JP3404188B2 - タイヤ加硫機 - Google Patents

タイヤ加硫機

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JP3404188B2
JP3404188B2 JP19350895A JP19350895A JP3404188B2 JP 3404188 B2 JP3404188 B2 JP 3404188B2 JP 19350895 A JP19350895 A JP 19350895A JP 19350895 A JP19350895 A JP 19350895A JP 3404188 B2 JP3404188 B2 JP 3404188B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤ加硫機に関
する。より詳細には、タイヤの内腔にブラダを挿入し、
そのブラダ内に熱圧媒体を供給することにより、ブラダ
を膨張させてタイヤの内面に密着させてタイヤの加硫を
行うタイヤ加硫機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種のタイヤ加硫機において
は、金型内に加硫前のタイヤが装着された状態で、タイ
ヤの内腔にゴム等の弾性材料よりなるブラダが挿入され
るとともに、そのブラダ内にスチーム等の熱圧媒体が供
給される。すると、ブラダが膨張してタイヤの内面全体
に密着され、タイヤがブラダを介して熱圧媒体によって
加熱及び加圧されることにより、同タイヤの加硫が行わ
れる。
【0003】特開昭57−199639号公報は、この
種のタイヤ加硫機を開示している。このタイヤ加硫機に
おいては、図17(a)に示すように、加硫前のタイヤ
Tが下金型90上に載置された状態で、ブラダ91の両
端の周縁部91a,91bを保持した一対の保持体9
6,95の移動により、ブラダ91がタイヤT内に挿入
される。このとき、ブラダ91の両周縁部91a,91
bは互いに近接された状態で、タイヤTの軸線方向のほ
ぼ中心に位置決めされる。次に、図17(b)に示すよ
うに、ブラダ91内にスチームが供給されながら、両保
持体96,95の移動により、ブラダ91の両周縁部9
1a,91bが互いに離間する方向へ除々に移動され
る。その結果、図17(c)に示すように、ブラダ91
がタイヤTの内面全体に密着される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図17
(a)に示すように、前記従来の加硫機においては、ブ
ラダ91の両周縁部91a,91bがスチームの供給開
始時にはタイヤTの軸線方向におけるほぼ中心に位置し
ているものの、その周縁部91a,91bを保持する各
保持体96,95の直径H1,H2が互いに異なってい
るため、各周縁部91a,91bの支持位置が、タイヤ
Tの半径方向においてH3だけ異なる。
【0005】そのため、タイヤT内に挿入されたブラダ
91は、スチームが供給されたとき、タイヤTの軸線方
向において対称的に膨張されない。つまり、図17
(a)に示すような状態でタイヤT内に挿入されたブラ
ダ91は、スチームの供給に伴い、図17(b)に示す
ように、タイヤTの上側に位置するサイドウオール部9
2からトレッド部93を経て下側のサイドウオール部9
4の各内面の順で密着箇所が広がるように膨張される。
ブラダ91の膨張に伴って同ブラダ91がタイヤTの内
面に圧接されるとき、タイヤTにはブラダ91の圧接に
伴う応力が作用する。
【0006】しかし、前述のように、ブラダ91がタイ
ヤTの軸線方向において対称的に膨張されないため、タ
イヤTに作用する応力も同タイヤTの上側と下側とでは
同じにならない。特に、加硫前におけるタイヤTのゴム
は柔らかいので、前記応力の影響を受けやすい。この結
果、例えばタイヤTの上側のサイドウオール部92と下
側のサイドウオール部94とで肉厚が異なったりする
等、高品質なタイヤが得られなくなるという問題があっ
た。
【0007】本発明は上記の問題を鑑みてなされたもの
であり、その目的は、ブラダをタイヤの軸線方向におい
て対称的に膨張させることができ、高品質なタイヤを得
ることができる加硫機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明では、金型内に装着された
タイヤの内腔にブラダを挿入し、そのブラダ内に熱圧媒
体を供給することにより、ブラダを膨張させてタイヤの
内面に密着させてタイヤの加硫を行うタイヤ加硫機にお
いて、前記タイヤの内腔に挿入されたブラダの両端側を
外面からガイドし、ブラダが先ずタイヤのトレッド部の
中央内面から密着するように膨張させるためのリング状
の一対のガイド部材を設け、両ガイド部材を同径に形成
するとともにタイヤと同心円上に配置し、ブラダ内への
熱圧媒体の供給開始時には、両ガイド部材をタイヤの軸
線方向の中間部において互いに近接したガイド位置に配
置したものである。
【0009】請求項2に記載の発明では、前記両ガイド
部材はタイヤの軸線方向に沿って移動可能であり、ブラ
ダの膨張終了直前に各ガイド部材を前記ガイド位置から
互いに離間した退避位置に移動させる移動手段を設けた
ものである。
【0010】請求項3に記載の発明では、タイヤの一対
のビード部をそれぞれ挟持する一対の挟持手段を設け、
各挟持手段は、タイヤのビード部を外面側から支持する
ビード支持体と、そのビード支持体との間でビード部を
挟持する挟持体と、前記ガイド部材のガイド位置への移
動に伴い挟持体をタイヤの内側に対応する挟持位置へ移
動させ、ガイド部材の退避位置への移動に伴い挟持体を
タイヤの外側に対応する開放位置へ移動させる作動手段
とを含むものである。
【0011】請求項4に記載の発明では、ブラダの両端
