JP2003132532A - 軟磁性膜の形成方法 - Google Patents

軟磁性膜の形成方法

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JP2003132532A JP2001323947A JP2001323947A JP2003132532A JP 2003132532 A JP2003132532 A JP 2003132532A JP 2001323947 A JP2001323947 A JP 2001323947A JP 2001323947 A JP2001323947 A JP 2001323947A JP 2003132532 A JP2003132532 A JP 2003132532A
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浩康 川野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、軟磁性膜の形成方法に関し、基
板上の位置により軟磁性的性質のばらつきが少ない、耐
熱性に優れた軟磁性膜を形成することを課題とする。 【解決手段】 軟磁性膜が、水素とメタロイド元素とが
化合された気体材料を含むスパッタガスを用いて、強磁
性を示す材料をスパッタリングすることにより形成され
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、軟磁性膜の形成
方法に関し、特に、磁気記録媒体の裏打ち層として用い
られる軟磁性膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、FeNi系合金(パーマロ
イ)やFeAlSi系合金(センダスト)などの軟磁性
膜は、磁気記録ヘッド用材料として用いられている。ま
た、近年では、垂直磁気記録媒体において、高密度かつ
高効率で記録再生するために、基板と磁性記録膜との間
に、裏打ち層としての軟磁性膜を設けることが提案され
ている(特開平6−76202号公報)。
【0003】軟磁性膜としては、次のものが知られてい
る。 (1)真空製膜や電気メッキで形成されるFeNi系合
金 (2)真空製膜で形成されるFeAlSi系合金 (3)強磁性体(鉄、ニッケルまたはコバルト)に、炭
素(C)、珪素(Si)、硼素(B)、窒素(N)及び
燐(P)に代表される「メタロイド元素」を添加した鉄
族元素基微結晶構造からなる軟磁性膜、 (4)FeAlOのようなグラニュラ構造からなる軟磁
性膜、 (5)Fe/CあるいはFe/SiO2のような積層構
造からなる軟磁性膜。
【0004】これらの軟磁性膜を磁気記録媒体に用いた
場合、軟磁性膜は次のようなことが、必須性能として要
求される。 (i)高い透磁率を有すること。 (ii)小さい保磁力を有すること。 (iii)軟磁性膜自体に起因するノイズ(特に、媒体ノ
イズ、スパイクノイズ)が小さいこと。 (iv)加工フ゜ロセスで軟磁性的な性質が変化しないような
耐熱性を有すること。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の軟磁
性膜のうち、鉄族元素(たとえばFe)と、メタロイド
元素(たとえばC)から構成される軟磁性膜は、Feタ
ーゲットと固体のCターゲットを用いたスパッタリング
により形成されていたが、次のような問題があった。 (a)同一基板の位置によって、媒体ノイズやスパイク
ノイズの値が異なるので、性能の均一化が図れない。 (b)保磁力が小さくなりきらないので、十分に軟磁性
的な性質が得られない。 (c)軟磁性膜を形成した後に、後工程において熱が印
加されると保磁力が大きくなってしまい、一旦形成され
た軟磁性的な性質が損なわれる。
【0006】これらの問題は、主として次のような因子
によるものと考えられる。 (a)固体ターゲット材料 強磁性体からなるターゲットおよび固体状のメタロイド
元素からなるターゲットを用いたコスパッタ製膜や、強
磁性体とメタロイド元素からなる化合物ターゲットを用
いたスパッタ製膜等、メタロイド元素成分の供給源とし
て固体材料を用いているので、軟磁性膜の中に取り込ま
れ分散されるメタロイド元素成分の濃度分布にムラ(不
均一)が生じ易く、この不均一性によりノイズ値の場所
