JP3406109B2 - タイヤ加硫機及びタイヤ加硫方法 - Google Patents

タイヤ加硫機及びタイヤ加硫方法

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JP3406109B2
JP3406109B2 JP4096995A JP4096995A JP3406109B2 JP 3406109 B2 JP3406109 B2 JP 3406109B2 JP 4096995 A JP4096995 A JP 4096995A JP 4096995 A JP4096995 A JP 4096995A JP 3406109 B2 JP3406109 B2 JP 3406109B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タイヤ加硫機及びタイ
ヤ加硫方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、タイヤ加硫機においては、一対
の分割金型内にタイヤを装着し、両金型を密閉した状態
でタイヤの内腔にブラダを進入させるとともに、そのブ
ラダ内にスチーム等の熱圧媒体を供給することにより、
ブラダがタイヤの内面全体に密着されて、同ブラダを介
してタイヤの加硫が行われる。
【0003】ところで、従来のタイヤ加硫機では、一対
の分割金型が、上下に分割された上金型と下金型とによ
り構成され、上金型が下金型に対して昇降可能に設けら
れている。そして、上金型を上昇させて下金型から離間
させた状態で、昇降機構によりタイヤを水平状態で昇降
させて、下金型に対するタイヤの装着或いは取り出しを
行うようにしている。即ち、従来のタイヤ加硫機は、分
割金型に対するタイヤの着脱を縦方向に行ういわゆる縦
型のものが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来の
縦型加硫機は、上金型やタイヤが縦方向に昇降されるの
で、その加硫機が全体として高いものになり、タイヤの
取扱等の操作性が悪くなる。そのため、この縦型加硫機
を工場等に設置する場合には、工場等の床面に穴を掘っ
て、その穴内に加硫機の下半部を設置することにより、
加硫機の設置高さを低くするようにしているのが現状で
ある。従って、このような縦型加硫機では、その設置に
要する手間やコストが増大して、設備費が嵩むという問
題があった。
【0005】このような問題を解消するために、一対の
分割金型を、左右に分割された左金型と右金型とにより
構成し、それら両金型に対してタイヤを直立状態で装着
するようにしたいわゆる横型加硫機が提案されている。
そして、この横型加硫機においては、一方の金型やタイ
ヤが横方向に移動されるので、加硫機を全体として低い
ものとすることができて、その設置に要する手間やコス
トを低減することができ、前述の縦型加硫機と比較し
て、設備費を1/4〜1/5に抑えることができるので
ある。
【0006】ところで、タイヤ加硫時には、ブラダ内外
の温度差等に起因して、ブラダ内に供給されたスチーム
がドレン化してブラダ内に溜まるが、従来より、このド
レンの存在がタイヤ加硫に際して重大な問題となってい
る。即ち、ブラダ内にドレンが溜まると、そのドレンが
溜まった部位においては、それ以外の部位と比較してタ
イヤの加熱温度が低くなり、タイヤ全体が均一に加熱さ
れなくなる。その結果、タイヤをその全体に亘って均一
に加硫することができなくなり、タイヤの品質が低下す
るという問題が生じる。又、ドレンの存在によって加熱
温度が低くなるタイヤの部位でも、充分に加硫が行われ
るようにするためには、その加熱温度が低い部位を基準
として加硫時間を設定する必要が生じる。このため、加
硫に要する時間が長くなって、タイヤの加硫を能率良く
行うことができなくなるとともに、加硫機の稼働時間の
増大に伴って、その加硫機を稼働させるための電力や燃
料等のエネルギーの消費量が多くなるという問題も発生
する。
【0007】ここで、タイヤが直立状態で装着される横
型加硫機においては、ドレンがタイヤの下側トレッド部
の狭い範囲に集中的に溜まる。このため、横型加硫機で
は、ドレンが水平状態で装着されたタイヤの下側サイド
ウォール部の広い範囲に亘って分散されて溜まる縦型加
硫機に比べ、ドレンの存在がタイヤ加硫に与える悪影響
が非常に大きなものとなってしまうという問題が生じ
る。
【0008】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたものであって、その目的は、縦型加硫機と比較して
設備費を大幅に抑えることができる横型加硫機におい
て、金型内に直立状態で装着されたタイヤの下側トレッ
ド部にドレンが溜まっても、タイヤ全体を均一に加熱す
ることが可能なタイヤ加硫機及びタイヤ加硫方法を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載のタイヤ加硫機の発明では、金型
内に直立状態で装着されたタイヤの内部に熱圧媒体を供
給して加硫を行うタイヤ加硫機において、前記金型をタ
イヤの周方向に回転させる回転機構を設けたものであ
る。
【0010】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載のタイヤ加硫機において、前記金型を支持フレームに
