JP6450269B2 - 摩擦伝動ベルトの製造方法 - Google Patents

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本発明は、摩擦伝動面が繊維部材(編布など)で被覆され、伝達性能に優れ、静音性(又は耐発音性)が改善された摩擦伝動ベルト(Vリブドベルトなど)の製造方法に関する。
近年、摩擦伝動ベルトにおいて、優れた静音性(乾燥時(ドライ)及び湿潤時(被水時、ウェット)の静音性)に対する要求が高まっている。具体的には、自動車エンジン補機駆動に用いられるVリブドベルトの場合、摩擦伝動面内の摩擦係数のバラツキを小さくし、安定的に乾燥(ドライ)状態と湿潤(ウェット)状態における摩擦伝動面の摩擦係数の差を小さくして、耐発音性を向上できるVリブドベルトに対する要求が高まっている。このような要求に対して、摩擦伝動面を繊維部材(編布など)で被覆する方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、リブの表面を帆布(織布、編布)からなる繊維部材で被覆したVリブドベルトが開示されている。ここでは、リブを構成するゴム組成物(圧縮層用ゴム)が、繊維部材(編布、平編み)の編み目を透過して繊維部材の表面へ多く滲み出して、摩擦伝動面の大部分をこのゴム組成物が占めると、注水時の耐発音性が劣ることが記載されている。また、Vリブドベルトの製造方法として、外周面に可撓性ジャケットを装着した内型と、内周面に複数のリブ型を刻設した外型とを用いて、可撓性ジャケットを外型の内周面(リブ型)に向かって膨張させて成形体(繊維部材、圧縮層用シート)をリブ型に圧入し、加硫(例えば160℃、30分)を行なうことが開示されている。
また、特許文献2には、圧縮層を形成するゴム組成物の流動性を小さくして、繊維部材の大部分が圧縮層内部に取り込まれるのを防止するため、加硫工程において、加硫温度未満の温度で予備加熱した後、加硫するのが好ましいことが記載されている。具体的には、上記特許文献1の製造方法において、可撓性ジャケットを膨張させた後の加硫パターンとして、第一ステップ(低温60〜120℃×2〜20分、予備加熱)と第二ステップ(高温150〜200℃、本加硫)の二つの温度ステップを設ければよいとされている。この方法は、繊維部材の表面に圧縮層のゴム組成物が滲み出すのを抑制する方法としても利用できることが示唆されている。
また、特許文献3には、上記特許文献1の製造方法において、圧縮層の予備成形を行なうことが記載されている。具体的には、先ず、内型に巻き付けた圧縮層を、可撓性ジャケットによって外型の内周面(リブ型)に向かって膨張させて、リブ型に圧入し、半加硫状態の予備成形体を作製する。この加熱による予備成形は、圧縮層用ゴム組成物が加硫しない程度(半加硫)の状態にして成形性を向上させるために行われ、そのため、加熱温度は、60〜130℃ の範囲であり、加熱時間は30秒〜4分程度であるとされている。この方法は、繊維部材の表面に圧縮層のゴム組成物が滲み出すのを抑制する方法としても利用できることが示唆されている。
特開2013−213576号公報 特開2014−111981号公報 特許4256204号
上述したように、摩擦伝動面が繊維部材(編布など)で被覆された摩擦伝動ベルト(Vリブドベルトなど)において、繊維部材の表面に圧縮層のゴム組成物が滲み出していることは、耐発音性の観点上好ましくない。摩擦伝動面内の摩擦係数のバラツキを生じさせる、乾燥(ドライ)状態と湿潤(ウェット)状態における摩擦伝動面の摩擦係数の差が大きくなる、等の理由により、耐発音性が劣ることにつながるからである。
そこで昨今は、繊維部材の表面に圧縮層のゴム組成物が滲み出さない摩擦伝動ベルトの製造方法として、特許文献1に記載の製造方法を基にして種々の詳細条件(後述の加硫パターン等)が検討されている。まず、上記特許文献2に記載の、可撓性ジャケットを膨張させた後の加硫パターンとして二つの温度ステップを設ける方法を取り込むことが好ましい。
しかし、加硫初期段階、例えば、第二ステップ(高温、本加硫)立ち上がりで、圧縮ゴム層の未加硫ゴム粘度が最も低下するため(ゴムの流動性が最も増すため)、可撓性ジャケットの内部圧力の影響を受けて、繊維部材の表面に圧縮層のゴム組成物が滲み出す虞がある。
また、例えば、金型の溝(リブ溝)への型付けが必要なVリブドベルトの場合、第一ステップ(低温、予備加熱)での可撓性ジャケットの内部圧力が過度に低いと押圧不足により型付け状態が不十分となるため、加硫後のベルトにおいては、例えばリブ山部がベアやポーラスとなり不合格品となる虞がある。このため、第一ステップ(低温、予備加熱)での可撓性ジャケットの内部圧力は、押圧不足とならないようある程度安全率を見込んだ高めの圧力に設定する必要がある。しかし、可撓性ジャケットの内部圧力を高めの圧力に設定すると、繊維部材の表面に圧縮層のゴム組成物が透過されやすくなり、繊維部材の表面に圧縮層のゴム組成物が滲み出す虞がある。
上記問題を解決するために、第一ステップ(低温、予備加熱)途中で、可撓性ジャケットの内部圧力の水準を一段低めの水準へ下げることが考えられるが、前述のように内部圧力が過度に低いと押圧不足によるベアやポーラス不良となるので、内部圧力の下げ幅の自由度は実質的に小さく、また切り替えのタイミングや温度ステップとの兼ね合い等の問題もあり、上記圧縮層のゴム組成物の滲み出しを防止する効果は顕著なものではなかった。
また、ベルト加硫機における圧力は、通常、圧力センサと電磁弁(バルブ)とを含む制御により、所定圧力値どおり一定になるように維持されている(仮に、圧力が低下しても即座にエアが再供給される)。当該可撓性ジャケットの内部圧力に関しても、同様である。それゆえに、可撓性ジャケットの内部圧力は、終始、所定圧力値どおり一定になるように維持されるので、型付けの進行に伴い可撓性ジャケットの内部容積が増加しても可撓性ジャケットの内部圧力が減圧しないように制御される。このため、上記加硫パターンを駆使しても、ベルトの構成(特には、繊維部材の構成)によっては、繊維部材の表面に圧縮層のゴム組成物がわずかに滲み出すことがある。
