて、これらヒータ51h及び輻射
ランプ51iを用いた加熱システムを作動させ、記録ヘ
ッド21により印刷が行われる記録媒体Rを加熱し、こ
の記録媒体Rの温度を目標設定温度に制御している。な
お、この場合、ヒータ51h及び輻射ランプ51iの一
方だけの加熱システムを設けるようにして、記録媒体R
の温度を制御してもよい。
【0079】以上、図5〜図7に示す変形例において
も、図1に示す上記例と同様の効果を奏する。また、図
1及び図5〜図7に示した例では、メディア温度調節機
構5により記録媒体Rの温度をメディア目標設定温度に
制御しているので、UV照射による記録媒体Rの温度が
高温化するのを抑えることができ、記録媒体Rが変質す
るのを防止することができる。また、この場合、UV照
射強度を従来よりも強くすることができ、これによりU
V照射時間を短縮でき、さらにUV照射時間の短縮に伴
い印刷工程時間の短縮につなげることもできる。なお、
図1及び図5〜図7に示した例では、記録ヘッド21よ
り搬送方向Fの上流側の位置又は記録ヘッド21に対向
する位置にメディア温度調節手段51を設けて、印刷が
行われる前又は印刷中の記録媒体Rの加熱又は冷却の少
なくとも一方を行っているが、メディア温度調節手段5
1を記録ヘッド21より搬送方向Fの下流側の位置(但
しUV照射手段よりは上流側)に設けて印刷が行われた
後の記録媒体Rの加熱又は冷却を行ってもよい。
【0080】なお、本実施の形態では、図1及び図5〜
図7に、種々のメディア温度調節手段51及びメディア
温度検出手段52を示して記録媒体Rを加熱又は冷却の
どちらか一方を行い、記録媒体Rの温度を制御する構成
を説明した。しかしながら、これらのメディア温度調節
手段51及びメディア温度検出手段52を種々に組み合
わせて、加熱又は冷却の両方を行い、記録媒体Rの温度
を制御してもよい。また、ここで、図7に示すヒータ5
1hのように、メディア温度調節手段51を記録媒体R
の非印刷面側に備え、かつ、記録媒体Rの非印刷面側か
ら記録媒体Rの加熱又は冷却の少なくとも一方を行うこ
とが好ましい。何故なら、記録媒体Rの印刷面側が温度
調節手段51による加熱及び/又は冷却の影響を直接受
けることはないので、印刷面の表面が変質し印刷品質に
影響するということはなく、これにより、印刷品質の劣
化を防止でき、高品質の印刷を保持することができるか
らである。また、図7に示すヒータ51hのように、ガ
イド部材4(又はプラテン4a)の背面側にメディア温
度調節手段51を設ける場合には、ガイド部材4(又は
プラテン4a)が熱伝導率の大きい材料で形成されてい
ることが好ましく、記録媒体Rを加熱又は冷却すること
を迅速かつ効率的に媒介することのできる材料で形成さ
れていることが好ましい。
【0081】また、本実施の形態のインクジェットプリ
ンタAによれば、面ヒーター16およびヘッドヒーター
13によって、記録ヘッド21のインクが加熱されるの
で、記録ヘッド21内に供給されたインクが、記録ヘッ
ド21の温度の影響で冷やされることを防止でき、記録
ヘッド21内においてもインクを安定吐出に必要なだけ
低粘度化することができる。したがって、安定吐出が保
たれ、明瞭な印刷を行うことが可能となる。また、万が
一、記録ヘッド21内のインクが冷やされ高粘度化して
しまったとしても、面ヒーター16およびヘッドヒータ
ー13により再びインクを加熱し低粘度化することがで
きる。
【0082】さらに、ヘッド温度制御手段(制御部3
0)が、ヘッド温度センサ19の検出結果に基づいて、
面ヒーター16およびヘッドヒーター13を制御するの
で、記録ヘッド21内にあるインクの温度に対応させ
て、面ヒーター16およびヘッドヒーター13の出力を
変更することができる。つまり、記録ヘッド21のイン
クの温度が、ヘッド目標設定温度以上(例えば、安定吐
出に必要なだけ低粘度化している温度)であれば、面ヒ
ーター16およびヘッドヒーター13の出力を弱め、ヘ
ッド目標設定温度以下であれば、出力を強めることが可
