JP2003137881A - ポリ[3]ロタキサン製造用モノマ−及びその製造方法。 - Google Patents

ポリ[3]ロタキサン製造用モノマ−及びその製造方法。

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JP2003137881A JP2001337377A JP2001337377A JP2003137881A JP 2003137881 A JP2003137881 A JP 2003137881A JP 2001337377 A JP2001337377 A JP 2001337377A JP 2001337377 A JP2001337377 A JP 2001337377A JP 2003137881 A JP2003137881 A JP 2003137881A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規なロタキサン化合物及びその製造方法の提
供。このロタキサンは、ポリ[3]ロタキサンを製造す
ることに用いることができる。 【解決手段】下記一般式(I) 【化1】 (I) (式中、Rは、脂肪族炭化水素、及び芳香族炭化水素か
ら選ばれる炭化水素基を表し、Yは、置換基を表し、Q
は、反応性の置換基を表し、Xは、任意の陰イオン原子
を表す。ただし、前記Rは、ジベンゾ−24−クラウン
−8−エーテルの内径より大きい構造をしており、クラ
ウンエーテルから抜けることを阻止することができる大
きさの構造である。)で表されることを特徴とするロタ
キサン化合物及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、ポリ[3]ロタキ
サン製造用モノマー及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】高分子の主鎖構造は、モノマーの種類と
重合様式によって異なり、これまでに炭素の単結合、二
重結合、三重結合を含む高分子、またはエステル、エー
テル、アミド結合を含む高分子、さらには主鎖に金属が
入っている高分子など様々な高分子が知られている。モ
ノマーを高分子化して得られる高分子化合物は、モノマ
ー分子の共有結合によって結合された主鎖構造により得
られる構造体である。近年、環状化合物の環状部分に特
定の直鎖状化合物が貫通した構造であるロタキサンが注
目されている。この化合物は、環状化合物の空洞部分を
貫通した直鎖状化合物を親水性及び疎水性の状態とし、
両末端を嵩高の置換基により修飾し、直鎖状化合物に沿
って、環状化合物が移動するようにできる構造とし、分
子ピストン機能ないしセンサー機能を発現させようとす
るものである。本発明者らは、このような新規物質とし
ていくつかの構造体を発明した(例えば、1.特願20
00−71252「ロタキサン球状集合体及びその製造
方法、並びにロタキサン球状高分子重合体及びその製造
方法」浅川真澄、エイデン・マーフィー、清水敏美。
2.特願平11−176952「ロータキサン構造を主
鎖に含む化合物及びその中間体、並びにその製造方法」
浅川真澄、エイデン・マーフィー、デイビッド・エイ・
レイ、清水敏美。等)。このロタキサン化合物を高分子
化することも検討され、ポリロタキサンとすることによ
り、より魅力ある特性が得られるものと期待されてい
る。このポリロタキサン構造体として、環状化合物が特
定の移動範囲をもって規則的に配列された構造体であ
る、環状分子の環とその環状部分を貫通する軸となる構
造体(そろばんのたまのような構造体)を合成すること
ができれば、前記分子ピストン機能及びセンサー機能は
一層有効に発揮するものと考えられる。ここで言うとこ
ろのポリロタキサンとは、これまでに報告されている多
数のシクロデキストリンに高分子鎖が貫通したAのタイ
プの化合物群を指すものではなく、Bのタイプのように
2つの環状化合物の環状部分に直鎖状化合物が貫通した
構造であるロタキサンの環状化合物部位でつないだ構造
を有するものである。Bのタイプのポリロタキサンは環
状化合物と直鎖状化合物間の機械的結合に由来する自由
回転を積極的にポリマーの物性に反映することが出来
る。
【化6】
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、新規
なロタキサン化合物及びその製造方法を提供することで
ある。このロタキサンは、ポリ[3]ロタキサンを製造
