JP2003142056A - ブリスターパック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 パッケージ操作が容易で、かつ安定な円筒形
電池商品パッケージを維持・確保できるブリスターパッ
クの提供。 【解決手段】 円筒形電池を複数個並列に収納する寸法
・形状の凸型収納部７を備えた透明性のブリスターパッ
ク６であって、前記凸型収納部７の円筒形電池端面が対
接する側壁７ｂ，７ｂ′に、隣接する円筒形電池の外周
面に対接する突起部７ａが一対設けられていることを特
徴とする。また、凸型収納部が少なくとも一端面に一方
の電極端子が突設された円筒形電池用で、円筒形電池端
面が対接する側壁に円筒形電池の突設した電極端子が嵌
合する凹型部７ｃを設けてあってもよい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ブリスターパック
に係り、さらに詳しくは円筒型電池の店頭展示に適する
商品パッケージ用のブリスターパックに関する。

【０００２】

【従来の技術】たとえば単１ないし単５の円筒形電池製
品は、見栄えのよい商品として、あるいは取扱・保管し
易い商品として取り扱うために、所謂商品パッケージ化
して市場に流通している。すなわち、収納ないし商品ケ
ースの少なくとも一部を透明性に形成し、製品を透視で
きるように収納装着することによって製品の保護を図る
一方、フックなどによる吊り下げ展示において、商品の
見栄え（展示性）をよくする手段が採られている。

【０００３】商品パッケージ化の具体的な手段として
は、たとえば図４（ａ）に要部構成を透視・平面的に、
図４（ｂ）に図４（ａ）のＡ−Ａ線に沿った断面的に、
それぞれ示すような方式が採られている。すなわち、円
筒形電池１を複数個並列に収納する寸法・形状の凸型収
納部２を備えた透明性のブリスターパック本体３と、前
記ブリスターパック本体３の裏面側に重ね合わされ、前
記凸型収納部２の開口を封塞する支持体板４とを有する
構成が採られている。なお、図４（ａ），（ｂ）おい
て、５は吊り下げ用の穴である。

【０００４】この場合、ブリスターパックの構成は、簡
略であるが一方、凸型収納部２に収納・配置した円筒形
電池１が、比較的摺動ないし遊動（回転性）的であるた
め、ロゴなどを印刷したラベルの印刷表示が位置ズレを
起こしバラバラになり易く、印刷表示の統一観を欠き美
観性などが損なわれる。すなわち、パッケージ化後の輸
送・搬送、あるいは展示操作過程などで、ラベル付き円
筒形電池１個々が揺動し、当初、ラベル印刷表示位置を
所定の位置付けで、収納・配置して置いても、位置ズレ
が容易に起こって、見栄えの低下を招来する。

【０００５】上記複数個の円筒形電池１をパッケージ化
したときの問題、すなわち、並列的に円筒形電池１を凸
型収納部２に収納・配置した場合の摺動ないし遊動（回
転性）の防止対策として、並列化した円筒形電池１を収
縮性フィルムで一次的にパッケージ化し、この一次的な
パッケージを凸型収納部２に収納・配置する手段も試み
られている。つまり、複数個の円筒形電池１を予め一括
化し、摺動ないし遊動を抑制した形で、凸型収納部２に
収納・配置することにより、ラベル印刷表示位置の位置
ズレなどを防止することも知られている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、この方式は、
一次的なパッケージ化を要するため、円筒型電池１の商
品パッケージ化が多段的となり、また、操作も煩雑化す
る。加えて、パッケージ部材点数も増加するので、コス
トアップを招来する。こうした問題の解決策として、た
とえば図５に断面的に示すような構成を採ったブリスタ
ーパッケージが開発されている。

