JP2003135594A - 体液浄化カラム - Google Patents
体液浄化カラムInfo
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Abstract
理方法を提供することにある。 【解決手段】担体を充填してなる変性したアルブミンの
改善用体液浄化カラムおよびそれを使用する変成したア
ルブミンの処理方法。
Description
ンの改善用の体液浄化カラムおよび処理方法に関する。
し、それによって引き起こされる全身性の炎症反応であ
る(Funada H. et al. Jpn. J. Clin. Oncol. 18 239頁
1988年)。生体側の防御反応として、好中球やマクロ
ファージあるいはリンパ球から産生、放出される各種サ
イトカインにより、発熱、頻脈、頻呼吸などの症状が出
現する。この時細菌菌体から放出されるエンドトキシン
は、血圧低下や乏尿、不穏などの敗血症性ショックを誘
引することが知られている(van Deventer et al.Lance
t 19 605頁 1988年、Parrillo JE N. Engl. J. Med. 3
29 1427頁 1993年、Casey LC et al. Ann. Intern. Me
d. 119 771頁 1993年)。敗血症性ショックは敗血症例
の約40%に合併し、ショック後の予後は不良で77〜
90%の死亡率との報告もある(敗血症の新しい展開、
舟田久編、3頁 1998年、医薬ジャーナル社)。
ンティアに投与した時に、心係数と心拍数の上昇、末梢
血管抵抗と血圧の低下がみられ、ショックの症状を示す
ことが報告された(Suffredini AF et al. N.Engl. J.
Med. 321 280頁 1989年)。
中の50〜60%を占めるタンパク質で、血漿膠質浸透
圧の維持や各種物質(ビリルビン、尿酸、遊離脂肪酸、
サイロキシン、Ca2+、Cu2+、Zn2+そのほか各種薬剤や色
素など)の運搬などの役割を担っている。
血清ではアルブミンの変性が認められ、この変性アルブ
ミンが病態に深く関わっていると考えられている。例え
ば、佐藤他は、前述の血清アルブミンがコンフォメーシ
ョン変化をおこし、健常者の血清アルブミンに対して、
等電点電気泳動により酸性側にシフトしていることを見
出した(Sato A. et al. Advan. Enzyme Regul. 36 307
頁 1996年)。この、コンフォメーション変化は患者血
清中で高値を示すリソソーム酵素によるものと考えら
た。
モデルでは、血中のリソソーム酵素の上昇が観察された
(Andreasson S. et al. Scand. J. Clin. Lab. Inves
t. 47355頁 1987年)。
中へのエンドトキシンの侵入によりリソソーム酵素が放
出され、それがアルブミンの変性をきたし、病態の悪化
に関与すると推察された。
り、除去することは、上述した疾患を予防、治療する上
で非常に有効であると考えられるが、それを果たす薬
剤、体液浄化カラムは今のところない。
技術の課題を解決しようとするものであり、変性したア
ルブミンを改善するカラムおよび、処理方法を提供する
ことを目的とする。
てなる変性したアルブミンの改善用体液浄化カラム、お
よび変性したアルブミンを,担体を充填したカラムに通
して処理することを特徴とする変性アルブミンの処理方
法である。
たカラムを用いることにより、変性したアルブミンを改
善し得るカラムを提供することができる。
料のどちらでもよい。有機材料としては例えば高分子が
挙げられ、無機材料としてはシリカ、ヒドロキシアパタ
イトが挙げられるが、これらに限定されない。
維状物などが用いられるが、効率のよい血液還流が可能
な点で、繊維状担体が好ましく用いられる。
るものではないが、高分子からなるものが好ましく、例
えばポリスチレン、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリ
塩化ビニル、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、フッ素系
樹脂、シリコン樹脂、フェノキシ樹脂、ウレタン樹脂、
セルロース、キチン、キトサン、アガロース、デキスト
ランなどが用いられる。中でもポリスチレン繊維、架橋
ポリスチレン繊維、アクリル酸・アクリロニトリル共重
合繊維、カルボキシル基を有するポリビニルアルコール
繊維が官能基の導入が可能である点で、好ましく用いら