能となる。したがって、記録ヘッド21内で効率的にイ
ンクを加熱できる。
【0083】また、本実施の形態では、インク収納部1
8は、図3(a)に示すように、インクの流れ方向に沿
って細くなる側面視台形形状に形成されているため、イ
ンク収納部18の後端部と先端部とでは、インクの容量
が異なってしまう。このため、上記のように面ヒーター
16によってインク収納部18が覆われると、インク収
納部18の後端部と面ヒーター16とが隣接する面積は
大きくなるとともに、インク収納部18の先端部と面ヒ
ーター16とが隣接する面積は小さくなる。すなわち、
インク収納部18の場所毎に、面ヒーター16との接触
面積を異ならせることで、インクに与える熱量を場所毎
に変化させている。このため、インク収納部18の各場
所でインクの量にばらつきがあっても、インク収納部1
8内のインクの温度を一様に近づくように、加熱するこ
とができる。
【0084】また、インク収納部18に供給されたイン
クは、インク入口部17から離れるにつれ冷やされてし
まい、インク収納部18内部のインクに温度斑が生じる
おそれがある。この温度斑を防止するため、インク入口
部17から離れるにつれ、インクに与える単位体積あた
りの熱量を増加させなければならない。このため本実施
の形態では、インク入口部17から離れるにつれ単位体
積あたりの熱量を増加させるために、ヘッドヒーター1
3をインク収納部18の形状に対応させて円柱形状に形
成している。このような構成であるので、インク収納部
18の後端部にあるインクに与える単位体積あたりの熱
量よりも、インク収納部18の先端部にあるインクに与
える単位体積あたりの熱量の方が大きくなり、インク収
納部18内のインクの温度を一様に近づくように、加熱
することができる。このように面ヒーター16およびヘ
ッドヒーター13は、インク収納部18のインクの温度
が一様に近づくように、インク収納部18の形状に対応
して、その形状が決定されているので、インク収納部1
8の形状によって生じるインクの温度斑を防止すること
ができ、各吐出口から安定した吐出を行うことを可能と
している。
【0085】なお、本実施の形態では、インク収納部1
8の形状に対応して、ヘッド温度調節手段(面ヒーター
16およびヘッドヒーター20)の形状を決定している
が、インク収納部の形状に対応して、ヘッド温度調節手
段の温度分布を決定してもよい。すなわち、インク容量
が多い部分では、加熱温度を高め、インク容量の少ない
部分では、加熱温度を低くすることで、インク収納部1
8内のインク温度を一様に近づけることができる。
【0086】また、本実施の形態で用いられたUVイン
クの組成は、例えば、高粘度オリゴマーや低粘度オリゴ
マー等のオリゴマー(ポリエステルアクリレート、エポ
キシアクリレート、ウレタンアクリレートなどの樹脂)
と、モノマー類と、光重合開始剤と、顔料と、消泡剤
と、各種調整剤と、重合禁止剤などを含むものである。
以上のような組成の混合物であるUVインクは、そのガ
ラス転移点の近辺の温度変化で急激に粘性が変化し、ガ
ラス転移転移下の温度になれば急激に粘性が低下する。
したがって、加熱手段がUVインクのガラス転移点を超
えるように記録ヘッド3内のUVインクを加熱すること
が好ましい。
【0087】なお、今回開示された実施の形態は、すべ
ての点で例示であって制限的なものではないと考えられ
るべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて
特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等
の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが
意図される。
【0088】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、ヘッド内
インク加熱手段によって、記録ヘッド内のUVインクが
