JP2003140519A - クリーニングブレードおよびその製法 - Google Patents

クリーニングブレードおよびその製法

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智志 鈴木
Kunio Ito
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐摩耗性および耐欠け性に優れたクリーニング
ブレードを提供する。 【解決手段】ポリウレタン組成物の板状硬化体を切断し
てなるブレード部材1と、このブレード部材1を保持す
る保持具2とを備えたクリーニングブレードであって、
上記ブレード部材1の少なくとも切断面側に、上記ブレ
ード部材1中の未反応のイソシアネート基と下記の
(A)成分とが化学結合してなる化学結合皮膜3が形成
されており、かつ、上記ブレード部材1がNCOインデ
ックス115〜150の範囲のポリウレタン組成物を用
いて形成されてなるクリーニングブレードである。 (A)イソシアネート基と反応可能な官能基を有する変
性シリコーンオイル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真複写機等
の感光ドラム外周面に残留するトナーを除去するクリー
ニングブレードおよびその製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真複写機としては、感光ドラム外
周面を一様に帯電させ、ついで被複写体の複写像を介し
てその外周面を露光することにより、上記外周面上に静
電潜像を形成し、この静電潜像に、帯電されたトナーを
付着させてトナー像を形成し複写紙等に転写することに
より複写を行う形式のものが一般的である。このような
電子写真複写機では、トナー像の転写後に、感光ドラム
外周面上にトナーが残留するため、上記感光ドラム外周
面にクリーニングブレードを摺接し、残留トナーを掻き
落として除去することが行われている。上記クリーニン
グブレードとしては、従来より、耐摩耗性等の力学的特
性に優れるポリウレタン組成物が賞用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のポリウレタン組成物を用いたクリーニングブレード
は、長期間使用していると、感光ドラムと摺接するクリ
ーニングブレードのエッジ部が摩耗したり、欠けが生じ
る等の難点があった。特に近年、印刷の高速化やカラー
化等によって、クリーニングブレードへのストレスが大
きくなり、欠けや摩耗がより発生しやすい状態にある。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、耐摩耗性および耐欠け性に優れたクリーニング
ブレードおよびその製法の提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、ポリウレタン組成物の板状硬化体を切断
してなるブレード部材と、このブレード部材を保持する
保持具とを備えたクリーニングブレードであって、上記
ブレード部材の少なくとも切断面側に、上記ブレード部
材中の未反応のイソシアネート基と下記の(A)成分と
が化学結合してなる化学結合皮膜が形成されており、か
つ、上記ブレード部材がNCOインデックス115〜1
50の範囲のポリウレタン組成物を用いて形成されてな
るクリーニングブレードを第1の要旨とする。 (A)イソシアネート基と反応可能な官能基を有する変
性シリコーンオイル。
【0006】また、本発明は、上記クリーニングブレー
ドの製法であって、ポリウレタン組成物の板状硬化体を
所定寸法に切断した後、その切断表面に上記(A)成分
を塗工することにより、上記ブレード部材の少なくとも
切断面側に化学結合皮膜を形成するクリーニングブレー
ドの製法を第2の要旨とする。
【0007】すなわち、本発明者らは、クリーニングブ
レードと相手部材(感光ドラム等)との摩擦係数を下げ
るべく、鋭意研究を重ねた。そして、まず、フッ素原
子や珪素原子等をウレタンポリマー内に導入する方法、
珪素粒子等の固体(粉末)をウレタンポリマー内に導
入する方法、潤滑性粉末をクリーニングブレードの表
