JP5808449B2 - 加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、調理室内をヒータ等の発熱体で加熱して、魚等の被加熱物を、焼く・蒸す等の調理を行うロースターそのものから構成された、又はそのようなロースターを内蔵した加熱調理器に関するものである。
従来から、調理室内での調理の際に魚等の被加熱物から発生する臭気成分や油煙等の汚染物質が調理室内から本体外に排出されることによる室内空気汚染を軽減するために、調理室内の空気を吸引して本体外へ排気する排気風路に酸化触媒を含む触媒体等の空気清浄手段を設けたものが用いられている。このような手段により、調理室からの白煙等の煙の排出の抑制による調理作業時の不快感を軽減したり、汚染物質の濃度を低減して臭気や室内空気汚染を軽減したりしている。
触媒体により排気中から汚染物質を分解除去するには、触媒体に添着された触媒の温度を高温にして反応速度を速め、十分な触媒活性が得られた状態にすることが望ましい。
家庭用の調理器において使われる触媒体は、Pd、Pt等を触媒とし含み添着されたものが使用されることが多く、触媒活性を得るため300〜500℃程度に加熱して用いられ、調理動作中及びその前後は300〜450w程度の出力のヒータで加熱する必要がある。このように触媒の温度を高くするために、加熱手段を用いて触媒体を加熱する方法が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、触媒体を加熱する専用の加熱手段を設けたものが記載されている。
また、特許文献2には、調理用の上方加熱手段を排気風路内に延長して設け、触媒体を加熱するようにしたものが記載されている。
さらに、特許文献3には、上方加熱手段の上方に排気風路及び触媒体を設け、触媒体を加熱するようにしたものが記載されている。
特開2006−329456号公報(第7頁、第2図) 特開2004−261486号公報(第7頁、第3図) 特開2007−29141号公報(第9頁、第1図)
しかしながら、前述した特許文献1に記載された加熱調理器においては、専用の加熱手段を用いるために加熱手段を実装するための部品コスト・組立コストが必要になるとともに、加熱手段を動作させるための電力が必要となり消費電力が増え、加熱に伴う室内への排熱が増え夏場等は冷房負荷が高まる課題があった。
特許文献2に記載された加熱調理器においては、調理用の加熱手段を用いて触媒を加熱することから、触媒を加熱する専用の加熱手段は不要となるが加熱手段は調理に必要な大きさより大きなものが必要となり高コストとなる、調理用の加熱手段は排気風路内に設けられることから、加熱手段の発熱の一部は調理に寄与することなく排熱され、調理に寄与しない不要な電力が必要となり消費電力が増加するとともに、排熱に増加に伴い夏場等は冷房負荷が高まる課題がある。また、製品を長期間使用するためには、触媒体の性能低下に伴う交換が必要となるが、交換を配慮した構造となっておらず、メンテナンスコストが増大する課題があった。
特許文献3に記載された加熱調理器においては、調理用の加熱手段を用いて触媒を加熱することから、触媒体専用の加熱手段は不要となるとともに、加熱手段は調理室内に設けられることから、加熱手段の発熱は概ね調理に用いられ、触媒体の加熱は排気に含まれる排熱や調理の寄与のすくない放射等でおこなわれ、不要な消費電力の増加や室内への排熱は抑えられるが、上方に排気ダクトを設けるため、高さ方向に制約がある場合に調理室内の高さ寸法が低くなり、高さ寸法の大きい被調理物の調理ができないことや、製品の高さ寸法が高くなり、棚への収納できない・梱包や輸送のコストが増加する課題があった。また、製品を長期間使用するためには、触媒体の性能低下に伴う交換が必要となるが、交換を配慮した構造となっておらず、メンテナンスコストが増大する課題があった。
そこで、本発明は上記課題を解決することを目的とし、触媒を加熱するための加熱手段を設けず調理の排熱を利用して触媒を加熱し、部品コスト・組立コストを低減するとともに、消費電力を低減し不要な排熱を削減し、メンテナンス性を高め、庫内高さ寸法を増やし調理性を高めたことで、室内空気汚染の低い、簡易な構造で低コスト、環境負荷の低い加熱調理器を提供するものである。
本発明に係る加熱調理器は、被加熱物を収容する調理室と、前記調理室内の上方に配置された棒状の加熱ヒータと、筐体に設けられた排気口まで連通して、前記調理室内の空気を前記調理室の外部に排出させる排気風路と、吸込口を備え前記調理室内の空気を前記排気風路へと導く吸込口体と、前記吸込口体に保持された触媒体と、を備え、前記吸込口体は、前記触媒体の空気の流入面視において前記加熱ヒータ及び前記触媒体と重なるように配置され、前記触媒体の空気の流入面が前記調理室の壁面より内側となるように前記触媒体を保持するとともに、前記調理室内側に突出する凸形状であり、前記触媒体の空気の流入面からの前記凸形状の突出寸法が、前記加熱ヒータのうち前記触媒体の空気の流入面視において前記触媒体と重なる部分且つ前記触媒体に最も近い部分と前記触媒体の空気の流入面との距離に概ね等しいとともに、前記加熱ヒータは、前記調理室内の空気が前記吸込口体へ流入するのを妨げるように配置され、当該加熱ヒータの軸方向垂直同一断面において、一方は前記調理室への放射を行い、他方は前記吸込口体の前記吸込口より前記触媒体へ放射を行うものである。
本発明によれば、排気風路の調理室側には吸込口体の吸込口を通過する際、加熱ヒータにより、排気に含まれる水蒸気や油煙が気化され、加熱調理器から出る白煙を低減することができる。
また、もし、排気風路内または吸込口体内に触媒を設けた場合には、加熱ヒータから被調理物に達しない調理への寄与率の低い放射と排気に含まれる排熱を用いて触媒体を加熱することで触媒活性を高め、排気の清浄性を高めるとともに、通常の調理用の加熱ヒータを用いることで加熱手段のコストが増加せず、不要な消費電力・排熱も軽減することができる。
さらに、吸込口体の吸込口を部分的に塞ぐように配置された加熱ヒータの外周の少なくとも一部は調理室内側に面しているため、加熱ヒータから被加熱物へ到達する放射も概ね同等となることから、触媒体の加熱しつつも調理は支障なくおこなうことができる。
またさらに、もし調理室の側壁面に排気風路を連結させた場合、調理室の高さ方向への影響がなく、同一の筐体高さ寸法において調理室内の高さ寸法を大きくすることができ、大きな被調理物も収納・調理することができることから、排気の煙や汚染物質の濃度を低減できるとともに、製品コストの省エネで環境負荷が低く、調理性の高い加熱調理器を提供することもできる。
この発明の実施の形態1〜5を示す加熱調理器全体の斜視図である。 この発明の実施の形態1を示す加熱調理器のトッププレート4と吸排気口カバー5を取外した状態の本体1の斜視図である。 この発明の実施の形態1を示す加熱調理器の筐体上面3、トッププレート4、吸排気口カバー5、ラジエントヒーター13、前面右側の誘導加熱コイルユニット11を取外した状態の本体1の斜視図である。 この発明の実施の形態1〜5を示す右側の基板ケースユニット15の斜視図を示す。 この発明の実施の形態1、2を示す調理室17全体を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1を示す調理室17の上面及び調理室扉7を取り外した状態の斜視図である。 この発明の実施の形態1を示す調理室排気ダクト10と駆動気流ダクト20の組立状態の底面側斜視図である。 この発明の実施の形態1を示す吸込口体下部品27と触媒体31の分解斜視図である。 この発明の実施の形態1を示す本体1の調理室排気風路10部分の側面断面図である。 この発明を実施するための実施の形態2の加熱調理器の側面断面図をある。 この発明の実施の形態2を示す図11は、吸込口体下部品27と触媒体31の分解斜視図である。 この発明の実施の形態3を示す加熱調理器の筐体上面3、トッププレート4、吸排気口カバー5、ラジエントヒーター13、前面右側の誘導加熱コイルユニット11を取外した状態の本体1の斜視図である。 この発明の実施の形態3を示す調理室17の上面及び調理室扉7を取り外した状態の斜視図である。 この発明の実施の形態3を示す調理室17の上面及び調理室扉7を取り外した状態の分解斜視図である。 この発明の実施の形態3を示す排気口前部品37と第二の触媒体36の分解斜視図である。 この発明の実施の形態3を示す本体1の調理室排気風路10部分の側面断面図である。 この発明の実施の形態4を示す加熱調理器の筐体上面3、トッププレート4、吸排気口カバー5、ラジエントヒーター13、前面右側の誘導加熱コイルユニット11を取外した状態の本体1の斜視図である。 この発明の実施の形態4を示す調理室17の上面及び調理室扉7を取り外した状態の斜視図である。 この発明の実施の形態4を示す調理室排気風路10に駆動気体風路40を組合せた状態の斜視図である。 この発明の実施の形態4を示す本体1の駆動気体風路40部分の正面断面図である。 この発明の実施の形態4を示す本体1の調理室排気風路10部分の側面断面図である。 この発明の実施の形態5を示す加熱調理器の筐体上面3、トッププレート4、吸排気口カバー5、ラジエントヒーター13、前面右側の誘導加熱コイルユニット11を取外した状態の本体1の斜視図である。 この発明の実施の形態5を示す調理室17の上面及び調理室扉7を取り外した状態の斜視図である。 この発明の実施の形態5を示す調理室17の上面及び調理室扉7を取り外した状態の分解斜視図である。 この発明の実施の形態5を示す排気風路上面部品43と第一の触媒体35の分解斜視図である。 この発明の実施の形態5を示す本体1の調理室排気風路10部分の側面断面図である。
実施の形態1.
