JP6437156B1 - 調理済み惣菜の製造方法及びその製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】家庭で調理したような手作り感を有する調理済み惣菜の製造方法及びその製造装置を提供する。
【解決手段】ごぼう、れんこん、じゃがいも、にんじん、にんにくの芽、及びいんげんの中から選択される少なくとも1つの野菜を揚げ油で揚げるフライ工程S1と、フライ工程S1において揚げられた野菜を調味液に接触させることで野菜に対して味付けを行う味付け工程S2と、味付け工程S2において味付けを行った野菜を炙る炙り工程S3と、を有するきんぴらごぼうの製造方法とする。この製造方法は、フライ装置1と味付け装置2と炙り装置3とを備える製造装置10によって行われる。
【選択図】図1

Description

本発明は、調理済み惣菜の製造方法及びその製造装置に関する。
近年、食生活や生活スタイルの多様化により、コンビニエンスストアなどで手軽に購入できる調理済み惣菜が普及している。このような調理済み惣菜として様々なものが売られており、中でも、古くから日本人に食されているごぼうを使用した「きんぴらごぼう」が売られている。
きんぴらごぼうは、家庭で調理する場合には、フライパンなどを使用してごぼうとともに、必要に応じてにんじんなどの副材料を加え、大さじ1〜2杯程度の油で炒めて調味液とからめることで得られる。しかし、コンビニエンスストアに出荷されるきんぴらごぼうなどの調理済み惣菜を製造(生産)する製造工場(食品加工工場)では、大量生産の観点から、フライパンなどを使用して炒めることは現実的ではない。そこで、フライパンなどを用いた「炒め」を行わない調理方法が採用されることが多い。
きんぴらごぼうに似たごぼう加工食品を大量生産できる技術が、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、フライしたごぼうが調味液とともにほぼ脱気した状態で容器に密封され加熱されていることを特徴とするごぼう加工食品が記載されている。
特開平5−328930号公報
特許文献1に記載の技術では、ごぼうは調味液に浸されて加熱されることで、ごぼうの味付けが行われる(特に、特許文献1の段落0012参照)。そのため、特許文献1に記載の技術では、きんぴらごぼうに似たごぼう加工食品として、ごぼうの内部に万遍なく一様に調味液が浸透した「ごぼうの煮込み」のようなものが製造される。すなわち、特許文献1に記載の技術では、家庭で手作りしたような感じできんぴらごぼうなどの調理済み惣菜を製造することはできない。なお、本明細書において、「家庭で手作りしたような感じ」とは、例えば、家庭で手作りしたような見た目、食感、味などをいう(以下、「家庭で手作りしたような感じ」を「手作り感」ということがある)。手作り感を有していることの一つの目安として、例えば、調理済み惣菜に用いられている野菜の断面をみたときに、調味液が野菜の表面及び表面から浅い部分までしか浸透しておらず、野菜の中心部までは浸透していないことが挙げられる。つまり、手作り感を有していることの一つの目安として、調理済み惣菜に用いられている野菜の断面をみたときに、調味液の浸透具合に関して、表面及び表面から浅い部分と、中心部とで濃淡がある(コントラストがある)ことが挙げられる。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、家庭で調理したような手作り感を有する調理済み惣菜の製造方法及びその製造装置を提供することである。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、以下の知見を見出して本発明を完成させた。すなわち、本発明に係る調理済み惣菜の製造方法は、ごぼう、れんこん、じゃがいも、にんじん、にんにくの芽、及びいんげんの中から選択される少なくとも1つの野菜を揚げ油で揚げるフライ工程と、当該フライ工程において揚げられた野菜を調味液に接触させることで野菜に対して味付けを行う味付け工程と、当該味付け工程において味付けを行った野菜を炙る炙り工程と、を含む。その他の解決手段は発明を実施するための形態において後記する。
本発明によれば、家庭で調理したような手作り感を有する調理済み惣菜の製造方法及びその製造装置を提供することができる。
本実施形態における調理済み惣菜の製造工程を示すフローチャートである。 本実施形態における調理済み惣菜製造装置を示す図である。 評価結果を示すグラフであり、(a)は見た目の評価、(b)は食感の評価に関するグラフである。 評価結果を示すグラフであり、(a)は味の評価、(b)は総合評価に関するグラフである。
以下、図面を適宜参照しながら本発明を実施するための形態(本実施形態)を説明する。
図1は、本実施形態に係る調理済み惣菜の製造工程を示すフローチャートである。また、図2は、本実施形態に係る調理済み惣菜製造装置10を示す図である。図1に示す製造工程は、図2に示す調理済み惣菜製造装置10を使用して行われる。
本実施形態の調理済み惣菜の製造方法(以下、単に「本実施形態の製造方法」ということがある)は、図1に示すように、フライ工程S1と、味付け工程S2と、炙り工程S3と、を含んでいる。
