JP2003138507A - 保水性弾性舗装体およびその施工方法 - Google Patents

保水性弾性舗装体およびその施工方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴムチップ等の弾性骨材を用いた弾性舗装に
おいて保水性を付与することにより、弾性舗装の持つ機
能を維持しつつ、特に都市部での夏季における舗装面温
度の上昇、ひいては気温の上昇を抑制して、ヒートアイ
ランド現象の緩和に寄与することのできる保水性弾性舗
装体およびその施工方法を提供する。 【解決手段】 保水層2と、保水層2上に積層され、弾
性骨材およびバインダーを含む弾性層3との2層構造を
有する保水性弾性舗装体1であって、保水層2が、硬質
骨材と、吸水性樹脂と、バインダーとを含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、道路、歩道、駐車
場等に適用することのできる保水性弾性舗装体(以下、
単に「舗装体」とも称する)およびその施工方法に関
し、詳しくは、温度変化に伴う吸、排水機能を備えるこ
とにより、特に夏季における舗装路面の温度上昇を効果
的に抑制することのできる保水性弾性舗装体およびその
施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の大都市部における夏場の気温上昇
は著しく、ヒートアイランド現象と呼ばれて、対応策に
注目が集まっている。このような都市部のヒートアイラ
ンド現象の発生要因としては、都市活動に伴って生ずる
人工排熱と並んで、乾燥した舗装面から排熱が行われな
いことによる舗装道路の高温化や夜間での蓄熱が最も大
きいと言われている。このため、舗装の改良の観点から
気温上昇を抑制する手段として、雨水を舗装内部に浸透
させる、いわゆる「透水性舗装」が、一時的に温度上昇
を抑えられるという点から注目されるようになった。
【0003】しかし、単に舗装内部に浸透させるだけで
は長時間にわたって水を保持することは困難であるた
め、最近では、舗装の透水能力を小さくして、細かい空
隙の持つ毛管力によって下部層から水分を補給すること
ができる建材が開発されている。これを利用した舗装
は、透水性舗装とは区別して、一般に「保水性舗装」と
呼ばれており、かかる保水性舗装に係る技術として、こ
れまでに、開粒度アスファルト舗装やポーラスコンクリ
ート舗装等に対し吸水性樹脂を適用して舗装を低温化す
る方法(特開2000−104214号公報)、シルト
系充填材またはシルト質等を含む加工された無機充填材
を連続空隙を備えた表層中に充填してなる保水性舗装体
(特許第3156151号公報、特開2000−109
699号公報)などが提案されている。
【0004】一方、アスファルトやコンクリート等を用
いた汎用舗装に対して、舗装材料としてゴムチップ等の
弾性骨材を用いた弾性舗装がある。かかる弾性舗装は、
歩行者やジョギング者の足や膝に負担をかけにくい舗装
として、公園やジョギングコース、幼稚園、ゴルフコー
ス、スポーツ施設等に広く採用されている。また、近年
では、歩き易い路面として注目され、都市部の歩道や公
園、建物の屋上等にも、現場施工タイプやプレス成型ブ
ロックタイプの弾性舗装が多く採用されるようになって
きている。
【0005】このような弾性舗装は、通常、コンクリー
ト舗装やアスファルト舗装、透水性アスファルト舗装な
どの上に施工される場合がほとんどであり、排水性機能
は有するものの、積極的な保水性機能は付与されていな
いのが一般的である。そのため、都市部の弾性舗装路面
では、夏場には表面温度が著しく上昇し、都市部におけ
る気温上昇の要因となり得るという点では汎用アスファ
ルト舗装並と考えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、コンク
