JP2003144317A - 乾燥海産物パック容器と乾燥海産物の水分回復方法 - Google Patents

乾燥海産物パック容器と乾燥海産物の水分回復方法

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JP2003144317A
JP2003144317A JP2001348285A JP2001348285A JP2003144317A JP 2003144317 A JP2003144317 A JP 2003144317A JP 2001348285 A JP2001348285 A JP 2001348285A JP 2001348285 A JP2001348285 A JP 2001348285A JP 2003144317 A JP2003144317 A JP 2003144317A
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dried
water
seafood
heat
container
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Hiroshi Tanaka
博 田中
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SANKO SANGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 風味と新鮮さを保つことができ、常温下でも
長期間保存でき、水分をごく短時間の内に簡単に回復で
き、旨味成分を逃さず、塩分濃度の調整が容易で、健康
面に配慮した安価な乾燥海産物を供給するための水分回
復方法を提供する。 【解決手段】 本発明の乾燥海産物パック容器は、ちり
めん雑魚等を所定量収容した耐熱容器1と、耐熱容器1
の上面を密封する蓋フィルム2を備え、含水状態を回復
するときには、剥離可能部の蓋フィルム2を剥離して形
成される第1開口から所定量の給水を行い、マイクロ波
の照射により加熱した後に蓋フィルム2を剥離して形成
された水切り細孔2cから排水することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、ちりめん雑魚等の
乾燥海産物に水を加えて水分と旨味を戻す乾燥海産物パ
ック容器と、そのとき使用する乾燥海産物の水分回復方
法に関する。
【従来の技術】ちりめん雑魚等の乾燥海産物は、漁獲し
てから一旦煮沸した塩水を湯通しし、その後これを乾燥
することによって生産される。この湯通しをする際の処
理温度や処理時間、処理水の塩分濃度等の違い、さら
に、天日干や加熱乾燥等の乾燥方法の違い、乾燥させる
程度等で、同じ乾燥海産物でも各地でそれぞれ個性ある
海産物となる。なお、このような乾燥海産物としては、
上述したちりめん雑魚が代表的なものであるが、干海
老、煮干し、ヒジキ等の海草類など塩分を含み乾燥させ
た海産物をすべて含むものである。以下、ちりめん雑魚
を海産物の一例として説明するが、ちりめん雑魚に限ら
れるものではない。さて、ちりめん雑魚の種類や品質
は、通常、素材となるイワシの稚魚やシロウオ等の品
質、味覚、外観、塩分、硬さ等で決まるものである。中
でも、素材の雑魚が色調としては白く、状態が良く、適
度の塩味があり、含水率55%前後で柔らかなちりめん
雑魚(以下、「しらす」)が、そのまま食べることがで
きる美味しいちりめん雑魚といわれている。しかし、こ
のような「しらす」は水分活性が高く、保存には不向き
で、1週間程度で品質劣化を起こし、最悪の場合腐敗す
るようなことも起こる。水分活性を下げるために通常塩
分調整が行われ、塩分濃度11%程度のかなりの塩分濃
度に調整されることが多い。このとき冷蔵庫を利用して
保存期間を延ばすことも行われるが、やはり長期にわた
った保存には「しらす」は適さない。従って、「しら
す」は湯通し処理して半生の状態で含水率55%前後に
した処理したばかりのものが利用され、長期保存できな
いというのが一般的な常識であった。敢えてこれを保存
しようと思えば、脱酸素剤を入れた密封容器の中にこの
ちりめん雑魚を収容したり、殺菌して冷凍で保存するし
かないが、これでは常温での流通ができない上に、数ヶ
月以上経過するとどうしても変質、腐敗が起こってしま
う。しかも冷凍保存を行うと、生産者、仲買人、問屋、
販売店でそれぞれ冷凍による保存をしなければならない
上に、輸送の際にも冷凍または冷蔵による輸送が必要で
物量コストがかかり、ちりめん雑魚の価格を押し上げて
しまうものであった。例えば、常温輸送が可能な煮干に
比べると約3倍の物流コストがかかる。従って、多くの
食卓に美味しいちりめん雑魚を供給するためには、保存
面で多くの課題が残るものであった。これに対し、保存
に適したちりめん雑魚(以下、「上乾ちりめん」とい
う)も存在する。この「上乾ちりめん」は、「しらす」
と同じ素材を使っているが、保存に重きを置くため、乾
燥を徹底しており、低含水率のため色調が黒っぽく、ま
た乾燥している分塩分濃度が抜けており、比較的硬いち
りめん雑魚である。調理によってはそのまま利用する
が、そのまま食べたのでは嗜好的に「しらす」に一歩譲
るという人が多く、湯びくことによって水分状態を元に
戻し、美味しさを回復させて利用するものである。しか
し、「上乾ちりめん」は湯びくときに、塩分や旨味成分
が抜け落ちるため、もう一度塩分を加えて調整する必要
があった。そして、熱湯で湯びくため蛋白質が変成し、
湯びき直後には若干加熱臭が残り、料理にこの加熱臭が
加わってしまう。また、このちりめん雑魚の湯びき処理
は、熱湯を沸かしてシンクに排水するため、火傷の危険
もあり、注意が必要でワンタッチで行えるものではなか
った。以上説明したように、ちりめん雑魚等の乾燥海産
物は、半生で含水率55%前後(50%〜60%)のも
のが好まれるため、保存が難しく、流通量も限られるも
のであった。乾燥した低含水率の乾燥海産物は保存の面
で優れているが、湯びきで旨味成分が抜けおち、味覚や
食感を戻すことがきわめて難しいものであった。そこ
で、水分活性が高くても、強制的にちりめん雑魚等の保
存期間を延ばすために、マイクロ波で加熱して殺菌する
方法が提案された(特開平5−276859号公報)。
すなわち、ちりめん雑魚等は、煮沸して完全に殺菌した
にもかかわらず、水分活性が高い場合、天日乾燥や温風
乾燥して袋詰などの工程で雑菌に汚染されるために腐敗