面に塗布する方法について検討した。しかし、上記の
方法は、ポリウレタンの結合を乱してしまい、耐久性
(耐摩耗性)が低下する難点があり、上記の方法は、
粒子が稜線上にあると、感光ドラムのキズの原因となり
やすく、また、稜線上にある粒子が脱落すると稜線上に
大きな欠けが発生し、画像不具合のもととなる等の難点
があり、上記の方法は、印刷が進むと潤滑性粉末が取
れてなくなり、クリーニングブレードと相手部材(感光
ドラム等)との摩擦係数が上昇し、欠けの原因となる等
の難点があった。そこで、本発明者らは、これらの問題
点を考慮して、シリコーンオイルをブレード部材の表面
に塗工することを検討した。しかし、ジメチルシリコー
ンオイル等の反応基を持たないオイルを塗工すると、す
ぐに摩擦係数が上昇し、欠けが発生することを突き止め
た。そこで、NCOインデックスが通常よりも高いポリ
ウレタン組成物を用いてブレード部材を成形し、成形直
後にブレード部材中の未反応のイソシアネート基と反応
するシリコーンオイルを塗工し、化学結合させて化学結
合皮膜を形成させることにより、所期の目的を達成でき
ることを見いだし、本発明に到達した。
【0008】なお、上記ブレード部材の形成に用いたポ
リウレタン組成物のNCOインデックスは、例えば、熱
分解GC法等による配合分析から、イソシアネート成分
中の〔NCO〕と、水酸基を持つ原料成分中の〔OH〕
の比を計算することにより測定することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0010】本発明のクリーニングブレードは、例え
ば、図1に示すように、上記ウレタン組成物の板状硬化
体からなるブレード部材1が板状保持具2に支持されて
なるものである。そして、本発明においては、上記ブレ
ード部材1の少なくとも切断面(使用面)側に、ブレー
ド部材1中の未反応のイソシアネート基と特定の変性シ
リコーンオイル(A成分)とが化学結合してなる化学結
合皮膜3が形成されていることが最大の特徴である。
【0011】上記ウレタン組成物は、ポリオールとポリ
イソシアネートとを用いて得ることができる。
【0012】上記ポリオールとしては、特に限定はな
く、例えば、ポリエステルジオール,ポリエステルトリ
オール等のポリエステルポリオール、ポリカプロラクト
ン,ポリカーボネート,ポリオキシテトラメチレングリ
コール,ポリオキシプロピレングリコール等のポリエー
テルポリオール等があげられる。これらは単独でもしく
は2種以上併せて用いられる。
【0013】上記ポリエステルポリオールとしては、多
塩基性有機酸とポリオールとから製造され、水酸基を末
端基とするヒドロキシルポリエステルポリオールが好適
に用いられる。上記多塩基性有機酸としては、特に限定
するものではなく、例えば、シュウ酸,コハク酸,グル
タル酸,アジピン酸,ピメリン酸,スベリン酸,アゼラ
イン酸,セバシン酸,イソセバシン酸等の飽和脂肪酸、
マレイン酸,フマル酸等の不飽和脂肪酸、フタル酸,イ
ソフタル酸,テレフタル酸等の芳香族酸等のジカルボン
酸、無水マレイン酸,無水フタル酸等の酸無水物、テレ
フタル酸ジメチル等のジアルキルエステル、不飽和脂肪
酸の二量化によって得られるダイマー酸等があげられ
る。また、上記多塩基性有機酸とともに用いられるポリ
オールとしては、特に限定するものではなく、例えば、
エチレングリコール,ジエチレングリコール,トリエチ
レングリコール,プロピレングリコール,ジプロピレン
グリコール,ブチレングリコール,ネオペンチルグリコ
ール,1,6−ヘキシレングリコール等のジオール、ト
リメチロールエタン,トリメチロールプロパン,ヘキサ
ントリオール,グリセリン等のトリオール、ソルビトー
ル等のヘキサオール等があげられる。
【0014】また、上記ポリエーテルポリオールとして
は、環状エーテルの開環重合または共重合によって製造
されるものが好適に用いられる。上記環状エーテルとし
ては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イド、トリメチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、
α−メチルトリメチレンオキサイド、3,3′−ジメチ
ルトリメチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、ジオキサミン等があげられる。
【0015】そして、本発明において、上記ポリオール
としては、上記一連のもののなかでも、耐摩耗性および
耐欠け性に優れる点で、ポリブチレンアジペート(PB
A)が好適に用いられる。
【0016】上記ポリオールの数平均分子量(Mn)
は、1000〜3000の範囲が好ましく、特に好まし
くは1500〜2600である。すなわち、上記ポリオ
ールのMnが1000未満であると、得られるクリーニ
ングブレードの物性が低下する傾向がみられ、逆にMn
が3000を超えると、作業性が悪くなる傾向がみられ
るからである。
【0017】上記ポリオールとともに用いられるポリイ
ソシアネートとしては、特に限定はなく、例えば、4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、
2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TD
I)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−T
DI)、3,3′−ビトリレン−4,4′−ジイソシア
ネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,
4′−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシア
ネートウレチジンジオン(2,4−TDIの二量体)、
1,5−ナフチレンジイソシアネート、メタフェニレン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキ
シルメタンジイソシアネート(水添MDI)、カルボジ
イミド変性MDI、オルトトルイジンジイソシアネー
ト、キシレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソ
シアネート、リジンジイソシアネートメチルエステル、
トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネ
ート、ポリメリックMDI等があげられる。これらは単
独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなか
でも、耐摩耗性の観点から、MDIが好適に用いられ
る。
【0018】上記ポリイソシアネートの配合量は、NC
Oインデックス(イソシアネートインデックス)が11
5〜150の範囲になるよう設定する必要があり、特に
NCOインデックスが120〜130の範囲になるよう
設定することが好ましい。すなわち、NCOインデック
スが115未満であると、変性シリコーンオイルとイソ
シアネート基との結合量が少なくなるため、摩耗係数低
減効果が得られにくくなり、逆にNCOインデックスが
150を超えると、ウレタンが脆くなり、耐欠け性が悪
くなるからである。
【0019】ここで、NCOインデックスとは、イソシ
アネート基と反応する水酸基を持つ原料成分の合計当量
100に対するイソシアネートの当量を意味する。
【0020】なお、上記ポリウレタン組成物には、上記
各成分以外に、鎖延長剤、触媒、発泡剤、界面活性剤、
難燃剤、着色剤、充填剤、可塑剤、安定剤、離型剤等を
含有させてもよい。
【0021】上記鎖延長剤としては、例えば、1,4−
ブタンジオール(1,4−BD)、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
プロピレングリコール、ヘキサンジオール、1,4−シ
クロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール、キシレングリコール、トリエチレングリコー
ル、トリメチロールプロパン(TMP)、グリセリン、
ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,2,6−ヘ
キサントリオール等の分子量300以下のポリオール
や、2,2′,3,3′−テトラクロロ−4,4′−ジ