【０００７】つまり、図５に示すごとく、収納・配置す
る円筒形電池１数に合わせて凸型収納部２を凹凸面状２
ａに設定し、各凹凸部２ａに円筒形電池１を嵌合的に配
置・収納する方式である。すなわち、並列的に収納・配
置する複数個の円筒形電池１個々を、その外周面に沿わ
せた壁面で係合的に支持・固定化して、遊動なとどを防
止する方式である。

【０００８】この改善策は、一次的なパッケージ化を省
略でき、パッケージ化操作上の低コスト化及び生産性の
向上に寄与するが実用上、なお、次のような問題を抱え
ている。すなわち、図５の構成の場合は、凹凸部２ａに
よって円筒形電池１が仕切られ、かつこの仕切りで遊動
など防止されるが、凸型収納部２自体の寸法・設定が必
然的に大きくなるため、ブリスターパックのコンパクト
化が低下する。なお、収納配置された円筒形電池１の遊
動など防止されるとはいえ、外周面方向からのみの抑え
であるので、遊動など防止の確保が充分行えない場合が
ある。

【０００９】上記改善策は、ブリスターパック本体の成
形加工において、凸型収納部２の成形操作煩雑化の割
に、並列的に配置・収納する円筒形電池１の遊動防止な
どを充分に抑制・防止できない。そして、パッケージ操
作の煩雑化を回避しながら、より安定的な商品パッケー
ジを維持・確保できるブリスターパックは、低コスト
化、生産性及び商品見栄えの上から、実用上、期待され
ているのが現状である。

【００１０】本発明は、上記事情に対処してなされたも
ので、パッケージ操作が容易で、かつ安定な円筒形電池
商品パッケージを維持・確保できるブリスターパックの
提供を目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、円筒
形電池を複数個並列に収納する寸法・形状の凸型収納部
を備えた透明性のブリスターパックであって、前記凸型
収納部の円筒形電池端面が対接する側壁に、隣接する円
筒形電池の外周面に対接する突起部が一対設けられてい
ることを特徴とするブリスターパックである。

【００１２】請求項２の発明は、請求項１記載のブリス
ターパックにおいて、凸型収納部が少なくとも一端面に
一方の電極端子が突設された円筒形電池用で、円筒形電
池端面が対接する側壁に円筒形電池の突設した電極端子
が嵌合する凹型部を設けてあることを特徴とする。

【００１３】請求項３の発明は、少なくとも一端面に一
方の電極端子が突設された円筒形電池を複数個並列に収
納する寸法・形状の凸型収納部を備えた透明性のブリス
ターパック本体と、前記ブリスターパック本体の裏面側
に重ね合わされ、凸型収納部開口を封塞する支持体板と
を有するブリスターパックであって、前記凸型収納部の
円筒形電池端面が対接する側壁に、隣接する円筒形電池
の外周面に対接する突起部、及び突設した電極端子が嵌
合する凹型部を設けてあることを特徴とするブリスター
パックである。

【００１４】請求項１ないし３の発明において、凸型収
納部を有する透明性のブリスターパックないしブリスタ
ーパック本体は、たとえばポリスチレン樹脂、ポリエチ
レンテレフタレート樹脂などを素材として三次元に加工
された一体的な成形体である。そして、凸型収納部は、
収納する円筒形電池の種類・寸法形状などに対応し、一
般的に、方形ないし長方形を基本とした形状に設定され
る。

【００１５】ここで、前記並列的に複数個の円筒形電池
を収納・配置する凸型収納部の構成は、次のように選択
・設定された点で特徴付けられる。すなわち、円筒形電
池端面が対接する側壁に、互いに隣接する円筒形電池の
外周面と点的に対接する突起部が一対設けられ、さらに
はその対接する側壁に、各円筒型電池の突設した電極端
子が嵌合する凹型部が設けてあることとを骨子としてい
る。なお、ブリスターパックないしブリスターパック本
体は、支持体板の外周縁と重ね合わせ一体化するため
に、外周縁に所謂フランジ部を備えた構成を採ってい
る。