図1は、この発明を実施するための実施の形態1の加熱調理器全体を示す斜視図である。図1において加熱調理器の本体1の筐体2に上側には筐体上面3が着脱自在に配置される。筐体上面3の背面側に吸排気口カバー5、中央にトッププレート(天板とも呼ぶ)4が配置される。筐体2の前面側には、中央に調理室扉7が設けられ、調理室扉7のから背面側に続く調理室17内で調理される被加熱物を調理室17内へ出し入れできるよう開閉可能となっている。また、調理室扉7は調理室17内や調理室17自身の清掃等のメンテナンスのため着脱可能となっている。調理室扉7の両側には操作部6が設けられている。本実施の形態においては、調理室17は筐体2の中央に配置されているが、どちらかの側面に寄せて配置される場合や、両側の操作部が配置されていない場合でも本発明の効果は同様に得られる。
トッププレート4の上には被加熱物(図示せず)が載置される。本実施形態においてはトッププレート上においても加熱調理が可能な構成としているが、上面の調理機能は必要に応じて搭載すればよく上面は調理室17を覆う単純な外装でもよい。吸排気口カバー5は通気性があり、吸気及び排気の気流がスムーズに通過する。
図2は加熱調理器のトッププレート4と吸排気口カバー5を取外した状態の本体1の斜視図である。筐体上面3の背面側の中央に筐体排気口9、左右に筐体吸気口8が設けられており、筐体排気口9は冷却風排気風路14に接続されており冷却風の排気がおこなわれる。冷却風排気風路14内には調理室排気風路10が配置され、調理室17からの排気も筐体排気口9よりおこなわれる。通常の使用状態においては、筐体排気口9は吸排気口カバー5で覆われている。
トッププレート4を取外した下方には、前面側の左右に誘導加熱コイルユニット11が配置され、背面側中央にはラジエントヒーター13が配置されており、トッププレート4上に載置される被加熱物の加熱に使用される。トッププレート4上での調理機能の必要性に応じて搭載され、調理機能不要の場合は搭載されない。
誘導加熱コイルユニット11及びラジエントヒーター13の下方は、調理室収納部19が設けられ、内部には調理室17が配置される。調理室17内空間にて焼く、蒸す等の加熱調理・スチーム調理等がおこなわれる。
図3は加熱調理器の筐体上面3、トッププレート4、吸排気口カバー5、ラジエントヒーター13、前面右側の誘導加熱コイルユニット11を取外した状態の本体1の斜視図である。
調理室収納部19の両側には基板ケースユニット15が配置されている。基板ケースユニット15の吸込口はそれぞれ左右の筐体吸気口8に接続されている。誘導加熱コイルユニット11の下方にチャンバ16が配置され、基板ケースユニット15の排気口に接続されている。チャンバ16の上面に吹出口が設けられている。
調理室収納部19の後方には、冷却風排気風路接続口20の開口が設けられている。
筐体吸気口8から吸込まれた冷却風は基板ケースユニット15を通過した後、基板ケースユニット15の排気口から接続されるチャンバ16に流入しチャンバ16上面の吹出口より吹出され、上方の誘導加熱コイルユニット11を冷却した後、冷却風排気風路接続口20から冷却風排気風路14へ流入し筐体排気口9より筐体2外へ排気される。
図4は右側の基板ケースユニット15の斜視図を示す。左右の基板ケースユニット15の構成はほぼ対称であり、右側を用いて説明する。基板ケースユニット15には冷却ファン18が備えられ、内部に電子部品が実装された電子回路基板12が納められている。電子回路基板12には発熱を伴い冷却が必要な被冷却物となる部品も含まれ、冷却効率を高めるため、ヒートシンク(冷却フィン)を備えるものもある。
基板ケースユニット15は背面側の吸気口から前面側の排気口に至る一体の風路として形成され、冷却ファン18が動作することにより、吸気口より冷却風が吸引され、冷却ファン18を通過し、内部の電子回路基板12の被冷却物を冷却した後、排気口より排気される。
図5は、調理室17全体を示す斜視図である。調理室17背面には調理室排気風路10が設けられ、調理室17と連通しており調理室17内で調理時に発生する煙等が排気される。調理室17前面には調理室扉7が設けられている。調理室扉7は内部の被加熱物の出し入れができるよう、前後にスライドして開閉する。
調理室17との接触部・接合部、調理室扉7、調理室17の壁面のいずれかには、吸気可能な開口(図示せず)が設けられており、排気に伴う吸気がスムーズにおこなわれ、排気を妨げることはない。
図6は、調理室17の上面及び調理室扉7を取り外した状態を示す斜視図である。調理室17の上方には上方加熱ヒータ21が配置され、その下方に被加物を載置する調理台22が配置され、その下方に下方加熱ヒータ23が配置され、その下方に受皿24が設けられる。
調理室17の内面には複数の温度センサ25が設けられ、調理室17内の温度を検知可能としている。
調理室17背面に吸込口体28が設けられている。吸込口体28の調理室17内側の開口部は、上方加熱ヒータ21から被加熱物への放射が得られる範囲において、上方加熱ヒータ21の長手方向に垂直な断面の外周の一部を囲い、吸込口体28と上方加熱ヒータ21で吸込口を形成している。吸込口から調理室17背面開口、調理室排気風路10までは調理室内の排気がスムーズにおこなわれるよう連通している。
言い換えれば、本実施の形態の加熱調理器は、魚等の被加熱物を収容する調理室17を備えた加熱調理器であって、調理室17内の少なくとも上方に配置された棒状の上方加熱ヒータ21と、調理室17の排気を加熱調理器の外部に筐体排気口9を介して排出させる調理室排気風路10と、調理室17からの排気を吸込む吸込口を有し、吸込んだ排気を調理室排気風路10へと導く吸込口体28と、を備え、上方加熱ヒータ21の一部分は、吸込口体28の前記吸込口の近傍に配置され、上方加熱ヒータ21の前記一部分の軸方向垂直な同一断面において、上方加熱ヒータ21の外周面一端は調理室17の内側に面し、他端は吸込口体28の内側に面している。
なお、上方加熱ヒータ21は、本実施の形態においては、吸込口体28の吸込口近傍においては、直線的な棒状部材として図示されているが、これに限定されるものではなく、曲線を描くようにカーブさせたり、波形状に形成させたりしてもよい。また、上方加熱ヒータ21の断面形状は、円状に限定されるものでは、楕円、扁平、多角形などどのような形状であってもよい。
一方、吸込口体28の吸込口近傍の上方加熱ヒータ21の部分は、吸込口正面から見た場合に、吸込口の延在方向(本実施の形態では水平方向)と同じ方向に延在して、この吸込口を部分的に塞ぐようにして配置されており、吸込口を通過する排気は、上方加熱ヒータ21のこの部分に接触して加熱されるようにもなっている。さらに、上方加熱ヒータ21のこの部分は、軸方向垂直同一断面において一方側で調理室17の被加熱部材への加熱に寄与する放射を行だけでなく、同時にその反対側では吸込口体28や調理室排気風路10内への放射を行い、結果的に後述の触媒体への加熱に寄与することもできる。
本実施の形態においては上方加熱ヒータ21と下方加熱ヒータ23により調理台22に載置される被加熱物を上下方向より一度で加熱する構成としているが、上方のみに加熱ヒータを設けてもよく、被加熱物の上下を反転させる等により同様の加熱調理は可能であり、加熱ヒータの数・配置によらず本発明の効果は同様に得られる。
図7は、調理室17の上面及び調理室扉7を取り外した状態の吸込口体28の分解斜視図である。
吸込口体28は、吸込口体上部品26、吸込口体下部品27、吸込口体上面ガイド29から構成されている。吸込口体上面ガイド29は調理室17背面壁面と一体化され、調理室17背面開口を形成するために背面部材を切り起こし更にガイド形状に成形している。
吸込口体上部品26は吸込口体上面ガイド29を上方から被さるように背面壁面に締結部材30にて固定されている。
吸込口体下部品27には、触媒体31が係合されており、締結部材30を外すことで一体的に着脱可能としている。吸込口体下部品27の触媒体保持部は調理室排気風路10内に挿入され、挿入部を前方へ引き出した後、下方へ移動させることにより、上方加熱ヒータ21を取り外すことなく着脱が行え、調理室扉7を開ける、または取り外すことにより調理室17の前面開口より、触媒体31と一体となった吸込口体下部品27を着脱可能としている。
図8は、吸込口体下部品27と触媒体31の分解斜視図である。
触媒体31は吸込口体下部品27の上方より挿入され、吸込口体下部品27の壁面及び爪部にて係合されており、本体1からの着脱作業時に触媒体31が外れることはない。また係合をおこなう爪部は係合をおこなえる最低限の大きさとしており、調理室からの排気の通風を妨げることはない。
図9は、本体1の調理室排気風路10部分の側面断面図を示す。
吸込口体上面ガイド29の先端側は上方加熱ヒータ21の外周面と吸込口を形成しており、概一定の風路幅となるようなガイド面33が形成され、外周面と相似形状の面等で構成される。吸込口体上面ガイド29はガイド面33から調理室排気風路10へ至る面は調理室排気風路10の上面にスムーズに繋がるよう少なくとも接続部は同一面となるよう形成されている。
吸込口体28の上方加熱ヒータ21通過後から調理室排気風路までは風路に曲がり等が無く圧力損失少なく排気は通過する。
また、上方加熱ヒータ21からの放射が直接触媒体31に届くよう、空間が設けられ遮蔽物は概ね無く必要最低限とするとともに、触媒体31の高さ範囲内に上方加熱ヒータ21が重なるように配置され、触媒体31の流入面に上方加熱ヒータ21の外周面からの放射が垂直に到達する部分が含まれることで、上方加熱ヒータ21からの放射を効率良く受けることができる。