なお、本実施形態の製造方法は、フライ工程S1の前に、必要に応じて前処理工程S11と、水晒し工程S12と、脱水工程S13と、を含んでいてもよい。
また、本実施形態の製造方法は、炙り工程S3の後に、必要に応じて追加加熱工程S14を含んでいてもよい。
さらに、本実施形態の製造方法は、炙り工程S3の後又は追加加熱工程S14の後に、必要に応じて包装工程S15を含んでいてもよい。
本実施形態の製造方法は前記した各工程のうち、フライ工程S1、味付け工程S2及び炙り工程S3を経ることで、フライパンなどを使用して家庭で調理したような手作り感を有する調理済み惣菜を大量に製造できる。なお、調理済み惣菜としては、例えば、きんぴらごぼう、れんこんのきんぴら、人参しりしり、にんにくの芽の炒め物、インゲンの炒め物などが挙げられるが、これらに限定されない。
以下、各工程について説明する。
(フライ工程S1)
フライ工程S1は、ごぼう、れんこん、じゃがいも、にんじん、にんにくの芽、及びいんげんの中から選択される少なくとも1つの野菜を揚げ油で揚げる工程である。本実施形態では、このフライ工程S1を行うことによって、単なる加熱とは異なり、前記した野菜の内部が短時間かつ均一に加熱される。そのため、フライパンを使用したような炒め感が得られる。しかも、短時間で処理されるので、熱による野菜へのダメージが抑制される。これにより、野菜特有の食感が活かされた、食感の良い調理済み惣菜が得られる。
なお、本実施形態における「フライ」及び「揚げ油で揚げる」とは、油の体積V1と、油で処理される野菜の体積V2とが、V1>V2の関係で処理すること、つまり、油の体積V1が、野菜の体積V2よりも多い状態で揚げることをいう。
フライにされる野菜は、予め表面を洗浄し、必要に応じて皮を剥いておいてもよい。これにより、各種の調理済み惣菜に適した態様とすることができる。また、使用する野菜によっては、皮に起因する食べ難さを回避することができる。
フライにされる野菜は、任意の形状にカットすることができる。例えば、ごぼうの場合であれば数cmの長さで千切りにしたり、ささがきにしたり(笹の葉の形に似せて薄く切り落としたり)することができる。これにより家庭で調理したような手作り感がより向上した調理済み惣菜を製造することができる。また、調理済み惣菜がきんぴらごぼうである場合、食べるときの食べ易さを高めることができ、さらに、フライ工程S1においてごぼうがむらなく加熱されるので、調理不良が十分に防止される。
油で揚げる時間(フライ時間)は、例えば、60秒以上が好ましく、80秒以上がより好ましく、また、例えば、120秒以下が好ましく、100秒以下がより好ましいが、これらに限定されない。油で揚げる時間をこの範囲とすることで、揚げ過ぎること(加熱し過ぎること)によって鮮度感や野菜特有の食感が喪失されたり、コゲが生じたりすることを防止でき、また、揚げ不足によって生の野菜の食感等が残り過ぎる(未調理感)のを防止できる。従って、好ましい食感を有する調理済み惣菜が得られる。
油で揚げる際の油の温度(フライ温度)としては、例えば、100℃以上が好ましく、110℃以上がより好ましく、また、例えば、150℃以下が好ましく、140℃以下がより好ましいが、これらに限定されない。油の温度をこの範囲とすることで、表面のみが高温で揚げられることによる食感不良の防止、揚げ不足による未調理感の防止などを図ることができる。従って、好ましい食感を有する調理済み惣菜が得られる。
なお、フライ工程S1及びその後の工程では、前記した野菜のほかに、必要に応じて適宜前記した野菜以外の野菜を副材料として併用してもよい。副材料を併用することで、より美味しい調理済み惣菜を製造し得る。
また、フライ工程S1を行うと、野菜の内部を短時間で100℃以上に加熱することができる。100℃以上に加熱すると、例えば、25秒の加熱で80℃×20〜30分間の殺菌処理と同程度の殺菌効果を得ることができる。つまり、フライ工程S1を行うことで、野菜に付着している細菌を殺菌することができる。そのため、後述する包装工程S15と組み合わせることで、保存料や日持ち向上剤などを使用しなくても長期間の保存が可能な調理済み惣菜を提供できる。
フライ工程S1は、図2に示すフライ装置1で行われる。フライ装置1の具体的な構成は特に制限されないが、フライ装置1は連続式フライヤであることが好ましい。連続式フライヤを使用することで、短時間で大量の野菜を揚げることができる。さらには、連続式フライヤを使用することで野菜をむらなく均一に加温することができる。
フライ工程S1で使用される油は特に制限されず、一般的に使用される食用油を使用することができる。
(味付け工程S2)
味付け工程S2は、フライ工程S1において揚げられた野菜を調味液に接触させることで野菜に対して味付けを行う工程である。味付け工程S2では、連続的に調理を行って短時間で製造する観点から、例えば、70〜90℃に加熱した調味液を用いることが好ましい。前記のフライ工程S1を経た後、かつ、後記する炙り工程S3の前に野菜に対してこのような味付け工程S2を行うと、野菜に味をつけることができるだけでなく、野菜の加熱不足による品質不良を防止できるという利点が得られる。さらに、pHが低い調味液を用いると、野菜のpHを下げることができるので、殺菌効果や静菌効果を得ることができる。そのため、後述する包装工程S15と組み合わせることで、保存料や日持ち向上剤などを使用しなくても長期間の保存が可能な調理済み惣菜を提供できる。なお、本実施形態における殺菌効果とは、細菌を殺す効果をいい、静菌効果とは、細菌の増殖を抑制する効果をいう。
