JP2003130646A - 振動子の駆動装置 - Google Patents

振動子の駆動装置

Info

Publication number
JP2003130646A
JP2003130646A JP2001324764A JP2001324764A JP2003130646A JP 2003130646 A JP2003130646 A JP 2003130646A JP 2001324764 A JP2001324764 A JP 2001324764A JP 2001324764 A JP2001324764 A JP 2001324764A JP 2003130646 A JP2003130646 A JP 2003130646A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transistor
voltage
vibrator
circuit
current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001324764A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3853190B2 (ja
Inventor
Kazuo Hasegawa
和男 長谷川
Daisuke Takai
大輔 高井
Hirohisa Suzuki
裕久 鈴木
Masaaki Nishimura
正明 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd, Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP2001324764A priority Critical patent/JP3853190B2/ja
Publication of JP2003130646A publication Critical patent/JP2003130646A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3853190B2 publication Critical patent/JP3853190B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)
  • Indication And Recording Devices For Special Purposes And Tariff Metering Devices (AREA)
  • Gyroscopes (AREA)
  • Control Of Electrical Variables (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動装置内のフィードバックループを削減
し、外乱に対する各帰還の干渉を防止できるようにした
振動子の駆動装置を提供する。 【解決手段】 温度センサ33の入力信号Vsを、圧電
振動子1が有する内部インピーダンスの温度特性を関数
回路30で模擬し、これに基づいてドライブ信号SDを
発生させることにより、温度変動が生じた場合であって
も振動子1を一定の出力振幅で駆動できるようになる。
このため、AGC回路を使用する必要がなく、フィード
バックループを少なくすることができ、外乱に対する制
御等を容易に行うことができるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動型ジャイロス
コープなどに使用される振動子の駆動装置に係わり、特
にフィードバックループの数を少なくできる振動子の駆
動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は圧電振動子の温度に対するインピ
ーダンスを示す特性図である。
【0003】振動型ジャイロスコープなどに使用される
圧電振動子の内部のインピーダンスは、図9に示すよう
にある一定の温度範囲ではリニア(1次直線)に変化す
るが、この温度範囲を越えると高温域および低温域では
3次関数的に変化し、全体として略S字カーブを描くと
いう特有の温度特性を有する。したがって、全ての温度
範囲において振動子の出力信号(ピーク値)が一定の振
幅(ピーク値)となるように振動子を駆動するために
は、振動子を駆動するためのドライブ信号を温度に応じ
て調整する必要がある。
【0004】この点、従来はAGC(自動利得制御)回
路を使用することにより、温度変動の有無に関係なく常