【００１６】請求項１ないし３の発明において、円筒形
電池端面が対接する側壁に設けられた一対の突起部、及
び電極端子が嵌合する凹型部は、収納・配置する円筒形
電池の種類や規格に応じて決められる。すなわち、互い
に隣接する円筒形電池の外周面と点的に対接する一対の
突起部は、円筒形電池の外径寸法に対応して、隣接する
円筒形電池の端面側外周縁ないし面に、同時に対接・係
合する高さ及び径、間隔位置に選択・設定される。ま
た、電極端子の嵌合凹型部も、円筒型電池の突設した電
極端子の高さ及び形状、間隔位置に選択・設定される。

【００１７】そして、これら突起部及び凹型部の形設
は、ブリスターパックないしブリスターパック本体の成
形工程、たとえば真空成形過程で凸型収納部を形成する
とき、同時に成形することにより行われる。つまり、収
納・配置する円筒形電池の種類や規格、収納・配置数に
対応し型を使用し、真空成形することによって容易に製
作できる。

【００１８】請求項３の発明において、凸型収納部の開
口を封塞する支持体板は、前記凸型収納部の開口を封塞
する機能だけでなく、ブリスターパック本体を補強する
機能や、裏面に商品説明などの記載ないし表示部の役割
も呈する。すなわち、支持体板は、たとえばポリエチレ
ンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂などの合成樹
脂薄板類、あるいはコートボール紙などの厚紙類が主用
されている。

【００１９】請求項１ないし３の発明では、収納・配置
する円筒形電池に対応して凸型収納部には、突起部及び
嵌合用凹部が側壁面に設置されている。そして、収納・
配置する円筒形電池は、前記突起部及び嵌合用凹部によ
って、端面及び外周縁面が係合・支持された構成を採
る。つまり、並列的に収納・配置される個々の円筒形電
池は、円周方向で支持された形態を採り、さらには、軸
方向で係合するので、より確実に遊動などが防止・抑制
され、安定した収納・配置の状態を保持することがで
き、見栄えのよい商品展示用のブリスターパック機能を
呈する。

【００２０】

【発明の実施態様】以下、図１（ａ），（ｂ），
（ｃ），（ｄ），（ｅ）、図２及び図３を参照して実施
例を説明する。

【００２１】図１（ａ），（ｂ），（ｃ），（ｄ），
（ｅ）は、第１の実施例に係る円筒形電池（製品）用ブ
リスターパックの要部構成を示すもので、図１（ａ）は
平面図、図１（ｂ）は図１（ａ）のＡ−Ａ線に沿った断
面図、図１（ｃ）はＢ−Ｂ線に沿った断面図、図１
（ｄ）はＣ−Ｃ線に沿った断面図、図１（ｅ）は一部を
拡大して示す断面図である。

【００２２】図１（ａ），（ｂ），（ｃ），（ｄ），
（ｅ）において、６は少なくとも一端面に一方の電極端
子が突設された円筒形電池を複数個並列に収納する寸法
・形状の凸型収納部７を備えた透明性のブリスターパッ
クないしブリスターパック本体、８は前記ブリスターパ
ック６の裏面側に重ね合わされ、前記凸型収納部７の開
口を封塞する支持体板、９は吊り下げ用穴である。ここ
で、ブリスターパック６は、たとえばポリエチレンテレ
フタレート樹脂を素材とした真空成型によって、周縁部
にフランジ部６ａを付けて形成されている。なお、ブリ
スターパック６の成形は、圧空成形加工など、他の成形
法でもよい。

