JP2808922B2 - ダイヤモンド状カーボン膜形成方法 - Google Patents

ダイヤモンド状カーボン膜形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば磁気ディス
ク,磁気ヘッド,及び光学部品等の保護膜として用いら
れる硬質カーボン膜を形成する方法に関し、特に、EC
R(Electron Cyclotron Resonance:電子サイクロトロ
ン共鳴)プラズマCVD法により硬質カーボン膜を形成
する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、DLC(Diamond Like Carbon
)膜は、硬度,絶縁性,熱伝導性,光透過性,及び化
学的安定性等の点においてダイヤモンドに似た優れた性
質を有していることから、最近注目を集めている。この
DLC膜の製造には、イオンビーム法,スパッタリング
法,イオンプレーティング法,及びプラズマCVD法等
の各種の方法が用いられている。
【0003】一方、最近、プラズマCVD法の一種とし
て、低温で高品質の膜形成が可能なECRプラズマCV
D法が開発され、すでに実用に供されている。このEC
RプラズマCVD法では、電子サイクロトロン共鳴を励
起することにより低ガス圧下において高密度のプラズマ
を発生させ、このプラズマ流をECRイオン源による発
散磁界で引き出し、基板等の試料に照射して成膜を行っ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述したような形成方
法を用いて基板上にDLC膜を形成する場合、反応ガス
として従来からメタンガスが用いられているが、その場
合DLC膜には、1010dyne/cm2 程度の高い圧
縮応力が残留している。このため、DLC膜と基板、特
に金属製基板との密着性が悪く、DLC膜の生成中に剥
離やクラック等が生じるという問題がある。
【0005】また、メタンを反応ガスとして基板上にD
LC膜を形成する場合、基板に対する付着速度が低いと
いう問題がある。
【0006】さらに、ECRプラズマCVD法を用いて
DLC膜を形成しようとする場合、成膜条件が非常に重
要となる。特に、プラズマ室内部に導入されるマイクロ
波のパワー,基板に発生する自己バイアス,及び反応圧
力により大きな影響を受ける。これらの条件のうちマイ
クロ波のパワーについては、反応ガスを分解する必要か
らある程度大きくする必要がある。しかし、あまり大き
くしすぎると、たとえば反応ガスとしてメタンガスを用
いた場合には、メタンガスが分解されすぎて大量のHラ
ジカルが発生し、これが膜中に取り込まれてDLC膜が
生成されない。また自己バイアスについては、イオンの
加速エネルギーを増加させてやる必要からある程度大き
くする必要がある。しかし、あまり大きくしすぎると膜
がグラファイト化して黒鉛状になる場合がある。さらに
反応圧力については、反応を促進させる必要からある程
度高くする必要があり、低すぎる場合には前記マイクロ
波のパワーが過大な場合と同様な現象が発生して、DL
C膜の生成が困難となる。
【0007】このように、前記条件(マイクロ波パワ
ー,自己バイアス,反応圧力)いかんによっては基板上
にDLC膜を生成できず、重合膜やグラファイト膜が生
成する場合がある。
【0008】本発明の目的は、基板との密着度が高く、
付着速度が高く、かつ安定してダイヤモンド状カーボン
膜を形成するための方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るダイヤモン
ド状カーボン膜形成方法は、炭化水素ガスを反応室に導
入して反応室内を所定の圧力とし、プラズマ室の内部に
マイクロ波を導入して電子サイクロトロン共鳴によるプ
ラズマを発生させるとともに、反応室内に配置された基
板に所定の高周波電圧を印加し、それにより発生する自
己バイアスによりプラズマ中のイオンを前記基板に照射
して、基板上にダイヤモンドカーボン膜を形成するよう
にした方法である。この方法は、炭化水素ガスとしてベ
ンゼンを用いるとともに反応室内の反応圧力を1×10
