JP2003145552A - ベルト加硫装置及び未加硫ベルト成形体 - Google Patents

ベルト加硫装置及び未加硫ベルト成形体

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JP2003145552A
JP2003145552A JP2001346635A JP2001346635A JP2003145552A JP 2003145552 A JP2003145552 A JP 2003145552A JP 2001346635 A JP2001346635 A JP 2001346635A JP 2001346635 A JP2001346635 A JP 2001346635A JP 2003145552 A JP2003145552 A JP 2003145552A
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貴 濱田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加硫処理時における未加硫ベルト成形体の脱
気不足に起因した上述のポーラス不良や、心線とゴムの
接着不良による製品不良の発生を回避する。 【解決手段】 内側ゴム5aと外側ゴム5cとの間に心
線材5bを挟んだダブルリブド型の未加硫ベルト成形体
5であって、これに内嵌されるモールド2内部に加熱蒸
気を、かつ、外嵌されるジャケット6の外周側に加圧蒸
気を夫々供給自在な加硫装置K用に用いられるものにお
いて、心線材5bと外側ゴム5cとの間における上下両
端部に、上下に短く、かつ、未加硫ベルト成形体5に一
周巻き付けられる長さの不織布20を、未加硫ベルト成
形体5よりも若干軸方向に突出させ状態でリング状に介
装する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴムベルトの加硫
装置及びそれに用いられる未加硫ベルト成形体に係り、
詳しくは、加硫処理時の脱気不良が無く、品質の優れた
ゴムベルトを作成できるようにする技術に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来における未加硫ゴムベルトの加硫装
置、並びにそれに用いられる未加硫ベルト成形体の概略
は次のようである。即ち、図7に示すように、ベルト加
硫装置Aは、後述の未加硫ゴムベルト成形体5が外装さ
れた筒状のモールド2を立設するための支持用組立台1
と、筒状のモールド2の上側を覆って閉じるために、該
筒状モールド2上に載置されるフランジ3と、フランジ
3の上側に装備される上蓋4と、支持用組立台1上にお
いて、モールド2に外装された未加硫ベルト成形体5に
外装される筒状でゴム製のジャケット6と、これらを密
閉状に内装する加硫缶7とから構成されている。
【0003】そして、加硫缶7内に高圧蒸気を通すため
の上部の導入口8と、下部の排出口9とが加硫缶7に装
備されるとともに、モールド2内に低圧蒸気を通すため
の導入パイプ10と排出パイプ11とが装備された底部
材12をモールド2の下方における支持用組立台1の下
面側に配置してある。図示しない高圧蒸気供給源からの
高圧蒸気を、導入口8と排出口9とを用いて加硫缶7に
供給するとともに、図示しない低圧蒸気供給源からの低
圧蒸気を、導入パイプ10と排出パイプ11とを用いて
モールド2内に供給自在に構成されている。
【0004】未加硫ベルト成形体5は、成形金型である
モールド2の外周面上にインナーベルトスリーブ5a、
補強材である心線材5b、及びアウターベルトスリーブ
5cの各ゴムベルト構成材を順次巻付けて積層すること
で形成される。加硫工程では、モールド2を有した未加
硫ベルト成形体5の外周に、ゴム材等の可撓性を有した
材料によるジャケット6を外挿し、その状態で加硫缶7
に投入する。即ち、モールド2、未加硫ベルト成形体
5、及びジャケット6とが一体となったモールド組立体
を、その一端に装備されるフランジ3が上方となる姿勢
で、支持用組立台1に取付けられている導入円板13に
被せるようにして加硫装置Aに立設配備する。