し保存が難しい。とくに半生状態では常温で1週間程度
の保存が限界であることから、この特開平5−2768
59号公報で提案された方法は、半乾燥状態のちりめん
雑魚等を密封包装した後に、袋詰めしたままマイクロ波
で加熱殺菌処理するものである。これにより、獲れたて
の風味と新鮮さを失うことなく、保存できるというもの
である。
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
従来のちりめん雑魚に代表される乾燥海産物のうち、半
生の「しらす」は、生産されたばかりの新しいものが利
用され、長期保存したものは利用できなかった。敢え
て、殺菌して低温保存したとしても数ヶ月以上経過する
と変質、変色、腐敗が起こり、常温では少なくとも1週
間以上すると流通できなかった。脱酸素剤や低温保存等
を利用すると流通コストがかかるし、流通させる量には
限りがあり、乾燥海産物の価格を押し上げていた。多く
の食卓に「しらす」等の美味しいちりめん雑魚等を供給
するためには、保存性と供給という面で課題が残るもの
であった。これに対し、保存に適した「上乾ちりめん」
等の乾燥海産物は、保存のために水分活性を低くし、微
生物の生息可能性を下げ、組織を安定化するため酸化や
褐変現象を抑え、利用するときは湯びきして水分を元に
戻すものである。このために色調が黒っぽく、塩分が薄
く、硬く、そのまま食すときには「しらす」の方が好ま
れる傾向にある。従って、同じ素材の雑魚等を使い、保
存面では圧倒的に優れているのであるが、商品価格が
「しらす」より下がりがちで、ある意味で消費者にとっ
ては喜ばしいが、生産者としては残念な感じが否めない
ものであった。しかも、この種のちりめん雑魚等は湯び
いて利用するため、どうしても旨味が抜け落ち、同時に
塩分も抜けるため塩分を加えて塩味を再調整する面倒が
あるし、熱湯で湯びくと蛋白質が変成し、直後に加熱臭
が残り、料理にこの加熱臭が加わるという欠点がある。
さらに熱湯を沸かしてシンクに排水するため火傷の危険
もあり、注意が必要で、ワンタッチで気軽に行えるもの
ではなかった。そして、イワシの稚魚やシロウオ、ヒジ
キ等の海産物が大量に水揚げされても、流通できる量に
は限りがあり、一部が「しらす」に回せるだけで、残り
は比較的安価な低水分活性の「上乾ちりめん」に回さざ
るを得ず、生産者にとっては「上乾ちりめん」を「しら
す」もしくはそれ以上のものにすることが夢であった。
これは、消費者にとっては美味しく衛生的で安価なちり
めん雑魚が大量に供給されることであり、ある意味で食
文化に影響することは必至である。ところで、特開平5
−276859号公報で提案された方法は、半生のちり
めん雑魚等を密封包装した後に、袋詰めしたままマイク
ロ波で加熱殺菌処理するものである。これにより、獲れ
たての風味と新鮮さを失うことなく保存できるが、生産
設備としてのマイクロ波装置が必要であり、また、密封
が完全でなければ保存は難しくなる。そして、密封殺菌
で保存期間を伸ばしたに過ぎず、いわば乾物に近いもの
を缶詰のように加熱殺菌して密封保存するというので
は、乾物の性質を十分活用し尽くしておらず非効率であ
り、乾燥海産物の十分な活用策とはなっていない。そこ
で、上記した課題を解決するために本発明は、風味と新
鮮さを保つことができ、常温下でも長期間保存でき、水
分をごく短時間の内に簡単に回復でき、旨味成分を逃さ
ず、塩分濃度の調整が容易で、健康面に配慮した安価な
乾燥海産物を供給するための乾燥海産物パック容器を提
供することを目的とする。また、本発明は、風味と新鮮
さを保つことができ、常温下でも長期間保存でき、水分
をごく短時間の内に簡単に回復でき、旨味成分を逃さ
ず、塩分濃度の調整が容易で、健康面に配慮した安価な
乾燥海産物を供給するための水分回復方法を提供するこ
とを目的とする。
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明の乾燥海産物パック容器は、乾燥海産物を所
定量収容するとともに、マイクロ波が透過可能な材質で
構成された耐熱容器と、耐熱容器の上面に少なくとも1
箇所以上の剥離可能部を設けて貼着され、容器内部を密
封する蓋フィルムを備え、乾燥海産物の水分を回復する
ときには、剥離可能部の1箇所で蓋フィルムを剥離して
形成される第1開口から所定量の給水を行い、マイクロ
波の照射により加熱した後に剥離可能部の1箇所もしく
は他個所の蓋フィルムを剥離して形成された第2開口か
ら排水することを特徴とする。これにより、風味と新鮮
さを保つことができ、常温下でも長期間保存でき、水分
をごく短時間の内に簡単に回復でき、旨味成分を逃さ
ず、塩分濃度の調整が容易で、健康面に配慮した安価な
乾燥海産物を供給することができる。また、本発明の乾
燥海産物の水分回復方法は、乾燥海産物を耐熱容器に収
容して耐熱容器の上面に内部を密封する蓋フィルムを貼
着し、乾燥海産物を利用するときには、蓋フィルムの一
部を剥離して所定量の給水を行い、マイクロ波の照射し
て加熱し、不要な水を排水して乾燥海産物の含水状態を
回復することを特徴とする。これにより、風味と新鮮さ
を保つことができ、常温下でも長期間保存でき、水分を
ごく短時間の内に簡単に回復でき、旨味成分を逃さず、
塩分濃度の調整が容易で、健康面に配慮した安価な乾燥
海産物を供給することができる。
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載された発
明は、乾燥海産物を所定量収容するとともに、マイクロ
波が透過可能な材質で構成された耐熱容器と、耐熱容器
の上面に少なくとも1箇所以上の剥離可能部を設けて貼
着され、容器内部を密封する蓋フィルムを備え、乾燥海
産物の水分を回復するときには、剥離可能部の1箇所で
蓋フィルムを剥離して形成される第1開口から所定量の
給水を行い、マイクロ波の照射により加熱した後に剥離
可能部の1箇所もしくは他個所の蓋フィルムを剥離して
形成された第2開口から排水することを特徴とする乾燥
海産物パック容器であるから、所定量の乾燥海産物に所
定量の給水を行い、マイクロ波を照射して加熱して水分
を回復するため、風味と新鮮さを保ちながら乾燥海産物
の水分を戻すことができ、耐熱容器内に乾燥海産物を密
封して保存するから常温下でも長期間保存でき、マイク
ロ波を照射するごく短時間の内に水分を簡単に回復で
き、旨味成分を逃さず、塩分調整も同時に行え、安価な
半生状態の乾燥海産物を供給することができる。本発明
