JP2003134648A - クランプおよびその取付構造 - Google Patents

クランプおよびその取付構造

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JP2003134648A
JP2003134648A JP2001318056A JP2001318056A JP2003134648A JP 2003134648 A JP2003134648 A JP 2003134648A JP 2001318056 A JP2001318056 A JP 2001318056A JP 2001318056 A JP2001318056 A JP 2001318056A JP 2003134648 A JP2003134648 A JP 2003134648A
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band
clamp
locking
clip
wire harness
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JP2001318056A
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Hiroki Goto
弘樹 後藤
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Yazaki Corp
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    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02GINSTALLATION OF ELECTRIC CABLES OR LINES, OR OF COMBINED OPTICAL AND ELECTRIC CABLES OR LINES
    • H02G3/00Installations of electric cables or lines or protective tubing therefor in or on buildings, equivalent structures or vehicles
    • H02G3/30Installations of cables or lines on walls, floors or ceilings
    • H02G3/32Installations of cables or lines on walls, floors or ceilings using mounting clamps
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R16/00Electric or fluid circuits specially adapted for vehicles and not otherwise provided for; Arrangement of elements of electric or fluid circuits specially adapted for vehicles and not otherwise provided for
    • B60R16/02Electric or fluid circuits specially adapted for vehicles and not otherwise provided for; Arrangement of elements of electric or fluid circuits specially adapted for vehicles and not otherwise provided for electric constitutive elements
    • B60R16/0207Wire harnesses
    • B60R16/0215Protecting, fastening and routing means therefor

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  • Insertion Pins And Rivets (AREA)
  • Installation Of Indoor Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車体などの相手取付体に対し、ワイヤハーネ
スなどの線状体が、容易で迅速に着脱可能とされるクラ
ンプおよびその取付構造を提供する。 【解決手段】 線状体30と、線状体30に取付けられ
るクランプ本体10と、線状体30とクランプ本体10
とを固定する可撓性のバンド20とを備え、バンド20
の一方の面21に多数の微細な係止部22,23,24
が設けられ、この係止部22,23,24に対応して、
バンド20の他方の面25に多数の微細な係合部26,
27,28が設けられ、クランプ本体10にバンド20
が挿通されるバンド取付部15が設けられ、バンド取付
部15にバンド20が引き通されると共にバンド20が
線状体30に巻付けられ、且つ、バンド20の一方の面
21と、バンド20の他方の面25とが合せられること
で、クランプ本体10が線状体30に取付けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車などの車
体、パネル、ビームなどに、ワイヤハーネス、電線、ホ
ース、チューブなどの線状体が取付けられる際に用いら
れるクランプおよびその取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は、従来のクランプがワイヤハーネ
スに取付けられた一形態を示すものである。また、図7
は、従来の他のクランプがワイヤハーネスに取付けられ
た他の一形態を示すものである。図6または図7に示さ
れるワイヤハーネス130,230は、クランプ10
1,201を介して自動車などの相手取付体に組付けら
れるものである。
【0003】図6または図7に示されるワイヤハーネス
130,230について簡単に説明すると、ワイヤハー
ネスは、一般に自動車などの電気回路のうち高圧回路と
始動回路以外の配線が束ねられたものをいう。ここでは
自動車の組立てラインにおいてケーブルなどの組付けが
簡単にできるようにするために、ケーブル131,23
1などの配線類が集束テープ135,235などにより
一つにまとめられた組配線のものを指す。
【0004】図6に示されるクランプ101は、クリッ
プ111と、テープ固定部114とが一体に形成された
ものである。そして、ワイヤハーネス130と共に、ク
ランプ101のテープ固定部114がテープ140によ
って巻付けられて、クランプ101はワイヤハーネス1
30に取付けられている。