また、吸込口体28の調理室17内の開口から触媒体31に至る内面の表面は、高い反射率となる表面処理が行われており、上方加熱ヒータ21からの放射を吸収少なく反射することにより、触媒体31へ到達させている。
調理室排気風路10は概L字状に形成され、調理室17側の水平部と筐体排気口9側の垂直部からなり、水平部の調理室17側には触媒体31が配置され、垂直部の上面に排気口が設けられ、その対向する底面に駆動気体流入口34が設けられている。冷却風排気風路接続口20から流入した冷却風の一部は駆動気体流入口34から調理室排気風路10へ流入し、エゼクタの駆動気体として機能し、駆動気体流入口34から上部の排気口へ流れて排気される過程で調理室排気風路10内の空気を誘引することにより、調理室17内で発生する、臭気成分や油煙等の吸引をおこない排気する。本実施の形態においては、エゼクタを用いた吸引・排気をおこなっているが、調理室17内の加熱による上昇気流を用いて調理室内の排気や、排気用の送風機を用いて吸引・排気してもよく、吸引・排気の手段によらず、本発明の効果は同様に得られる。
次に加熱調理器の動作について説明する。
上述のように構成された加熱調理器においては、操作部6の操作により、電子回路基板12より誘導加熱コイルユニット11やラジエントヒーター13や調理室17内の加熱ヒータが制御され各加熱手段による加熱調理がおこなわれる。
調理室17の上方に誘導加熱コイルユニット11やラジエントヒーター13を設けたことにより、本体1上面のトッププレート4でも鍋等に加熱調理を行うことができ、調理範囲が広がり高機能化が可能となる。
ここでは本発明と主に関係する調理室17の加熱調理を説明する。
調理室17内において、調理台22に載置された被加熱物は加熱され調理される。被加熱物は魚等の食材そのままでも、ラッピングされたものや調理容器等の収納されたものでもよい。
操作部6の操作により、調理室17の調理メニューが選択され、調理動作を開始する。
上方加熱ヒータ21の出力や下方加熱ヒータ23の動作開始のタイミングは、選択された調理メニューにより、想定される煙や臭気成分の浄化の負荷、調理室17内の複数の温度センサ25が検知した出力に基づき制御される。
調理動作開始時は、上方加熱ヒータ21、冷却ファン18が動作状態となり、被加熱物の上面より加熱が開始されるとともに、触媒体31の加熱もおこなわれる。
最初に上方加熱ヒータ21が動作して触媒体31の温度を上げておくことにより、触媒の活性を高め、浄化性能を高めておくことができる。調理開始時点では、触媒体31の温度は室温であるが、調理開始時点では調理室17内温度、被加熱物の温度も低く、調理に伴う煙や臭気物質は発生しないことから、調理による臭気や煙が発生するまでに触媒体の温度が上昇して浄化性能が得られれば概ね触媒体31の機能は発揮される。また、触媒体31にMnやPt等の比較的活性温度の低い触媒を添着することにより、調理開始から所定の浄化性能を得るまでの時間を短くすることができる。Mnは室温においても触媒活性を得られることから、このような用途においては有効である。
上方加熱ヒータ21が動作して吸込口体28内及び調理室17内のそれぞれの温度センサ25の出力が選択された調理メニューのソフトに従い所定の温度または所定の温度に到達後一定時間を経過した後、下方加熱ヒータ23の加熱動作が開始される。
調理ソフトの制御により、被加熱物の上面と下面の焼き加減を調整するため、先行して加熱動作が行われた上方加熱ヒータ21の出力は低くなり、下方加熱ヒータ23の出力は高くなる制御が行われる場合もあるが、上方加熱ヒータ21の加熱動作は完全に停止することは無くある程度の加熱は維持され、吸込口体28と上方加熱ヒータ21で構成される吸込口を排気が通過際には湯気や油煙の気化が行われ、白煙が抑制される。同時に触媒体31の温度も上方加熱ヒータの放射により加熱され調理室17の排気温度よりも高くすることででき浄化性能が高まる。上方加熱ヒータ21の加熱動作による出力は触媒体31に添着される触媒の種類により所定の出力が設定され、各触媒が所定の浄化性能が得られる温度となる出力となっている。
温度センサ25の出力により、上方加熱ヒータ21や下方加熱ヒータ23の出力を調整して浄化性能や排気の清浄度を高める方向へ制御され、加熱調理が適切に行われる制御を含め調理ソフトにより調整される。
個々の制御は調理メニューにより異なるため、代表的な例を記載するが、加熱調理が適切に行われる制御との調整により常にそれらの制御がおこなわれる訳ではなく全体の制御の一部として適切なタイミングで以下の制御がおこなわれる。
例えば、調理室17内の温度センサ25の出力とから得られる調理室17内の温度と、その時の上方加熱ヒータ21の出力から、触媒体31の温度を推測して、必要な浄化性能が得られる所定の触媒温度以下の場合は、上方加熱ヒータ21の出力を高める制御が行われることや、更には調理メニューの種類の応じた調理過程(経過時間)における煙や臭気の発生による触媒の負荷を記憶しておき、各タイミングで必要とされる触媒の浄化能力が得られる触媒温度となるよう温度センサ25出力・上方加熱ヒータ21出力からの触媒温度の推測値との比較から上方加熱ヒータ21の出力が制御される。
上方加熱ヒータ21、下方加熱ヒータ23等のヒータの出力は短時間の通電・非通電のON/OFF制御により平均的な出力を制御する場合もあり、動作状態においても非通電で電流が流れていない状態もある。
次に調理室17内の冷却ファン18動作と調理室17内の排気の吸引について詳細を説明する調理室17で調理動作をおこなうと調理メニューにより異なるが一例としては、上下の加熱ヒータは500〜800℃に発熱し調理室17内の温度は200〜300℃となり、調理室17の壁面は一定の断熱ヒータを備えていても、放射や熱伝達により筐体内の温度は上昇する。筐体内の温度が上昇すると構成する部品が機能しなくことや寿命が短くなることを回避するため、冷却ファン18により筐体内の各部品が耐熱温度以下となるよう冷却されている。
冷却ファン18が動作すると、外部の空気は吸排気口カバー5を通過して、筐体吸気口8から基板ケースユニット15の吸込口に流入し、冷却ファン18に吸引・送出され基板ケースユニット15内の電子回路基板12に実装される部品の動作による自己発熱を冷却した後、基板ケースユニットから送出されチャンバ16に流入する。流入した冷却風はチャンバ16の上面の吹出口より吹出され、上方に配置される誘導加熱コイルユニット11の冷却をおこなった後、背面側の冷却風排気風路接続口20へ流入し、一部は冷却風排気風路14を通過し、一部は駆動気体流入口34から調理室排気風路10内を通過して、筐体排気口9から吸排気口カバー5を経て筐体外へ排気される。
駆動気体流入口34から調理室排気風路10へ流入した排気は、駆動流体として調理室排気風路10垂直部内を上面排気口に向かい噴出されることで、駆動気体流入口34がスリット状のノズルとして機能し、調理室排気風路10内に噴流が形成されることによりエゼクタとして機能して調理室排気風路10水平部を介して調理室17内の空気が吸引される。
次に調理の過程において発生する油煙や臭気成分の浄化動作について説明する。調理室17内で加熱調理をおこなうと被加熱物である食材から湯気や油煙、臭気成分等が発生するとともに、食材からの汁気や脂分が受皿24や下方加熱ヒータ23と接触して揮発することにより湯気や油煙・臭気成分等が発生して調理室17内に拡散する。拡散した湯気や油煙、臭気成分は、吸込口体28と上方加熱ヒータ21で形成された吸込口より吸引される。吸引された湯気や油煙は上方加熱ヒータ21の近くを通過するときに気化され、微細な液体から気体となり、排気の白煙を抑制することができる。湯気は100℃以上で気化され、油煙は240℃以上で気化が促進されることから、吸込口の温度は240℃以上に保つことが望ましい。また、吸込口体28と上方加熱ヒータ21の形成されるスリット状の吸込口の幅(上方加熱ヒータ21長手方向軸断面において)は狭いほど上方加熱ヒータ21との接触が高まり気化は促進されるが、排気風量・通過流速と圧力損失の兼ね合いも含め、家庭用の加熱調理器においては、1〜10mm程度が良好である。また、吸込口体上面ガイド29の先端側内面と上方加熱ヒータ21の外周面で形成される、上方加熱ヒータ21の上側の吸込風路のように、上方加熱ヒータの外周面に沿った風路とすることで、更に上方加熱ヒータ21との接触が高まり、気化が促進され白煙を減少させることができる。
吸込口体28内を通過した排気は、触媒体31へ流入し、排気に含まれる油分や臭気成分等は触媒体31に添着されている触媒により酸化分解能され、濃度が低減され浄化される。触媒による汚染物の分解は触媒活性が高くなる高温程有利となり浄化性能が向上する。触媒は排気に含まれる排熱及び調理への寄与の少ない上方加熱ヒータ21からの調理室背面方向への放射により加熱され、被加熱物への放射は吸込口体28が無い状態とほぼ同等となることから加熱調理もほぼ変わらない仕上がり状態が得られる。