味付け工程S2で使用される調味液は、例えば、砂糖、醤油、みりん、酒などを用いて消費者の好みに応じた組成で混合したものを使用することができるが、これに限定されない。
味付け工程S2では、前記フライ工程S1で揚げられた野菜を調味液に浸漬させる、又は揚げられた野菜に対して調味液をからませる(和える)ことにより、野菜と調味液とを接触させることが好ましい。このようにすることで、従来技術のように煮込むのと比較して、調味液が野菜に過度に浸み込むことが防止され、食べたときに野菜の歯応えを十分に楽しむことができる。
また、味付け工程S2は、前記フライ工程S1で揚げられた野菜に対して、前記調味液により味付けを行う第1味付け工程(図1において図示せず)と、味付けを行った前記野菜に対して、前記調味液とは異なる調味液、調味料及び香辛料のうちの少なくとも一つで味付けを行う第2味付け工程(図1において図示せず)と、を含んでいてもよい。なお、第2味付け工程で使用される「前記調味液とは異なる調味液」とは、味付け工程S2や第1味付け工程で使用される調味液と異なる組成で混合した調味液をいう。また、第2味付け工程で使用される「調味料」としては、砂糖、塩、酢、醤油、味噌、ソース、ケチャップ、チリソース、マヨネーズ、マスタード、唐辛子、ラー油、ハーブ、うま味調味料などが挙げられる。このようにすると、第2味付け工程での味付けによって、例えば、甘い、辛いなどの味の好みや地域に応じた味付けができ、また、味付けを異ならせた多品種少量生産にも対応できる。
味付け工程S2は、図2に示す味付け装置2において行われる。味付け装置2の具体的な構成は特に制限されないが、例えば、野菜をコンベアに挟み込んだ状態で槽内の調味液中に連続的に浸漬しつつ搬送する態様の装置を挙げることができる。また、味付け装置2としては、例えば、メッシュ上を連続的に搬送される野菜に対し、調味液を上方から振りかける態様の装置を挙げることができる。これらの態様の味付け装置2によれば、従来技術のように煮込むのと比較して、調味液が野菜に過度に浸み込むことが防止される。味付け工程S2における味付けの態様は、用いる野菜や調理する惣菜に応じて適宜変更することができる。
なお、調味液を上方から振りかける態様の場合、振りかけられた調味液が野菜とともに装置上で滞留することが防止され、野菜に調味液が浸み込むことがさらに防止される。そのため、野菜特有の食感が活かされた、食感のよい調理済み惣菜が得られる。また、調味液を上方から振りかける態様の装置を使用することで、振りかけられた調味液と野菜とが適度にからみあい、これらが良好になじみ易くなる。なお、調味液を上方から振りかける態様の装置を使用して野菜を搬送する際、野菜の表面全体に調味液が接触させるのを促す観点から、搬送中には野菜を適度に振動させることが好ましい。
唐辛子や胡麻などの薬味やごま油、ラー油などの香味油は、炙り工程S3前に添加することができる。唐辛子や胡麻などの薬味を均一に添加するために、粘度を付けた調味液に予め添加、分散させておくことで安定的に定量の唐辛子や胡麻を添加することができる。その後、炙り工程S3を経ることで、胡麻や香味油が適度に炙られて好ましい香味、風味を付与することができる。
(炙り工程S3)
炙り工程S3は、前記味付け工程S2において味付けを行った野菜を炙る工程である。なお、本明細書において「炙り」とは、野菜の表面を加熱することで表面の水分を飛ばすことをいう。炙り工程S3を行うことで、野菜及び調味液の旨みを凝縮させることができる。本実施形態の製造方法において、野菜を炙る炙り工程S3を行うことで、野菜に炒め感を付与することができる。つまり、炙り工程S3を行うことによって、家庭で調理したような手作り感を有する調理済み惣菜を製造することができる。
また、前記の味付け工程S2を経たごぼうを炙ることで、表面に付着した調味液が炙られ、香ばしさなど炒め料理の特徴、例えば、醤油を少しだけ焦がしたときの風味などの炒め料理特有の風味を強く付与することができる。
炙り工程S2は、図2に示す炙り装置3を使用して行われる。炙り装置3としては、例えば、赤外線バーナー装置と、当該赤外線バーナー装置の下方で野菜を搬送可能に構成された搬送装置とを備えたものを用いることができる。赤外線バーナー装置と搬送装置とを備えた炙り装置3を用いると、搬送されている野菜に対して上方から遠赤外線を照射することで、ごぼうを連続的に炙ることができる。
赤外線バーナー装置を用いた場合における炙り時間は、例えば、30秒以上であり、60秒以上であるのが好ましく、また、例えば、120秒以下であり、90秒以下であるのが好ましいが、これらに限定されない。炙り時間をこの範囲とすることで、過度な加熱による焦げ付きを防ぐことができる。