リート舗装やアスファルト舗装等の汎用舗装において
は、舗装内の空隙部を利用した保水性舗装や、毛細管作
用を利用した保水性舗装ブロック等が種々提案されてき
ており、車道や歩道に適用されている。しかしながら、
ゴムチップ弾性舗装体における保水性舗装についてはこ
れまで十分な検討がなされてきたとはいえず、かかる弾
性舗装の普及に伴い、ヒートアイランド現象の緩和の観
点から、これについても保水性能を備えた舗装が求めら
れているのが現状である。
【0007】そこで本発明の目的は、ゴムチップ等の弾
性骨材を用いた弾性舗装において保水性を付与すること
により、弾性舗装の持つ機能を維持しつつ、特に都市部
での夏季における舗装面温度の上昇、ひいては気温の上
昇を抑制して、ヒートアイランド現象の緩和に寄与する
ことのできる保水性弾性舗装体およびその施工方法を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、保水性を有
する弾性舗装について鋭意検討を進めた結果、下記構成
とすることによって、弾性舗装体の表面性状を変化させ
ることなく、即ち弾性舗装の機能を損なわずに、かつ、
保水性機能をも備えた弾性舗装構造を実現することがで
き、高機能の保水性弾性舗装体が得られることを見出し
て、本発明を完成するに至った。即ち、上記課題を解決
するために、本発明は、以下の通りである。
【0009】(1)保水層と、該保水層上に積層され、
弾性骨材およびバインダーを含む弾性層との2層構造を
有する保水性弾性舗装体であって、前記保水層が、硬質
骨材と、吸水性樹脂と、バインダーとを含有することを
特徴とする保水性弾性舗装体である。
【0010】(2)上記(1)の保水性弾性舗装体にお
いて、前記保水層のバインダーがセメント、アスファル
トまたは樹脂である保水性弾性舗装体である。
【0011】(3)上記(2)の保水性弾性舗装体にお
いて、前記保水層のバインダーが浸透性セメントである
保水性弾性舗装体である。
【0012】(4)上記(1)〜(3)のいずれかの保
水性弾性舗装体において、前記保水層が、ポーラスコン
クリート舗装またはポーラスアスファルト舗装からなる
基本舗装構造を有する保水性弾性舗装体である。
【0013】(5)上記(1)〜(4)のいずれかの保
水性弾性舗装体において、前記吸水性樹脂が感温性吸放
水性樹脂である保水性弾性舗装体である。
【0014】(6)上記(1)〜(5)のいずれかの保
水性弾性舗装体において、前記保水層における前記吸水
性樹脂の含有量が10〜500g/m2の範囲内である
保水性弾性舗装体である。
【0015】(7)上記(1)〜(6)のいずれかの保
水性弾性舗装体において、前記硬質骨材の粒径が7〜2
0mmの範囲内である保水性弾性舗装体である。
【0016】(8)下地層上に、保水層および弾性層を
積層する工程を含む上記(2)〜(7)のいずれかの保
水性弾性舗装体の施工方法において、前記保水層を形成
するにあたり、前記硬質骨材、吸水性樹脂およびセメン
トを水を用いて混合して保水層用舗装材料を調製するこ
とを特徴とする保水性弾性舗装体の施工方法である。
【0017】(9)下地層上に、保水層および弾性層を
積層する工程を含む上記(3)〜(7)のいずれかの保
水性弾性舗装体の施工方法において、前記下地層上に、
少なくとも前記硬質骨材を含む基本舗装構造を形成する
工程と、形成された該基本舗装構造に対し、前記吸水性
樹脂および浸透性セメントと水とを混合してなる保水層
形成用セメントミルクを浸透させて、該吸水性樹脂を前
記硬質骨材に結着させ、前記保水層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする保水性弾性舗装体の施工方法で
ある。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について説明する。図1に示すように、本発明の保水