回転可能に支持し、前記回転機構は、支持フレームに取
り付けられたモータと、そのモータの回転を金型に伝達
するための回転伝達機構とを含むものである。
【0011】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
2に記載のタイヤ加硫機において、前記金型は5〜50
rpmの回転速度で回転され、1回転毎にその回転方向
が反転されるものである。
【0012】請求項4に記載の発明では、請求項1又は
2に記載のタイヤ加硫機において、前記金型は500〜
1500rpmの回転速度で一方向に回転されるもので
ある。
【0013】請求項5に記載の発明では、請求項1〜4
の何れかに記載のタイヤ加硫機において、前記金型内の
タイヤに振動を付与する振動付与手段を設けたものであ
る。請求項6に記載の発明では、請求項1〜5の何れか
に記載のタイヤ加硫機において、タイヤの一対のビード
部を金型に対して位置ずれしないように挟持する挟持手
段を設けたものである。
【0014】請求項7に記載のタイヤ加硫方法の発明で
は、金型内に直立状態で装着されたタイヤの内部に熱圧
媒体を供給して加硫を行うタイヤ加硫方法において、前
記熱圧媒体の供給時、前記金型を回転させ、回転に伴い
タイヤ内部に溜まるドレンとそのドレンが溜まるタイヤ
内部の部位との位置関係を変移させるようにしたもので
ある。
【0015】
【作用】従って、請求項1、請求項2及び請求項7の発
明によれば、タイヤ内部に熱圧媒体が供給されて加硫が
行われると、タイヤ内部にドレンが生じて、そのドレン
が直立状態のタイヤの下側トレッド部の狭い範囲に集中
的に溜まる。しかし、この熱圧媒体の供給時、回転機構
により金型が回転されると、その回転に伴い、金型内の
タイヤも周方向に回転される。すると、タイヤ内部に溜
まるドレンと、そのドレンが溜まるタイヤ内部の部位と
の位置関係が変移される。その結果、タイヤ内部の特定
部位のみにドレンが溜まった状態が保持されるというこ
とがなく、そのドレンによる影響をタイヤ全体に亘って
均一に分散することができる。
【0016】請求項3の発明によれば、例えば金型内に
タイヤの温度を検出するための温度センサを配置したよ
うな場合でも、金型の回転方向を1回転毎に反転させる
ことにより、温度センサから延びる信号線が捩じれるこ
とを防止できる。又、金型を5〜50rpmという比較
的低速で回転させることにより、回転方向の反転時にお
けるショックを軽減できる。
【0017】請求項4の発明によれば、金型を500〜
1500rpmという比較的高速で回転させると、場合
によっては、タイヤ内部のドレンがタイヤの内周の全域
に亘って均一に分散され、これによっても、ドレンによ
る影響をタイヤ全体に亘って均一に分散できる。又、高
速回転により、金型内のタイヤに大きな遠心力が作用し
て、そのタイヤが金型に対して強く圧接される。このた
め、加硫時において、タイヤの内部に供給する熱圧媒体
の圧力が従来と同じでも、タイヤが金型に対して従来以
上に密着され、短時間で良好な加硫を行い得る。加え
て、タイヤを構成するゴムの密度分布が均一で良好なも
のとなり、高品質なタイヤが得られる。
【0018】請求項5の発明によれば、回転状態のタイ
ヤに振動を付与することにより、タイヤを構成するゴム
の密度分布が均一で良好なものとなり、高品質なタイヤ
が得られる。
【0019】請求項6の発明によれば、タイヤは金型に
対して位置ずれを完全に阻止された状態で回転される。
しかも、タイヤのビード部内に配置されているビードワ
イヤやそのビードワイヤに両端を巻き付け固定されてい
るカーカスコードの位置ずれも阻止されるので、高品質
なタイヤが得られる。
【0020】
【実施例】 (第1実施例)以下、本発明を具体化した第1実施例を
図1に基づいて説明する。
【0021】図1に示すように、機台1上の右側には固
定フレーム2が固定配置されている。又、機台1上の左
側には図示しない移動機構を介して移動フレーム3が左
右方向へ移動可能に支持され、その移動フレーム3は固
定フレーム2に対して接離可能となっている。本実施例
では、固定フレーム2と移動フレーム3とにより、支持
フレームが構成されている。円筒状をなす右支持筒4は
固定フレーム2に固定され、この右支持筒4に同じく円
筒状をなす右回転筒5が軸受6を介して回転可能に挿通
支持されている。
【0022】有底円筒状をなす保持筒7は前記右回転筒
5に挿通支持され、同回転筒5と一体回転可能で且つ同
回転筒5の軸線方向へ所定範囲内で移動可能となってい
る。この保持筒7の一端開口縁部には、右ビードリング
8が一体形成されている。右金型9は右プラテン42を
介して右回転筒5の一端外周に一体回転可能に支持さ
れ、図1に示すように、保持筒7が図示しない移動機構
により右方へ移動された状態で、右ビードリング8がこ
の右金型9の内周縁部に対応配置される。ほぼ円筒状を
なす右金型ケース10は、断熱板11及び右プラテン4
2を介して右金型9を覆うように設けられている。
【0023】円筒状をなす左支持筒12は前記移動フレ
ーム3に固定され、この左支持筒12に左回転筒13が
軸受14を介して回転可能に挿通支持されている。左金
