JP3930487B2 - ゴムベルト加硫方法及び未加硫ベルト成形体 - Google Patents
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Description
本発明は、ゴムベルトの加硫方法及びそれに用いられる未加硫ベルト成形体に係り、詳しくは、加硫処理時の脱気不良が無く、品質の優れたゴムベルトを作成できるようにする技術に関するものである。
従来における未加硫ゴムベルトの加硫装置、並びにそれに用いられる未加硫ベルト成形体の概略は次のようである。即ち、図7に示すように、ベルト加硫装置Aは、後述の未加硫ゴムベルト成形体5が外装された筒状のモールド2を立設するための支持用組立台1と、筒状のモールド2の上側を覆って閉じるために、該筒状モールド2上に載置されるフランジ3と、フランジ3の上側に装備される上蓋4と、支持用組立台1上において、モールド2に外装された未加硫ベルト成形体5に外装される筒状でゴム製のジャケット6と、これらを密閉状に内装する加硫缶7とから構成されている。
そして、加硫缶7内に高圧蒸気を通すための上部の導入口8と、下部の排出口9とが加硫缶7に装備されるとともに、モールド2内に低圧蒸気を通すための導入パイプ10と排出パイプ11とが装備された底部材12をモールド2の下方における支持用組立台1の下面側に配置してある。図示しない高圧蒸気供給源からの高圧蒸気を、導入口8と排出口9とを用いて加硫缶7に供給するとともに、図示しない低圧蒸気供給源からの低圧蒸気を、導入パイプ10と排出パイプ11とを用いてモールド2内に供給自在に構成されている。
未加硫ベルト成形体5は、成形金型であるモールド2の外周面上にインナーベルトスリーブ5a、補強材である心線材5b、及びアウターベルトスリーブ5cの各ゴムベルト構成材を順次巻付けて積層することで形成される。加硫工程では、モールド2を有した未加硫ベルト成形体5の外周に、ゴム材等の可撓性を有した材料によるジャケット6を外挿し、その状態で加硫缶7に投入する。即ち、モールド2、未加硫ベルト成形体5、及びジャケット6とが一体となったモールド組立体を、その一端に装備されるフランジ3が上方となる姿勢で、支持用組立台1に取付けられている導入部13に被せるようにして加硫装置Aに立設配備する。
しかる後に、上蓋4を閉じることでフランジ3と支持用組立台1とモールド2とジャケット6とよって囲って押し付けて挟持することにより、未加硫ベルト成形体5に加硫缶7内の蒸気が直接に接触しないよう密閉される。しかして、ジャケット6の外側には高圧蒸気を、かつ、モールド2内部には低圧蒸気を夫々圧入しての加圧加熱により、ジャケット6によって締め付けながら未加硫ベルト成形体5を加硫処理する加硫工程が行なわれる。このような技術としては、例えば、特開平7−314453号公に示されたものが知られている。
特開平7−314453号公報
従来の加硫装置による加硫方法は、未加硫ベルト成形体の内外に作用する蒸気圧の差によって加圧しながら加熱することで加硫処理させるものである。しかしながらこの方法では、未加硫ベルト成形体に内在する空気及びこの未加硫ベルト成形体とこの外周面に嵌挿したゴムジャケット間の隙間に存在する空気、更には加硫中にゴムから発生するガス成分が加硫中に抜けきれず閉じ込められることがある。
つまり、ジャケットの外側に圧入された高圧蒸気により、ジャケットの上下両端部が首を締められたような状態になり、両端面の外径が縮んで内在する空気やガス成分が閉じ込められてしまい、その結果、内部に気泡を持った不良ベルトが発生する不都合を招く。叉、ジャケットがモールド側に押される際に、ジャケットとモールドと上蓋と支持用組立台との間が略密閉状態になり、空気等が十分に抜けきれないことによっても、前述の不都合を招き易い。特に、ベルト内部の心線回りに気泡が集中して、ポーラス不良や心線とゴムの接着不良が生じる問題がある。