の請求項2に記載された発明は、中底を備え、該中底上
に乾燥海産物を所定量収容し、該中底の下には排水室が
形成されたマイクロ波を透過可能な材質の耐熱容器と、
耐熱容器の上面に剥離可能部を設けて貼着され、容器内
部を密封する蓋フィルムとを備え、中底には排水口が形
成され、乾燥海産物の水分を回復するときには、剥離可
能部の蓋フィルムを剥離して形成される開口から所定量
の給水を行い、マイクロ波の照射により加熱することを
特徴とする乾燥海産物パック容器であるから、マイクロ
波の照射がすんで水分が回復した後湯びいた乾燥海産物
をそのまま水に漬けておいたのでは、閉じ込めた海産物
の旨味成分が再び溶出してしまうが、中底から排水室に
処理後の不用になった排水を溜めるため、旨味を逃すこ
とがない。湯びいた乾燥海産物を取り出した後、そのま
ま廃棄すればよく、処理が容易である。本発明の請求項
3に記載された発明は、中底には排水口に向けて傾斜が
設けられていることを特徴とする請求項2記載の乾燥海
産物パック容器であるから、傾斜に沿って不用になった
水を容易に排水できる。本発明の請求項4に記載された
発明は、中底には排水口に向けて排水溝が設けられてい
ることを特徴とする請求項2または3記載の乾燥海産物
パック容器であるから、排水溝に沿って不用になった水
を容易に排水できる。本発明の請求項5に記載された発
明は、耐熱容器が電子レンジのマイクロ波照射室より小
さく形成され、該電子レンジによってマイクロ波で加熱
することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
乾燥海産物パック容器であるから、各家庭や業務用の電
子レンジで簡単に乾燥海産物の水分を回復することがで
きる。各家庭や業務用の厨房の電子レンジで加熱するた
め、使用直前に使用する乾燥海産物は殺菌される。本発
明の請求項6に記載された発明は、乾燥海産物がちりめ
ん雑魚であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
に記載の乾燥海産物パック容器であるから、「上乾ちり
めん」等のちりめん雑魚を保存しておいて、マイクロ波
の照射だけで旨味を閉じ込め、塩分を最適濃度に調節で
き、使用時簡単に「しらす」もしくはそれ以上の旨味の
あるちりめん雑魚に変えることができる。「上乾ちりめ
ん」等のちりめん雑魚を有効に利用でき、流通を常温下
で行うことができ、長期間保存後に流通に載せることが
可能になる。本発明の請求項7に記載された発明は、剥
離可能部が1箇所であって、所定量の給水を行う第1開
口が排水を行う第2開口と共通の開口であることを特徴
とする請求項1,5,6のいずれかに記載の乾燥海産物
パック容器であるから、乾燥海産物パック容器の構造を
簡単化できる。本発明の請求項8に記載された発明は、
蓋フィルムが複数のフィルムからなる積層フィルムであ
って、第2開口が、上層フィルムを剥離したときに出現
し、耐熱容器に貼着されたままとなる下層フィルムに形
成された水切り細孔であることを特徴とする請求項1,
5〜7のいずれかに記載の乾燥海産物パック容器である
から、水切り細孔が多数形成された貼着された下層フィ
ルムの上に積層されている剥離可能な上層フィルムを剥
がすことにより、簡単に第2開口となる水切り用のフィ
ルターをつくることができ、湯びきした不要の水を排水
し、塩分調整されながら膨潤化した乾燥海産物を排水と
一緒に外部に流出させることがない。給水のための第1
開口は、蓋フィルムを耐熱容器から剥がすことによって
も、あるいは第2開口と同様に剥離しない積層フィルム
に開けた開口を剥離可能な積層フィルムを剥がすことに
より露出させて形成するのでもよい。本発明の請求項9
に記載された発明は、蓋フィルムの背面に脱酸素剤が添
付されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか
に記載の乾燥海産物パック容器であるから、乾燥海産物
の塩分濃度が低く、水分活性値が比較的高い場合、脱酸
素剤で酸化を防ぐことができる。本発明の請求項10に
記載された発明は、乾燥海産物が、塩分濃度20%〜3
0%の塩水で湯通しによる前処理を行われた後、含水率
15%〜25%に乾燥されて収容されていることを特徴
とする請求項1〜9のいずれかに記載の乾燥海産物パッ
ク容器であるから、含水率15%〜25%に乾燥され、
この状態では塩分濃度10%〜11%となって、微生物
が生息したり、酸化や褐変現象を抑えることができる。
さらに、マイクロ波の加熱後には含水率55%〜65%
の水分に回復するが、このとき塩分はそのままで最も美
味しいと感じる塩分濃度3.0%〜4.0%にすること
ができる。本発明の請求項11に記載された発明は、請
求項1,5〜9のいずれかに記載の乾燥海産物パック容
器であって、耐熱容器には含水率15%〜25%の乾燥
海産物が収容され、該乾燥海産物に対するマイクロ波の
照射で含水率55%〜65%の水分に回復したとき、乾
燥海産物が塩分濃度3.0%〜4.0%になる水量の水
位に目盛りが設けられていることを特徴とする乾燥海産
物パック容器であるから、塩分濃度を直接3.0%〜
4.0%にするための水量を間違いなく給水することが
できる。本発明の請求項12に記載された発明は、請求
項2〜4のいずれかに記載の乾燥海産物パック容器であ
って、耐熱容器には含水率15%〜25%の乾燥海産物
が収容され、該乾燥海産物に対するマイクロ波の照射で
含水率55%〜65%の水分に回復したとき、乾燥海産
物が塩分濃度3.0%〜4.0%になる流出速度で排水
できる開口面積をもつ大きさの排水口が設けられている
ことを特徴とする乾燥海産物パック容器であるから、給
水後即座に排水されることなく、またマイクロ波を照射
して旨味を回復した後に乾燥海産物に水が残存して旨味
が溶出し、これを逃がすことがなく、塩分濃度をそのま
まで美味しいと感じる3.0%〜4.0%に直接するこ
とができる。本発明の請求項13に記載された発明は、
乾燥海産物を耐熱容器に収容して耐熱容器の上面に内部
を密封する蓋フィルムを貼着し、乾燥海産物を利用する
ときには、蓋フィルムの一部を剥離して所定量の給水を
行い、マイクロ波の照射して加熱し、不要な水を排水し
て乾燥海産物の含水状態を回復することを特徴とする乾
燥海産物の水分回復方法であるから、乾燥海産物の水分
を戻すことができ、耐熱容器内に乾燥海産物を密封して
保存するから常温下でも長期間保存でき、水分をマイク