また、上記特許文献3に記載の、半加硫状態の予備成形体を作製する方法では、余分な工程(半加硫ステップ)を設けることになり、製造上の負荷が増し、コストアップにつながる。
そこで、本発明の目的は、製造上の負荷を増大させることなく、静音性(又は耐発音性)が改善された摩擦伝動ベルトの製造方法を提供することにある。
本発明は、摩擦伝動面が繊維部材である摩擦伝動ベルトの製造方法であって、
外周面に可撓性ジャケットを備えた内型に、未加硫ゴムシート、及び、前記繊維部材を含むベルト部材を巻き付け、加硫対象となるスリーブを形成するスリーブ形成工程と、
外型内に、前記スリーブが巻き付けられた前記内型を挿嵌した後、前記可撓性ジャケットを圧力媒体により膨張させて前記スリーブを前記外型の内周面に押圧する押圧工程と、
押圧工程後、加熱手段により前記スリーブを加硫する、加硫工程とを含み、
前記押圧工程において、前記可撓性ジャケットの内部圧力が所定圧力に達した時点で前記圧力媒体の供給を遮断し、前記圧力媒体を前記可撓性ジャケットの内部空間に封入させた状態で前記スリーブを前記外型の内周面に押圧させることを特徴としている。
上記構成によれば、押圧工程において、可撓性ジャケットの内部圧力によりスリーブは、外型の内周面側に押圧された状態で変形する。更に、加硫工程において、加熱手段によりスリーブに対する加硫が始まると、軟化したスリーブは、可撓性ジャケットの内部圧力により外型の内周面側に押圧された状態で更に変形する。このスリーブの更なる変形に伴い可撓性ジャケットの内部容積が増加すると、加硫初期段階(スリーブに対する予備加熱の段階)で、可撓性ジャケット内部の温度が変化していない間は、すでに圧力媒体の供給が完全に遮断され圧力媒体が封入状態となっている可撓性ジャケットの内部圧力は減少する(ボイル・シャルルの法則)。すなわち、可撓性ジャケットが所定圧力でスリーブを外型の内周面側に押圧した状態で加硫を始めると、自動的に可撓性ジャケットの内部圧力を、所定圧力より減圧することができる。
これにより、可撓性ジャケットの内部圧力が圧力制御装置等により一定の圧力値に維持される場合と比べて、繊維部材の表面(摩擦伝動面)にゴムが滲出するのを抑制することができる。
また、製造方法の観点から、繊維部材の表面へのゴムの滲み出しを抑制できるものであるので、繊維部材の仕様検討(例えば、編布の場合、嵩高性に係る構成)の自由度を高めることができる。
また、繊維部材の表面にゴムが滲み出していないので、摩擦伝動ベルトの静音性(耐発音性)を向上させることができる。
また、可撓性ジャケットの内部圧力が所定圧力に達した時点で圧力媒体の供給を完全に遮断しているため、圧力媒体の供給を最小限に抑制でき、製造上の負荷を軽減できる。
また、本発明は、上記摩擦伝動ベルトの製造方法において、前記加熱手段が、加硫缶であることを特徴としている。
上記構成によれば、スリーブの加硫に際し、旧来のベルト加硫装置である加硫缶を利用して、内型及び外型を加硫缶に投入することにより加硫できるので、加熱用ジャケット付き金型を加硫機として用いる場合と比べて、金型費や開発納期等、製造上の負荷を軽減できる。
また、本発明は、上記摩擦伝動ベルトの製造方法において、前記繊維部材が編布であり、前記外型の内周面に、複数の溝が形成された溝形成面が設けられていることを特徴としている。
上記構成によれば、加硫工程において、摩擦伝動ベルトの摩擦伝動面になるスリーブの表面に、外型の内周面に設けられた複数の溝に対応する複数の凸部を形成することができる。
また、摩擦伝動ベルトの摩擦伝動面になるスリーブの表面に、ゴムが透過されやすい編布を使用した場合でも、上記加硫工程を経ることにより、編布の表面へのゴムの滲み出しを抑制することができる。
製造上の負荷を増大させることなく、静音性(又は耐発音性)が改善された摩擦伝動ベルトの製造方法を提供することができる。
本実施形態に係るVリブドベルトの概略説明図である。 本実施形態に係るVリブドベルトの製造方法の説明図である。 本実施形態に係るVリブドベルトの製造方法の説明図である。 本実施形態に係るVリブドベルトの製造方法の説明図である。 本実施形態に係るVリブドベルトの製造方法の説明図である。 本実施形態に係るVリブドベルトの製造方法の説明図である。 本実施形態に係るVリブドベルトの製造方法の説明図である。 本実施形態に係るVリブドベルトの製造方法の説明図である。 本実施形態に係るVリブドベルトの製造方法の説明図である。 本実施形態に係るVリブドベルトの製造方法の説明図である。 比較例1に係る加硫パターンIの測定結果である。 実施例1及び実施例2に係る加硫パターンIIの測定結果である。 実施例1に係る加硫パターンIIの測定結果である。 実施例1に係る加硫パターンIIの加硫初期段階の測定結果である。 実施例1に係る加硫パターンIIの加硫初期段階の測定結果の説明図である。 (A)摩擦係数測定試験における通常走行時(DRY)の試験機レイアウトの説明図である。(B)摩擦係数測定試験における注水走行時(WET)の試験機レイアウトの説明図である。 発音限界角度試験における試験機レイアウトの説明図である。
(実施形態)
以下、図面を参照しつつ、本願発明に係る摩擦伝動ベルトの製造方法について説明する。
製造対象物は、摩擦伝動面が繊維部材で被覆された摩擦伝動ベルトであり、例えば、Vリブドベルト、平ベルト、Vベルトなどが挙げられる。なお、本実施形態では、製造対象物としてVリブドベルト1を例に挙げて説明する。Vリブドベルト1は、エンジン補機駆動システムなどの動力伝動システムにおいて、駆動プーリと従動プーリ等複数のプーリ間に巻き掛けられて使用される。
(Vリブドベルト1の構成)
本実施形態で製造対象物となるVリブドベルト1は、図1の断面図に示すように、Vリブドベルト1の背面1Aを形成する伸張層11と、伸張層11の一方面に設けられ、Vリブドベルト1の周長方向Mに沿って互いに平行して延びる複数のリブ13を有する圧縮層12と、伸張層11と圧縮層12との間にVリブドベルト1の周長方向Mに沿って埋設される心線14と、リブ13の表面を被覆する繊維部材15とを備えている。Vリブドベルト1では、繊維部材15で被覆されたリブ13の表面が、駆動プーリや従動プーリ等のプーリ外周面と接触する摩擦伝動面になる。