本発明は上記問題を鑑みなされたものであって、その目的とするところは、加硫処理時における未加硫ベルト成形体の脱気不足に起因した上述のポーラス不良や、心線とゴムの接着不良による製品不良の発生を回避して、製品としてのベルトの品質向上やそれによる原価低減を図る点にある。
本発明の未加硫ベルトスリーブは、インナーベルトスリーブと、アウターベルトスリーブと、これら両ベルトスリーブ間に介装される心線材とを同心円状に積層して成るとともに、前記インナーベルトスリーブの内周側に配置される筒状のモールドと、前記アウターベルトスリーブの外周側に配置される筒状のジャケットとを備えた状態で、前記ジャケットの外周側に加熱加圧流体を、かつ、前記モールドの内部に加熱流体を夫々供給することで加硫処理自在な加硫装置に用いられる無端ベルトの未加硫ベルト成形体であって、前記心線材と前記インナーベルトスリーブとの間、叉は前記心線材と前記アウターベルトスリーブとの間におけるベルトスリーブ軸方向の一端に、通気性を有した脱気部材を、そのベルトスリーブ軸方向で外側の端が、未加硫ベルト成形体としてのベルトスリーブ軸方向端よりも外方に寄った位置となる状態で介装してあることを特徴とするものである。
この構成によれば、心線材とインナーベルトスリーブとの間、叉は心線材とアウターベルトスリーブとの間におけるベルトスリーブ軸方向の一端に、通気性を有した脱気部材を、ベルトスリーブ軸方向で外側の端が、未加硫ベルト成形体としてのベルトスリーブ軸方向端よりも外方に寄った位置となる状態で未加硫ベルト成形体に介装してあるから、加硫処理時にジャケットの縮径変形によってベルト成形体の上下端部がきつく締めつけられる首締め現象が生じても、インナーベルトスリーブとアウターベルトスリーブとの径方向間に存在する脱気部材により、心線材部分とベルト成形体外部との連通状態が維持されるようになる。
従って、未加硫ベルト成形体に内在する空気や、ベルト内部の心線回りに気泡が集中して残存することを解消可能となり、内部に気泡を持った不良ベルトが生じる問題や、ポーラス不良、或いは心線材とゴムの接着不良が生じる等の、加硫処理に伴う種々の問題を回避することができるようになる。
すなわち、加硫処理時におけるジャケットの縮径変形による首締め現象が生じても、脱気部材によって心線材部分とベルト成形体外部との連通状態が維持されるようになり、ポーラス不良、或いは心線材とゴムの接着不良等の問題の無い良好なベルトの提供に貢献することができる。
すなわち、加硫処理時におけるジャケットの縮径変形による首締め現象が生じても、脱気部材によって心線材部分とベルト成形体外部との連通状態が維持されるようになり、ポーラス不良、或いは心線材とゴムの接着不良等の問題の無い良好なベルトの提供に貢献することができる。
また、前記脱気部材が織布叉は不織布であり、少なくとも未加硫ベルト成形体の一周に亘って巻回させて装備してあることが好ましい。
この好ましい構成によれば、筒状に形成されたインナーベルトスリーブに心線材を巻回装備させる工程時、或いは、巻回装備された心線材にアウターベルトスリーブを筒状に積層する工程時に、所定長さの織布叉は不織布を一緒に巻き付けることで未加硫ベルト成形体として一体に装備させることが可能であるとともに、その組付け状態を、以後の加硫処理終了まで良好に維持することができる。
又、脱気部材が布であるから、円筒状の成形が小さな操作力でもって無理なく容易に行えるとともに、未加硫ベルト成形体としての一周分巻付けることにより、360度の全周から空気やガス成分を素早く良好に抜き出すことができ、迅速で軽快な加硫処理の実現に寄与できるようになる。
