JP2003144333A - 加熱調理器およびそれを用いた誘導加熱調理器 - Google Patents

加熱調理器およびそれを用いた誘導加熱調理器

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JP2003144333A
JP2003144333A JP2001344157A JP2001344157A JP2003144333A JP 2003144333 A JP2003144333 A JP 2003144333A JP 2001344157 A JP2001344157 A JP 2001344157A JP 2001344157 A JP2001344157 A JP 2001344157A JP 2003144333 A JP2003144333 A JP 2003144333A
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catalyst
heater
cooking
temperature
smoke
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Kazuya Oguri
一也 小栗
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 調理物から煙などが発生する前に触媒を十分
に加熱し活性化させ、煙などを調理庫外に実質的に排出
しないようにすること。 【解決手段】 調理用ヒータを内蔵した調理庫と、調理
庫内で発生した煙などを排気する排気経路と、排気経路
に設置された触媒と、触媒を加熱する触媒用ヒータと、
煙などを調理庫外に排出する除煙ファンと制御手段より
なる構成において、制御手段は調理物が調理温度に達す
る前に触媒を触媒活性温度まで昇温し、その後触媒活性
温度を維持するように、触媒用ヒータの出力を制御する
ようにした。これにより、発生した煙などは触媒により
浄化され、調理庫外に実質的に排出しないようにするこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、調理庫内で発生し
た煙などを除去する加熱調理器に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の加熱調理器としては単体で用い
るもの、あるいは誘導加熱調理器等に組み込んで用いる
組み込み式のものとがある。本従来例では誘導加熱調理
器に組み込んだ組み込み式の加熱調理器について、以下
図面を参照して説明する。
【0003】図7は、従来の誘導加熱調理器をキャビネ
ットに取り付けた場合の斜視図である。図7において、
システムキッチンのキャビネット1に誘導加熱調理器2
が取り付けられている。この誘導加熱調理器2は本体3
の上部にトッププレート4が設けられ、トッププレート
4上には誘導加熱により加熱する2ヶ所の誘導加熱部5
と誘導加熱では加熱できない鍋を加熱するラジエント加
熱部6とが設けられている。また誘導加熱調理器2の手
前側面には魚などの焼き物を行う本発明に関わる加熱調
理器をロースタ部7のユニットとして組み込んでいる。
なお、8は操作部であり、9は火力表示部である。
【0004】図8は誘導加熱調理器の断面図であり、特
に、本発明に関わる加熱調理器としてのロースタ部の構
成を示している。図において、誘導加熱調理器2はロー
スタ部7の上方に誘導加熱部に対応して誘導加熱する誘
導加熱コイル10を設けている。
【0005】以下、ロースタ部7について説明する。ロ
ースタ部7は、調理用ヒータ11として、上調理用ヒー
タ11a、および下調理用ヒータ11bを内蔵した調理
庫12と、調理庫12内に出入自在に設置された受皿1
3と、受皿13内に載置された焼き網14と、調理庫1
2内と外気に通じる排気経路15と、排気経路15の途
中に設置された触媒16と、触媒16に至る排気経路1
5に設置され触媒16を加熱する触媒用ヒータ17と、
排気経路15の触媒16以降に配設される除煙ファン1
8と、除煙ファン18を駆動するモーター(図示せず)
よりなる。そして、これらの電気部品は制御手段(図示
せず)により制御される。なお、19は調理庫12の温
度を測定する温度センサである。
【0006】魚などの調理物は焼き網14の上に置か
れ、調理用ヒータ11a、11bの輻射熱や対流熱によ
って加熱調理される。調理用ヒータ11aは魚の上面か
ら、調理用ヒータ11bは魚の裏面から加熱を行い、魚