-3Torr以上としている。
【0010】望ましくは、他の条件として、マイクロ波
パワーを200W以下にし、基板に発生する自己バイア
スが−300V以下になるように高周波電圧を印加す
る。
【0011】
【作用】本発明に係るダイヤモンド状カーボン膜形成方
法では、電子サイクロトロン共鳴によるプラズマがプラ
ズマ室内に発生し、このプラズマ流が基板上に照射され
る。このとき、炭化水素としてベンゼンを用いているた
め、従来例のメタンガスを用いたものに比べて、付着速
度は約10倍速くなり、膜生成後の圧縮応力は約1/1
0に低下している。
【0012】一方、マイクロ波のパワーを200W以下
とし、反応圧力を1×10-3Torr以上とすると、ベ
ンゼンの過剰分解によるHラジカルの大量発生が防止さ
れる。また、基板に発生する自己バイアスが−300V
以下になるように高周波電圧を印加すると、膜のグラフ
ァイト化が防止される。
【0013】
【実施例】まず、本発明の一実施例が適用されるECR
プラズマCVD装置について説明する。図1は、ECR
プラズマCVD装置の断面構成図である。図において、
プラズマ室1は、導入されるマイクロ波(周波数2.4
5GHz)に対して空洞共振器となるように構成されて
おり、たとえば直径20cm,高さ20cmの円筒形状
の室である。プラズマ室1には、石英等で構成されたマ
イクロ波導入窓2を介してマイクロ波を導入するための
矩形状断面の導波管3が接続されている。また、プラズ
マ室1の周囲には、プラズマ発生用の磁気回路としての
電磁コイル4a,4bが配設されている。電磁コイル4
a,4bによる磁界の強度は、マイクロ波による電子サ
イクロトロン共鳴の条件がプラズマ室1の内部で成立す
るように決定される。この電磁コイル4a,4bによっ
て、下方に向けて発散する発散磁界が形成される
【0014】プラズマ室1の下方には、反応室5が設け
られている。反応室5の下部には、プラズマ室1から引
き出されたプラズマ流Mが照射される基板7が基板ホル
ダ8に保持されている。基板ホルダ8は支軸9に取り付
けられている。また、基板ホルダ8には、支軸9を介し
て高周波電源(たとえば周波数13.56MHz)11
が接続されており、これにより基板7に対して所定の高
周波電圧が印加されるようになっている。また、高周波
電源11は印加する電圧を変えることができるようにな
っている。
【0015】また、基板ホルダ8の上方には、開閉自在
なシャッタ12が設けられている。このシャッタ12の
開度により、プラズマ流Mの基板7への照射を調節し得
るようになっている。また、反応室5の上部側面にはベ
ンゼンガス導入口5aが形成されている。反応室5の下
部には、排気口5bが形成されており、この排気口5b
は図示しない排気系に接続されている。また、反応室5
内の真空圧及び反応圧力は、図示しない真空計により計
測されるようになっている。
【0016】次に、本装置の作用を説明しながら、ダイ
ヤモンド状カーボン膜の形成方法について説明する。ま
ず、成膜すべき基板7を基板ホルダ8に保持させる。次
に、図示しない排気系によりプラズマ室1及び反応室5
を真空状態にする。そして、ベンゼンガス導入口5aか
ら反応室5内にベンゼン(C6 6 )ガスを導入する。
続いて、プラズマ室1の周囲に設けられた電磁コイル4
a,4bに通電してプラズマ室1内の所定位置での磁束
密度が875ガウスになるようにする。また、このと
き、基板7には高周波電圧を印加しない。この状態から
導波管3を介して周波数2.45GHzのマイクロ波を
プラズマ室1に導入し、プラズマ室1内にプラズマを発
生させる。このときのマイクロ波のパワーは200W以
下になるようにする。
【0017】このような条件により、プラズマ室1内に
おいては、875ガウスの磁場により回転する電子の周
波数と、マイクロ波の周波数2.45GHzとが一致
し、電子サイクロトロン共鳴を起こす。これにより、電
子はマイクロ波から効率良くエネルギーを吸収し加速す
る。加速された電子はガス分子と衝突してガス分子をイ
オン化させることにより、低圧ガスにて高密度のプラズ