による変化が引き起こされる。 (b)元素の分布状態 軟磁性膜内部でのメタロイド元素の分布状態によって
は、磁性体粒子同士の磁気的な相互作用を充分に小さく
することができず、結果として、保磁力が数Oe以上も
あるような半硬磁性的な性質を示す。 (c)加熱による炭素の固溶化 強磁性体と炭素からなる軟磁性膜は、加熱されると、分
散して存在していた炭素が強磁性体材料に固溶し易く、
結果として、微細な強磁性体粒子同士が結合して粗大な
結晶粒を形成するため、磁性体粒子同士の磁気的な相互
作用が増して軟磁性的な性質が損なわれる。
【0007】そこで、この発明は、以上のような事情を
考慮してなされたものであり、水素と化合したメタロイ
ド元素を含む気体材料を用いて、軟磁性的な性質が均一
化された軟磁性膜を形成することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、軟磁性膜
が、水素とメタロイド元素とが化合された気体材料を含
むスパッタガスを用いて、強磁性を示す材料をスパッタ
リングすることにより形成されることを特徴とする軟磁
性膜の形成方法を提供するものである。この発明によれ
ば、位置により軟磁性的な性質のばらつきが少ない均一
化された軟磁性膜を形成することができる。
【0009】ここで、より均一化された膜を形成するた
めに、前記気体材料は、鎖式炭化水素、たとえばメタン
系炭化水素Cn2n+2(n≧1)を用いることが好まし
い。また、気体材料としては、エチレン系炭化水素(C
n2n:n≧2)、アセチレン系炭化水素(Cn2n-2
n≧2)などの鎖式炭化水素ガスや、鎖式水素化珪素ガ
ス(Sin2n+2:n≧1)を用いることができる。
【0010】また、前記スパッタガスを導入するととも
に、軟磁性膜を形成する基板を所定の位置に配置した真
空製膜容器に、加熱部材またはマイクロ波導入部材を取
り付け、これらの部材が、前記基板の近傍に導入された
スパッタガスをエネルギ活性化させ、前記強磁性を示す
材料とメタロイド元素とを基板上に堆積させるようにす
ることが好ましい。これにより耐熱性に優れた軟磁性膜
を形成することができる。ここで、エネルギ活性化と
は、スパッタガスに含まれる気体材料を加熱やマイクロ
波照射により励起状態にすることをいう。たとえば気体
材料に含まれるメタロイド元素が炭素成分である場合に
は、基板上への堆積時にダイヤモンド化またはダイヤモ
ンドライクカーボン(DLC)化することをいう。
【0011】加熱部材としては、たとえば熱フィラメン
トを用いることができ、軟磁性膜が形成される基板の近
傍に配置すればよい。また、2.45GHzマイクロ波
を発生する装置を真空製膜容器に取り付け、基板近傍に
このマイクロ波を導入してもよい。この熱フィラメント
の加熱やマイクロ波の照射により、基板近傍のガスがエ
ネルギ活性化され、軟磁性的性質に加えて、より耐熱性
に優れた軟磁性膜を形成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に示す実施の形態に基
づいてこの発明を詳述する。なお、これによってこの発
明が限定されるものではない。図1に、この発明の軟磁
性膜の形成装置の概略構成図を示す。この装置は、一般
的なマグネトロンスパッタ製膜装置とほぼ同じ構成を持
つ。
【0013】図1において、真空製膜容器1には、スパ
ッタガス(たとえば、アルゴンガス(Ar))の導入口
4と、鎖式炭化水素ガスの導入口5と、これらのガスを
外部へ排気する排気口6とが設けられている。また、軟
磁性膜を形成する基板2(たとえば、ガラス、シリコ
ン、アルミ合金などの材料)と、鉄ターゲット3(F
e)とが、対向させられて所定の距離(たとえば50〜
100mm)だけ離れて配置される。基板2は接地さ
れ、Feターゲット3には所定の電圧が印加される。
【0014】基板2とFeターゲット3との間の空間
に、Arガスと炭化水素ガスが導入され、この空間がプ
ラズマ状態となって、スパッタによってFeターゲット
から放出されたFe成分と炭化水素ガスとが活性化さ
れ、基板2の表面上に堆積されて軟磁性膜7が形成され
る。
【0015】<実施例1>図1の装置を用いて軟磁性膜
を形成するが、鉄ターゲット3として、純度99.95
%程度の鉄ターゲットを用い、スパッタガス材料として
アルゴンを用い、メタロイド元素として炭素(C)を用
い、この炭素と水素を化合した気体材料として炭化水素