周縁部をそれぞれ保持する一対の保持手段をタイヤの軸
線方向に沿って移動可能に設け、両保持手段は、ブラダ
をタイヤ内に挿入させる位置と、タイヤ外へ退避させる
位置との間で同方向へ移動可能である。
【0012】請求項5に記載の発明では、熱圧媒体の供
給に伴ってブラダ内に溜まるドレンを外部へ排出するた
めのドレン排出手段を設け、そのドレン排出手段は、タ
イヤの内側に対応する位置とタイヤ外に退避した位置と
の間で移動可能な収納体と、その収納体に出没可能に支
持された吸入管と、その吸入管を出没動作させる動力源
とを含むものである。
【0013】請求項6に記載の発明では、前記金型はタ
イヤを直立状態で装着可能なように配置され、前記ドレ
ン排出手段の吸入管は、その先端の吸入口がタイヤのト
レッド部の内周面の下端近傍に位置するように、下方へ
向かって突出されるものである。
【0014】従って、請求項1の発明によれば、タイヤ
の内腔に挿入されたブラダの両端側を一対のガイド部材
により外面からガイドした状態で、ブラダ内への熱圧媒
体の供給を開始する。この場合、両ガイド部材は同径で
かつタイヤと同心円上に配置され、しかもタイヤの軸線
方向の中間部において互いに近接して配置されている。
このため、ブラダは熱圧媒体の供給に伴い、タイヤの軸
線方向における中間部を挟んで確実に対称的に膨張され
る。つまり、ブラダは、先ずタイヤのトレッド部の内面
の中間部に密着されるとともに、続いて両サイドウォー
ル部の内面を経て両ビード部の内面の順に密着箇所が広
がるように膨張される。
【0015】請求項2の発明によれば、ブラダ内に熱圧
媒体が供給されてその膨張が終了する直前、つまりブラ
ダがタイヤのビード部の内面に密着される直前に、移動
手段により各ガイド部材がガイド位置から互いに離間し
た退避位置に移動される。これにより、ブラダはガイド
部材と干渉することなく、タイヤのビード部の内面にま
で確実に密着される。
【0016】請求項3の発明によれば、ガイド部材のガ
イド位置への移動に伴い、挟持体がタイヤの内側に対応
する挟持位置へ移動される。その結果、タイヤのビード
部が挟持されて、タイヤが金型内における所定位置に確
実に位置決め固定される。従って、熱圧媒体の供給に伴
うブラダの膨張によりタイヤに応力が作用しても、タイ
ヤが金型に対して位置ずれしたり、タイヤのビード部内
に配置されているビードワイヤやそのビードワイヤに両
端を巻き付け固定されているカーカスコードが位置ずれ
したりすることが阻止される。
【0017】請求項4の発明によれば、保持手段の移動
により、ブラダはタイヤ内へ挿入されるとともに、タイ
ヤ外へ退避される。このとき、ブラダの両周縁部をそれ
ぞれ保持する一対の保持手段が同方向へ移動されること
により、ブラダは2つ折りにされた状態でタイヤ外へ退
避できるとともに、ブラダの退避状態で同ブラダに引っ
張りの応力が作用しない。
【0018】請求項5の発明によれば、タイヤ加硫時に
は、ドレン排出手段の収納体をタイヤの内側に対応する
位置に移動させた状態で、動力源により吸入管を突出さ
せる。その結果、吸入管によりブラダ内に溜まったドレ
ンを確実に吸入して外部に排出できる。加硫が終了され
た場合には、吸入管を没入させて収納体内に収納した状
態で、同収納体をタイヤ外に退避した位置に容易に移動
させることができ、収納体の退避時に吸入管が他の部分
に干渉したりするおそれはない。
【0019】請求項6の発明によれば、タイヤが金型内
に直立状態で装着された場合には、ドレンがタイヤのト
レッド部の下部の狭い範囲に集中的に溜まる。従って、
吸入管の吸入口を、タイヤのトレッド部の内周面の下端
近傍に位置させれば、溜まったドレンを能率良く確実に
排出できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施の
形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2に示すよ
うに、機台11上の右側には固定フレーム12が固定配
置され、その固定フレーム12には右プラテン13及び
右金型14が支持されている。右プラテン13は右金型
14を保温する役割を果たしている。右金型14は右サ
イド部用金型15及び右トレッド部用金型16から構成
され、右トレッド部用金型16は固定フレーム12に固
定されたシリンダ42により、右サイド部用金型15に
対して図面上左右方向へ移動可能である。また、右トレ
ッド部用金型16内にはホットジャケット83が形成さ
れ、同ジャケット83内に図示しないスチーム供給源よ
りスチームが供給されることにより、右トレッド部用金
型16が加熱される。
【0021】機台11上の左側には移動フレーム20が
シリンダ43により左右方向へ移動可能に支持され、そ
の移動フレーム20には支持ブロック68を介して左プ
ラテン21及び左金型22が支持されている。左プラテ
ン21は左金型22を保温する役割を果たしている。左
金型22は左サイド部用金型23及び左トレッド部用金
型24から構成され、左トレッド部用金型24は移動フ
レーム20に固定されたシリンダ44により、左サイド
部用金型23に対して図面上左右方向へ移動可能であ
る。また、左トレッド部用金型24内にはホットジャケ
ット84が形成され、同ジャケット84内に図示しない
スチーム供給源よりスチームが供給されることにより、
左トレッド部用金型24が加熱される。更に、左トレッ
ド部用金型24には複数の押圧シリンダ85が同金型2
4の外周に沿って等間隔で固定され、そのピストンロッ
ド85aが両金型14,22内に形成される内部空間に
突出可能となっている。左金型22は右金型14に対向
配置され、移動フレーム20の移動に伴い右金型14に
対して接近及び離間される。タイヤTは両金型14,2