なお、必要に応じて圧縮層12と伸張層11との間に接着層を設けてもよい。接着層は心線14と伸張層11及び圧縮層12との接着性を向上させる目的で設けられるものであるが、必須のものではない。接着層を設ける形態としては、心線14を埋設する形態でもよく、圧縮層12と接着層又は接着層と伸張層11との間に心線14を埋設する形態であってもよい。
(伸張層11及び圧縮層12)
伸張層11及び圧縮層12に用いられる未加硫ゴムシートとしては、加硫又は架橋可能なゴム、例えば、ミラブルウレタンゴム、クロロプレンゴム、エチレン・プロピレンジエンモノマー、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、天然ゴムなどのゴム成分を含むゴム組成物から構成されていればよく、さらに繊維補強(短繊維等を含む)が施されていてもよい。
また、伸張層11及び圧縮層12は、加硫剤又は架橋剤(特に有機過酸化物)や加硫促進剤や共架橋剤(架橋助剤、又は共加硫剤)を含んでいてもよい。また、伸張層11及び圧縮層12は、必要に応じて、慣用の添加剤、例えば、加硫助剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、補強剤(カーボンブラック、含水シリカなどの酸化ケイ素など)、充填剤(クレー、炭酸カルシウム、タルク、マイカなど)、金属酸化物(例えば、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化鉄、酸化銅、酸化チタン、酸化アルミニウムなど)、可塑剤(パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、プロセスオイルなどのオイル類など)、加工剤又は加工助剤(ステアリン酸、ステアリン酸金属塩、ワックス、パラフィン、脂肪酸アマイドなど)、老化防止剤(酸化防止剤、熱老化防止剤、屈曲き裂防止剤、オゾン劣化防止剤など)、着色剤、粘着付与剤、カップリング剤(シランカップリング剤など)、安定剤(紫外線吸収剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、熱安定剤など)、潤滑剤(グラファイト、二硫化モリブデン、超高分子量ポリエチレンなど)、難燃剤、帯電防止剤などを含んでいてもよい。なお、金属酸化物は架橋剤として作用してもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの添加剤の割合は、種類に応じて慣用の範囲から選択できる。
(心線14)
心線14としては特に限定されず、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維などのポリエステル繊維、6ナイロン繊維、66ナイロン繊維、46ナイロン繊維などの脂肪族ポリアミド繊維(ナイロン繊維)、コポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維などの芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)、ポリアリレート繊維、ガラス繊維、カーボン繊維、PBO繊維などで形成されたコードを用いることができる。これらの繊維は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの繊維は可撓性ジャケットの膨張率に応じて適宜選択される。
(繊維部材15)
繊維部材15は、圧縮層12に形成されたリブ13の表面を被覆するように配置されている。この繊維部材15は、編布からなり、例えば、ポリエステル系複合糸とセルロース系天然紡績糸(例えば綿糸)とで編成されたもの、あるいは、ポリウレタン繊維をセルロース繊維でカバリングした複合糸で編成されたものが挙げられる。また、繊維部材15には、圧縮層12との接着性を向上させる目的で接着処理を施すのが好ましい。このような接着処理としては、例えば、伸張層11及び圧縮層12と同様のゴム組成物を有機溶媒に溶かしてゴム糊とし、このゴム糊に繊維部材15を浸漬処理する方法が挙げられる。
(Vリブドベルト1の製造方法)
次に、Vリブドベルト1の製造方法について説明する。
Vリブドベルト1の製造方法として、加硫成形により製造する方法を以下に説明する。この製造方法で使用する組み型(内型20、外型30)、加熱手段について説明する。
(組み型)
まず、組み型を構成する内型20について説明する。内型20は、図2に示すように、円筒状のドラム21の外周面にブラダ22(可撓性ジャケットに相当)を備えた構成をしている。内型20のドラム21上面には、搬送チャック穴部24にエア配管接続用カプラ25が装着された天板23が配置されている。エア配管接続用カプラ25としては、オートジョイントタイプのソケット(流体用継手)が好ましい。なお、後述する実施例では、コスメック社製(型番JLS020・H・MO)のエア配管接続用カプラ25を使用している。
ブラダ22は、外部から圧力媒体の供給を受けて圧力を蓄圧可能な可撓性を有する蓄圧器である。ドラム21には、ブラダ22とドラム21の内周面とを連通する通気孔27が設けられている。そして、通気孔27は、連結管26によってエア配管接続用カプラ25と連結されている。これにより、エア配管接続用カプラ25に与圧装置29の与圧ノズルが挿入され、ブラダ22に圧力媒体が供給される。なお、連結管26には、MAX150℃程度の環境下で連続使用可能なものを使用している。後述する実施例では、テフロン(登録商標)チューブ(フッ素樹脂製)を使用している。
ブラダ22の内部には、内部圧力監視用の圧力センサが設けられている(図示せず)。なお、後述する実施例では、バルコム社製(型番VPRQ・A2−0.1〜2.0MPa−W−4−5m、測定範囲―0.1〜2.0MPa)の圧力センサを使用している。また、ブラダ22の内部には、内部温度監視用の温度センサが設けられている。なお、後述する実施例では、オムロン社製(型番E52・CA6D、測定範囲0〜350℃)の温度センサを使用している。
次に、組み型の外型30について説明する。外型30は、図4に示すように、内型20のドラム21の外径よりも大きな内径を有する円筒状のドラム31、ドラム31を支持する敷き板32、及び、内型20をドラム31の内周側に嵌め込む際に案内する挿入ガイド33を備えた構成をしている。また、図示はしないが、外型30は、ドラム31の内周側に嵌め込まれた内型20と外型30とを固定する締結具(固定用ボルト)を備えている。