型15は左プラテン43を介して左回転筒13の一端外
周に一体回転可能に支持され、前記右金型9と対向する
ように配置されている。この左金型15も右金型9と同
じく、断熱板16及び左プラテン43を介して左金型ケ
ース17に覆われている。シリンダ19は左回転筒13
の内部に固定され、そのピストンロッド19aの先端に
左ビードリング18が連結されている。そして、図1に
示すように、シリンダ19のピストンロッド19aが没
入された状態で、左ビードリング18が左金型15の内
周縁部に対応配置される。
【0024】有底円筒状をなすブラダクランプ筒20
は、前記保持筒7にその軸線方向へ移動可能に挿通支持
されている。クランプ用シリンダ21は保持筒7に固定
され、そのピストンロッド21aの先端にブラダクラン
プ筒20が連結されている。そして、図1に示すよう
に、クランプ用シリンダ21のピストンロッド21aが
没入された状態で、ブラダクランプ筒20の一端開口縁
部と保持筒7の一端開口縁部との間にブラダ22の一端
が挟持固定される。ブラダ用シリンダ23は同じく保持
筒7に固定され、そのピストンロッド23aがブラダク
ランプ筒20に嵌挿されている。そして、そのピストン
ロッド23aの先端には、ブラダ保持部24を介してブ
ラダ22の他端が固定されている。
【0025】そして、移動フレーム3が図示左方へ移動
されて、左金型15が右金型9から離間され、この状態
で、図示しない搬送機構によりタイヤTが直立状態で水
平方向へ移動されて右金型9内に装着される。その後、
移動フレーム3が図示右方へ移動されて、左金型15が
右金型9に接近され、両金型9,15が密閉される。こ
れにより、両金型9,15内にタイヤTが直立状態で装
着される。この状態で、ブラダ用シリンダ23が作動さ
れてそのピストンロッド23aが突出されると、ブラダ
22がタイヤTの内腔に進入される。
【0026】尚、左右の金型9,15の対向面には、そ
れぞれ係合突起26又は係合穴27の一方が形成されて
いる。そして、前記のようにして両金型9,15が密閉
されるとき、係合突起26と係合穴27とが係合される
ことにより、一方の金型9,15に対する他方の金型
9,15の周方向における回転位置が特定位置に規制さ
れる。これにより、両金型9,15内に装着されるタイ
ヤTの外周のトレッドパターンが、右金型9側と左金型
15側とでずれることが防止される。
【0027】又、前記のようにして両金型9,15が密
閉されたとき、左右の金型ケース10,17はその対向
する周縁部が凹凸の関係で係合される。そして、この状
態で、右金型ケース10の外周に配置された複数のロッ
ク用シリンダ25が作動されて、そのピストンロッド2
5aが突出される。すると、そのピストンロッド25a
が、左右の金型ケース10,17の重合部分を貫通し
て、両金型ケース10,17が相対回転不能に連結され
る。即ち、両金型9,15の密閉状態で、両金型9,1
5が相対回転不能に連結される。
【0028】ブレーキ付油圧モータよりなる回転用モー
タ28は前記固定フレーム2に取り付けられ、その回転
軸28aの先端にはスプロケット29が固定されてい
る。又、前記右金型ケース10の外周面にはその周方向
に沿ってローラチェーン30が取り付けられ、前記スプ
ロケット29がこのローラチェーン30に係合されてい
る。本実施例では、回転用モータ28、スプロケット2
9及びローラチェーン30により回転機構が構成され、
その内のスプロケット29及びローラチェーン30によ
り回転伝達機構が構成されている。そして、両金型9,
15の密閉状態で、回転用モータ28が作動されると、
スプロケット29及びローラチェーン30を介して、両
金型9,15がタイヤTの周方向に一体的に回転され
る。
【0029】前記保持筒7の他端外周にはリング状をな
す圧力給排部31が相対回転可能に取り付けられ、この
圧力給排部31の内周面には各一対の作動油通路32,
33が周方向に沿って形成されている。そして、これら
作動油通路32,33は、外部に設けられた図示しない
作動油供給部に接続されるとともに、保持筒7の周面に
形成された図示しない連通孔等を介して、前記クランプ
用シリンダ21及びブラダ用シリンダ23に接続されて
いる。これにより、保持筒7及び両シリンダ21,23
が前記両金型9,15等とともに圧力給排部31に対し
て相対回転されても、それら両シリンダ21,23に対
する作動油の給排を支障なく行うことができる。
【0030】又、圧力給排部31の内周面には一対のス
チーム通路34が周方向に沿って形成されている。そし
て、このスチーム通路34は、外部に設けられた図示し
ないスチーム供給部に接続されるとともに、保持筒7の
周面に形成された図示しない連通孔等を介して、ブラダ
クランプ筒20とブラダ22との間に形成される空間S
内に連通されている。これにより、ブラダクランプ筒2
0及びブラダ22が前記保持筒7等とともに圧力給排部
31に対して相対回転されても、前記空間S内に対する
熱圧媒体(本実施例ではスチーム)の給排を支障なく行
うことができる。
【0031】又、前記右支持筒4及び左支持筒12の内
周面にも、前記と同様にしてそれぞれ一対の作動油通路
35,36が形成されている。そして、右支持筒4側の
作動油通路35を介して前記ロック用シリンダ25に対