又、脱気部材が布であるから、円筒状の成形が小さな操作力でもって無理なく容易に行えるとともに、未加硫ベルト成形体としての一周分巻付けることにより、360度の全周から空気やガス成分を素早く良好に抜き出すことができ、迅速で軽快な加硫処理の実現に寄与できるようになる。
本発明のゴムベルト加硫方法は、インナーベルトスリーブと、アウターベルトスリーブと、これら両ベルトスリーブ間に介装される心線材とを同心円状に積層して未加硫ベルト成形体を形成し、前記インナーベルトスリーブの内周側に配置される筒状のモールドと、前記アウターベルトスリーブの外周側に配置される筒状のジャケットとを備えた状態で、前記ジャケットの外周側に加熱加圧流体を供給してジャケット外周側から押圧し、かつ、前記モールドの内部に加熱流体を夫々供給することで前記未加硫ベルト成形体を加硫処理するゴムベルト加硫方法において、前記心線材と前記インナーベルトスリーブとの間、叉は前記心線材と前記アウターベルトスリーブとの間におけるベルトスリーブ軸方向の一端に、通気性を有した脱気部材を、そのベルトスリーブ軸方向で外側の端が、ベルトスリーブ軸方向端よりも外方に寄った位置となる状態で介装し、前記ジャケットを介しての前記加硫処理時に、前記脱気部材を介することよって前記心線材と前記ベルト成形体外部との連通状態を維持するようにしたことを特徴とするものである。
本発明の他のゴムベルト加硫方法は、ベルトスリーブと心線材とを同心円状に積層して未加硫ベルト成形体を形成し、前記ベルトスリーブの内周側に配置される筒状のモールドと、前記ベルトスリーブの外周側に配置される筒状のジャケットとを備えた状態で、前記ジャケットの外周側に加熱加圧流体を供給してジャケット外周側から押圧し、かつ、前記モールドの内部に加熱流体を夫々供給することで前記未加硫ベルト成形体を加硫処理するゴムベルト加硫方法において、前記心線材と前記ベルトスリーブとの間におけるベルトスリーブ軸方向の一端に、通気性を有した脱気部材を、そのベルトスリーブ軸方向で外側の端が、未加硫ベルト成形体としてのベルトスリーブ軸方向端よりも外方に寄った位置となる状態で介装し、前記ジャケットを介しての前記加硫処理時に、前記脱気部材を介することよって前記心線材と前記ベルト成形体外部との連通状態を維持するようにしたことを特徴とするものである。
これらのゴムベルト加硫方法によると、加硫処理時におけるジャケットの縮径変形による首締め現象が生じても、脱気部材によって心線材部分とベルト成形体外部との連通状態が維持されるようになり、ポーラス不良、或いは心線材とゴムの接着不良等の問題の無い良好なベルトの提供に貢献することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に未加硫ゴムベルト成形体5がセットされた状態の加硫装置Kが、図2に加硫装置Kに使用される未加硫ゴムベルト成形体5が夫々示されている。これら加硫装置K及び未加硫ゴムベルト成形体5は、前述した図7に示す従来のものと同じものには同じ符号を付してあり、従ってその同一部分の説明は基本的には割愛するものとする。
この加硫装置Kは、主としてダブルVリブドゴムベルトDV(図6参照)を加硫処理の対象とするものであり、筒状のモールド2の外周面に巻回された未加硫ゴムベルト成形体(未加硫ベルトスリーブの一例)5に、筒状のゴムジャケット6を嵌装して成るモールド組立体Mを載置する支持用組立台(支持台の一例)1と、モールド組立体Mに載置される上蓋4とを加硫缶7内に装備するとともに、ジャケット6の外周側に高圧蒸気(加熱加圧流体の一例)を供給自在な第1熱源機構N1と、モールド2の内部空間に低圧蒸気を供給自在な第2熱源機構N2とを設けて構成されている。
尚、参考として、完成品としてのダブルVリブドゴムベルトDVは、図6に示すように、インナーVゴムベルト5aとアウターVゴムベルト5cとの間に、両側に接着ゴム層を介装した状態で心線材5bを配した断面構造であり、各Vゴムベルトには、歯付き形状に形成されることが多い。