触媒活性を高め浄化性能を向上するためには効率良く触媒が加熱されるよう、触媒体31の高さ方向範囲と上方加熱ヒータ21が重なるように配置することで、上方加熱ヒータ21の外周面からの垂線が、触媒体31の流入面に垂直に交わる部分を設けることで、上方加熱ヒータ21からの放射が垂直に近い角度で触媒体へ入射することから効率良く加熱されるとともに、吸込口体28の内面の反射率を高めることで、吸込口体28内への放射を反射させて触媒体へ入射させることにより更に効率良く加熱を行えるようにしている。触媒体31で浄化され清浄度の向上した排気は調理室排気風路10から筐体排気口9、吸排気口カバーを経て室内に排気される。
次に触媒体31のメンテナンス動作について説明する。まず、操作部6から指示する触媒再生モードによる触媒体31のメンテナンス動作について説明する。
調理室17にて一定期間、加熱調理をおこなうと触媒体31に分解しきれなかった、排気中の油等の汚染物が付着して、浄化能力が低下して排気の煙や臭いが残る状態になる場合がある。
このような状態になった場合、操作部6の操作より触媒再生モードを指示すると、冷却ファン18が動作して調理室17から排気がおこなわれるとともに、上方加熱ヒータ21が動作状態となり、触媒体31が加熱され、触媒活性により付着した油や汚染物質が酸化分解され除去され、触媒体31の浄化性能が回復し再生される。
触媒体31の加熱温度は添着される触媒の使用上限温度から酸化分解時に発生する反応熱による温度上昇を差し引いた温度となる。
上方加熱ヒータ21の出力は少ないほど省エネとなることから、効率良く触媒体を加熱する必要があり、上方加熱ヒータ21からの放射による伝熱を触媒体に効率よくおこなうために、吸込口体28等を含む構成が有効なことは既に説明した通りである。
再生のための加熱時間は、一定時間として浄化能力が回復するまでユーザーが複数回実行することや、前回の再生してからの加熱調理の動作時間を12電子回路基板にて積算・記録しておき、動作時間に応じた再生時間としたり、再生時間を一定としたりして、所定の動作時間後ユーザーに触媒再生を喚起するよう音声や操作部6に表示してもよい。
次に触媒体31を交換する場合のメンテナンス動作を説明する。
触媒再生モードにて触媒の汚れを除去しても、触媒体31に添着される触媒は長期間の使用により、触媒としての機能は少しずつ低下し浄化性能も低下する。触媒体31が劣化し触媒再生モードで再生しても浄化性能が回復しない場合は、触媒体31の交換が必要となる。
昨今、加熱調理器等の電気製品の製品寿命化やリユースに伴うメンテナンスにおいて触媒体31の交換の機会が増えており、メンテナンス性の向上がもとめられている。
調理室17の調理室扉7を開閉・取外しにより、本体1前面より調理室17内の吸込口体下部品27及びその締結部材30にアクセスでき、締結部材30を取外すことにより吸込口体下部品27が取外せ、前面より本体1から取出すことができる。吸込口体下部品27と触媒体31は一体的に本体1より取外せることから、本体1外で触媒体31を交換して吸込口体下部品27を取付けることにより、触媒体31が交換できる。本体1を筐体2と筐体上面3等に分解することなく、触媒体31が交換でき容易にメンテンナンスが可能となっている。
また、加熱調理器がキッチン等に組み付けられた状態においても、被加熱物の出し入れをおこなう前面からの部品交換のアクセスは保たれ、組み込まれた状態においてもそれを取外す必要は無い。
以上の構成を有する本実施の形態に係る加熱調理器においては、調理室17内の排気が吸込口体28に吸込まれる際、その近傍の上方加熱ヒータ21により排気に含まれる湯気や油煙や気化が促進され排気にみられる白煙を減少させることができ、一方で吸込口体28近傍の上方加熱ヒータ21の外周の一部は調理室17内に面していることから、上方加熱ヒータ21からの放射は被加熱物に届き無駄なく適切は加熱調理が行うことができる。したがって、煙の排出が少ないとともに調理性にも優れた加熱調理器とすることができる。
同時に調理室17の背面に開口を設け調理室排気風路10を配置することから、調理室17の上面に調理室排気風路10が配置されることなく、調理室17上方に調理室17の室内高さを低くすることなく誘導加熱コイルユニット11やラジエントヒーター13を内蔵することができ、調理室17内において大きな形状の被加熱物の加熱調理や本体1上面での加熱調理が可能となり、調理性能が高く多機能な加熱調理器とすることができる。
また、調理室排気風路10内に触媒体31を設けたことにより、排気に含まれる排熱と上方加熱ヒータ21の調理への寄与の少ない放射、つまり、上方加熱ヒータの吸込口体内側に面した上方加熱ヒータ21の外周部分にの放射により、触媒加熱のための加熱手段や加熱に資するエネルギーを必要とせず、排気に含まれる煙、臭気成分等の汚染物資が酸化分解により浄化されるかとから、低コストで省エネな排気の清浄度の高い加熱調理器とすることができる。
また、調理室排気風路10内に触媒体31を設け、調理室排気風路10の高さ方向範囲に上方加熱ヒータ21を配置するとともに、上方加熱ヒータ21からの放射の一部は触媒体31に直接到達する空間を設けたことにより、上方加熱ヒータ21からの放射を効率良く触媒体31が受けることができ、触媒温度を高くでき、触媒活性が高まり浄化性能を高めることができるとともに、吸込口体28の吸込口から調理室排気風路10に至る風路に曲がりが生じず、圧力損失を増加することなく、排気をスムーズにおこなえることから、排気の清浄度に優れ排気に伴う騒音が増加せず、清潔性の高い動作騒音の低い加熱調理器とすることができる。
また、触媒体31より調理室17内側の吸込口体28の内面に反射率を高める反射手段を備えたことにより、上方加熱ヒータ21からの放射を反射させて触媒体31へ伝熱することにより加熱効率が高まるとともに触媒温度を高まり浄化性能が向上し、エネルギー消費の少ない排気の清浄度に優れた加熱調理器とすることができる。
また、調理室17壁面の一部である吸込口体上面ガイド29が吸込口体28を構成することにより、部品点数が削減され、部品コスト・組立てコストを低減でき、低コストで安価な加熱調理器とすることができる。
また、吸込口体28の一部である吸込口体下部品27が着脱することにより、調理室17内側から触媒体31が着脱可能としたことにより、触媒体31の交換が容易となりメンテナンス性が高まり、メンテナンスコストの低い長寿命の加熱調理器とすることができる。
また、吸込口体28の着脱部である吸込口体下部品27と触媒体31が一体的に着脱可能としたことにより、触媒体31の交換作業が更に容易となりメンテナンス性が高まり、メンテナンスコストの低い長寿命の加熱調理器とすることができる。
また、上方加熱ヒータ21と下方加熱ヒータ23を備え、調理動作開始時は上方加熱ヒータ21を加熱動作状態としたことにより、触媒体31の温度が調理開始から所定の温度になるまでの時間を短くでき、被加熱物の温度が上昇し煙や臭気成分等が発生する前に触媒活性が高まり所定の浄化性能とすることができ、調理中の煙や臭気の排出を抑制でき、排気の臭いが少なく・排気の清浄度に優れた清潔性の高い加熱調理器とすることができる。
また、調理動作時は、上方加熱ヒータ21が常に加熱動作状態であることにより、吸込口体28と上方加熱ヒータ21で形成される吸込口を排気が通過する際に、排気に含まれる湯気や油煙の気化が促進され、排気に含まれる白煙を抑制することができるとともに、触媒体31は上方加熱ヒータ21からの放射により常に加熱され触媒温度を高めることができ、触媒活性が高まり浄化性能を高めることができ、煙の排出が少なく排気の清浄度に優れた清潔性の高い加熱調理器とすることができる。
また、調理動作時は、触媒体31に添着される触媒の種類に応じて、上方加熱ヒータ21は所定出力以上の加熱動作状態としたことにより、各触媒が所定の浄化性能となる温度とできることから、排気の浄化性能が維持され、煙の排出が少なく排気の清浄度に優れた清潔性の高い加熱調理器とすることができる。
また、調理室17に温度センサ25を備え、温度センサ25の出力を用いて、調理室17の温度により、触媒体31の温度を推測して、上方加熱ヒータ21及び下方加熱ヒータ23のいずれかまたは両方を制御することから、適切な触媒温度を維持でき、必要な浄化性能を得ることができことから、煙の排出が少なく排気の清浄度に優れに清潔性の高い加熱調理器とすることができる。
また、操作部6を備えるとともに複数の調理メニューを具備し、操作部6により入力または選択された調理メニューにより調理動作が制御されるとともに、調理メニューにより上方加熱ヒータの出力が制御されることから、調理メニューごとに、調理過程(経過時間)において煙・臭気成分の発生するタイミング・発生量に応じた必要とされる浄化能力に応じた、触媒温度を制御がおこなえ適切な浄化性能を維持できるとともに、過度の浄化能力による電力の無駄を削減でき、煙の排出が少なく排気の清浄度に優れるとともにエネルギー消費の少ない加熱調理器とすることができる。
また、操作部6を備えるとともに触媒再生モードを具備し、触媒再生モードが選択・指示されると、所定の時間上方加熱ヒータ21が加熱動作することにより、触媒体31に付着した油や分解途中で残った汚染物が酸化分解され、触媒体31の付着物等により低下した浄化能力を触媒体31の交換をしなくても回復することができることから、長期間にわたって排気の清浄度を維持できるとともにメンテナス性の優れた加熱調理器とすることができる。
また、調理室17の上方に誘導加熱コイルユニット11やラジエントヒーター13の加熱手段を備えるとともに、本体1の上面のトッププレート4に被加熱物を載置できることから、トッププレート4での加熱調理を行うことができ、調理範囲が広がり高機能の加熱調理器とすることができる。
実施の形態2.