の両面を同時に加熱調理し、裏返す手間を省き、短時間
で調理することができる。
【0007】加熱調理された魚からは、水や脂が出てく
る。これらの水や脂は焼き網14の下に置かれている受
皿13に受けられる。受皿13の温度が高くなると、受
皿13に溜まっている水や脂の温度も上昇し、水蒸気や
油煙が発生する。特に両面焼き構成で焼き網14の下部
に調理用ヒータ11bが設けられている場合は、下調理
用ヒータ11bと受皿13の距離が近いため、受皿13
の温度が上昇しやすく、煙が発生しやすい。また、下部
の調理用ヒータ11bに魚から垂れた水や脂が直接あた
るときも、水蒸気や煙が発生する。このように発生した
水蒸気や煙は、排気経路15を通って調理庫12から外気
へ排気される。このとき、排気経路15の途中にある触
媒16によって、煙や臭いは浄化され、排気される。触
媒は煙や臭いの素となるアルコール類などの物質を水と
二酸化炭素に分解する。一般的な酸化触媒の主成分は白
金やパラジウムなどである。このような触媒は常温では
酸化分解作用はほとんど起こらず、温度が上がるにつれ
て活性化される。一般的にこの種の触媒の作用する活性
化温度は約300℃以上が適切と言われている。このた
め、触媒16の近傍には触媒16を加熱する触媒用ヒータ
17が設けられている。
【0008】前記構成において、魚などの調理物を焼く
場合、魚などを焼き網14に載置して調理用ヒータ11
の通電と同時に触媒用ヒータ17も通電し、触媒を活性
化し発生する煙などを除去していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の構成では、図9に示すように、調理中に発生
する煙を分解する触媒16を加熱する触媒用ヒータ17
の電力は、調理開始から終了時まで一定になっているた
め、調理庫12内の温度上昇と同じ割合で触媒が加熱さ
れ、触媒が十分に加熱され、煙を浄化できる温度に達す
る前に調理物の脂などによる煙が発生し、調理庫12内
の煙や臭いを部屋中に排気してしまい、部屋の空気を汚
してしまうという問題があった。
【0010】本発明は、前記従来の課題を解決するもの
で、調理物から煙などが発生する前に触媒を十分に加熱
し活性化させ、煙などを調理庫外に実質的に排出しない
ようにした加熱調理器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記従来の課題を解決す
るために、本発明の加熱調理器は、調理庫と外気に通じ
る排気経路に設置した触媒と、前記触媒を加熱する触媒
用ヒータと前記触媒用ヒータを制御する制御手段とを備
え、調理を開始するにあたって、調理物が加熱され煙な
どが発生する調理温度に達成する前に、触媒を高出力で
加熱し、触媒を触媒活性温度まで昇温する構成とした。
これにより、調理物が調理温度に達し煙などが発生して
も、触媒は活性温度に達しているので発生した煙を十分
分解することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、調理用
ヒータを内蔵した調理庫と、前記調理庫内に出入自在に
設けた調理物を載置する焼き網と、前記調理庫内と外気
に通じる排気経路と、前記排気経路の途中に設置した触
媒と、前記触媒を加熱する触媒用ヒータと、前記触媒用
ヒータを制御する制御手段と、前記排気経路に配設した
除煙ファンとを備え、前記制御手段は前記調理物から煙
などが発生する前に前記触媒を触媒活性温度まで昇温
し、その後触媒活性温度を維持するように触媒用ヒータ
の出力を制御する構成とした。これにより、調理物が調
理温度に達し煙などが発生しても、触媒は活性温度に達
しているので発生した煙などを十分分解することができ
る。したがって、煙やにおいなどを調理庫外に実質的に
排出しないようにすることができる。
【0013】請求項2に記載の発明は、特に、請求項1
に記載の構成において、制御手段は調理開始より所定時
間の間、触媒用ヒータの出力を高出力とする構成とする
ことにより、調理物から煙などが発生する前の所定の時
間内に触媒の温度を活性化温度まで上昇させるので、発
生した煙などを十分分解することができる。したがっ
て、煙やにおいなどを調理庫外に排出しないようにする
ことができる。
【0014】請求項3に記載の発明は、特に、請求項1
記載の構成において、温度センサを排気経路中に設置
し、制御手段は前記温度センサの出力により、触媒用ヒ
ータの出力を制御する構成としたことにより、例えば連
続して調理する場合など、調理開始時の温度が異なる状