【0005】しかる後に、上蓋4を閉じることでフラン
ジ3と支持用組立台1とモールド2とジャケット6とよ
って囲って押し付けて挟持することにより、未加硫ベル
ト成形体5に加硫缶7内の蒸気が直接に接触しないよう
密閉される。しかして、ジャケット6の外側には高圧蒸
気を、かつ、モールド2内部には低圧蒸気を夫々圧入し
ての加圧加熱により、ジャケット6によって締め付けな
がら未加硫ベルト成形体5を加硫処理する加硫工程が行
なわれる。このような技術としては、例えば、特開平7
−314453号公に示されたものが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の加硫装置による
加硫方法は、未加硫ベルト成形体の内外に作用する蒸気
圧の差によって加圧しながら加熱することで加硫処理さ
せるものである。しかしながらこの方法では、未加硫ベ
ルト成形体に内在する空気及びこの未加硫ベルト成形体
とこの外周面に嵌挿したゴムジャケット間の隙間に存在
する空気、更には加硫中にゴムから発生するガス成分が
加硫中に抜けきれず閉じ込められることがある。
【0007】つまり、ジャケットの外側に圧入された高
圧蒸気により、ジャケットの上下両端部が首を締められ
たような状態になり、両端面の外径が縮んで内在する空
気やガス成分が閉じ込められてしまい、その結果、内部
に気泡を持った不良ベルトが発生する不都合を招く。
叉、ジャケットがモールド側に押される際に、ジャケッ
トとモールドと上蓋と支持用組立台との間が略密閉状態
になり、空気等が十分に抜けきれないことによっても、
前述の不都合を招き易い。特に、ベルト内部の心線回り
に気泡が集中して、ポーラス不良や心線とゴムの接着不
良が生じる問題がある。
【0008】本発明の目的は、加硫処理時における未加
硫ベルト成形体の脱気不足に起因した上述のポーラス不
良や、心線とゴムの接着不良による製品不良の発生を回
避して、製品としてのベルトの品質向上やそれによる原
価低減を図る点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の構成は、筒状
のモールド外周面に巻回された未加硫ベルトスリーブ
に、筒状のジャケットを嵌装して成るモールド組立体
を、これが載置される支持台と上蓋との間に設置した状
態で、前記ジャケットの外周側に加熱加圧流体を、か
つ、前記モールドの内部に加熱流体を夫々供給自在に構
成してあるベルト加硫装置であって、前記モールド組立
体と前記支持台、叉は前記モールド組立体と前記上蓋と
で囲まれる部分に少なくとも一端が連通し、かつ、他端
が大気に連通する流体経路を設けてあることを特徴とす
るものである。
【0010】請求項1の構成によれば次のような作用が
得られる。即ち、支持台と上蓋との上下間にモールド組
立体を介在させた状態で加硫処理する装置では、ジャケ
ットは、その外周側に供給された加熱加圧流体によって
内径側に強制縮小変形され、それによって未加硫ベルト
成形体を径方向に加圧するようになっている。この場
合、ジャケットの上下端の夫々と支持台及び上蓋との間
を密閉するシール構造が採られているので、これらジャ
ケット、支持台、上蓋、及びモールドとの間、即ち、未
加硫ベルト成形体の存在する筒状空間部分は略密閉状態
になっている。
【0011】そのため、ジャケットの縮径変形に伴って
筒状空間部分の容積が減少するべく、内部の空気やガス
成分が前記筒状空間部の外部に逃げることが必要になる
が、モールド組立体と支持台、叉はモールド組立体と上
蓋とで囲まれる部分に少なくとも一端が連通し、かつ、
他端が大気に連通する流体経路を設けてあるので、筒状
空間部分の空気やガス成分は流体経路を通って容易に大
気中に逃げることができ、未加硫ベルト成形体の加圧処
理を、抜け切れない空気やガス成分がベルト部分等に残
留してしまうことが無い、又は少なくなる状態に円滑で
十分に機能させることができ、内部に気泡を持った不良
ベルトの発生を回避することができる。
【0012】請求項2の構成は、請求項1の構成におい
て、前記上蓋の下方側に、前記モールドの上端解放部を