することに用いることができるものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリ
[3]ロタキサンの製造に利用しうるロタキサンを開発
するために、鋭意研究を重ねた結果、一般式(II)
【化7】 (II) (式中、Qは、反応性の置換基を表す。)で表されるジ
ベンゾ−24−クラウン−8−エーテル誘導体と一般式
(III)
【化8】 (III) (式中、Rは、脂肪族炭化水素、及び芳香族炭化水素か
ら選ばれる炭化水素基を表し、Eは、反応性の置換基を
表し、Xは任意の陰イオン原子を表す。ただし、Rは、
ジベンゾ−24−クラウン−8−エーテルの内径より大
きな構造であり、クラウンエーテルが抜けることを阻止
することができる構造であり、Eは、Rの隣に置換した
2級アンモニウムよりも酸性度の低い置換基である。)
で表される2級アンモニウム誘導体を非極性有機溶媒
中、混合することによって、新規な、下記一般式
【化9】 (IV) (式中、Qは、反応性の置換基を表し、Rは脂肪族炭化
水素、及び芳香族炭化水素から選ばれる炭化水素基を表
し、Eは、反応性の置換基を表し、Xは任意の陰イオン
原子を表す。ただし、Rは、ジベンゾ−24−クラウン
−8−エーテルの内径より大きな構造であり、クラウン
エーテルから抜けることを阻止することが出来る構造で
ある。また、EはRの隣に置換した2級アンモニウムよ
りも酸性度の低い置換基である。)で表されるロタキサ
ン前駆体を得ることが出来る。このロタキサン前駆体
を、スペーサーである置換基Yにより連結することによ
り、新規な、下記一般式(I)で表される、ロタキサン
を合成することができること、このロタキサンを用いる
と、ポリ[3]ロタキサンを製造することができること
を見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至
った。
【化10】 (I)
【0005】すなわち、本発明によれば、以下の発明が
提供される。 (1)下記一般式(I)
【化11】 (I) (式中、Rは、脂肪族炭化水素、及び芳香族炭化水素か
ら選ばれる炭化水素基を表し、Yは、置換基を表し、Q
は、反応性の置換基を表し、Xは、任意の陰イオン原子
を表す。ただし、前記Rは、ジベンゾ−24−クラウン
−8−エーテルの内径より大きい構造をしており、クラ
ウンエーテルから抜けることを阻止することができる大
きさの構造である。)で表されることを特徴とするロタ
キサン化合物。 (2)下記一般式(II)で示されるジベンゾ−24−
クラウン−8−エーテル誘導体及び下記一般式(II
I)で示される2級アンモニウム誘導体を反応させて、
下記一般式(IV)で示されるロタキサンを製造し、引
き続いて、下記一般式(IV)で示されるロタキサンを
反応させることを特徴とする、下記一般式(I)で示さ
れるロタキサン化合物の製造方法。
【化12】 (II) (式中、Qは、反応性の置換基を表す。)
【化13】 (III) (式中、Rは、脂肪族炭化水素、及び芳香族炭化水素か
ら選ばれる炭化水素基を表し、Eは、反応性の置換基を
表し、Xは任意の陰イオン原子を表す。ただし、Rは、
ジベンゾ−24−クラウン−8−エーテルの内径より大
きい構造であり、クラウンエーテルが抜けることを阻止
することができる構造であり、また、EはRの隣に置換
した2級アンモニウムよりも酸性度が低い置換基であ
る。)
【化14】 (IV) (式中、Qは、反応性の置換基を表し、Rは、炭化水素
基を表し、Eは、反応性の置換基を表し、Xは、任意の
陰イオン原子を表す。ただし、Rは、ジベンゾ−24−
クラウン−8−エーテルの内径より大きな構造をしてお
り、クラウンエーテルから抜けることを阻止することが
できる構造であること、また、EはRの隣に置換した2
級アンモニウムよりも酸性度の低い置換基である。)
【化15】 (I) (式中、Rは、脂肪族炭化水素、及び芳香族炭化水素か
ら選ばれる炭化水素基を表し、Yは、置換基を表し、Q
は、反応性の置換基を表し、Xは任意の陰イオン原子を
表す。ただし、Rは、ジベンゾ−24−クラウン−8−
エーテルの内径より大きな構造をしており、クラウンエ
ーテルから抜けることを阻止することが出来る構造であ
る。)
【0006】
【発明実施の形態】本発明の、ロタキサンモノマーは、
下記一般式(I)で表される化学構造を有するものであ
る。
【化16】 (I) 前記式中、Rは、炭化水素基である。炭化水素基は、脂
肪族炭化水素、脂環式炭化水素、及び芳香族炭化水素か
ら選ばれる炭化水素基を表す。脂肪族炭化水素として
は、炭素数4から20のアルキル基であり、直鎖状であ