性弾性舗装体1は、保水層2と弾性層3とからなる二層
構造を有し、下地層4上に施工される。即ち、ゴムチッ
プ等の弾性骨材を主体とする弾性層3の下層に、吸水性
を有する保水層2を配することで、舗装体の表層部をな
す弾性層3の機能を確保しつつ、弾性層3を透過した雨
水や散水を保水層2にて保持して、この保持水分により
舗装面温度の上昇、さらには気温の上昇を防止する機能
をも備えた、弾性舗装と保水性舗装の利点を兼ね備えた
優れた舗装体を実現したものである。
【0019】本発明の舗装体における温度上昇防止の原
理としては、以下のようになる。即ち、日中の気温上昇
により舗装面が暖められると、舗装体内部にもその熱が
伝達されて内部温度が上昇するが、本発明の舗装体1に
おいては、保水層2の温度上昇により、内部に保持され
た水分が蒸発することになる。この際、舗装体から水分
蒸発に伴う気化熱を奪うために、舗装体内部の温度上昇
を抑制することができるのである。これにより、保水層
2のみならず弾性層3についても温度上昇の抑制効果を
受けることができ、舗装面の温度、ひいては気温の上昇
を防止して、都市部で問題となっているヒートアイラン
ド現象の緩和にも寄与することができる。
【0020】本発明の舗装体の表層部となる弾性層3と
しては、弾性骨材およびバインダーと、所望に応じ硬質
骨材とを含有してなる通常のゴムチップ舗装を用いるこ
とができ、これにより、歩行性、滑り抵抗性、排水性、
耐衝撃性等の弾性舗装の機能を確保することができる。
弾性層3の厚さは、通常5〜50mm、好ましくは7〜
20mm程度であり、舗装体1の全厚の1/10〜1/
2程度とすることが、施工性や作業性の観点から好適で
ある。
【0021】弾性層3のゴムチップ舗装に用いる弾性骨
材としては、通常用いられる粒状ゴム、ひじき状ゴム等
のゴムチップ材を用いることができ、通常0.5〜7m
m、好適には粒径0.5〜5mm程度のものを用いる。
ゴムチップ材は天然ゴム、合成ゴムのいずれでもよく、
廃タイヤ等の加硫済みゴム製品を機械的に粉砕して形成
したものを使用することができる。
【0022】硬質骨材は所望に応じ用いることができ、
川砂利、川砂等の天然の骨材や砕石、スラグ、コンクリ
ート、ガラス、FRP等のリサイクル骨材などを使用す
ることができる。この骨材に使用する石材、砂等は、完
成した舗装の強度、耐摩耗性を確保し、表面に露出して
防滑作用を得るためのものである。石材は互いに噛み合
って荷重を分散させる機能を持つことが好ましく、この
ため、砕石のような尖った形状で硬いものが適当であ
る。また、粒径0.5〜30mmの粗粒骨材に対して、
粒径0.5mm以下の細粒骨材を5体積%以上混合する
ことが好ましい。粗粒骨材は、主として通水性を得るた
めに多孔質構造を形成するものであり、互いに噛み合っ
て隙間を形成するような、砕石のような尖った形状で硬
いものが適当である。一方、細粒骨材は、大型の粗粒骨
材の表面に付着してタイヤ等に対して防滑作用(サンド
ペーパーのような研磨効果)をもたらすこととなる。
【0023】また、バインダーとしては、湿気硬化型一
液性ウレタン樹脂、熱硬化型一液性ウレタン樹脂、常温
硬化型二液性ウレタン樹脂、熱硬化型二液性ウレタン樹
脂、アクリル−ウレタン樹脂、弾性エポキシ樹脂、アス
ファルト、アスファルトエマルジョン等の通常用いられ
るものを使用することができ、好ましくは、湿気硬化型
一液性ウレタン樹脂、二液性ウレタン樹脂、アクリルウ
レタン樹脂、弾性エポキシ樹脂である。使用するバイン
ダー量としては、熱硬化型一液性ウレタンおよび二液性
ウレタン樹脂バインダーの場合には、10〜30体積%
の範囲で混合することが好ましい。
【0024】尚、舗装に着色することが景観上等から求
められる場合には、バインダー中に無機粉体等からなる