図10および11を用いて、実施の形態2を説明する。実施の形態1とは吸込口体28、触媒体31、温度センサ25に関連する部分のみなので異なる部分のみを主に記載する。
図10は、この発明を実施するための実施の形態2の加熱調理器の側面断面図を示す。
実施の形態2においては、吸込口体28の内部の構成・形状が異なっている。吸込口体下部品27に保持される触媒体31は第一の触媒体35と第二の触媒体36の2種類の触媒体から構成される。
また、触媒体31は調理室17背面壁面より内側に配置され、吸込口体下部品27の形状が実施の形態1とは異なっている。
これにより、触媒体31の流入面と上方加熱ヒータ21の距離が実施形態1より短くなり、より効率良く触媒体31が加熱される。また、触媒体31を調理室17内に配置することにより、触媒体31の少なくとも左右と下方の周囲は調理室17内の雰囲気となり、実施形態1の調理室17背面より外側の調理室排気風路10の周囲温度より高い温度となり、触媒温度を高くすることができる。これらにより、より少ない上方加熱ヒータ21の出力による省エネと高い触媒活性による高い浄化性能が得られる。
吸込口体下部品27の形状は実施の形態1とは異なるが、本体1前面の調理室扉7を開く・外すことにより調理室17内側から、触媒体31と一体で着脱自在であることは実施の形態1と同一である。
また、吸込口体28の内部に温度センサ25とガスセンサ32配置され、吸込口体上部品26に取付けられている。
温度センサ25やガスセンサ32の出力により、上方加熱ヒータ21や下方加熱ヒータ23の出力を調整して浄化性能や排気の清浄度を高める方向へ制御され、加熱調理が適切に行われる制御を含め、調理ソフトにより調整される。
個々の制御は調理メニューにより異なるため、代表的な例を記載するが、加熱調理が適切に行われる制御との調整により常にそれらの制御がおこなわれる訳ではなく全体の制御の一部として適切なタイミングで以下の制御がおこなわれる。
前述の実施の形態1においては、調理室17内の温度センサ25の出力から得られる調理室17内の温度と、その時の上方加熱ヒータ21の出力から、触媒体31の温度を算出し推測していたが、本実施の形態2では、吸込口体28内に温度センサ25を配置して、触媒体31へ流入する排気温度の検知出力より触媒体31の温度を算出することから触媒体31の温度の推測の精度が高まり、推測した触媒体の温度から所定の浄化性能を得るための、上方加熱ヒータ21や下方加熱ヒータ23のいずれかまたは両方の制御の精度が向上しより安定した浄化能力を得ることができる。
例えば、必要な浄化性能が得られる所定の触媒体31温度以下の場合は、上方加熱ヒータ21の出力を高める制御が行われることや、更には調理メニューの種類の応じた調理過程(経過時間)における煙や臭気の発生による触媒の負荷を記憶しておき、各タイミングで必要とされる触媒の浄化能力が得られる触媒体31温度の推測値との比較から上方加熱ヒータ21及び下方加熱ヒータ23の出力が制御においても精度の良い安定した制御が行われ、より安定した浄化性能が得られる。
また、吸込口体28内にガスセンサ32を配置したことにより、調理動作中に発生する油煙や臭気成分等のガス濃度に応じた適切な浄化性能となるよう触媒体31の温度を制御できることから、適切な浄化性能として安定した浄化を行うことができ、排気の清浄度を維持できるとともに、過度の浄化能力の上方加熱ヒータ21及び下方加熱ヒータ23の出力を抑えることができ電力の無駄を削減され省エネとすることができる。
本実施の形態においては、温度センサ25とガスセンサ32は吸込口体上部品26の壁面に設けられているが、この配置は一例でありこれに限るものではなく、吸込口体28の内部に配置されていれば同様の効果が得られ、調理室17背面や上面に配置してもよい。また、ガスセンサ32は吸込口体28以外でも触媒体31の上流側に配置されていれば同様の効果は得られ、調理室17や調理室排気風路10に配置してもよい。
図11は、吸込口体下部品27と触媒体31の分解斜視図である。
触媒体31は第一の触媒体35と第二の触媒体36の2つの別の触媒体を概密接に配置して構成している。
吸込口体下部品27の上方より第一の触媒体35と第二の触媒体36は並べて挿入され、吸込口体下部品27の壁面及び爪部にて係合されており、本体1からの着脱作業時に触媒体31が外れることはない。また係合をおこなう爪部は係合をおこなえる最低限の大きさとしており、調理室からの排気の通風を妨げることはないことは実施の形態1同様である。
調理室側の第一の触媒体35と排気口側の第二の触媒体36それぞれに添着される主な触媒はことなり、第一の触媒体35の方がより活性温度の低い触媒を主に添着しており、第二の触媒体36に添着される触媒は、第一の触媒体35に添着される触媒よりも高い活性温度のものである。
調理動作時に油煙や臭気成分等の有機ガスを含む排気が第一の触媒体35で酸化分解される反応熱で第一の触媒体35を通過後の排気温度は上昇する。この上昇した排気温度の熱を利用してより第二の触媒体36に添着された活性温度の高い触媒の触媒活性を促すことができ、より高い浄化性能が得られるとともに、酸化活性には序列があり触媒の種類により浄化能力の高い物質が異なることから幅広い臭気成分や室内空気汚染物質の浄化が可能となる。
第一の触媒体35と第二の触媒体36にそれぞれに主に添着する触媒の組合せとしては、第一の触媒体35にMnと第二の触媒体36にPt、第一の触媒体35にMnと第二の触媒体36にPd、第一の触媒体35にPtと第二の触媒体36にPdがあげられる。触媒加熱専用の加熱手段が無く触媒温度の低い本実施の形態においては、最も活性温度の低いMnを第一の触媒体35に、次に活性温度の低いPtをと第二の触媒体36に添着することで幅広い温度帯で高い浄化能力が得られ調理動作中安定した排気の浄化がおこなわれる。
本実施の形態においては2種類の触媒体31の構成としているが、3種類の構成としてもよく更に第三の触媒体を排気口側に設けてもよく、この場合は第一の触媒体35にMnと第二の触媒体36にPt、第三の触媒体にPdという組合せとなり、更に幅広い物質に対する浄化能力が得られる。
以上のように構成される実施形態2の加熱調理器においては、触媒体31は調理室17背面より内側に配置されることにより、触媒体31の流入面と上方加熱ヒータ21の距離が実施形態1より短くなり、より効率良く触媒体31が加熱される。また、触媒体31を調理室17内に配置することにより、触媒体31の少なくとも左右と下方の周囲は調理室17内の高温の雰囲気となり、触媒温度を高くすることができ、より少ない上方加熱ヒータ21の出力による省エネと高い触媒活性により排気の清浄度に優れるとともにエネルギー消費の少ない加熱調理器とすることができる。
触媒体31は第一の触媒体35と第二の触媒体36を備えるとともに、これら触媒体35、36は概密接に配置し、触媒体31に主に添着される触媒の活性温度の低いものから、調理室側に配置したことにより、活性温度の低い第一の触媒体35の触媒の反応熱により排気温度を上げることができ上方加熱ヒータ21の出力が低い状態でも、活性温度の高い第二の触媒体36の触媒活性を得られ、より高い浄化性能が得られるとともに、幅広い臭気成分や室内空気汚染物質の浄化がおこなえ、煙の排出が少なく排気の清浄度に優れるとともにエネルギー消費の少ない加熱調理器とすることができる。
調理室側の第一の触媒体35と排気口側の第二の触媒体36の各触媒体に含まれる主な触媒の組合せを、MnとPtにすると、より低い温度から触媒活性が得られ、調理開始から所定の浄化性能となるまでの時間を短くできる。また、Mn・Pdにすると製品コストを低くできるとともにメタン成分に高い触媒活性が得られる。また、Pt・Pdにすると上方加熱ヒータ21の出力が高い加熱調理器において高い排気温度となる条件において高い浄化能力が得られる。加熱調理器の種類に応じた選択をおこなうことで、煙の排出が少なく排気の清浄度に優れる加熱調理器とすることができる。
吸込口体28に温度センサ25を備え、温度センサ25の出力を用いて、上方加熱ヒータ21の出力を制御することにより、触媒体31へ流入する排気温度の検知出力より触媒体31の触媒活性による浄化性能を算出することにより、浄化性能の推測精度が高まり、所定の浄化性能を得るための上方加熱ヒータ21または下方加熱ヒータ23の制御の精度が向上し、適切な浄化性能が維持でき、排気の清浄度が安定した加熱調理器とすることができる。
また、吸込口体28内にガスセンサ32を備え、ガスセンサ32の出力を用いて、上方加熱ヒータ21および下方加熱ヒータ23のいずれかまたは両方の入力が制御されることにより、調理動作中に発生する油煙や臭気成分等のガス濃度に応じた適切な浄化性能となるよう触媒体31の温度を制御して適切な浄化性能とすることができることから、安定した浄化性能が得られるとともに、過度の浄化能力とならないよう上方加熱ヒータ21および下方加熱ヒータ23の出力を抑えることができ電力の無駄が削減され、排気の清浄度が安定しているとともにエネルギー消費の少ない加熱調理器とすることができる。
実施の形態3.