【0005】また、図7に示されるクランプ201は、
基板部212に立設されたクリップ211と、基板部2
12に設けられたバンド取付部215とを備えるクラン
プ本体210と、ロック溝225が形成され前記バンド
取付部215と係止されるバンド220とを備えるもの
である。そして、ワイヤハーネス230にバンド220
が巻付けられ、このバンド220のロック溝225と、
バンド取付部215内に設けられた係止突起とが係り止
めされて、クランプ201はワイヤハーネス230に取
付けられている。
【0006】また、上記以外の周辺技術について見れ
ば、例えば、実開昭62−115722号公報、実開昭
62−125318号公報、実開昭63−133688
号公報が挙げられる。
【0007】実開昭62−115722号公報は、自動
車などの車体にワイヤハーネスを配策保持させる際に、
ワイヤハーネスが変形されることなく車体への取付けが
ワンタッチで行われるように簡便化されて、ワイヤハー
ネスの配策作業性が向上されたワイヤハーネス用取付具
について記載されている。
【0008】また、実開昭62−125318号公報
は、自動車のエンジンルーム内に配策されるハーネスな
どの線材を結束保持させ、所定のパネルに固定させるこ
とができる結束クリップに関し、別体成形の2部品から
なる結束クリップの改良に関するものについて記載され
ている。
【0009】また、実開昭63−133688号公報
は、自動車に配策されるワイヤハーネスを締結させるワ
イヤハーネス締付具に関するものが紹介され、帯状片を
係止爪および基板と別部材とし、帯状片が任意の長さに
切断されて使用可能とされたワイヤハーネス締付具につ
いて記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6に
示される上記従来のクランプ101にあっては、テープ
固定部114と、クリップ111とが一体に形成された
クランプ101を介して、ワイヤハーネス130が相手
取付体に組付けられてあるため、リサイクルを行うこと
を目的として、相手取付体からクランプ101を備える
ワイヤハーネス130が取外される際に、相手取付体の
固定孔から、ワイヤハーネス130と共にクランプ10
1に設けられたクリップ111を無理に引抜かなければ
ならず、このような取外し作業は非常に手間がかかり効
率の悪いものとされていた。
【0011】また、図6に示されるものでは、ワイヤハ
ーネス130と共に、クランプ101のテープ固定部1
14がテープ140によって巻付けられて、クランプ1
01がワイヤハーネス130に取付けられているため、
リサイクルを行うことを目的として、ワイヤハーネス1
30からクランプ101が取外される際に、両者を固定
するテープ140を取除く必要があり、このような取外
し作業は非常に煩雑であり効率の悪いものとされてい
た。
【0012】また、図7に示される上記従来のクランプ
201にあっては、ワイヤハーネス230にバンド22
0が巻付けられ、このバンド220のロック溝225
と、バンド取付部215内に設けられた係止突起とが係
り止めされて、クランプ201がワイヤハーネス230
に取付けられているため、リサイクルを行うことを目的
として、ワイヤハーネス230からクランプ201が取
外される際に、バンド取付部215に係止されたバンド
220は、このバンド取付部215から解除されなけれ
ばならない。
【0013】しかしながら、自動車内部の狭い部分にお
いて、バンド取付部215に確実に係止されたバンド2
20を、このバンド取付部215から取外すことは容易
でなく、専用の治具などが必要とされ、このようなこと
から、上と同じく、ワイヤハーネス230からクランプ
201が取外される作業は、非常に煩雑であり効率の悪
いものとされていた。
【0014】本発明は、上記した点に鑑み、車体などの
相手取付体に対し、ワイヤハーネスなどの線状体が、容
易で迅速に着脱可能とされるクランプおよびその取付構
造を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に係るクランプは、クランプ本体
と、該クランプ本体に取付けられる可撓性のバンドとを
備え、該バンドの一方の面に多数の微細な係止部が設け
られ、該係止部に対応して、該バンドの他方の面に多数
の微細な係合部が設けられたことを特徴とする。上記構
成により、クランプ本体にバンドが容易で迅速に取付け
られたり、クランプ本体からバンドが容易で迅速に取外
されたりされることとなる。従って、バンドを備えるク
ランプが容易で迅速に構成されることは無論のこと、ク
ランプ本体からバンドが容易に分離されることとなり、
これにより、取扱い性に優れ、しかもリサイクルが行わ
れ易いクランプが提供されることとなる。
【0016】請求項2に係るクランプは、請求項1に係
るクランプにおいて、前記クランプ本体に、前記バンド
が挿通されるバンド取付部が設けられたことを特徴とす
る。上記構成により、クランプ本体に設けられたバンド
取付部にバンドが挿通されるだけで、クランプ本体にバ
ンドが取付けられることとなる。従って、取扱い性に優
れ、しかもリサイクルが行われ易いクランプが構成され
ることとなる。
【0017】請求項3に係るクランプは、請求項1又は
2に係るクランプにおいて、前記係止部が、根元部と、
該根元部から立設された支柱部と、該支柱部に形成さ
れ、且つ、前記係合部と係止可能な頭部とを備えた係止
突起であり、該係合部が、根元部と、該頭部が挿通さ
れ、且つ、該根元部から先端部にかけて形成された空間
部と、該頭部と係合される該先端部とを備えた係合突起
であることを特徴とする。上記構成により、バンドの一
方の面と、バンドの他方の面とが互いに合せられるだけ
で、バンドの一方の面と他方の面とは、確実に係止され
た状態となる。しかも、バンドの一方の面と、バンドの
他方の面とが引き剥がされる方向に沿って引張られるだ
けで、バンドの一方の面と他方の面とが分離されること
となる。従って、取付作業性に優れ、しかも、分離され
易いことから、リサイクル作業が行われ易いクランプが
提供されることとなる。また、前記バンドは、繰返して
使用されることが可能なものであるから、リサイクルに
適したものといえる。
【0018】請求項4に係るクランプの取付構造は、線
状体と、該線状体に取付けられるクランプ本体と、該線
状体と該クランプ本体とを固定する可撓性のバンドとを
備え、該バンドの一方の面に多数の微細な係止部が設け
られ、該係止部に対応して、該バンドの他方の面に多数
の微細な係合部が設けられ、該クランプ本体に該バンド
が挿通されるバンド取付部が設けられ、該バンド取付部
に該バンドが引き通されると共に該バンドが該線状体に
巻付けられ、且つ、該一方の面と該他方の面とが合せら
れることで、該クランプ本体が該線状体に取付けられる
ことを特徴とする。上記構成により、線状体に対して、
