JP2003135148A - 歯ブラシ - Google Patents

歯ブラシ

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JP2003135148A
JP2003135148A JP2001334905A JP2001334905A JP2003135148A JP 2003135148 A JP2003135148 A JP 2003135148A JP 2001334905 A JP2001334905 A JP 2001334905A JP 2001334905 A JP2001334905 A JP 2001334905A JP 2003135148 A JP2003135148 A JP 2003135148A
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handle
elasticity
toothbrush
elastic modulus
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Toshiaki Kobayashi
利彰 小林
Tadashi Kanamaru
直史 金丸
Tetsuo Katsuura
哲夫 勝浦
Yoshihiro Shimomura
義弘 下村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 持ちやすく、操作性に優れ、高い歯垢除去機
能を備えた歯ブラシを提供すること。 【解決手段】 ハンドル部4の中央位置Cを固定し、該
固定位置からヘッド部先端側に向かって30mmの位置
1 における弾性率を上部弾性率Aとし、また、ハンド
ル部中央位置Cを固定し、該固定位置からハンドル後端
側に向かって30mmの位置P2 における弾性率を下部
弾性率Bとするとき、前記上部弾性率Aに対する前記下
部弾性率Bの比率B/Aを0.8以上、10.0以下、
好ましくは1.0〜10.0、より好ましくは0.9〜
6.0となるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、持ちやすく、操作
性に優れ、高い歯垢除去機能を備えた歯ブラシに関す
る。 【0002】 【従来の技術】歯ブラシの操作性や歯垢除去機能を改善
するため、歯ブラシに弾力性を与えることは従来より広
く提案されている(例えば、実公昭60−27723号
公報、実公平1−67915号公報、特公平1−501
448号公報参照)。しかし、これらの歯ブラシにおけ
る弾力性の付与部位は歯ブラシのヘッド部とハンドル部
をつなぐ首部が中心であり、弾力性の規定の仕方もあい
まいであった。また、従来においては、ハンドル部位に
弾力性を付与し、その弾力性を正確に規定することによ
って歯ブラシとしての操作性を改善した発明や研究報告
も知られていなかった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決するためになされたもので、ハンドル部に弾力性を
持たせ、このハンドル部の先端側と後端側の弾力性の比
率を規定することにより、持ちやすく、操作性に優れ、
高い歯垢除去機能を備えた歯ブラシを提供することを目
的とするものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意実験と
研究を重ねた結果、ハンドル部の先端側とハンドル部の
後端側の弾力性に一定の関係を与えたとき、歯ブラシと
しての操作性や歯垢除去効果が最も高くなることを見い
出した。本発明は、この知見に基づいてなされたもので
ある。 【0005】すなわち、本発明は、上記課題を解決する
ため、少なくともヘッド部とハンドル部を備えた歯ブラ
シにおいて、前記ハンドル部に弾力性を付与し、該ハン
ドル部先端側の弾性率Aに対する該ハンドル部後端側の
弾性率Bの比率B/Aを0.8以上、10.0以下、好
ましくは1.0〜10.0、より好ましくは0.9〜
6.0としたものである。なお、この弾性率A,Bの測
定位置は、ハンドル部の中央位置からヘッド部先端側に
向かって30mmの位置と、ハンドル後端側に向かって
30mmの位置とする。 【0006】前記比率B/Aが0.8未満では、ハンド
ル先端側のたわみが大きく、ブラッシング圧が十分に口
腔内に伝わらない。一方、比率B/Aが10.0を超え
ると、ハンドル後端側のたわみが大きくなり過ぎ、ハン
ドルを保持する際の安定感が低下する。特に、比率B/
Aを0.8〜10.0、より好ましくは0.9〜6.0
とした場合には、ハンドル保持時の安定性がより向上す
るとともに、ハンドル先端側のたわみが後端側よりも少
ないため、ハンドルの保持力を着実に歯面に伝達させる
ことができ、口腔内の清掃効果もより向上する。 【0007】ハンドル部に弾力性を付与する部位と構造
は特に限定されるものではなく、ハンドルの多色成形、
ハンドルの1次型構造、中空構造、各種エラストマー樹
脂の材質、物性などにより複合的に成形されてもよい。 【0008】本発明に係る歯ブラシためのハンドルの製
造方法としては、従来から使用されている射出成形を利
用することができ、ハンドル材質も特に規定することな
く製造することができる。ヘッド部を含めてハンドル部
の素材としては、熱可塑性樹脂であればよく、例えば、
ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリア
ミド、ポリメチルメタアクリレート、セルロースプロピ
オネート、ABSなどが使用できるが、物性、価格など
の点で総合的に見てポリプロピレンが好ましい。また、
これらの樹脂同士や熱可塑性エラストマーと組み合わせ
た多色成形ハンドルとしてもよい。 【0009】ヘッド部に植設される刷毛の材質として
は、通常使用されている、ポリアミド(例:ナイロン6
−12、ナイロン6−10、12ナイロンなど)、ポリ
エステル(例:ポリブチレンテレフタレート、ポリエチ
レンテレフタレートなど)、ポリプロピレン、ポリトリ
メチレンテレフタレートなどを使用することができる。
もちろん、これらを組み合わせた複合材質であってもよ
い。さらに、刷毛の横断面形状も、円形が主であるが、
特に限定するものではない。例えば、ダイヤモンド形、
四角形、六角形、菱形、矩形、クローバー形などの横断
面形状を用いることもできる。 【0010】刷毛太さは、3〜11mil(0.076
〜0.279mm)、好ましくは5〜10mil(0.