アミノジフェニルメタン、3,3′−ジクロロ−4,
4′−ジフェニルメタン、トリメチレン−ビス(4−ア
ミノベンゾエート)、4,4′−ジアミノ−3,3′−
ジエチル−5,5′−ジメチルジフェニルメタン等の芳
香族ジアミン等があげられる。これらは単独でもしくは
2種以上併せて用いられる。
【0022】上記触媒としては、特に限定はなく、例え
ば、第三級アミン等のアミン系化合物、有機錫化合物等
の有機金属化合物等があげられる。上記第三級アミンと
しては、例えば、トリエチルアミン等のトリアルキルア
ミン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ブ
タンジアミン等のテトラアルキルジアミン、ジメチルエ
タノールアミン等のアミノアルコール、エトキシル化ア
ミン,エトキシル化ジアミン,ビス(ジエチルエタノー
ルアミン)アジペート等のエステルアミン、トリエチレ
ンジアミン(TEDA)、N,N−ジメチルシクロヘキ
シルアミン等のシクロヘキシルアミン誘導体、N−メチ
ルモルホリン,N−(2−ヒドロキシプロピル)−ジメ
チルモルホリン等のモルホリン誘導体、N,N′−ジエ
チル−2−メチルピペラジン,N,N′−ビス−(2−
ヒドロキシプロピル)−2−メチルピペラジン等のピペ
ラジン誘導体等があげられる。また、上記有機錫化合物
としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル
錫ジ(2−エチルヘキソエート)等のジアルキル錫化合
物や、2−エチルカプロン酸第1錫、オレイン酸第1錫
等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せ
て用いられる。これら触媒のなかでも、耐加水分解性お
よび耐感光ドラム汚染性の点で、トリエチレンジアミン
(TEDA)が好適に用いられる。
【0023】そして、本発明のクリーニングブレード
は、上記各材料を用い、プレポリマー法、セミワンショ
ット法、ワンショット法等の常法に準じて製造すること
ができる。本発明のクリーニングブレードは、例えばつ
ぎのようにして製造される。すなわち、まず、上記ポリ
オールおよびポリイソシアネートを準備し、両者を所定
の割合で配合し、所定の反応条件で反応させてウレタン
プレポリマー(主剤液)を調製する。一方、上記ポリオ
ールおよび必要に応じて鎖延長剤、触媒等を準備し、こ
れらを所定の割合で配合し、所定の条件で混合して硬化
剤液を調製する。つぎに、図2に示すような、クリーニ
ングブレード成形用金型4を準備し、ブレード部材11
との接着部位に接着処理(接着剤の塗布)を施した板状
保持具12を装着する。そして、上記主剤液および硬化
剤液が所定のNCOインデックスとなるよう所定の割合
で配合し混合してなるポリウレタン組成物を、上記クリ
ーニングブレード成形用金型4内に注入して反応硬化さ
せる。そして、得られたポリウレタン組成物の板状硬化
体(ブレード部材)11を上記金型4から取り出し、図
3に示すように、破線Xの位置で切断する。ついで、上
記ブレード部材11の切断面に、上記特定の変性シリコ
ーンオイル(A成分)を塗工し、必要に応じて加熱処理
することにより、ブレード部材11中の未反応のイソシ
アネート基と、上記特定の変性シリコーンオイル(A成
分)とを化学結合させて化学結合皮膜3を形成する。こ
のようにして、図1に示した、クリーニングブレードを
作製することができる。
【0024】上記特定の変性シリコーンオイル(A成
分)は、ブレード部材中の未反応のイソシアネート基と
反応可能な官能基を有するものである。上記官能基とし
ては、活性水素を有する官能基が好ましく、例えば、ア
ミノ基、水酸基、メルカプト基等があげられる。これら
は単独でもしくは2種以上併せて用いられる。そして、
上記特定の変性シリコーンオイル(A成分)の変性形態
としては、側鎖型、両末端型、片末端型、側鎖両末端型
が好ましく、特に好ましくは両末端型である。
【0025】上記特定の変性シリコーンオイル(A成
分)は、数平均分子量が1000〜8000の範囲のも
のが好ましく、特に好ましくは2000〜4000の範
囲である。すなわち、上記特定の変性シリコーンオイル
(A成分)の数平均分子量が1000未満であると、ウ
