JP2539808B2 - 熱硬化性樹脂の圧縮成形用金型装置 - Google Patents

熱硬化性樹脂の圧縮成形用金型装置

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JP2539808B2
JP2539808B2 JP62007854A JP785487A JP2539808B2 JP 2539808 B2 JP2539808 B2 JP 2539808B2 JP 62007854 A JP62007854 A JP 62007854A JP 785487 A JP785487 A JP 785487A JP 2539808 B2 JP2539808 B2 JP 2539808B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、熱硬化性樹脂又はこの熱硬化性樹脂と強化
材とを練り合せる、もしくはシート状に形成したプリプ
レグ材料を圧縮成形する際に用いる金型装置に関する。
〔従来の技術〕
この種の金型装置において、上型と下型との間の成形
空間に成形材料を充填して圧縮成形する際、成形空間内
の空気や成形材料中に含まれているガスは、型締めが完
了するまでの間に、成形材料の流動によって成形空間の
外方に押し出される。
ところが、この空気やガスの抜けが悪いと、このガス
分が成形材料の内部に封入されたままの状態で圧縮成形
が完了してしまうために、成形品の表面に多数の小孔や
脹れ等の表面欠陥が発生する不具合がある。このような
ことから、従来、例えば「実公昭52−35975号公報」に
見られるように、圧縮開始から圧縮の最終段階までの間
において、型の内部の成形空間と外方とを気密に遮断す
るとともに、この成形空間を排気装置によって排気し、
成形空間内の空気やガスを強制的に排除することで、表
面欠落の発生を防止するようにした金型装置が知られて
いる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところが、この従来の金型装置は、上型と下型との嵌
合により始めて成形空間が気密に遮断されるために、こ
の成形空間を気密にするタイミングを成形材料の圧縮開
始タイミングとは独立して設定することが難しく、この
成形空間が低圧空間に移行するのは、自ずと成形材料の
圧縮開始後に制約されてしまうものであった。したがっ
て、成形空間が低圧空間に移行する段階では、既に成形
材料のゲル化が進んでいることになり、この成形材料中
のガスが完全に抜け切れないことがあり得る。
また、この成形空間を排気するための排気口は、圧縮
行程中、空気やガスを伴った成形材料が流れ込む成形空
間の下部に開口されているために、この流動する成形材
料によって排気口が塞がれてしまうことがある。
したがって、圧縮の最終段階までの間に、成形空間内
の空気や成形材料中のガスを完全に排除することができ
ず、表面欠陥の発生を防止する上でいま一歩改善の余地
が残されている。
本発明はこのような事情にもとづいてなされたもの
で、型面を均一に加熱しつつ、成形空間内の空気や成形
材料中のガスを確実かつ短時間のうち排除することがで
き、高品質な成形品を得ることができるとともに、ベロ
ーズやシール部材の保守点検作業を型を分解することな
く容易に行え、なおかつ、ベローズやシール部材に対す
る型の熱影響を小さく抑えることができ、寿命の長い熱
硬化性樹脂の圧縮成形用金型装置の提供を目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕 上記目的を達成するため、本発明に係る金型装置は、 互いに接離する方向に相対的に移動可能な一対の支持
部材と; これら支持部材に支持され、互いに向かい合う型面を
有する一対の圧縮成形用の型と; これら型の型面の間に形成され、熱硬化性樹脂の成形
材料を圧縮成形するための成形空間と;を備えている。
そして、上記型は、その内部に上記型面を加熱するた
めのスチームが供給される流通路を有し、この流通路
は、上記型面に沿って平行に延びるとともに、上記型面
の略全面に亘るような内面を含み、 また、上記支持部材は、上記型の外径よりも大きな外
径を有する外周部を有し、これら支持部材のうち、いず
れか一方の支持部材の外周部に、他方の支持部材の外周