加熱されるので、記録ヘッド内に供給されたUVインク
が、記録ヘッドの温度の影響で冷やされることを防止で
き、記録ヘッド内においてもUVインクを安定吐出に必
要なだけ低粘度化することができる。したがって、安定
吐出が保たれ、明瞭な印刷を行うことが可能となる。ま
た、万が一、記録ヘッド内のUVインクが冷やされ高粘
度化してしまったとしても、ヘッド内インク加熱手段に
より再びUVインクを加熱し低粘度化することができ
る。さらに、記録媒体(メディア)を冷却するメディア
冷却手段を設けたことにより、記録媒体の搬送経路のい
ずれかの位置において、記録媒体自体を冷却することが
できる。すなわち、上述したように、加熱されたインク
が記録媒体に射出されて付着した場合やプリンタが外部
環境の影響を受けて記録媒体の温度が上昇した場合にお
いても、記録媒体自体の温度が上昇するのを抑えること
ができる。この場合、加熱により低粘性となったインク
はメディア冷却手段の影響により記録媒体の印刷面に射
出された際に熱を奪われ迅速に高粘性化されるので、こ
のインクが記録媒体上で又は記録媒体内に滲みにくくな
る。これにより、このインクの記録媒体への付着性が安
定し、印刷品質の向上を図ることができる。また、上記
構成では、メディア冷却手段により記録媒体が冷却され
るので、例えばプリンタの外部環境の影響を受けて記録
媒体自体の温度が様々な状態で印刷されるのではなく、
ある程度安定した温度環境で印刷が行われることにな
る。これにより、例えば長時間印刷を行いたい場合に
も、プリンタ内部の余熱によって記録媒体自体の温度が
上昇するのを抑えることができ、従って記録媒体上で又
は記録媒体内へのインクの滲みを軽減し、長時間にわた
る印刷であっても、印刷品質を劣化させることなく高品
質の印刷を安定して確保することができる。
【0089】請求項2記載の発明によれば、ヘッド温度
調節機構によって、記録ヘッド内のUVインクの温度を
ヘッド目標設定温度に制御できるため、一定の粘度に低
粘度化したUVインクを吐出することができる。また、
メディア温度調節機構によって、記録媒体の温度をメデ
ィア目標設定温度に制御できるため、記録媒体に着弾し
たUVインクを一定の粘度とすることができ、これによ
り、印刷品質の向上を図ることができる。さらに、メデ
ィア温度調節機構により記録媒体の温度をメディア目標
設定温度に制御しているので、UV照射による記録媒体
の温度が高温化するのを抑えることができ、記録媒体が
変質するのを防止することができる。また、この場合、
UV照射強度を従来よりも強くすることができ、これに
よりUV照射時間を短縮でき、さらにUV照射時間の短
縮に伴い印刷工程時間の短縮につなげることもできる。
【0090】請求項3記載の発明によれば、ヘッド温度
制御手段が、ヘッド温度検出手段の検出結果に基づい
て、ヘッド温度調節手段を制御するので、記録ヘッド内
にあるUVインクの温度に対応させて、ヘッド温度調節
手段の出力を変更することができる。つまり、記録ヘッ
ド内のUVインクの温度が、ヘッド目標設定温度以上
(例えば、安定吐出に必要なだけ低粘度化している温
度)であれば、ヘッド温度調節手段の出力を弱め、ヘッ
ド目標設定温度以下であれば、出力を強めることが可能
となる。したがって、記録ヘッド内で効率的にUVイン
クを加熱できる。
【0091】請求項4記載の発明によれば、メディア温
度制御手段が、メディア温度検出手段の検出結果に基づ
いて、メディア温度調節手段を制御するので、温度調節
前の記録媒体の温度に対応させて、メディア温度調節手
段の出力を変更することができる。つまり、記録媒体の
温度が、メディア目標設定温度付近(例えば、着弾した
UVインクが所定時間で高粘度化する温度)であれば、
メディア温度調節手段の出力を弱め、メディア目標設定
温度付近でなければ、出力を強めることが可能となる。
したがって、効率的に記録媒体の温度制御ができる。
【0092】請求項5記載の発明によれば、請求項3及