っても分岐状であっても差し支えない。アルキル基の一
部の水素基は,ハロゲン原子などで置換されていても差
し支えない。具体的には、ジベンゾ−24−クラウン−
8−エーテルの内径より大きい構造の置換基であること
が必要である。芳香族炭化水素としては、単環式炭化水
素、多環式芳香族炭化水素、縮合芳香族炭化水素から選
ばれる炭化水素を挙げることができる。これらの基も、
ジベンゾ−24−クラウン−8−エーテルの内径より大
きい構造の置換基であることが必要である。具体的に
は,フエニル基、フエノール基、4−t−ブチルベンゼ
ン、3,5−ジメチルベンゼン、トリフェニルメタン、
アントラセンである。アルキル置換されているフェニル
基、ジアルキル置換されているフェニル基、トリフェニ
ルメチル基、トリフェニルエチル基、トリフェニルプロ
ピル基、トリフェニル基、ビフェニル基、ジフェニルメ
チル基、ジフェニルエチル基、ジフェニルプロピル基、
ジフェニルブチル基、ナフタレン基、アントラセン基及
びこれらの基がアルキル基、またはジアルキル基により
置換されていても差し支えない。脂環式炭化水素として
は、一部の水素が、メチル、エチル、プロピル、i−プ
ロピル、n−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−
ブチルなどのアルキル基、フエニル基、トリフエニル
基、アントラセン基などの芳香族炭化水素基、メチルエ
ーテル、エチルエーテル、プロピオエーテルなどのエー
テル基、またはハロゲン原子により置換されていても差
し支えない。これらの基もジベンゾ−24−クラウン−
8−エーテルの内径より大きい構造の置換基であること
が必要である。一般に、脂環式炭化水素の炭素数は、6
以上のものである。Yは、スペーサーの役割を果たす置
換基であり、芳香族環の結合基を示している。化学的に
安定な基である。置換基としては、炭素原子、アルキル
基、アルキルエーテル基、チオエーテル基、フェニル
基、アミノビフェニル基、ジフェニルエーテル基、ジフ
ェニルスルフィド基などの基である。Qは、反応性の置
換基であり(ポリ[3]ロタキサン製造の際の結合部位
となる。つまり適当な連結器で連結もしくは、置換基同
士を直接連結することが可能な反応性を持つ置換基であ
る。)、置換基としてはアルデヒド基、メチルエステ
ル、エチルエステル、プロピルエステルなどのエステル
基、ビニル基、アリル基、カルボン酸、酢酸、プロピオ
ン酸などのカルボン酸基、メタンチオール、エタンチオ
ールなどのチオール基、臭素化メチレン、塩素化メチレ
ンなどのハロゲン化メチレン、アルキルアミン基、水酸
基、メチルアルコール、エチルアルコールなどのアルキ
ルアルコール基、イソシアネート、イソチオシアネート
などのイソシアネート基である。これらの基は、置換基
同士が反応して直接連結することが可能な反応性を持つ
置換基である。この反応としては、アルドール反応、ク
ライゼン縮合、エステル基とアルコールの重縮合、アル
コキシドとハロゲン化アルキルの置換反応などを挙げる
ことができる。Xは、任意の陰イオン原子を表す。非極
性有機溶媒に対して、ロタキサン化合物を溶解させるよ
うにするができる基であれば、任意に用いることができ
る。具体的には、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロリン
酸イオン、トリフルオロ酢酸イオンなどの基を挙げるこ
とができる。このロタキサン化合物は、高分子エラスト
マー、ポリ[3]ロタキサンを製造するためのモノマー
として有用な化合物である。この化合物の全体の構造
は、環状分子と棒状分子がそろばんの珠と軸のような形
状の構造をしており、この化合物の組み合わせは、共有結
合を介することなく、機械的につながったものであり、
ポリロタキサン構造を効率的に合成するのに有効な物質
である。
【0007】前記一般式(I)の化合物としては、以下
のような構造式の化合物を挙げることができる。さら
に、具体的に、一般式(I)で表される化合物について
説明する。
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【0008】本発明の下記一般式(I)で示されるロタ
キサンの製法は、クラウンエーテル誘導体およびアンモ
ニウム誘導体から下記一般式(IV)で示されるロタキ
サンを製造する工程(第一工程),一般式(IV)で示
されるロタキサンから一般式(I)で示されるロタキサ
ンを製造する工程(第2工程)からなっている.
