JP4834812B2 - 体外循環医療カラム用補助用具 - Google Patents

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近年、治療用の目的で血液、血漿、リンパ液などの体液を処理し、その組成物の比を変化させたり、組成物の機能を変化させたりする体外循環医療カラムが開発されている。各種疾患によって、正常範囲外にある体液成分を正常範囲に戻すための体外循環医療カラムや生体の免疫能を変化させるための体外循環医療カラムなど、種々の体外循環医療カラムが開発され、各種疾患で治療効果を上げつつある。例えば、腎不全患者の血液成分を正常に戻すための人工腎臓、血液中に酸素を送り込むための人工肺、血液もしくは血漿中の病因物質を選択的に吸着する吸着カラム、白血球やリンパ球を除去するための血球分離カラムなどの体外循環医療カラムが開発されている。
本発明は、これらのその本来の目的で使用されている体外循環医療カラムに対して補助的な役割を果たす体外循環医療カラム用補助用具に関する。
体外循環医療カラム用補助用具とは、体外循環医療カラムの治療効果を上げたり、薬剤の副作用などの懸念を低下させるためのものをいう。体外循環医療カラムの治療効果を上げる補助用具の例としては、“リクセル”(カネカ社)がすでに販売されている。腎不全患者の血液中はβ−ミクログロブリンの濃度が高くなっており、この物質の蓄積は透析アミロイド症を惹起する。そのため、現在ではβ−ミクログロブリンの除去能を有するハイパフォーマンスタイプの人工腎臓が主流となっている。“リクセル”はβ−ミクログロブリンを選択的に吸着除去する装置であり、透析アミロイド症を合併した腎不全患者に、人工腎臓と併用で使用されている。人工腎臓の目的は、β−ミクログロブリンなど、血液中の余分な老廃物を除去することである。“リクセル”は人工腎臓で除去できない物質を除去するというものではなく、人工腎臓でも除去できるが、それでは治療効果が不十分であるので、さらにβ−ミクログロブリンを除去することで、治療効果を上げるものである。しかしながら、リクセルはβ−ミクログロブリンを吸着するだけであり、体液の組成物質の機能を積極的に変化させることで、治療の一助になるようなものではない。
また、種々の体外循環医療カラムに対する共通の問題としては、血液凝固を進展させないように治療することが挙げられる。そのため、抗凝固剤を使用したり、体外循環医療カラムに抗血栓性を付与することが行われている。しかしながら、抗凝固剤の使用は、患者に負担を強いるものである。例えば、最もよく使用されている抗凝固剤の1つであるヘパリンに対して、ショック症状を呈する患者が存在することはよく知られている。また、体外循環医療カラムに抗血栓性を付与し、抗凝固剤を使用しない場合としては、例えば、血管内カテーテル・人工血管・人工心臓等の血液接触部分にアルブミンや無水こはく酸等をコーティングする方法(特許文献1参照)や、材料表面にアミノ硫酸基を導入することで、抗血栓性を付与する方法(特許文献2参照)、ヒト・トロンボモジュリンを固定化する方法(特許文献3)が開示されている。しかしながら、体外循環医療カラム本来の機能を維持しつつ、抗血栓性を付与することは非常に困難である。また体外循環医療カラムのなかで、抗血栓性を付与する材料は、その素材、形態など多種多様であるために、それぞれのカラムごとに抗血栓性を付与するための最適な設計が必要となる。これらの問題点のために、カラムに抗血栓性を付与する体外循環医療カラムは広く普及するには至ってない。
すなわち、これまでに体液の組成物質の機能を積極的に変化させることで、体外循環医療カラムの治療効果を上げたり、薬剤の副作用などの懸念を低下させるための体外循環医療カラム用補助用具は存在しておらず、特に血液凝固を進展させないように治療するという課題は十分に解決されているとは言い難かった。
特開昭52−137197 特開昭54−79997 特許公報 第2905797号
本発明の目的は、かかる従来技術の欠点を改良し、その本来の目的で使用されている体外循環医療カラムに対して補助的な役割を果たす体外循環医療カラム用補助用具を提供することで、体外循環医療カラムの治療効果を上げたり、抗凝固剤の不使用もしくは、低減により薬剤の副作用の懸念を低下させることにある。
