JP2003140179A - 液晶表示パネルへの回路部品接続装置 - Google Patents

液晶表示パネルへの回路部品接続装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 端子部に異方性導電膜を介して回路部品を接
続する際、加熱圧着による端子部の反りを確実に防止す
る。 【解決手段】 端子部1aの部品接続面に対して前進・
後退する第1ヒータバー20と、端子部1aの反部品接
続面に対して前進・後退する第2ヒータバー30とを使
用し、異方性導電膜2を介して回路部品(例えばTCP
基板)3が配置された端子部1aを各ヒータバー20,
30にて同時に所定時間加熱圧着した後、端子部1aか
ら先に第2ヒータバー30を離し、その後に第1ヒータ
バー20を離す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示パネルの
端子部に異方性導電膜を介して回路部品を接続する回路
部品接続装置に関し、さらに詳しく言えば、ヒーターバ
ーの加熱による端子部の熱変形を防止する技術に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示パネルの端子部に、例えばTC
P基板やフレキシブル配線板を接続したり、ICチップ
を搭載する場合、熱硬化型の異方性導電膜(ACF)が
よく使われる。異方性導電膜は、熱硬化性のバインダに
導電性粒子を混ぜ込んで膜状としたもので、2つの導体
間で加熱加圧されることにより、導電性粒子で導体間の
導通がとられ、バインダ樹脂にて導体間の接続が保持さ
れる。
【0003】図4に示すように、液晶表示パネル1の端
子部1aに異方性導電膜2を介して例えばTCP基板3
を接続する場合、液晶表示パネル1の端子部1aに異方
性導電膜2を貼り付け、それにTCP基板3を仮付けし
た後、高温に加熱したヒーターバー4で圧力を加えなが
ら短時間圧着することにより、異方性導電膜2のバイン
ダ樹脂を硬化させて接続を行う。
【0004】液晶表示パネル1の基板はガラスであるた
め、高温に加熱したヒーターバー4で端子部1aに圧力
を加えると、図5(a)に誇張して示すように、端子部
1aに反りが発生する。これは、ヒーターバー4にて押
圧される側の面と反対側の面との温度差に起因する熱膨
張の差によるもので、特にガラスの板厚が0.4mmの
ように薄くなると反りが顕著になる。
【0005】この反りは、端子部1aがヒーターバー4
から解放された後に現れるが、その後に基板が冷めてく
ると、異方性導電膜2の収縮力によって、図5(b)に
誇張して示すように、端子部1aが図5(a)とは逆方
向に反ることもある。
【0006】いずれにしても、端子部1aに反りが発生
すると、導電性粒子による導通状態に悪影響が出て、信
頼性試験で導電性粒子の接続部の接点が剥がれ導通不良
を引き起こす原因となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
課題は、液晶表示パネルの端子部に異方性導電膜を介し
て回路部品を接続する際、ヒーターバーの加熱加圧によ
る端子部の反りを確実に防止することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、液晶表示パネルの端子部に異方性導電膜
を介して所定の回路部品を接続する液晶表示パネルへの
回路部品接続装置において、上記端子部の部品接続面に
対して前進・後退する第1ヒータバーおよびその第1駆
動部と、上記第1ヒータバーとは反対側から上記端子部
の反部品接続面に対して前進・後退する第2ヒータバー
およびその第2駆動部と、上記各ヒータバーの加熱温度
を制御する加熱制御部および上記各駆動部の動作を制御
する駆動制御部とを含み、上記加熱制御部は、上記第1
および第2ヒータバーを実質的に同一の加熱温度に維持
し、上記駆動制御部は、上記異方性導電膜を介して上記
回路部品が配置された上記端子部に対して、上記第1ヒ
ータバーと上記第2ヒータバーとを前進させて同時に押
圧して加熱し、所定の加熱時間経過後、先に上記第2ヒ
ータバーを後退させてから、上記第1ヒータバーを後退
させるように、上記各駆動部の動作を制御することを特
徴としている。