部に向けて伸縮可能に突出されて、上記型を外側から取
り囲むベロースを気密に固定し、このベローズの突出先
端部に、上記支持部材が互いに近接する方向に移動され
た時に、上記他方の支持部材の外周部に接触されて、上
記ベローズによって囲まれる上記型の周囲の空間部分を
外方から気密に遮断するシール部材を設け、 上記支持部材の間には、上記ベローズの突出長さを伸
縮可能に調整するための調整手段を配置するとともに、 上記空間部分には、この空間部分を排気するための排
気装置を接続し、この排気装置は、ポンプの吸引作用に
より真空雰囲気に保たれるサージタンクと、このサージ
タンクと上記空間部分とを結ぶ配管に配置され、上記空
間部分が外方から気密に遮断された時に、この空間部分
と上記サージタンクとを互いに連通させる制御弁とを備
えていることを特徴としている。
〔作用〕
この構成によれば、ベローズおよびシール部材は、型
の嵌合タイミングとは無関係に他方の支持部材の外周部
に接触するので、この型の嵌合タイミングに制約される
ことなく成形空間を含む空間部分を気密に遮断すること
ができる。しかも、調整手段を介してベローズの突出長
さを調整すれば、例え型を取り替えたとしても、その型
の形状に応じて空間部分を気密に遮断するタイミングを
自由に変えることができる。そのため、成形材料の圧縮
を開始する以前の早い時期、つまり成形材料がゲル化す
る以前の段階から成形空間を含む空間部分の排気を行う
ことができる。
また、型の外周囲を気密に遮断して排気を行なうか
ら、従来のように成形空間の下部に排気口を設ける必要
もなくなり、この排気口が成形材料で塞がれてしまうこ
ともない。それとともに、型の回りの空間部分は、真空
雰囲気に保たれているサージタンクに連なっているの
で、上記空間部分の気密保持と同期して制御弁が操作さ
れると、この空間部分の空気は、一気にサージタンクに
吸引されることになり、上記空間部分の排気を短時間の
うちに速やかに行うことができる。したがって、圧縮の
最終段階までの間に、成形空間内の空気や成形材料中に
含まれたガスを確実に排除することができる。
さらに、上記構成によると、加熱用のスチームは、型
面の略全面に沿うようにして流れるので、上記型面を効
率良く加熱できるとともに、この型面の温度分布を均一
化することができる。そのため、成形材料を全体に亘っ
て均等に加熱することができ、成形品の品質が安定す
る。
加えて、ベローズは、型の外側に位置するために、こ
のベローズが型の熱影響を受け難くなる。それととも
に、シール部材の保守点検を行なう際に、型が邪魔なる
ことはないととに、型を支持部材から取り外したり分解
する必要もない。そのため、ベロースおよびシール部材
の保守点検に要する作業を容易に行うことができる。
さらに、シール部材は、加熱される型ではなくて支持
部材の外周部に接するので、シール部材の型の熱影響を
受け難くなる。このため、ベローズおよびシール部材の
熱劣化を防止することができ、金難装置の寿命が長くな
る。
〔実施例〕
以下本発明を、図面に示す一実施例にもとづいて説明
する。
図中符号1で示す圧縮成形用の金型装置は、上下の支
持部材2,3の対向面に、雌型となる上型4と、雄型とな
る下型5とを備え、本実施例の場合は、上側の支持部材
2がプレス機のラム6に連結されて昇降動されるように
なっている。そのため、上型4を有する支持部材2と下
型5を有する支持部材3とは、互いに接離する方向に相
対的に移動可能となっている。
上型4の下面には、下向きに開放された凹部7が形成
されている。下型5の上面には、凹部7内に嵌入する凸
部8が形成されている。これら凹部7および凸部8は、
互いに向かい合う外周面を有し、これら外周面は、夫々
平滑な型面7a,8aに仕上げられている。凸部8の頂部に
は、熱硬化性樹脂又はこの熱硬化性樹脂と強化材とを練
り合せて、シート状又は塊状に製造した成形材料Aがセ
ットされるようになっており、上記型面7a,8aとの間に
は、成形材料Aを圧縮成形するための成形空間9が設け
られている。
凸部8の下端外周部には、凹部7の下端開口部に嵌合
する嵌合段部10が形成されている。この嵌合段部10と凹
部7との間には、凸部8が凹部7内に嵌入して金型装置
1が閉じた際に、上記成形空間9の株に連なる例えば0.