ロ波を照射するごく短時間の内に簡単に回復でき、旨味
成分を逃さず、塩分調整も同時に行え、安価な半生状態
の海産物を供給することができる。本発明の請求項14
に記載された発明は、耐熱容器に排水口を備えた中底を
設け、不要な水は該中底の下の排水室内に収容して排水
することを特徴とする請求項13の乾燥海産物の水分回
復方法であるから、マイクロ波の照射がすんで水分が回
復した後湯びいた乾燥海産物をそのまま水に漬けておく
と、海産物の旨味成分が溶出してしまうが、中底から排
水室に処理後の不用になった排水を溜めることができ、
旨味を逃すことがない。湯びいた乾燥海産物を取り出し
た後、そのまま廃棄すればよく、処理が容易である。本
発明の請求項15に記載された発明は、電子レンジによ
ってマイクロ波を照射して加熱することを特徴とする請
求項14記載の乾燥海産物の水分回復方法であるから、
各家庭や業務用の電子レンジで簡単に乾燥海産物の含水
状態を回復することができる。各家庭や業務用の厨房の
電子レンジで加熱するため、使用直前に使用する乾燥海
産物は殺菌される。本発明の請求項16に記載された発
明は、乾燥海産物がちりめん雑魚であることを特徴とす
る請求項13〜15のいずれかに記載の乾燥海産物の水
分回復方法であるから、上乾ちりめん」等のちりめん雑
魚を保存しておいて、マイクロ波の照射だけで旨味を閉
じ込めたまま塩分を最適濃度に調節でき、使用時簡単に
「しらす」もしくはそれ以上の旨味のあるちりめん雑魚
に変えることができる。「上乾ちりめん」等のちりめん
雑魚を有効に利用でき、流通を常温下で行うことがで
き、長期間保存後に流通に載せることが可能になる。本
発明の請求項17に記載された発明は、乾燥海産物を予
め塩分濃度20〜30%の塩水で湯通しを行って含水率
15%〜25%に乾燥する前処理をしておき、マイクロ
波の照射による加熱だけで含水率55%〜65%の水分
に回復した後の乾燥海産物の塩分濃度を3.0%〜4.
0%にすることを特徴とする請求項13〜16のいずれ
かに記載の乾燥海産物の水分回復方法あるから、含水率
15%〜25%に乾燥され、この状態では塩分濃度10
%〜11%となって、微生物が生息したり、酸化や褐変
現象を抑えることができる。さらに、マイクロ波の加熱
後には含水率55%〜65%の水分に回復するが、この
とき塩分はそのままで最も美味しいと感じる塩分濃度
3.0%〜4.0%にすることができる。 (実施の形態1)以下、本発明における実施の形態1の
乾燥海産物はちりめん雑魚であり、ちりめん雑魚収容の
乾燥海産物パック容器とその水分回復方法について説明
する。図1は本発明の実施の形態1における乾燥海産物
パック容器の斜視図、図2(a)は本発明の実施の形態
1に乾燥海産物パック容器の斜視図、図2(b)は
(a)の乾燥海産物パック容器の断面図、図3(a)は
本発明の実施の形態1におけるおける乾燥海産物パック
容器の蓋フィルムの構成図、図3(b)は(a)の蓋フ
ィルムのA−A断面図、図3(c)は(a)の蓋フィル
ムのB−B断面図である。図1、図2(a)(b)、図
3(a)(b)(c)において、1は乾燥海産物を所定
量収容してマイクロ波が透過可能な材質の耐熱容器、1
aは耐熱容器1の上面に設けられたフランジである。2
はフランジ1aに貼着され、耐熱容器1上面を覆う2層
の積層フィルムからなる蓋フィルム、2aは蓋フィルム
2を構成する上層フィルム、2bは蓋フィルム2を構成
する下層フィルム、2cは下層フィルム2bに形成され
た多数の水切り細孔、3は実施の形態1の乾燥海産物で
あるちりめん雑魚である。実施の形態1においては、ち
りめん雑魚3は30g〜120g程度収容され、含水率
15%〜25%に乾燥処理されたもので、漁獲された
後、塩分濃度20%〜30%の塩水で湯通しの前処理を
され、その後熱風乾燥されて、塩分濃度10%〜11%
に調整されている。塩分濃度10%〜11%、含水率1
5%〜25%という状態にしているから、ちりめん雑魚
3は水分活性が低く、微生物が生息できず、酸化や褐変
現象が確実に抑えられる。含水率を25%より大きく、
確実を期したければ23%程度より大きくした場合に
は、下層フィルム2bに脱酸素剤を添付して酸化を防ぐ
のがよい。本実施の形態1のおけるちりめん雑魚収容の
乾燥海産物パック容器は、この耐熱容器1と蓋フィルム
2と、内部に収容されるちりめん雑魚3から構成され
る。水切り細孔2cは、耐熱容器1内部に収容したちり
めん雑魚等が流出しない大きさと形状であればよく、乾
燥海産物に応じて形状を変えればよいが、通常は小さな
丸孔や長孔を多数形成するのでよい。なお、本明細書で
いう濃度や率は重量%であり、上述した食品の劣化程度
を示す指標となる水分活性は、密閉した空間内に乾燥海
産物を置き、乾燥海産物表面から水分の出入りが平衡に
達した時点の、空間内の水蒸気圧と飽和蒸気圧の比であ
る。4は、収容したちりめん雑魚の重量に対応し、ちり
めん雑魚の塩分、水分を最適な範囲に調整できる給水量
の水位を示す目盛り、5は耐熱容器1と蓋フィルム2を
接着する第1接着層、5aは耐熱容器1と蓋フィルム2
の間を容易に剥離可能な易剥離接着層、6は上層フィル
ム2aと下層フィルム2bの間を接着する第2接着層、
6aは多数の水切り細孔2cを含んだ剥離可能部に塗布
された易剥離接着層、7a,7bは折り曲げ可能線であ
る。耐熱容器1は、マイクロ波による加熱、実施の形態
1の場合電子レンジによる加熱が可能な材料であればよ
く、加熱時の変形を10%〜20%程度に抑えることの
できるポリスチレンやポリプロピレン等の樹脂製の容器
である。耐熱容器1は図2(b)に示すようにフランジ
1aが一体成形されており、このフランジ1aに蓋フィ
ルム2が貼着される。目盛り4は、耐熱容器1にちりめ
ん雑魚を収容して、対応する量の水を加えて電子レンジ
でマイクロ波加熱したとき、含水率60%前後で、塩分
濃度3.5%前後にできる最適の水位の範囲を示してい
る。通常、ちりめん雑魚の容積より若干大きい容積、す
なわち、ちりめん雑魚の上面から1mm〜5mm程度高
い水位まで水を加えるのがよい。なお、この含水率60
%前後というのは55%〜65%のことであり、塩分濃
度3.5%前後というのは3.0%〜4.0%のことで
ある。できれば含水率60%程度、塩分濃度3.5%程
度にするのが、最も美味し易と感じる人が多いため望ま
しい。上述したが含水率60%程度、塩分濃度3.5%
程度とう指標は、美味しさの指標として他の食品でもほ
ぼ共通で、例えばめざしが含水率56%、塩分濃度3.