(CH4)を用いるものとする。ただし、ターゲットと
しては鉄のほか、コバルト、ニッケルその他の強磁性元
素のターゲットを用いてもよい。スパッタガス材料とし
ては、クリプトンなどの不活性ガスを用いてもよい。
【0016】また、Feターゲット3に印加する投入電
力は、1.0kW程度の直流電力を用いるものとする。
ただし、一般的に用いられている13.56MHzの商
用高周波電界を印加してもよい。真空製膜容器内の真空
度を1×10-5Pa程度、炭化水素を含むArスパッタ
ガスのガス圧を0.5Pa程度とする。また、炭化水素
の流量をアルゴンの流量の30〜70%程度とし、好ま
しくは50%程度とする。たとえば、アルゴンの流量を
50sccm、炭化水素の流量を25sccmとする。
さらに、Feターゲットのスパッタレートは20〜30
nm/min程度で、基板2の回転速度を50〜100
回/分程度とする。
【0017】以上のような条件下で、アルゴン+炭化水
素のスパッタガスは、基板2及びFeターゲット3の近
傍でプラズマ化され、炭化水素は励起活性化されて炭素
成分と水素成分に解離される。また、励起活性化された
アルゴン分子によりスパッタされた鉄粒子が基板2上に
堆積すると共に、励起活性化された炭素成分も基板2上
に堆積する。
【0018】ここで、炭化水素は気体として供給される
ので、解離された炭素成分は、プラズマ内部でほぼ均一
な濃度分布で存在すると考えられ、基板上に堆積する際
にも局所的な偏りがなく均一に分布して堆積する。すな
わち、固体の炭素ターゲットを用いた場合よりも、堆積
する炭素成分の局所的な偏りはきわめて小さいと考えら
れるので、より軟磁性的な性質の均一化された軟磁性膜
が形成できる。
【0019】図2に、軟磁性膜を従来のように固体炭素
ターゲットを使用して形成した場合と、この発明の炭化
水素ガスを使用して形成した場合の磁気記録媒体の磁気
特性の比較の説明図を示す。ここで領域a〜hは、円盤
状のディスク基板の表面領域を、図4のように8等分に
分割した各領域を意味する。図2の中の各特性値は各領
域ごとの値を示している。図3は、この図2の各特性を
グラフ化したものである。
【0020】図2において、Bsは飽和磁束密度
(T)、Hceは磁化容易軸での保磁力(Oe)、Hc
hは磁化困難軸での保磁力(Oe)、Hkは異方性磁界
(Oe)、spkはスパイクノイズ(mV)、Nmは媒
体ノイズ(μVrms)を示している。磁気特性として
は、Bsは大きいほど好ましく、Hceは小さいほど好
ましく、Hchは小さいほど好ましく、Hkは大きいほ
ど好ましい。また、媒体ノイズNm、スパイクノイズs
pkはいずれも小さい方が好ましい。
【0021】また、均一化された軟磁性的性質を有する
軟磁性膜では、各磁気特性の領域によるばらつきが少な
い。すなわち、領域ごとの特性値の差が小さいほど、均
一化された軟磁性膜が形成されていることを意味する。
【0022】このような定性的な判断に基づいて、図2
の特性値を比較すると次のようなことが言える。 1)この発明の実施例1の炭化水素ガスを用いた場合、
固体炭素ターゲットを用いた場合よりも、容易軸での保
磁力Hceは小さく、困難軸での保磁力Hchは小さ
く、異方性磁界Hkは大きく、媒体ノイズNm及びスパ
イクノイズspkは小さく、いずれも改善されている。 2)各特性値Bs、Hce、Hch、Hkのいずれにつ
いても、その最大値−最小値である「差」は、この発明
の実施例1の炭化水素ガスを用いた場合の方が小さいの
で、ディスクの領域によらず、均一化された軟磁性膜を
形成できたことがわかる。
【0023】図5に、この発明で気体材料として用いる
炭化水素の構造を異ならせた場合の特性比較値の説明図
を示す。ここでは、鎖式炭化水素としてメタン系炭化水
素(Cn2n+n:n≧1)の代表であるCH4、エチレン
系炭化水素(Cn2n:n≧2)の代表であるC24
アセチレン系炭化水素(Cn2n-2:n≧2)の代表で
あるC22を用いた場合と、環式炭化水素の代表である
ベンゼンC66を用いた場合を示している。
【0024】図5によれば、各特性値Hce、Hch、
Hk、Nm及びspkのいずれにもついても、鎖式炭化
水素の方が優れていることがわかる。すなわち、炭化水
素としては、鎖式炭化水素を用いた方が各特性値及び軟
磁性化にとっては優れていると言える。