に振動子の出力信号が一定の振幅となるように、ドライ
ブ信号のゲイン調整を行うことにより、振動子を駆動す
るというものであった。
【0005】しかし、振動ジャイロの振動子の駆動回路
系は、自励発振やPLL制御等の帰還制御を行って圧電
振動子を一定の周波数で駆動させるのが一般的であり、
このため振動子の駆動回路系に発振のための帰還の他に
AGCのフィードバックループを加えると、二重の帰還
ループが形成され、外乱などに対して前記2つの帰還の
応答特性が近接し干渉することから非常に複雑な振る舞
いを示すという問題が生じる。このため、フィードバッ
クループは可能な限り少ない方が好ましい。
【0006】そこで、振動子の温度に対するインピーダ
ンス特性を、予め所定の関数として設定し、この関数に
基づいて振動子のドライブ信号を生成し、このドライブ
信号で振動子を駆動することで、AGC回路を使用する
ことなく振動子の出力信号を一定にするものがある。
【0007】図10は、従来の関数回路の構成を示す回
路構成図、図11は図10に示す回路の入出力特性図で
ある。
【0008】図10に示される関数回路は、3ケの抵抗
R1,R2,R3、2ケのダイオードD1,D2および
2つの基準電圧源V1,V2とから構成されている。図
10に示すように、抵抗R3,ダイオードD1および電
源V1とが直列接続され、抵抗R3,ダイオードD1お
よび電源V1とが直列接続されている。そして、前記抵
抗R2及びR3に抵抗R1が接続されており、前記抵抗
R1の一端側が入力部INであり、他方の端部(接続
部)が関数回路の出力部OUTとなっている。なお、ダ
イオードD1とダイオードD2とは逆向きの関係にあ
る。前記入力部INには、振動子の近傍にもうけられた
温度センサ3からの入力信号Vsが接続されている。ま
た基準電圧源V1およびV2としては、例えばV1が2
[v]であり、基準電圧源V2が3[v]である。
【0009】図11に示す入出力特性図は、横軸が入力
部IN、すなわち温度センサ3からの入力信号Vs、縦
軸が関数回路の出力部OUTの出力電圧Voutであり、
ともに0[v]−5[v]の範囲を示している。図11に示
すように、温度センサ3の入力信号Vsのレベルを除々
に高めて行くと、基準電圧源V2とV3の間では1次関
数的に変化するが、基準電圧源V2(3[v])およびV
3(2[v])の近傍の変化点α,βで折れ曲がり、全体
としては2.5[v](Vcc/2)を中心とする略S字カ
ーブを描くように設定することができる。
【0010】このとき、図10に示すVoutは次式で表
わすことができる。なおVdは、ダイオードの順方向電
圧である。
【0011】
【数1】
【0012】
【数2】
【0013】
【数3】 である。
【0014】このように、上記関数回路を使用すると、
傾きの異なる2つの1次直線を連続的につなげる2つの
変化点α,βを基準電圧V1,V2で設定することがで
きる。また高温域および低温域の直線の傾きを抵抗(R
1,R2およびR3)の比で設定することができる。
【0015】図12は従来の他の関数回路の構成を示す
回路構成図、図13は図12に示す関数回路の入出力特
性図である。
【0016】図12に示す関数回路は、主としてNPN
型のトランジスタQ1とPNP型のトランジスタQ2と
からなる第1の回路と、PNP型のトランジスタQ3と
NPN型のトランジスタQ4からなる第2の回路とで構
成されている。前記第1の回路ではトランジスタQ1の
ベース端子とトランジスタQ2のエミッタ端子とが接続
され、第2の回路ではトランジスタQ3のベース端子と
トランジスタQ4のエミッタ端子とが接続されている。
またトランジスタQ1のエミッタ端子とトランジスタQ
3のエミッタ端子とが同じ大きさの抵抗R2及びR3
(R2=R3)で接続され、この接続部P1に抵抗R1
の一方の端部が接続されている。そして、前記抵抗R1
の他方の端部は、温度センサ3の入力信号Vsが入力さ
れる入力端子INとされている。また、トランジスタQ
2のベース端子には基準電圧源V1(2[v])が、トラ
ンジスタQ4のベース端子には基準電圧源V2(3
[v])がそれぞれ印加されている。なお、前記接続部P
1は出力部OUTを兼ねている。
【0017】図12に示す関数回路では、トランジスタ
Q2のベース端子の電圧(3[v])に対するエミッタ電
圧、すなわちトランジスタQ1のベース電位が、トラン
ジスタQ2のベース・エミッタ間電圧Vbe分だけ高い電
位に設定される。またトランジスタQ1のエミッタ端子
の電位は、トランジスタQ2のベース・エミッタ間電圧