3%、竹輪が含水率69%、塩分濃度2.5%、魚肉ソ
ーセージが含水率66%、塩分濃度2.1%程度が最も
美味しいとされている。図3(a)(b)(c)に示す
ように、蓋フィルム2は、上層フィルム2aと下層フィ
ルム2bの2層からなる積層フィルムで構成される。上
層フィルム2aと下層フィルム2bはポリスチレンシー
トやその他の樹脂フィルム等の素材を第2接着層で接着
されるが、多数の水切り細孔2cを含んだ剥離可能部に
は易剥離接着層6aが形成されている。従って、折り曲
げ可能線7bから先の上層フィルム2aの易剥離接着層
6aが形成された剥離可能部を剥がすことにより、下層
フィルム2bに形成された水切り細孔2c(本発明の第
2開口)を露出させることができる。また、下層フィル
ム2bの下面は、リング状に塗布された第1接着層5に
より耐熱容器1のフランジ1aと接着されている。そし
て、給水を行う開口を開けるために、折り曲げ可能線7
aから先の剥離可能部の第1接着層5だけは易剥離接着
層5aとなっている。従って、折り曲げ可能線7aから
先の蓋フィルム2を剥離しようとすると、上層フィルム
2aと下層フィルム2bは剥がれず、下層フィルム2b
がフランジ1aから剥がれ、三角状の給水口(本発明の
第1開口)が形成される。この給水口は給水機能のほか
に、蒸気圧のリリーフ機能を有している。なお、蓋フィ
ルム2を積層フィルムとしない場合は、耐熱容器1自体
の剥離可能部相当位置に水切り細孔を開けたフィルター
を一体に設けて、蓋フィルム2を剥がすことによりフィ
ルターを露出させるのでもよい。また、下層フィルム2
bの下面に易剥離接着層5aを設けずに、上層フィルム
2aと下層フィルム2bの間に易剥離接着層5aを形成
するのでもよい。このとき、給水を行う第1開口を下層
フィルム2bに開けておくことが必要である。さらに、
下層フィルム2bに形成された水切り細孔2c(本発明
の第2開口)を給水のための開口(本発明の第1開口)
として共用するのも構造が簡単化できて有効である。次
に、本実施の形態1のちりめん雑魚収容の乾燥海産物パ
ック容器を用い、電子レンジで水分を回復する手順と作
用の説明を行う。塩分濃度10%〜11%、含水率15
%〜25%の「上乾ちりめん」が収容された乾燥海産物
パック容器を用意し、折り曲げ可能線7aから先の蓋フ
イルム2を剥がし、給水するための三角状の開口を開
け、ここから水または湯を給水する。加熱臭をなくすた
めには常温の水の方が望ましい。目盛り4の水位まで水
を入れると最適量となるから、この位置まで水を入れて
再度蓋をし、電子レンジで加熱する。これにより、「上
乾ちりめん」は加熱され、含有されている塩分の一部を
水の中に溶出する。加熱前には10%〜11%あった塩
分を3min.(500w)の加熱で3.5%前後に低
下させることができる。このように3.5%近傍に直接
調整できるため、美味しいちりめん雑魚にできる上に健
康面でも低塩分で安心であり、従来のように塩分濃度を
再度調整する必要がない。なお、微調整は電子レンジの
照射時間で行える。(表1)は、含水率20%で塩分1
1%の「上乾ちりめん」に対して最適水量を加え、電子
レンジで500wで3min.加熱した場合のデータ値
である。なお、「○」は10cm離れて加熱臭がないこ
とを示している。
【表1】 (表1)によれば、「上乾ちりめん」に対して目盛り4
まで水を加え、500wで3分間マイクロ波を照射する
と、照射後にちりめん雑魚は、塩分濃度3.5%前後に
なることが分かる。また、マイクロ波の照射を行うた
め、直後に蛋白質の変成による加熱臭が発生していない
ことが分かる。そして、電子レンジによるマイクロ波の
照射は殺菌作用があり、微生物がほとんど生息していな
い「上乾ちりめん」をさらに殺菌できるものである。こ
こで、電子レンジで「上乾ちりめん」をマイクロ波加熱
したとき、「しらす」もしくはそれ以上になぜ美味し
く、健康面で問題のないちりめん雑魚にすることができ
るのか、以下説明する。「上乾ちりめん」は、塩分濃度
10%〜11%、含水率15%〜25%で収容されてい
る。また、美味しいとされる一般的な「しらす」は塩分
濃度10%〜11%、含水率55%〜60%である。こ
の「上乾ちりめん」を「しらす」と同じような含水率の
状態に戻して利用する場合、従来は熱湯をかけるしかな
かった。しかし、熱湯をかけるだけでは「上乾ちりめ
ん」は時間とともに塩分が抜け(例えば塩分2%以
下)、ふやけて水っぽくなってしまうし(例えば水分6
5%以上)、最大の難点は旨味成分が熱湯の中に溶け出
し、味が極端に落ちてしまう。この「上乾ちりめん」の
旨味成分は乾燥される際ちりめん雑魚のタンパク質がア
ミノ酸に変化したものと考えられるが、この成分はちり
めん雑魚の表面近傍に多数存在しており、この一番重要
な旨味が抜け出してしまうのである。その上、味も毎回
まちまちとなる。一般に美味しいとされる指標が、含水
率60%程度、塩分濃度3.5%程度であることが考え
れば、「上乾ちりめん」を湯びきするのでは美味しくす
るのは至難のことであった。しかし、本発明のようにマ
イクロ波を照射すると、分子が激しく振動して分子間の
摩擦熱で加熱されるため、表面からの加熱でなく内部加
熱される。従って、ちりめん雑魚の内部組織全体が急速
加熱され、分子の振動と含有している水分が瞬時に気化
するために水の浸透経路が一挙に形成され、表面近くの
旨味成分が外部に溶出する前に外部からの強い浸透作用
で水を吸収するものである。これに対し、従来の熱湯に
よる湯びきは、外部からの伝熱と浸透で水分を戻してお
り、いわば冷たく安定した組織状態の内部側へ水が浸透
するには比較的時間がかかる。従って、内部に浸透する
前に旨味成分が溶出し、外部に抜け出てしまうものであ
る。このように、マイクロ波で内側から加熱、振動する