2内に装着された後に加硫される。
【0022】固定フレーム12には右ケース77が取り
付けられ、断熱材75及び前記右プラテン13を介して
右金型14を覆っている。移動フレーム20には支持ブ
ロック68を介して左ケース78が取り付けられ、断熱
材76及び前記左プラテン21を介して左金型22を覆
っている。右ケース77の開口縁部の外周には、ロック
リング80が回転可能に支持され、モーター81により
回転される。特に図示しないが、左ケース78の開口縁
部の外周は凸凹状に形成され、それに対応してロックリ
ング80の内周も凸凹状に形成されている。そして、移
動フレーム20が図2の状態から固定フレーム12に接
近移動されたとき、左ケース78の凹部がロックリング
80の凸部に、左ケース78の凸部がロックリング80
の凹部に対応することにより、図1に示すように、左ケ
ース78がロックリング80と干渉することなく、右ケ
ース77との接合を許容される。この状態で、ロックリ
ング80がモーター81の駆動により回転されて、同リ
ング80の内周の凸部が左ケース78の外周の凸部に係
合することにより、左右のケース77,78が離間不能
にロックされる。このとき、左ケース78に支持された
シリンダ82の突出作動により、両プラテン15,21
を介して両金型14,22が圧接されて、確実に密閉さ
れる。
【0023】固定フレーム12にはシリンダ18が固定
され、そのピストンロッド18aの先端は右支持筒17
の基端部に連結されている。支持筒17は固定フレーム
12に支持され、シリンダ18により両金型14,22
の軸線方向(図1の左右方向)に沿って移動可能であ
る。支持筒17の先端の周縁部にはビード支持体として
の右ビードリング19が一体形成されている。シリンダ
18のピストンロッド18aが突出すると、支持筒17
が右方へ移動されて右ビードリング19が右サイド部用
金型15の内周縁部に対応配置される。また、右ビード
リング19の外周には、右ビードリング19を加熱する
ためのヒーター63が配置されている。
【0024】シリンダ25は移動フレーム20に固定さ
れ、そのピストンロッド25aの先端は左支持筒26に
連結されている。左支持筒26は移動フレーム20に支
持され、シリンダ25により両金型14,22の軸線方
向に沿って移動可能である。支持筒26の先端の周縁部
にはビード支持体としての左ビードリング27が一体形
成されている。シリンダ25のピストンロッド25aが
没入された状態で、左ビードリング27が左サイド部用
金型23の内周縁部に対応配置される。また、左ビード
リング27の外周には、左ビードリング27を加熱する
ためのヒーター66が配置されている。
【0025】右ブラダガイド筒28は右支持筒17にそ
の軸線方向へ移動可能に挿通支持されている。移動手段
としてのシリンダ29は支持筒17の基端部に固定さ
れ、そのピストンロッド29aの先端に右ブラダガイド
筒28が連結されている。ガイド筒28の先端の周縁部
にはガイド部材としてのリング状の右ガイドリング30
が一体形成されている。右ガイドリング30は両金型内
14,22内に装着されるタイヤTと同心円上に配置さ
れる。また、ガイド筒28の中間部内周面には、後述す
るストッパー74と係合する凹部28aが形成されてい
る。
【0026】左ブラダガイド筒37は左支持筒26にそ
の軸線方向へ移動可能に挿通支持されている。ガイド筒
37の先端はほぼ円板状をなし、その円板状部には受け
板88が固着されている。移動手段としてのシリンダ3
8は左支持筒26に固定され、そのピストンロッド38
aの先端は左ブラダガイド筒37に連結されている。ガ
イド筒37の先端の周縁部にはガイド部材としてのリン
グ状の左ガイドリング40が一体形成されている。左ガ
イドリング40は両金型14,22内に装着されるタイ
ヤTと同心円上に配置されるとともに、前記右ガイドリ
ング30と同径に形成されている。
【0027】そして、図1に示すように、シリンダ2
9,38のピストンロッド29a,38aが没入された
状態では、左右のガイドリング30,40は、それぞれ
左右のビードリング19,27とほぼ対応する退避位置
に配置される。この状態からピストンロッド29a,3
8aが突出されると、左右のガイド筒28,37が互い
に接近する方向へ同量だけ移動される。その結果、図1
1に示すように、左右のガイドリング30,40は金型
14,22内に装着されたタイヤTの軸線方向の中間部
において、互いに近接したガイド位置に配置される。
【0028】図1に示すように、左右のガイド筒28,
37の外周面には、それぞれ各ガイドリング30,40
に近接した位置において、挟持体としてのクランプ3
1,41がガイド筒28,37の周方向に沿って等間隔
おきに複数(例えば6つ)ずつ配設されている。そこ
で、これらクランプ31,41の取付構造について、図
3〜図6に従って説明する。尚、図3〜図6は右側のク
ランプ31に関してのみ示すものであるが、左側のクラ
ンプ41も右側のそれと同様の取付構造なので、左側の
クランプ41に関しても、この図3〜図6を参照しなが
ら説明を行うものとする。
【0029】左右のクランプ31,41はそれぞれ軸3
2により左右のガイド筒28,37の外周面に回動可能
に支持されている。一方、左右のビードリング19,2
7の内周面には、各クランプ31,41の両側に対応す
る位置において各一対のカム部材34がボルト35によ
り取り付けられている。カム部材34にはクランプ3
1,41との対向面においてカム溝36が形成され、ク
ランプ31,41の両側に突設されたピン33がカム溝
36に係合されている。本実施の形態では、ピン33及
びカム溝36により作動手段が構成されている。
【0030】そして、図3に示すように、左右のガイド