覆うフランジを前記モールドよりも大径のものとして装
備するとともに、前記フランジの外周部に、該フランジ
の外周から中心側に向けて前記モールドの内側空間には
連通しない程度の切り込み量で、かつ、前記モールドの
軸方向には貫通する流通溝を形成してあることを特徴と
するものである。
【0013】請求項2の構成によれば、筒状のモールド
上端の解放部を覆うために装備されるフランジを、モー
ルドより大径で、かつ、外周部に、フランジの外周から
中心側に向けてモールドの内側空間には連通しない程度
の切り込み量で、かつ、モールドの軸方向には貫通する
流通溝が形成される状態で設けてあるから、加硫処理に
伴うジャケットの縮径変形、つまりは前述したように、
ジャケットの上下端部がよりきつく締まる首締め現象に
よってジャケットがフランジ外周に密着したとしても、
流通溝によって前述の筒状空間部はその内外が連通され
る状態が維持できるようになる。
【0014】それによって、流体経路による筒状空間部
分の内外連通状態を維持することができ、空気やガス成
分を無理なく筒状空間部の外に逃がすことができるの
で、加硫処理時における未加硫ベルト成形体の加圧機能
を支障無く良好に、かつ、確実に行えることに寄与でき
るようになる。
【0015】請求項3の構成は、インナーベルトスリー
ブと、アウターベルトスリーブと、これら両ベルトスリ
ーブ間に介装される心線材とを同心円状に積層して成る
とともに、前記インナーベルトスリーブの内周側に配置
される筒状のモールドと、前記アウターベルトスリーブ
の外周側に配置される筒状のジャケットとを備えた状態
で、前記ジャケットの外周側に加熱加圧流体を、かつ、
前記モールドの内部に加熱流体を夫々供給することで加
硫処理自在な加硫装置に用いられる無端ベルトの未加硫
ベルト成形体であって、前記心線材と前記インナーベル
トスリーブとの間、叉は前記心線材と前記アウターベル
トスリーブとの間におけるベルトスリーブ軸方向の一端
に、通気性を有した脱気部材を、そのベルトスリーブ軸
方向で外側の端が、未加硫ベルト成形体としてのベルト
スリーブ軸方向端よりも外方に寄った位置となる状態で
介装してあることを特徴とするものである。
【0016】請求項3の構成によれば、心線材とインナ
ーベルトスリーブとの間、叉は心線材とアウターベルト
スリーブとの間におけるベルトスリーブ軸方向の一端
に、通気性を有した脱気部材を、ベルトスリーブ軸方向
で外側の端が、未加硫ベルト成形体としてのベルトスリ
ーブ軸方向端よりも外方に寄った位置となる状態で未加
硫ベルト成形体に介装してあるから、加硫処理時にジャ
ケットの縮径変形によってベルト成形体の上下端部がき
つく締めつけられる首締め現象が生じても、インナーベ
ルトスリーブとアウターベルトスリーブとの径方向間に
存在する脱気部材により、心線材部分とベルト成形体外
部との連通状態が維持されるようになる。
【0017】従って、未加硫ベルト成形体に内在する空
気や、ベルト内部の心線回りに気泡が集中して残存する
ことを解消可能となり、内部に気泡を持った不良ベルト
が生じる問題や、ポーラス不良、或いは心線材とゴムの
接着不良が生じる等の、加硫処理に伴う種々の問題を回
避することができるようになる。
【0018】請求項4の構成は、請求項3の構成におい
て、脱気部材が織布叉は不織布であり、少なくとも未加
硫ベルト成形体の一周に亘って巻回させて装備してある
ことを特徴とするものである。
【0019】請求項4の構成によれば、筒状に形成され
たインナーベルトスリーブに心線材を巻回装備させる工
程時、或いは、巻回装備された心線材にアウターベルト
スリーブを筒状に積層する工程時に、所定長さの織布叉
は不織布を一緒に巻き付けることで未加硫ベルト成形体
として一体に装備させることが可能であるとともに、そ
の組付け状態を、以後の加硫処理終了まで良好に維持す
ることができる。
【0020】又、脱気部材が布であるから、円筒状の成
形が小さな操作力でもって無理なく容易に行えるととも
に、未加硫ベルト成形体としての一周分巻付けることに
より、360度の全周から空気やガス成分を素早く良好