支持用組立台1は、円筒状の加硫缶7の下部内側に固定された受台14の上面に載置して取付けられた上面が水平な円形の板状体で構成されており、その中心部には、モールド2に丁度内嵌される導入部13が固定されるとともに、中心の下方側には筒状の底部材12が取付けられている。加硫缶7は、下端中央に高圧蒸気の排出口9が形成された本体缶部7Aと、この本体缶部7Aの上端部に螺着手段等によって着脱自在であり、装着時には密閉できる蓋缶部7Bとから構成されている。
第1熱源機構N1は、高圧蒸気の発生駆動部15と、発生駆動部15からの高圧高温の蒸気を加硫缶7内に供給すべく本体缶部7Aの上端部における側面に設けられた導入口8と、前述の排出口9とから構成されており、ゴムジャケット6を縮径方向に押圧する機能を発揮するものである。
第2熱源機構N2は、高温低圧蒸気の発生駆動部16と、発生駆動部16からの低圧高温の蒸気をモールド2内に供給すべく底部材12に装備された導入パイプ10と、排出パイプ11とから構成されており、加硫処理するに必要な熱をモールド2を介して未加硫ゴムベルト成形体5に供給する機能を発揮する。
図3に示すように、モールド組立体Mの蓋となる上蓋4とモールド2との上下間において、モールド2の上端解放部を覆う蓋となるフランジ3は、モールド2よりも大径で、インナーベルトスリーブ5aの最大径と同程度の径に形成されるとともに、フランジ3の外周部に、該フランジ3の外周から中心側に向けてモールド2の内側空間には連通しない程度の切り込み量で、かつ、モールド2の軸方向には貫通する流通溝17を多数形成してある。多数の流通溝17は、平面視においてフランジ3の中心から放射状で均等角度毎に規則正しく配置してある。
この構成により、フランジ3がインナーベルトスリーブ5aの上端に位置することにより、未加硫ベルト成形体5の上方への移動止めが行えるようにしながら、加硫処理時において、後述の上側連通管19による空気やガス成分の良好な排出作用を維持できるようにしてある。
図1に示すように、モールド組立体Mと支持用組立台1、詳しくは、モールド2と未加硫ゴムベルト成形体5とジャケット6と支持用組立台1とで囲まれた部分に一端が連通し、かつ、他端が大気連通した下側連通管(流体経路の一例)18と、モールド組立体Mと上蓋4、詳しくは、モールド2と未加硫ゴムベルト成形体5とジャケット6と上蓋4とで囲まれる部分に一端が連通し、かつ、他端が大気に連通する上側連通管(流体経路の一例)19とを設けてある。
上側連通管19は、上蓋4と蓋缶部7Bの天井面部とを貫通して加硫缶7の外部に配策されており、下側連通管18は、支持用組立台1と本体缶部7Aの底面部とを貫通して加硫缶7の外部に配策されている。
ここで、未加硫ゴムベルト成形体5について説明する。図2に、フランジ3付きのモールド2に嵌装された状態の未加硫ゴムベルト成形体5が示されている。未加硫ゴムベルト成形体5は、ゴム材によるインナーベルトスリーブ5aと、ゴム材によるアウターベルトスリーブ5cと、これら両ベルトスリーブ5a,5c間に介装される心線材5bとを同心円状に積層して構成されている。心線材5bは、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等を素材とする高強度で低伸度のコードが用いられる。
心線材5bとアウターベルトスリーブ5cとの間における上端部(ベルトスリーブ軸方向の一端の一例)及び下端部(ベルトスリーブ軸方向の一端の一例)に、通気性を有した脱気部材20を、そのベルトスリーブ軸方向で外側の端が、未加硫ベルト成形体5としてのベルトスリーブ軸方向端よりも外方に寄った位置となる状態で介装してある。尚、インナーとアウターの各ベルトスリーブ5a,5cは互いに同じ幅寸法(ベルトスリーブ軸方向寸法)に形成され、心線材5bは上下いずれにも若干内方に退入した幅狭な寸法に設定されている。