する作動油の給排が行われるとともに、左支持筒12側
の作動油通路36を介して前記シリンダ19に対する作
動油の給排が行われる。尚、37,38は、それぞれ各
支持筒4,12の内周面に周方向に沿って形成されたス
チーム通路であり、これらスチーム通路37,38を介
して、それぞれ右プラテン42及び左プラテン43の内
部に形成された図示しない通路内にスチームの給排が行
われる。
【0032】係合ピン39は移動フレーム3に支持さ
れ、バネ40により左金型ケース17側に向かって突出
付勢されている。そして、左金型15が右金型9から離
間された状態では、この係合ピン39が左金型ケース1
7に形成された係合穴41に係合されて、左金型15の
回転位置が所定位置に保持されている。そして、この状
態で両金型9,15が密閉されることにより、前記係合
突起26と係合穴27との係合が確実に行われる。又、
両金型9,15が一体的に回転されている状態では、図
示しない機構により係合ピン39が没入位置にロックさ
れて、係合穴41との係合を解除された状態となる。
【0033】次に、前記のように構成されたタイヤ加硫
機の作用を説明する。さて、タイヤTの加硫を行う場合
には、先ず各支持筒4,12のスチーム通路37,38
を介して各プラテン42,43内にスチームが供給され
て余熱が行われる。この状態で、両金型9,15内にタ
イヤTが直立状態で装着されて両金型9,15が密閉さ
れる。このとき、両金型9,15はロック用シリンダ2
5により相対回転不能に連結される。次に、ブラダ用シ
リンダ23の作動に伴いそのピストンロッド23aが突
出されて、ブラダ22がタイヤTの内腔に進入される。
続いて、図示しないスチーム供給部から、圧力給排部3
1のスチーム通路34等を介して、スチームが空間S内
すなわちブラダ22内に供給され、図1に示すように、
ブラダ22がタイヤTの内面全体に密着されて、タイヤ
Tの加硫が開始される。
【0034】又、このスチームの供給と同時に、回転用
モータ28が作動され、スプロケット29及びローラチ
ェーン30を介して、両金型9,15がタイヤTの周方
向に一体的に回転される。これに伴い、両金型9,15
内に装着されたタイヤTも周方向に回転される。尚、本
実施例では、金型9,15が一方向へ360度回転され
ると、回転用モータ28が逆回転されて、金型9,15
が逆方向へ360度回転されるようになっている。即
ち、金型9,15内にはタイヤTの周面の温度を検出す
るための図示しない温度センサが複数配置されている
が、各温度センサから外部に延びる信号線は両金型9,
15の回転に伴って捩じれてしまう。しかし、本実施例
のように、金型9,15が360度回転される毎にその
回転方向を切り換えることにより、温度センサから延び
る信号線が捩じれることを防止することができる。
【0035】又、本実施例では、金型9,15の回転速
度が5〜50rpmという比較的低速度に設定される。
このため、金型9,15の回転方向を360度回転され
る毎に切り換えるようにしても、回転速度が遅いので、
回転方向の切り換え時におけるショックを軽減できる。
【0036】ところで、前記スチームの供給時、ブラダ
22内外の温度差等に起因して、ブラダ22内に供給さ
れたスチームはドレン化し、このドレンDはブラダ22
内において最も低い部位、即ちタイヤTの下側トレッド
部に対応する位置に集中的に溜まる。しかしながら、本
実施例では、スチームの供給時、回転用モータ28の作
動により金型9,15内のタイヤTが周方向に回転され
るので、タイヤTの内部に溜まるドレンDと、そのドレ
ンDが溜まるタイヤT内部の部位との位置関係が連続的
に変移される。その結果、タイヤTの内部の特定部位の
みにドレンDが溜まった状態が保持されるということが
なく、そのドレンDによる影響をタイヤT全体に亘って
均一に分散することができる。
【0037】このため、本実施例では、タイヤTの加熱
温度が特定部位のみ低くなるというおそれはなく、タイ
ヤT全体を均一に加熱することができる。従って、本実
施例のように、タイヤTが直立状態で装着されて、ドレ
ンDがタイヤTの下側トレッド部の狭い範囲に集中的に
溜まる横型加硫機であっても、そのドレンDによる悪影
響を実質的に排除することができる。
【0038】このため、本実施例では、タイヤTをその
全体に亘って均一に加硫することができ、タイヤT全体
の品質を均一で良好なものとすることができる。又、そ
の結果、加熱温度が低いタイヤの部位を基準として加硫
時間を設定するという必要もないので、タイヤTの加硫
時間を短縮できて、その加硫を能率良く行うことができ
る。加えて、タイヤTの加硫時間が短縮されることによ
り、加硫機の稼働時間も短縮され、その結果、加硫機を
稼働させるための電力や燃料等のエネルギーの消費量も
削減することができる。
【0039】又、本実施例では、左右の支持筒4,12
及び圧力給排部31の内周面に周方向に沿って形成され
た各通路32〜38を介して、各シリンダ19,21,
23,25に対する作動油の給排や、ブラダ22及びプ
ラテン42,43内に対するスチームの給排が行われ
る。このため、両金型9,15が回転されるように構成
されていても、各シリンダ19,21,23,25の作
動やスチームの給排に支障を生じることはない。