れる。さらに加工性と耐久性の点で、島成分で補強され
た、いわゆる海島状繊維が好ましく用いられ、例えば、
海成分としてポリスチレン、ポリプロピレン等を用いた
海島状繊維が好ましく用いられる。繊維状担体の表面積
として、0.1〜100m2/gの表面積を有するもの
が、血液灌流に好適なカラム容積とすることが可能な点
で好ましく用いられる。
れていることが好ましい。ここで言うポリミキシンと
は、バシルスポリマックス(Bacillusupolymax)により
産生される抗生物質であり、ポリミキシンA,ポリミキ
シンB1、ポリミキシンB2、ポリミキシンD1、ポリ
ミキシンE1およびポリミキシンE2等の、グラム陰性
菌に対する抗菌作用を有するものを意味する。
限定されないが、例えば、ポリミキシンを固定化する置
換基を有する担体が好ましく用いられ、例えば、α−ハ
ロン化ベンジル基、ハロゲン化ベンジル基およびイソシ
アン酸基から選ばれる少なくとも一種類の置換基を有す
る繊維状担体が好ましく用いられる。本発明において固
定化されているポリミキシン量は、変性したアルブミン
を改善する点で1mg/g担体以上、さらには6mg/
g担体以上、またさらに20mg/g担体以上であるこ
とが好ましい。
ることにより、あるいは、さらにペプチド縮合剤[ジシ
クロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−
ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド]などを添
加することにより達成できる。
のアミノ酸の切断、アミノ酸側鎖の修飾や物理的刺激等
による理由により、3次構造が変化することを示す。変
性したアルブミンの検出には、タンパク質を分子量で分
離するドデシル硫酸ナトリウム(SDS)−ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動、タンパク質の等電点により分離
する方法である等電点電気泳動、タンパク質を電荷で分
離するネイティブゲル電気泳動などの方法がある。ま
た、タンパク質の表面電荷で分画するイオン交換クロマ
トグラフィーや、疎水性度により分画する疎水クロマト
グラフィー、分子量で分画するゲルろ過、ブルー色素の
ようなアルブミンと親和性のある物質を利用したアフィ
ニティークロマトグラフィー等を用いて、その移動度の
差異により変性を検出することができる。また、吸収ス
ペクトルなどの分光学的な測定や、円偏光二色性(CD)
によっても測定可能であろう。
含まれる変性したアルブミンの高次構造が、本来の構造
に戻ることを意味するが、完全なる本来の構造に戻るこ
とまでは限定していない。ここではその構造の戻りを上
記のいづれかの分析方法により検出することができる。
ただし、それらの分析方法に限定されるものではない。
また、変性したアルブミンを体液中から特異的に除去す
ることによって、本来の構造を有するアルブミンの含有
率が高くなることも、ここでは改善に含まれる。
明の体液浄化カラムに体液を通す時の圧力としては、5
〜250mmHgの範囲が好ましい。ここでいう圧力と
は、体液浄化カラムの出口側と入り口側の圧力の差を意
味する。
症、血管炎、急性進行性糸球体腎炎などの炎症性疾患を
治癒するために好適に用いることができる。
リプロ”J105WT)50重量部を島成分とし、ポリ
スチレン(旭化成工業(株)“スタイロン”679)46
重量部、ポリプロピレン(グランドポリマー(株)“グ
ランドポリプロ”J104WH)4重量部の混合物を海
成分とする海島型複合繊維(島数16、単糸繊度2.6
デニール、引張強度2.9g/d)、伸度50%、フィ
ラメント数42)50gを、N−メチロール−α−クロ
ルアセトアミド50g、ニトロベンゼン400g、98
%硫酸400gおよびパラホルムアルデヒド0.85g
からなる混合溶液中に浸し、20℃で1時間反応させ
た。繊維を反応液から取り出し、0℃の氷水5L中に投
じて反応を停止させたのち、水で洗浄し、次に,繊維に
付着しているニトロベンゼンをメタノールで抽出除去し
た。この繊維を50℃で真空乾燥して、クロルアセトア
ミドメチル化繊維71gを得た。
ー株式会社)4.8g(50万単位のもの80本)を4
00mLの水に溶かし、この中に上記で得られたクロル
アセトアミドメチル化繊維を11g加え、5時間振とう
後、酸化マグネシウム1.5gを添加し、室温で60時
間振とうした。次に、この反応母液から取り出し、クロ