また、ドラム31の内周面には、環状の溝31aが複数形成された溝形成面が設けられている。
(加熱手段)
加熱手段としては、図6に示すように、外型30のドラム31の外周側に配置される、加熱用ジャケットを備えた加熱用ジャケット付金型40を使用する。本実施形態では、加熱用ジャケット付金型40を予め外型30に外嵌・締結している。
なお、加熱手段としては、上記加熱用ジャケット付金型40の他に、図7に示すように加硫缶140を使用してもよい。加硫缶140としては、直接的に蒸気を缶内に吹き込むタイプの加硫缶(直接加硫缶)が挙げられる(縦型でも横型でもよい)。また、本実施形態で使用する場合は、ブラダ22により加圧されるので、加硫缶140では缶内蒸気圧(外圧側蒸気)により加熱する作用があればよく、内型20の内周側には蒸気(内圧側蒸気)は供給されない。
(製造工程)
次に、Vリブドベルト1の製造方法の工程について説明する。
(スリーブ形成工程)
まず、図3に示すように、外周面にブラダ22を装着した内型20に、ベルト部材を巻き付ける。具体的には、外周面にブラダ22を装着した内型20に、未加硫の伸張層用シート11Sを巻きつけ、この上に心線14を螺旋状にスピニングし、更に未加硫の圧縮層用シート12S(未加硫ゴムシートに相当)と繊維部材15としての編布シート15Sとを順次巻き付けて、加硫対象となるスリーブ10を作製する(スリーブ形成工程)。
(挿嵌工程)
次に、図4に示すように、外型30の内周内に、スリーブ10を巻き付けた内型20を、外型30と内型20とが同心円状になるように挿入ガイド33に沿って挿嵌する。そして、締結具により内型20と外型30とを固定する。このとき、外型30の環状の溝31aが複数形成された溝形成面とスリーブ10の外周面との間には所定の隙間が設けられている。
(押圧工程)
次に、図5に示すように、与圧装置29から圧力媒体(エア)をブラダ22に供給しブラダ22を膨張させる(押圧工程)。このとき、ブラダ22の内部圧力が所定圧力に達した時点で、与圧装置29からの圧力媒体(エア)の供給を完全に遮断させて、圧力媒体(エア)がブラダ22の内部空間に封入された状態をつくる。これにより、スリーブ10は外型30の溝形成面に押し付けられた状態で保持される。この段階では、図5に示すように、型付されるスリーブ10は溝形成面の溝31aに完全には圧入されていない状態である(外型30の溝形成面とスリーブ10の外周面との間には隙間が残った状態)。なお、圧力媒体(エア)がブラダ22の内部空間に封入された状態は、以降の加硫及び冷却完了時点まで継続され、圧力媒体(エア)の排気(真空引き)操作によって解除される。
(加硫工程)
次に、図6に示すように、加熱用ジャケット付金型40の加熱用ジャケットに内部蒸気が加熱され、スリーブ10に対する加硫が始まる(加硫工程)。この加硫工程において、加熱用ジャケット付金型40による加熱によりスリーブ10に対する加硫が始まると、軟化したスリーブ10は、ブラダ22の内部圧力により外型30の溝形成面に押圧された状態で更に変形する。この段階では、図6に示すように、型付されるスリーブ10は溝形成面の溝31aに完全に圧入される(外型30の溝形成面とスリーブ10の外周面との間には隙間がない状態)。
ここで、上記加硫工程におけるスリーブ10の更なる変形に伴いブラダ22の内部容積が増加すると、加硫初期段階(スリーブ10に対する予備加熱の段階)で、ブラダ22の内部温度が変化していない間は、すでに圧力媒体の供給が完全に遮断され、圧力媒体が封入状態となっているブラダ22の内部圧力は減少する(ボイル・シャルルの法則)。すなわち、ブラダ22が所定圧力でスリーブ10を外型30の溝形成面側に押圧した状態で加硫(加熱)を始めると、自動的にブラダ22の内部圧力を、所定圧力より減圧することができる。これにより、ブラダ22の内部圧力が圧力制御装置等により一定の圧力値に維持される場合と比べて、繊維部材15の表面にゴムが滲出するのを抑制することができる(ゴムは、圧縮層用シート12Sのゴム組成物)。
なお、上記加硫工程において、加硫缶140を使用する場合は、図7に示すように、内型20及び外型30を加硫缶140の内部に投入し、缶内蒸気圧(外圧側蒸気)により加熱し、スリーブ10を加硫する。この際、内型20の内周側には蒸気(内圧側蒸気)は供給されない。加硫完了後、加硫缶140内の蒸気を完全に排気し大気圧を確認したあと、加硫缶140から内型20及び外型30を排出する。
(最終工程)
次に、図8に示すように、スリーブ10を冷却(水冷)する。そして、冷却完了後、図9に示すように、ブラダ22内部の圧力媒体(エア)の排気(真空引き)を行う。そして、図10に示すように、内型20を外型30より抜き取り、複数のリブ13を有する加硫済のスリーブ10を外型30より脱型した後、カッター等を用いてこの加硫済のスリーブ10をVリブドベルト長手方向Mに沿って所定の幅でカットしてVリブドベルト1を得る。
次に、従来の製造方法(ブラダの内部圧力が、所定圧力に維持されるよう制御)及びそれにより得たVリブドベルトを比較例1とし、上記製造方法の加硫工程において加熱用ジャケットを使用した場合及びそれにより得たVリブドベルトを実施例1とし、上記製造方法の加硫工程において加熱缶を使用した場合及びそれにより得たVリブドベルトを実施例2として、各製造方法を評価した。
実施例1、実施例2、及び、比較例1では、表1及び表2に記載した各例共通のベルト部材を使用してVリブドベルトを製造した。特に、製造方法による効果の違いをより明確にするため、繊維部材(編布)は、比較的滲み出し易いとされる編布構成とした(各例共通)。具体的には、編布組織を多層とせずに単層とした。
実施例1、実施例2、及び、比較例1のスリーブ10は、それぞれ、圧縮層12(厚み2.0mm)及び伸張層11(厚み0.8mm)を含むゴム層と、編布からなる被覆層(繊維部材15:厚み0.6mm)と、心線14(ポリエステル心線、直径1.0mm)とを有し、加硫前の段階で全厚4.3mm・幅400mm、加硫後の段階で全厚4.1mm・幅400mmであり、加硫後のベルト周長POCは1200mmである。