クランプの着脱が容易で迅速に行われることとなる。ク
ランプ本体に設けられたバンド取付部にバンドが挿通さ
れ、このバンドが線状体に巻付けられ、バンドの一方の
面と、バンドの他方の面とが合せられるだけで、クラン
プは線状体に取付けられることとなる。また、クランプ
が線状体から取外される際は、前記手順と逆の操作が行
われることで、線状体からクランプが分離されることと
なる。従って、取付作業性に優れ、しかもリサイクルが
行われ易いクランプの取付構造が提供されることとな
る。
【0019】請求項5に係るクランプの取付構造は、請
求項4に係るクランプの取付構造において、前記クラン
プ本体に、開閉可能な一対の係止羽根を備えるクリップ
が設けられ、該クリップに対応して、前記線状体が組付
けられる相手取付体に貫通孔が設けられ、該クリップが
該貫通孔に挿入されて、該線状体が該相手取付体に装着
されることを特徴とする。上記構成により、相手取付体
に設けられた貫通孔に、開閉可能な一対の係止羽根を備
えるクリップが挿入されるだけで、クリップが設けられ
たクランプを備える線状体は、容易で迅速に相手取付体
に装着されることとなる。従って、取付作業性が向上さ
れたクランプの取付構造が構成されることとなる。
【0020】請求項6に係るクランプの取付構造は、請
求項5に係るクランプの取付構造において、前記線状体
として、複数の電線が集束されて構成されたワイヤハー
ネスが用いられ、前記相手取付体として、自動車に組付
けられるビームが用いられたことを特徴とする。上記構
成により、従来、自動車の組立作業や自動車が分解され
てリサイクルが行われる際に、自動車のビームに対し、
複数の電線が集束されて構成されたワイヤハーネスを着
脱するといった作業を行うことは、自動車という限られ
た空間内で作業が行われることから、比較的、手間や時
間がかかり効率的でなかったが、自動車に組付けられる
ビームや、この自動車に装着されるワイヤハーネスに本
発明が採用されると、自動車の組立作業もしくは分解作
業が容易となり、これに伴って、自動車に関する組立作
業もしくはリサイクル作業が迅速化されることとなる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係るクランプおよ
びその取付構造の一実施形態について、図1〜図5と共
に詳細に説明する。図1は、本発明に係るクランプおよ
びその取付構造の一実施形態を示す分解斜視図、図2
は、クランプ本体を示す斜視図、図3は、バンドを示す
斜視図である。
【0022】また、図4(a)は、第一の実施形態にお
けるバンドが係止される状態もしくはバンドの係止が解
除される状態を示す説明図、図4(b)は、第二の実施
形態におけるバンドが係止される状態もしくはバンドの
係止が解除される状態を示す説明図、図4(c)は、第
三の実施形態におけるバンドが係止される状態もしくは
バンドの係止が解除される状態を示す説明図である。
【0023】また、図5(a)は、クランプ本体が相手
取付体へ組付けられる前の状態を示す説明図、図5
(b)は、クランプ本体が相手取付体へ組付けられてい
る状態を示す説明図、図5(c)は、クランプ本体が相
手取付体へ組付けられた状態を示す説明図である。
【0024】次に、図1および図5を基に、クランプお
よびこれの取付構造に関する各方向について説明する。
クランプ本体10の基板部12を基準として、この基板
部12を形成する基板本体12aにクリップ11が立設
された方向を上側とし、基板本体12aからバンド取付
部15が形成された方向を下側とする。また、ワイヤハ
ーネス30などの線状体30が延長される長手方向、も
しくは、クランプ本体10を形成する基板本体12aの
両端側に突出して形成された一対のリブ13のうち、一
方のリブ13から他方のリブ13にかけて沿った方向を
左右方向もしくは左右幅方向とする。
【0025】なお、この明細書における「上下」、「左
右」の定義は便宜上のものであり、必ずしもクランプお
よびクランプの取付構造の実使用時の方向と一致するも
のではない。例えば自動車への線状体の配策部や線状体
の組立工程において、自動車に取付けられるワイヤハー
ネス30などの線状体30は自動車のあらゆる方向に配
策されている。本発明の目的が損なわれないのであれ
ば、本発明のクランプおよびクランプの取付構造は、い
かなる方向で固定されるものであっても何ら支障はな
い。
【0026】図1および図5に示されるクランプ1につ
いて説明する。このクランプ1は、クランプ本体10
と、バンド20とを備えるものである。ここでは、便宜
上、このようなものをクランプと呼び、クランプ本体1
0に設けられ、符号11で示される略傘形状をした係止
用突出部をクリップと呼ぶ。
【0027】クランプは、ワイヤハーネス30などの線
状体を自動車などの相手取付体に組付けるために使用さ
れる部品を指すものである。クランプとして、孔差込
み、ボルト締め、ブラケット差込み、フランジ差込み等
の各種のタイプが挙げられる。図1および図5の如く、
このクランプ1を構成するクランプ本体10は、略傘形
状をしたクリップ11を備える孔差込みタイプのもので
ある。
【0028】図1,図2,図5の如く、合成樹脂製のク
ランプ本体10は、基板部12と、この基板部12の上
側に立設された傘形状のクリップ11と、この基板部1
2の下側に形成されたバンド取付部15とを備えるもの
である。また、クランプ本体10の基板部12の上側に
立設された傘型のクリップ11は、矩形平板状をした基
板本体12aの平面部分略中央から上側に向けて略垂直
に伸ばされて設けられ、且つ、一対の係止羽根11eを
備えるものである。
【0029】図1および図5(c)の如く、本発明に係
るクランプの一実施形態は、クランプ本体10と、クラ
ンプ本体10に取付けられる可撓性のバンド20とを備
えるものである。そして、図1,図3,図4の如く、バ
ンド20の一方の面21に多数の微細な係止部22,2
3,24が一様に設けられ、この係止部22,23,2
4に対応して、バンド20の他方の面25に多数の微細
な係合部26,27,28が一様に設けられている。
【0030】このようなバンド20と、クランプ本体1
0とを備えるクランプ1が構成されてあれば、クランプ
本体10にバンド20が容易で迅速に取付けられたり、
クランプ本体10からバンド20が容易で迅速に取外さ
れたりされることとなる。従って、バンド20を備える
クランプ1が容易で迅速に構成されることは無論のこ
と、クランプ本体10からバンド20が容易に分離され
ることとなり、これにより、取扱い性に優れ、しかもリ
サイクルが行われ易いクランプ1が提供されることとな
る。
【0031】図1,図3〜図5に示されるバンド20に
ついて説明する。図3の如く、このバンド20は、一方
の面21と、他方の面25とを備える可撓性の帯状体で
あり、一端29aから他端29bにかけて長尺状に形成
