JP4168132B2 - 非共有結合型集合体及びその製造方法。 - Google Patents
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- Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、非共有結合型集合体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高分子化合物の主鎖構造は、モノマーの種類と重合様式によって異なる。
これまでに炭素の単結合、二重結合、三重結合を含む高分子化合物、またはエステル、エーテル、アミド結合を含む高分子化合物、さらには主鎖に金属が入っている高分子化合物など様々な高分子化合物が知られている。
このようなモノマーを高分子化して得られる高分子化合物は、モノマー分子の共有結合によって結合された主鎖構造により得られる構造体である。これら従来型の合成による高分子化合物が、金属、木、ガラス、天然繊維のような伝統的な材料物質の代替材料として登場した結果、軽量化、高エネルギー効率、高性能、高耐久性といった特性を材料に付与することにより、社会に革命を起こしてきた。
しかしながら、現在では環境に調和し、環境負荷を低減した材料化技術や材料のさらなる高性能化が求められるようになった。この要求に応じるように、最近になってモノマー分子を共有結合で連結するのではなく、水素結合や配位結合といった比較的弱い相互作用によって連結する非共有結合型高分子化合物を合成しようとする研究が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、非共有結合型集合体及びその製造方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、非共有結合型集合体及びその製造方法を開発するために、鋭意研究を重ねた結果、下記一般式(II)で示される3種類のクラウンエーテル誘導体の二級アンモニウム塩を非極性溶媒中に溶解させることによって、クラウンエーテルとアンモニウム塩間に働く特異的で強力な相互作用により、自発的な会合が起こり、自己組織化することによって、新規な下記一般式(I)で示される非共有結合型集合体を製造することが出来ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【化5】
(II)
(式中、Qは、アルキル基、アミド基、イミン基、ウレア基、チオウレア基、スルホンアミド基、アジリジン基、トリアゾール基、エステル基、エーテル基、チオエーテル基から選ばれる置換基を表し、Xは任意の陰イオン原子もしくは陰イオン分子を表す。)
【化6】
(I)
(式中、Qは、アルキル基、アミド基、イミン基、ウレア基、チオウレア基、スルホンアミド基、アジリジン基、トリアゾール基、エステル基、エーテル基、チオエーテル基から選ばれる置換基を表し、Xは任意の陰イオン原子もしくは陰イオン分子を表す。この集合体は一般式(II)に示される3種類の異性体混合物からなり、l、m、nは任意の数を表し、lとmとnの和は5以上であらゆる組み合わせを含む。)
【0005】
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)下記一般式(I)で表されることを特徴とする非共有結合型集合体。
【化7】
(I)
(式中、Qは、アルキル基、アミド基、イミン基、ウレア基、チオウレア基、スルホンアミド基、アジリジン基、トリアゾール基、エステル基、エーテル基、チオエーテル基から選ばれる置換基を表し、Xは任意の陰イオン原子もしくは陰イオン分子を表す。この集合体は一般式(II)に示される3種類の異性体混合物からなり、l、m、nは任意の数を表し、lとmとnの和は5以上であらゆる組み合わせを含む。)
(2)下記一般式(II)で示されるクラウンエーテル誘導体の二級アンモニウム塩を含んだ化合物を、非極性溶媒中に溶解させることにより会合させて高分子化することを特徴とする、下記一般式(I)で示される非共有結合型集合体の製造方法。
【化8】
(II)
(式中、Qは、アルキル基、アミド基、イミン基、ウレア基、チオウレア基、スルホンアミド基、アジリジン基、トリアゾール基、エステル基、エーテル基、チオエーテル基から選ばれる置換基を表し、Xは任意の陰イオン原子もしくは陰イオン分子を表す。)
【化9】
(I)