Vbe分だけ低い電位に設定される。よって、トランジス
タQ2のベース・エミッタ間電圧Vbeと、トランジスタ
Q1のベース・エミッタ間電圧Vbeとが相殺し合う。よ
って、仮に各ベース・エミッタ間電圧Vbeが温度変動し
ても両トランジスタQ1,Q2のVbeが同じような割合
で変動し、その温度変動分をも相殺し合うため、トラン
ジスタQ2のベース端子の電圧とトランジスタQ1のエ
ミッタ端子の電圧とを同電位に設定される。そして、結
果として図13に示すように2.5[v](Vcc/2)を
中心に、2[v]および3[v]の近傍で折れ曲がる略S字
カーブが生成される。ここで、出力電圧Voutは次式で
表わされる。
【0018】
【数4】
【0019】
【数5】
【0020】
【数6】
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記図10に
示す関数回路は、ダイオードD1,D2を使用する構成
であるところ、一般的にダイオードはその順方向電圧V
dが温度変動しやすいという特性を有する。一方、前記
数1及び数2に示されるように、出力電圧Voutは順方
向電圧Vdを含む構成である。したがって、Vs≧V1
+Vd(高温域)およびVs≦V2−Vd(低温域)の
範囲では、図11に斜線で示すようにS字カーブに前記
ダイオードの温度変動の影響が現れやすいという問題が
ある。
【0022】また変化点が、ダイオードの順方向電圧V
dだけシフトされるため、順方向電圧Vdを考慮した設
計が必要となり煩雑である。
【0023】また、図12に示す関数回路では、前記数
4ないし数6内にダイオードの順方向電圧Vdに相当す
るトランジスタのベース・エミッタ間電圧Vbeを含まな
いため、図10の関数回路の場合に比べ温度変動による
誤差の幅を小さくすることが可能である。
【0024】しかし、図12に示される他の関数回路で
は、トランジスタQ2から引き込まれるベース電流Ib2
とトランジスタQ1に与えられるベース電流Ib1の大き
さが異なるため、トランジスタQ2のベース・エミッタ
間電圧Vbe2とトランジスタQ1のベース・エミッタ間
電圧Vbe1の大きさが異なり、必ずしもVbe1−Vbe2
=0とはならない。すなわち、両ベース・エミッタ間電
圧Vbeの相殺を十分に行うことができないため、Vs≦
V2(低温域)およびVs≧V1(高温域)の範囲のS
次カーブにも、わずかに前記トランジスタのベース・エ
ミッタ間電圧Vbeの温度変動の影響が現れる。
【0025】以上のように、圧電振動子の内部インピー
ダンスを模擬的に生成する関数回路のS字カーブに温度
変動の影響が生じると、前記S字カーブに基づいて生成
されたドライブ信号自体にもその影響が現れ、精度の高
いドライブ信号で振動子を駆動することが困難になると
いう問題が生じる。
【0026】本発明は、上記従来の課題を解決するため
のものであり、AGCを用いない振動子の駆動回路系に
おいて、温度変動の影響を受けることなく精度の高いド
ライブ信号を生成できるようにした振動子の駆動装置を
提供することを目的としている。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は、フィードバッ
ク制御により振動駆動させられる振動子の駆動装置であ
って、前記振動子の近傍の温度を検出する温度センサ
と、前記温度センサからの入力信号を振動子の内部イン
ピーダンスの温度特性に基づいて電流生成用の制御電圧
に変換する関数回路と、前記制御電圧に応じた基準電流
を生成する電圧/電流変換手段と、分周手段から所定の
制御信号を生成する制御信号生成手段と、前記基準電流
および制御信号から振動子を駆動するドライブ信号を生
成する正弦波発生手段と、を有することを特徴とするも
のである。前記フィードバック制御としては、たとえば
PLL制御である。
【0028】上記において、前記関数回路が、温度によ
って傾きの異なる1次直線からなる電圧を連続的につな
げたものであり、前記1次直線が折り曲げられる温度に
相当する電圧を与える第1および第2の基準電圧源と、
前記入力信号を所定の分割比で分圧する分圧手段と、前
記分圧手段の一端に前記第1および第2の基準電圧源と
同じ電圧を与えるものが好ましい。
【0029】たとえば、前記第1及び第2の回路は、各
々1組のNPN型の第1のトランジスタとPNP型の第
2のトランジスタとを備え、一方のトランジスタのベー
ス端子と他方のトランジスタのエミッタ端子とが接続さ
れ、一方のトランジスタのエミッタ端子が前記分圧手段
の一端に接続され、他方のトランジスタのベース端子に