【0009】第一工程は以下のとおりである。下記一般
式(II)で示されるジベンゾ−24−クラウン−8−
エーテル誘導体及び下記一般式(III)で示される2
級アンモニウム誘導体を反応させて、下記一般式(I
V)で示されるロタキサンを製造する。一般式(II)
で示されるジベンゾ−24−クラウン−8−エーテル誘
導体は、公知物質である。この物質は、ベンゼン−1,
2−ジオールから合成された1,2−フェニレンビス
(オキシエチレンオキシエチレンオキシエチレン)ジト
シレートと置換基Qを持つ3,4−ジヒドロキシベンゼ
ン誘導体を炭酸セシウム存在下、高温で反応させること
によって製造される。
【化26】(II) (式中、Qは前記一般式(I)示される化合物において
説明したとおりである。) 一般式(III)で示される2級アンモニウム誘導体
は、公知化合物である。この物質は、アルデヒドとアミ
ンをトルエン中で加熱還流させ、脱水縮合してイミンと
し、さらに水素化ホウ素ナトリウムで還元後、トリフル
オロ酢酸等により、アンモニウム塩とすることによって
製造される。
【化27】 (III) (式中、R、Xは、前記一般式(I)で示される化合物
において説明したとおりである。Eは反応性の置換基で
ある。具体的には、アミノ基、水酸基、カルボニル基、
シアノ基などである。又,EはRの隣に置換した2級ア
ンモニウムよりも酸性度の低い置換基であることが必要
である。) この反応は、原料比1対1の割合で、溶剤の存在下に行
う。溶剤には、非極性溶媒を用いる。具体的には、ジク
ロロメタン、クロロホルムなどが用いられる。温度は1
0℃〜40℃である。目的生成物の分離はシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーによる。この工程で得られる目
的生成物の構造式は以下のとおりである。
【化28】 (IV) 式中、R、Q及びXは前記一般式(I)で説明した場合
と同じである。Eは、前記一般式(III)で説明した
場合と同じである。
【0010】第2工程は以下の通りである.前記工程で
得られた一般式(IV)のロタキサンを、反応させて目
的生成物質である、新規な、下記一般式(I)で表され
る、ロタキサンを製造する。
【化29】 (I) 式中、R,Q,Y,Xは、前記一般式(I)で説明した
とおりである。反応は、溶剤及びスぺーサーの存在下
に、温度10℃〜40℃の範囲で行う。生成物の分離は
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより行う。得ら
れた生成物の確認は、質量分析、NMRにより行う。
【0011】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定され
るものではない。
【0012】参考例1 4−tert−ブチル−ベンズアルデヒド9.8g(61ミ
リモル)と4−アミノメチル−フェニルアミン7.4g
(61ミリモル)にトルエン500mlを加えて18時
間還流することにより、脱水反応を行った。溶媒を減圧
下で留去し4−{[(4−4−tert−ブチルベンジリデ
ン)−アミノ]−メチル}フェニルアミンを得た。これ
を窒素下、メタノール320mlに溶解し、水素化ホウ
素ナトリウム24g(0.63モル)をゆっくり添加し
た後、加温し、還流下で18時間還元反応を行った。放冷
後、5Nの塩酸を加えて酸性(pH<2)にした。溶媒を
減圧下で留去した後、残渣にジクロロメタンと2Nの水
酸化ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタン抽出を3
回行った。有機層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液で2
回、水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、
溶媒を減圧下で留去して粗アミンを得た。残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC-400HG ,
ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製することによ