(式中、Qは、アルキル基、アミド基、イミン基、ウレア基、チオウレア基、スルホンアミド基、アジリジン基、トリアゾール基、エステル基、エーテル基、チオエーテル基から選ばれる置換基を表し、Xは任意の陰イオン原子もしくは陰イオン分子を表す。この集合体は一般式(II)に示される3種類の異性体混合物からなり、l、m、nは任意の数を表し、lとmとnの和は5以上であらゆる組み合わせを含む。)
【0006】
【発明実施の形態】
本発明の非共有結合型集合体は、下記一般式(I)で表される化学構造を有するものである。
【化10】
(I)
式中Q、Xは後述の一般式(II)で示される。
この集合体は、一般式(II)に示される3種類の異性体混合物からなり、l、m、nは任意の数を表し、lとmとnの和は5以上であらゆる組み合わせを含む。
【化11】
(II)
式中、Qは、結合させるための置換基を表す。
具体的には、アルキル基、アミド基、イミン基、ウレア基、チオウレア基、スルホンアミド基、アジリジン基、トリアゾール基、エステル基、エーテル基、チオエーテル基を表す。
Xは、任意の陰イオン原子もしくは陰イオン分子を表す。Xは、過塩素酸ナトリウム、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム、トリフルオロ酢酸などの一部から構成される任意の陰イオン原子もしくは陰イオン分子を表す。非極性有機溶媒に対して、非共有結合型高分子製造用モノマーを溶解させるようにするために用いられる。
【0007】
前記一般式(II)に示される3種類の異性体混合物は、下記一般式(II)で示される2種類の異性体化合物を反応させて得られる。
この一般式(II)で示されるジベンゾ-24-クラウン-8-エーテルと2級アミンを連結することで得られるクラウンエーテル誘導体は、アルデヒドを置換したクラウンエーテルとベンジルアミン誘導体を反応させることによりイミド化合物を製造し(実施例1から2)、このイミドを還元して2級アミノ化合物を製造し(一般式(III)で表される化合物)(実施例3)、ジベンゾ-24-クラウン-8-エーテルと2級アミンからなるクラウンエーテル誘導体を保護基Pで保護することによって製造される(一般式IVで表される化合物)(実施例4)。保護基としては、以下の基が用いられる。
ベンジルオキシカルボニル基、第三ブチルオキシカルボニル基、p-ビフェニルイソプロピルオキシカルボニル基、3,5-ジメトキシ-α、α-ジメチルベンジルオキシカルボニル基、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基、メチルスルホニルエチルオキシカルボニル基、イソニコチルオキシカルボニル基、2,2,2-トリクロロエチルオキシカルボニル基、2-(トリメチルシリル)-エトキシカルボニル基、ホルミル基、フタロイル基やジチアスクシノイル基、o-ニトロフェニルスルフェニル基、2-ニトロフェニルチオ基やジフェニルフォスフィニル基、トリフェニルメチル基を挙げることが出来る。
【化12】
(III)
【化13】
(IV)
【0008】
一般式(II)に示される3種類の異性体混合物を製造する際には、前記化合物のGを、必要により、さらに反応性の基に変換した後に(実施例5、実施例6)、一般式(IV)で示される2種類の異性体化合物を反応させ、置換基Qにより2種類の異性体化合物が結合される。
置換基Qの形成には、置換基GとGが反応して一般式(IV)の化合物を製造する場合と、置換基Gが任意の化合物A-L-Aを介して結合させて一般式(IV)を製造する場合がある。
前記式(II)中、Qは、下記一般式(III)で表される構造の置換基G同士が反応した構造、または、GとGが両者を結合する任意の化合物A-L-AのAと反応した結果、形成される基である。このようにして得られる化合物の保護基を脱保護基化してアミノ基とすることにより一般式(II)に示される異性体混合物を得ることが出来る。
A-L-AのAは反応性の置換基を表す。ただし、Aは前記Gと反応が行われ、カルボニル基、アミド基、アルコキシ基、カルボキシ基、スルフィド基、ウレア基などを生成する基であり、具体的には、水酸基、アミノ基、ハロゲン基、イソシアナート基、カルボキシル基、ホルミル基、チオール基、ビニル基、エステル基、ニトリル基などである。また、Lは、置換基を表し、アルキレン基、エーテル基、ジアルキレンエーテル基、チオエーテル基、ジアルキレンエーテル基、フェニレン基、アミノビフェニレン基、ジフェニレンエーテル基、ジフェニレンスルフィド基である。これらの基の間には、エステル基、アミド基、ウレア基、NR基(Rは、アルキル基またはフェニル基をあらわす。)を含んでいてもよい。また、このLを介することなく、直接以下のAが結合していてもよい。Lは、上記Gと反応が行われないような構造である。