【0009】このように、端子部の両面にヒーターバー
を押し付けて同じ温度に加熱することにより、ガラス基
板の反りが防止されるとともに、圧着時間を短縮するこ
とができる。
【0010】また、ヒーターバーを解放する際には、反
部品接続面(裏面)側の第2ヒーターバーを先に解放し
て、部品接続面側と反部品接続面側とに積極的に温度差
を持たせることにより、部品接続面側に生ずる凸方向に
反ろうとする力(図5(a)参照)と、異方性導電膜の
バインダ樹脂の硬化収縮により生ずる凹方向に反ろうと
する力(図5(b)参照)とがバランスされ、全体とし
ての反りをなくすことができる。
【0011】なお、必ずしも上記加熱制御部と上記駆動
制御部とを別々に用意する必要はなく、例えばマイクロ
コンピュータなどに、それらの各機能を持たせて制御部
を一つとすることも可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、図1および図2を参照し
て、本発明の実施形態について説明する。なお、この実
施形態においても、液晶パネル1の端子部1aに異方性
導電膜2を介してTCP基板3を接続する場合を例とし
ている。
【0013】この接続装置10は、第1ヒーターバー2
0と第2ヒーターバー30の2つのヒーターバーと、液
晶パネル1を挟持してその端子部1aを各ヒーターバー
20,30の間に搬送するクランパー40と、各ヒータ
ーバー20,30の温度および動作を制御する制御手段
50とを備えている。
【0014】この実施形態において、第1ヒーターバー
20は端子部1aの部品接続面側(上面側)に配置さ
れ、第2ヒーターバー30は端子部1aの反部品接続面
側(下面側)に配置されている。第1ヒーターバー20
と第2ヒーターバー30は、ともに駆動部21,31を
備え、端子部1aに対して前進・後退(昇降)する。
【0015】駆動部21,31には、例えばエア(油
圧)シリンダや電磁ソレノイドが用いられ、制御手段5
0からの指示信号にてしたがって作動する。なお、図示
されいてないが、各ヒーターバー20,30には電気ヒ
ータが設けられており、この実施形態では、その加熱温
度も制御手段50によって制御される。
【0016】クランパー40は一対のアーム41,42
を備え、それらの間に液晶パネル1を挟んで、図1の待
機位置と図2の圧着位置との間を往復動する。クランパ
ー40の往復動は手動によってもよいが、エアシリンダ
などで駆動する場合には、ヒーターバー20,30の動
作と関連させて制御手段50にて自動制御することも可
能である。
【0017】次に、この接続装置10の動作の一例を説
明する。なお、液晶パネル1をクランパー40に保持さ
せて、その端子部1aに異方性導電膜2を貼り付け、そ
の上にTCP基板3を仮付けする。
【0018】クランパー40を動かして、図2に示すよ
うに、端子部1aをヒーターバー20,30間の圧着位
置に移動させる。制御部50は、ヒーターバー20,3
0を同一加熱温度として端子部1aに所定の圧力で同時
に押し付け、端子部1aの両面から加熱して異方性導電
膜2を硬化させて端子部1aとTCP基板3とを電気的
・機械的に接続する。
【0019】加熱が終了すると、制御部50はヒーター
バー20,30を後退させるが、その場合、下側の第2
ヒーターバー30を先に端子部1aから離し、その後に
上側の第1ヒータバー20を端子部1aから離す。図3
に接続終了後の端子部1aを図2の右側から見た側面図
を示す。
【0020】これにより、端子部1aの部品接続面U側
の温度が高く、反部品接続面L側の温度が低くなるた
め、先の図5(a)に示すように、部品接続面U側には
凸方向に反ろうとする力が発生する。
【0021】これに対して、反部品接続面L側には異方
性導電膜2のバインダ樹脂の硬化収縮により、先の図5
(b)に示すように、凹方向に反ろうとする力が発生す
る。本発明では、これらの力のバランスにより、全体と
しての反りをなくすことができる。
【0022】
【実施例】厚さ0.4mmのANガラスよりなる液晶表
示パネルの端子部に異方性導電膜を用いてTCP基板を
接続するにあたって、その端子部に接続抵抗評価用とし
て幅35mm,15Ω/□のITOベタパターンを形成
し、端子ピッチ50μmのTCP基板を接続した。な