また、炙る強さとしては、野菜の表面温度として、例えば、70℃以上であり、80℃以上であるのが好ましく、また、例えば、100℃以下であり、95℃以下であるのが好ましいが、これらに限定されない。炙る強さをこの程度とすることで、過度な加熱による焦げ付きを防ぐことができる。
以上に述べたフライ工程S1、味付け工程S2及び炙り工程S3を経ることで、家庭で調理したような手作り感を有する調理済み惣菜を大量に製造することができる。特に、本実施形態の製造方法では、調理済み惣菜の製造は、フライ工程S1、味付け工程S2及び炙り工程S3の順に連続的に行われることが好ましい。すなわち、例えば、搬送装置により野菜を搬送しながら、搬送中の野菜に対しフライ工程S1、味付け工程S2及び炙り工程S3を順次行うことが好ましい。このようにすることで、野菜が大量に処理可能となり(例えば、1日当たり300〜1200kg)、大量の調理済み惣菜を製造することができる。
さらに、フライ工程S1、味付け工程S2及び炙り工程S3は、これらの工程の合計時間が5分以内となるように行われることが好ましい。すなわち、フライ工程S1は例えば1分30秒、味付け工程S2は例えば1分、炙り工程S3は例えば1分など、各工程の合計時間が5分以内とすることが好ましい。短時間でこれらの工程を終わらせることで、調理済み惣菜のさらなる大量生産が可能となる。また、短時間で野菜を処理することで、野菜への熱ダメージを低減し、野菜の有する食感や栄養素が維持される。
さらに、フライ工程S1、味付け工程S2及び炙り工程S3は、処理対象となる野菜が例えば、70℃以上、より好ましくは80℃以上、かつ、例えば、120℃以下、より好ましくは110℃以下に保持(適宜保温や加温してよい)された状態で行われることが好ましい。ある程度の温度範囲(例えば、70℃以上120℃以下)で保持することで各工程を行いながら殺菌を行うことができる。そのため、別途の殺菌工程を設けなくても、後述する包装工程S15を行うことで、製造された調理済み惣菜の保存性(日持ち性)を高めることができる。更に後工程で、過熱水蒸気をあてる処理を行った後、後述する包装工程S15を行うことで、よりその保存性(日持ち性)を高めることもできる。
(前処理工程S11、水晒し工程S12、脱水工程S13)
前述したように、本実施形態の製造方法は、フライ工程S1の前に、必要に応じて前処理工程S11と、水晒し工程S12と、脱水工程S13と、を含んでいてもよい。なお、これらの工程S11〜S13はこの順で行うのが好ましい。
前処理工程S11は、野菜を40〜90℃のお湯で茹でる処理を行う工程である。野菜を40〜90℃のお湯で茹でる処理を行うと、例えば、ペクチンを分解する酵素が働いてこれを分解するため、食感が向上する。また、イヌリンが除かれるため、これが結晶化して異物と誤認されるリスクを減らすことができる。さらに、イヌリンの低分子化が図られるため、甘みが向上する。
前処理工程S11は、図2に示す前処理装置11を使用して行われる。前処理装置11としては、例えば、お湯の温度を40〜90℃に維持できる恒温水槽などを用いることができるが、これらに限定されない。
水晒し工程S12は、前処理を行った野菜を4〜20℃の水に晒す工程である。水晒し工程S12を行うことにより、前処理工程S11によって高くなった野菜の温度を下げることができる。そのため、熱による野菜へのダメージを抑制でき、野菜特有の食感を維持できる。なお、水晒し工程S12は、速やかに野菜の温度を下げる観点から、前処理を行った野菜を4〜10℃の水に晒すことが好ましい。
水晒し工程S12は、図2に示す水晒し装置12を使用して行われる。水晒し装置12としては、例えば、水の温度を4〜20℃に維持できる水槽を用いることができるが、これに限定されない。
脱水工程S13は、水に晒した野菜の表面に付着した水を落とす工程である。脱水工程S13を行うことにより、フライ工程S1で揚げる際に油がはねるのを抑制することができる。
脱水工程S13は、図2に示すように脱水機13を使用して行われる他、穴あきカゴに10kg程度の野菜を取り分け、冷蔵庫内などで自然に脱水する方法も用いることができる。脱水機13としては、例えば、遠心機や送風機などを用いることができるが、これらに限定されない。
(追加加熱工程S14)
また、図1を参照して前述したように、本実施形態の製造方法は、炙り工程S3の後に、必要に応じて追加加熱工程S14を含んでいてもよい。
追加加熱工程S14は、炙り工程S3で炙った野菜に追加加熱を行う工程である。追加加熱工程S14を行うことで、調理済み惣菜に付着したり残存したりする細菌を殺菌したり、静菌したりすることができる。追加加熱工程S14で行う処理としては、例えば、製造された調理済み惣菜に過熱水蒸気をあてることが挙げられる。なお、過熱水蒸気とは、沸点以上の温度に加熱された水蒸気をいう。追加加熱工程S14は、図2に示す追加加熱装置14、具体的には、過熱水蒸気装置を使用して行われる。
(包装工程S15)
また、図1を参照して前述したように、本実施形態の製造方法は、炙り工程S3の後又は追加加熱工程S14の後に、必要に応じて包装工程S15を含んでいてもよい。