【００２３】また、７ａは前記凸型収納部７の円筒形電
池端面が対接する側壁７ｂ，７ｂ′に、隣接する円筒形
電池の外周面に対接する突起部、７ｃは突設した電極端
子が嵌合する凹型部である。ここで、凸型収納部７は、
その開口端縁部７ｄが長さ５８．８ｍｍ、幅６５±０．
５ｍｍ、深さ１４．７ｍｍである。そして、その凸型収
納部７の側壁７ｂ，７ｂ′に設けられた突起部７ａは、
半球状に形成され半径２．２５ｍｍ、ピッチ間隔１４．
２ｍｍで、開口端縁部に隣接し、かつ並列的に配置され
る円筒形電池の軸方向センター中間位置に形設されてい
る。また、凹型部７ｃは、ピッチ間隔１４．２ｍｍ、深
さ１０．５ｍｍ、開口端縁部側の幅が１４．２ｍｍで、
先端部が半円状に閉止された構造に形設されている。

【００２４】次に、上記構成のブリスターパック６を使
用した商品パックの例を説明する。このブリスターパッ
ク６の凸型収納部７に対する円筒形電池の収納・配置
は、第１の円筒形電池の両端側外周縁部を対応する突起
部７ａと係合してから、突出した電極端子を凹型部７ｃ
に位置決め嵌合する。引き続き、同様の手順で、順次、
第２、第３の円筒形電池を並列的に収納・配置する。

【００２５】上記電極端子と凹型部７ｃとの嵌合、及び
外周縁部と突起部７ａとの係合によって、円筒形電池が
支持・固定される。つまり、円筒形電池は、予め選択設
定してあるラベルの印刷表示を揃えて収納・配置する
と、遊動などを起こさない状態に、固定・支持され、印
刷表示が統一して、良好な美観性ないし見栄えを維持す
ることができる。また、裏面側に支持体板８を張り合わ
せなくとも、前記固定・支持の状態を保持することもで
きるので、軽量化や部材の低減（省資源）などにも寄与
する。なお、支持体板８の張り合わせを省略できること
により、使用済みの円筒形電池を仮に収容することも可
能となり、あるいは商品パッケージとして再利用も可能
と成って、省資源などの点でも有利である。

【００２６】図２は、第２の実施例に係る円筒形電池
（製品）用ブリスターパックの要部構成を示す透視的な
平面図である。図２において、６は少なくとも一端面に
一方の電極端子が突設された円筒形電池を複数個並列に
収納する寸法・形状の凸型収納部７を備えた透明性のブ
リスターパックないしブリスターパック本体、８は前記
ブリスターパック６の裏面側に重ね合わされ、前記凸型
収納部７の開口を封塞する支持体板、９は吊り下げ用穴
である。ここで、ブリスターパック６は、たとえばポリ
エチレンテレフタレート樹脂を素材とした真空成型によ
って、周縁部にフランジ部６ａを付けて形成されてい
る。なお、ブリスターパック６の成形は、圧空成形加工
など、他の成形法でもよい。

【００２７】また、７ａは前記凸型収納部７の円筒形電
池端面が対接する側壁７ｂ，７ｂ′に、隣接する円筒形
電池の外周面に対接する突起部である。ここで、凸型収
納部７は、その開口端縁部が長さ５８．８ｍｍ、幅６５
±０．５ｍｍ、深さ１４．７ｍｍである。そして、その
凸型収納部７の側壁７ｂ，７ｂ′に設けられた突起部７
ａは、略角柱状に形成され辺２．２５ｍｍ、ピッチ間隔
１４．２ｍｍで、開口端縁部に隣接し、かつ並列的に配
置される円筒形電池の軸方向センター中間位置に形設さ
れている。

【００２８】つまり、この第２の実施例は、電極端子が
嵌合する凹型部７ｃの形設を省略し、両端面が平坦型の
円筒形電池を収納する構成とした他は、第１の実施例の
場合と基本的には、同様の構成を採っている。そして、
この円筒形電池用ブリスターパック６の凸型収納部７に
対する円筒形電池の並列的な配置・装着は、第１の実施
例の場合に準じて行われる。