ため、短時間のうちに内部まで柔らかなちりめん雑魚と
することができ、旨味成分を逃さないし、塩分はイオン
化して旨味性分より速く溶出するため3min.程度で
11%程度から3.0%〜4.0%にすることができ
る。このときマイクロ波加熱されたちりめん雑魚は含水
率55%〜60%である。一般的な「しらす」は塩分濃
度10%〜11%、含水率55%〜60%であって、塩
分濃度が高いという欠点がある。しかし、マイクロ波の
照射の場合、美味しいだけでなく、低塩分の3.5%前
後にすることができ、健康面でも優れた物を提供でき
る。そして、「しらす」は水分活性のため時間がたつ
と、味が落ちて変質、腐敗するが、「上乾ちりめん」に
マイクロ波を照射した場合は、常温でもきわめて長期間
保存することができ、味も変わらず、毎回同じように水
分と旨味を回復できる。以上説明したように、本実施の
形態1のちりめん雑魚収容の乾燥海産物パック容器と水
分回復方法は、各家庭内の電子レンジで簡単にちりめん
雑魚の水分を回復することができ、使用直前に殺菌する
ことにもなる。また、「上乾ちりめん」等のちりめん雑
魚を保存しておいて、使用時簡単に「しらす」もしくは
それ以上のちりめん雑魚に変えることができ、「上乾ち
りめん」等のちりめん雑魚を有効に利用でき、流通を常
温下で行うことができる。長期間保存後に流通に載せる
ことも可能になる。従来のちりめん雑魚等のように、塩
分調整を行う必要はなく、電子レンジをかけるだけで最
も美味しいとされるちりめん雑魚にすることができる。 (実施の形態2)次に、本発明の実施の形態2における
乾燥海産物パック容器の説明をする。本発明の実施の形
態2の乾燥海産物パック容器は、内部に乾燥海産物を載
置する中底を設け、その下を排水室とした事を特徴とす
るものである。そして、実施の形態2においても乾燥海
産物もちりめん雑魚である。図4(a)は本発明の実施
の形態2における乾燥海産物パック容器の斜視図、図4
(b)は(a)の乾燥海産物パック容器の一部破砕耐熱
容器斜視図、図4(c)は(a)の乾燥海産物パック容
器のC−C断面図、図5は本発明の実施の形態2におけ
る中底の外観斜視図である。実施の形態1と同一符号は
同一の部材を示しており、その説明は省略する。図4
(a)(b)(c)、図5において、1bは耐熱容器1
の底面、1cは後述する中底8の下方で耐熱容器1の底
に形成された排水室、1dは耐熱容器1の中段に形成さ
れた中底8の周縁を接着する段部、1eは耐熱容器1の
底面から突出された裁頭円錐状の中底支えである。図示
はしないが、図2(b)と同様に、中底8の上に乾燥海
産物であるちりめん雑魚が載置され、図4(a)に示す
ように耐熱容器1のフランジ1aに蓋フィルム2が貼着
される。次に、8は耐熱容器1の内部に配設された中底
である。8aは中底8に設けられた排水口、8bは排水
口8aの周囲に形成された傾斜面、8cは傾斜面8b上
に形成され排水口8aから放射状に伸びる排水溝、8d
は中底支え1eの頂部によって支持される中底8の凹状
支持部である。実施の形態2の中底8は耐熱容器1の内
壁に合わせて略矩形形状をしており、周縁を段部1dに
接着される。接着個所は排水室1cへの排水を促すため
に各辺に部分的に接着して未接着の部分を残すのが好適
である。図5に示すように、中底8には排水口8aが2
つ形成され、各排水口8aの周囲は傾斜面8bで緩やか
なスロープの窪みにされている。2つの窪みを挟んで中
央は稜線となり、この稜線の中間に凹状支持部8dが設
けられている。凹状支持部8dは、中底8を段部1dに
取り付けたとき中底支え1eに接触するように寸法設定
され、接着される。排水口8aの大きさは、マイクロ波
をかけた終えた時点に、ちりめん雑魚に加えた余分の水
が排水室8cに流出し終わる程度の、流出速度を与える
大きさである。乾燥海産物の大きさによっては、例えば
ちりめん雑魚がこの排水口8aから落下することも考え
らるから、このような場合は、段部1dと中底8との隙
間等からも排水させ、排水口8aの開口面積を小さめに
するのがよい。この実施の形態2のちりめん雑魚収容の
乾燥海産物パック容器を利用する方法について説明す
る。、図4(a)に示すように、蓋フィルム2の易剥離
接着層5aの部分を剥ぎ、ここから給水する。内部には
前処理された含水率15%〜25%のちりめん雑魚「上
乾ちりめん」が収容されている。電子レンジに入れて加
熱したとき、激しく蒸発するのを防ぐため、小さめに易
剥離接着層5aを形成するのがよい。給水は内部に収容
されているちりめん雑魚の表面のわずか1mm〜5mm
上の水位まで行う。水はちりめん雑魚でかなりの流体抵
抗を受けながら、排水口8aから排水室8cへ一部流出
を始める。この状態で電子レンジに入れてマイクロ波を
照射する。電子レンジでマイクロ波を3min.(50
0w)かけると、所望の含水率55%〜65%の水分
で、塩分濃度3.0%〜4.0%のちりめん雑魚を得る
ことができる。
【発明の効果】本発明の乾燥海産物パック容器と水分回
復方法は、所定量の乾燥海産物に所定量の給水を行い、
マイクロ波を照射して加熱して水分を回復するため、風
味と新鮮さを保ちながら乾燥海産物の水分を戻すことが
でき、耐熱容器内に乾燥海産物を密封して保存するから
常温下でも長期間保存でき、マイクロ波を照射するごく
短時間の内に水分を簡単に回復でき、旨味成分を逃さ
ず、塩分調整も同時に行え、安価な半生状態の乾燥海産
物を供給することができる。マイクロ波の照射がすんで
水分が回復した後湯びいた乾燥海産物をそのまま水に漬
けておいたのでは、閉じ込めた海産物の旨味成分が再び
溶出してしまうが、中底から排水室に処理後の不用にな
った排水を溜めるため、旨味を逃すことがない。湯びい