び4の効果を奏すると共に、前記ヘッド温度制御手段と
前記メディア温度制御手段が、共通の制御装置で構成さ
れているため、インクジェットプリンタの構成要素が少
なくて済むと共に、双方の制御を連動させて効率的にヘ
ッド内のUVインクの温度制御と、UV照射前の記録媒
体の温度制御を行うことができる。
【0093】請求項6記載の発明によれば、前記ヘッド
温度調節機構がヘッド目標設定温度を変更可能となって
おり、外気温などの外部環境の違いや、UVインクの種
類等に応じて、最適なヘッド目標設定温度を設定するこ
とができる。
【0094】請求項7記載の発明によれば、前記メディ
ア温度調節機構がメディア目標設定温度を変更可能とな
っており、外気温などの外部環境の違いや、紙の違いな
ど記録媒体の種類等に応じて、最適なメディア目標設定
温度を設定することができる。
【0095】請求項8記載の発明によれば、請求項6及
び7の効果を奏すると共に、前記ヘッド温度調節機構と
前記メディア温度調節機構が、一方の目標設定温度の変
更に連動して他方の目標設定温度を変更するようになっ
ているため、外部環境やUVインクの種類、記録媒体の
種類等を総合的に判断した上で、各目標設定温度を適切
な温度に設定することができ、より確実かつ効率的に高
品質な印刷を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るインクジェットプリンタの
印刷部分を示す要部断面図である。
【図2】図1のインクジェットプリンタに備わる制御部
の主要制御ブロック図である。
【図3】図1のインクジェットプリンタに備わる記録ヘ
ッドを表す斜視図である。
【図4】図3の記録ヘッドの断面図であり、(a)は図
3のD面に沿った断面図、(b)は図3のE面に沿った
断面図である。
【図5】前記印刷部分の変形例を示す要部断面図であ
る。
【図6】前記印刷部分の変形例を示す要部断面図であ
る。
【図7】前記印刷部分の変形例を示す要部断面図であ
る。
【符号の説明】
A インクジェットプリンタ F 搬送方向 R 記録媒体 1a、1b 搬送ローラ(搬送手段) 3 UVランプ(UV照射手段) 4 ガイド部材 5 メディア温度調節機構 6 ヘッド温度調節機構 11 ヘッド内供給路(供給路) 13 ヘッドヒーター(ヘッド温度調節手段) 15 吐出口 16 面ヒーター(ヘッド温度調節手段) 17 インク入口部 18 インク収納部 19 ヘッド温度センサ(ヘッド温度検出手段) 30 制御部(ヘッド温度制御手段、メディア温度制
御手段) 21 記録ヘッド 51 メディア温度調節手段 51a ヒータ(メディア温度調節手段の一部) 51b リフレクタ(メディア温度調節手段の一部) 51c コンプレッサー(メディア温度調節手段の一
部) 51d 冷却部(メディア温度調節手段の一部) 51e ホース(メディア温度調節手段の一部) 51f、51g ペルチェ素子内蔵ローラ(メディア温
度調節手段の一部) 51h ヒータ(メディア温度調節手段の一部) 51i 輻射ランプ(メディア温度調節手段の一部) 52 メディア温度検出手段 52a 温度センサ(メディア温度検出手段) 52b 熱電対センサ(メディア温度検出手段)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インクを吐出する記録ヘッドと、 記録媒体を搬送する搬送手段とを有し、 紫外線が照射されることにより硬化するUVインクを、
    前記記録ヘッドから、前記搬送手段に搬送される記録媒
    体の印刷面に吐出し印刷を行うインクジェットプリンタ
    であって、 前記記録ヘッド内のUVインクの加熱を行うヘッド内イ
    ンク加熱手段と、 前記記録ヘッドから吐出されたUVインクが着弾して印
    刷が行われる記録媒体の冷却を行うメディア冷却手段
    と、 を備えることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 【請求項2】インクを吐出する記録ヘッドと、 記録媒体を搬送する搬送手段とを有し、 紫外線が照射されることにより硬化するUVインクを、
