JP5501000B2 - 加硫体の製造方法 - Google Patents
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そして、この加硫機を用いた加硫体の製造方法においては、第1開閉バルブおよび第2開閉バルブを閉じた状態で、加熱経路内でガスを流通させることにより、該ガスを第1供給経路に供給する前に予め加熱する予備加熱工程と、該予備加熱工程で加熱したガスを、第1供給経路を通して加硫モールド内に供給し未加硫体を加硫する加硫工程と、を有している。
また、前記準備工程時に、加熱経路内のガスのみならず加硫機の全体をも加熱しておくことが可能になり、前記予備加熱工程時に、第2供給経路を通してガス供給源から加熱経路内に新たなガスを供給したときに、この新たなガスの温度を即座に高めて、加熱経路内の既存のガスの温度と同等にすることができる。したがって、加熱経路内に供給された新たなガスが加熱されるまでの時間を排除することが可能になり、加硫体を効率よく製造することができる。
この場合、未加硫タイヤを低圧ガスにより膨張させて、その外面を前記加硫モールドの内面に押し付けた状態で、該未加硫タイヤが加硫される。
加硫機1は、未加硫タイヤが収容される加硫モールド11と、加硫モールド11内にガスを供給する第1供給経路12と、第1供給経路12に接続されるとともに加熱手段13が配設され、第1供給経路12に供給される前のガスを流通させて加熱する加熱経路14と、第1供給経路12と加熱経路14とを連通、遮断する第1開閉バルブ15と、加熱経路14と高圧ガス供給源16とを接続する第2供給経路17と、加熱経路14と高圧ガス供給源16とを連通、遮断する第2開閉バルブ18と、加硫モールド11内からガスが流出する流出経路19と、を備えている。
図示の例では、流出経路19は加熱経路14に接続されるとともに、流出経路19と加熱経路14とを連通、遮断する第3開閉バルブ20が備えられている。
本実施形態では、加硫モールド11の内部に、内部が低圧ガス供給経路21に連通され、かつ未加硫タイヤ内に配置される膜状のブラダーが配設されている。ブラダーは、例えばブチルゴム等で伸縮自在に形成され、加硫時に未加硫タイヤ内で低圧ガスによりブラダーを膨張変形させることで、未加硫タイヤの外面が加硫モールド11の内面に押し付けられる。
ブロワ22は、ガスの流量を変えられるようになっている。ブロワ22は、加熱経路14内でガスを流通させたり、第1供給経路12を通してガスを加硫モールド11内に供給したり、あるいは加硫モールド11内からガスを流出経路19に流出させたりする。
図示の例では、加熱手段13は、加熱経路14において、ブロワ22に、加熱経路14内をガスが流れる方向Aの下流側に隣接する部分に配設され、第1温度センサー23は、加熱経路14において、加熱手段13に前記方向Aの下流側に隣接する部分に配設されている。これにより、加熱手段13を通過した直後のガスの温度に基づいて、加熱手段13の設定温度が調整される。
ここで本実施形態では、加熱経路14のうち、第1供給経路12と流出経路19とを、途中にブロワ22、第1温度センサー23および加熱手段13を介在させずに接続するバイパス部分14aを連通、遮断する副バルブ25、26が配設されている。
図示の例では、第1開閉バルブ15および第3開閉バルブ20はそれぞれ三方弁の一部とされ、副バルブ25、26と各別に一体に形成されている。また、バイパス部分14aは、加熱経路14において、第1供給経路12と流出経路19とを接続する2つの経路部分のうち、長さの短い短絡経路部分となっている。すなわち、ブロワ22、第1温度センサー23および加熱手段13は、加熱経路14の前記2つの経路部分のうち、長さの長い迂回経路部分に配設されている。
第2排気弁34は、流出経路19の内圧を大気圧と同等にすることが可能であり、前述のブラダーを採用した場合に、加硫工程後にブラダー内のガスがスムーズに排気され、また加硫機1の停止時に流出経路19内の残圧が抜けるようになっている。
第2温度センサー32は、加硫モールド11内から流出したガスの温度を測定することで、例えばタイヤの品質を監視する(QA)ためのものである。
圧力センサー33は、流出経路19の内圧を測定することで、例えばタイヤの品質を監視(QA)したり、安全のために残圧の有無を確認したり、あるいは加硫機の故障を監視したりする等のために用いられる。