リング30,40が退避位置に配置された状態では、左
右のクランプ31,41は、タイヤTの外側に対応する
開放位置に配置される。この状態からシリンダ29,3
8のピストンロッド29a,38aの突出に伴い、ガイ
ドリング30,40がガイド位置に移動されると、図4
に示すように、左右のクランプ31,41のピン33が
カム溝36に沿って移動されることにより、クランプ3
1,41がタイヤTの内側に対応する挟持位置へ回動さ
れる。その結果、両金型14,22内に装着されたタイ
ヤTの左右ビード部72,73がそれぞれビードリング
19,27とクランプ31,41との間で挟持される。
本実施の形態では、ビードリング19,27、クランプ
31,41、ピン33及びカム溝36により挟持手段が
構成されている。
【0031】図1に示すように、右ブラダガイド筒28
の基端部にはシリンダ47が固定され、そのピストンロ
ッド47aの先端はブラダクランプ筒46に連結されて
いる。ブラダクランプ筒46は、右ブラダガイド筒28
にその軸線方向へ移動可能に挿通支持されている。ま
た、ブラダクランプ筒46の基端部にはシリンダ50が
固定され、そのピストンロッド50aの先端にクランプ
板51が連結されている。そして、シリンダ50のピス
トンロッド50aが没入された状態で、ブラダ52の右
端の周縁部がクランプ板51とブラダクランプ筒46の
先端周縁部との間で挟持される。また、ブラダクランプ
筒46にはその軸線方向と直交方向に延びるストッパー
74が支持されている。ストッパー74の一端は、前述
の右ブラダガイド筒28に形成された凹部28aと係合
可能であり、他端にはローラ45が自由回転可能に支持
されている。ストッパー74はバネの弾性により、右ブ
ラダガイド筒28の内周面から離間する方向に付勢さ
れ、それによってローラ45が後述するセンターポスト
54の外周面に係合されている。そして、シリンダ47
の突出動作によりブラダクランプ筒46が図1に示す前
進端に達すると、同クランプ筒46と一体的に移動する
ストッパ74はその先端が右ブラダガイド筒28の凹部
28aと対応する位置に配置される。ストッパ74が右
ブラダガイド筒28の凹部28aと対応する位置にある
とき、ローラ45がセンターポスト54の中間部の大径
部54aと係合することにより、ストッパー74はバネ
の付勢力に抗して右ブラダガイド筒28の内周面に近接
する方向へ移動される。この結果、ストッパー74は凹
部28aと係合され、ブラダクランプ筒46は右ブラダ
ガイド筒28に対し、位置決め固定される。
【0032】右ブラダクランプ筒46の基端部にはシリ
ンダ53が固定され、そのピストンロッド53aの先端
はセンターポスト54に連結されている。センターポス
ト54は、ブラダクランプ筒46及びクランプ板51に
それらの軸線方向へ移動可能に挿通支持されている。セ
ンターポスト54の先端にはフランジ部58が形成され
ている。図7及び図8に示すように、センターポスト5
4の内部には、図示しない外部のスチーム供給部に接続
されたスチーム供給通路57が形成されている。この供
給通路57はフランジ部58と対応する位置において、
同フランジ部58の半径方向に延びてその外周面に開口
されている。フランジ部58の外周には、リング状の回
転体55が自由回転可能に装着されている。回転体55
の内部にはその全周にわたり導入室55aが形成されて
いる。回転体55の外周上に等間隔をおいて複数のノズ
ル56が配置されている。これらノズル56は回転体5
5の径方向に対して、それぞれ所定角度斜めに傾いた状
態で設けられている。そして、スチーム供給部から供給
された熱圧媒体としてのスチームが、供給通路57及び
導入室55aを経てノズル56から噴出される。
【0033】フランジ部58の側面には収納体59が固
定されている。回転筒60は収納体59内に回転可能に
収容され、センターポスト54の軸線方向と直交する方
向(図7及び図8の上下方向)に延びている。回転筒6
0の中間部外周にはベベルギア61が一体に形成されて
いる。回転筒60の内部には収納室62が形成されてい
る。回転筒60の内周面にはその軸線方向に沿って延び
るキー溝60aが形成されている。ドレン吸入管65は
収納室62にその軸線方向に沿って移動可能に挿通され
ている。吸入管65の上端部には前記キー溝60aと係
合するキー65aが形成され、同吸入管65は回転筒6
0と一体的に回転される。吸入管65の外周面には雄ね
じ65bが形成されている。収納体59の下端には雌ね
じ体89が取り付けられ、この雌ねじ体89に吸入管6
5が螺入されている。従って、回転筒60の回転に伴
い、吸入管65は収納室62内に収納される位置(図7
に鎖線で示す位置)とそこから下方へ突出した位置(図
7に実線で示す位置)との間で上下に移動される。吸入
管65は突出により、その下端の吸入口がタイヤTのト
レッド部の内周面の下端近傍に位置される。吸入管65
の内部通路65cは、吸入管65が突出した状態で、収
納体59及びセンターポスト54の内部に形成されたド
レン排出通路64を介して図示しないバルブに接続され
る。本実施の形態では、収納体59、ドレン吸入管65
及びドレン排出通路64等によりドレン排出手段が構成
されている。
【0034】収納体59の側面には、円板状のブラダ保
持部材67が固定され、ブラダ52の左端の周縁部を挟
持している。従って、ブラダ52はその左端の周縁部が
保持部材67に、右端の周縁部が前記ブラダクランプ筒
46及びクランプ板51に保持されている。本実施の形
態では、これらクランプ筒46、クランプ板51及び保
持部材67により保持手段が構成されている。保持部材
67の内部にはベベルギア69が回転可能に支持され、
そのベベルギア69は前記ベベルギア61と噛み合わさ
れている。