包装工程S15は、前記炙り工程S3で炙った野菜をガス置換包装又は真空包装する工程である。つまり、包装工程S15は、製造された調理済み惣菜を所定の容量で包装し、搬送可能にするものである。なお、ガス置換包装とは、包装に用いる容器内のガスを窒素ガスなどの不活性ガスに置換して包装することをいう。また、真空包装とは、包装に用いる容器内のガスを抜いて陰圧に、好ましくは真空にすることをいう。この包装工程S15を行うことにより、フライ工程S1、味付け工程S2及び炙り工程S3が行われて殺菌処理や静菌処理が行われた調理済み惣菜に対して保存料や日持ち向上剤などを使用しなくても長期間保存できる。なお、保存できる期間としては、例えば、10日以上、30日以上、2ヶ月以上などとすることができる。
包装工程S15で使用可能な容器は、例えば、袋、トレーなどであり、その容器の材質としては、例えば、ガスバリア性を有する樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンなどである。
また、容器に調理済み惣菜を収容して密封する際、調理済み惣菜は熱いまま(炙り工程S3で炙られた後の熱を保持したまま)、容器に収容されることが好ましい。これにより、容器に収容された後もしばらくは熱を有しており、殺菌効果が持続する。そして、熱いままの調理済み惣菜が容器に収容された後は、容器を含めた全体が冷蔵温度帯(4〜10℃程度)にまで冷却されることが好ましい。
包装工程S15は、図2に示す包装装置15を使用して行われる。包装装置15の具体的な構成は特に制限されないが、例えば、不活性ガスを充填して密封する場合には、任意のガス置換包装装置が使用可能であり、真空包装する場合には、真空ポンプを備えた包装装置が使用可能である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
<実施例1>
野菜として、ごぼう(直径4cm×長さ100cm程度の棒状)を用いた。ごぼうの表面を水洗いして皮を剥いた後、3mm×3mm×50mm程度の角柱状に千切りにした。次いで、千切りにしたごぼう100gを110℃の大豆油で80秒揚げた(前記の図1におけるフライ工程S1)。なお、大豆油の体積>ごぼうの体積の状態で揚げた。揚げたごぼうを軽くザルで油切りし、まだごぼうが熱くなっている状態で、鍋に入れて80℃に予熱してある調味液に30秒間くぐらせ、ごぼうに調味液をからませた(味付け工程S2)。なお、この調味液は、濃口醤油27%、料理酒27%、味醂27%、砂糖13.5%、酢2.5%、鰹節エキス2.2%、昆布エキス0.8%という組成を有する。
次いで、ごぼうの有する熱ができるだけ逃げないように速やかに、ごぼうを軽く振って表面に付着した調味液を落とし、ガス式赤外線バーナーを用いてごぼう表面を炙った(炙り工程S3)。炙り時間は1分、炙り温度としてごぼう表面の温度が80℃となるようにした。
炙った後、ステンレスボウルなどに取り、氷水などを用いて間接的に冷蔵温度帯(4〜10℃程度)にまで冷却し、実施例1のきんぴらごぼうを得た。ここで得たきんぴらごぼうについて、後記する官能評価に供した。
<実施例2>
前記の実施例1と同様にしてごぼうを準備し、前記の実施例1と同様にしてフライ工程S1、味付け工程S2及び炙り工程S3を行った。次いで、炙り工程S3を経たごぼうを、熱いままプラスチックトレー容器に入れた。その後、容器内部に窒素ガス(不活性ガス)を充てんし(包装工程S15)、プラスチックフィルムでトップシールをして容器を密封した。密封後に氷水で冷却し、冷蔵庫で一晩保管し、容器を開けて、実施例2のきんぴらごぼうを得た。ここで得たきんぴらごぼうについて、後記する官能評価に供した。
<比較例1>
前記の実施例1において炙り工程S3を行わないこと以外は実施例1と同様にして、きんぴらごぼうを得た。ここで得たきんぴらごぼうを比較例1のきんぴらごぼうとし、後記する官能評価に供した。
<比較例2>
前記の実施例1においてフライ工程S1を行わないこと以外は実施例1と同様にして、きんぴらごぼうを得た。ここで得たきんぴらごぼうを比較例2のきんぴらごぼうとし、後記する官能評価に供した。
<参考例>
参考例として、フライパンを使用して手作りしたきんぴらごぼうを作製した。まず、前記の実施例1と同様にしてごぼうを千切りにした。次いで、フライパンを強火で熱し、大豆油を大さじ1杯加え、十分に火が通るまで、千切りにしたごぼう100gを炒めた。つまり、大豆油の体積≦ごぼうの体積の状態で炒めた。火が通った後、中火に維持したまま、前記の実施例1で使用した調味液30gをフライパンに入れてごぼうにからませた。そして、そのまま炒めて余分な水分を飛ばした後、火を止めて室温まで自然冷却することで、参考例のきんぴらごぼうを得た。ここで得たきんぴらごぼうについて、後記する官能評価に供した。
<官能評価>
以上の各きんぴらごぼうについて、以下の方法により官能評価を行った。官能評価は13人の試験者により行った。試験者は、どれがどのきんぴらごぼうであるかわからない状態で各きんぴらごぼうを食べ、好みの度合いにより、4点〜0点の評価を行った。すなわち、試験者が最も好きと感じたものは4点とし、試験者が最も嫌いと感じたものは0点とした。ただし、評価に差がない場合には、異なるきんぴらごぼうであっても同じスコアを許容した。