1〜0.4mm程度の微小な間隙11が形成されている。
上型4および下型5の内部には、型面7a,8aを加熱し
て成形材料Aを溶融および硬化させるスチームの流通路
12が形成されている。この流通路12は、型面7a,8aを取
り囲むように配置されている。そして、流通路12は、型
面7a,8aの略全面に亘るような内面12aを有しており、こ
の内面12aは、型面7a,8aに沿うようにこの型面7a,8aと
平行に配置されている。
ところで、上下の支持部材2,3は、夫々型4,5の外径よ
りも大きな外径を有する外周部2a,3aを備えている。こ
れら外周部2a,3aは、型4,5の外側に張り出しており、上
型の支持部材2の外周部2aの下面には、支持リング13が
Oリング14を介して気密に固定されている。
支持リング13の下面には、金属製ベローズ15の基端が
気密に溶接されている。このベローズ15は下方に向って
伸縮可能に突出されて、上型4および下型5を外側から
同軸状に取り囲んでおり、このベローズ15の突出先端と
なる下端部には、押圧リング16が気密に溶接されてい
る。
下側の支持部材3の上面には、下型5を外側から囲む
外筒17がOリング18を介して気密に取り付けられてい
る。外筒17の上面は、押圧リング16と向かい合ってい
る。押圧リング16の外筒17との対向面には、例えばOリ
ング等からなるシール部材19が取り付けられている。こ
のシール部材19は、上記支持部材2が降下した時に、外
筒17の上面に圧接するようになっており、この圧接によ
り、ベローズ15および外筒17で囲まれた型4,5の周囲の
空間部分20が外方から気密に遮断される。
支持リング13および押圧リング16の外周面には、夫々
複数のフランジ部21,22が周方向に間隔を存して突設さ
れている。これらフランジ部21,22の間には、調整ロッ
ド23が架け渡されている。調整ロッド23の下半分にはね
じ部24が形成されており、このねじ部24が押圧リング16
のフランジ部21にナット25を介して締め付け固定されて
いる。また、ねじ部24が存在しない調整ロッド23の上端
部は、支持リング13のフランジ部21を摺動可能に貫通し
ている。調整ロッド23のねじ部24には、ばね受け26がナ
ット27を介して上下方向に位置調整可能に取り付けられ
ている。このばね受け27とフランジ部21との間には、コ
イルばね28が張設されている。
そのため、ばね受け26を上方に移動させて、コイルば
ね28を圧縮すると、その反力により調整ロッド23を介し
て押圧リング16が下方に押圧され、ベローズ15が伸長す
るようになっている。したがって、これらコイルばね2
8、ばね受け26および調整ロッド26は、ベローズ15の突
出長さを調整するための調整手段を構成している。そし
て、本実施例の場合、上型4の型面7aが成形材料Aに接
する以前に、シール部材19が外筒17の上面に圧接するよ
うに、ベローズ15の突出長さが調整されている。
外筒17の側面には、上下の型4,5回りの空間部分20に
連なる複数の排気口30が開口されている。これら排気口
30は、金型装置1の外部の排気装置31に連なっている。
排気装置31は、第1図に示すように、排気口30とロータ
リーポンプ32とを結ぶ排気配管29に、ロータリーポンブ
32側から順にブースタポンプ33、第1の電磁弁34、サー
ジタンク35および第2の電磁弁36を配置するとともに、
第2の電磁弁36の下流から分岐した排気枝管37に排気弁
38を配置してなり、サージタンク35は、上記空間部分20
が密閉状態にあるか否かに関係なく、常にロータリーポ
ンブ32により真空引きされて、真空状態に保たれてい
る。
なお、第1図中符号39は圧力逃し弁を示す。
次に、成形材料Aを圧縮成形する過程について説明す
る。
まず、上型4を上昇させて成形空間9および空間部分
20を金型装置1の外方に開放し、凸部8の頂部に成形材
料Aをセットする。
次に、プレス機を作動させて、支持部材2と共に上型
4を降下させる。すると、第1図に示すように、上型4
の型面7aが成形材料Aに接する以前に、ベローズ15の先
端のシール部材19が外筒17の上面に圧接し、ベローズ15
および外筒17で囲まれた型4,5の周囲の空間部分20を外
方から気密に遮断する。この段階では、型4,5の凹部7
と凸部8とは完全に嵌合していないために、成形空間9
は、両型4,5の間を通じて空間部分20に連なっている。
このため、成形空間9も外方から気密に遮断された状態
に保たれる。
なお、ベローズ15は、シール部材19が外筒17に圧接し
た以降は、上型4の降下に応じて順次軸方向に収縮する
ように変形し、上型4の降下を妨げない。
一方、シール部材19が外筒17に圧政すると、これと同
期して第2の電磁弁36が開かれ、サージタンク35と空間
部分20および成形空間9とが連通される。この場合、サ