レタンとの反応性は高いが未反応のまま残ると感光ドラ
ムを汚染しやすくなり、逆に8000を超えると、反応
性が悪くなり、ウレタンへの固着性が悪化して、長期に
わたって耐摩耗性を維持することが困難であり、また、
未反応のシリコーンオイルが感光ドラムを汚染する恐れ
があるからである。
【0026】上記特定の変性シリコーンオイル(A成
分)は、官能基当量が300〜16000の範囲のもの
が好ましく、特に好ましくは500〜3000の範囲で
ある。すなわち、上記特定の変性シリコーンオイル(A
成分)の官能基当量が300未満であると、シリコーン
の割合が相対的に小さくなるためシリコーンの特性が出
にくくなり、逆に16000を超えると、反応しにくく
なるからである。
【0027】上記特定の変性シリコーンオイル(A成
分)の塗工方法としては、特に限定はなく、ディッピン
グ、スプレー塗布等があげられる。
【0028】上記化学結合皮膜3の厚みは0.1μm以
下が好ましく、特に好ましくは0.02〜0.1μmの
範囲である。すなわち、上記化学結合皮膜3の厚みが
0.1μmを超えると、クリーニング性能が悪化した
り、感光ドラムを汚染するためである。なお、膜厚はE
SCA(X線光電子分光分析装置)で測定することがで
きる。
【0029】なお、上記製法においては、上記化学結合
皮膜3はブレード部材の切断面(使用面)の全面に形成
したが、必ずしも切断面の全面に形成する必要はなく、
稜線部(感光ドラムと接するブレード部材の先端部)か
ら少なくとも10μmの範囲に形成されていれば本発明
の効果を得ることができる。また、上記ブレード部材の
切断面(使用面)以外の側面、例えば、ブレード部材の
長手方向の両側面、長手方向に直交する両側面等に形成
しても差し支えない。
【0030】また、上記製法は、ブレード部材と板状保
持具とを一体成形する方法について述べたが、必ずしも
これに限定されるものではなく、例えば、板状保持具の
表面にブレード部材をあとから接着しても差し支えな
い。
【0031】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0032】まず、実施例および比較例に先立ち、下記
に示す材料を準備した。
【0033】〔変性シリコーンオイル〕アルコール変
性シリコーンオイル(X−22−160AS、信越化学
工業社製、Mn:1000、官能基当量:500、両末
端型)
【0034】〔変性シリコーンオイル〕アルコール変
性シリコーンオイル(KF6003、信越化学工業社
製、Mn:5610、官能基当量:2805、両末端
型)
【0035】〔変性シリコーンオイル〕アミノ変性シ
リコーンオイル(X−22−161B、信越化学工業社
製、Mn:3000、官能基当量:1500、両末端
型)
【0036】〔変性シリコーンオイル〕メルカプト変
性シリコーンオイル(X−22−167B、信越化学工
業社製、Mn:3340、官能基当量:1670、両末
端型)
【0037】〔変性シリコーンオイル〕メルカプト変
性シリコーンオイル(KF2004、信越化学工業社
製、Mn:30000、官能基当量:30000)
【0038】〔変性シリコーンオイル〕アルコール変
性シリコーンオイル(BY16−879B、東レダウコ
ーニングシリコーン社製、Mn:16000、官能基当
量:8000)
【0039】
【実施例1】〔ウレタンプレポリマー(主剤液)の調
製〕予め80℃にて1時間真空脱泡したPBA(日本ポ
リウレタン工業社製、N4010、Mn:2000)1
00部に対し、MDI(日本ポリウレタン工業社製、ミ
リオネートMT)44部を添加し、窒素雰囲気下で80
℃にて3時間反応させ、NCO末端ウレタンプレポリマ
ー(NCO%:7.3重量%)を得た。
【0040】〔硬化剤液の調製〕1,4−BDとTMP
の混合物(重量比:1,4−BD/TMP=60/4
0)100部に対して、触媒としてトリエチレンジアミ
ン(三共エアプロダクツ社製、DABCO)0.1部を
添加し、80℃にて1時間真空脱水することにより、硬
化剤液を調製した。
【0041】〔ポリウレタン組成物の調製〕上記ウレタ
ンプレポリマー(主剤液)を70℃にて30分間真空脱
泡させたところに、上記硬化剤液をNCOインデックス