マが発生する。このとき、マイクロ波のパワーを200
W以下にしているので、反応ガスの過剰分解が抑えら
れ、Hラジカルの大量発生が防止される。このプラズマ
室1内に発生したプラズマは、電磁コイル4a,4bに
よって形成される発散磁界の磁力線にそって引き出され
る。
【0018】次に、高周波電源11から基板7に対し高
周波(13.56MHz)を印加する。そしてシャッタ
12を開く。すると、プラズマ室1から引き出されたプ
ラズマ流が基板7上に照射され、基板7上にダイヤモン
ドカーボン膜が形成される。このとき基板7に発生する
自己バイアスについては、−300V以下になるよう
に、高周波電力を調整する。基板7に発生する自己バイ
アスを前記範囲にしたことにより、膜表面と膜中での反
応が促進されるとともに、基板上に生成される膜のグラ
ファイト化が防止される。また成膜中においては、反応
室5内の反応圧力が1×10-3Torr以上に維持され
るようにベンゼンガスを導入する。したがって、ベンゼ
ンガスの過剰分解が抑制され、Hラジカルの大量発生が
防止される。
【0019】実施例1 前記装置を用いて、ベンゼンガスを100sccm(st
andard cubic per minutes)の流量で供給し、マイクロ
波のパワーを150W、基板に発生する自己バイアスを
−400V、反応圧力を3×10-3Torrとした。ま
た、基板として、直径3インチのシリコンウェハを用い
た。
【0020】この結果、5分後、基板全面に厚さ約55
00オングストロームの膜が堆積した。膜の硬度は、H
k(ヌープ硬度)≒1500kg/mm2、屈析率は約
2.4であった。これらの結果及びラマン分光等から、
DLC膜が形成されたと判断した。この膜の圧縮応力は
約8×109 dyne/cm2 であった。
【0021】実施例2 前記実施例1の装置を用いて、ベンゼンガスを100s
ccmの流量で供給し、マイクロ波のパワーを150
W、基板の自己バイアスを−400V、反応圧力を8.
5×10-3Torrとした。また前記実施例1と同様
に、直径約3インチのシリコンウェハを基板として用い
た。
【0022】この結果、5分後に、基板全面に約500
0オングストロームの膜が堆積した。膜の硬度は、Hk
≒200kg/mm2 、屈析率は2.2であった。これ
らの結果及びラマン分光等から、ダイヤモンド状カーボ
ン膜が形成されたと判断した。なお、この膜の圧縮応力
は約5×109 dyne/cm2 であった。
【0023】
【発明の効果】本発明に係るダイヤモンド状カーボン膜
形成方法によれば、反応ガスとしてベンゼンを用いるこ
とで付着速度は高まり、また圧縮応力を減らすことがで
きるので基板へのダイヤモンド状カーボン膜の密着度が
高まる。
【0024】また、本発明に係る望ましいダイヤモンド
状カーボン膜形成方法では、マイクロ波のパワー,基板
の自己バイアス,及び反応室の反応圧力を所定の条件下
にしてダイヤモンド状カーボン膜を生成するようにした
ので、安定してダイヤモンド状カーボン膜を形成するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるダイヤモンド状カーボン膜
形成装置の断面構成図。
【符号の説明】
1 プラズマ室 5 反応室 7 基板

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化水素ガスとしてのベンゼンを反応室に
    導入して反応室内の反応圧力を1×10−3Torr以
    上とし、プラズマ室の内部にパワーが200W以下のマ
    イクロ波を導入して電子サイクロトロン共鳴によるプラ
    ズマを発生させるとともに、それにより発生する自己バ
    イアスが−300V以下になるように反応室内に配置さ
    れた基板に所定の高周波電圧を印加し、前記自己バイア
    スによりプラズマ中のイオンを前記基板に照射して、基
    板上にダイヤモンド状カーボン膜を形成するようにした
    ダイヤモンドカーボン膜形成方法。
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