即ち、通気性を有した脱気部材20としては、幅25mm程度で、かつ、心線材5bに丁度1周巻回される状態の不織布が選択されており、アウターベルトスリーブ5cの上下端よりも夫々5mm程度上及び下に突出する状態の位置に設けられている。これら上下一対の不織布20,20は、モールドの外周に未加硫ベルト成形体5を順次巻回形成する途中、即ち、心線材5bにアウターベルトスリーブ5cを巻回する直前に、前述した所定の箇所に配置しておくことにより、未加硫ベルト成形体5に一体状に形成することができる。
次に、上記の加硫装置K及びダブルVリブド型の未加硫ゴムベルト成形体5を用いて加硫処理する加硫工程について説明する。先ず、図1に示すように、フランジ3付きモールド2を有した未加硫ゴムベルト成形体5に、ジャケット6を嵌装してモールド組立体Mを作成し、そのモールド組立体Mを、モールド2が導入部13に外嵌する状態で支持用組立台1に立設状態で載置する。
次いで、フランジ3及びジャケット6夫々の上端に接する状態に上蓋4を被せて載置し、その後に、第1及び第2熱源機構N1,N2を駆動させ、モールド2内に高温低圧蒸気を、かつ、加硫缶7内に高温高圧の蒸気を夫々供給する。すると、ゴム製のジャケット6がその外周側から押圧され、強制的に縮径する方向に圧縮され、アウターベルトスリーブ5cを内径方向に強烈に押圧しながら未加硫ゴムベルト成形体を加熱して加硫処理する。
このとき、図4に示すように、ジャケット6の上下端部がより縮径される首締め現象が生じても、支持用組立台1におけるモールド2の外径よりも僅かに大径側に寄った箇所に配置された下側連通管18と、ジャケット6上端部が外周部に密着されたフランジ3の流通溝17を介した上側連通管19とによって、ジャケット6がモールド2側に押される際に、ジャケット6とモールド2と上蓋4と支持用組立台1との略密閉状態の空間部分に生じる余剰空気やガス成分或いは、心線回りの空気を、迅速に逃がして抜くことができる。
その結果、内部に気泡を持った不良ベルトが生じることや、未加硫ベルト成形体の脱気不足に起因した上述のポーラス不良、並びに心線とゴムの接着不良による製品不良の発生等の不都合を回避することができ、製品としての良好なベルトを作成することができるのである。
参考として、図5に、従来のベルトと本発明の加硫装置及び未加硫ベルト成形体を用いたベルトとの夫々における心線材とゴム(インナー及びアウターの各ゴムベルト)との接着力を表す棒グラフを示してある。この棒グラフより、心線材とゴムとの接着力が、本発明によるベルトは従来のベルトに比べて倍以上の強度に向上されているのが理解できる。
〔別実施形態〕脱気部材20を未加硫ベルト成形体5の上端部又は下端部の一方にのみ装備するとか、連通管18,19を、支持用組立台1又は上蓋4の一方にのみ装備するといった構造でも良い。加硫対象のベルトは、ローエッジベルト、歯付きベルト、Vベルト等種々のものが可能であり、それらの加硫されていない状態を総称して「未加硫ベルトスリーブ」と言うものとする。
所謂ダブルVリブドゴムベルトについて規定したものであるが、心線材の内側にのみゴムベルト部を有したVベルト等の一般的なゴムベルトにも、心線材とベルトスリーブとの間に脱気部材20を介装することは可能である。
即ち、「ベルトスリーブと心線材とを同心円状に積層して成る未加硫ベルト成形体であって、前記心線材と前記ベルトスリーブとの間におけるベルトスリーブ軸方向の一端に、通気性を有した脱気部材を、そのベルトスリーブ軸方向で外側の端が、未加硫ベルト成形体としてのベルトスリーブ軸方向端よりも外方に寄った位置となる状態で介装してある未加硫ベルト成形体」と定義することができる。