本発明者らは上記課題を達成するため、鋭気検討を重ねた結果、本発明を完結した。すなわち、本発明は、下記の(1)〜(3)の構成によって達成される。
(1) 体外循環用医療カラムの前処理に用いる、カラム又は回路である体外循環医療カラム用補助用具であって、該補助用具にプロテインCを100%以上活性化させるヒト・トロンボモジュリンが、基材に接触した状態で15kGy以上、80kGy未満の放射線を照射することにより基材に固定化されていることを特徴とする体外循環医療カラム用補助用具。
(2) 該体外循環医療カラムが、人工腎臓、人工肺および血球分離カラムから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする(1)に記載の体外循環医療カラム用補助用具。
(3) 血液凝固防止用のカラムであることを特徴とする(1)又は(2)のいずれかに記載の体外循環医療カラム用補助用具。
本発明によって、体外循環医療カラムがその本来の目的で使用されていることに対して補助的な役割を果たす体外循環医療カラム用補助用具を提供することで、体外循環医療カラムの治療効果を上げたり、薬剤、例えば、抗凝固剤を使用しなかったり、低減させることで、その副作用の懸念を低下させることができる。
本発明は、各種疾患によって正常範囲外にある体液成分を正常範囲に戻すための体外循環医療カラム、例えば、人工腎臓や人工肺、病因物質吸着カラム、白血球などの血球分離カラムなどがその本来の目的で使用されていることに対して、補助的な役割を果たす体外循環医療カラム用補助用具に関する。
ここでいう補助的な役割とは、体外循環医療カラムによる治療において、その一助となること、すなわち、体外循環医療カラムの治療効果を上げたり、抗凝固剤などの薬剤の不使用もしくは、低減により薬剤の副作用の懸念を低下させることをいう。
また、本発明の体外循環医療カラム用補助用具はプロテインCを100%以上活性化させるヒト・トロンボモジュリンが固定化されていることを特徴とする。プロテインCとは生体内において、凝固制御系を担うタンパク質である。生体は様々な系で恒常性を保つように作用しており、血液凝固系もその1つである。すなわち、凝固が開始されるとそれにブレーキをかける凝固制御系が存在している。凝固系が作動すると、プロテインCが活性化され、凝固系の重要な因子である第V因子や第 VIII因子を切断し凝固系にブレーキをかける役割を担っている。血液が体外循環医療カラムなど生体外の異物と接触すると血液凝固が進展するため、通常はこれらのカラムを用いた治療時には、抗凝固剤を投与する。プロテインCを100%以上活性化させるヒト・トロンボモジュリンが固定化された体外循環医療カラム用補助用具を体外循環医療カラムの前に接続して使用することで、抗凝固剤を使用しなかったり、低減させることが可能である。これは、補助用具で活性化されたプロテインCが血流にのって循環するために、体外循環医療カラムなど抗血栓性を有さない部分に血液が接触しても、プロテインCが血液凝固の進展を抑制できるためである。
体外循環医療カラム本来の機能を維持しつつ、抗血栓性を付与することは非常に困難であり、カラムの素材、形態など多種多様であるために、それぞれのカラムごとに抗血栓性を付与するために最適な設計が必要となるが、プロテインCを100%以上活性化させるヒト・トロンボモジュリンを固定化した体外循環医療カラム用補助用具を用いれば、従来から存在する抗血栓性を有しない種々の体外循環医療カラムに対して、抗凝固剤なし、もしくは低減しての使用が可能となり、利用価値は大きい。したがって、本発明の好ましい態様の1つとして血液凝固防止用のカラムである体外循環医療カラム用補助用具を挙げることができる。
プロテインCを活性化させるヒト・トロンボモジュリンとは、後述するプロテインCの活性化測定の方法において、ヒト・トロンボモジュリン1ngを用いた場合の405nmの吸光度の値が、ブランクに対して20%以上増加させる物質のことをいう。プロテインCの活性化が20%より少ない場合、抗血栓性の効果が充分でない場合がある。ヒト・トロンボモジュリンは、血管内皮細胞膜上の糖タンパク質であり、血液凝固を制御している。その仕組みとしては、TMがトロンビンと結合することにより、トロンビンの凝固作用であるフィブリン形成作用および血小板凝集作用等を消失させると共に、プロテインCの活性化作用を数千倍に促進することで凝固系にブレーキをかける。したがって、プロテインCを活性化させる生理活性物質が、トロンビンの凝固作用を消失できる機能も有していれば、抗血栓性にさらに有利であるため、ヒト・トロンボモジュリンもしくはその構造の一部分を有するペプチドが好ましい。