ージタンク35内は、ロータリーポンプ32の吸収作用によ
り予め真空に保たれているため、空間部分20や成形空間
9内の空気は、これら空間9,20の気密が確保された時点
で排気口30を通じて一気に吸引されることになる。この
結果、成形空間9を含めた上下の型4,5の雰囲気は、瞬
時に低圧空間に移行する。
この後、圧縮の進展に伴って上型4の型面7aが成形材
料Aに接触すると、この成形材料Aは、型面7a,8aの間
で押圧されていく。そして、成形材料Aは、成形空間9
内の空気や成形材料A中に含まれているガスを伴いなが
ら、成形空間9の下部に向って流れ始め、この押し出さ
れた空気やガスは、排気口30からの吸引作用と相まって
一気に成形空間9から型4,5の周囲の空間部分20に排出
される。
成形材料Aは、第2図に示すように、この成形材料A
の加圧が進むにつれて成形空間9の隅々にまで充填さ
れ、この成形空間9内の余分な材料は、凹部7と凸部8
との間の間隙11内に流れ込む。この間隙11は、0.1〜0.4
mmと微小であるため、上記余分な成形材料Aはバリとな
って、この間隙11の部分で食い切られる。上型4が完全
に降下して型締めが完了すると、成形材料Aは成形空間
9内に密に充填されて加圧状態となり、それに応じて第
2の電磁弁36が閉じるとともに、排気弁38が開き、空間
部分20が大気圧に復帰する。
そして、加圧された成形材料Aは、各型4,5内の流通
路12を流れるスチームにより加熱され、成形空間9内で
重合反応を起こして硬化する。この硬化によって得られ
た成形品Bは、一定の硬化時間を経過した後、金型装置
1を開くことで取り出され、このことにより成形材料A
の圧縮成形が完了する。
このような本発明の一実施例によれば、上型4の支持
部材2に、下方に向つて伸縮可能に突出するベローズ15
を設けるとともに、このベローズ15の突出先端部に押圧
リング16を介して支持部材3の外筒17に圧接するシール
部材19を設けたので、上下の型4,5の周囲の空間部分20
や成形空間9は、両型4,5の嵌合時期に制約されること
なく外方から気密に遮断されることになる。しかも、こ
のベローズ15は、下方への突出長さが調整可能であるか
ら、上記空間部分20や成形空間9が気密に遮断されるタ
イミングを自由に調整することができる。
したがって、成形空間9を圧縮開始以前の早い時期、
つまり、成形空間9内で圧縮される成形材料Aがゲル化
する以前の段階から低圧空間に移行させることができ
る。
また、上下の型4,5の外周雰囲気を気密に遮断して排
気を行うから、成形材料Aが流れ込む成形空間9の下部
に、空気吸引用の排気口30を設ける必要もなく、圧縮成
形中に排気口30が成形材料Aで塞がれてしまうこともな
い。それとともに、上型4および下型5の周囲の空間部
分20は、真空雰囲気に保たれているサージタンク35に連
なっているので、上記空間部分20の気密が確保された時
に第2の電磁弁36が開かれると、この成形空間9を含む
空間部分20の空気は、一気にサージタンク35に吸引され
ることになり、上記空間部分20の排気を短時間のうちに
速やかに行うことができる。したがって、成形材料Aの
圧縮が完了するまでの間に、成形空間9内の空気や成形
材料A中に含まれたガスを確実に排除することができ、
小孔や脹れの原因となる気泡の封入が抑えられて、表面
の滑らかな高品質の成形品Bを得ることができる。
さらに、上記構成の金型装置1によると、型面7a,8a
を加熱するためのスチームが流れる流通路12は、型面7
a,8aの略全面に亘るとともに、これら型面7a,8aに沿っ
て平行に伸びる内面12aを有している。そのため、上記
スチームは、型面7a,8aに沿うようにして流れることに
なり、これら型面7a,8aを効率良く加熱できるととも
に、この型面7a,8aの温度分布も均一となる。したがっ
て、成形材料Aにしても全体が均等に加熱されることに
なり、この点でも成形品Bの品質の向上に寄与する。
また、ベローズ15は、支持部材2,3の外周部2a,3aに支
持され、上型4および下型5の外側に位置するために、
このベローズ15が上下の型4,5の熱影響を受け難くな
る。それとともに、このベローズ15やシール部材19の保
守点検を行なう際に、上型4および下型5が邪魔となっ
たり、これら上下の型4,5を支持部材2,3から取り外した
り分解する必要もない。この結果、ベロース15およびシ
ール部材19の保守点検に要する作業を容易に行うことが
できる。
さらに、シール部材19は、加熱される下型5ではなく
て、この下型5を支持する支持部材3の外筒17に接する
ので、シール部材19が下型5の熱影響を直接受けずに済
む。このため、ベローズ15を始めとしてシール部材19の
熱劣化を防止することができ、金型装置1の寿命が長く
なる。
それとともに、上記構成によると、上型4および下型