【化14】
(IV)
【0009】
以下に、GおよびAの具体的な基及びその組み合わせについて述べる。
GとGが反応する場合のGは、同一の基の場合(同一の基同士が反応してQを形成する)、及び異なる基の場合(異なる基が反応してQを形成する)がある。
(1)同じGの基を用いる場合
Gはアリル基であり、Qはアルキル基である。
(2)異なるGの基を用いる場合
Gの基が、アミノ基とアミド基の場合は、Qはアミド基、
Gの基が、アミノ基とチオール酢酸基の場合は、Qはアミド基、
Gの基が、アミノ基とチオール酢酸エステルの場合は、Qはアミド基、
Gの基が、アミノ基とトリハロケトンの場合は、Qはアミド基、
Gの基が、アミノ基とアルデヒドの場合は、Qはイミン、
Gの基が、アミノ基とアルケンの場合は、Qはアミノ、
Gの基が、アミノ基とアルキンの場合は、Qはアミノ、
Gの基が、アミノ基とアシルハライドの場合は、Qはアミド基、
Gの基が、アミノ基とエステルの場合は、Qはアミド基、
Gの基が、アミノ基とイソシアネートの場合は、Qはウレア結合、
Gの基が、アミノ基とイソチオシアネートの場合は、Qはチオウレア結合、Gの基が、アミノ基とスルホニルハライドの場合は、Qはスルホンアミド基、Gの基が、アミノ基とジアゾ基の場合は、Qはアミノ基、
Gの基が、アジド基とアルケンの場合は、Qはアジリジン、
Gの基が、アジド基とアルキンの場合は、Qはトリアゾール、
Gの基が,カルボン酸とアルコールの場合は、Qはエステル、
Gの基が、カルボン酸とアルケンの場合は、Qはエステル、
Gの基が、カルボン酸とアルキンの場合は、Qはエステル、
Gの基が、カルボン酸とエステルの場合は、Qはエステル、
Gの基が、カルボン酸とエーテルの場合は、Qはエステル、
Gの基が、ジアゾ基とアルコールの場合は、Qはエーテル、
Gの基が、エステルとアルコールの場合は、Qはエステル、
Gの基が、エーテルとアルコールの場合は、Qはエーテル、
Gの基が、アルコールとアルキルハライドの場合は、Qはエーテル、
Gの基が、アルコールとアシルハライドの場合は、Qはエステル、
Gの基が、ニトリルとアルコールの場合は、Qはエステル、
Gの基が、チオールとアルキルハライドの場合は、Qはチオエーテル、
Gの基が、チオールとアルケンの場合は、Qはチオエーテル、
(3)GとGが両者を結合する任意の化合物A-L-AのAと反応する場合
この場合にはGとAが直接反応してQを形成する。GとGは同一の基であってもよいし、異なる基であっても差し支えない。
同じく、A-L-AのAについても同一であっても又相違するものであってもよい。
A-L-Aの反応性基Aは、以下に記載するGに応じて定まる反応性の基である。また、Lは、反応性の置換基A及びGと反応しない基である。具体的には、Lは存在せずに直接AとAが結合している場合、アルキル基、オキシエチレン基、ポリビニルエーテル基、ポリシロキサン基、又はポリエステル基である。
Gはアミノ基、Aはアミド基(逆の組み合わせ可)、Qはアミド基、
Gはアミノ基、Aはチオール酢酸基(逆の組み合わせ可)、Qはアミド基、
Gはアミノ基、Aはチオール酢酸エステル(逆の組み合わせ可)、Qはアミド基、
Gはアミノ基、Aはトリハロケトン(逆の組み合わせ可)、Qはアミド基、
Gはアミノ基、Aはアルデヒド(逆の組み合わせ可)、Qはイミン、
Gはアミノ基、Aはアルケン(逆の組み合わせ可)、Qはアミノ、
Gはアミノ基、Aはアルキン(逆の組み合わせ可)、Qはアミノ、
Gはアミノ基、Aはアシルハライド(逆の組み合わせ可)、Qはアミド基、
Gはアミノ基、Aはエステル(逆の組み合わせ可)、Qはアミド基、
Gはアミノ基、Aはイソシアネート(逆の組み合わせ可)、Qはウレア結合、Gはアミノ基、Aはイソチオシアネート(逆の組み合わせ可)、Qはチオウレア結合、
Gはアミノ基、Aはスルホニルハライド(逆の組み合わせ可)、Qはスルホンアミド基、
Gはアミノ基、Aはジアゾ基(逆の組み合わせ可)、Qはアミノ基、
Gはアジド基、Aはアルケン(逆の組み合わせ可)、Qはアジリジン、
Gはアジド基、Aはアルキン(逆の組み合わせ可)、Qはトリアゾール、
Gはカルボン酸、Aはアルコール(逆の組み合わせ可)、Qはエステル、