されたものである。
【0032】図4の如く、このバンド20は、いわゆる
面ファスナとして形成されたものである。面ファスナも
しくは面状ファスナは、複数に分離されているものを結
合させるものとして用いられるものである。分離されて
いるものが簡単に結合可能とされるものであることか
ら、面ファスナは、衣類やバッグ類など多種多様な用途
に展開されて用いられている。面ファスナは、その名前
の通り「面」で開閉もしくは着脱されるものである。
【0033】一般に、面ファスナは、二つの織物もしく
は編物のテープから構成されるものであり、着脱可能な
多数の微細な植毛が備えられたものである。図3および
図4の如く、バンド20の一方の面21に多数の微細な
係止部22,23,24が一様に設けられ、この係止部
22,23,24に対応して、バンド20の他方の面2
5に多数の微細な係合部26,27,28が一様に設け
られている。
【0034】バンド20の表面状態について詳しく説明
すると、図4の如く、このような面ファスナは、一方の
面21が、多数の小さな係止突起22,23,24いわ
ゆる「鈎」で覆われたフック面21を備えるテープと、
他方の面25が、多数の小さな係合突起26,27,2
8いわゆる「輪」で覆われたループ面25を備えるテー
プとから構成されるものである。「ループ」とは、輪や
輪状のもの、もしくは環や環状のものをいう。図1,図
3〜図5に示されるバンド20は、これらの二つのテー
プが貼合せられるなどされて、一つのバンド20として
構成されたものである。
【0035】図4の如く、これらの二つの面が互いに接
触されることで、係止突起22,23,24と、係合突
起26,27,28とが掛り止めされ、これにより、二
つの面が係止された状態となる。これらの二つの面を分
離させる場合は、前記フック面21もしくは前記ループ
面25の何れか一方が、引離し方向に沿って引張られる
ことにより、係合突起26,27,28から、係止突起
22,23,24が外され、これにより、二つの面が引
き剥がされることとなる。
【0036】面ファスナとして各種形状のものが挙げら
れ、例えば、フック面の形状が異なるものであったり、
製造方法により区別されるものであったりして、それぞ
れの用途により使分けされている。フック面21に設け
られた係止突起の形状として、例えば、図4(a)また
は図4(c)に示される鈎状のものや、図4(b)に示
されるマッシュルーム状のものが挙げられる。また、製
造方法に関してみれば、織り上げられたり、編み上げら
れたりされて製造されるものや、射出成形、押出成形な
どにより製造されるものなどが挙げられる。
【0037】図4の如く、バンド20の一方の面21に
設けられた係止部22,23,24は、根元部22c,
23c,24cと、根元部22c,23c,24cから
立設された支柱部22b,23b,24bと、支柱部2
2b,23b,24bに形成され、且つ、バンド20の
他方の面25に設けられた係合突起26,27,28と
係止可能な頭部22a,23a,24aとを備える係止
突起22,23,24として形成されたものである。こ
のように、バンド20の一方の面21は、多数の微細な
係止突起22,23,24いわゆる「鈎」が設けられた
フック面21として形成されたものである。
【0038】また、バンド20の他方の面25に設けら
れた係合部26,27,28は、根元部26c,27
c,28cと、バンド20の一方の面21に設けられた
係止突起22,23,24の頭部22a,23a,24
aが挿通され、且つ、係合部26,27,28の根元部
26c,27c,28cから先端部26a,27a,2
8aにかけて形成された空間部26b,27b,28b
と、係止突起22,23,24の頭部22a,23a,
24aと係合される先端部26a,27a,28aとを
備える略輪形状をした係合突起26,27,28として
形成されたものである。このように、バンド20の他方
の面25は、多数の微細な係合突起26,27,28い
わゆる「輪」が設けられたループ面25として形成され
たものである。
【0039】図4(a)に示されるものは、第一の実施
形態として用いられたものである。このものは、基本タ
イプのものであり一般的に最も広い分野で用いられてい
るタイプのものである。バンド20の一方の面21に設
けられた一つの係止部22は、製造過程の当初の段階
で、係合部26に近似されたループ状のものとして形成
され、その後、係止部22に切欠部22dが設けられ
て、係止部22の頭部22aが引っ掛り易い折れ曲り形
状に形成されたものである。このようにして、係止部2
2は略逆J字状に形成されたものとなっている。すなわ
ち、係止部22は、略釣針状をした係止突起22として
形成されたものである。また、バンド20の他方の面2
5に設けられた一つの係合部26は、一つの略環状に形
成された輪として設けられたものである。
【0040】図4(b)に示されるものは、第二の実施
形態として用いられたものである。このものは、マッシ
ュルームタイプのものであり係止力が強いものである。
しかし、その係止力が強いことから繰返しの剥離には不
向きなものである。バンド20の一方の面21に設けら
れた一つの係止部23は、略真直に立設された支柱部2
3bの先端に、この支柱部23bの直径よりも大径の椀
を伏せたような頭部23aが形成されて、略マッシュル
ーム状に形成されたものである。また、バンド20の他
方の面25に設けられた一つの係合部27は、略環状に
形成された一対の輪として構成されたものである。
【0041】図4(c)に示されるものは、第三の実施
形態として用いられたものである。このものは、射出成
形タイプもしくは押出成形タイプのものであり、樹脂材
料が用いられて成形されたものである。このようなタイ
プのものは、自動車内の内貼りの締結物などに用いら
れ、工業的に広い分野や、その他の多くの分野で使用さ
れているものである。バンド20の一方の面21に設け
られた一つの係止部24は、頭部24aが引っ掛り易い
折れ曲り形状に形成されると共に、係止部24の根元部
24c周辺近傍に一対の補強部24dが設けられて、根
元部24cから折損され難い略逆J字状もしくは略釣針
状をした係止突起24として形成されたものである。ま
た、バンド20の他方の面25に設けられた一つの係合
部28は、略環状に形成された三つの輪がまとめられて
構成されたものである。
【0042】上述した如く、バンド20の一方の面21
に、多数の微細な係止突起22,23,24を備えるフ
ック面21が形成され、このフック面21に対応して、
バンド20の他方の面25に、多数の微細な係合突起2
6,27,28を備えるループ面25が形成されてあれ
ば、図1の如く、バンド20の一方の面21と、バンド
20の他方の面25とが互いに重ね合せられるだけで、
図4(a)〜図4(c)の如く、前記係止突起22,2
3,24と、前記係合突起26,27,28とが互いに