に抜き出すことができ、迅速で軽快な加硫処理の実現に
寄与できるようになる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1に未加硫ゴムベルト成形体5
がセットされた状態の加硫装置Kが、図2に加硫装置K
に使用される未加硫ゴムベルト成形体5が夫々示されて
いる。これら加硫装置K及び未加硫ゴムベルト成形体5
は、前述した図7に示す従来のものと同じものには同じ
符号を付してあり、従ってその同一部分の説明は基本的
には割愛するものとする。
【0022】この加硫装置Kは、主としてダブルVリブ
ドゴムベルトDV(図6参照)を加硫処理の対象とする
ものであり、筒状のモールド2の外周面に巻回された未
加硫ゴムベルト成形体(未加硫ベルトスリーブの一例)
5に、筒状のゴムジャケット6を嵌装して成るモールド
組立体Mを載置する支持用組立台(支持台の一例)1
と、モールド組立体Mに載置される上蓋4とを加硫缶7
内に装備するとともに、ジャケット6の外周側に高圧蒸
気(加熱加圧流体の一例)を供給自在な第1熱源機構N
1と、モールド2の内部空間に低圧蒸気を供給自在な第
2熱源機構N2とを設けて構成されている。
【0023】尚、参考として、完成品としてのダブルV
リブドゴムベルトDVは、図6に示すように、インナー
Vゴムベルト5aとアウターVゴムベルト5cとの間
に、両側に接着ゴム層を介装した状態で心線材5bを配
した断面構造であり、各Vゴムベルトには、歯付き形状
に形成されることが多い。
【0024】支持用組立台1は、円筒状の加硫缶7の下
部内側に固定された受台14の上面に載置して取付けら
れた上面が水平な円形の板状体で構成されており、その
中心部には、モールド2に丁度内嵌される導入円板13
が固定されるとともに、中心の下方側には筒状の底部材
12が取付けられている。加硫缶7は、下端中央に高圧
蒸気の排出口9が形成された本体缶部7Aと、この本体
缶部7Aの上端部に螺着手段等によって着脱自在であ
り、装着時には密閉できる蓋缶部7Bとから構成されて
いる。
【0025】第1熱源機構N1は、高圧蒸気の発生駆動
部15と、発生駆動部15からの高圧高温の蒸気を加硫
缶7内に供給すべく本体缶部7Aの上端部における側面
に設けられた導入口8と、前述の排出口9とから構成さ
れており、ゴムジャケット6を縮径方向に押圧する機能
を発揮するものである。
【0026】第2熱源機構N2は、高温低圧蒸気の発生
駆動部16と、発生駆動部16からの低圧高温の蒸気を
モールド2内に供給すべく底部材12に装備された導入
パイプ10と、排出パイプ11とから構成されており、
加硫処理するに必要な熱をモールド2を介して未加硫ゴ
ムベルト成形体5に供給する機能を発揮する。
【0027】図3に示すように、モールド組立体Mの蓋
となる上蓋4とモールド2との上下間において、モール
ド2の上端解放部を覆う蓋となるフランジ3は、モール
ド2よりも大径で、インナーベルトスリーブ5aの最大
径と同程度の径に形成されるとともに、フランジ3の外
周部に、該フランジ3の外周から中心側に向けてモール
ド2の内側空間には連通しない程度の切り込み量で、か
つ、モールド2の軸方向には貫通する流通溝17を多数
形成してある。多数の流通溝17は、平面視においてフ
ランジ3の中心から放射状で均等角度毎に規則正しく配
置してある。
【0028】この構成により、フランジ3がインナーベ
ルトスリーブ5aの上端に位置することにより、未加硫
ベルト成形体5の上方への移動止めが行えるようにしな
がら、加硫処理時において、後述の上側連通管19によ
る空気やガス成分の良好な排出作用を維持できるように
してある。
【0029】図1に示すように、モールド組立体Mと支
持用組立台1、詳しくは、モールド2と未加硫ゴムベル
ト成形体5とジャケット6と支持用組立台1とで囲まれ
た部分に一端が連通し、かつ、他端が大気連通した下側
連通管(流体経路の一例)18と、モールド組立体Mと
上蓋4、詳しくは、モールド2と未加硫ゴムベルト成形
体5とジャケット6と上蓋4とで囲まれる部分に一端が
連通し、かつ、他端が大気に連通する上側連通管(流体