Gはカルボン酸、Aはアルケン(逆の組み合わせ可)、Qはエステル、
Gはカルボン酸、Aはアルキン(逆の組み合わせ可)、Qはエステル、
Gはカルボン酸、Aはエステル(逆の組み合わせ可)、Qはエステル、
Gはカルボン酸、Aはエーテル(逆の組み合わせ可)、Qはエステル、
Gはジアゾ基、Aはアルコール(逆の組み合わせ可)、Qはエーテル、
Gはエステル、Aはアルコール(逆の組み合わせ可)、Qはエステル、
Gはエーテル、Aはアルコール(逆の組み合わせ可)、Qはエーテル、
Gはアルコール、Aはアルキルハライド(逆の組み合わせ可)、Qはエーテル、Gはアルコール、Aはアシルハライド(逆の組み合わせ可)、Qはエステル、Gはニトリル、Aはアルコール(逆の組み合わせ可)、Qはエステル、
Gはチオール、Aはアルキルハライド(逆の組み合わせ可)、Qはチオエーテル、Gはチオール、Aはアルケン(逆の組み合わせ可)、Qはチオエーテルである。これらの基は、2級アンモニウムよりも酸性度の低い置換基であることが必要である。
【0010】
次に、一般式(IV)で示される2種類の異性体化合物を反応させ、置換基Qにより2種類の異性体化合物を結合せて得られる化合物を製造し(実施例7)、アルカリ条件下に脱保護基化することによりアミノ基とし、任意の陰イオン原子もしくは陰イオン分子を含む化合物を添加することにより、本発明の原料物質である一般式(II)で示されるクラウンエーテル誘導体の二級アンモニウム塩を含んだ化合物を得ることができる(実施例8)。反応に際しては、クラウンエーテル誘導体に2級アンモニウム化合物を過塩素酸ナトリウム、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム、トリフルオロ酢酸等を加えることによってプロトン化し、クラウンエーテル誘導体の二級アンモニウム塩としたものを溶媒中に添加する。
【0011】
次に、一般式(I)で表される化合物について説明する。
本発明の下記一般式(I)で示される非共有結合型集合体の製法は、下記一般式(II)で示される3種類の異性体混合物の組み合わせにより構成されるクラウンエーテル誘導体の2級アンモニウム塩を非極性溶媒中に溶解させることによって、クラウンエーテルとアンモニウム塩間に働く特異的で強力な相互作用により、自発的な会合が起こり、本発明の目的化合物である下記一般式(I)で表され非共有結合型集合体を製造することができる(実施例9)。
非極性溶媒は、クロロホルム、ヘキサン、ベンゼン、四塩化炭素などを、挙げることができる。反応は室温で進行する。反応後、未反応性生物及び溶媒をエバポレートや再沈殿により除去して、目的性生物を得る。
得られた生成物の確認は質量分析、NMR、GPCにより行う。
得られた生成物は、2級アンモニウム塩を2級アミンに変換したり、極性溶媒に溶解させることで単体と集合体を可逆的に変換させることができる。
【化15】
(I)
(式中、Qは、アルキル基、アミド基、イミン基、ウレア基、チオウレア基、スルホンアミド基、アジリジン基、トリアゾール基、エステル基、エーテル基、チオエーテル基から選ばれる置換基を表し、Xは任意の陰イオン原子もしくは陰イオン分子を表す。この集合体は一般式(II)に示される3種類の異性体混合物からなり、l、m、nは任意の数を表し、lとmとnの和は5以上であらゆる組み合わせを含む。)
【化16】
(II)
(式中、Qは、アルキル基、アミド基、イミン基、ウレア基、チオウレア基、スルホンアミド基、アジリジン基、トリアゾール基、エステル基、エーテル基、チオエーテル基から選ばれる置換基を表し、Xは任意の陰イオン原子もしくは陰イオン分子を表す。)
【0012】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではない。
【0013】
実施例1
窒素下でジメチルホルムアミド250mlに2-[2-(2-クロロエトキシ)エトキシ]-エタノール 33.9g (0.20モル)、 炭酸カリウム 42g (0.30モル)を入れて撹拌し、100℃(バス温)に加熱した。そこに、ジメチルホルムアミド 150mlに3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド 13.8g (0.10モル)を溶解させたものを滴下した。