【0035】図1、図2及び図7に示すように、移動フ
レーム20にはドレン吸入管65を出没動作させる動力
源としての油圧モーター70が取り付けられている。モ
ーター70には、回転軸71が連結されている。回転軸
71は左ブラダガイド筒37及び受け板88に挿通さ
れ、その先端部にはスプライン溝71aが形成されてい
る。そして、図1及び図7に示すように、センターポス
ト54が図示左方へ移動されて、その先端の収納体59
がタイヤTの内側に対応する位置へ配置されると、回転
軸71の先端とベベルギア69とがスプライン結合され
て、一体回転可能な状態となる。この状態でモーター7
0が駆動されると、回転軸71及びベベルギア69,6
1を介して回転筒60が回転され、ドレン吸入管65が
上下に移動される。
【0036】さて、上記のように構成された加硫機を使
用してタイヤTの加硫を行う場合には、先ず、図2に示
すように、シリンダ43の突出動作により右金型14か
ら左金型22が離間される。この状態で、図9に示すよ
うに、搬送装置86により、タイヤTが右金型14と左
金型22との間に直立状態で搬送される。図2及び図9
に示す状態では各ガイドリング30,40はそれぞれ各
ビードリング19,27の内周縁部に対応する退避位置
に配置され、各クランプ31,41はそれぞれ開放位置
にある。
【0037】また、ブラダクランプ筒46はブラダガイ
ド筒28内における右側の位置に配置され、ブラダ52
の右端周縁部はブラダガイド筒28内に収容されてい
る。更に、センターポスト54の先端のフランジ部5
8、収納体59、及びブラダ保持部材67はブラダガイ
ド筒28内において、クランプ筒46の先端に近接した
位置に配置され、ブラダ52の左端周縁部は、右端周縁
部に近接した状態でブラダガイド筒28内に収容されて
いる。
【0038】その結果、図2に示すように、ブラダ52
は2つ折りにされた状態でガイド筒28内にコンパクト
に収納され、タイヤT外へ退避されている。また、収納
体59もガイド筒28内に収納され、タイヤT外へ退避
されている。このとき、ドレン吸入管65は収納体59
内に収納されて、下方へ突出していないので、ガイド筒
28等の他の部材に干渉することがない。
【0039】図9の状態からブラダ52はタイヤTの内
腔に挿入される図10に示す状態へと移行する。すなわ
ち、先ず、シリンダ18が没入動作されるとともに、シ
リンダ25が突出動作され、左右のビードリング19,
27がそれぞれ左右の金型14,22から離間して、タ
イヤTのビード部72,73と対応する位置に配置され
る。この後、シリンダ29,38のピストンロッド29
a,38aがそれぞれ突出されて、左右のガイドリング
30,40が退避位置からガイド位置へ移動する。この
ガイドリング30,40のガイド位置への移動に伴い、
クランプ31,41が挟持位置へ回動されて、ビードリ
ング19,27との間でそれぞれタイヤTのビード部7
2,73が挟持される。これにより、タイヤTが位置決
め固定される。次に、シリンダ47のピストンロッド4
7aが突出することにより、ブラダクランプ筒46及び
センターポスト54がタイヤTに近接する方向へ一体的
に前進する。この前進により、ブラダ52はその中間の
屈曲部分からガイドリング30,40間を通ってタイヤ
Tの内腔へ挿入される。クランプ筒46、クランプ板5
1及びブラダ保持部材67は、ブラダ52をタイヤT内
に挿入させる位置に配置される。尚、ブラダクランプ筒
46が前進端に達すると、ブラダクランプ筒46に支持
されたストッパ74の先端は右ブラダガイド筒28の凹
部28aと対応する位置に配置される。
【0040】図10の状態から左右の金型14,22が
密閉される図11に示す状態へと移行する。すなわち、
シリンダ43の没入動作により、移動フレーム20上の
左金型22が右金型14に接近し、両金型14,22が
密閉される。同時に、シリンダ18,25の作動によ
り、左右のビードリング19,27はそれぞれ左右のサ
イド部用金型15,23の内周縁部に対応する位置に配
置される。左右の金型14,22が接合されると、モー
ター81によりロックリング80が回動され、左右の金
型14,22は離間不能にロックされる。また、シリン
ダ82の作動により、両金型14,22は互いに密着さ
れて、確実に密閉される。
【0041】この図11の状態で、回転体55のノズル
56へ熱圧媒体としてのスチームが送られ、タイヤTの
加硫が開始される。このとき、ノズル56は回転体55
の径方向に対して斜めに傾いた状態で設けられているの
で、同ノズル56からのスチームの噴出に伴い、回転体
55には所定方向(図8の反時計方向)への回転力が付
与される。従って、回転体55が回転されながら、ノズ
ル56からスチームが噴出される。このため、ブラダ5
2内に供給されるスチームは、攪拌されて温度が均一化
される。
【0042】スチームが噴出されると、ブラダ52の膨
張が開始される。このとき、ブラダ52はその両端側を
ガイドリング30,40により外面からガイドされてい
る。ガイドリング30,40はそのガイド位置におい
て、タイヤTの軸線方向における中間部を挟んで互いに
近接した左右対称の位置にある。また、ガイドリング3
0,40はタイヤTと同心円上に配置されているととも
に、互いに同径に形成されている。従って、図11に鎖
線及び実線で示すように、ブラダ52はその両端側をガ
イドリング30,40によりガイドされた状態でタイヤ
Tの軸線方向における中間部を挟んで対称的に膨張され
る。即ち、ブラダ52は、その膨張により、先ずタイヤ
Tのトレッド部の中央の内面に密着され、続いて左右の
ショルダー部を経て左右のサイドウオール部の内面に順
次密着される。各クランプ31,41がそれぞれタイヤ
Tのビード部72,73を挟持してタイヤTを金型1