着色剤(トナー)を混合することにより着色することが
でき、この場合、着色剤はバインダーの3〜10体積%
にて混合することが好ましい。また、弾性骨材として着
色したゴムチップ、例えばEPDMのカラーゴムチップ
を用いることで、舗装に着色することもできる。
【0025】保水層2は、本発明の舗装体1において路
面温度の上昇抑制機能を担うものであり、硬質骨材と、
吸水性樹脂と、バインダーとを含有する。保水層2の機
能を十分発揮させるために、保水層2の厚さは、通常1
5〜100mm、好ましくは20〜60mm程度であ
り、舗装体1の全厚の9/10〜1/2程度とする。即
ち、好適には、保水層2と弾性層3との厚さの比率が
9:1〜1:1の範囲内である。
【0026】吸水性樹脂6は、図1の丸で囲んだ部分の
拡大図である図2に示すように、保水層2中で、硬質骨
材5の間の空隙にバインダー7により結着されて充填さ
れ、低温時にはこの空隙に浸入した水分を吸水して保持
するとともに、高温時には水分を排出する機能を有す
る。従って、保水層2は、不透水性のコンクリート舗装
やアスファルト舗装等からなる基本舗装構造を有するも
のであってもよいが、空隙率の高い、透水性を有する基
本舗装からなることが好ましく、好適には、ポーラスコ
ンクリート舗装またはポーラスアスファルト舗装からな
る基本舗装構造を有するものとする。保水層2の基本舗
装を空隙率の高いポーラスコンクリート舗装またはポー
ラスアスファルト舗装とすることにより、より効率よく
吸水性樹脂6による保水効果を得ることができる。
【0027】吸水性樹脂6としては、上記吸、排水機能
を備えているものであれば特に制限されず、いかなる樹
脂を用いてもよいが、好適には、感温性吸放水性樹脂を
用いる。かかる感温性吸放水性樹脂としては、例えば、
特開2000−189455号公報に記載されている、
N−置換アクリルアミド類およびアクリロイルピペリジ
ン、アクリロイルピロリジンの中から選ばれるアクリル
アミド誘導体を主成分モノマーとして、これに(メタ)
アクリル酸及びそのアルカリ金属塩、ジメチルアクリル
アミド、ダイアセトンアクリルアミド、ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート等の親水性モノマーを共重合し
架橋する事により得られるアクリル系樹脂(具体的に
は、(株)興人製、商品名サーモゲル)等を挙げること
ができる。この感温性吸放水性樹脂は、設定した感温点
以下では吸水性ポリマーとして作用し、水分を吸収して
膨潤する一方、設定された感温点にまで加温されること
により、吸収していた水を放出して収縮する。この感温
点、即ち、吸水と排水とが切り替わる温度は、モノマー
類の共重合比率の選択により容易にコントロールするこ
とができるため、舗装体の施工場所の気候条件等に応じ
てこの温度を適切に設定することが可能であり、舗装体
を適用する各地域に応じた保水機能を発揮させることが
できる。一般的な吸水性樹脂でも温度上昇抑制効果はあ
るが、特に、夏季の舗装体内の温度上昇を考慮した場合
には、かかる感温性吸放水性樹脂を用いることが好適で
ある。即ち、気温の上昇に伴い舗装面温度、次いで保水
層温度が上昇して、一定温度に達することで放湿を開始
させることができるため、より効果的な温度上昇の抑制
を図ることができるからである。
【0028】上記アクリル系樹脂の架橋方法としては、
ポリマーの重合時にメチレンビスアクリルアミド等の多
官能ビニルモノマーを共重合する方法、ポリマーの重合
時に反応性基を有するモノマーを共重合した後、化学反
応によって架橋する方法およびポリマーを電磁線で架橋
する方法等がある。
【0029】保水層2における吸水性樹脂6の配合量
は、用いる吸水性樹脂の吸水能にもよるが、例えば、吸
水量100〜150倍程度の吸水性樹脂の場合には、好
ましくは10〜500g/m2、より好ましくは50〜