次に、第4開閉バルブ31を開いて、低圧ガスを、低圧ガス供給源30から低圧ガス供給経路21および第1供給経路12を通して、加硫モールド11内のブラダー内に供給し、該ブラダーを膨張変形させ、その外面を未加硫タイヤの内面に密接させるとともに、加硫モールド11を型締めする。なお、第4開閉バルブ31は、ブラダーの内圧が所定の大きさになったときに閉じられる。
次に、第1温度センサー23による測定温度が所定の高さを超えたときに、第1開閉バルブ15および第3開閉バルブ20は閉じたまま、第2開閉バルブ18を再度開き、第2供給経路17を通して高圧ガス供給源16から加熱経路14内に新たなガスを供給しながら、ブロワ22により加熱経路14内でガスを流通させて加熱する(予備加熱工程)。
なお、加熱経路14の内圧は、例えば図示されない制御装置のタイマー、若しくは加熱経路14に設けられた圧力センサー等により測定する。
前記実施形態では、加硫機1で加硫する加硫体としてタイヤを示したが、これに限らず他の加硫ゴム製品にも適用可能である。
また、第1開閉バルブ15および第3開閉バルブ20と、副バルブ25、26と、がそれぞれ一体に形成された三方弁を採用したが、第1開閉バルブ15、第3開閉バルブ20、および副バルブ25、26がそれぞれ別体とされた構成を採用してもよい。
さらに、前記実施形態では、ブロワ22、第1温度センサー23および加熱手段13を、加熱経路14の前記2つの経路部分のうち、長さの長い迂回経路部分に配設したが、これに代えて例えば、長さの短い短絡経路部分に配設してもよい。
11 加硫モールド
12 第1供給経路
13 加熱手段
14 加熱経路
14a バイパス部分
15 第1開閉バルブ
16 高圧ガス供給源(ガス供給源)
17 第2供給経路
18 第2開閉バルブ
19 流出経路
20 第3開閉バルブ
21 低圧ガス供給経路
25、26 副バルブ
Claims (3)
- 未加硫体を加硫して加硫体を製造する加硫体の製造方法であって、
未加硫体が収容される加硫モールドと、
該加硫モールド内にガスを供給する第1供給経路と、
該第1供給経路に接続されるとともに加熱手段が配設され、この第1供給経路に供給される前のガスを流通させて加熱する加熱経路と、
前記第1供給経路と加熱経路とを連通、遮断する第1開閉バルブと、
前記加熱経路とガス供給源とを接続する第2供給経路と、
前記加熱経路とガス供給源とを連通、遮断する第2開閉バルブと、を備える加硫機を用い、
前記第1開閉バルブを閉じ、かつ前記第2開閉バルブを開いた状態で、前記加熱経路内でガスを流通させることにより、該ガスを前記第1供給経路に供給する前に予め加熱する予備加熱工程と、
該予備加熱工程で加熱したガスを、前記第1供給経路を通して加硫モールド内に供給し未加硫体を加硫する加硫工程と、
前記予備加熱工程の前に、第1供給経路と遮断された前記加熱経路内に第2供給経路を通してガス供給源からガスを供給した後に、このガスを、前記第2開閉バルブを閉じた状態で前記加熱経路内を流通させて加熱する準備工程と、を有し、
前記予備加熱工程は、第2供給経路を通してガス供給源から前記加熱経路内に新たなガスを供給しながら、該加熱経路内でガスを流通させて加熱することを特徴とする加硫体の製造方法。 - 請求項1記載の加硫体の製造方法であって、
前記加硫機は、前記加硫モールド内からガスが流出する流出経路を備え、
該流出経路は前記加熱経路に接続されるとともに、該流出経路と前記加熱経路とを連通、遮断する第3開閉バルブが備えられ、
前記加熱経路のうち、第1供給経路と流出経路とを、途中に前記加熱手段を介在させずに接続するバイパス部分を連通、遮断する副バルブを備え、
前記加硫工程後に、前記第1開閉バルブ及び第3開閉バルブを開き、かつ前記副バルブを閉じることを特徴とする加硫体の製造方法。 - 請求項1または2に記載の加硫体の製造方法であって、
前記未加硫体は未加硫タイヤとされ、
前記加硫機は、前記加硫モールド内に収容された前記未加硫タイヤ内に前記ガスよりも圧力が低い低圧ガスを供給する低圧ガス供給経路を備えることを特徴とする加硫体の製造方法。
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