4,22内における所定位置に固定しているため、ブラ
ダ52の膨張に伴いタイヤTに応力が作用しても、その
タイヤTの位置ずれが発生することはない。しかも、タ
イヤTの左右のビード部72,73内に配置されている
ビードワイヤやそのビードワイヤに両端を巻き付け固定
されているカーカスコード(図示せず)が位置ずれした
りすることが阻止される。これは、高品質なタイヤを加
硫する上で、有効である。
【0043】ブラダ52がタイヤTのビード部72,7
3を除く内面に密着された状態に達すると、図1及び図
12の状態へ移行する。すなわち、先ずシリンダ29,
38のピストンロッド29a,38aが同時に没入さ
れ、ガイドリング30,40が互いに離間した退避位置
へ移動する。これに伴い、各クランプ31,41がタイ
ヤTの外側に対応する開放位置へ回動される。これによ
り、ブラダ52はタイヤTのビード部72,73の内面
にも確実に密着されるように膨張される。このとき、シ
リンダ29,38のピストンロッド29a,38aの没
入と同時に、クランプ筒46に固定されたシリンダ53
のピストンロッド53aが突出されて、センターポスト
54が左ガイドリング40と同方向へ一体的に移動さ
れ、収納体59がタイヤTの軸線方向における中間部に
配置されるとともに、回転軸71の先端が保持部材67
に支持されているベベルギア69とスプライン結合され
る。この際、センターポスト54の大径部54aがスト
ッパー74のローラ45に係合することにより、ストッ
パー74の先端が右ブラダガイド筒28の凹部28aに
係合される。この結果、ブラダクランプ筒46は右ブラ
ダガイド筒28に対し、位置決め固定される。
【0044】その後、図1、図7及び図8に示すよう
に、モーター70の駆動により、回転軸71及びベベル
ギア69,61を介して回転筒60が回転されて、ドレ
ン吸入管65が収納体59内から下方へ突出される。こ
れにより、ドレン吸入管65の下端の吸入口がタイヤT
のトレッド部の内周面の下端近傍に位置する。
【0045】スチームの供給時、ブラダ52内外の温度
差等に起因して、ブラダ52内に供給されたスチームは
ドレン化し、このドレンはブラダ52内において最も低
い部位、すなわちタイヤTのトレッド部の下部に対応す
る部位に集中的に溜まる。しかし、その溜まったドレン
は、ブラダ52内の高い圧力と外部の大気圧との差によ
り、図示しないバルブの開放に伴い、ドレン吸入管65
及びセンターポスト54のドレン排出通路64を介して
外部へ排出される。尚、バルブの開閉は、例えば図示し
ないタイマにより計測される数分毎に、バルブを数秒間
開放させるといった制御がなされる。また、ドレン吸入
管65の下端近傍に図示しない温度センサを配置し、そ
の温度センサによるドレンの温度検出に基づいて、ドレ
ンの温度が所定温度以下に低下した場合に、バルブを開
放させるようにしてもよい。
【0046】そして、このように、ブラダ52内に溜ま
るドレンを適宜排出することにより、そのドレンが溜ま
る部位において、タイヤTの加熱温度がそれ以外の部位
と比較して低くなるというおそれはなく、よってタイヤ
T全体の均一な加熱を確実に行うことができる。従っ
て、本実施の形態のように、タイヤTが直立状態で装着
されて、ドレンがタイヤTのトレッド部の下部の狭い範
囲に集中的に溜まる加硫機を採用しても、ドレンによる
悪影響を確実に排除できる。また、逆に、ドレンがタイ
ヤTのトレッド部の下部に集中的に溜まるので、タイヤ
が水平状態で装着されて、ドレンがタイヤの下側サイド
ウオール部の広い範囲にわたって分散されてしまう加硫
機と比較して、ドレン吸入管65によるドレンの排出を
容易に且つ確実に行うことができる。加えて、ブラダ5
2内に供給されるスチームは回転体55の回転により攪
拌されて温度が均一化されるので、タイヤT全体の均一
な加熱をより確実に行うことができる。これらの結果、
タイヤT全体を均一に加硫することができ、高品質なタ
イヤTを得ることができる。
【0047】タイヤTの加硫が完了すると図12の状態
から図13の状態へ移行する。すなわち、ブラダ52内
のスチームが排出された後、モーター70の駆動によ
り、吸入管65が上昇して収納体59内に収納される。
その後、シリンダ53のピストンロッド53aの没入に
より、センターポスト54が右方へ移動され、ブラダ5
2の左端周縁部が右端周縁部に接近される。このとき、
センターポスト54の大径部54aがストッパ74のロ
ーラ45から離間することにより、ストッパ74は、右
ブラダガイド筒28の凹部28aから離間する。これに
より、ブラダクランプ筒46のブラダガイド筒28に対
する位置決め固定は解除される。そして、シリンダ47
のピストンロッド47aが没入されて、ブラダクランプ
筒46がセンターポスト54とともに後退する。これに
より、ブラダ52がタイヤTの内面からはがされてタイ
ヤT外へ退避され、右ブラダガイド筒28内に2つ折り
にされた状態で、コンパクトに収納される。従って、ク
ランプ筒46の移動ストロークを極力小さくすることが
でき、加硫機を小型化できる。また、収納状態のブラダ
52には張力が作用しないので、ブラダ52の劣化を抑
制して、その長寿命化を図れる。
【0048】続いて、左右のガイドリング30,40が
退避位置からガイド位置へ移動する。このガイドリング
30,40のガイド位置への移動に伴い、クランプ3
1,41が挟持位置へ回動されて、ビードリング19,
27との間で加硫が完了したタイヤTのビード部72,
73が挟持される。次に、移動フレーム20が左方へ移
動されるとともに、その移動量の半分だけシリンダ4
2,44のピストンロッド42a,44aが突出され
る。この結果、左サイド部用金型23が右サイド部用金
型15から離間されるとともに、左右のトレッド部用金