り、構造式
【化30】 (V) で表される4−[(4−4−tert−ブチル−ベンジルアミ
ノ)−メチル] −フェニルアミン14g(87%)を得
た。 質量分析値(C1824として) 計算値:268 実測値:267(M−H
【0013】参考例2 2−[2−(2−クロロエトキシ)−エトキシ]エタノ
ール34g(0.20モル)を窒素下でジメチルホルム
アミド100mlに溶解し、炭酸カリウム42g(0,
31モル)を加えた。ベンゼン−1,2−ジオール11
g(0.10モル)をジメチルホルムアミド150ml
に溶解し、室温で反応液に滴下した後、80℃に加温し、
1晩反応させた。放冷後、反応液を濾過し、溶媒を減圧
下で留去して1,2−ビス(2−{2−[2−(2−ヒ
ドロキシ)エトキシ]エトキシ}ベンゼンの粗体を得
た。この1,2−ビス(2−{2−[2−(2−ヒドロ
キシ)エトキシ]エトキシ}ベンゼンの粗体と、トリエ
チルアミン31g(0.30モル)、ジメチルアミノピ
リジン0.60g(4.9ミリモル)を窒素下でジクロ
ロメタン300mlに溶解し、0℃に氷冷した。塩化p
−トルエンスルホン酸31g(0.18モル)をジクロ
ロメタン600mlに溶解したものを、窒素下、0℃で
強く攪拌している反応液に30分かけて滴下した。0℃
で1時間反応後、室温に戻し更に1時間反応させ、溶媒
を減圧下で留去した。残渣をジクロロメタンに溶解し、
0.1M塩酸で2回、飽和食塩水で2回洗浄し、有機層を
無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC-
400HG、ジクロロメタン:酢酸エチル=1:1)で精製
することにより、構造式
【化31】 (VI) で表される1,2−フェニレンビス(オキシエチレンオ
キシエチレンオキシエチレン)ジトシレートを36g
(52%)で得た。 質量分析値(C324212として) 計算値:682 実測値:682
【0014】参考例3 参考例2で得られた1,2−フェニレンビス(オキシエ
チレンオキシエチレンオキシエチレン)ジトシレート1
7g(25ミリモル)と3,4−ジヒドロキシ安息香酸
メチルエステル4.2g(25ミリモル)を窒素下でジ
メチルホルムアミド1.6リットルに溶解し、炭酸セシ
ウム41g(0.13ミリモル)を加えた後110℃に加
温し、3日間反応させた。放冷後、反応液を濾過し、溶
媒を減圧下で留去した。残渣にトルエンと1N塩酸を加
え、トルエン抽出を3回行った後、有機層を無水硫酸マ
グネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で留去した。残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC-
400HG , 酢酸エチル)で精製し、さらに酢酸エチルとヘ
キサンで再結晶することにより、構造式
【化32】 (VII) で表される2,5,8,11,18,21,24,27
−オクタオキサ−トリシクロ[26.4.0.012,
17]ドトリアコンタ−1(28),12,14,1
6,29,31−ヘキサエン−14−カルボン酸メチル
エステルを5.2g(41%)で得た。 質量分析値(C263410として) 計算値:506 実測値:506
【0015】実施例1 参考例1で得られた4−[(4−4−tert−ブチル−ベン
ジルアミノ)−メチル] −フェニルアミン0.21g
(0.78ミリモル)を窒素下でジクロロメタン10m
lに溶解し、トリフルオロ酢酸60ml(0.78ミリ
モル)を加えてよく攪拌後、参考例3で得られた2,
5,8,11,18,21,24,27−オクタオキサ
−トリシクロ[26.4.0.012,17]ドトリア
コンタ−1(28),12,14,16,29,31−
ヘキサエン−14−カルボン酸メチルエステル1.2g
(2.3ミリモル)を添加し、室温で15分間攪拌した。
3,5−ジメチルフェニルイソシアネート0.10g
(0.39ミリモル)をジクロロメタン6.5mlに溶
解し、反応液に滴下後、室温で7日間反応させた。溶媒
を減圧下で留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(ワコーゲルC-400HG , ジクロロロメタン:メタ