5に、排気口30やシール部材19等を設ける必要もないの
で、型形状の自由度が増すとともに、これら型4,5の内
部構造を簡略化することができ、型費の低減が可能とな
るといった利点がある。
なお、上述した実施例では、上型を昇降動させるよう
にしたが、本発明はこれに限らず、下型を昇降動させる
ようにしても良い。
〔発明の効果〕
以上詳述した本発明によれば、成形材料の圧縮が開始
される以前の早い時期、つまり成形材料がゲル化する以
前の段階から成形空間を気密に遮断して排気できるとと
もに、排気口が流動する成形材料によって塞がれてしま
うこともない。しかも、型の回りの空間部分は、真空雰
囲気に保たれているサージタンクに連なっているので、
この成形空間を含む空間部分の空気は、一気にサージタ
ンクに吸引されることになり、上記空間部分の排気を短
時間のうちに速やかに行うことができる。したがって、
圧縮の最終段階までの間に、成形空間内の空気や成形材
料中に含まれたガスを確実に排除することができ、成形
材料中に小孔や脹れの原因となる気泡が閉じ込められる
こともなくなり、表面の滑らかな高品質の成形品を得る
ことができる。
さらに、上記構成によると、加熱用のスチームは、型
面の略全面を沿うようにして流れるの、上記型面を効率
良く加熱できるとともに、この型面の温度分布も均一と
なる。そのため、成形材料を全体に亘って均等に加熱す
ることができ、この点でも成形品の品質の向上に寄与す
る。
加えて、ベローズは、型の外側に位置するために、こ
のベローズが型の熱影響を受け難くなるとともに、ベロ
ーズやシール部材の保守点検を行なう際に、型が邪魔と
なったり、型を支持部材から取り外したり分解する必要
もなく、ベローズおよびシール部材の保守点検作業を容
易に行うことができる。
また、シール部材が型の熱影響を受け難くなるので、
ベローズおよびシール部材の熱劣化を防止することがで
き、金難装置の寿命が長くなるといった利点がある。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示し、 第1図は、上型および下型の外周囲およびこれら上下の
型の間の成形空間が気密に遮断された状態を示す断面
図、 第2図は、型締めが完了した状態の断面図、 第3図は、金型装置の側面図である。 1……金型装置、 2,3……支持部材、 2a,3a……外周部、 4,5……型(上型、下型)、 7a,8a……型面、 9……成形空間、 12……流通路、 12a……内面、 15……ベローズ、 19……シール部材、 23,26,28……調整手段(調整ロッド、ばね受け、コイル
ばね)、 29……配管、 31……排気装置、 32……ポンプ(ロータリーポンプ) 35……サージタンク、 36……制御弁(第2の電磁弁)、 A……成形材料。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに接離する方向に相対的に移動可能な
    一対の支持部材と; これら支持部材に支持され、互いに向かい合う型面を有
    する一対の圧縮成形用の型と; これら型の型面の間に形成され、熱硬化性樹脂の成形材
    料を圧縮成形するための成形空間と;を備えている金型
    装置であって、 上記型は、その内部に上記型面を加熱するためのスチー
    ムが供給される流通路を有し、この流通路は、上記型面
    に沿って平行に延びるとともに、上記型面の略全面に亘
    るような内面を含み、 また、上記支持部材は、上記型の外径よりも大きな外径
    を有する外周部を有し、これら支持部材のうち、いずれ
    か一方の支持部材の外周部に、他方の支持部材の外周部
    に向けて伸縮可能に突出されて、上記型を外側から取り
    囲むベロースを気密に固定し、このベローズの突出先端
    部に、上記支持部材が互いに近接する方向に移動された
    時に、上記他方の支持部材の外周部に接触されて、上記
    ベローズによって囲まれる上記型の周囲の空間部分を外
    方から気密に遮断するシール部材を設け、 上記支持部材の間には、上記ベローズの突出長さを伸縮
    可能に調整するための調整手段を配置するとともに、 上記空間部分には、この空間部分を排気するための排気
    装置を接続し、この排気装置は、ポンプの吸引作用によ
    り真空雰囲気に保たれるサージタンクと、このサージタ
    ンクと上記空間部分とを結ぶ配管に配置され、上記空間
    部分が外方から気密に遮断された時に、この空間部分と
    上記サージタンクとを互いに連通させる制御弁とを備え
    ていることを特徴とする熱硬化性樹脂の圧縮成形用金型
    装置。
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