型16,24の接合状態が保持された状態で、それらト
レッド部用金型16,24とサイド部用金型15,23
とがそれぞれ離間される。
【0049】また、前記移動フレーム20の移動に伴
い、左ビードリング27及び左クランプ41は左サイド
部用金型23とともに一体的に移動され、右ビードリン
グ19及び右クランプ31から離間される。このため、
それらビードリング19,27とクランプ31,41と
の間に挟持された状態のタイヤTの左右のビード部7
2,73も互いに離間され、その離間に伴いタイヤTの
トレッド部の径が縮径される。
【0050】また、移動フレーム20の移動開始とほぼ
同時に押圧シリンダ85が作動されて、そのピストンロ
ッド85aがトレッド部用金型16,24の内周側へ突
出される。すると、このピストンロッド85aによりタ
イヤTのトレッド部の外周が押圧されて、内方へ撓み変
形される。この結果、図13に示すように、トレッド部
の外周がトレッド部用金型16,24から完全に離脱さ
れる。この状態で図14に示すように、シリンダ42,
44によりトレッド部用金型16,24がサイド部用金
型15,23と接合する位置に再び配置される。このと
き、タイヤTのトレッド部の外周がトレッド部用金型1
6,24から完全に離脱されているので、加硫によって
トレッド部上に溝が形成されても、トレッド部用金型1
6,24はその溝に引っかかったりすることなくタイヤ
Tからスムーズに離脱される。
【0051】図14の状態から図15に示す状態へ移行
すると、搬送装置86がタイヤTを搬出するために金型
14,22間に進入する。そして、搬送装置86がタイ
ヤTを支承した後、図16に示すように、左右のクラン
プ31,41が開放位置へ回動されるとともに、ビード
リング19,27がそれぞれサイド部用金型15,23
の内周縁部に対応する位置に移動される。その後、搬送
装置86がタイヤTを機外へ搬出し、一連の加硫作業が
完了する。 本実施の形態では、タイヤTの内腔に挿入
されたブラダ52の両端側を一対のガイドリング30,
40により外面からガイドした状態で、ブラダ52内へ
の熱圧媒体の供給が開始される。この場合、両ガイドリ
ング30,40は同径でかつタイヤTと同心円上に配置
され、しかもタイヤTの軸線方向の中間部において互い
に近接して配置されている。このため、ブラダ52は熱
圧媒体の供給に伴い、タイヤTの軸線方向において確実
に対称的に膨張される。この結果、タイヤTに作用する
応力がタイヤTの左側と右側とで同じになるため、例え
ばタイヤTの左右のサイドウオール部の肉厚が異なる等
の問題が生じることはなく、高品質なタイヤを得ること
ができる。
【0052】また、ブラダ52内に熱圧媒体が供給され
てその膨張が終了する直前、つまりブラダ52がタイヤ
Tの左右のビード部72,73の内面に密着される直前
に、両ガイドリング30,40がガイド位置から互いに
離間した退避位置に移動される。そして、この退避位置
への移動に伴い、クランプ31,41がタイヤTの外側
に対応する開放位置へ回動される。これにより、ブラダ
52はガイドリング30,40やクランプ31,41と
干渉することなく、タイヤTの両ビード部72,73の
内面にまで確実に密着される。更に、プラダクランプ筒
46とクランプ板51、及びブラダ保持部材67から構
成される一対の保持手段の移動により、ブラダ52はタ
イヤT内へ挿入されるとともに、タイヤT外へ退避され
る。このとき、ブラダ52の両周縁部をそれぞれ保持す
る一対の保持手段が同方向へ移動されることにより、ブ
ラダ52は2つ折りのコンパクトな状態でタイヤT外へ
退避できるとともに、ブラダ52の退避状態で同ブラダ
52に引っ張りの応力が作用しなくて、ブラダ52の長
寿命化を図れる。また、クランプ筒46の移動ストロー
クを極力小さくして、加硫機を小型化することができ
る。
【0053】また、タイヤT加硫時には、ドレン排出手
段の収納体59をタイヤTの内側に対応する位置に移動
させた状態で、吸入管65を突出させる。その結果、吸
入管65によりブラダ52内に溜まったドレンを確実に
吸入して外部に排出できる。加硫が終了された場合に
は、吸入管65を没入させて収納体59内に収納した状
態で、同収納体59をタイヤT外に退避した位置に容易
に移動させることができ、収納体59の退避時に吸入管
65が他の部分に干渉したりするおそれはない。
【0054】また、タイヤTが金型14,22内に直立
状態で装着され、ドレンがタイヤTのトレッド部の下部
の狭い範囲に集中的に溜まっても、吸入管65の吸入口
を、タイヤTのトレッド部の内周面の下端近傍に位置さ
せれば、溜まったドレンを能率良く確実に排出できる。
尚、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形改
良が可能である。例えば、移動フレーム20やブラダク
ランプ筒46等の移動する部材の移動手段をシリンダか
らモーターへ変更することができる。また、吸入管65
の突出量を調整できるように構成すれば、吸入管65の
吸入口をドレン吸入のための最適位置に容易に配置で
き、ドレンの排出がより確実となる。
【0055】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明によれば、
次のような効果を奏する。請求項1の発明によれば、
ブラダをタイヤのトレッド部の軸線方向において中央
内面から密着させ、対称的に膨張させることができ、高
品質なタイヤを得ることができる。
【0056】請求項2の発明によれば、ガイド部材の退
避位置への移動により、ブラダはガイド部材と干渉する
ことなく、タイヤのビード部の内面にまで確実に密着さ
れる。
【0057】請求項3の発明によれば、タイヤが金型内