お、異方性導電膜には日立化成社製のAC7206を使
用した。
【0023】《実施例1》上ヒーターバー,下ヒーター
バーともに設定温度190℃、圧力2MP,加熱圧着時
間15秒とし、15秒後に先に下ヒーターバーを解放
し、その1秒後に上ヒーターバーを解放した。接続抵抗
値の分布は5〜8Ωでほぼ均一であった。
【0024】〈比較例1〉上ヒーターバーと、非加熱の
下受台の組み合わせとしたほかは、上記実施例1と同じ
設定条件で、上ヒーターバーのみにて15秒間加熱圧着
を行った。接続抵抗を測定した結果、TCP基板の中央
付近の接続抵抗が5〜8Ωであったのに対して、両サイ
ド10mm付近の接続抵抗は15〜20Ωであった。
【0025】〈比較例2〉上記比較例1の下受台を70
℃に加熱して、上記比較例1と同じ設定条件で加熱圧着
を行った。抵抗値の分布は5〜15Ωと上記比較例1よ
りも改善されたが、依然としてばらつきは大きかった。
なお、COG(chip on glass)に適用さ
れる短時間硬化型の異方性導電膜の場合には、抵抗値分
布のばらつきがより顕著になる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
端子部の部品接続面に対して前進・後退する第1ヒータ
バーと、端子部の反部品接続面に対して前進・後退する
第2ヒータバーとを使用し、異方性導電膜を介して回路
部品が配置された端子部を各ヒータバーにて同時に所定
時間加熱圧着した後、端子部から先に第2ヒータバーを
離し、その後に第1ヒータバーを離すようにしたことに
より、端子部の反りを確実に防止することができる。
【0027】また、ヒータバーを2本としたことにより
熱容量が増え、例えば従来では加熱圧着時間に15秒要
していたところを12秒でよくなり、加熱圧着時間の短
縮も図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態で液晶表示パネルの端子部が
待機位置にあるときの状態を示す模式図。
【図2】本発明の実施形態で液晶表示パネルの端子部が
圧着位置にあるときの状態を示す模式図。
【図3】上記実施形態で圧着された端子部を示す側面
図。
【図4】従来例を示す模式図。
【図5】加熱圧着により端子部に発生する反りを示す説
明図。
【符号の説明】 10 接続装置 20 第1ヒータバー 21 駆動部 30 第2ヒータバー 31 駆動部 40 クランパー 50 制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H092 GA40 GA46 GA48 GA50 MA29 MA32 NA25 NA27 PA01 5F044 LL09 NN13 NN19 PP12 PP19

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶表示パネルの端子部に異方性導電膜
    を介して所定の回路部品を接続する液晶表示パネルへの
    回路部品接続装置において、 上記端子部の部品接続面に対して前進・後退する第1ヒ
    ータバーおよびその第1駆動部と、上記第1ヒータバー
    とは反対側から上記端子部の反部品接続面に対して前進
    ・後退する第2ヒータバーおよびその第2駆動部と、上
    記各ヒータバーの加熱温度を制御する加熱制御部および
    上記各駆動部の動作を制御する駆動制御部とを含み、 上記加熱制御部は、上記第1および第2ヒータバーを実
    質的に同一の加熱温度に維持し、 上記駆動制御部は、上記異方性導電膜を介して上記回路
    部品が配置された上記端子部に対して、上記第1ヒータ
    バーと上記第2ヒータバーとを前進させて同時に押圧し
    て加熱し、所定の加熱時間経過後、先に上記第2ヒータ
    バーを後退させてから、上記第1ヒータバーを後退させ
    るように、上記各駆動部の動作を制御することを特徴と
    する液晶表示パネルへの回路部品接続装置。
  2. 【請求項2】 上記加熱制御部および上記駆動制御部
    が、同一の制御手段に含まれる請求項1に記載の液晶表
    示パネルへの回路部品接続装置。
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