図12〜16を用いて、実施の形態3を説明する。実施の形態1とは冷却風排気風路14まわりの部材、冷却風排気風路接続口20に関連する部分のみなので異なる部分のみを主に記載する。
図12は、加熱調理器の筐体上面3、トッププレート4、吸排気口カバー5、ラジエントヒーター13、前面右側の誘導加熱コイルユニット11を取外した状態の本体1の斜視図である。
調理室収納部19の後方には、実施の形態1同様に冷却風排気風路接続口20の開口が設けられているが開口の形状が異なり幅方向は調理室排気風路10の幅と同等か狭い寸法となっており、より前面側へ開口が広がっている。
また、調理室排気風路10の排気口部を含む垂直部の形状が異なり、冷却風排気風路14の前面側と調理室排気風路10の垂直部の前面側に冷却風が通風可能な空隙が形成されている。
図13は、調理室17の上面及び調理室扉7を取り外した状態の斜視図である。
調理室排気風路10の垂直部から水平部の一部は排気口前部品37として別部品構成され、第二の締結部材38で調理室排気風路10に固定されている。
図14は、調理室17の上面及び調理室扉7を取り外した状態の分解斜視図である。調理室17内の吸込口体28に係る構成、動作および効果は実施の形態1同様であり、吸込口体下部品27には第一の触媒体35が保持されている。
排気口前部品37は第二の締結部材38を取外すことにより調理室排気風路10から着脱自在であるとともに、第二の触媒体を保持しており一体的に着脱可能となっている。
締結部材30は締結の軸方向からの操作に着脱するが第二の締結部材38は締結する軸の周方向からの操作にて着脱可能であり、冷却風排気風路14との空隙からの操作でも着脱可能となっている。
排気口前部品37は調理室排気風路10の内面側から取付けられるとともに、第二の触媒体の厚さを調理室排気風路10の垂直部の奥行き方向寸法よりも薄くしたことにより、調理室排気風路10の垂直部の内面側に移動させ上方に引き出すことで調理室排気風路10の排気口から着脱可能である。
これらの構成により、本体1がキッチン等に組み付けられた状態においても、吸排気口カバー5を取外すことにより、筐体排気口9より排気口前部品37は第二の締結部材38を取外し、本体1より着脱可能とし一体的に着脱される第二の触媒体を、本体1を筐体2と筐体上面3等に分解することなく交換可能としている。第一の触媒体が本体1キッチン取付け状態においても分解することなく交換可能なことは実施の形態1と同様である。
図15は、排気口前部品37と第二の触媒体36の分解斜視図である。
第二の触媒体36は排気口前部品37の本体1取付け状態で前方より挿入され、排気口前部品37の保持部の弾性変形により前方側の爪部に引っ掛かることなく保持部に収納される。収納後は排気口前部品37の壁面及び爪部にて係合されており、本体1からの着脱作業時に第二の触媒体36が外れることはない。また係合をおこなう爪部は係合をおこなえる最低限の大きさとしており、調理室17からの排気の通風を妨げることはない。
図16は、本体1の調理室排気風路10部分の側面断面図を示す。
調理室排気風路10の調理室17側には第一の触媒体35が背面に近い排気口側には第二の触媒体36が配置されている。第一の触媒体と第二の触媒体の間には空間が設けられており、第二の触媒体の手前の温度センサ25が配置されている。
調理室排気風路10の上方には冷却風排気風路接続口20が設けられており、開口部の前面側の端部は第一の触媒体35の流出面(背面側)のほぼ上部となっている。
調理室側の第一の触媒体35と排気口側の第二の触媒体36それぞれに添着される主な触媒はことなり、第一の触媒体35の方がより活性温度の高い触媒を主に添着しており、第二の触媒体36に添着される触媒は、第一の触媒体35に添着される触媒よりも低い活性温度のものである。
調理能力が高く、上方加熱ヒータ21および下方加熱ヒータ23のいずれか又は両方の出力が高い加熱調理器においては、吸込口体28に流入する排気が高温となるものがある。
触媒の種類により、それぞれ使用上限温度があり、使用上限温度以上で使用すると触媒の性能低下が速く寿命が短くなり、触媒の交換頻度が多く維持費がかさみ、ユーザーの負担が増え好ましくない。触媒活性の温度が低い触媒は使用上限温度も低い傾向にあり、使用上限温度を超えないような使用状態とする必要がある。
本実施の形態においては、吸込口体28に流入した高温の排気は、第一の触媒体35で浄化された後、調理室排気風路10を通過して第二の触媒体36に流入する。排気は調理室排気風路10の周囲温度より高温であることから、第一の触媒体35と第二の触媒体36間を通過する間に調理室排気風路10の壁面より放熱され高温の排気は冷却され、第二の触媒体に添着される触媒の使用上限温度から反応熱による上昇分を差し引いた温度より低い温度で第二の触媒体36に流入することから、第二の触媒体36の寿命を短くすることなく長期間の交換することなく使用できる。
また、実施の形態1においては、冷却風排気風路接続口20の開口部の前面側の端部は第一の触媒体35の流出面(背面側)よりも背面側で第一の触媒体35を覆い、冷却風が第一の触媒体35の周囲に接触して触媒温度が低くなり浄化性能が低下するのを防ぐ形状であったが、本実施の形態においては、開口部の前面側の端部は第一の触媒体35の流出面(背面側)のほぼ上部として、第一の触媒体35と第二の触媒体36の間の調理室排気風路10外周への接触面積が増加するようにして冷却効率を高めている。
また、開口部の幅も実施の形態1においては、調理室排気風路10の幅より広い幅として冷却風がスムーズに冷却風排気風路14に流入するような形状としていたが、本実施の形態においては、調理室排気風路10の幅と同等か狭い寸法として、調理室排気風路10上面を通過するような冷却風の流れを形成し、冷却風の接触を高め冷却効率を高めている。
また、冷却風排気風路14の前面側と調理室排気風路10の垂直部の前面側に冷却風が通風可能な空隙が形成されることにより、調理室排気風路10上面の前面側から冷却風排気風路14垂直部へ向かう冷却風の流れが形成され、調理室排気風路10内のアップドリフトにより特に温度が高くなる上面の冷却効率を高めている。これらの冷却風による調理室排気風路10の冷却により、第一の触媒体35から第二の触媒体の間隔を短くしても第二の触媒体に添着される触媒の使用上限温度以下に排気を冷却でき、調理室排気風路を短くすることができ、スペース効率が高まるとともに部品が小型化でき低コストとできる。
触媒体間の距離が同じであれば、より高い出力の上方加熱ヒータ21や下方加熱ヒータ23を使用することができ、より高い調理能力とすることができ短時間での調理や一回の調理量を増やすことができる。
第一の触媒体35と第二の触媒体36にそれぞれに主に添着する触媒の組合せとしては、第一の触媒体35にPtと第二の触媒体36にMn、第一の触媒体35にPdと第二の触媒体36にMnがあげられる。
調理室側の第一の触媒体35は、上方加熱ヒータ21・下方加熱ヒータ23の出力による第一の触媒体35への流入温度により、出力が高く温度が高い場合はPd、出力が比較的低く温度が低い場合はPtを添着する選択となる。Pd及びPtの使用上限温度は550℃程度と高く、加熱調理の排気の浄化おいては概ね問題はない。
第二の触媒体36に低コストのMnを使用することで触媒コストを低くすることができるとともに、冷却後の温度でも高い触媒活性が得られ十分な浄化性能が得られる。
第一の触媒体35と第二の触媒体36を組合せることにより、浄化性能が高まるととのに、複数の異なる触媒の組合せにより、幅広い臭気成分や室内空気汚染物質の浄化が可能となる。また、第一の触媒体35で一部の臭気成分や室内空気汚染物質が浄化された状態で第二の触媒体36に流入することにより、第二の触媒体36の負荷は低減され、少ない分解で済み反応熱による触媒の温度上昇分を低く抑えられ、その分流入温度を高くすることができ、排気の冷却量を低減できる効果もある。
本実施の形態の第一の触媒体35と第二の触媒体36の配置や間隔は一例であり、これに限るものではなく、第二の触媒体36の触媒の寿命が低下しない温度まで排気が冷却できる配置や間隔であれば同様の効果を得ることができる。
また、第一の触媒体35と第二の触媒体36の間に攪拌板を設けることにより、第二の触媒体36に流入する排気の温度ムラが軽減され、排気が高温となる領域(風路内上方)の触媒寿命が低下しない温度に冷却に必要な第一の触媒体35と第二の触媒体36の間隔を更に短くすることができる。