前記構成による作用効果は、脱気部材によって心線材部分とベルト成形体外部との連通状態が維持されるようになり、ポーラス不良、或いは心線材とゴムの接着不良等の問題の無い良好なベルト作成が可能となるものである。
1 支持台
2 モールド
3 フランジ
4 上蓋
5 未加硫ベルト成形体
5a インナーベルトスリーブ
5b 心線材
5c アウターベルトスリーブ
6 ジャケット
17 流通溝
18,19 流体経路
20 脱気部材
M モールド組立体
2 モールド
3 フランジ
4 上蓋
5 未加硫ベルト成形体
5a インナーベルトスリーブ
5b 心線材
5c アウターベルトスリーブ
6 ジャケット
17 流通溝
18,19 流体経路
20 脱気部材
M モールド組立体
Claims (4)
- インナーベルトスリーブと、アウターベルトスリーブと、これら両ベルトスリーブ間に介装される心線材とを同心円状に積層して成るとともに、前記インナーベルトスリーブの内周側に配置される筒状のモールドと、前記アウターベルトスリーブの外周側に配置される筒状のジャケットとを備えた状態で、前記ジャケットの外周側に加熱加圧流体を、かつ、前記モールドの内部に加熱流体を夫々供給することで加硫処理自在な加硫装置に用いられる無端ベルトの未加硫ベルト成形体であって、前記心線材と前記インナーベルトスリーブとの間、叉は前記心線材と前記アウターベルトスリーブとの間におけるベルトスリーブ軸方向の一端に、通気性を有した脱気部材を、そのベルトスリーブ軸方向で外側の端が、未加硫ベルト成形体としてのベルトスリーブ軸方向端よりも外方に寄った位置となる状態で介装してある未加硫ベルト成形体。
- 前記脱気部材が織布叉は不織布であり、少なくとも一周に亘って巻回させて装備してある請求項1に記載の未加硫ベルト成形体。
- インナーベルトスリーブと、アウターベルトスリーブと、これら両ベルトスリーブ間に介装される心線材とを同心円状に積層して未加硫ベルト成形体を形成し、
前記インナーベルトスリーブの内周側に配置される筒状のモールドと、前記アウターベルトスリーブの外周側に配置される筒状のジャケットとを備えた状態で、前記ジャケットの外周側に加熱加圧流体を供給してジャケット外周側から押圧し、かつ、前記モールドの内部に加熱流体を夫々供給することで前記未加硫ベルト成形体を加硫処理するゴムベルト加硫方法において、
前記心線材と前記インナーベルトスリーブとの間、叉は前記心線材と前記アウターベルトスリーブとの間におけるベルトスリーブ軸方向の一端に、通気性を有した脱気部材を、そのベルトスリーブ軸方向で外側の端が、ベルトスリーブ軸方向端よりも外方に寄った位置となる状態で介装し、
前記ジャケットを介しての前記加硫処理時に、前記脱気部材を介することよって前記心線材と前記ベルト成形体外部との連通状態を維持するようにしたことを特徴とするゴムベルト加硫方法。 - ベルトスリーブと心線材とを同心円状に積層して未加硫ベルト成形体を形成し、前記ベルトスリーブの内周側に配置される筒状のモールドと、前記ベルトスリーブの外周側に配置される筒状のジャケットとを備えた状態で、前記ジャケットの外周側に加熱加圧流体を供給してジャケット外周側から押圧し、かつ、前記モールドの内部に加熱流体を夫々供給することで前記未加硫ベルト成形体を加硫処理するゴムベルト加硫方法において、
前記心線材と前記ベルトスリーブとの間におけるベルトスリーブ軸方向の一端に、通気性を有した脱気部材を、そのベルトスリーブ軸方向で外側の端が、未加硫ベルト成形体としてのベルトスリーブ軸方向端よりも外方に寄った位置となる状態で介装し、
前記ジャケットを介しての前記加硫処理時に、前記脱気部材を介することよって前記心線材と前記ベルト成形体外部との連通状態を維持するようにしたことを特徴とするゴムベルト加硫方法。
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