【0040】(第2実施例)次に、本発明の第2実施例
を図2〜図5に基づいて説明する。尚、この第2実施例
において、前記第1実施例の部材と同一の部材若しくは
第1実施例の部材に相当する部材については、同一番号
を付してその詳細な説明を省略する。
【0041】さて、図2〜図5に示すように、この第2
実施例では、右支持筒4が防振ゴム51を介して固定フ
レーム2に固定され、その右支持筒4に右回転筒5が軸
受6を介して回転可能に支持されている。右ビードリン
グ8は右回転筒5に一体回転可能に挿通支持され、ブラ
ダ22の一端を挟持固定する挟持部を備えている。右金
型ケース10は右回転筒5に一体回転可能に固定され、
その内面に断熱板11を介して右金型9が取り付けられ
ている。
【0042】左支持筒12は防振ゴム52を介して移動
フレーム3に固定され、その左支持筒12に左回転筒1
3が軸受14を介して回転可能に支持されている。左金
型ケース17は左回転筒13に一体回転可能に固定さ
れ、その内面に断熱板16を介して左金型15が取り付
けられている。シリンダ19は左支持筒12に固定さ
れ、そのピストンロッド19aの先端に左ビードリング
18が相対回転可能に連結されている。
【0043】又、この第2実施例においても、前記第1
実施例と同様に、両金型9,15が密閉されたとき、左
右の金型ケース10,17はその対向する周縁部が凹凸
の関係で係合される。しかし、図5に示すように、この
第2実施例では、両金型ケース10,17を相対回転不
能に連結するためのロック用シリンダ25が、金型ケー
ス10,17の周方向に沿って配置され、金型ケース1
0,17の外方に突出しないようになっている。円筒状
をなす左右の保護ケース53,54は、金型ケース1
0,17の外周を覆うように、それぞれ固定フレーム2
及び移動フレーム3に取り付けられている。そして、両
金型9,15が密閉されたとき、左右の保護ケース5
3,54の対向する端縁が係合される。これにより、固
定フレーム2と移動フレーム3との間における回転部分
が保護ケース53,54により覆われて、外部に対して
完全に遮蔽される。
【0044】保持筒55は支持脚56を介して固定フレ
ーム2上に支持され、その一端が前記右回転筒5に相対
回転可能に挿通されている。ブラダ用シリンダ23は保
持筒55に固定され、そのピストンロッド23aの先端
には、ブラダ保持部24が相対回転可能に連結されてい
る。尚、図2及び図3に鎖線で示すように、可撓性チュ
ーブよりなる排出管57をブラダ保持部24に取り付
け、タイヤTの加硫時においてブラダ22の内部に溜ま
ったドレンDを、この排出管57及び図示しない排出路
を介して外部に排出するようにしてもよい。
【0045】又、この第2実施例では、タイヤTの加硫
時において、そのタイヤTの左右のビード部が挟持手段
により挟持されるようになっている。即ち、ビードクラ
ンプ筒58は、前記保持筒55にその軸線方向へ移動可
能に且つ相対回転可能に挿通支持されている。このビー
ドクランプ筒58の一端開口部近傍にはその周方向に沿
って複数の支持部59が等間隔で形成され、各支持部5
9には右クランプ爪60がその基端をもって回動可能に
軸支されている。レバー61はその一端が右ビードリン
グ8に軸支されるとともに、他端が右クランプ爪60の
中間部に軸支されている。
【0046】そして、図示しないシリンダ等の駆動機構
によりビードクランプ筒58が図4の左方へ移動される
と、右クランプ爪60が同図に示す退避位置から図2及
び図3に示す挟持位置に回動されて、同爪60と右ビー
ドリング8との間でタイヤTの右側ビード部が挟持され
る。尚、右クランプ爪60は、ブラダ22を介してタイ
ヤTの右側ビード部を挟持する。
【0047】前記ブラダ保持部24の外周にはその周方
向に沿って複数の左クランプ爪62が等間隔で回動可能
に軸支されている。尚、左クランプ爪62は前記右クラ
ンプ爪60と干渉しないように、ブラダ保持部24の周
方向における配設位置が設定されている。これら左クラ
ンプ爪62は例えば図示しないばね手段により常に外方
へ開く方向へ付勢されている。
【0048】そして、ブラダ用シリンダ23のピストン
ロッド23aが没入された状態では、図4に示すよう
に、左クランプ爪62がビードクランプ筒58内に収容
されて、タイヤTの外側に退避した位置に配置されてい
る。このとき、左クランプ爪62はビードクランプ筒5
8の内周面に係合されることにより、ばね手段の付勢力
に抗して閉じた状態となっている。この状態から、ブラ
ダ用シリンダ23のピストンロッド23aが突出され
て、ブラダ22がタイヤTの内腔に進入されると、左ク
ランプ爪62が前記退避位置からビードクランプ筒58
外へ突出されて、ばね手段の付勢力により外方へ開く方
向へ回動される。そして、ピストンロッド23aが更に
突出されると、図2及び図3に示すように、左クランプ
爪62がタイヤTの内側に対応する挟持位置に配置さ
れ、同爪62と左ビードリング18との間でタイヤTの
左側ビード部が挟持される。尚、左クランプ爪62は、
ブラダ22を介してタイヤTの左側ビード部を挟持す
る。
【0049】この第2実施例では、左右のビードリング
8,18、左右のクランプ爪60,62、及びブラダ用
シリンダ23等により、挟持手段が構成されている。ブ