況においても、触媒を浄化作用の働く温度まで加熱した
後に、触媒用ヒータの電力を制御し触媒の活性温度を維
持することができ、触媒の浄化作用により煙や、におい
を十分に除去した後、排気することができる。
【0015】請求項4に記載の発明は、特に、請求項1
〜3のいずれか1項に記載の構成において、調理開始に
あたって前記触媒用ヒータを所定時間最大電力で通電
し、その後触媒用ヒータの出力をダイオードにより交流
半波制御することにより、単純かつ安価な制御回路によ
り、触媒全体の温度上昇を素早くすることができ、触媒
の浄化作用を十分に引き出すことができる。
【0016】請求項5に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれか1項に記載の構成において、触媒用ヒータの出
力をサイリスタにより制御することにより、単純かつ安
価な制御回路により、調理開始にあったって触媒の温度
上昇を素早くすることができ、触媒の浄化作用を十分に
引き出すことができ、かつ、サイリスタのONするタイ
ミングにより、触媒用ヒータの電力を細かく設定するこ
とができ、触媒の温度を常に最適に保つことができる。
【0017】請求項6に記載の発明は、特に、請求項1
〜5のいずれか1項に記載の構成において、触媒温度が
触媒活性温度に到達した後、調理用ヒータおよび除煙フ
ァンに通電する構成とすることにより、触媒が活性温度
に到達しているため触媒の浄化作用により煙や、におい
を十分に除去した後、排気することができる。
【0018】請求項7に記載の発明は、特に、請求項1
〜5のいずれか1項に記載の構成において、触媒温度が
触媒活性温度に到達した後、除煙ファンに通電する構成
とすることにより、触媒を浄化作用のはたらく温度まで
加熱した後、除煙ファンを駆動するので、触媒の浄化作
用により煙や、においを十分に除去した後、排気するこ
とができる。
【0019】請求項8に記載の発明は、特に、請求項1
〜7のいずれか1項に記載の構成において、調理開始時
に上調理用ヒータと触媒用ヒータを通電し、触媒温度が
触媒活性温度に到達した時点で、下調理用ヒータの通電
を開始する制御を行うことにより、触媒の温度が上昇す
るまで受皿や下部調理用ヒータの温度上昇を抑え、煙の
発生量を抑えることができ、触媒の浄化作用により煙
や、臭いを十分に除去した後、排気することができる。
【0020】請求項9に記載の発明は、特に請求項1〜
8のいずれか1項に記載の加熱調理器を誘導加熱調理器
に用いることにより、煙や臭いを実質的に排出しない誘
導加熱調理器を提供することができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。なお、本実施例では加熱調理器を誘導加熱
調理器のロースタユニットとして組み込んだ場合につい
て説明する。
【0022】本発明は、魚や肉などの焼き物をするにあ
たって、焼き物から煙や臭いが発生する前に、煙や臭い
を浄化する触媒をその活性温度まで上げておき、煙や臭
いが実質的に外部に排出しないようにしたことを特徴と
している。「煙や臭いが発生する」、および「外部に排
出しない」という文言の定義は困難であるので、本発明
では外部の使用者が不愉快に感じない程度という意味
で、「煙や臭いが発生する前」、および「実質的に外部
に排出しない」という表現を用いている。以下、具体的
に説明する。
【0023】(実施例1)図1は本発明の実施例1にお
ける加熱調理器の温度特性図であり、図2は同加熱調理
器としての誘導加熱調理器の断面図である。なお、本実
施例の構成は従来例の構成とほぼ同一であるので、その
説明は省略し、相違点を中心に説明する。また、従来と
同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0024】図1は、調理庫12の庫内温度と、触媒1
6の温度と、調理用ヒータ11と触媒用ヒータ17の関
係を示している。ロースタ部7を使って調理する場合、
魚を焼き網14の上に置き、調理庫12内にセットする。
次に操作部8のキーを使ってロースタ部7の加熱をスタ
ートさせる。一般的に触媒用ヒータ17は200W程度
で設計してあるヒータを連続的に通電させるが、本実施
例においては400Wで設計してあるヒータを使用す
る。調理開始時に触媒用ヒータ17を400Wで所定時
間出力し素早く触媒16の温度を上昇させる。400W
ヒータの場合、200Wの約半分の時間で触媒16の作