本発明でいうところのトロンボモジュリン(TMと略記する)とは、プロテインCの活性化作用を有する作用をもつものであれば、TM分子そのものでなくても、TMの構造の一部分や、プロテインCの活性化作用を有するペプチドなども含めたものをいう。TMの取得方法の例としては、ヒト組織からTMを精製したり、遺伝子工学的手法によって得ることができる。また、本発明の体外循環医療カラム用補助用具は、プロテインCを100%以上、好ましくは200%以上活性化させることが好ましい。プロテインCの活性化測定についての詳細は後述するが、405nmの吸光度で比較する。プロテインCが50%活性化しているとは、ブランクの吸光度の値よりも1.5倍の値を示していることをいう。ここで、ブランクとは、後述する測定方法のなかで、前記補助用具を用いずに、同様の測定を行った場合のことをいう。プロテインCの活性化が50%未満の場合は、十分な抗血栓性の効果が得られない場合が多い。
また、本発明でいうところの体外循環医療カラム用補助用具は、カラム又は回路であ。すなわち、体外循環医療カラム用補助カラムとは、生理活性物質を固定化した基材が充填されたものであり、体外循環医療カラム用補助回路とは、体内と医療用カラムをつなぐ回路の体液通過部分に生理活性物質を固定化したものをいう。なお、基材とは生理活性物質を固定化する担体をさす。また、回路における生理活性物質の固定化は、回路全体になされていても、一部であっても良い。
生理活性物質の固定化とは、基材や回路に生理活性物質が存在しており、生理活性物質の溶出が極微量である状態をいう。溶出の具体的測定方法は後述するが、溶出が極微量であるとは、体液との接触部分の面積1mあたり4L以上の水で洗浄した後、室温で500ml以上の水を用いて2時間抽出した水中の濃度が、10ng/ml以下であることを言う。ここで、水の代わりに生理食塩水もしくは緩衝液を用いても良い。なお、体液との接触部分に血小板よりも小さい孔を有する多孔質基材の場合は、多孔質内部の面積は考慮しない。
ヒト・TMの固定化の方法としてはヒトTMを基材と接触させた状態で、15kGy以上、80kGy以下、好ましくは20kGy以上、50kGy以下の放射線を照射して滅菌する。本願発明者らは、ヒトTMを基材と接触させた状態で、この程度の量の放射線を照射してもヒトTMの生理活性は維持され、一方、滅菌が達成されることを見出した。また、ヒトTMの水溶液を基材と接触させた状態で、上記のように放射線を照射すると、滅菌と同時に固定化も達成される。
体外循環医療カラム用補助カラムや、補助回路の素材は特に限定されるものではないが、成形などの容易さから高分子が好ましい。高分子の例としては、ポリスルホン系ポリマー、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース、セルローストリアセテートなどの改質セルロース、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリルニトリル、塩化ビニルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
補助カラムに内蔵された素材の形状としては、編み地、不織布などの繊維、ビーズ、平膜や中空糸膜などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。回路の形状としては、その本来の機能、すなわち、チューブ状であることが必要であり、適宜、チャンバーなどを備えたものである。
以下に、実施例をもって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
1.中空糸膜ミニカラムの作成