ラダ用シリンダ23のピストンロッド23aはビードク
ランプ筒58に相対回転可能に挿通され、その先端側に
はビードクランプ筒58の内周面に係合するピストン6
3が形成されている。ピストン63の外周とビードクラ
ンプ筒58の内周との間はシールリング64により気密
が保持されている。
【0050】回転用モータ28は固定フレーム2に取り
付けられ、その回転軸28aには歯付きプーリ65が固
定されている。又、前記右回転筒5の外周にはその周方
向に沿って歯付きプーリ66が形成され、両プーリ6
5,66間には歯付きベルト67が掛装されている。本
実施例では、回転用モータ28、歯付きプーリ65,6
6及び歯付きベルト67により回転機構が構成され、そ
の内の歯付きプーリ65,66及び歯付きベルト67に
より回転伝達機構が構成されている。
【0051】電熱線等よりなるヒータ68は左右の金型
9,15の内周面側に埋設され、金型9,15の周方向
に沿って延びている。そして、タイヤTの加硫時におい
て、このヒータ68によりタイヤTの所定部位に加硫に
必要な熱が供給される。電極リング69は前記左右の回
転筒5,13の外周に取り付けられ、その電極リング6
9と接触するように、左右の支持筒4,12には電極ブ
ラシ70が取り付けられている。そして、図示しない外
部電源からの電力が、電極ブラシ70及び電極リング6
9等を介してヒータ68に供給される。これにより、金
型9,15が回転筒5,13等とともに支持筒4,12
に対して相対回転されても、ヒータ68に対する電力の
供給を支障なく行うことができる。
【0052】振動付与手段としての振動モータ71は左
支持筒12の外面に取り付けられ、同モータ17で発生
される微振動が、左支持筒12及び左右の金型9,15
を介して加硫タイヤTに付与される。尚、この振動モー
タ71は、例えばモータの回転軸に偏心体を取り付ける
ことにより構成され、モータの駆動に伴って偏心体が偏
心回転されることにより、微振動を発生するものであ
る。又、固定及び移動フレーム2,3と支持筒4,12
との間には防振ゴム51,52が介在されているので、
振動モータ71の振動がフレーム2,3側に伝達される
ことはない。
【0053】油圧供給ピン72は固定フレーム2に軸線
方向へ移動可能に支持され、右金型ケース10に形成さ
れた係合穴73に係合可能となっている。そして、両金
型9,15が密閉されたとき、この油圧供給ピン72、
係合穴73及び右金型ケース10に形成された通路10
aを介して、前記ロック用シリンダ25に作動油が供給
されて、同シリンダ25が作動される。尚、両金型9,
15が一体的に回転されている状態では、油圧供給ピン
72は係合穴73との係合を解除された位置に移動配置
される。
【0054】又、特に図示はしないが、ブラダ22とピ
ストン63との間に形成される空間S内には、外部に設
けられたスチーム供給部がスチーム通路を介して接続さ
れている。そして、タイヤT加硫時には、このスチーム
通路を介して、空間S内に対するスチームの給排が行わ
れる。
【0055】次に、この第2実施例のタイヤ加硫機の作
用を説明する。さて、図2及び図3は、この第2実施例
におけるタイヤTの加硫状態を示すものである。即ち、
前記第1実施例と同様に、両金型9,15が密閉される
とともに、ブラダ22がタイヤTの内腔に進入された状
態で、図示しないスチーム供給部からのスチームが空間
S内に供給されることにより、ブラダ22がタイヤTの
内面全体に密着されて、タイヤTの加硫が行われる。
又、この第2実施例では、金型9,15に埋設されたヒ
ータ68により、タイヤTがその外面側からも効率良く
加硫される。
【0056】又、この第2実施例では、前記第1実施例
とは異なり、タイヤTの左右のビード部がそれぞれクラ
ンプ爪60,62とビードリング8,18との間で挟持
された状態で加硫が行われる。このため、タイヤTは金
型9,15に対して位置ずれを完全に阻止された状態で
加硫される。しかも、タイヤTのビード部内に配置され
ているビードワイヤやそのビードワイヤに両端を巻き付
け固定されているカーカスコードの位置ずれも阻止され
る。従って、高品質なタイヤTを得ることができる。
【0057】又、前記スチームの供給と同時に、回転用
モータ28が作動されて、両金型9,15が内部のタイ
ヤTとともに一体的に回転される。このため、前記第1
実施例と同様に、タイヤT内部に溜まったドレンDと、
そのドレンDが溜まるタイヤT内部の部位との位置関係
が連続的に変移され、そのドレンDによる影響をタイヤ
T全体に亘って均一に分散することができる。その結
果、タイヤT全体を均一に加熱することができ、前記第
1実施例と同様な作用効果を奏することができる。
【0058】尚、この第2実施例では、金型9,15が
500〜1500rpmという比較的高速度で一方向に
回転されるようになっている。このため、場合によって
は、タイヤT内部のドレンDがタイヤTの内周の全域に
亘って均一に分散され、これによっても、ドレンDによ
る影響をタイヤT全体に亘って均一に分散できて、前述
のように、タイヤT全体を均一に加熱することができ
る。又、金型9,15の高速回転により、その金型9,
15内のタイヤTに大きな遠心力が作用して、そのタイ