評価は、きんぴらごぼうの見た目、食感、味、総合の四項目について行った。従って、例えば、見た目が試験者にとって最も好きと感じたきんぴらごぼうについては、見た目の評価が4点となる。なお、総合に関する項目は、試験者が食べたきんぴらごぼうについて総合的に評価した結果であり、見た目、食感、味の評価の傾向とは必ずしも一致しないことがある。
図3は、評価結果を示すグラフであり、(a)は見た目の評価、(b)は食感の評価に関するグラフである。各グラフの上にある数値(スコア)は、13人の試験者による評価の平均値である。人の好みは人それぞれであり、評価がばらつくため、満点(4点)と比べてやや小さな値となった。しかし、見た目についての評価結果である図3(a)に示すように、実施例1及び2では、いずれも、4点〜0点の平均値である2.5点よりも大きな数値を示した。従って、実施例1及び2とも、良好な見た目を有するきんぴらごぼうであった。
特に、これらの実施例1及び2では、参考例のスコア(3.0)と同じであるか又は10%程度しか違わないスコアが得られ、実施例1及び2のきんぴらごぼうの見た目は、実際に手作りした参考例のきんぴらごぼうの見た目と遜色無いといえる。具体的には、実施例1及び2のきんぴらごぼうは、いずれも、家庭で作ったような程よいツヤと照りがあり、参考例のきんぴらごぼうと同じような見た目を示していた。従って、実施例1及び2のきんぴらごぼうによれば、人の好みによらず、実際に手作りした場合と同じような見た目を有することが確認された。これにより、多くの人が実際に手作りをしたような印象を受ける見た目のきんぴらごぼうを大量に製造可能なことが示された。
一方で、比較例1では、スコアが2.4と低く、見た目が良くなかった。しかも、比較例1では、参考例のスコアよりも20%低く、参考例のスコアとの差が大きい。そのため、比較例1のきんぴらごぼうでは、手作り感を有する見た目とはいえないものであった。具体的には、比較例1のきんぴらごぼうは炒めた感じがなかった。
さらに、比較例2については、比較例1のスコアの半分以下であり、見た目が良くなく、かつ、手作り感のあるような見た目も有していなかった。具体的には、比較例2のきんぴらごぼうも炒めた感じがなかった。
また、食感についての評価結果である図3(b)に示すように、実施例1及び2のいずれも、参考例のスコア(2.5)と10%程度しか違わない値を示した。そのため、実施例1及び2のきんぴらごぼうの食感は、実際に手作りした参考例のきんぴらごぼうの食感と遜色無いといえる。具体的には、実施例1及び2のきんぴらごぼうは、いずれも、家庭で作ったような適度な歯応え、ごぼうのしゃきしゃき感が残っており、参考例のきんぴらごぼうと同じような食感を示していた。従って、実施例1及び2のきんぴらごぼうによれば、人の好みによらず、実際に手作りした場合と同じような食感を有することが確認された。これにより、多くの人が実際に手作りをしたような印象を受ける食感のきんぴらごぼうを大量に製造可能なことが示された。
一方で、比較例1では、スコアが1.9と低く、食感が良くなかった。また、比較例1では、参考例のスコアよりも20%以上低く、参考例のスコアとの差が大きい。そのため、比較例1のきんぴらごぼうでは、手作り感のあるような食感を有していなかった。具体的には、比較例1のきんぴらごぼうは、炙り工程S3を行っていないため、ごぼうの食感が硬すぎて、きんぴらごぼうらしいシャキシャキとした食感ではなかった。
さらに、比較例2については、比較例1のスコアの半分以下であり、食感が良くなく、かつ、手作り感のあるような食感も有していなかった。具体的には、比較例2のきんぴらごぼうは、フライ工程S1を行っていないため、生のごぼうの食感そのものであり、生っぽく、筋張っており、きんぴらごぼうらしい食感ではなかった。
図4は、評価結果を示すグラフであり、(a)は味の評価、(b)は総合評価に関するグラフである。味についての評価結果である図4(a)に示すように、実施例1及び2のいずれも、参考例のスコア(2.9)と近い値を示した。すなわち、実施例1及び2のスコアと参考例のスコアとはその差が10%以内に収まっており、実施例1及び2のきんぴらごぼうの味は、実際に手作りした参考例のきんぴらごぼうの味と遜色無いといえる。具体的には、実施例1及び2のきんぴらごぼうは、いずれも、家庭で作ったような香ばしさや、食べた瞬間に口の中で広がる風味など、参考例のきんぴらごぼうと同じような味であった。
特に、各きんぴらごぼうを作製する際に使用した調味液は同じであるため、通常であれば味は同じ(スコアは大きくばらつかない)とも考えられる。しかし、詳細は後記するが、比較例2のように味が大きく劣ることもある。そのため、実施例1及び2のきんぴらごぼうによれば、人の好みによらず、安定して、実際に手作りした場合と同じような味を有することが確認された。これにより、多くの人が実際に手作りをしたような印象を受ける味のきんぴらごぼうを大量に製造可能なことが示された。
一方で、比較例1では、参考例のスコアよりも10%以上低く、参考例のスコアとの差が大きい。そのため、比較例1のきんぴらごぼうでは、手作り感のあるような味を有していなかった。具体的には、比較例1のきんぴらごぼうは、炙り工程S3を行っていないため、味が馴染んでおらず、炙られることで得られる香ばしい風味などがなかった。