経路の一例)19とを設けてある。
【0030】上側連通管19は、上蓋4と蓋缶部7Bの
天井面部とを貫通して加硫缶7の外部に配策されてお
り、下側連通管18は、支持用組立台1と本体缶部7A
の底面部とを貫通して加硫缶7の外部に配策されてい
る。
【0031】ここで、未加硫ゴムベルト成形体5につい
て説明する。図2に、フランジ3付きのモールド2に嵌
装された状態の未加硫ゴムベルト成形体5が示されてい
る。未加硫ゴムベルト成形体5は、ゴム材によるインナ
ーベルトスリーブ5aと、ゴム材によるアウターベルト
スリーブ5cと、これら両ベルトスリーブ5a,5c間
に介装される心線材5bとを同心円状に積層して構成さ
れている。心線材5bは、ポリエステル繊維、アラミド
繊維、ガラス繊維等を素材とする高強度で低伸度のコー
ドが用いられる。
【0032】心線材5bとアウターベルトスリーブ5c
との間における上端部(ベルトスリーブ軸方向の一端の
一例)及び下端部(ベルトスリーブ軸方向の一端の一
例)に、通気性を有した脱気部材20を、そのベルトス
リーブ軸方向で外側の端が、未加硫ベルト成形体5とし
てのベルトスリーブ軸方向端よりも外方に寄った位置と
なる状態で介装してある。尚、インナーとアウターの各
ベルトスリーブ5a,5cは互いに同じ幅寸法(ベルト
スリーブ軸方向寸法)に形成され、心線材5bは上下い
ずれにも若干内方に退入した幅狭な寸法に設定されてい
る。
【0033】即ち、通気性を有した脱気部材20として
は、幅25mm程度で、かつ、心線材5bに丁度1周巻
回される状態の不織布が選択されており、アウターベル
トスリーブ5cの上下端よりも夫々5mm程度上及び下
に突出する状態の位置に設けられている。これら上下一
対の不織布20,20は、モールドの外周に未加硫ベル
ト成形体5を順次巻回形成する途中、即ち、心線材5b
にアウターベルトスリーブ5cを巻回する直前に、前述
した所定の箇所に配置しておくことにより、未加硫ベル
ト成形体5に一体状に形成することができる。
【0034】次に、上記の加硫装置K及びダブルVリブ
ド型の度未加硫ゴムベルト成形体5を用いて加硫処理す
る加硫工程について説明する。先ず、図1に示すよう
に、フランジ3付きモールド2を有した未加硫ゴムベル
ト成形体5に、ジャケット6を嵌装してモールド組立体
Mを作成し、そのモールド組立体Mを、モールド2が導
入円板13に外嵌する状態で支持用組立台1に立設状態
で載置する。
【0035】次いで、フランジ3及びジャケット6夫々
の上端に接する状態に上蓋4を被せて載置し、その後
に、第1及び第2熱源機構N1,N2を駆動させ、モー
ルド2内に高温低圧蒸気を、かつ、加硫缶7内に高温高
圧の蒸気を夫々供給する。すると、ゴム製のジャケット
6がその外周側から押圧され、強制的に縮径する方向に
圧縮され、アウターベルトスリーブ5cを内径方向に強
烈に押圧しながら未加硫ゴムベルト成形体を加熱して加
硫処理する。
【0036】このとき、図4に示すように、ジャケット
6の上下端部がより縮径される首締め現象が生じても、
支持用組立台1におけるモールド2の外径よりも僅かに
大径側に寄った箇所に配置された下側連通管18と、ジ
ャケット6上端部が外周部に密着されたフランジ3の流
通溝17を介した上側連通管19とによって、ジャケッ
ト6がモールド2側に押される際に、ジャケット6とモ
ールド2と上蓋4と支持用組立台1との略密閉状態の空
間部分に生じる余剰空気やガス成分或いは、心線回りの
空気を、迅速に逃がして抜くことができる。
【0037】その結果、内部に気泡を持った不良ベルト
が生じることや、未加硫ベルト成形体の脱気不足に起因
した上述のポーラス不良、並びに心線とゴムの接着不良
による製品不良の発生等の不都合を回避することがで
き、製品としての良好なベルトを作成することができる
のである。
【0038】参考として、図5に、従来のベルトと本発
明の加硫装置及び未加硫ベルト成形体を用いたベルトと
の夫々における心線材とゴム(インナー及びアウターの
各ゴムベルト)との接着力を表す棒グラフを示してあ
る。この棒グラフより、心線材とゴムとの接着力が、本