ヤTが金型9,15に対して強く圧接される。従って、
加硫時において、タイヤTの内部に供給するスチームの
圧力が従来と同じでも、タイヤTが金型9,15に対し
て従来以上に密着され、加硫を短時間で良好に行うこと
ができる。
【0059】即ち、タイヤTの加硫に際しては、タイヤ
Tを十分に加熱及び加圧する必要があるが、加硫工程の
前半においては、タイヤTを加硫に必要な所定温度にま
で加熱するために、高温のスチームを大量に供給する必
要がある。そして、タイヤTを所定温度にまで加熱した
後は、その温度を一定に保つべく、スチームの温度や供
給量を低下させて、タイヤTに対して放熱分の熱量を供
給するだけでよい。しかし、タイヤTを所定温度にまで
加熱した後に、スチームの温度や供給量を低下させる
と、それに伴ってタイヤTに加えられる圧力も低下し、
タイヤTを十分に加圧できなくなる。このため、タイヤ
Tを十分に加圧するためには、高温のスチームを大量に
加硫工程の開始から終了まで供給する必要が生じ、スチ
ームの発生に必要なエネルギーの無駄となる。
【0060】しかしながら、この第2実施例のように、
タイヤTを高速回転させて同タイヤに大きな遠心力を作
用させれば、タイヤTを加圧したのと同等の効果が得ら
れ、必要以上にスチームの温度や供給量を大きくする必
要がなくなる。その結果、スチームの発生に必要なエネ
ルギーの消費量を削減できる。
【0061】又、タイヤゴムは、加硫開始時に少し硬化
した後、昇温に伴って急激に軟化するという特性を有し
ている。このため、例えば、タイヤゴムが軟化するタイ
ミングで回転速度を速くして、タイヤTに対して大きな
加圧力を作用させれば、タイヤTの外周が金型9,15
に対してより強く圧接され、その外周のトレッドパター
ンを金型9,15の形状に沿って確実に形成できる。こ
のように、加硫の進行状況に応じて回転速度を変化させ
れば、より高品質なタイヤTを能率良く加硫成形するこ
とができる。
【0062】加えて、タイヤTを高速回転させることに
より、タイヤTを構成するゴムの密度分布が均一で良好
なものとなり、高品質なタイヤTが得られる。又、タイ
ヤTはそのビード部が挟持されて金型9,15に対する
位置ずれが阻止されているので、タイヤTを高速回転さ
せることによりタイヤTが位置ずれするといった問題は
生じない。
【0063】又、この第2実施例では、タイヤTの回転
時において、そのタイヤTに対して振動モータ71によ
り微振動が付与される。従って、タイヤTを構成するゴ
ムの密度分布をより均一で良好なものとすることがで
き、高品質なタイヤTを得る上で非常に有効である。
尚、タイヤ加硫時において、例えばタイヤゴムが軟化す
るタイミングでのみ振動を付与したり、そのタイミング
で振動を強くしたりすれば、タイヤゴムの密度分布を均
一にする上で非常に有効であるとともに、振動モータ7
1を無駄に作動させる必要がない。このように、加硫の
進行状況に応じて振動の与え方を変化させれば、振動モ
ータ71を無駄に作動させることなく、高品質なタイヤ
Tを能率良く加硫成形することができる。
【0064】加えて、タイヤTに対する振動の付与方向
を、例えば縦方向と横方向とでそれぞれ別に制御できる
ようにして、その振動付与方向を加硫の進行状況に応じ
て変化させるようにすれば、高品質なタイヤTを加硫成
形する上でより好ましい。
【0065】尚、金型9,15内にタイヤTの周面の温
度を検出するための温度センサを設けるような場合で
も、温度センサから延びる信号線を前記電極リング69
及び電極ブラシ70と同様な構成を介して外部に引き出
すようにすれば、両金型9,15の一方向回転に伴う信
号線の捩じれの問題は生じない。
【0066】尚、この発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、各部の構成を例えば以下のように変更して
具体化してもよい。 (1)回転用モータ28として、油圧モータに代えて電
動モータを使用すること。
【0067】(2)第1実施例において、ローラチェー
ン30に代えて、右金型ケース10の外周面にはスプロ
ケット29に係合するギアを形成すること。 (3)金型9,15の回転速度を前記範囲外にも適宜変
更すること。又、第1実施例において、金型9,15を
所定角度ずつ間欠的に回転させるようにすること。
【0068】(4)第2実施例において、熱圧媒体とし
てスチームに代えて、高圧の高温水を供給すること。こ
の場合には、高温水を図示しない所定の供給路を介して
供給するとともに、前述した排出管57を介して排出す
るようにする。そして、高温水を使用した場合には、高
温水の温度と圧力とをそれぞれ別に設定できるため、加
熱温度と加圧力とをそれぞれ独立して容易に設定するこ
とが可能となり、前述のスチームを使用した場合のよう
に、エネルギーロスの問題は生じない。加えて、高温水
をクローズドシステムで循環利用すれば、消費エネルギ
ーをより抑えることができる。
【0069】上記実施例から把握できる請求項以外の技
術思想について、以下にその効果とともに記載する。 (1)請求項2に記載のタイヤ加硫機において、回転伝
達機構は、モータの回転軸に固定されたスプロケット
と、そのスプロケットに係合され、金型の外周に周方向
に沿って取り付けられたローラチェーンとにより構成さ