引っ掛り合うこととなる。従って、バンド20の一方の
面21と、バンド20の他方の面25とは、確実に係止
された状態となる。
【0043】しかも、バンド20の一方の面21と、バ
ンド20の他方の面25とが引き剥がされる方向に沿っ
て引張られるだけで、バンド20の一方の面21と他方
の面25とが分離されることとなる。従って、取付作業
性に優れ、しかも、分離され易いことから、リサイクル
作業が行われ易いクランプ1およびクランプ1の取付構
造が提供されることとなる。また、このようなバンド2
0は、繰返して使用されることが可能なものであるか
ら、リサイクルに適したものといえる。
【0044】これらの面ファスナもしくは面状ファスナ
は、マジックバンドまたはマジックテープ(登録商標)
として上市されたものであり、その耐久性や接着性、取
付加工や取付作業などが行われ易いことなどから、各分
野で広く使用されているものである。
【0045】また、図1,図2,図5の如く、クランプ
本体10を形成する基板本体12aの下側に、バンド2
0(図1,図5)が挿通されるバンド取付部15が設け
られている。図2および図5(a)の如く、このバンド
取付部15は、クランプ本体10を形成する基板本体1
2aの左右両側の下部から、一対の支持部15bが垂設
され、この支持部15bから折れ曲り部15dを経て、
連結部15cへと延長されて、挿通部15aを備えるも
のとして形成されたものである。
【0046】このように、バンド取付部15の挿通部1
5aは、基板本体12aと、一対の支持部15bと、一
対の支持部15bに続く連結部15cとで囲まれて形成
されたものであり、このような挿通部15aは、バンド
が引き通される略矩形状をした挿通空間を備えるもので
ある。
【0047】このような形状をしたバンド取付部15
が、クランプ本体10を形成する基板部12の下側に形
成されてあれば、クランプ本体10に設けられたバンド
取付部15にバンド20が挿通されるだけで、クランプ
本体10にバンド20(図1,図5)を取付けることが
できる。従って、取扱い性に優れ、しかもリサイクルが
行われ易いクランプ1(図1,図5)が構成されること
となる。
【0048】クランプ本体10およびバンド20を備え
るクランプ1の保管方法の一例について説明する。図1
および図5(c)の如く、クランプ本体10に設けられ
たバンド取付部15にバンド20を挿通させる。その
後、図1の如く、バンド20の一端29a側のフック面
21と、バンド20の他端29b側のループ面25とを
互いに重ね合せる。
【0049】これにより、図4の如く、バンド20の一
方の面21に設けられた係止突起22,23,24と、
バンド20の他方の面25に設けられた係合突起26,
27,28とが互いに引っ掛り合うこととなり、クラン
プ本体10にバンド20が取付けられた状態となる。
【0050】このようにして、クランプ本体10および
バンド20を備えるクランプ1が、仮組付けされた状態
で保管されてあれば、クランプ本体10と、バンド20
とが不用意に分離されることはない。従って、クランプ
本体10もしくはバンド20のうち、何れか一方のもの
が見失われてしまうといった不具合の発生は未然に防止
されることとなる。
【0051】図1および図5に示されるワイヤハーネス
30について説明する。この明細書において、ハーネス
化されたものとは、複数の電線31などの線状体もしく
は長尺物が、集束テープ35または可撓性を有する防水
用チューブなどによって、一つになるように束ねられた
ものをいう。
【0052】また、この明細書でいう電線とは、絶縁被
覆体やエナメル材などで保護された導体や、導体だけで
他に被覆されていない状態のものを含め、これらを総称
して指す。電線31として使用されるケーブルについて
簡単に説明すると、ケーブルは芯線とも呼ばれ、図1お
よび図5の如く、絶縁被覆体33やエナメル材などで保
護された1本の導体32、又は、絶縁被覆体33やエナ
メル材などで保護された複数の導体32から構成される
ものである。
【0053】ワイヤハーネスとは、これが取付けられる
自動車の種類、形式、グレードなどに応じ、自動車メー
カの組立てラインすなわち流れ作業ラインにおいて、電
線などの組付けが簡単にできて便利であるようにするた
めに、予め電線メーカで電線などの配線類が一つにまと
められた組電線もしくは組配線のものをいう。一般に、
ワイヤハーネスを構成する電線の末端部に、コネクタな
どの電気接続用部品が取付けられている。自動車用電線
は、その殆どがハーネス化されている。
【0054】電線31が束ねられて構成されたワイヤハ
ーネス30は、自動車の形状に合せられるようにして、
必要な部分が折曲げられて自動車の所定の部に取付けら
れる。このようにして自動車の各種電気関連装置間が通
電可能に接続される。なお、必要に応じて他の電気回路
なども併せて接続できるようにするためのダミー線や、
アースとしての機能を果すドレイン線などが、ワイヤハ
ーネスに備えられてあってもよい。
【0055】図1および図5に示されるワイヤハーネス
30のほかに、例えば、フラット電線からなる回路体、
丸導体のリボン電線からなる回路体、フレキシブルプリ
ント回路体(FPCと略称する)、フレキシブルフラッ
ト回路体(FFCと略称する)などが、ワイヤハーネス
として用いられてもよい。
【0056】また、複数のケーブルが束ねられてハーネ
ス化されたもの以外に、例えば電線と光ファイバとが複
合化されてハーネス化されたものであったり、さらに光
ファイバが束ねられて構成されたものであったり、ワイ
ヤハーネスの付加部品であるオプションハーネスや、ウ
ォッシャホース等のホース・チューブ類、オープナケー
ブルなどといった線状体であってもよく、ハーネス化さ
れたものとして、あらゆる形態の線状体が使用されても
何ら問題はない。また、必要に応じて、ワイヤハーネス
などの線状体に、グロメット、プロテクタなどの他の付
加部品が取付けられたものであってもよい。
【0057】図1および図5(c)の如く、本発明に係
るクランプの取付構造の一実施形態は、ワイヤハーネス
30と、ワイヤハーネス30に取付けられるクランプ本
体10と、ワイヤハーネス30とクランプ本体10とを
固定する可撓性のバンド20とを備えるものである。
【0058】また、図1,図3,図4の如く、バンド2
0の一方の面21に多数の微細な前記係止部22,2
3,24が一様に設けられ、この係止突起22,23,
24に対応して、バンド20の他方の面25に、多数の
微細な前記係合突起26,27,28が一様に設けられ
ている。また、図1,図2,図5の如く、クランプ本体
10にバンド20が挿通されるバンド取付部15が設け
られている。
【0059】そして、図1および図5の如く、クランプ
本体10に設けられたバンド取付部15にバンド20が
引き通される。これと共に、図1の如く、このバンド2