伸張層11用のゴム、圧縮層12用のゴム、及び、被覆層(繊維部材15)の接着処理用ゴムは、それぞれ実施例1、実施例2、及び、実施例3において同じ組成であり、材料及び配合比率は表2のとおりである。伸張層11及び圧縮層12については、表2に示す配合のゴムをバンバリーミキサ等の公知の方法を用いてゴム練りを行い、この練りゴムをカレンダーロールに通して所定厚みとした。被覆層(繊維部材15)については、表2に示す配合の接着処理用ゴムを有機溶媒に溶かしてゴム糊とし、当該ゴム糊に被覆層(繊維部材15)の編布を浸漬処理した。
被覆層(繊維部材15)を構成する編布は、実施例1、実施例2、及び、比較例1において同じであり、非セルロース系のポリウレタン樹脂(PU)の芯糸をセルロース系天然紡績糸の綿でカバリングした糸で編成し、編組織が緯編(天竺、単層)の編布を調製し、繊維部材として用いたものである。また、綿の編成比率を80質量%とし、嵩高性を2.2cm3/gとした。
(比較例1、実施例1、実施例2の製造方法)
次に、比較例1、実施例1、実施例2の製造方法の各工程について説明する。
(スリーブ形成工程)
図3に示すように、外周面にブラダ22を装着した内型20に、未加硫の伸張層用シート11Sを巻きつけ、この上に心線14を螺旋状にスピニングし、更に未加硫の圧縮層用シート12S(未加硫ゴムシートに相当)と繊維部材15としての編布15Sとを順次巻き付けて、加硫対象となるスリーブ10を作製した(スリーブ形成工程)。このスリーブ形成工程は比較例1、実施例1、実施例2において共通とした。
(挿嵌工程)
この後、図4に示すように、外型30の内周内に、スリーブ10を巻き付けた内型20を、外型30と内型20とが同心円状になるように挿入ガイド33に沿って挿嵌した。外型30の敷き板32に設けられている挿入ガイド33によって内型20の挿入が案内されることによって、外型30の溝形成面とスリーブ10の外周面との間には所定の間隙を均一に設けることができた。また、内型20と外型30とが位置ずれしないように、内型20と外型30とを締結具(ボルト等)で締結した。この挿嵌工程は比較例1、実施例1、実施例2において共通とした。
(押圧工程)
次に、図5に示すように、与圧装置29の与圧ノズル先端をエア配管接続用カプラ25(流体継手)に接続し(エア配管接続用カプラ25内の弁が開く)、ブラダ22内へエアの供給を開始した。
実施例1及び実施例2では、ブラダ22の内部圧力が、圧力センサの測定により所定圧力(1.2MPa)に達した時点で、電磁弁(バルブ)が閉まりエアの供給が停止された(自動)(この時点では完全に遮断されたとはいえない)。これと同時もしくは直後に、与圧装置29の与圧ノズルがエア配管接続用カプラ25から切り離され(エア配管接続用カプラ25内の弁が閉じる)、エアの供給が完全に遮断され、エア(圧力媒体)がブラダ22内部空間に封入された状態が得られた。このとき、スリーブ10は、まだ加熱されずに(約40℃)、ブラダ22の膨張によって外型30の溝形成面に押し付けられた状態で保持されている状態である。この段階では加熱されないので、ブラダ22の膨張率は95.8%(型付完了時点のブラダ22内部容積を100(膨張率100%)とした場合)に留まっていた(図13、図14、図15参照)。すなわち、型付されるスリーブ10は溝形成面の溝31aに完全には圧入されていない型付途上の状態であり、このときの溝31aにおいてスリーブ10が未充填部分の径方向長さ(リブ溝未充填部クリアランス)は、算出すると0.2mm(=4.7−4.5)であった。なお、エア(圧力媒体)がブラダ22の内部空間に封入された状態は、以降の加硫及び冷却完了時点まで継続され、エア(圧力媒体)のエア排気(真空引き)操作によって解除される。
一方、比較例1では、ブラダ22の内部圧力が、圧力センサの測定により所定圧力(1.2MPa)に達した時点で、電磁弁(バルブ)が閉まりエアの供給が停止されるが(自動)、その後、与圧装置29の与圧ノズルはエア配管接続用カプラ25に接続された状態で、ブラダ22の内部圧力が所定圧力に維持されるように管理制御される。
(加硫工程)
次に、比較例1及び実施例1では、図6に示す加熱用ジャケット付金型40による加硫、実施例2では、図7に示す加硫缶140による加硫を行った。
ここで、実施例1、実施例2、比較例1の加硫工程中のブラダ22の内部圧力、加熱手段の加熱温度を加硫パターンI(比較例1)、及び、加硫パターンII(実施例1、実施例2)として測定した。各加硫パターン(I、II)に共通する条件(固定条件)を、下記3つとした。
(1)押圧工程においてブラダ22を膨張させた後の加硫工程の加熱対応として、第一温度ステップ(低温60〜120℃×2〜20分、予備加熱)と、第二温度ステップ(高温150〜200℃、本加硫)を設けた。各温度ステップの水準、切替えタイミング等詳細条件も各例同じとした。
(2)ブラダ22内部圧力であって、二つの圧力ステップのうち高圧側に維持されるときの内部圧力(第一圧力ステップの圧力)(比較例1)、または、ブラダ22内へのエアの供給を遮断させてブラダ22内へエアを封入させたときの内部圧力(実施例1,2)であるPa1の水準を、1.2MPaに固定した。
(3)スリーブ10に関し、165℃で1分間加硫したときの累積加硫度を1とした場合に、累積加硫度30に達したときを加硫の終点とした(Ts2)。
比較例1に係る加硫パターンIを図11に示す。また、実施例1及び実施例2に係る加硫パターンIIを図12に示す。なお、実施例1について、ブラダ22内部温度、ブラダ内部圧力、及びブラダ膨張状態(内型〜ブラダ離間距離を計測してブラダ膨張率を算出)のデータを時系列に取った(図13、図14、図15参照)。
(最終工程)
最後に、比較例1、実施例1、実施例2では、図8に示すように、スリーブ10を冷却(水冷)した。そして、冷却完了後、図9に示すように、ブラダ22内部の圧力媒体(エア)の排気(真空引き)を行った。そして、図10に示すように、内型20を外型30より抜き取り、複数のリブ13を有する加硫済のスリーブ10を外型30より脱型した後、カッター等を用いてこの加硫済のスリーブ10をVリブドベルト長手方向Mに沿って所定の幅でカットしてVリブドベルト1を得た。