発明によるベルトは従来のベルトに比べて倍以上の強度
に向上されているのが理解できる。
【0039】〔別実施形態〕脱気部材20を未加硫ベル
ト成形体5の上端部又は下端部の一方にのみ装備すると
か、連通管18,19を、支持用組立台1又は上蓋4の
一方にのみ装備するといった構造でも良い。加硫対象の
ベルトは、ローエッジベルト、歯付きベルト、Vベルト
等種々のものが可能であり、それらの加硫されていない
状態を総称して「未加硫ベルトスリーブ」と言うものと
する。
【0040】請求項3の構成は、所謂ダブルVリブドゴ
ムベルトについて規定したものであるが、心線材の内側
にのみゴムベルト部を有したVベルト等の一般的なゴム
ベルトにも、心線材とベルトスリーブとの間に脱気部材
20を介装することは可能である。
【0041】即ち、「ベルトスリーブと心線材とを同心
円状に積層して成る未加硫ベルト成形体であって、前記
心線材と前記ベルトスリーブとの間におけるベルトスリ
ーブ軸方向の一端に、通気性を有した脱気部材を、その
ベルトスリーブ軸方向で外側の端が、未加硫ベルト成形
体としてのベルトスリーブ軸方向端よりも外方に寄った
位置となる状態で介装してある未加硫ベルト成形体」と
定義することができる。
【0042】前記構成による作用効果は、請求項3の構
成による作用効果と同等であり、脱気部材によって心線
材部分とベルト成形体外部との連通状態が維持されるよ
うになり、ポーラス不良、或いは心線材とゴムの接着不
良等の問題の無い良好なベルト作成が可能となるもので
ある。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
に記載のベルト加硫装置では、モールド組立体と支持
台、叉はモールド組立体と上蓋とで囲まれる部分に大気
連通する流体経路を設けたことにより、ジャケットの上
下両端部に首締め現象が生じても、未加硫ベルト成形体
に内在する空気及びこの未加硫ベルト成形体とジャケッ
ト間の隙間に存在する空気、又は加硫中にゴムから発生
するガス成分が加硫中に抜けきれず閉じ込められること
が抑制又は解消され、内部に気泡を持った不良ベルトの
発生が回避されて、良好なベルトを作成できるようにな
った。
【0044】請求項2に記載のベルト加硫装置では、フ
ランジの外周部に形成された流通溝によって、流体経路
による筒状空間部分の内外連通状態を維持することがで
き、既存の構成部材を用いる合理的手段としながら、請
求項1の構成による前記効果をより確実に奏することが
できる利点がある。
【0045】請求項3に記載の未加硫ベルト成形体で
は、加硫処理時におけるジャケットの縮径変形による首
締め現象が生じても、脱気部材によって心線材部分とベ
ルト成形体外部との連通状態が維持されるようになり、
ポーラス不良、或いは心線材とゴムの接着不良等の問題
の無い良好なベルトの提供に貢献することができた。
【0046】請求項4に記載の未加硫ベルト成形体で
は、織布又は不織布を一周巻付け装備することで脱気部
材とする工夫により、迅速で軽快な加硫処理を経済的に
実現させるにことができる状態としながら、請求項3の
構成による前記効果を奏することができるものにでき
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】未加硫ベルト成形体が装備された状態の加硫装
置を示す断面図
【図2】モールドを有した未加硫ベルト成形体を示す断
面図
【図3】フランジの形状を示す平面図
【図4】加硫処理時のジャケットによる首締め現象を示
す作用図
【図5】心線材とゴムとの接着力を表す棒グラフを示す
【図6】ダブルVリブドゴムベルトの構造を示す断面図
【図7】従来の加硫装置を示す断面図
【符号の説明】
1 支持台 2 モールド 3 フランジ 4 上蓋 5 未加硫ベルト成形体 5a インナーベルトスリーブ 5b 心線材 5c アウターベルトスリーブ 6 ジャケット 17 流通溝 18,19 流体経路 20 脱気部材 M モールド組立体
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年12月18日(2002.12.