300g/m2の範囲内である。この量が10g/m2
満であると十分な温度上昇抑制効果を得ることができ
ず、一方、500g/m2を超えてもそれ以上の効果は
望めず、却ってコスト高を招くため好ましくない。
【0030】保水層2の硬質骨材5としては、弾性層3
と同様のものを用いることができ、特に制限されない
が、好ましくは、粒径が7〜20mm程度のものを用い
る。比較的粒径の大きい粗粒骨材を用いることで、保水
層2における空隙率が増大し、また空隙のサイズが大き
くなるという特長が付与されるため、保水層2の機能の
最適化の面で好ましい。
【0031】また、保水層2のバインダー7としては、
好適には、セメント、アスファルト、または、エポキシ
やアクリル等の樹脂を用いる。特に好適には、セメン
ト、中でも浸透性セメントを用いることが好ましい。
【0032】本発明の舗装体1を適用する下地層4とし
ては、コンクリートやアスファルト舗装等の不透水性下
地や、ポーラスコンクリートやポーラスアスファルト等
の透水性下地等を用いることができ、特に制限されな
い。
【0033】保水層2を形成する手順としては、特に制
限はされないが、例えば、下地層4上に、硬質骨材5
を、前述の弾性層3に用いたと同様のバインダーととも
に用いてコンクリート舗装やアスファルト舗装等、好適
には、ポーラスコンクリート舗装またはポーラスアスフ
ァルト舗装からなる基本舗装構造を形成し、その後、こ
の基本舗装構造に対し、吸水性樹脂6およびバインダー
7としての浸透性セメントと水とを混合してなる保水層
形成用セメントミルクを浸透させて、舗装構造中の硬質
骨材5に吸水性樹脂6を結着させ、保水層2を形成する
手法が好適である。また、硬質骨材5、吸水性樹脂6お
よびバインダー7としてのセメントを水を用いて混合し
て保水層用舗装材料を調製し、これにより保水層2を形
成する手法も好ましく用いることができる。
【0034】なお、保水層2と弾性層3との間の接着性
を高めるために、接着強化剤として、例えば、一液性ポ
リウレタンプライマー、二液性ポリウレタンプライマー
等の各種ウレタン系プライマーや、エポキシプライマ
ー、ポリエステルプライマー、アクリル系プライマー、
アクリル−ウレタンプライマー等の低粘度プライマーな
どを塗布して用いてもよい。
【0035】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説
明する。比較例1 最初に、下地層としての密粒度アスファルトコンクリー
ト(13)の表面を、1m角サイズで木枠にて区分し、
タックコート乳剤を散布後、13mmトップのポーラス
アスファルトコンクリート合材を敷き均して、転圧を経
て厚さ40mmのポーラスアスファルトコンクリート舗
装を得た。
【0036】その上面に、次のようなステップで弾性層
を15mmの厚さで施工した。 接着強化剤としての湿気硬化型一液性ポリウレタンの
溶剤型プライマーを約200g/m2ローラー刷毛を用
いて塗布し、下地層の準備をした。 次に、100リットルパン型ミキサーに粒状ゴムチッ
プ((株)ブリヂストン製、弾フレックスEM 1〜3
mmサイズ)60kgを投入撹拌して、凝集ゴムチップ
をほぐした。 湿気硬化型一液性ポリウレタン樹脂バインダー
((株)ブリヂストン製、弾フレックスU−051)1
5kg缶にカーボン系の黒トナー((株)ブリヂストン
製、弾フレックストナー黒)1.5kgを添加して、ハ
ンドミキサーにて十分撹拌した。 撹拌したトナー入りバインダーをミキサー中のゴムチ
ップに投入して、十分に分散するように撹拌した。 得られたゴムチップ混合物を、1m角の木枠内に1
4.3kg投入して、レーキ等を用いて均一に敷き均
し、左官ゴテや熱ゴテを用いて所定の厚さ15mmに仕
上げた。 仕上げ後、48時間以上放置して、硬化したゴムチッ
プ弾性舗装体を得た。