また、第一の触媒体35は調理室17背面の外側に配置されているが、実施の形態2のように調理室17の内側に配置すれば、さらに浄化性能を高めることができる。
吸込口体28内には温度センサ25と煙センサ39が配置している。吸込口体28内の温度センサ25については、実施の形態2の構成・動作・効果は同様である。吸込口体28内の煙センサ39は実施の形態2のガスセンサ32とほぼ同様の動作・効果を得られるが、ガスセンサ32は排気に含まれるガス成分を検知するため排気に臭気成分の検知に有効であるのに対し、煙センサ39は濁度(透過率)等により排気の粒子成分等を検知しており、白煙等の目視で確認できる煙の検知に有効である。どちらのセンサを備えるかは加熱調理器の特性や使用状態により選択すれば良く、両方を備えてもよい。
調理室排気風路10内の温度センサ25は第二の触媒体36に流入する排気温度を検知しており、その出力より触媒温度を算出して適切な浄化能力が維持されるとともに触媒温度が使用上限温度を超えないよう、上方加熱ヒータ21・下方加熱ヒータ23のいずれかまたは両方の制御をおこなう。これらの制御は他の温度センサ25や煙センサ39の出力と第一の触媒体35の浄化性能や調理室17内の加熱調理の制御を含め適切な調理がなされるとともに排気の清浄度が保たれるよう総合的な制御がなされるうちの一部である。また、操作部6より指示される触媒再生モードにおいても同様に触媒温度が使用上限温度を超えないよう温度センサ25の出力により制御される。
以上のように構成される本実施の加熱調理器においては、第一の触媒体35と第二の触媒体36を備えるとともに、触媒体の間に空間を設け配置し、活性温度の低い触媒を主に含む第二の触媒体36を排気口側に配置したことにより、第二の触媒体に排気が流入する前に放熱され、第二の触媒体の触媒の使用上限温度以下で使用可能となり、触媒の寿命を延ばし第二の触媒体の交換頻度を減らすことができるとともに、出力の大きい上方加熱ヒータ21・下方加熱ヒータ23を使用することができ、メンテナンスコストが低く調理性能の高い加熱調理器とすることができる。
調理室17側の第一の触媒体35の触媒としてPtまたはPdを添着し、排気口側の第二の触媒体36に触媒としてMnを添着することにより、低い触媒コストで高い浄化性能にすることができ、低コストで排気の清浄度の高い加熱調理器とすることができる。
また、冷却ファン18を備え、調理室排気風路10の第一の触媒体35と第二の触媒体36の間の外周に冷却風が接触するようにしたことにより、冷却効率が高まり第一の触媒体35から第二の触媒体の間隔を短くでき、スペース効率の向上による多機能化や部品コストの低減、より高い調理能力とすることができ、製品コストの低い高機能の加熱調理器とすることができる。
また、調理室排気風路10の一部である排気口前部品37が着脱することにより、排気口の内側から第二の触媒体36を着脱可能としたことにより、第二の触媒体36の交換が容易となりメンテナンス性が高まり、メンテナンスコストの低い長寿命の加熱調理器とすることができる。
また、調理室排気風路10の着脱部である排気口前部品37と第二の触媒体36が一体的に着脱可能としたことにより、第二の触媒体36の交換作業が更に容易となりメンテナンス性が高まり、メンテナンスコストの低い長寿命の加熱調理器とすることができる。
第二の触媒体36の厚さを調理室排気風路10の垂直部の奥行き方向寸法よりも薄くしたことにより、調理室排気風路10からの着脱性が容易となり、メンテナンス性が高まり、メンテナンスコストの低い長寿命の加熱調理器とすることができる。
調理室排気風路10の第二の触媒体36の手前の温度センサ25を備え、温度センサ25の出力を用いて、上方加熱ヒータ・下方加熱ヒータのいずれかまたは両方の出力が制御すことにより、第二の触媒体36の触媒温度を算出して適切な浄化能力が維持されるとともに触媒温度が使用上限温度を超えないようにできることから、排気の清浄度が保たれ触媒寿命が長くメンテナンスコストの低い加熱調理器とすることができる。
吸込口体28内に煙センサ39を備え、上方加熱ヒータ21および下方加熱ヒータ23のいずれかまたは両方の出力が制御されることから、調理動作中に発生する煙の濃度に応じた適切な浄化性能となるよう触媒体31の温度を制御して適切な浄化性能とすることができることから、安定した浄化性能が得られるとともに、過度の浄化能力とならないよう上方加熱ヒータ21および下方加熱ヒータ23の出力を抑えることができ電力の無駄が削減され、排気の清浄度が安定しているとともにエネルギー消費の少ない加熱調理器を提供することができる。
実施の形態4.
図17〜21を用いて、実施の形態4を説明する。実施の形態3とは調理室排気風路10まわりに関連する部分が異なり、この異なる部分を主に記載する。
図17は加熱調理器の筐体上面3、トッププレート4、吸排気口カバー5、ラジエントヒーター13、前面右側の誘導加熱コイルユニット11を取外した状態の本体1の斜視図である。
調理室収納部19の後方には、実施の形態3同様に冷却風排気風路接続口20の開口が設けられており、開口の形状も同様である。開口部下方の両側には駆動気体風路40の吸込口が設けられている。
図18は、調理室17の上面及び調理室扉7を取り外した状態の斜視図である。
調理室排気風路10の水平部の上面両側に駆動気体風路40の吸込口が設けられて、調理室排気風路10の側面から下方に駆動気体風路40が配置されている。
図19は、調理室排気風路10に駆動気体風路40を組合せた状態の斜視図である。
調理室排気風路10に駆動気体風路40を組合せることにより、駆動気体風路40の吸込口から調理室排気風路10の駆動気体流入口34に至る概密閉の風路が形成される。
調理室排気風路10の水平部の上面両側に駆動気体風路40の吸込口から冷却風の一部が駆動気体として調理室排気風路10の水平部の上面と接触・冷却しながら吸込まれ、調理室排気風路10の水平部の両側面とで形成される風路を両側面に接触・冷却しながら通過した後、調理室排気風路10の水平部の底面とで形成される風路内を調理室排気風路10の水平部の底面と接触・冷却しながら駆動気体送風機41に吸引・送出され、調理室排気風路10の底面に設けられた駆動気体流入口34より、調理室排気風路10の垂直部に流入し上方の排気口から排気される。
図20は、本体1の駆動気体風路40部分の正面断面図を示す。
駆動気体風路40の下方には駆動気体送風機41が配置されている。本実施の形態においては、駆動気体送風機41は軸流送風機を2台並べる配置する形態としているが、これは一例であり必要な送風能力が得られればよく、これに限るものではなく、遠心送風機を用いることや数も1台やさらに多くの数でもよい。
図21は、本体1の調理室排気風路10部分の側面断面図を示す。
駆動気体風路40と調理室排気風路10の側面と下方で形成される風路は、第一の触媒体35の後方に配置され、駆動気体は調理室排気風路10の上面・側面・底面に接触して調理室排気風路10内の排気の冷却をおこなうが、第一の触媒体35を冷却することはない。
以上の構成を有する加熱調理器においては、駆動気体送風機41を備え、調理室排気風路10の第一の触媒体35と第二の触媒体36の間の外周に駆動気体送風機41に吸引・送出される駆動気体が接触するとともに、駆動気体は調理室排気風路10の駆動気体流入口34へ流入することにより、実施形態3のように冷却風の流れ・接触により冷却する場合にくらべ、駆動気体送風機の送風能力により、よりは速い流速で上面・両側面・底面の全て外周面を冷却できる。
この結果、冷却効率が高まり第一の触媒体35から第二の触媒体の間隔を更に短くしても第二の触媒体36への流入温度は添着される触媒の寿命を短くしない温度に冷却でき、スペース効率の向上による多機能化や部品コストの低減、より上方加熱ヒータ21や下方加熱ヒータ23に高い出力の加熱手段を用いることができ高い調理能力とすることができる。さらに、駆動気体送風機41の送風能力により駆動気体流入口34からの駆動気体の流入速度を速くすることができ、より高いエゼクタによる誘引がおこなわれ、調理室17からの吸引能力が増し、冷却風による吸引では圧力損失が大きく使用できない接触面積が広く目が細かい(単位流入面積当たりのセル数が多くメッシュが細かい)触媒体を第一の触媒体35と第二の触媒体36に使用でき、触媒体の浄化能力を高めることができることから、高機能で排気の清浄度の高い加熱調理器とすることができる。
実施の形態5.