が115となるように加え、減圧下、攪拌羽根で60秒
間混合することにより、ポリウレタン組成物を調製し
た。
【0042】〔クリーニングブレードの作製〕140℃
に予備加熱したクリーニングブレード用成形金型を準備
し、ブレード部材との接着部位に接着処理(接着剤の塗
布)を施した板状保持具を装着した。ついで、上記ポリ
ウレタン組成物を上記金型内に注入し、140℃で30
分間反応させた。そして、得られたポリウレタン組成物
の板状硬化体(ブレード部材)を上記金型から取り出
し、図3に示すように、破線Xの位置で切断した後、1
00℃で10時間の二次キュアを行い、2つのブレード
部材を得た。ついで、上記ブレード部材(大きさ:24
0mm×10mm、厚み:2mm)の切断面に、上記変
性シリコーンオイルをディッピングにより塗布し、1
20℃×30分間加熱処理することにより、上記ブレー
ド部材の未反応のイソシアネート基と上記変性シリコー
ンオイルとが化学結合してなる化学結合皮膜(厚み
0.07μm)を形成した。成形後、ウレタン養生のた
め、48時間常温環境に放置した。このようにして、上
記ブレード部材の切断面側に化学結合皮膜が形成されて
なるクリーニングブレードを作製した(図1参照)。
【0043】
【実施例2〜7、比較例1〜4】ポリウレタン組成物の
NCOインデックス、シリコーンオイルの種類および加
熱処理条件を後記の表1および表2に示すように変更す
る以外は、実施例1と同様にしてクリーニングブレード
を作製した。なお、比較例1については、ブレード部材
への変性シリコーンオイルの塗工は行わなかった。
【0044】つぎに、実施例および比較例のクリーニン
グブレードを用いて、下記の基準に従い、各特性の評価
を行った。これらの結果を後記の表1および表2に併せ
て示した。
【0045】〔摩擦係数〕図4に示すように、表面にP
ETシート25(厚み150μm)を設けた金属製保持
板26に対して、ブレード部材21が60°の角度にな
るよう押し当てた(押し当て力:1N/cm)。そし
て、上記保持板26を2mm/秒の速度で矢印方向に動
かし、動摩擦係数を測定した。
【0046】〔カケの数〕各クリーニングブレードを市
販のレーザープリンターに組み込み、高温高湿環境下
(35℃×85%RH)、A4サイズで15000枚画
出しを行った後のクリーニングブレードのエッジ部のカ
ケ(大きさ10μm以上のもの)の数を、顕微鏡を用い
て倍率500倍で観察した。
【0047】〔摩耗量〕各クリーニングブレードを市販
のレーザープリンターに組み込み、高温高湿環境下(3
5℃×85%RH)、A4サイズで15000枚画出し
を行った後のクリーニングブレードのエッジ部の摩耗量
を走査型電子顕微鏡を用いて倍率500倍で観察した。
そして、摩耗した部分の断面積(Uμm2 )と、先端部
の単位長さ(Xμm)を測定し、数式:W=U×Xによ
り、摩耗量(Wμm3 )を算出した。
【0048】〔耐感光ドラム汚染性〕市販レーザープリ
ンター用カートリッジの感光ドラムを用いて、40℃×
95%RHの環境下、ブレードを感光ドラムに押し当
て、1ヶ月放置後の耐感光ドラムの汚染性を評価した。
評価基準は、画像上問題のないものを◎、画像上の問題
が10枚以下の印刷で消滅するものを○、感光ドラムに
亀裂は入らないが、画像に問題のあるものを△とした。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】上記結果から、実施例品はいずれも、摩擦
係数が低く、カケもほとんどなく、摩耗量も小さく、耐
感光ドラム汚染性に優れていることがわかる。
【0052】これに対して、比較例1品は、クリーニン
グブレードの切断面に化学結合皮膜を形成していないた
め、耐摩耗性、耐欠け性に劣ることがわかる。比較例2
品は、初期の摩擦係数は小さいが、変性していない通常
のシリコーンオイルを用いているため、長期間使用して
いるうちにブレード部材の表面に形成した皮膜が剥がれ
落ち、耐摩耗性、耐欠け性に劣ることがわかる。比較例
3品は、ポリウレタン組成物のNCOインデックスが低
すぎるため、変性シリコーンオイルとの結合が弱くな
り、摩擦係数が高く、耐摩耗性に劣ることがわかる。比