ノール=5:1)で分画し、目的画分を再度精製(ワコ
ーゲルC-400HG , 酢酸エチル:メタノール=10:1)
することにより、構造式
【化33】 (VIII) で表されるポリ[3]ロタキサン用モノマーを0.24
g(15%)で得た。 質量分析値(C10712826として) 計算値:2027 実測値:1801(M−2CFCO −H) この化合物のプロトンNMRスペクトルチャート(重ク
ロロホルム、濃度10mg/0.6ml、25℃、60
0MHz)を図1に示す。
【0016】
【発明の効果】本発明により得られる新規なロタキサン
は、重合処理してポリ[3]ロタキサンを製造すること
が出来る。本発明のモノマーは環状分子に置換した官能
基を適当な連結基で連結、もしくは官能基同士を直接連
結し一段階でポリロタキサン合成に利用することがで
き、低温エラストマーや高弾性ゴム材料などとして、有
機系高分子材料分野において利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られる化合物のプロトンNMRス
ペクトル(濃度は10mg/0.6ml、重クロロホル
ム中、25℃、600MHz)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 敏美 茨城県つくば市東1−1−1 独立行政法 人産業技術総合研究所内 Fターム(参考) 4C022 NA04 4J031 CA06 4J100 AQ01P CA01 CA04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I) 【化1】 (I) (式中、Rは、炭化水素基を表し、Yは、置換基を表
    し、Qは、反応性の置換基を表し、Xは、任意の陰イオ
    ン原子を表す。ただし、前記Rは、ジベンゾ−24−ク
    ラウン−8−エーテルの内径より大きい構造をしてお
    り、クラウンエーテルから抜けることを阻止することが
    できる大きさの構造である。)で表されることを特徴と
    するロタキサン化合物。
  2. 【請求項2】下記一般式(II)で示されるジベンゾ−
    24−クラウン−8−エーテル誘導体及び下記一般式
    (III)で示される2級アンモニウム誘導体を反応さ
    せて、下記一般式(IV)で示されるロタキサンを製造
    し、引き続いて、下記一般式(IV)で示されるロタキ
    サンを反応させることを特徴とする、下記一般式(I)
    で示されるロタキサン化合物の製造方法。 【化2】 (II) (式中、Qは、反応性の置換基を表す。) 【化3】 (III) (式中、Rは、炭化水素基を表し、Eは、反応性の置換
    基を表し、Xは、任意の陰イオン原子を表す。ただし、
    Rは、ジベンゾ−24−クラウン−8−エーテルの内径
    より大きい構造であり、クラウンエーテルが抜けること
    を阻止することができる構造であること、また、EはR
    の隣に置換した2級アンモニウムよりも酸性度が低い置
    換基である。) 【化4】 (IV) (式中、Qは、反応性の置換基を表し、Rは、炭化水素
    基を表し、Eは、反応性の置換基を表し、Xは、任意の
    陰イオン原子を表す。ただし、Rは、ジベンゾ−24−
    クラウン−8−エーテルの内径より大きな構造をしてお
    り、クラウンエーテルから抜けることを阻止することが
    できる構造であり、EはRの隣に置換した2級アンモニ
    ウムよりも酸性度の低い置換基である。) 【化5】 (I) (式中、Rは、脂肪族炭化水素、及び芳香族炭化水素か
    ら選ばれる炭化水素基を表し、Yは、置換基を表し、Q
    は、反応性の置換基を表し、Xは、任意の陰イオン原子
    を表す。ただし、Rは、ジベンゾ−24−クラウン−8
    −エーテルの内径より大きな構造をしており、クラウン
    エーテルから抜けることを阻止することが出来る構造で
    ある。)
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