【００２９】なお、上記実施例では、凸型収納部７の側
壁７ｂ，７ｂ′に設けられた突起部７ａの形状を半球
状、もしくは角柱状にしたが、図３に互いに異なる態様
を斜視的に示すような突起部７ａとしてもよい。すなわ
ち、並列的に配置した隣接する円筒形電池同士を組とし
て、凸型収納部７内側へ抑圧・固定支持するように機能
するならば、その形状・構造など特に限定されない。

【００３０】本発明は、上記実施例に限定されるもので
なく、発明の主旨を逸脱しない範囲で、いろいろの変形
を採ることができる。たとえば収納・配置する円筒形電
池の種類や規格によって、凸型収納部の構造を適宜変更
すること、あるいはブリスターパックの材質など適宜選
択・設定できる

【００３１】

【発明の効果】請求項１ないし３の発明によれば、ブリ
スターパックは、凸型収納部に対する円筒形電池の並列
的な配置・収納が容易であるだけでなく、配置・収納さ
れた円筒形電池の遊動・位置ズレの発生を防止・抑制す
る。つまり、低コスト化、コンパクト性の確保、生産性
及び省資源化などを図れるだけでなく、円筒形電池の向
きや位置を安定した状態で維持する商品パッケージ化が
可能となるため、実用上多くの利点をもたらすと言え
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は第１の実施例に係るブリスターパック
の要部構成を示す透視的平面図、（ｂ）は（ａ）のＡ−
Ａ線に沿った断面図、（ｃ）は（ａ）のＢ−Ｂ線に沿っ
た断面図、（ｄ）は（ａ）のＣ−Ｃ線に沿った断面図、
（ｅ）は（ａ）の一部を拡大して示す断面図。

【図２】第２の実施例に係るブリスターパックの要部構
成を示す透視的平面図。

【図３】実施例に係るブリスターパックの凸型収納部側
壁に設けられた突起部の他の異なる構造例を示す要部斜
視図。

【図４】従来のブリスターパックの要部構成を示すもの
で、（ａ）は透視的平面図、（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ線
に沿った断面図。

【図５】従来のブリスターパックの互いに異なる要部構
成を示す断面図。

【符号の説明】

６……ブリスターパック本体 ６ａ……フランジ ７……凸型収納部 ７ａ……突起部 ７ｂ，７ｂ′……側壁 ７ｃ……凹型部 ７ｄ……開口端縁部 ８……支持体板 ９……吊り下げ用穴

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3E067 AA22 AB32 AC01 AC11 BA02A BA15A BB01A BB14A CA11 EA04 EA32 EB27 EE15 FA01 FB02 FC01 5H040 AA01 AA07 AT01 CC12 CC33 GG12 GG17

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 円筒形電池を複数個並列に収納する寸法
   ・形状の凸型収納部を備えた透明性のブリスターパック
   であって、前記凸型収納部の円筒形電池端面が対接する
   側壁に、隣接する円筒形電池の外周面に対接する突起部
   が一対設けられていることを特徴とするブリスターパッ
   ク。
2. 【請求項２】 凸型収納部が少なくとも一端面に一方の
   電極端子が突設された円筒形電池用で、円筒形電池端面
   が対接する側壁に円筒形電池の突設した電極端子が嵌合
   する凹型部を設けてあることを特徴とする請求項１記載
   のブリスターパック。
3. 【請求項３】 少なくとも一端面に一方の電極端子が突
   設された円筒形電池を複数個並列に収納する寸法・形状
   の凸型収納部を備えた透明性のブリスターパック本体
   と、前記ブリスターパック本体の裏面側に重ね合わさ
   れ、凸型収納部開口を封塞する支持体板とを有するブリ
   スターパックであって、前記凸型収納部の円筒形電池端
   面が対接する側壁に、隣接する円筒形電池の外周面に対
   接する突起部、及び突設した電極端子が嵌合する凹型部
   を設けてあることを特徴とするブリスターパック。