0のループ面25が内周面となるように、バンド20が
ワイヤハーネス30の外周部分に巻付けられる。
【0060】このようにして、バンド20がワイヤハー
ネス30に巻付けられることにより、バンド20による
ワイヤハーネス30の外周面の損傷は、少しでも抑えら
れるものと期待される。なお、特に問題がないのであれ
ば、バンド20のフック面21が内周面となるように、
バンド20がワイヤハーネス30の外周部分に巻付けら
れてもよい。
【0061】図1の如く、バンド20のループ面25が
内周面側となるようにして、バンド20がワイヤハーネ
ス30の外周部分に巻付けられた後に、バンド20の一
端29a側の一方の面21と、バンド20の他端29b
側の他方の面25とが互いに重ね合されることで、図4
の如く、バンド20の一方の面21に設けられた係止突
起22,23,24と、バンド20の他方の面25に設
けられた係合突起26,27,28とが互いに引っ掛り
合うこととなる。これにより、図1の如く、クランプ本
体10はワイヤハーネス30に確実に取付けられる。
【0062】このようにして、クランプ本体10がワイ
ヤハーネス30に取付けられてあれば、ワイヤハーネス
30に対して、クランプ1の着脱は容易で迅速に行うこ
とができることとなる。クランプ本体10に設けられた
バンド取付部15にバンド20が挿通され、このバンド
20がワイヤハーネス30に巻付けられ、バンド20の
一端29a側の一方の面21と、バンド20の他端29
b側の他方の面25とが、互いに重ね合せられるだけ
で、クランプ1はワイヤハーネス30に確実に取付けら
れることとなる。
【0063】また、ワイヤハーネス30などの線状体の
径寸法やサイズに関係なく、細いサイズから太いサイズ
の線状体や、複数の線状体などが、容易に自動車のビー
ム50に配策できることとなる。「ビーム」とは、細長
い形のもので幾つかの点で支えられ、曲げの力が加えら
れる部材のものをいう。
【0064】さらに、クランプ1がワイヤハーネス30
から取外される際は、前記取付手順と逆の操作が行われ
ることで、クランプ1はワイヤハーネス30から容易に
分離されることとなる。従って、取付作業性に優れ、し
かもリサイクルが行われ易いクランプ1の取付構造が提
供されることとなる。
【0065】図1,図2,図5に示されるクランプ本体
10に設けられたクリップ11の形状や、その着脱動作
について詳しく説明する。図示された如く、クランプ本
体10を形成する基板部12上側の左右略中心部に、相
手取付体50の貫通孔51(図1,図5)に対応したク
リップ11が設けられている。
【0066】クリップ11について詳しく説明すると、
図2および図5(a)の如く、このクリップ11は、ク
ランプ本体10を形成する基板本体12aの上側略中心
部に根元部11aが形成され、この根元部11aから上
側に向けて支持部11bが立設され、この支持部11b
は、クリップ11の先端部11cまで延長形成されると
共に、この先端部11c近傍から斜め下側に向けて、一
対の係止羽根11eが形成されたものである。
【0067】図1,図2,図5の如く、クリップ11の
支持部11bは略直方体の形状をしたものである。この
略直方体をしたクリップ11の支持部11bは、この支
持部11bの下部近傍の途中から一対の傾斜段部が設け
られて前記直方体が狭められ、さらに、前記傾斜段部か
ら球状面に近似した曲面部が形成されて、クリップ11
の先端部11cへと続いている。
【0068】図5の如く、クランプ本体10に設けられ
たクリップ11が、容易に相手取付体50の貫通孔51
へ挿入されるために、図2および図5に示される如く、
クリップ11の先端部11cは、球状面に近似した曲面
部として形成され、この曲面部は、一対の係止羽根11
eの外面部を形成しつつ、この一対の係止羽根11eの
終端部へ続くようにして形成されている。
【0069】また、図5の如く、クリップ11が相手取
付体50の貫通孔51へ差込まれる際や、クリップ11
が相手取付体50の貫通孔51へ差込まれた後に、クリ
ップ11の根元部11aに応力集中が生じ、このことか
ら、クランプ本体10のクリップ11に折損などの不具
合が発生されることを回避させるために、クリップ11
の支持部11bの根元部11aに曲面からなる肉盛り部
が設けられている。また、同様な理由から、クリップ1
1の支持部11bの先端部11cから左右両側へ延びる
一対の係止羽根11eの付根部11d内側にも、曲面か
らなる肉盛り部が設けられている。
【0070】図5の如く、この一対の係止羽根11e
は、クリップ11の先端部11c近傍の付根部11dを
中心として、支持部11bに向けて閉じ方向に可動され
るものであり、しかも、支持部11bから外側に向けて
開き方向に復元されるものである。図2および図5
(a)の如く、この係止羽根11eは、着座部11fを
備え、係止羽根11eの斜め下側終端部に係止片11g
が形成されたものである。
【0071】図5(a)の如く、クリップ11の係止羽
根11eの斜め下側終端部に設けられた係止片11g
は、このクリップ11の一対の係止羽根11eが開き状
態である場合において、クリップ11の支持部11bと
略平行となるように、係止羽根11eの斜め下側終端部
から平板形状をした基板部12に向けて突出されてい
る。
【0072】このようにすることで、クランプ本体10
に設けられたクリップ11は、確実に相手取付体50の
貫通孔51に係止されることとなる。図5(c)の如
く、一対の係止羽根11eに設けられた着座部11fお
よび係止片11gは、これらを備えるクリップ11が、
相手取付体50の貫通孔51から容易に抜出されないた
めの働きをするものである。
【0073】このように、クリップ11は、支持部11
bの先端部11c近傍に、開閉可能な一対の係止羽根1
1eを備える傘形状をしたものである。そして、このよ
うな一対の係止羽根11eを備えた略傘形状のクリップ
11は、これが自動車のビーム50などの相手取付体5
0に設けられた貫通孔51に挿入されて、クリップ11
を備えるクランプ本体10と、自動車のビーム50など
の相手取付体50とが固定される際に重要な役割をする
ものである。
【0074】図1,図2,図5の如く、クランプ本体1
0に、開閉可能な一対の係止羽根11eを備えるクリッ
プ11が設けられている。また、このクリップ11に対
応して、図1および図5の如く、ワイヤハーネス30が
組付けられる自動車のビーム50に貫通孔51が設けら
れている。そして、クランプ本体10に設けられたクリ
ップ11が、自動車のビーム50に設けられた貫通孔5
1の内部に挿入されて、ワイヤハーネス30は自動車の
ビーム50に装着される。
【0075】このようにすれば、自動車のビーム50に
設けられた貫通孔51の内部に、開閉可能な一対の係止
羽根11eを備えるクリップ11が挿入されるだけで、