(加硫パターンI、及び、加硫パターンIIの評価)
上記測定により得られた加硫パターンI(比較例1)、及び、加硫パターンII(実施例1、実施例2)について説明する。
まず、図11〜図15で使用した記号について簡単に説明する。
Pa1:ブラダ22の内部圧力であって、二つの圧力ステップのうち高圧側に維持されるときの圧力(第一圧力ステップの圧力)(比較例1)、または、ブラダ22内へのエア供給を遮断させてブラダ22内へエアを封入させたときの圧力(実施例1,2)であり、1.2MPa(測定値)であった。
Pa2:ブラダ22の内部圧力であって、二つの圧力ステップのうち低圧側に維持されるときの圧力(第二圧力ステップの圧力)(比較例1)であり、1.0MPa(測定値)であった。
Pmin:ブラダ22の内部圧力であって、最低圧力、実質的には型付完了時点(ブラダ膨張率100%)での圧力である(実施例1,2)。実施例1,2とも、1.15MPa(測定値)であった。なお、このときの経過時間は9.5分であった。
Pmax:ブラダ22の内部圧力であって、最高圧力、実質的には加硫完了時点(Ts2)での圧力である(実施例1,2)。実施例1,2とも、約1.5MPa(測定値)であった。
T0:ブラダ22の内部温度であって、ブラダ22内へのエア供給を圧力Pa1で遮断させてブラダ22内にエアを封入させた時点(i)での温度である(実施例1,2)。実施例1,2とも、40℃(測定値)であった。
Tmax:ブラダ22の内部温度であって、最高温度、実質的には加硫完了時点(Ts2)での温度である(実施例1,2)。実施例1,2とも、約120℃(測定値)であった。
Ps1:加熱手段へ供給される蒸気の圧力であって、二つの温度ステップのうち低圧側に維持されるときの蒸気圧(第一温度ステップの蒸気圧)(各例共通)。各例共通0.1MPa→温度換算で約100℃。
Ps2:加熱手段へ供給される蒸気の圧力であって、二つの温度ステップのうち高圧側に維持されるときの蒸気圧(第二温度ステップの蒸気圧)(各例共通)。各例共通1.0MPa→温度換算で約180℃。
Ta0:ブラダ22内へエア供給を開始したとき。このときを経過時間0(分)とした。
Ta1:第一圧力ステップが終了したときの経過時間、かつ、第二圧力ステップの蒸気圧に減圧を開始したときの経過時間(比較例1:5分)。
Ta2:ブラダ22内部の真空引きを開始したときの経過時間(各例共通)。
Ts0:加熱手段に蒸気の供給を開始したときの経過時間(各例共通)。各例共通2(分)。
Ts1:温度ステップとしての、第一温度ステップ(低温、予備加熱)が終了し、第二温度ステップ(高温、本加硫)に要する蒸気の供給を開始したときの経過時間(各例共通)。各例共通7(分)。
Ts2:加硫の終点(累積加硫度が30※)に達したときの経過時間(分)(各例共通)。
※スリーブ10に関し、165℃で1分間加硫したときの累積加硫度を1とした場合に、累積加硫度30に達したときを加硫の終点とした(各例共通)。
図11に示した比較例1に係る加硫パターンIでは、ブラダ22内部圧力は、与圧装置29により、常時、設定した水準に維持、制御した。ブラダ22内部圧力に関しても2段のステップを組んだ(第一圧力ステップ、第二圧力ステップ)。ブラダ22内部圧力に関し、第一圧力ステップ(Pa1:1.2MPa)から第二圧力ステップ(Pa2:1.0MPa)への切り替え(Ta1:5分)は、高圧蒸気投入(Ts1:7分)よりも前(圧縮層を形成するゴム組成物の未加硫粘度が急激に下がるよりも前)に完了させた。
ブラダ22の内部圧力に関し、比較例1は2段ステップであるが、人為的にその圧力水準をいくら細かく多段階にステップ分けしたとしても、実施例1、実施例2のようにブラダ22の膨張のタイミングと同時に減圧することは難しいと考えられる。そのためか、比較例1のスリーブ10は、段階iiiにおける滲み出しは免れ易くなったものの、段階iiおけるスリーブ10の編布(繊維部材)への透過を抑制し難く、加硫後に得られたVリブドベルト1では滲み出しをわずかに許すことになった(表3参照)とも考察できる。
図12〜図15に示した実施例1・実施例2に係る加硫パターンIIの測定により以下のことがわかった。
(1)ブラダ22の内部温度に関し、エア封入時点の温度(T0:40℃)は、経過時間10分まで変化しなかった(図13参照)。ブラダ22内部空間が空気媒体(エア)ゆえ外部の熱源からの熱がブラダ22の内部空間に伝わりにくいためである。ちなみに、このとき(経過時間10分)の内型20の内周面の表面温度は43.7℃(測定値)であった。これにより、加硫初期段階、即ち、第一温度ステップ(低温、予備加熱)から第二温度ステップ(高温、本加硫)の立ち上がりにかけては、ブラダ22の内部温度がまだ上昇に転じていない段階である(T0:40℃のまま)、ことがわかった。
(2)加硫初期段階で、型付が完了された。具体的には、図13及び図14に示すように、第二温度ステップに要する蒸気の供給が開始されてから(Ts1から)2.5分後に、ブラダ膨張率が100%(型付完了)となった。加硫初期段階では、ブラダ22を膨張させた後の加熱手段による加熱(特に外型30側から)によって、外型30側のスリーブ10が段階的に昇温してその未加硫粘度が段階的に下がり、ブラダ22の押圧により内部容積が増加するためである。
(3)加硫初期段階では、前述のように、外型30側のスリーブ10は段階的に加温されても、内型20側のブラダ22の内部のエア(圧力媒体)は昇温しておらず、このブラダ22の内部温度が変化していない段階(i〜iii)では、ブラダ22の内部のエア(圧力媒体)は供給を完全に遮断されブラダ22の内部空間に封入されている状態なので、内部容積が増加すると同時に、ブラダ22の内部圧力は減少する(1.20→1.18→1.15MPa)、ことがわかった。なお、図13を参照し、Pmin(iii)〜Pmaxの間で、内部圧力が上昇に転じているのは、すでにブラダ22の内部容積は100%に達し以降は容積変化なく、第二温度ステップ(高温、本加硫)に入り、ブラダ22の内部温度も上昇に転じているからである(Tmax=約120℃)(ボイル・シャルルの法則:「PV/T=一定」より)。