用する触媒活性温度300℃以上まで温度上昇させるこ
とができる。触媒温度が高温になる時間を見て、マイコ
ン等を利用して触媒用ヒータ17の電力を制御してい
き、触媒温度が約350℃となるように安定させる。こ
のように調理開始時の触媒用ヒータ17の出力を触媒活
性温度を維持する時の出力より高く設定することにより
調理物から煙が発生する前に触媒16の温度を触媒活性
温度に到達させることができる。もちろん、触媒16は
300℃を超えなくても少しは浄化作用を有するが、浄
化作用が活発になる300℃以上を触媒活性温度とし
た。また、触媒の種類によって触媒活性温度が異なるの
は勿論である。
【0025】以上のような制御方法により、触媒16の
温度を素早く上昇させることができ、調理開始後の早い
段階、つまり煙が出始める前から触媒16が触媒活性温
度となっているため、前回調理したときに触媒内部や付
近に残存していた油を分解させることができ、触媒の目
詰まりを起こりにくくさせ、除煙性能の耐久性を確保す
ることができる。また、触媒用ヒータ17を高電力のま
ま通電させていると、触媒の温度が異常に高温となり、
触媒自体が消耗してしまったり、触媒を担持している基
材自体の耐熱性が維持できなくなったりするため、温度
の上限も配慮しなければならなくなるが、電力を制御し
て適正温度で安定させることで、これらの不具合も解消
できる。また、触媒活性温度を適正に維持することで、
排気温度が異常に高温となるのを防ぎ、排気を冷却する
ために長い排気経路を構成したり、外気と混合させる割
合を多くしたりする必要もなくなる。また、加熱部の多
い多口のクッキングヒータに組み込まれたロースタ部の
場合には、機器全体の消費電力量の上限が制限されてい
るため、例えば4800Wの上限の機器において、20
00Wのコンロ部ヒータ2口を使っている最中に、さら
にロースタ部を使おうとすると、コンロ部ヒータの電力
を抑えて、合計が4800Wになるように調整する。こ
のような状態において触媒16が高温になった状態で触
媒用ヒータ17の電力を制御することにより、コンロ部
ヒータの電力が制限される時間を短くすることができ
る。
【0026】また、前記説明では触媒16を400ワッ
トの触媒用ヒータ17の全出力で加熱することにより、
煙が発生する前に触媒16を触媒活性温度に到達できる
ように設計した場合について説明したが、これに限定さ
れるものではなく、例えば600ワットの触媒用ヒータ
17を用い、400ワットで加熱しても、あるいは最初
は600ワットで加熱し順次400ワット、300ワッ
トというように出力を低減して加熱しても良い。要は煙
が発生する前に触媒16の温度を触媒活性温度に到達で
きるようにすればよい。
【0027】なお、調理開始から所定時間触媒用ヒータ
を加熱するわけであるが、この所定時間は焼き物から煙
が発生するまでに触媒用ヒータを加熱する時間であり、
当然機器の設計により異なるものである。
【0028】また、触媒16を触媒活性温度に加熱する
方法としては、図2に示すように触媒の温度を検知して
行う方法がある。すなわち、図2において排気経路15
の途中の触媒用ヒータ17と除煙ファン18の間にセン
サ20を取り付ける方法である。この他、センサ20の
取り付け位置としては、触媒16の入口付近にすると、
調理開始時に除煙ファン18が回っていない場合におい
ても触媒16の代表温度を知ることができる。また、触
媒16の中心付近にすると、触媒全体の平均的な温度を
知ることができる。また、触媒16より下流にすると、
触媒16の出口付近の温度つまり触媒16の最低温度を
知ることができる。このようにセンサ19の取り付け位
置は排気を開始するタイミング、触媒の量、形状等によ
り、より適正な場所に取り付ければよいし、また複数個
取り付けるようにしても良い。
【0029】このセンサ20の設定温度により、触媒用
ヒータ17の電力を制御する。調理開始時に触媒用ヒー
タ17にまず最大電力で通電し、温度センサ19が設定
された温度、例えば300℃に達すると、触媒用ヒータ
17の電力を制御しはじめ、触媒16の平均的な温度が
約350℃になるように制御する。
【0030】以上のような構成、制御により、常に触媒
16の正確な温度を知ることができるため、触媒16を
浄化作用のできる温度以上に保つことができ、煙や、臭
いによる部屋の空気の汚れを防止できる。また、連続し
て調理を行う場合、または予熱して調理を行う場合、す
でに調理庫12内や触媒16の温度が高い状態でも、触