【0037】比較例2 ゴムチップ、トナーおよびゴムチップ混合物の充填量を
以下に示すように変えた以外は比較例1と同様にして比
較例2の舗装体を得た。 ゴムチップ:粒状ゴムチップ(グリーン)、(株)ブリヂストン製 商品名弾 フレックスECグリーン(1〜3mmサイズ) 60kg トナー:(株)ブリヂストン製 商品名弾フレックストナー(グリーン) 3.0kg 充填量: 14.3kg
【0038】比較例3 ゴムチップ、バインダー、トナーおよびゴムチップ混合
物の充填量を以下に示すように変えた以外は比較例1と
同様にして比較例3の舗装体を得た。 ゴムチップ:ひじき状ゴムチップ、(株)ブリヂストン製 商品名弾フレック スE(1〜3mmサイズ) 40kg バインダー:(株)ブリヂストン製 商品名弾フレックスU−051 14kg トナー:(株)ブリヂストン製 商品名弾フレックストナー(ブラウン) 3.0kg 充填量: 12.3kg
【0039】実施例1 比較例1と同様にして得た厚さ40mmのポーラスアス
ファルトコンクリート舗装を基本舗装とし、この舗装内
の空隙に、以下のようにして保水作用物質を充填した。
【0040】金属容器またはバケツ状のプラスチック容
器を用いて、以下のようにして吸水性樹脂混合セメント
ミルを作製した。超速硬型セメント(ジェットセメン
ト)45重量部、水50重量部および吸水性樹脂
((株)興人製、サーモゲル200)5重量部を基本配
合とした。ジェットセメント45kgに水50kgを添
加して、ハンドミキサーを用いて十分撹拌した。次に、
吸水性樹脂5kgを添加してハンドミキサーにて短時間
撹拌し、吸水性樹脂混合セメントミルを得た。得られた
混合物を上記のポーラスアスファルト舗装内の空隙部分
に速やかに浸透させて充填した。充填を速やかにするた
め、小型バイブレーターを使用した。充填量は、約1k
g/m2程度とした。
【0041】このように作製した吸水性樹脂充填ポーラ
スアスファルト舗装体を養生硬化して、保水層として構
築した。この表面に比較例1と同様の15mm厚さの弾
性舗装を形成し、実施例1の保水性弾性舗装体を作製し
た。
【0042】実施例2 保水層を実施例1と同様にして作製し、この上に弾性層
を比較例2と同様にして作製して、実施例2の保水性弾
性舗装体を得た。
【0043】実施例3 保水層を実施例1と同様にして作製し、この上に弾性層
を比較例3と同様にして作製して、実施例3の保水性弾
性舗装体を得た。
【0044】比較例1〜3および実施例1〜3で得た舗
装体の下地層、弾性層および保水層の層構成の概要を下
記の表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】得られた各舗装体につき、外気温の変化に
伴う表面温度の推移を30分ごとに測定した。温度測定
は、表層のゴムチップ弾性層内の表面から2mm下の位
置に熱電対を埋め込んで表面温度を記録すると共に、工
区近傍の弾性層表面から1.2mの高さの位置に直射日
光を避けるために日除けを設けた上で熱電対をセットし
て、外気温を記録することにより行った。この結果を表
2および図3に示す。なお、測定開始から2時間後の1
0時には、散水を行った。
【0047】
【表2】
【0048】表2および図3から、散水後には全ての舗
装体の表面温度が一旦外気温以下にまで下がっているも
のの、比較例1および3の舗装体の温度が散水から1時
間半後には散水前と同程度の50℃台前半にまで上がっ
ているのに対し、実施例1および3の舗装体の温度は4
5℃前後までしか上がらず、その後も50℃程度と、5
5℃前後で推移する比較例1および3の舗装体よりも約
5℃低い温度を維持し続けていることがわかる。また、
表層の弾性層をグリーン色のカラーゴムチップを用いて
形成した比較例2と実施例2では、夫々黒色およびブラ
ウン色のゴムチップを用いた比較例1、3および実施例