クリップ11が設けられたクランプ1を備えるワイヤハ
ーネス30は、容易で迅速に自動車のビーム50に装着
されることとなる。従って、取付作業性が向上されたク
ランプ1の取付構造が構成されることとなる。
【0076】図5(a)に示されるクランプ本体10に
設けられたクリップ11が、上向きの矢印方向に沿って
押圧されることで、図5(c)の如く、クリップ11は
自動車のビーム50の貫通孔51に完全に嵌合される。
これに伴って、クリップ11を備えるクランプ本体10
は、確実に自動車のビーム50に取付けられる。
【0077】クランプ本体10に設けられたクリップ1
1が、ビーム50の貫通孔51に嵌合される過程におい
て、図5(b)の如く、クリップ11の係止羽根11e
を備える傘部は閉じ方向に弾性変形される。その際に、
図5(b)の状態においてクリップ11を上側から眺め
ると、支持部11bと一対の係止羽根11eに設けられ
た曲面部の稜線は、略真円状となるように形成されてい
る。
【0078】その後、図5(c)の如く、クランプ本体
10に設けられたクリップ11は、略元の姿勢の状態に
弾性復帰される。クリップ11に備えられた一対の係止
羽根11eの着座部11fが、ビーム50の貫通孔51
を乗越え、ビーム50の内面50b側であって、且つ、
ビーム50の貫通孔51の周縁部に当接される。これと
共に、ビーム50の内面50b側であって、且つ、貫通
孔51の内周面51aの周縁部に、一対の係止羽根11
eの斜め下側終端部に設けられた係止片11gが当接さ
れる。
【0079】その際に、クランプ本体10の基板部12
の左右両側に備えられた一対のリブ13の当接面13a
が、自動車に組付けられたビーム50の外面50aに突
き当てられる。これにより、クランプ本体10は、クリ
ップ11に備えられた一対の係止羽根11eの着座部1
1fと、基板部12の左右両側に備えられた一対のリブ
13とによって、自動車のビーム50に固定されること
となる。
【0080】このようにして、クランプ1を構成するク
ランプ本体10が、自動車に組付けられたビーム50に
固定されてあれば、自動車のビーム50に対して、クラ
ンプ本体10はガタつくことなく確実に取付けられ、し
かも、ワイヤハーネス30に取付けられたクランプ1
が、自動車に組付けられたビーム50から不用意に外れ
てしまうということもなく、クランプ1を構成するクラ
ンプ本体10は、確実にビーム50に保持されることと
なる。
【0081】また、クランプ1を構成するクランプ本体
10が、リサイクルなどの目的により、自動車に組付け
られたビーム50などの相手取付体50から容易で迅速
に取外されるために、クランプ本体に解除機構などの付
加機構(図示せず)が設けられてもよい。本発明の目的
が損なわれないものであれば、本発明のクランプおよび
クランプの取付構造に、あらゆる形態の係止・係合手段
が併用されても何ら支障はない。
【0082】本発明のクランプの取付構造として、例え
ば、自動車の天井周辺部、クラスタなどのインストルメ
ントパネル周辺部、通常のドア、スライドドア、リヤ用
ドア、ドアトリムなどのドア周辺部、ガーニッシュ周辺
部、リヤパッケージトレイ周辺部のほか、エンジンルー
ム内、トランクルーム内などに適用されてもよく、また
自動車以外に各種電機製品などに使用されることも可能
である。このように、本発明のクランプの取付構造は、
あらゆる用途もしくはあらゆる箇所に適用可能とされる
ものである。
【0083】図1および図5の如く、この発明の一実施
形態においては、線状体30として、複数の電線31が
集束されて構成されたワイヤハーネス30が用いられて
いる。また、相手取付体50として、自動車に組付けら
れるアルミニウム合金製のビーム50が取付母材として
用いられている。
【0084】従来、自動車の組立作業や自動車が分解さ
れてリサイクルが行われる際に、自動車のビーム50対
し、複数の電線が集束されて構成されたワイヤハーネス
130(図6),230(図7)を着脱するといった作
業を行うことは、自動車という限られた空間内で作業が
行われることから、比較的、手間や時間がかかり効率的
でなかった。
【0085】しかしながら、図1および図5の如く、自
動車に組付けられるビーム50や、この自動車に装着さ
れるワイヤハーネス30に本発明が採用されると、自動
車の組立作業もしくは分解作業が容易となり、これに伴
って、自動車に関する組立作業もしくはリサイクル作業
が迅速化されることとなる。また、自動車の組立作業も
しくは分解作業が迅速化されることにより、人件費、管
理費などが削減され、結果として自動車の価格が低減化
されることとなる。
【0086】
【発明の効果】以上の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、クランプ本体にバンドが容易で迅速に取付けられた
り、クランプ本体からバンドが容易で迅速に取外された
りされることとなる。従って、バンドを備えるクランプ
が容易で迅速に構成されることは無論のこと、クランプ
本体からバンドが容易に分離されることとなり、これに
より、取扱い性に優れ、しかもリサイクルが行われ易い
クランプを提供することができる。
【0087】請求項2記載の発明によれば、クランプ本
体に設けられたバンド取付部にバンドが挿通されるだけ
で、クランプ本体にバンドが取付けられることとなる。
従って、取扱い性に優れ、しかもリサイクルが行われ易
いクランプを構成することができる。
【0088】請求項3記載の発明によれば、バンドの一
方の面と、バンドの他方の面とが互いに合せられるだけ
で、バンドの一方の面と他方の面とは、確実に係止され
た状態となる。しかも、バンドの一方の面と、バンドの
他方の面とが引き剥がされる方向に沿って引張られるだ
けで、バンドの一方の面と他方の面とが分離されること
となる。従って、取付作業性に優れ、しかも、分離され
易いことから、リサイクル作業が行われ易いクランプを
提供することができる。また、前記バンドは、繰返して
使用されることが可能なものであるから、リサイクルに
適したものである。
【0089】請求項4記載の発明によれば、線状体に対
して、クランプの着脱が容易で迅速に行われることとな
る。クランプ本体に設けられたバンド取付部にバンドが
挿通され、このバンドが線状体に巻付けられ、バンドの
一方の面と、バンドの他方の面とが合せられるだけで、
クランプは線状体に取付けられることとなる。また、ク
ランプが線状体から取外される際は、前記手順と逆の操
作が行われることで、線状体からクランプが分離される
こととなる。従って、取付作業性に優れ、しかもリサイ
クルが行われ易いクランプの取付構造を提供することが
できる。
【0090】請求項5記載の発明によれば、相手取付体
に設けられた貫通孔に、開閉可能な一対の係止羽根を備
えるクリップが挿入されるだけで、クリップが設けられ
たクランプを備える線状体は、容易で迅速に相手取付体