媒温度の上がり過ぎを防ぐことができる。また、触媒用
ヒータ17のみ通電させる空焼きのモードを設定し、触
媒16に残存した脂等を分解させることも考えられ、触
媒16の目詰まりを防ぎ、除煙性能の耐久性を向上させ
ることができる。
【0031】次に触媒用ヒータ17の制御について述べ
る。先ず、図3に示すように触媒用ヒータ17の電力制
御をダイオードによって交流半波制御する場合について
説明する。調理開始時はダイオードを通過しない回路に
より400Wヒータを最大電力で通電する。200Wヒ
ータに比べると400Wヒータの温度の立ち上がりはか
なり速くなり、約半分の時間で触媒の必要とする温度ま
で上昇する。触媒の温度が十分上昇したら、回路をダイ
オードを通過する側に切り替え、触媒用ヒータ17を交
流半波制御する。AC400Wのヒータを交流半波で制
御すると200Wヒータとほぼ同じとなり、温度勾配が
緩やかになり温度が安定するようになる。さらに温度が
高い場合には、デューティー制御でON/OFFの割合
を変えることにより、温度の安定を図ることができる。
【0032】以上のような制御により、安価かつ簡単な
回路構成により触媒用ヒータ17の制御が可能となり、
触媒16を浄化作用のできる温度以上に保つことがで
き、煙や、臭いによる部屋の空気の汚れを防止できる。
【0033】また、触媒用ヒータの制御方法としては図
4に示すように触媒用ヒータ17の出力制御をサイリス
タ(トライアック)によって交流波制御する方法があ
る。この方法では、調理開始時は400Wヒータを最大
電力で通電する。200Wヒータに比べると400Wヒ
ータの温度の立ち上がりはかなり速くなり、約半分の時
間で触媒16の必要とする温度まで上昇する。触媒16
の温度が十分上昇したら、マイコンにより、サイリスタ
(トライアック)のONする時間を変えていき、触媒1
6の必要とする温度で安定するように制御する。
【0034】以上のような制御により、安価かつ簡単な
回路構成により触媒用ヒータ17の制御が可能となり、
触媒16を浄化作用のできる温度以上に保つことがで
き、煙やにおいによる部屋の空気の汚れを防止できる。
【0035】なお、ヒータの容量および出力は、先に述
べたようにこれらの値に限定されるものではなく、煙が
発生する前に触媒が触媒活性温度になるようにすればよ
い。
【0036】(実施例2)本発明の実施例2について図
面を用いて説明する。図2に示す実施例1と同じ構成に
おいて、制御手段は図5に示すように調理ヒータ11、
触媒用ヒータ17、および除煙ファン18を制御して加
熱調理を行う。
【0037】調理開始時にまず調理用ヒータ11と触媒
用ヒータ17を先に通電して触媒16の温度を素早く上
昇させる。触媒16を分解作用が活性化する触媒活性温
度まで上昇させた後、除煙ファン18を駆動させ、調理
庫12からの排気を開始する。
【0038】以上のような制御方法により、触媒16の
温度を素早く上昇させることができ、調理開始後の早い
段階から触媒16の分解作用を引き出すことができる。
また、触媒16の温度が上昇するまで除煙ファン18を停
止させているため、浄化されていない調理庫12内の空
気を調理庫12外へ実質的に排気することがなくなり、
煙や臭いで部屋の空気を汚すことがなくなる。特に、連
続して調理を行う場合、複数回目の調理開始時には前回
のときの脂や水が受皿13に溜まっていたり、調理庫12
の内壁に付着していたりしており、この状態で調理用ヒ
ータ11、触媒用ヒータ17、除煙ファン18を同時に
駆動させスタートすると、余熱が残っているため、残留
していた脂は加熱されやすく、すぐに煙となるが、触媒
6の温度が触媒活性温度に到達していないため、煙や、
臭いが浄化される前に調理庫12外へ排気してしまう。
このようなときでも、調理庫12外へ排気させないた
め、部屋の空気を汚すことを最小限に抑えることができ
る。
【0039】(実施例3)本発明の実施例3について図
面を用いて説明する。図2に示す実施例1と同じ構成に
おいて、制御手段は図6に示すように上下調理用ヒータ
11a及び11b、触媒用ヒータ17、除煙ファン18
を制御して加熱調理を行う。
【0040】調理開始時に触媒用ヒータ17と上部調理
用ヒータ11aをある一定時間通電し、触媒16の温度
を上昇させる。触媒16を分解作用が活性化する温度ま
で温度上昇させた後、下部調理用ヒータ11b、除煙フ
ァン18に通電し、魚の加熱と調理庫12からの排気を
開始する。
【0041】以上のような制御方法により、上部調理用