【0025】<実施例2>次に、メタロイド元素として
珪素(Si)を用いた場合の軟磁性膜の形成について説
明する。ここで、実施例1で用いた炭化水素ガスの代わ
りに、水素化珪素ガスを用いる点が異なる。形成装置、
形成方法等の条件は実施例1とほぼ同じであるが、水素
化珪素ガスの流量を、アルゴンガスの流量の1〜20%
程度とする。さらに、良好な軟磁性的な性質を得るため
には、10%程度が好ましい。水素化珪素ガスは、特に
鎖式水素化珪素ガス(Sin2n+2:n≧1)を用い
る。この実施例2でも、気体である水素化珪素ガスから
珪素が解離されるので、局所的な偏りが少なく均一的な
軟磁性膜が形成される。
【0026】図6に、実施例2について、固体珪素ター
ゲットと水素化珪素ガスを使用した場合の磁気特性値の
比較の説明図を示す。ここで、水素化珪素ガスとして
は、鎖式水素化珪素の代表であるモノシランSiH4
用いた。図7は、図6の各特性値をグラフ化したもので
ある。
【0027】図6によれば、各磁気特性の値は、この発
明の水素化珪素ガスを用いた方が改善されており、その
ばらつきも少ない。さらに媒体ノイズ、スパイクノイズ
も小さくなっている。したがって、実施例1と全く同様
に、均一化された軟磁性膜が形成されていることがわか
る。
【0028】図8に、この発明の実施例2において、鎖
式水素化珪素と環式水素化珪素を用いた場合の各特性値
を比較した説明図を示す。環式水素化珪素としては、た
とえばSi66がある。図8によれば、鎖式水素化珪素
の方が各特性値は優れていることがわかり、均一化され
た軟磁性膜を形成するためには、鎖式水素化珪素を用い
た方が好ましいと言える。
【0029】<実施例3>ここでは、軟磁性的な性質は
維持したままで、耐熱性に優れた軟磁性膜を形成する場
合について説明する。従来の固体炭素ターゲットを用い
て形成された軟磁性膜は、せいぜい250〜300℃の
耐熱性しかないが、炭化水素ガスから解離された炭素成
分を、気相合成ダイヤモンド化、あるいは気相合成DL
C(ダイヤモンドライクカーボン)化して基板上に堆積
することにより、変質温度が500℃以上という極めて
耐熱性に優れた軟磁性膜を形成することができる。
【0030】図9に、この発明の図1に示した形成装置
において、基板2の配置近傍領域の概略平面図を示す。
ここでは、基板2の近傍に、熱フィラメント11を配置
している。たとえば、図に示すように、円盤状の基板2
の外周を取り巻くように、熱フィラメント11を配置す
る。さらに基板2の内周内にも熱フィラメント11を配
置してもよい。
【0031】熱フィラメント11には、タングステン、
タンタル、炭化シリコンを用いることができる。熱フィ
ラメントには直流を流し、基板2上にダイヤモンド又は
DLCが形成される程度の温度に加熱する。ダイヤモン
ド又はDLCが形成され、かつ基板2に対する熱ダメー
ジが少ない温度範囲は、500〜1000℃程度であ
る。
【0032】この熱フィラメントの加熱により、軟磁性
膜の中に取り込まれる炭素成分がダイヤモンド化又はD
LC化すると、磁気記録媒体を形成する後工程で、軟磁
性膜が数百程度まで加熱されたとしても、炭素成分の変
質や鉄粒子同士の結合による粒成長が防止され、軟磁性
的性質は変質することはない。すなわち、耐熱性に優れ
た軟磁性膜を形成することができる。
【0033】また、次のように、マイクロ波を基板近傍
に導入しても耐熱性に優れた軟磁性膜を形成することが
できる。図10に、この発明の実施例3の軟磁性膜の形
成装置の概略構成図を示す。図10では、真空製膜容器
1の中の基板の近傍でマイクロ波によるプラズマを発生
させるために、マイクロ波発生装置を備える。マイクロ
波発生装置は、2.45GHzマイクロ波発振器16
と、アイソレータ15、導波管14、マイクロ波を反射
するアプリケータ12、プランジャ13とから構成され
る。
【0034】また、図10では、基板2を接地し、Fe
ターゲット3に電界を印加する。印加する電界として
は、直流電界または13.56MHzの商用高周波電界
のどちらか一方の電界を印加すればよい。さらに、導波
管14から出力されるマイクロ波の出力は、ダイヤモン
ド化またはDLC化が起こるように調整する必要がある
が、150W以上450W以下程度の範囲に設定すれば
よい。
【0035】この形成装置では、直流電界または13.