に装着されることとなる。従って、取付作業性が向上さ
れたクランプの取付構造を構成することができる。
【0091】請求項6記載の発明によれば、従来、自動
車の組立作業や自動車が分解されてリサイクルが行われ
る際に、自動車のビームに対し、複数の電線が集束され
て構成されたワイヤハーネスを着脱するといった作業を
行うことは、自動車という限られた空間内で作業が行わ
れることから、比較的、手間や時間がかかり効率的でな
かったが、自動車に組付けられるビームや、この自動車
に装着されるワイヤハーネスに本発明が採用されると、
自動車の組立作業もしくは分解作業が容易となり、これ
に伴って、自動車に関する組立作業もしくはリサイクル
作業の迅速化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクランプおよびその取付構造の一
実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】クランプ本体を示す斜視図である。
【図3】バンドを示す斜視図である。
【図4】(a)は第一の実施形態におけるバンドが係止
される状態もしくはバンドの係止が解除される状態を示
す説明図、(b)は第二の実施形態におけるバンドが係
止される状態もしくはバンドの係止が解除される状態を
示す説明図、(c)は第三の実施形態におけるバンドが
係止される状態もしくはバンドの係止が解除される状態
を示す説明図である。
【図5】(a)はクランプ本体が相手取付体へ組付けら
れる前の状態を示す説明図、(b)はクランプ本体が相
手取付体へ組付けられている状態を示す説明図、(c)
はクランプ本体が相手取付体へ組付けられた状態を示す
説明図である。
【図6】従来のクランプがワイヤハーネスに取付けられ
た状態を示す斜視図である。
【図7】従来の他のクランプがワイヤハーネスに取付け
られた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 クランプ 10 クランプ本体 11 クリップ 11a 根元部 11b 支持部 11c 先端部 11d 付根部 11e 係止羽根 11f 着座部 11g 係止片 12 基板部 12a 基板本体 13 リブ 13a 当接面 15 バンド取付部 15a 挿通部 15b 支持部 15c 連結部 15d 折れ曲り部 20 バンド 21 フック面(一方の面) 22,23,24 係止突起(係止部) 22a,23a,24a 頭部 22b,23b,24b 支柱部 22c,23c,24c 根元部 22d 切欠部 24d 補強部 25 ループ面(他方の面) 26,27,28 係合突起(係合部) 26a,27a,28a 先端部 26b,27b,28b 空間部 26c,27c,28c 根元部 29a 一端 29b 他端 30 ワイヤハーネス(線状体) 31 電線 32 導体 33 絶縁被覆体 35 集束テープ 50 ビーム(相手取付体) 50a 外面 50b 内面 51 貫通孔 51a 内周面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16L 3/137 H02G 3/28 F H02G 3/38 F16L 3/12 E Fターム(参考) 3H023 AA04 AB01 AC21 AD08 AD31 AD54 AE08 3J022 DA11 EA32 EA42 EB14 EC14 EC22 FB07 GA04 GB43 GB45 3J036 AA03 DA06 DB06 5G363 AA16 BA02 DA13 DA16 DC02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランプ本体と、該クランプ本体に取付
    けられる可撓性のバンドとを備え、該バンドの一方の面
    に多数の微細な係止部が設けられ、該係止部に対応し
    て、該バンドの他方の面に多数の微細な係合部が設けら
    れたことを特徴とするクランプ。
  2. 【請求項2】 前記クランプ本体に、前記バンドが挿通
    されるバンド取付部が設けられたことを特徴とする請求
    項1記載のクランプ。
  3. 【請求項3】 前記係止部が、根元部と、該根元部から
    立設された支柱部と、該支柱部に形成され、且つ、前記
    係合部と係止可能な頭部とを備えた係止突起であり、該
    係合部が、根元部と、該頭部が挿通され、且つ、該根元
    部から先端部にかけて形成された空間部と、該頭部と係
    合される該先端部とを備えた係合突起であることを特徴
    とする請求項1又は2記載のクランプ。
  4. 【請求項4】 線状体と、該線状体に取付けられるクラ
    ンプ本体と、該線状体と該クランプ本体とを固定する可
    撓性のバンドとを備え、該バンドの一方の面に多数の微
    細な係止部が設けられ、該係止部に対応して、該バンド
    の他方の面に多数の微細な係合部が設けられ、該クラン
    プ本体に該バンドが挿通されるバンド取付部が設けら
    れ、該バンド取付部に該バンドが引き通されると共に該
    バンドが該線状体に巻付けられ、且つ、該一方の面と該
    他方の面とが合せられることで、該クランプ本体が該線
    状体に取付けられることを特徴とするクランプの取付構
    造。
  5. 【請求項5】 前記クランプ本体に、開閉可能な一対の
    係止羽根を備えるクリップが設けられ、該クリップに対
    応して、前記線状体が組付けられる相手取付体に貫通孔
    が設けられ、該クリップが該貫通孔に挿入されて、該線
    状体が該相手取付体に装着されることを特徴とする請求
    項4記載のクランプの取付構造。
  6. 【請求項6】 前記線状体として、複数の電線が集束さ
    れて構成されたワイヤハーネスが用いられ、前記相手取
    付体として、自動車に組付けられるビームが用いられた
    ことを特徴とする請求項5記載のクランプの取付構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004360815A (ja) * 2003-06-05 2004-12-24 Tosetz Co Ltd 防火区画貫通部措置具
JP2007260047A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Samii Kk 遊技機
EP2908039A1 (de) * 2014-02-12 2015-08-19 HEBOTEC GmbH Befestigungssystem
CN113811710A (zh) * 2019-05-11 2021-12-17 格里普利有限公司 连接装置

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