127〜0.254mm)が一般的な歯ブラシにはよ
い。 【0011】また、通常は毛先丸め部を除いて1本の刷
毛内では同一径であるが、刷毛根元付近では上記刷毛太
さであっても、毛先先端へ向かうに従って徐々に径が細
くなるテーパー毛の形態であってもよい。さらに、ツイ
スト毛なども使用することが可能である。刷毛の先端形
状は、ヘラ状、スクレイパー状、羽毛状、球状などであ
ってもよい。 【0012】刷毛部の毛切り形状に関しては、通常の歯
ブラシと同様に、山切り、平切り、ラウンド切りなどを
採用することができる。使用上の刷掃実感、歯ぐきへの
毛の当たり心地を考慮して、刷毛の太さが異なる刷毛束
を混在させることも可能である。また、歯ブラシヘッド
部への植毛方法、毛束の大きさ、植毛間隔なども何ら制
限されるものではない。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1(a)(b)は本発明
に係る歯ブラシの一実施の形態を示すものであって、1
は刷毛2を植設されたヘッド部1、3は首部、4はハン
ドル部である。 【0014】本発明に係る歯ブラシの場合、前記ハンド
ル部4には以下に詳述するような規定の弾力性が与えら
れている。すなわち、ハンドル部4の中央位置Cを固定
し、該固定位置からヘッド部先端側に向かって30mm
の位置P1 における弾性率を上部弾性率Aとし、また、
ハンドル部中央位置Cを固定し、該固定位置からハンド
ル後端側に向かって30mmの位置P2 における弾性率
を下部弾性率Bとするとき、前記上部弾性率Aに対する
前記下部弾性率Bの比率B/Aを0.8以上、10.0
以下、好ましくは1.0〜10.0、より好ましくは
0.9〜6.0となるように構成したものである。 【0015】なお、本発明におけるハンドル部4とは、
図1(a)に示すように、ハンドル先端位置(パームグ
リップで握った時に親指と人指し指で把持する部分の親
指位置)からハンドル後端位置までの全長を指すもの
で、ハンドル部4の中央位置Cとは、このハンドル部全
長の1/2の位置を指すものである。 【0016】前記上部弾性率Aと下部弾性率Bは、次の
ようにして測定される。すなわち、図1(b)に示すよ
うに、上部弾性率Aについては、ハンドル部4の中央位
置Cにおいて歯ブラシを固定し、該固定位置Cからハン
ドル先端側に向かって30mmの位置P1 を一定速度
(クロスヘッドスピード20mm/分)で加圧し、その
時の位置P1 のたわみ量(mm)を測定し、このたわみ
量(mm)とその時の荷重(N)から単位荷重当たりの
弾性率(mm/N)を算出し、これを上部弾性率Aとす
る。また、下部弾性率Bについては、ハンドル部4の中
央位置Cにおいて歯ブラシを固定し、該固定位置Cから
ハンドル後端側に向かって30mmの位置P2 を一定速
度(クロスヘッドスピード20mm/分)で加圧し、そ
の時の位置P2 のたわみ量(mm)を測定し、このたわ
み量(mm)とその時の荷重(N)から単位荷重当たり
の弾性率(mm/N)を算出し、これを下部弾性率Bと
する。 【0017】従来におけるハンドル部の弾力性の測定方
法は、実開平6−61135号公報などに記載されてい
るように、ハンドル部に規定の重りをぶら下げ、一定時
間経過後にそのたわみ量を測定していたが、変位(たわ
み量)が経時的に変化してしまうため、正確に測定しに
くい点、測定には熟練を要する点など、課題が残されて
いた。また、ハンドルの操作性などの評価も、本発明で
採用した前記測定方法によるときは、このような問題も
なくすことができる。 【0018】 【実施例】[実施例−1]ハンドル先端側と後端側の弾
性率の比率を変えた図1に示すような形状の評価用歯ブ
ラシを作製し、官能評価による使用性およびブラッシン
グ時の短橈側手根伸筋の筋負担量を測定し、より使いや
すい歯ブラシの弾力性比率を検討した。 【0019】弾力性の測定装置としては、オートグラフ
(島津製作所製オートグラフAGS−H)を用い、一定
速度(クロスヘッドスピード20mm/minの定速)
で加圧した。歯ブラシハンドルを加圧する治具として
は、図2に示すような円錐型の加圧治具5を作製し、こ