中空糸型人工腎臓である東レ株式会社製“トレスルホンTS−1.6UL”を解体し、中空糸膜を取り出した。中空糸膜を100本束ね、直径約7mm、長さは12cmのプラスチック管ミニカラムケースに挿入した。中空糸膜の両末端を、中空糸膜中空部を閉塞しないようにエポキシ系ポッティング剤で固定し、ミニカラムを作成した。該カラムの中空糸内表面積は75cmである。ミニカラムの中空糸膜内側および外側を37℃の超純水を1ml/minの流速で30分間洗浄した。
2.ヒト・トロンボモジュリン(TM)
プロテインCを活性化させる生理活性物質としてTMを使用した。特開平1−6219号公報の記載に従い、遺伝子工学的手法によって得たTMを用いた。
このTM1ngを5unit/mlのトロンビン溶液(50mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)、0.1%NaCl、0.1%BSA、2mM CaCl)1ml中37℃で1時間インキュベートした。100nMのプロテインC溶液(50mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)、0.1%NaCl、0.1%BSA、2mM CaCl)0.5mlを加え、さらに37℃で1時間インキュベートした。この上清50μlに1mMのS−2238(20mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)、0.1%NaCl、0.1%BSAの混合溶液)100μlを加えて405nmの吸光度を測定した。その結果、吸光度は0.12であった。一方で、TMを添加しなかったブランク溶液の吸光度は0.07であった。ブランクに対して吸光度は71%増加していることから、このTMがプロテインC活性化能を有していることが確認できた。
3.TM固定化ミニカラムの作成
上記1.で得られたミニカラムの中空糸内側に2.で得られたTMのリン酸緩衝液(以下PBSと略記)溶液(TM濃度は25μg/ml)2.5mlを1ml/minの流速で1時間、室温で灌流させた後、PBS10mlを1ml/minの流速で30分間、室温で循環させて洗浄した。その後、該ミニカラムに15kGyのγ線を照射した。
4.TMの溶出試験
上記3.で得られたTM固定化ミニカラムについて、TM溶出試験を始める直前に、PBS30ml(中空糸内表面1m換算でPBS4Lに相当する)を室温にて1ml/minで30min循環し、洗浄した。PBS5ml(中空糸内表面1m換算で667mlに相当する)を0.5ml/minの流速で、室温で2時間循環させた。なお、後述する血液循環試験と対応させるために、循環開始後の最初の1mlは廃棄した後、循環した。 循環後のPBS中のTM濃度は、ELISA法によって測定した。
5.プロテインC活性化度の測定
TM固定化ミニカラムに、内径1mm、外径2mm、長さ50cmのシリコーンチューブ(製品名ARAM(登録商標))2本をミニカラム前後に接続した。PBS 30mlを室温にて1ml/minで30min循環し、洗浄した。その後、TM固定化ミニカラムの中空糸膜内側を、混合緩衝液A(20mM トリス−塩酸緩衝液(pH7.5)、0.15M NaCl、0.5%Bovine Serum Albmin(フラクションV、和光純薬工業(株)、以下、BSAと略記)、2.5mM CaCl)10mlを用いて洗浄した。中空糸膜内側を5unit/mlのトロンビン溶液5mlで37℃、1時間、0.5ml/minで循環させた。その後、中空糸内側を混合緩衝液D(50mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)、0.1% NaCl、0.1% BSA、2mM CaCl2)10mlを用いて洗浄した。中空糸膜内側を100nMのプロテインC溶液2.5mlで37℃、1時間0.5ml/minで循環させた。この循環後の液、50μlに1mMのS-2238 100μlを加えて405nmの吸光度を測定した。吸光度の値が大きいほど、プロテインCが活性化されていることを示す。
6.血液循環試験
上記3.で得られたTM固定化ミニカラムについて、血液循環試験を始める直前に、PBS30ml(中空糸内表面1m換算でPBS4Lに相当する)を室温にて1ml/minで30min循環し、洗浄した。