図22〜26を用いて、実施の形態5を説明する。実施の形態3とは調理室排気風路10と上方加熱ヒータ21に関連する部分のみ異なるため、これら異なる部分を主に記載する。
図22は加熱調理器の筐体上面3、トッププレート4、吸排気口カバー5、ラジエントヒーター13、前面右側の誘導加熱コイルユニット11を取外した状態の本体1の斜視図である。
調理室収納部19の後方には、実施の形態3同様に冷却風排気風路接続口20の開口が設けられており、開口の形状も同様である。開口下方の調理室排気風路10の水平部の上面には冷却風流入口42が設けられている。
図23は、調理室17の上面及び調理室扉7を取り外した状態の斜視図である。
調理室排気風路10の水平部の上面の冷却風流入口42の調理室17側は、排気風路上面部品43が設けられ、締結部材30で調理室排気風路10に着脱自在に固定されている。調理室排気風路10の垂直部に排気口前部品37が第二の締結部材で着脱自在に固定されているのは実施の形態3と同様である。
吸込口体28と上方加熱ヒータ21の形状は実施の形態3と異なっているが動作および効果は同様である。
吸込口体28は調理室17背面と一体的に形成されており、凹凸が少なく清掃性に優れた形状となっている。また、背面部品と一体であるため、吸込口体28を形成するのに別部品を必要とせず、部品コスト・組立てコストが不要となり製品コストを安価とすることができる。
上方加熱ヒータ21は、実施の形態3に比べ、吸込口体28と吸込口を形成する部分は背面側への配置となっているが、上方加熱ヒータ21全体の形状・配置のバランスにより加熱調理の仕上がりは概ね実施の形態3と同等であり調理への大きな支障は無い。実施の形態3同様に上方加熱ヒータ21の放射のうち調理への寄与の低い領域は触媒加熱をし、調理への寄与の高い領域は吸込口体28が無い場合とほぼ同様に被加熱物に届くことから、ほぼ同等の調理の仕上がりが得られる。
図24は、調理室17の上面及び調理室扉7を取り外した状態の分解斜視図である。
調理室17の背面には、吸込口体28の開口部が形成されており、上方加熱ヒータ21と吸込口を形成できる位置・形状寸法となっている。調理室17内の吸込口体28に係る構成・動作・効果は実施の形態1同様であり、吸込口体下部品27には第一の触媒体35が保持されている。
調理室排気風路10の水平部の上面の、調理室17背面と冷却風流入口42の間に配置される排気風路上面部品43は第二の締結部材38を取外すことにより、保持される第一の触媒体35と一体的に調理室排気風路10から上方に着脱自在であり、冷却風排気風路接続口20からの作業においても取出すことや取付けることができ、調理室排気風路10を取外すような本体1の分解をすることなく第一の触媒体35を容易に交換可能としている。
排気口前部品37は本体1がキッチン等に組み付けれれた状態においても、筐体排気口9より着脱自在に取出せ、第二の触媒体36が容易に交換できることは実施の形態3同様である。
図25は、排気風路上面部品43と第一の触媒体35の分解斜視図である。
第一の触媒体35は排気風路上面部品43の本体1取付け状態で前方より挿入され、排気風路上面部品43の保持部の弾性変形により前方側の爪部に引っ掛かることなく保持部に収納される。収納後は排気風路上面部品43の壁面及び爪部にて係合されており、本体1からの着脱作業時に第一の触媒体35が外れることはない。また係合をおこなう爪部は係合をおこなえる最低限の大きさとしており、調理室17からの排気の通風を妨げることはない。
図26は、本体1の調理室排気風路10部分の側面断面図を示す。
冷却風流入口42は調理室排気風路10の水平部の第一の触媒体35と第二の触媒体36の間の上面だけではなく下面にも設けられている。
筐体2内は冷却ファン18から冷却風が押込まれ内部の圧力は高い状態であること、駆動気体流入口34からの調理室排気風路10の垂直部への冷却風の流入によるエゼクタの機能による吸引により、冷却風流入口42からは調理室排気風路10に冷却風が流入し排気が筐体2内に漏れることはない。冷却風流入口42から流入する冷却風は調理室排気風路10内の流れと概同方向に流入するよう、排気口側に開口を向けるとともに概水平の導風部を設けており、調理室排気風路10内の流れを阻害するようなことはない。
冷却風流入口42から冷却風が調理室排気風路10内に流入すると、排気と混合して排気温度が低下し、実施の形態3に比べ第二の触媒体36に流入する排気温度を等しく下げるのに第一の触媒体35との間隔を短くでき調理室排気風路10を小さくすることができ、部品コストを低くすることができるとともに、上方加熱ヒータ21・下方加熱ヒータ23に出力の高い加熱手段を使用することができ、高い調理性能とすることができる。
本実施の形態における冷却風流入口42の配置位置、個数、大きさは一例でありこれに限るものではなく、第一の触媒体35と第二の触媒体36の間に配置されていて第二の触媒体36に流入する排気温度が所定の温度に調整できるよう、配置位置、個数、大きさを適切に決めればよく、側面に配置することや、下面のみの配置としてもよい。また、冷却風の混合を促進し第二の触媒体36に流入する排気温度の温度ムラを軽減するために、調理室排気風路10内に攪拌のためのガイドを設けるなどしてもよい。
吸込口体28開口と上方加熱ヒータ21、第一の触媒体35の動作・効果は実施の形態3とほぼ同様である。吸込口体28開口と上方加熱ヒータ21の長手方向の垂直断面の外周でスリット状の吸込口を形成しており、実施の形態3と同様の動作・効果が得られる。また、第一の触媒体35の高さ方向の範囲に上方加熱ヒータ21が重なるように配置されることによる動作および効果も、実施の形態3と同様に得られえる。
調理室排気風路10内の第一の触媒体35の調理室17側には、温度センサ25、ガスセンサ32が配置され、実施の形態2、3と同様に第一の触媒体35の風上側に配置されており、同様の動作・効果が得られる。また、第二の触媒体36の手前にも温度センサ25が配置され実施の形態3と同様の動作・効果が得られる。
以上の構成を有する本実施の形態の加熱調理器においては、調理室17の背面壁面を吸込口体28にしたことにより、部品点数が削減され、部品コスト・組立てコストを低減できるとともに、調理室17の内面壁面の清掃性が向上し、安価で清掃性の優れた加熱調理器とすることができる。
また、調理室排気風路10の着脱部である排気風路上面部品43と第一の触媒体35が一体的に着脱可能としたことにより、第一の触媒体35の交換作業が更に容易となりメンテナンス性が高まり、メンテナンスコストの低い長寿命の加熱調理器とすることができる。
冷却ファン18を備え、調理室排気風路10の第一の触媒体35と第二の触媒体36の間の外周に冷却風が流入する冷却風流入口42を設けたことにより、冷却風を排気に混合して排気温度を低下させることにより、使用上限温度の低い触媒を使用可能にするとともに触媒寿命を長寿命化し交換頻度を減らすとともに、第一の触媒体35から第二の触媒体36の間隔を短くでき、スペース効率の向上による多機能化や部品コストの低減ができるとともに、出力の大きい加熱手段を備え高い調理能力が得られ、製品コスト・メンテナンスコストが低く高機能で排気の清浄性の高い加熱調理器とすることができる。
本発明は、業務用及び家庭用の加熱調理器に利用することができる。
1 本体、2 筐体、3 筐体上面、4 トッププレート、5 吸排気口カバー、6 操作部、7 調理室扉、8 筐体吸気口、9 筐体排気口、10 調理室排気風路、11 誘導加熱コイルユニット、12 電子回路基板、13 ラジエントヒーター、14 冷却風排気風路、15 基板ケースユニット、16 チャンバ、17 調理室、18 冷却ファン、19 調理室収納部、20 冷却風排気風路接続口、21 上方加熱ヒータ、22 調理台、23 下方加熱ヒータ、24 受皿、25 温度センサ、26 吸込口体上部品、27 吸込口体下部品、28 吸込口体、29 吸込口体上面ガイド、30 締結部材、31 触媒体、32 ガスセンサ、33 ガイド面、34 駆動気体流入口、35 第一の触媒体、36 第二の触媒体、37 排気口前部品、38 第二の締結部材、39 煙センサ、40 駆動気体風路、41 駆動気体送風機、42 冷却風流入口、43 排気風路上面部品。

Claims (1)

  1. 被加熱物を収容する調理室と、
    前記調理室内の上方に配置された棒状の加熱ヒータと、
    筐体に設けられた排気口まで連通して、前記調理室内の空気を前記調理室の外部に排出させる排気風路と、
    吸込口を備え前記調理室内の空気を前記排気風路へと導く吸込口体と、
    前記吸込口体に保持された触媒体と、
    を備え、
    前記吸込口体は、
    前記触媒体の空気の流入面視において前記加熱ヒータ及び前記触媒体と重なるように配置され、
    前記触媒体の空気の流入面が前記調理室の壁面より内側となるように前記触媒体を保持するとともに、
    前記調理室内側に突出する凸形状であり、
    前記触媒体の空気の流入面からの前記凸形状の突出寸法が、前記加熱ヒータのうち前記触媒体の空気の流入面視において前記触媒体と重なる部分且つ前記触媒体に最も近い部分と前記触媒体の空気の流入面との距離に概ね等しいとともに、
    前記加熱ヒータは、
    前記調理室内の空気が前記吸込口体へ流入するのを妨げるように配置され、
    当該加熱ヒータの軸方向垂直同一断面において、一方は前記調理室への放射を行い、他方は前記吸込口体の前記吸込口より前記触媒体へ放射を行う
    ことを特徴とする加熱調理器。
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