1、3に比し5℃程度低い表面温度となっているが、保
水層を設けた実施例2が設けていない比較例2よりも約
5℃低い表面温度を維持し続けている点は同様に明らか
である。即ち、実施例の舗装体においては、保水層の吸
水性樹脂の働きにより、舗装面の温度上昇が良好に抑制
されていることが確かめられた。
【0049】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、弾性舗装の持つ機能を維持しつつ、特に都市部での
夏季における舗装面温度の上昇、ひいては気温の上昇を
抑制して、ヒートアイランド現象の緩和に寄与し得る高
機能の保水性弾性舗装体およびその施工方法を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の舗装体の施工状態を示す模式的説明図
である。
【図2】保水層内部の状態を示す模式的説明図である。
【図3】実施例および比較例の舗装体の舗装面の時間変
化に伴う温度変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 保水性弾性舗装体 2 保水層 3 弾性層 4 下地層 5 硬質骨材 6 吸水性樹脂 7 バインダー

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保水層と、該保水層上に積層され、弾性
    骨材およびバインダーを含む弾性層との2層構造を有す
    る保水性弾性舗装体であって、前記保水層が、硬質骨材
    と、吸水性樹脂と、バインダーとを含有することを特徴
    とする保水性弾性舗装体。
  2. 【請求項2】 前記保水層のバインダーがセメント、ア
    スファルトまたは樹脂である請求項1記載の保水性弾性
    舗装体。
  3. 【請求項3】 前記保水層のバインダーが浸透性セメン
    トである請求項2記載の保水性弾性舗装体。
  4. 【請求項4】 前記保水層が、ポーラスコンクリート舗
    装またはポーラスアスファルト舗装からなる基本舗装構
    造を有する請求項1〜3のうちいずれか一項記載の保水
    性弾性舗装体。
  5. 【請求項5】 前記吸水性樹脂が感温性吸放水性樹脂で
    ある請求項1〜4のうちいずれか一項記載の保水性弾性
    舗装体。
  6. 【請求項6】 前記保水層における前記吸水性樹脂の含
    有量が10〜500g/m2の範囲内である請求項1〜
    5のうちいずれか一項記載の保水性弾性舗装体。
  7. 【請求項7】 前記硬質骨材の粒径が7〜20mmの範
    囲内である請求項1〜6のうちいずれか一項記載の保水
    性弾性舗装体。
  8. 【請求項8】 下地層上に、保水層および弾性層を積層
    する工程を含む請求項2〜7のうちいずれか一項記載の
    保水性弾性舗装体の施工方法において、前記保水層を形
    成するにあたり、前記硬質骨材、吸水性樹脂およびセメ
    ントを水を用いて混合して保水層用舗装材料を調製する
    ことを特徴とする保水性弾性舗装体の施工方法。
  9. 【請求項9】 下地層上に、保水層および弾性層を積層
    する工程を含む請求項3〜7のうちいずれか一項記載の
    保水性弾性舗装体の施工方法において、 前記下地層上に、少なくとも前記硬質骨材を含む基本舗
    装構造を形成する工程と、形成された該基本舗装構造に
    対し、前記吸水性樹脂および浸透性セメントと水とを混
    合してなる保水層形成用セメントミルクを浸透させて、
    該吸水性樹脂を前記硬質骨材に結着させ、前記保水層を
    形成する工程と、を含むことを特徴とする保水性弾性舗
    装体の施工方法。
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