健常者ボランティアから静脈血を採血後、十数秒内にヘパリンを0.5U/mlになるように添加した。その後、数分以内に、該血液をカラムで循環させた。循環は5mlの血液を、垂直に立てた中空糸膜ミニカラムの上から下に、0.5ml/minの流速で、室温で行った。なお、ミニカラム内および回路内には、はじめはPBSが充填されてあるので、循環開始後の最初の1mlは廃棄した後、循環した。該条件での、循環可能時間を測定した。なお、ここでいう循環可能時間とは、回路中もしくはミニカラム中に血栓などが生じて血液が流れなくなるまでの時間、もしくは血液が流れにくくなったため、回路接続部などから血液が漏れだしてくるまでの時間をいう。
7.TM濃度測定
TMの濃度は、ヒトCD141 ELISAキット(DIACLONE社製造)を使用した。実験手順は、以下の通りである。ELISAプレートのウェルにサンプルを100μlずつ加えた。biotinated anti−CD141を調整し、50μlずつウェルに加えた。プレートカバーでカバーし、1時間室温下で定温放置した。カバーを外し、プレートをマイクロプレートウオッシャー(BIO−RAD ImmunoWash Model 1575)にて、以下のように洗浄した。
1) 全てのウェルから溶液を吸い出した。
2) 全てのウェルに洗浄液を300μlずつ満たした。
3) 再度全てのウェルから溶液を吸い出した。
4) 手順2)と3)を二度繰り返した。
洗浄操作後、streptavidin−HRP溶液を調整し、ウェルに100μl加えた。プレートカバーでカバーし、30分間室温下で定温放置した。カバーを外してウェルを、上記洗浄操作1)〜4)と同様に洗浄を行った。ready−use TMB基質溶液をウェルに100μl加えた。プレートをアルミホイルで包んで光を遮断し15分間室温で定温放置した。ウェルに100μlの停止試薬HSOを加えて、酵素基質反応を停止した。停止試薬HSOを加えた後に、速やかにマイクロプレートリーダー(BIO−RAD マイクロプレートリーダー モデル680)を用いて450nmの吸光度を読み取った。既知濃度の吸光度の値から検量線を引き、サンプルのTM濃度を算出した。
実施例1
上記3.で得たTM固定化ミニカラムのプロテインC活性化度を測定した結果、405nmの吸光度は0.36であり、ブランクは0.10であった。すなわち、プロテインCを260%活性化するものであった。TM固定化ミニカラムを体外循環医療カラム用補助カラムに、上記1.で得た中空糸膜ミニカラムを体外循環医療カラムの1つである人工腎臓のモデルとした。TM固定化ミニカラムの片側に、内径1mm、外径2mm、長さ1cmのシリコーンチューブ(製品名ARAM(登録商標))を介して、中空糸膜ミニカラムを直列に接続した。TM固定化ミニカラムおよび中空糸膜ミニカラムのもう一端には、それぞれ内径1mm、外径2mm、長さ50cmのシリコーンチューブを接続した。血液の流れは、TM固定化ミニカラムが上流に、中空糸膜ミニカラムが下流になるように、ポンプを接続し、血液循環試験を行った。血液の循環可能時間は、4時間であった。また、TMの溶出は2ng/ml未満であり、TMは膜から溶出してこないことが確認できた。
比較例1
実施例1と同様に、TMを固定化していない中空糸膜ミニカラムを2本直列で接続し、血液循環試験を行った。血液は実施例1と同じものを用いた。血液の循環可能時間は、2時間であり、実施例1と比較して、有意に循環可能時間が短かった。

Claims (3)

  1. 体外循環用医療カラムの前処理に用いる、カラム又は回路である体外循環医療カラム用補助用具であって、該補助用具にプロテインCを100%以上活性化させるヒト・トロンボモジュリンが、基材に接触した状態で15kGy以上、80kGy以下の放射線を照射することにより基材に固定化されていることを特徴とする体外循環医療カラム用補助用具。
  2. 該体外循環医療カラムが、人工腎臓、人工肺および血球分離カラムから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項記載の体外循環医療カラム用補助用具。
  3. 血液凝固防止用のカラムであることを特徴とする請求項1又は2に記載の体外循環医療カラム用補助用具。
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