56MHzの商用高周波電界により生じたプラズマによ
り、Feターゲット3がスパッタされてFe粒子が基板
2方向へ移動させられるとともに、炭化水素ガスから炭
素成分が解離される。さらに、2.45GHzのマイク
ロ波により生じたプラズマにより、解離された炭素成分
が励起活性化されて、ダイヤモンド化またはDLC化さ
れる。この場合も、軟磁性的な性質が維持されたまま、
耐熱性に優れた軟磁性膜を形成することができる。
【0036】図11に、この発明の実施例3における各
磁気特性値の説明図を示す。ここでは、軟磁性膜の耐熱
性を確認するために、熱フィラメントまたはマイクロ波
を用いて軟磁性膜を形成した後、基板2を所定温度まで
加熱した場合と、熱フィラメント及びマイクロ波を用い
ずに軟磁性膜を形成した後に所定の温度に加熱した場合
の各特性値を示す。気体材料としては、アルゴンに対す
る流量比50%の鎖式炭化水素ガスを用いている。
【0037】図11によれば、熱フィラメントまたはマ
イクロ波を用いずに形成し、800℃の加熱をしたもの
では加熱温度が低い場合に比べて、磁気特性のHce、
Hch、Hk及び媒体ノイズNmが大きく劣化している
が、実施例3のように熱フィラメントまたはマイクロ波
を用いて作成したものでは800℃に加熱しても各磁気
特性及びノイズともほとんど劣化がみられず、安定した
特性を示している。
【0038】したがって、熱フィラメントまたはマイク
ロ波によるエネルギ活性化をすることにより、軟磁性的
性質を維持したまま、耐熱性に優れた軟磁性膜を形成す
ることができる。
【0039】
【発明の効果】この発明によれば、水素とメタロイド元
素とが化合された気体材料を用いて軟磁性膜を形成する
ので、基板上に形成される軟磁性膜の軟磁性的な性質が
その位置によりばらつくことを抑制し、均一化された軟
磁性膜を形成することができる。
【0040】また、この気体材料が含まれたスパッタガ
スを加熱又はマイクロ波照射によりエネルギ活性化させ
ているので、軟磁性的性質は維持したまま、耐熱性を向
上させた軟磁性膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の軟磁性膜の形成装置の一実施例の概
略構成図である。
【図2】この発明と従来の軟磁性膜の磁気特性値の比較
説明図である。
【図3】図2に示した磁気特性値のグラフである。
【図4】この発明のディスク基板の領域分割の説明図で
ある。
【図5】この発明の炭化水素の構造を異ならせた場合の
特性値の比較説明図である。
【図6】この発明と従来における磁気特性値の比較説明
図である。
【図7】図6に示した磁気特性値のグラフである。
【図8】この発明の水素化珪素の構造を異ならせた場合
の特性比較値の説明図である。
【図9】この発明において、熱フィラメントを配置した
基板の平面図である。
【図10】この発明の軟磁性膜の形成装置の一実施例の
概略構成図である。
【図11】この発明の実施例3における各磁気特性値の
説明図である。
【符号の説明】
1 真空製膜容器 2 基板 3 Feターゲット 4 導入口 5 導入口 6 排気口 7 軟磁性膜 11 熱フィラメント

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟磁性膜が、水素とメタロイド元素とが
    化合された気体材料を含むスパッタガスを用いて、強磁
    性を示す材料をスパッタリングすることにより形成され
    ることを特徴とする軟磁性膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記気体材料が、鎖式炭化水素または鎖
    式水素化珪素であることを特徴とする請求項1の軟磁性
    膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 製膜容器に、前記水素とメタロイド元素
    とが化合された気体材料を含むスパッタガスを導入する
    とともに、軟磁性膜を形成する基板を所定の位置に配置
    し、前記基板の近傍に導入されたスパッタガスを加熱又
    はマイクロ波を照射しながら、前記強磁性を示す材料と
    メタロイド元素とを基板上に堆積させることを特徴とす
    る前記請求項1または2の軟磁性膜の形成方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008176847A (ja) * 2007-01-17 2008-07-31 Showa Denko Kk 薄膜積層体の製造方法、及び薄膜積層体製造装置と磁気記録媒体および磁気記録再生装置
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