なお、実施例2に関しては、実施例1と比べて加熱手段が異なるだけなので、加硫パターンは、加硫パターンIIと同じとなった。
(比較例1、実施例1、実施例2の製造方法により作製したVリブドベルトの評価)
次に、比較例1、実施例1、実施例2の各製造方法により作製したVリブドベルトの評価を行った。具体的には、各Vリブドベルトの編布(繊維部材:摩擦伝動面)からゴムが滲み出しているか否かを判定する滲出性試験、各Vリブドベルトの摩擦係数測定試験、及び、発音限界角度試験を行った。その評価結果を表3に示す。

(滲出性試験)
滲出性試験では、比較例1、実施例1、実施例2の製造直後のVリブドベルトの編布(繊維部材)の表面を目視で観察し、ゴムの滲出状態を評価した(ゴムは、圧縮層12のゴム組成物)。評価基準としては、ゴムの滲出が無い方が静音性(耐発音性)に優れることがわかっている。ゴムの滲出状態は、静音性(耐発音性)に優れると思われる順に、「無」、「わずかに有」、「有」、「全面ゴム」の4段階とした。その評価結果は、表3に示すように、比較例1では「わずかに有」、実施例1では「無」、実施例2でも「無」であった。
(摩擦係数測定試験)
摩擦係数測定試験に関して、乾燥(ドライ)状態での摩擦係数の測定では、図16(A)に示すように、直径121.6mmの駆動プーリ(Dr.)、直径76.2mmのアイドラープーリ(IDL.1)、直径61.0mmのアイドラープーリ(IDL.2)、直径76.2mmのアイドラープーリ(IDL.3)、直径77.0mmのアイドラープーリ(IDL.4)、直径121.6mmの従動プーリ(Dn.)を配置した試験機を用いて行なった。この試験機の各プーリにVリブドベルトを掛架し、通常走行時(DRY)においては、25℃の室温条件下で、駆動プーリ(Dr.)の回転数を400rpm、従動プーリ(Dn.)へのVリブドベルト巻き付け角度を20°とし、一定荷重(180N/6Rib)を付与してVリブドベルトを走行させ、従動プーリ(Dn.)のトルクを0〜最大20N・mまで上げていき、従動プーリ(Dn.)に対するVリブドベルトの滑り速度が最大(100%スリップ)となったときの従動プーリ(Dn.)のトルク値より、以下の式を用いて摩擦係数μを求めた。

μ=ln(T1/T2)/α

ここで、T1は張り側張力、T2は緩み側張力、αは従動プーリ(Dn.)へのVリブドベルト巻き付け角度であり、それぞれ以下の式で求めることができる。

1=T2+Dn.トルク(kgf・m)/(121.6/2000)
2=180(N/6Rib)
α=π/9(rad) (※radはラジアン)
一方、湿潤(ウェット)状態での摩擦係数の測定には、図16(B)に示すように、駆動プーリ(Dr.)の回転数を800rpm、従動プーリ(Dn.)へのVリブドベルト巻き付け角度を45°(α=π/4)、従動プーリ(Dn.)の入口付近に1分間で300mlの水を注水し続ける以外は乾燥(ドライ)状態と同じであり、摩擦係数μも上記式を用いて同様に求めた。
評価基準としては、静音性(又は耐発音性)の観点からは、摩擦伝動面内の摩擦係数のバラツキは小さいほうが好ましい。また、乾燥(ドライ)状態と湿潤(ウェット)状態における摩擦伝動面の摩擦係数の差は小さいほうが好ましい。評価結果は、表3に記載した。
(発音限界角度試験)
発音限界角度試験では、耐発音性の評価として、ミスアライメント発音評価試験機を用いて、乾燥(ドライ)状態での通常走行、及び、湿潤(ウェット)状態での雨天(被水)走行における発音限界角度を求めた。具体的には、図17に示すように、直径100mmの駆動プーリ(Dr.)、直径70mmのアイドラープーリ(Id.)、直径120mmのミスアライメントプーリ(W/P)、直径60mmのテンションプーリ(Ten.)を配置したミスアライメント発音評価試験機を用い、アイドラープーリ(Id.)とミスアライメントプーリ(W/P)の軸間スパンを125mmに設定し、全てのプーリが同一平面上(ミスアライメントの角度0°)に位置するように調整した。そして、ミスアライメント発音評価試験機の各プーリに各例のVリブドベルト(リブ数6個、周長1200mm)を掛架して、室温(25℃)条件下で、駆動プーリ(Dr.)の回転数を1000rpm、ベルト張力を300N/6リブになるように張力を付与してVリブドベルトを走行させた。この時、ミスアライメントプーリを他の各プーリに対し手前側にずらしてゆき(ミスアライメントの角度を徐々に大きくしてゆき)、ミスアライメントで走行させた時において、ミスアライメントプーリの入口付近で発音が発生するときの角度(発音限界角度)を求めた(乾燥状態での通常走行)。また、雨天(被水)走行時を想定して、注水を行う湿潤(ウェット)状態についての発音限界角度試験は、発音限界角度を測定する前に、駆動プーリ(Dr.)の出口付近でVリブドベルトの摩擦伝動面に200ccの水を注水して、上記と同様に、ミスアライメントで走行させた時において発音が発生するときの角度(発音限界角度)を求めた。
評価基準としては、発音限界角度の数値が大きいほど、耐発音性が優れていることを示すものであり、下記の基準で判定をおこなった。
S:リブずれまで発音なし(静粛性が極めて良好)
A:発音角度が2°以上3°未満(静粛性良好)
B:発音角度が2°未満(静粛性悪い)
なお、通常、3°付近でベルトがプーリからはずれて(すなわち、リブずれとなり)正常に動力伝達しない状態になる。評価結果は、表3に記載した。
(評価結果)
実施例1、及び、実施例2では、編布(繊維部材)の表面(摩擦伝動面)にゴムの滲出が無く、ドライ状態、ウェット状態のいずれでも、摩擦係数のバラツキが小さく、ドライ状態とウェット状態双方の摩擦係数に差はなかった。また、ドライ状態、ウェット状態のいずれでも、耐発音性は良好であった。
一方、比較例1では、編布(繊維部材)の表面(摩擦伝動面)にゴムの滲出がわずかに有り、ドライ状態とウェット状態双方の摩擦係数に差はなかったが、編布の表面にゴムがわずかに存在しているため、ドライ状態、ウェット状態のいずれでも、摩擦係数のバラツキは実施例1、及び、実施例2よりも大きくなった。また、このためか、ドライ状態、ウェット状態のいずれでも、耐発音性は悪く、実施例1、及び、実施例2の耐発音性と比べると劣るものであった。