における所定位置に確実に位置決め固定されるので、高
品質なタイヤを加硫することができる。請求項4の発明
によれば、ブラダを2つ折りのコンパクトな状態でタイ
ヤ外へ退避させることができるため、加硫機を小型化す
ることができる。また、退避状態のブラダに張力が作用
しないので、ブラダの劣化を抑制して、その長寿命化を
図れる。
【0058】請求項5の発明によれば、ドレン排出手段
の収納体に吸入管を収納した状態で、同収納体をタイヤ
外へ退避させることができるため、その退避時に吸入管
が他の部分に干渉したりするおそれはない。
【0059】請求項6の発明によれば、吸入管の吸入口
をタイヤのトレッド部の内周面の下端近傍に位置するこ
とができ、ドレンの排出を能率良く確実に行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を具体化したタイヤ加硫機の側断面
図。
【図2】 金型が開放された状態を示す断面図。
【図3】 ガイドリング及びクランプを示す部分拡大断
面図。
【図4】 ガイドリング及びクランプの作動状態を示す
部分拡大断面図。
【図5】 図3の5−5線における断面図。
【図6】 図3の6−6線における断面図。
【図7】 センターポストの先端部分の構成を示す要部
拡大断面図。
【図8】 図7の8−8線における断面図。
【図9】 タイヤ加硫機の動作を順に示す要部断面図。
【図10】 タイヤ加硫機の動作を順に示す要部断面
図。
【図11】 タイヤ加硫機の動作を順に示す要部断面
図。
【図12】 タイヤ加硫機の動作を順に示す要部断面
図。
【図13】 タイヤ加硫機の動作を順に示す要部断面
図。
【図14】 タイヤ加硫機の動作を順に示す要部断面
図。
【図15】 タイヤ加硫機の動作を順に示す要部断面
図。
【図16】 タイヤ加硫機の動作を順に示す要部断面
図。
【図17】 従来の加硫機におけるブラダの膨張を順に
示す断面図。
【符号の説明】
14…右金型、19…挟持手段を構成するビード支持体
としての右ビードリング、22…左金型、27…挟持手
段を構成するビード支持体としての左ビードリング、2
9…移動手段としてのシリンダ、30…ガイド部材とし
ての右ガイドリング、31…挟持手段を構成する挟持体
としての右クランプ、33…作動手段を構成するピン、
36…作動手段を構成するカム溝、38…移動手段とし
てのシリンダ、40…ガイド部材としての左ガイドリン
グ、41…挟持手段を構成する挟持体としての左クラン
プ、46…ブラダ保持手段を構成するブラダクランプ
筒、51…ブラダ保持手段を構成するクランプ板、52
…ブラダ、59…ドレン排出手段を構成する収納体、6
4…ドレン排出手段を構成するドレン排出通路、65…
ドレン排出手段を構成するドレン吸入管、67…ブラダ
保持手段を構成するブラダ保持部材、T…タイヤ。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型内に装着されたタイヤの内腔にブラ
    ダを挿入し、そのブラダ内に熱圧媒体を供給することに
    より、ブラダを膨張させてタイヤの内面に密着させてタ
    イヤの加硫を行うタイヤ加硫機において、 前記タイヤの内腔に挿入されたブラダの両端側を外面か
    らガイドし、ブラダが先ずタイヤのトレッド部の中央内
    面から密着するように膨張させるためのリング状の一対
    のガイド部材を設け、両ガイド部材を同径に形成すると
    ともにタイヤと同心円上に配置し、ブラダ内への熱圧媒
    体の供給開始時には、両ガイド部材をタイヤの軸線方向
    の中間部において互いに近接したガイド位置に配置した
    タイヤ加硫機。
  2. 【請求項2】 前記両ガイド部材はタイヤの軸線方向に
    沿って移動可能であり、ブラダの膨張終了直前に各ガイ
    ド部材を前記ガイド位置から互いに離間した退避位置に
    移動させる移動手段を設けた請求項1に記載のタイヤ加
    硫機。
  3. 【請求項3】 タイヤの一対のビード部をそれぞれ挟持
    する一対の挟持手段を設け、各挟持手段は、タイヤのビ
    ード部を外面側から支持するビード支持体と、そのビー
    ド支持体との間でビード部を挟持する挟持体と、前記ガ
    イド部材のガイド位置への移動に伴い挟持体をタイヤの
    内側に対応する挟持位置へ移動させ、ガイド部材の退避
    位置への移動に伴い挟持体をタイヤの外側に対応する開
    放位置へ移動させる作動手段とを含む請求項2に記載の
    タイヤ加硫機。
  4. 【請求項4】 ブラダの両端周縁部をそれぞれ保持する
    一対の保持手段をタイヤの軸線方向に沿って移動可能に
    設け、両保持手段は、ブラダをタイヤ内に挿入させる位
    置と、タイヤ外へ退避させる位置との間で同方向へ移動
    可能である請求項1〜3の何れかに記載のタイヤ加硫
    機。
  5. 【請求項5】 熱圧媒体の供給に伴ってブラダ内に溜ま
    るドレンを外部へ排出するためのドレン排出手段を設
    け、そのドレン排出手段は、タイヤの内側に対応する位
    置とタイヤ外に退避した位置との間で移動可能な収納体
    と、その収納体に出没可能に支持された吸入管と、その
    吸入管を出没動作させる動力源とを含む請求項1〜4の
    何れかに記載のタイヤ加硫機。
  6. 【請求項6】 前記金型はタイヤを直立状態で装着可能
    なように配置され、前記ドレン排出手段の吸入管は、そ
    の先端の吸入口がタイヤのトレッド部の内周面の下端近
    傍に位置するように、下方へ向かって突出される請求項
    5に記載のタイヤ加硫機。
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