ヒータ11aを先に通電させることにより、受皿13の
温度上昇を上下調理用ヒータ11a、11b同時に通電
させる場合に比べて遅らせることができる。このため、
受皿13に溜まった脂の温度を低く保つことができ、煙
の発生を抑えることができる。このように煙の発生を遅
らせている間に、触媒16の温度を触媒活性温度に上昇
することができるため、煙が発生しても十分に触媒16
が酸化分解をすることができ、煙を十分に分解浄化して
排気することができる。また、触媒16の加熱と同時に
調理庫12内の予熱もすることができ、調理時間を短く
することができる。
【0042】なお、実施例1〜3において加熱調理器と
して、先に述べたように誘導加熱調理器のロースタ部の
ユニットとして用いた場合について説明したが、これに
限定されるものでなく、他の加熱調理器のロースタ部の
ユニットとして用いても良いし、加熱調理器としてロー
スタ単独で用いても良い。
【0043】
【発明の効果】以上のように、請求項1〜9に記載の発
明によれば、調理物から煙などが発生する前に触媒を十
分に加熱し活性化させ、煙などを調理庫外に実質的に排
出しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における加熱調理器の温度特
性図
【図2】同、加熱調理器としての誘導加熱調理器の断面
【図3】同、加熱調理器の制御方法を説明する図
【図4】同、加熱調理器の制御方法を説明する図
【図5】本発明の実施例2における加熱調理器の温度特
性図
【図6】本発明の実施例3における加熱調理器の温度特
性図
【図7】誘導加熱調理器をシステムキッチンに取り付け
た状態を示す図
【図8】従来の加熱調理器としての誘導加熱調理器の断
面図
【図9】従来の加熱調理器の温度特性図
【符号の説明】
11 調理用ヒータ 11a 上調理用ヒータ 11b 下調理用ヒータ 12 調理庫 14 焼き網 15 排気経路 16 触媒 17 触媒用ヒータ 18 除煙ファン 20 センサ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 調理用ヒータを内蔵した調理庫と、前記
    調理庫内に出入自在に設けた調理物を載置する焼き網
    と、前記調理庫内と外気に通じる排気経路と、前記排気
    経路の途中に設置した触媒と、前記触媒を加熱する触媒
    用ヒータと、前記触媒用ヒータを制御する制御手段と、
    前記排気経路に配設した除煙ファンとを備え、前記制御
    手段は前記調理物煙などが発生する前に前記触媒を触媒
    活性温度まで昇温し、その後触媒活性温度を維持するよ
    うに触媒用ヒータの出力を制御する構成とした加熱調理
    器。
  2. 【請求項2】 制御手段は調理開始より所定時間の間、
    触媒用ヒータの出力を触媒活性温度を維持するための出
    力より高出力とする構成とした請求項1記載の加熱調理
    器。
  3. 【請求項3】 温度センサを排気経路中に設置し、制御
    手段は前記温度センサの出力により、触媒用ヒータの出
    力を制御する構成とした請求項1記載の加熱調理器。
  4. 【請求項4】 触媒用ヒータの出力をダイオードにより
    交流半波制御する構成とした請求項1〜3のいずれか1
    項に記載の加熱調理器。
  5. 【請求項5】 触媒用ヒータの出力をサイリスタにより
    制御する構成とした請求項1〜3のいずれか1項に記載
    の加熱調理器。
  6. 【請求項6】 触媒の温度が触媒活性温度に到達した
    後、調理用ヒータおよび除煙ファンに通電する構成とし
    た請求項1〜5のいずれか1項に記載の加熱調理器。
  7. 【請求項7】 触媒の温度が触媒活性温度に到達した
    後、除煙ファンに通電する構成とした請求項1〜5のい
    ずれか1項に記載の加熱調理器。
  8. 【請求項8】 焼き網の上下両方に調理用ヒータを設置
    し、調理開始時に上側の調理用ヒータと触媒用ヒータを
    通電し、触媒の温度が触媒活性温度に到達した後に、下
    側の調理用ヒータの通電を開始する構成とした請求項1
    〜7のいずれか1項に記載の加熱調理器。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の加
    熱調理器を用いた誘導加熱調理器。
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