さらに、比較例2については、比較例1のスコアの半分以下であり、味が良くなく、かつ、手作り感のあるような味も有していなかった。具体的には、比較例2のきんぴらごぼうは、フライ工程S1を行っていないため、生のごぼうに調味液がからまっただけのものであり、生のごぼうと調味液の味しかせず、きんぴらごぼうとは言い難い味であった。
また、総合評価である図4(b)の結果について、実施例1及び2のいずれも、参考例のスコア(2.9)と近い値を示した。すなわち、実施例1及び2のスコアと参考例のスコアとはその差が10%以内に収まっており、実施例1及び2のきんぴらごぼうは、総合的にみて、実際に手作りした参考例のきんぴらごぼうと遜色無いといえる。具体的には、実施例1及び2のきんぴらごぼうは、食べる前及び食べた後のいずれも参考例のきんぴらごぼうと同じような感覚を示すものであった。従って、実施例1及び2のきんぴらごぼうによれば、人の好みによらず、実際に手作りした場合と同じような感覚(手作り感)を有することが確認された。これにより、多くの人が実際に手作りをしたような印象を受ける感覚のきんぴらごぼうを大量に製造可能なことが示された。
一方で、比較例1では、参考例のスコアよりも10%以上低く、参考例のスコアとの差が大きい。そのため、比較例1のきんぴらごぼうでは、総合的に見て、手作り感を有するとはいえないものであった。具体的には、比較例1のきんぴらごぼうは、炙り工程S3を行っていないため、見た目、食感、味の面で実施例1よりも物足りず、きんぴらごぼうとしての総合的な評価が低かった。
さらに、比較例2については、比較例1のスコアの半分以下であり、総合的にみて劣っており、手作り感には程遠いものであった。具体的には、比較例2のきんぴらごぼうは、フライ工程S1を行っていないため、生のごぼうに調味液がからまっただけのものであり、見た目、食感、味の面で実施例1とは異なり、きんぴらごぼうとしての総合的な評価が低かった。
以上の結果から、本発明によれば、見た目、食感、味の観点からは勿論のこと、総合的にみても、実際に手作りしたような感覚(手作り感)を有する調理済み惣菜を製造できることが確認された。
<保存性>
サンプルとして、下記(1)〜(6)を用意した。
(1) 表面を水洗いして皮を剥いた後、3mm×3mm×50mm程度の角柱状に千切りにしたごぼう。
(2) 表面を水洗いして皮を剥いた後、3mm×3mm×50mm程度の角柱状に千切りにしたにんじん。
(3) 前記(1)の処理を行った後、110℃の大豆油で80秒揚げただけのごぼう(千切りにしたごぼうの使用量100g)。すなわち、図1におけるフライ工程S1のみを実施した、千切りにしたごぼう。
(4) 前記(1)の処理を行った後、鍋に入れて80℃に予熱してある調味液の中をくぐらせて調味液をからませただけのごぼう(千切りにしたごぼうの使用量100g)。すなわち、図1における味付け工程S2のみを実施した、千切りにしたごぼう。
(5) 前記(1)の処理を行った後、ガス式赤外線バーナーを用いてごぼう表面を炙っただけのごぼう(千切りにしたごぼうの使用量100g)。すなわち、図1における炙り工程S3のみを実施した、千切りにしたごぼう。
(6) 前記(1)の処理を行った後、実施例1と同様にして製造したきんぴらごぼう。
そして、前記(1)〜(6)の各サンプル製造後、直ちにプラスチックトレー容器に入れ、容器内部を窒素ガスで置換し(包装工程S15)、又は容器内部を窒素ガスで置換しないでプラスチックフィルムでトップシールをして容器を密封した。そして、このようにして製造した前記(1)〜(6)の各サンプルを氷水で冷却した。
前記氷水で冷却した後、4〜10℃で冷蔵保管した。試作の翌日に開封し、各サンプルについて、食品微生物検査マニュアル改訂第2版、第128〜133頁(栄研化学株式会社、2009年出版)に記載の標準寒天混釈培養法(公定法)に準拠して一般生菌数を測定し、製造直後のサンプルに係る保存性(短期的な保存性)を評価した。その結果を表1に示す。
また、前記氷水で冷却した後、冷蔵庫に入れて約4℃で30日間保存した。このようにして保存した各サンプルについて、上記と同様にして一般生菌数を測定し、製造から30日後のサンプルに係る保存性(長期的な保存性(長期保存性))を評価した。その結果を表2に示す。
Figure 0006437156
Figure 0006437156
表1に示すように、(1)、(2)及び(5)のサンプルは、ガス置換の有無に関係なく、製造直後であっても一般生菌数が多かった。つまり、(1)、(2)及び(5)に係る処理では、殺菌効果や静菌効果が得られず、短期的な保存性であっても劣っていることが確認された。
また、表1に示すように、(3)、(4)及び(6)のサンプルは、ガス置換の有無に関係なく殺菌効果や静菌効果が得られ、少なくとも短期的な保存性に優れていることが確認された。
特に、(6)のサンプルは一般生菌数が非常に少なく、短期的な保存性に非常に優れていることが確認された。
そして、表2に示すように、ガス置換なしの場合、製造から30日後の(1)〜(5)のサンプルの一般生菌数が多かった。つまり、(1)〜(5)に係る処理で、かつガス置換なしの場合、殺菌効果や静菌効果が得られず、長期保存性に劣っていることが確認された。