そのまま一晩反応させた後、冷却して、エバポレーション、減圧乾燥で溶媒を留去した。これに窒素下でジクロロメタン(脱水)300ml、トリエチルアミン37.3g (0.37モル)、ジメチルアミノピリジン 0.25g (2.04ミリモル)を加え、0℃(氷浴上)において撹拌した。そこに、パラートルエンスルホニルクロライド 57.19g (0.30モル)をジクロロメタン 600mlに溶解させたものを強く撹拌しながら滴下した。滴下終了後、氷浴を外し反応系を室温に戻し、1時間撹拌した後、エバポレーションして溶媒を留去し、ジクロロメタン 300mlを加えて、0.1M 塩酸水溶液200mlで3回、続いて飽和塩化ナトリウム水溶液200mlで2回洗浄した。有機相を硫酸マグネシウム(無水)で乾燥させ、溶媒を留去したのち、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン/酢酸エチル=100/0〜50/50)で精製した。3,4-ビス[2-(2-(2-(2パラ-トルエンスルホニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ] ベンズアルデヒド 収量24.19g、収率35.41%
【化17】
(IV)
【0014】
実施例2
窒素下でジメチルホルムアミド(ペプチド合成用)700mlに参考例1で得られた3,4-ビス[2-(2-(2-(2パラートルエンスルホニルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ] ベンズアルデヒド 8.43g (11.4ミリモル)と(3,4-ジヒドロキシフェニル)-アセティックアシッドメチルエステル 1.25g (11.4ミリモル)、炭酸セシウム18.50g (56.8ミリモル)を溶解させた。撹拌しながら100℃に加熱し、3日間そのまま撹拌と加熱を続けた。その後、室温に戻し、濾過し、炭酸セシウムを取り除いた後、エバポレーションして溶媒を留去した。これにトルエン200mlを加え、1Nの塩酸水溶液100mlで2回、蒸留水100mlで1回洗浄した後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル)で精製し、下記クラウンエーテル(V)を得た。収量2.44g、収率45.10%
【化18】
(V)
【0015】
実施例3
トルエン(脱水)100mlに参考例2で得られたクラウンエーテル誘導体(IV)5.56g(10.4ミリモル)、ベンジルアミン1.20g(11.2ミリモル)を加え、60℃で30分撹拌した後、溶媒を留去した。更にトルエン100mlを加え、同様に60℃で30分撹拌し、溶媒を留去した。この操作を2回繰り返した。反応物にメタノール(脱水)を100ml加え、氷浴上で撹拌しながら水素化ほう素ナトリウム2.8g(74ミリモル)をすこしずつ加えた。1時間撹拌後、2N塩酸を加え、反応液をpH2にした。メタノールを留去し、水溶液をジクロロメタンで抽出した。この抽出した溶液を10%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。粗生成物として構造式
【化19】
(VI)
で表されるクラウンエーテル誘導体(V)を得た。
【0016】
実施例4
実施例3で得られたクラウンエーテル誘導体(V)を塩化メチレン(脱水)110mlに溶解し、ジ-tert-ブチルジカルボネート3.34ml(14.5ミリモル)、ジメチルアミノピリジン0.14g(1.2ミリモル)を加え、室温で12時間撹拌した。溶媒を留去し、得られた油状物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル)で精製することにより、構造式
【化20】
(VII)
で表されるクラウンエーテル誘導体(VII)6.58g(87%)を得た。
【0017】
実施例5
実施例4で得られたクラウンエーテル誘導体(VII)6.58g(9.1ミリモル)をジエチルエーテル(脱水)250mlに溶解し、氷浴上で撹拌しながら水素化リチウムアルミニウム1.3g(34ミリモル)を少しずつ加えた。12時間撹拌後10%クエン酸水溶液100mlを少しずつ加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を留去した。粗生成物として構造式
【化21】
(VIII)
で表されるクラウンエーテル誘導体(VIII)4.39g(69%)を得た。
【0018】
実施例6