較例4品は、ポリウレタン組成物のNCOインデックス
が高すぎるため、ポリウレタンが脆くなり、カケが多い
ことがわかる。
【0053】
【発明の効果】以上のように、本発明のクリーニングブ
レードは、ブレード部材の形成に用いるポリウレタン組
成物のNCOインデックスが通常よりも高いため、ブレ
ード部材中に未反応のイソシアネート基が存在し、これ
が特定の変性シリコーンオイル(A成分)と化学結合し
て化学結合皮膜を形成するものである。そのため、上記
化学結合皮膜の形成により、クリーニングブレードと相
手部材(感光ドラム等)との摩擦係数を下げることがで
き、耐摩耗性および耐欠け性の双方の特性に優れてい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクリーニングブレードの一例を示す断
面図である。
【図2】クリーニングブレード成形用金型に、2個の板
状保持具を取り付けた状態を示す縦断面図である。
【図3】上記金型によって形成された2組の板状保持具
付きクリーニングブレードを示す縦断面図である。
【図4】摩擦係数の測定方法を示す説明図である。
【符号の簡単な説明】
1 ブレード部材 2 板状保持具 3 化学結合皮膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三隅 史雄 愛知県小牧市東三丁目1番地 東海ゴム工 業株式会社内 (72)発明者 吉川 均 愛知県小牧市東三丁目1番地 東海ゴム工 業株式会社内 (72)発明者 鈴木 智志 愛知県小牧市東三丁目1番地 東海ゴム工 業株式会社内 (72)発明者 伊東 邦夫 愛知県小牧市東三丁目1番地 東海ゴム工 業株式会社内 Fターム(参考) 2H134 GA01 GB02 HD06 HD19 HD20 KD08 KD09 KD16 KE03 KE06 4F006 AA37 AB39 BA02 CA03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリウレタン組成物の板状硬化体を切断
    してなるブレード部材と、このブレード部材を保持する
    保持具とを備えたクリーニングブレードであって、上記
    ブレード部材の少なくとも切断面側に、上記ブレード部
    材中の未反応のイソシアネート基と下記の(A)成分と
    が化学結合してなる化学結合皮膜が形成されており、か
    つ、上記ブレード部材がNCOインデックス115〜1
    50の範囲のポリウレタン組成物を用いて形成されてな
    ることを特徴とするクリーニングブレード。 (A)イソシアネート基と反応可能な官能基を有する変
    性シリコーンオイル。
  2. 【請求項2】 上記(A)成分が、アミノ基、水酸基お
    よびメルカプト基からなる群から選ばれた少なくとも一
    つの官能基を有するものである請求項1記載のクリーニ
    ングブレード。
  3. 【請求項3】 上記(A)成分の数平均分子量が100
    0〜8000の範囲である請求項1または2記載のクリ
    ーニングブレード。
  4. 【請求項4】 上記(A)成分の官能基当量が300〜
    16000の範囲である請求項1〜3のいずれか一項に
    記載のクリーニングブレード。
  5. 【請求項5】 上記化学結合皮膜が、稜線部から少なく
    とも10μmの範囲に形成されている請求項1〜4のい
    ずれか一項に記載のクリーニングブレード。
  6. 【請求項6】 上記化学結合皮膜の厚みが0.1μm以
    下である請求項1〜5のいずれか一項に記載のクリーニ
    ングブレード。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか一項に記載のク
    リーニングブレードの製法であって、ポリウレタン組成
    物の板状硬化体を所定寸法に切断した後、その切断表面
    に上記(A)成分を塗工することにより、上記ブレード
    部材の少なくとも切断面側に化学結合皮膜を形成するこ
    とを特徴とするクリーニングブレードの製法。
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