18)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】未加硫ベルト成形体5は、成形金型である
モールド2の外周面上にインナーベルトスリーブ5a、
補強材である心線材5b、及びアウターベルトスリーブ
5cの各ゴムベルト構成材を順次巻付けて積層すること
で形成される。加硫工程では、モールド2を有した未加
硫ベルト成形体5の外周に、ゴム材等の可撓性を有した
材料によるジャケット6を外挿し、その状態で加硫缶7
に投入する。即ち、モールド2、未加硫ベルト成形体
5、及びジャケット6とが一体となったモールド組立体
を、その一端に装備されるフランジ3が上方となる姿勢
で、支持用組立台1に取付けられている導入13に被
せるようにして加硫装置Aに立設配備する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】支持用組立台1は、円筒状の加硫缶7の下
部内側に固定された受台14の上面に載置して取付けら
れた上面が水平な円形の板状体で構成されており、その
中心部には、モールド2に丁度内嵌される導入13が
固定されるとともに、中心の下方側には筒状の底部材1
2が取付けられている。加硫缶7は、下端中央に高圧蒸
気の排出口9が形成された本体缶部7Aと、この本体缶
部7Aの上端部に螺着手段等によって着脱自在であり、
装着時には密閉できる蓋缶部7Bとから構成されてい
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】次に、上記の加硫装置K及びダブルVリブ
ド型の未加硫ゴムベルト成形体5を用いて加硫処理する
加硫工程について説明する。先ず、図1に示すように、
フランジ3付きモールド2を有した未加硫ゴムベルト成
形体5に、ジャケット6を嵌装してモールド組立体Mを
作成し、そのモールド組立体Mを、モールド2が導入
13に外嵌する状態で支持用組立台1に立設状態で載置
する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 21:00 B29K 21:00 105:08 105:08 105:24 105:24 B29L 29:00 B29L 29:00 Fターム(参考) 4F202 AA45 AH12 AK01 CA30 CB01 CD27 CN14 CP01 4F203 AA45 AG03 AH12 AK01 AM32 DA11 DB01 DC02 DD01 DL14 DM02 DM04 DM07 4F213 AA45 AD15 AG17 AJ08 AK01 WA03 WA34 WA39 WA53 WA87 WA89 WB01 WB11 WC03 WE06 WE09 WE16 WE21 WF05 WF06 WK03 WW06 WW15 WW21 WW31

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状のモールド外周面に巻回された未加
    硫ベルトスリーブに、筒状のジャケットを嵌装して成る
    モールド組立体を、これが載置される支持台と上蓋との
    間に設置した状態で、前記ジャケットの外周側に加熱加
    圧流体を、かつ、前記モールドの内部に加熱流体を夫々
    供給自在に構成してあるベルト加硫装置であって、 前記モールド組立体と前記支持台、叉は前記モールド組
    立体と前記上蓋とで囲まれる部分に少なくとも一端が連
    通し、かつ、他端が大気に連通する流体経路を設けてあ
    るベルト加硫装置。
  2. 【請求項2】 前記上蓋の下方側に、前記モールドの上
    端解放部を覆うフランジを前記モールドよりも大径のも
    のとして装備するとともに、前記フランジの外周部に、
    該フランジの外周から中心側に向けて前記モールドの内
    側空間には連通しない程度の切り込み量で、かつ、前記
    モールドの軸方向には貫通する流通溝を形成してある請
    求項1に記載のベルト加硫装置。
  3. 【請求項3】 インナーベルトスリーブと、アウターベ
    ルトスリーブと、これら両ベルトスリーブ間に介装され
    る心線材とを同心円状に積層して成るとともに、 前記インナーベルトスリーブの内周側に配置される筒状
    のモールドと、前記アウターベルトスリーブの外周側に
    配置される筒状のジャケットとを備えた状態で、前記ジ
    ャケットの外周側に加熱加圧流体を、かつ、前記モール
    ドの内部に加熱流体を夫々供給することで加硫処理自在
    な加硫装置に用いられる無端ベルトの未加硫ベルト成形
    体であって、 前記心線材と前記インナーベルトスリーブとの間、叉は
    前記心線材と前記アウターベルトスリーブとの間におけ
    るベルトスリーブ軸方向の一端に、通気性を有した脱気
    部材を、そのベルトスリーブ軸方向で外側の端が、未加
    硫ベルト成形体としてのベルトスリーブ軸方向端よりも
    外方に寄った位置となる状態で介装してある未加硫ベル
    ト成形体。
  4. 【請求項4】 前記脱気部材が織布叉は不織布であり、
    少なくとも一周に亘って巻回させて装備してある請求項
    3に記載の未加硫ベルト成形体。
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