その一方で、表2に示すように、ガス置換なしの場合であっても、(6)のサンプルは一般生菌数が少なかった。つまり、(6)に係る処理を行った場合、ガス置換を行わなくても長期保存性に優れていることが確認された。
また、表2に示すように、ガス置換ありの場合、製造から30日後の(1)、(2)及び(5)のサンプルの一般生菌数が多かった。つまり、(1)、(2)及び(5)に係る処理で、かつガス置換ありの場合も前記と同様、殺菌効果や静菌効果が得られず、長期保存性に劣っていることが確認された。
その一方で、表2に示すように、ガス置換ありの場合、製造から30日後の(3)、(4)及び(6)のサンプルの一般生菌数は少なかった。つまり、(3)、(4)及び(6)に係る処理で、かつガス置換ありの場合、殺菌効果や静菌効果が得られ、長期保存性に優れていることが確認された。
特に、(6)のサンプルは一般生菌数が非常に少なく、長期保存性に非常に優れていることが確認された。
なお、表1及び表2に示すガス置換ありの(6)のサンプルの一般生菌数を見比べて分かるように、製造から30日後であっても一般生細菌数は増えておらず、むしろ減少していた。このことから、(6)に係る処理で、かつガス置換ありの場合、30日を超える極めて長期間の保存が可能であることが確認された。
S1 フライ工程
S2 味付け工程
S3 炙り工程
S11 前処理工程
S12 水晒し工程
S13 脱水工程
S14 追加加熱工程
S15 包装工程
1 フライ装置
2 味付け装置
3 炙り装置
10 調理済み惣菜製造装置(製造装置)

Claims (12)

  1. ごぼう、れんこん、じゃがいも、にんじん、にんにくの芽、及びいんげんの中から選択される少なくとも1つの野菜を揚げ油で揚げるフライ工程と、
    当該フライ工程において揚げられた野菜を調味液に接触させることで野菜に対して味付けを行う味付け工程と、
    当該味付け工程において味付けを行った野菜を炙る炙り工程と、
    を含むことを特徴とする、調理済み惣菜の製造方法。
  2. 前記フライ工程、前記味付け工程及び前記炙り工程の順に連続的に行われることを特徴とする、請求項1に記載の調理済み惣菜の製造方法。
  3. 前記フライ工程、前記味付け工程及び前記炙り工程の合計時間が5分以内であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の調理済み惣菜の製造方法。
  4. 前記味付け工程では、揚げられた前記野菜を前記調味液に浸漬させる、又は揚げられた前記野菜に対して前記調味液をからませることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の調理済み惣菜の製造方法。
  5. 前記味付け工程は、揚げられた前記野菜に対して、前記調味液で味付けを行う第1味付け工程と、味付けを行った前記野菜に対して、前記調味液とは異なる調味液、調味料及び香辛料のうちの少なくとも一つで味付けを行う第2味付け工程と、を含んでいることを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の調理済み惣菜の製造方法。
  6. 前記フライ工程、前記味付け工程及び前記炙り工程は、処理対象となる野菜が70℃以上120℃以下に保持された状態で行われることを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の調理済み惣菜の製造方法。
  7. 前記フライ工程は連続式フライヤを使用して行われることを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の調理済み惣菜の製造方法。
  8. 前記フライ工程の前に、前記野菜を40〜90℃のお湯で茹でる処理を行う前処理工程と、前処理を行った前記野菜を4〜20℃の水に晒す水晒し工程と、水に晒した前記野菜の表面に付着した水を落とす脱水工程と、を含むことを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載の調理済み惣菜の製造方法。
  9. 前記炙り工程の後に、前記炙った野菜に追加加熱を行う追加加熱工程を含むことを特徴とする、請求項1〜8の何れか1項に記載の調理済み惣菜の製造方法。
  10. 前記炙り工程の後又は前記追加加熱工程の後に、前記炙った野菜をガス置換包装又は真空包装する包装工程を含むことを特徴とする、請求項9に記載の調理済み惣菜の製造方法。
  11. ごぼう、れんこん、じゃがいも、にんじん、にんにくの芽、及びいんげんの中から選択される少なくとも1つの野菜を揚げ油で揚げるフライ装置と、
    当該フライ装置において揚げられた野菜を調味液に接触させることで野菜に対して味付けを行う味付け装置と、
    当該味付け装置において味付けを行った野菜を炙る炙り装置と、を備えることを特徴とする、調理済み惣菜の製造装置。
  12. 前記フライ装置は連続式フライヤであることを特徴とする、請求項11に記載の調理済み惣菜の製造装置。
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