た乾燥海産物を取り出した後、そのまま廃棄すればよ
く、処理が容易である。各家庭や業務用の電子レンジで
簡単に乾燥海産物の水分を回復することができる。各家
庭や業務用の厨房の電子レンジで加熱するため、使用直
前に使用する乾燥海産物は殺菌される。また、「上乾ち
りめん」等のちりめん雑魚を保存しておいて、マイクロ
波の照射だけで旨味を閉じ込め、塩分を最適濃度に調節
でき、使用時簡単に「しらす」もしくはそれ以上のちり
めん雑魚に変えることができる。「上乾ちりめん」等の
ちりめん雑魚を有効に利用でき、流通を常温下で行うこ
とができ、長期間保存後に流通に載せることが可能にな
る。水切り細孔が多数形成された貼着された下層フィル
ムの上に積層されている剥離可能な上層フィルムを剥が
すことにより、簡単に第2開口となる水切り用のフィル
ターをつくることができ、湯びきした不要の水を排水
し、塩分調整されながら膨潤化した乾燥海産物を排水と
一緒に外部に流出させることがない。給水のための第1
開口は、蓋フィルムを耐熱容器から剥がすことによって
も、あるいは第2開口と同様に剥離しない積層フィルム
に開けた開口を剥離可能な積層フィルムを剥がすことに
より露出させて形成するのでもよい。乾燥海産物は、含
水率15%〜25%に乾燥され、この状態では塩分濃度
10%〜11%となって、微生物が生息したり、酸化や
褐変現象を抑えることができる。さらに、マイクロ波の
加熱後には含水率55%〜65%の水分に回復するが、
このとき塩分はそのままで最も美味しいと感じる塩分濃
度3.0%〜4.0%にすることができる。水位に目盛
りを設けると、塩分濃度塩分濃度3.0%〜4.0%に
するための水量を間違いなく給水することができる。ま
た、中底を設けた場合は排水口の大きさを調整すること
で、給水後即座に排水されることなく、またマイクロ波
を照射して旨味を回復した後に乾燥海産物に水が残存し
て旨味が溶出し、これを逃がすことがなく、塩分濃度を
そのままで美味しいと感じる3.0%〜4.0%に直接
することができる。本発明の乾燥海産物の水分回復方法
は、乾燥海産物の水分を戻すことができ、耐熱容器内に
乾燥海産物を密封して保存するから常温下でも長期間保
存でき、水分をマイクロ波を照射するごく短時間の内に
簡単に回復でき、旨味成分を逃さず、塩分調整も同時に
行え、安価な半生状態の海産物を供給することができ
る。マイクロ波の照射がすんで水分が回復した後湯びい
た乾燥海産物をそのまま水に漬けておくと、海産物の旨
味成分が溶出してしまうが、中底から排水室に処理後の
不用になった排水を溜めることができ、旨味を逃すこと
がない。湯びいた乾燥海産物を取り出した後、そのまま
廃棄すればよく、処理が容易である。「上乾ちりめん」
等のちりめん雑魚を保存しておいて、マイクロ波の照射
だけで旨味を閉じ込め、塩分を最適濃度に調節でき、使
用時簡単に「しらす」もしくはそれ以上のちりめん雑魚
に変えることができる。「上乾ちりめん」等のちりめん
雑魚を有効に利用でき、流通を常温下で行うことがで
き、長期間保存後に流通に載せることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における乾燥海産物パッ
ク容器の斜視図
【図2】(a)本発明の実施の形態1における乾燥海産
物パック容器の斜視図 (b)(a)の乾燥海産物パック容器の断面図
【図3】(a)本発明の実施の形態1における乾燥海産
物パック容器の蓋フィルムの構成図 (b)(a)の蓋フィルムのA−A断面図 (c)(a)の蓋フィルムのB−B断面図
【図4】(a)本発明の実施の形態2における乾燥海産
物パック容器の斜視図 (b)(a)の乾燥海産物パック容器の一部破砕耐熱容
器斜視図 (c)(a)の乾燥海産物パック容器のC−C断面図
【図5】本発明の実施の形態2における中底の外観斜視
【符号の説明】
1 耐熱容器 1a フランジ 1b 底面 1c 排水室 1d 段部 1e 中底支え 2 蓋フィルム 2a 上層フィルム 2b 下層フィルム 2c 水切り細孔 3 ちりめん雑魚 4 目盛り 5 第1接着層 5a,6a 易剥離接着層 6 第2接着層 7a,7b 折り曲げ可能線 8 中底 8a 排水口 8b 傾斜面 8c 排水溝 8d 凹状支持部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F24C 7/02 F24C 7/02 551C H05B 6/64 H05B 6/64 J Fターム(参考) 3E035 AA05 BA04 BD04 BD06 CA04 3K090 AA01 AB02 BA01 BB01 FA03 FA07 3L086 BF01 BF02 BF03 DA29 4B042 AD39 AP08 AW06 4B055 AA10 BA38 BA68 CA21 CA25 CA84 CB09 CB16 CB21 DB15 FB34

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乾燥海産物を所定量収容するとともに、
    マイクロ波が透過可能な材質で構成された耐熱容器と、 前記耐熱容器の上面に少なくとも1箇所以上の剥離可能
    部を設けて貼着され、容器内部を密封する蓋フィルムを
    備え、 前記乾燥海産物の水分を回復するときには、前記剥離可
    能部の1箇所で蓋フィルムを剥離して形成される第1開
    口から所定量の給水を行い、マイクロ波の照射により加
    熱した後に前記剥離可能部の前記1箇所もしくは他個所
    の蓋フィルムを剥離して形成された第2開口から排水す
    ることを特徴とする乾燥海産物パック容器。
  2. 【請求項2】 中底を備え、該中底上に乾燥海産物を所
    定量収容し、該中底の下には排水室が形成されたマイク