実施例5で得られたクラウンエーテル誘導体(VIII)0.99g(1.42ミリモル)を窒素下でテトラヒドロフラン40mlに溶解させ、四臭化炭素0.94g(2.83ミリモル)を加え室温で攪拌した。さらに、トリフェニルフォスフィン1.12g(4.27モル)を少量ずつ1時間かけて加えた後12時間室温で攪拌した。テトラヒドロフランを留去し、クロロホルムに溶解させ、水で洗浄した。得られた油状物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル)で精製することにより、構造式
【化22】
(IX)
で表されるクラウンエーテル誘導体(IX)0.47g(43%)を得た。
【0019】
実施例7
窒素下で50ミリリットルの三口反応器にウンデカジオール0.05g(0.24ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド(脱水)10mlに溶解させたものを加え、水素化ナトリウム0.04g(1.67ミリモル)を加えて室温で1時間攪拌した。実施例5で得られたクラウンエーテル誘導体(VII)0.47g(0.62ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド(脱水)10mlに溶解させ、室温で2日間撹拌した。反応液にジクロロメタンを加え、水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた油状物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル)で精製することにより、構造式
【化23】
(X)
で表されるクラウンエーテル誘導体(X)を得た。
【0020】
実施例8
実施例7で得られたクラウンエーテル誘導体30ミリグラム(0.019ミリモル)をクロロホルム0.6mlに溶解させ、トリフルオロ酢酸0.025ml(0.22ミリモル)を加え、3日間撹拌後、反応液にジクロロメタンを加え、10%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。これをクロロホルムに溶解させ、当モルのトリフルオロ酢酸を加えて、構造式
【化24】
(XI)
で、表される化合物(XI)を得た。
【0021】
実施例9
クロロホルム1mlに実施例8で得たクラウンエーテル誘導体(XI)を10ミリグラム加え溶解させ、非共有結合型集合体(XII)を得た。集合体形成の確認はNMRで行った。
【化25】
(XII)
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、非共有結合型集合体が得られる。
この非共有結合型集合体は、3種類の非極性溶媒中で、モノマーの両端に置換した2級アミンとクラウンエーテルのクラウンエーテルによる自発的な会合が起こり、自己組織化する非共有結合型集合体として得られるものである。
Claims (2)
- 下記一般式(II)で表される3種類の異性体混合物の組み合わせにより構成される下記一般式(I)で表されることを特徴とする非共有結合型集合体。
【化1】
(I)
(式中、Qは、−CH 2 −O−L−O−CH 2 −を表し、Lは、アルキレン基を表し、Xは任意の陰イオン原子もしくは陰イオン分子を表す。この集合体は一般式(II)に示される3種類の異性体混合物からなり、l、m、nは任意の数を表し、lとmとnの和は5以上であらゆる組み合わせを含む。)
【化2】
(II)
(式中、Qは、−CH 2 −O−L−O−CH 2 −を表し、Lは、アルキレン基を表し、Xは任意の陰イオン原子もしくは陰イオン分子を表す。) - 下記一般式(II)で示されるクラウンエーテル誘導体の二級アンモニウム塩を含んだ化合物を、非極性溶媒中に溶解させることにより会合させて高分子化することを特徴とする、下記一般式(I)で示される非共有結合型集合体の製造方法。
【化3】
(II)
(式中、Qは、−CH 2 −O−L−O−CH 2 −を表し、Lは、アルキレン基を表し、Xは任意の陰イオン原子もしくは陰イオン分子を表す。)
【化4】
(I)
(式中、Qは、−CH 2 −O−L−O−CH 2 −を表し、Lは、アルキレン基を表し、Xは任意の陰イオン原子もしくは陰イオン分子を表す。この集合体は一般式(II)に示される3種類の異性体混合物からなり、l、m、nは任意の数を表し、lとmとnの和は5以上であらゆる組み合わせを含む。)
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