(まとめ)
実施例1、2によれば、図14に示されるように、型付けの進行に係るブラダ22の内部容積の増加(膨張率の増加)と同時にブラダ22の内部圧力が減少する。つまり、この方法によれば、常に最適なタイミング(ブラダ22内部容積の増加と同時)でブラダ22の内部圧力の減圧を確実なものとすることができることがわかった(ブラダ22が所定圧力でスリーブ10を外型30の溝形成面側に押圧した状態で加硫を始めると、自動的にブラダ22の内部圧力を、所定圧力より減圧することができる)。これにより、ブラダ22の内部圧力が所定圧力値どおり一定になるように維持される比較例1と比べて、編布(繊維部材)の表面(摩擦伝動面)にゴムが滲出するのを抑制することができることがわかった(表3参照)。
また、編布(繊維部材)を比較的滲み出し易いとされる編布構成(編布組織が単層)としても、編布(繊維部材)の表面にゴムが滲み出していないので、Vリブドベルト1の静音性(耐発音性)を向上させることができることがわかった。
また、ブラダ22の内部圧力が所定圧力値どおり一定になるように維持される比較例1と比べて、圧力媒体(エア)の供給を最小限に抑制できるので、製造上の負荷を軽減できることがわかった。具体的には、与圧装置29(エアコンプレッサー)容量の比較をした場合、比較例1の製造方法において必要なエアコンプレッサー容量を、7.5KW(大容量)とすると、実施例1の製造方法において必要なエアコンプレッサー容量は、1.5KW(小容量)で済んだ。
また、例えば、補機駆動装置に適合するベルト(Vリブドベルト)の仕様を検討するうえで、繊維部材15の仕様検討(例えば、編布の場合、主に嵩高性に係る構成)の自由度を高めることができる。また、ベルト種によっては、別途予備成形工程(半加硫ステップ等)を設ける必要がなくなることが考えられる。この場合も製造上の負荷を軽減できる。
また、加熱手段に加硫缶140を使用した場合には、スリーブ10の加硫に際し、旧来のベルト加硫装置である加硫缶140を利用して、内型20及び外型30を加硫缶140に投入することにより加硫できるので、加熱用ジャケット付金型40を加熱手段(加硫機)として用いる場合と比べて、金型費や開発納期等、製造上の負荷を軽減できる。また、具体的には、摩擦伝動面が編布で覆われた摩擦伝動ベルト(Vリブドベルト等)の仕様をユーザに提案しやすくなった。
また、加硫工程において、Vリブドベルト1の摩擦伝動面になるスリーブ10の表面に、外型30の溝形成面に設けられた複数の溝31aに対応する複数のリブ13(凸部)を形成することができる。このように、Vリブドベルト1の表面にリブ13を形成するに際して、摩擦伝動面になるスリーブ10の表面に、透過されやすい編布を使用した場合でも、上記加硫工程を経ることにより、編布の表面へのゴムの滲み出しを抑制することができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施形態・実施例について説明したが、本発明は上述の実施形態・実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。
上記では摩擦伝動ベルトの製造方法として、Vリブドベルトの製造方法を例に挙げて説明したが、平ベルト、Vベルトなどの製造方法としても採用できる。
また、上記実施例で取り上げた加硫パターンは、一例であり、これに限定されるものではなく、ベルトの構成材料やその特性に応じて様々に変更できる。また、実施例1の温度ステップは2段としたが、1段としてもよく、また、第一温度ステップと第二温度ステップとの間に他の温度ステップを設けてもよい。また、実施例で取り上げた圧力媒体は、エア(空気)としたが、例えば、窒素ガスでもよい。
また、可撓性ジャケット(ブラダ22)が内型20へ係止される部分は、無論、終始、気密状態に保持(シール)されていることが好ましいが、押圧不足とならないようにある程度安全率を見込んだ圧力水準にて圧力媒体が封入されている場合は、若干の空気漏れは許容できる場合がある。
また、実施例の可撓性ジャケット(ブラダ22)は、気体不透過性を重視し、ブチルゴム系のゴム成分を含むゴム組成物で構成されるのが望ましいが、その他、離型性や耐久性等を考慮して、ゴム種は種々選択してよい。例えば、クロロプレンゴム、エチレン・プロピレンジエンモノマー、シリコーンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、天然ゴムなどのゴム成分、またはこれらのブレンドによるゴム成分を含むゴム組成物から構成されていてもよい。
1 Vリブドベルト
10 スリーブ
11 伸張層
12 圧縮層
13 リブ
14 心線
15 繊維部材
20 内型
22 ブラダ
30 外型
31a 溝
40 加熱用ジャケット付金型
M Vリブドベルト長手方向
N Vリブドベルト幅方向

Claims (3)

  1. 摩擦伝動面が繊維部材である摩擦伝動ベルトの製造方法であって、
    外周面に可撓性ジャケットを備えた内型に、未加硫ゴムシート、及び、前記繊維部材を含むベルト部材を巻き付け、加硫対象となるスリーブを形成するスリーブ形成工程と、
    外型内に、前記スリーブが巻き付けられた前記内型を挿嵌した後、前記可撓性ジャケットを圧力媒体により膨張させて前記スリーブを前記外型の内周面に押圧する押圧工程と、
    押圧工程後、加熱手段により前記スリーブを加硫する、加硫工程とを含み、
    前記押圧工程において、前記可撓性ジャケットの内部圧力が所定圧力に達した時点で前記圧力媒体の供給を遮断し、前記圧力媒体を前記可撓性ジャケットの内部空間に封入させた状態で前記スリーブを前記外型の内周面に押圧させることを特徴とする、摩擦伝動ベルトの製造方法。
  2. 前記加熱手段は、加硫缶であることを特徴とする、請求項1に記載の摩擦伝動ベルトの製造方法。
  3. 前記繊維部材は編布であり、
    前記外型の内周面に、複数の溝が形成された溝形成面が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の摩擦伝動ベルトの製造方法。
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