れているタイヤ加硫機。
【0070】このように構成すれば、モータの作動に伴
いスプロケット及びローラチェーンを介して金型が回転
され、その結果、タイヤ内部に溜まるドレンと、そのド
レンが溜まるタイヤ内部の部位との位置関係が変移され
るのである。
【0071】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば次
のような優れた効果を奏する。請求項1、請求項2及び
請求項7の本発明によれば、縦型加硫機と比較して設備
費を大幅に抑えることができる横型加硫機において、金
型内に直立状態で装着されたタイヤの下側トレッド部に
ドレンが溜まっても、タイヤ全体を均一に加熱すること
ができ、タイヤをその全体に亘って均一に加硫して、タ
イヤ全体の品質を均一で良好なものとすることができ
る。又、その結果、タイヤの加硫時間を短縮できて、そ
の加硫を能率良く行うことができるとともに、加硫機の
稼働時間も短縮でき、その加硫機を稼働させるための電
力や燃料等のエネルギーの消費量も削減することができ
る。
【0072】請求項3の発明によれば、例えば金型内に
タイヤの温度を検出するための温度センサを配置したよ
うな場合でも、温度センサから延びる信号線が捩じれる
ことを防止できる。又、金型を低速回転させることによ
り、回転方向の反転時におけるショックを軽減できる。
【0073】請求項4の発明によれば、タイヤの内部に
供給する熱圧媒体の圧力が従来と同じでも、タイヤが金
型に対して従来以上に密着され、短時間で良好な加硫を
行い得る。又、エネルギーの消費量を削減できる。加え
て、タイヤを構成するゴムの密度分布が均一で良好なも
のとなり、高品質なタイヤが得られる。
【0074】請求項5の発明によれば、タイヤを構成す
るゴムの密度分布が均一で良好なものとなり、高品質な
タイヤが得られる。請求項6の発明によれば、金型に対
するタイヤの位置ずれが阻止されるとともに、タイヤ内
のビードワイヤやカーカスコードの位置ずれも阻止さ
れ、高品質なタイヤが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のタイヤ加硫機の第1実施例を示す側
断面図。
【図2】 第2実施例のタイヤ加硫機における加硫状態
を示す側断面図。
【図3】 図2の部分拡大側断面図。
【図4】 タイヤのクランプが解除された状態を示す部
分拡大側断面図。
【図5】 ロック用シリンダによる両金型ケースの連結
状態を示す部分拡大断面図。
【符号の説明】
2…支持フレームを構成する固定フレーム、3…支持フ
レームを構成する移動フレーム、8…挟持手段を構成す
る右ビードリング、18…挟持手段を構成する左ビード
リング、9…右金型、15…左金型、23…挟持手段を
構成するブラダ用シリンダ、28…回転機構を構成する
回転用モータ、29…回転機構及び回転伝達機構を構成
するスプロケット、30…回転機構及び回転伝達機構を
構成するローラチェーン、60…挟持手段を構成する右
クランプ爪、62…挟持手段を構成する左クランプ爪、
65,66…回転機構呼び回転伝達機構を構成する歯付
きプーリ、67…回転機構呼び回転伝達機構を構成する
歯付きベルト、71…振動付与手段としての振動モー
タ、T…タイヤ、S…空間、D…ドレン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29L 30:00 B29L 30:00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型内に直立状態で装着されたタイヤの
    内部に熱圧媒体を供給して加硫を行うタイヤ加硫機にお
    いて、 前記金型をタイヤの周方向に回転させる回転機構を設け
    たことを特徴とするタイヤ加硫機。
  2. 【請求項2】 前記金型を支持フレームに回転可能に支
    持し、前記回転機構は、支持フレームに取り付けられた
    モータと、そのモータの回転を金型に伝達するための回
    転伝達機構とを含む請求項1に記載のタイヤ加硫機。
  3. 【請求項3】 前記金型は5〜50rpmの回転速度で
    回転され、1回転毎にその回転方向が反転される請求項
    1又は2に記載のタイヤ加硫機。
  4. 【請求項4】 前記金型は500〜1500rpmの回
    転速度で一方向に回転される請求項1又は2に記載のタ
    イヤ加硫機。
  5. 【請求項5】 前記金型内のタイヤに振動を付与する振
    動付与手段を設けた請求項1〜4の何れかに記載のタイ
    ヤ加硫機。
  6. 【請求項6】 タイヤの一対のビード部を金型に対して
    位置ずれしないように挟持する挟持手段を設けた請求項
    1〜5の何れかに記載のタイヤ加硫機。
  7. 【請求項7】 金型内に直立状態で装着されたタイヤの
    内部に熱圧媒体を供給して加硫を行うタイヤ加硫方法に
    おいて、 前記熱圧媒体の供給時、前記金型を回転さ
    せ、回転に伴いタイヤ内部に溜まるドレンとそのドレン
    が溜まるタイヤ内部の部位との位置関係を変移させるよ
    うにしたことを特徴とするタイヤ加硫方法。
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