    前記記録ヘッドから、前記搬送手段に搬送される記録媒
    体の印刷面に吐出し印刷を行うインクジェットプリンタ
    であって、 前記記録ヘッド内のUVインクの温度をヘッド目標設定
    温度に制御するヘッド温度調節機構と、 前記記録ヘッドから吐出されたUVインクが着弾して印
    刷が行われる記録媒体の温度をメディア目標設定温度に
    制御するメディア温度調節機構と、 を備えることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  3. 【請求項3】請求項2記載のインクジェットプリンタに
    おいて、 前記ヘッド温度調節機構は、 前記記録ヘッド内のUVインクの温度を検出するヘッド
    温度検出手段と、 前記記録ヘッド内のUVインクの加熱を行うヘッド温度
    調節手段と、 前記ヘッド温度検出手段の検出結果に基づいて、前記ヘ
    ッド温度調節手段を制御するヘッド温度制御手段と、 を備えることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  4. 【請求項4】請求項2又は3記載のインクジェットプリ
    ンタにおいて、 前記メディア温度調節機構は、 記録媒体の温度を検出するメディア温度検出手段と、 記録媒体の加熱又は冷却の少なくとも一方を行うメディ
    ア温度調節手段と、 前記メディア温度検出手段の検出結果に基づいて、前記
    メディア温度調節手段を制御するメディア温度制御手段
    と、 を備えることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  5. 【請求項5】請求項2記載のインクジェットプリンタに
    おいて、 前記ヘッド温度調節機構は、 前記記録ヘッド内のUVインクの温度を検出するヘッド
    温度検出手段と、 前記記録ヘッド内のUVインクの加熱を行うヘッド温度
    調節手段と、 前記ヘッド温度検出手段の検出結果に基づいて、前記ヘ
    ッド温度調節手段を制御するヘッド温度制御手段と、を
    備え、 前記メディア温度調節機構は、 記録媒体の温度を検出するメディア温度検出手段と、 記録媒体の加熱又は冷却の少なくとも一方を行うメディ
    ア温度調節手段と、 前記メディア温度検出手段の検出結果に基づいて、前記
    メディア温度調節手段を制御するメディア温度制御手段
    と、を備え、 前記ヘッド温度制御手段と前記メディア温度制御手段
    は、共通の制御装置で構成されていることを特徴とする
    インクジェットプリンタ。
  6. 【請求項6】請求項2〜5のいずれかひとつに記載のイ
    ンクジェットプリンタにおいて、 前記ヘッド温度調節機構は、前記ヘッド目標設定温度を
    変更可能となっていることを特徴とするインクジェット
    プリンタ。
  7. 【請求項7】請求項2〜6のいずれかひとつに記載のイ
    ンクジェットプリンタにおいて、 前記メディア温度調節機構は、前記メディア目標設定温
    度を変更可能となっていることを特徴とするインクジェ
    ットプリンタ。
  8. 【請求項8】請求項2〜5のいずれかひとつに記載のイ
    ンクジェットプリンタにおいて、 前記ヘッド温度調節機構は、前記ヘッド目標設定温度を
    変更可能となっており、 前記メディア温度調節機構は、前記メディア目標設定温
    度を変更可能となっており、 前記ヘッド温度調節機構と前記メディア温度調節機構
    は、一方の目標設定温度の変更に連動して他方の目標設
    定温度を変更するようになっていることを特徴とするイ
    ンクジェットプリンタ。
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