マトカラムにつめて、0.1N−塩酸4800mLで洗
浄した。この洗浄液と反応母液を混合した溶液につい
て、ミクロビュレット法で溶液中のポリミキシン量を算
出した。一方、反応した繊維は、さらに水25Lおよび
生理食塩水6Lで洗って、ポリミキシンB固定化繊維を
得た。固定化量は残存法から担体繊維1g当たり110m
gであった。
プロピレン製のカラムに充填して蒸気滅菌することによ
りカラムを作製した。
し、敗血症性ショックが認められた患者の大腿静脈に、
シングルルーメン又はダブルルーメンカテーテルを挿入
してカラムを接続した後、ヘパリンを接続投与しつつ血
液流量100mL/分で2時間体外循環した。循環開始
前と循環終了2時間後に採血した。血液にはヘパリンを
加え、遠心により細胞を除き上澄み(血漿)を凍結保存
した。
0μLを加えて混合し、電気泳動用のサンプルとした。
この内5μLを、テフコ社製等電点電気泳動用のゲル
(pH3〜10、IEF PAGE mini)にロー
ドし、100V30分間、200Vで30分間、500
V1時間泳動した。泳動終了後、 クマシー染色液(0.
1%クマシーブリリアントブルーR−250、40%メ
タノール、10%酢酸)で1時間染色後、脱色液(10
%メタノール、7.5%酢酸)を用いて脱色した。その
結果、敗血症性ショックでないヒト(対照)の血漿に対
し、敗血症性ショックの患者の血漿では、等電点4.0
付近に バンドが検出された。このバンドはタンパク
量、等電点から酸性側にシフトした変性したアルブミン
と考えられた。このバンドは東レ(株)製“トレミキシ
ン”(ポリミキシン固定化繊維を充填したカラム)施行
後、著しい減少が観察された。
たアルブミンを改善することができる。
Claims (9)
- 【請求項1】担体を充填してなる変性したアルブミンの
改善用体液浄化カラム。 - 【請求項2】担体が繊維状担体である請求項1記載の体
液浄化カラム。 - 【請求項3】繊維状担体が高分子からなるものである請
求項2記載の体液浄化カラム。 - 【請求項4】繊維状担体が、ポリスチレン繊維、ポリプ
ロピレン繊維、架橋ポリスチレン繊維、アクリル酸・ア
クリロニトリル共重合繊維およびカルボキシル基を有す
るポリビニルアルコール繊維から選ばれる少なくとも1
種からなる請求項2または3記載の体液浄化カラム。 - 【請求項5】繊維状担体が海島状繊維からなるものであ
る請求項2〜4のいずれかに記載の体液浄化カラム。 - 【請求項6】繊維状担体が、α−ハロゲン化アシル基、
ハロゲン化ベンジル基およびイソシアン酸基から選ばれ
た少なくとも1種の置換基を有するものである請求項2
〜5のいずれかに記載の体液浄化カラム。 - 【請求項7】ポリミキシンが固定化された担体である請
求項1〜6のいずれかに記載の体液浄化カラム。 - 【請求項8】変性したアルブミンを、担体を充填したカ
ラムに通して処理することを特徴とする変性アルブミン
の処理方法。 - 【請求項9】カラムに通す際の圧力が5〜250mmH
gである請求項8記載の変性アルブミンの処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001332355A JP2003135594A (ja) | 2001-10-30 | 2001-10-30 | 体液浄化カラム |
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Country Status (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007260216A (ja) * | 2006-03-29 | 2007-10-11 | Toray Ind Inc | 吸着担体および体外循環用カラム |
JP2010507432A (ja) * | 2006-10-27 | 2010-03-11 | ユーシーエル ビジネス ピーエルシー | 肝疾患の治療 |
AT507846B1 (de) * | 2009-01-22 | 2011-12-15 | Fresenius Medical Care De Gmbh | Sorptionsmittel für endotoxine |
-
2001
- 2001-10-30 JP JP2001332355A patent/JP2003135594A/ja active Pending
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