    ロ波を透過可能な材質の耐熱容器と、 前記耐熱容器の上面に剥離可能部を設けて貼着され、容
    器内部を密封する蓋フィルムとを備え、 前記中底には排水口が形成され、 前記乾燥海産物の水分を回復するときには、前記剥離可
    能部の蓋フィルムを剥離して形成される開口から所定量
    の給水を行い、マイクロ波の照射により加熱することを
    特徴とする乾燥海産物パック容器。
  3. 【請求項3】 前記中底には排水口に向けて傾斜が設け
    られていることを特徴とする請求項2記載の乾燥海産物
    パック容器。
  4. 【請求項4】 前記中底には排水口に向けて排水溝が設
    けられていることを特徴とする請求項2または3記載の
    乾燥海産物パック容器。
  5. 【請求項5】 前記耐熱容器が電子レンジのマイクロ波
    照射室より小さく形成され、該電子レンジによってマイ
    クロ波で加熱することを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載の乾燥海産物パック容器。
  6. 【請求項6】 乾燥海産物がちりめん雑魚であることを
    特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の乾燥海産物
    パック容器。
  7. 【請求項7】 前記剥離可能部が1箇所であって、所定
    量の給水を行う第1開口が排水を行う第2開口と共通の
    開口であることを特徴とする請求項1,5,6のいずれ
    かに記載の乾燥海産物パック容器。
  8. 【請求項8】 前記蓋フィルムが複数のフィルムからな
    る積層フィルムであって、前記第2開口が、上層フィル
    ムを剥離したときに出現し、前記耐熱容器に貼着された
    ままとなる下層フィルムに形成された水切り細孔である
    ことを特徴とする請求項1,5〜7のいずれかに記載の
    乾燥海産物パック容器。
  9. 【請求項9】 前記蓋フィルムの背面に脱酸素剤が添付
    されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに
    記載の乾燥海産物パック容器。
  10. 【請求項10】 前記乾燥海産物が、塩分濃度20%〜
    30%の塩水で湯通しによる前処理を行われた後、含水
    率15%〜25%に乾燥されて収容されていることを特
    徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の乾燥海産物パ
    ック容器。
  11. 【請求項11】 請求項1,5〜9のいずれかに記載の
    乾燥海産物パック容器であって、耐熱容器には含水率1
    5%〜25%の乾燥海産物が収容され、該乾燥海産物に
    対するマイクロ波の照射で含水率55%〜65%の水分
    に回復したとき、乾燥海産物が塩分濃度3.0%〜4.
    0%になる水量の水位に目盛りが設けられていることを
    特徴とする乾燥海産物パック容器。
  12. 【請求項12】 請求項2〜4のいずれかに記載の乾燥
    海産物パック容器であって、耐熱容器には含水率15%
    〜25%の乾燥海産物が収容され、該乾燥海産物に対す
    るマイクロ波の照射で含水率55%〜65%の水分に回
    復したとき、乾燥海産物が塩分濃度3.0%〜4.0%
    になる流出速度で排水できる開口面積をもつ大きさの排
    水口が設けられていることを特徴とする乾燥海産物パッ
    ク容器。
  13. 【請求項13】 乾燥海産物を耐熱容器に収容して前記
    耐熱容器の上面に内部を密封する蓋フィルムを貼着し、 前記乾燥海産物を利用するときには、前記蓋フィルムの
    一部を剥離して所定量の給水を行い、マイクロ波の照射
    して加熱し、不要な水を排水して前記乾燥海産物の含水
    状態を回復することを特徴とする乾燥海産物の水分回復
    方法。
  14. 【請求項14】 前記耐熱容器に排水口を備えた中底を
    設け、不要な水は該中底の下の排水室内に収容して排水
    することを特徴とする請求項13の乾燥海産物の水分回
    復方法。
  15. 【請求項15】 電子レンジによってマイクロ波を照射
    して加熱することを特徴とする請求項14記載の乾燥海
    産物の水分回復方法。
  16. 【請求項16】 乾燥海産物がちりめん雑魚であること
    を特徴とする請求項13〜15のいずれかに記載の乾燥
    海産物の水分回復方法。
  17. 【請求項17】 前記乾燥海産物を予め塩分濃度20〜
    30%の塩水で湯通しを行って含水率15%〜25%に
    乾燥する前処理をしておき、マイクロ波の照射による加
    熱だけで含水率55%〜65%の水分に回復した後の乾
    燥海産物の塩分濃度を3.0%〜4.0%にすることを
    特徴とする請求項13〜16のいずれかに記載の乾燥海
    産物の水分回復方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100859749B1 (ko) 2008-02-01 2008-09-23 (주)씨디엠트레이딩 즉석 컵어묵
KR101181516B1 (ko) 2011-01-21 2012-09-10 소순일 보습기능을 갖는 보관용기
JP2012179046A (ja) * 2011-02-07 2012-09-20 Komatsu Suisan Kk シラスペースト及びその製造方法

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