の加圧治具5を前記オートグラフの加圧機構先端端に固
設し、円錐型をした治具先端部(先端0.8mmφ)
で、図1(b)中の各位置P1 ,P2 をそれぞれ加圧し
た。なお、測定のために付加する荷重は2.0〜5.0
(N)までとした。 【0020】この試験の結果、表1に示すように、上部
弾性率Aに対する下部弾性率Bの比率B/Aが0.8以
上の歯ブラシでブラッシングしたときの筋負担量が小さ
く、操作しやすいことが見い出された。 【0021】(実験条件) 持ち方:パームグリップ ブラッシング方法:スクラブ法 被験者数:15名 【0022】 【表1】 【0023】(*1)下記7段階官能評価の平均点 7:非常に操作しやすい 6:かなり操作しやすい 5:やや操作しやすい 4:どちらともいえない 3:やや操作しにくい 2:かなり操作しにくい 1:非常に操作しにくい 【0024】(*2)筋負担量の評価基準 なお、筋負担量=相対筋負担量の平均値、である。 ◎:相対筋負担量0.5未満 ○:相対筋負担量0.5以上〜0.8未満 △:相対筋負担量0.8以上〜1.0未満 ×:相対筋負担量1.0以上 【0025】(相対筋負担量の計算方法) 【式1】 【0026】従来における使用感の評価は官能評価その
ものによる主観的判断が中心であり、客観性に欠けると
いう問題があったが、上記評価基準に基づいた数値判定
によれば客観性を確保することができ、より正確な判定
を下すことが可能である。 【0027】[実施例−2]実施例−1と同じく、ハン
ドル先端側と後端側の弾性率の比率を変えた評価用歯ブ
ラシを作製し、口腔清掃を中断した後に使用試験を実施
し、歯垢除去力を測定した。この試験の結果、表2に示
すように、上部弾性率Aに対する下部弾性率Bの比率B
/Aが0.8以上、10.0以下の歯ブラシでブラッシ
ングしたときの歯垢除去力が最も高いことを見い出し
た。 【0028】(実験条件) 持ち方:パームグリップ ブラッシング方法:スクラブ法 被験者数:10名 【0029】 【表2】 【0030】(歯垢除去力の評価基準) ◎:歯垢除去率80%以上 ○:歯垢除去率70%以上、80%未満 △:歯垢除去率60%以上、70%未満 ×:歯垢除去率50%未満 【0031】(歯垢除去率の計算方法) 左右下顎の1〜3番の歯間部使用 プラークテスター、画像解析装置にて測定 【0032】 【式2】 【0033】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によるとき
は、ハンドル部に弾力性を付与し、該弾力性を有するハ
ンドル部について、ハンドル部先端側の弾性率Aに対す
るハンドル部後端側の弾性率Bの比率B/Aを0.8以
上、10.0以下としたので、持ちやすく、操作性に優
れ、高い歯垢除去機能を備えた歯ブラシとすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る歯ブラシの説明図であって、
(a)は歯ブラシの略示側面図、(b)は歯ブラシの略
示平面図である。 【図2】弾性率の測定に用いた加圧用治具の側面図であ
る。 【符号の説明】 1 ヘッド部 2 刷毛 3 首部 4 ハンドル部 5 加圧治具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 勝浦 哲夫 千葉県千葉市稲毛区弥生町1−33 千葉大 学内 (72)発明者 下村 義弘 千葉県千葉市稲毛区弥生町1−33 千葉大 学内 Fターム(参考) 3B202 AA06 AB15 CA01 CA02 CA05 CB08

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 少なくともヘッド部とハンドル部を備え
    た歯ブラシにおいて、前記ハンドル部に弾力性を付与
    し、該ハンドル部先端側の弾性率Aに対する該ハンドル
    部後端側の弾性率Bの比率B/Aを0.8以上、10.
    0以下としたことを特徴とする歯ブラシ。
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