は前記第1又は第2の基準電圧源が接続され、他方のト
ランジスタのコレクタ端子は接地又は電源に接続されて
いるものであり、かつ両トランジスタのコレクタ端子お
よびエミッタ端子には、カレントミラー回路の入力部お
よび出力部が接続されているものである。
【0030】さらに、前記第1の回路および/または第
2の回路が少なくとも1以上設けられているものであ
る。
【0031】本発明では、圧電振動子が有する内部イン
ピーダンスの温度特性を関数回路で模擬し、これに基づ
いて可変電流源(電圧−電流変換手段)の電流生成用の
制御電圧を調整することにより、正弦波生成手段におい
てドライブ信号(正弦波)を生成するための基準電流を
決定する。
【0032】ここで、出力信号のピーク値を調整するた
めに振動子に直列に挿入される駆動抵抗をr、内部イン
ピーダンスをZ、ドライブ信号の振幅(ピーク値)をE
とすると、振動子の出力信号の電流Iは、I=E/(r
+Z)の関係が成立する。よって、内部インピーダンス
Zが温度変動したときに、ドライブ信号の振幅Eが前記
関数回路を用いた前記内部インピーダンスZの温度変動
に応じて可変されるようにすることにより、前記振動子
の出力信号(電流I)を一定にすることが可能となる。
このため、AGC回路を使用する必要がなくなり、PL
Lとの干渉を避けることができ、外乱に対する制御等を
容易に行うことができるようになる。
【0033】あるいは、前記関数回路が、傾きの異なる
1次直線を連続的につなげて前記振動子の内部インピー
ダンスを近似するものであり、前記1次直線が折り曲げ
られる温度に相当する電圧を与える第1および第2の基
準電圧源と、前記入力信号を所定の分割比で分圧する分
圧手段と、前記分圧手段の一端に前記第1および第2の
基準電圧源と同じ電圧を与える第1および第2の差動増
幅部と、前記第1および第2の差動増幅部に定電流を与
える第1および第2のカレントミラー回路が設けられて
いるものが好ましい。
【0034】この場合、前記第1の差動増幅部の一方の
入力部には、第1の基準電圧源が接続され、他方の入力
部に前記温度センサからの入力信号が前記分圧手段を介
して与えられており、前記第2の差動増幅部の一方の入
力部には、第2の基準電圧源が接続され、他方の入力部
に前記温度センサからの入力信号が前記分圧手段を介し
て与えられているものである。
【0035】さらに、前記第1の差動増幅部および第2
の差動増幅部が少なくとも1以上設けられているもので
ある。
【0036】上記構成では、温度によって傾きの異なる
1次直線からなる電圧を連続的につなげることにより、
さらに実際の振動子の内部インピーダンスの特性を示す
S字カーブを近似的に生成することが可能となる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を参照
して説明する。
【0038】図1は振動型ジャイロスコープにおける振
動子の駆動装置の構成を示すブロック図である。
【0039】図1に示す振動型ジャイロスコープでは、
コリオリ力を検出するセンサとしての振動子1と、この
振動子1を所定の駆動周波数からなるドライブ信号SD
で振動駆動させるための駆動制御部10、振動子1から
出力される角速度の検出を行なう検出制御部などから構
成されている。
【0040】前記振動子1は、例えば圧電型の振動子又
は静電容量型の振動子などであり、長手(Z)方向に延
びる振動子1の一方の先端には分岐形成された複数の振
動脚(例えば3脚)を有するものである。各振動脚の一
方(Y1側)の面内には、長手方向(Z方向)に延びる
入力電極aがそれぞれ形成されており、他方(Y2側)
の面内には一対の出力電極c,dがそれぞれ形成されて
いる。前記振動子1では、各振動脚の各入力電極aに前
記ドライブ信号SDがドライブ手段17より与えられる
と、振動脚が並ぶ方向(X方向)に各振動脚が振動駆動
させられる。この状態で前記振動子1が、長軸Oを中心
とする軸回りに置かれると、回転の大きさに応じて生じ
るコリオリ力により前記振動子1が振動方向(X方向)
と直交方向(Y方向)に撓み変形させられる。この変形
により、中央の振動子1の他方の面に形成された一対の
出力電極c,dからそれぞれ位相の異なる出力信号S
c,Sdが前記コリオリ力の大きさに応じて出力され
る。
【0041】上記駆動制御部10では、振動子1が二値
化手段12と、位相検出部13、ローパスフィルタ(L
PF)14,VCO(電圧制御発振器)15、分周器1
6とからなるPLL(phase locked loop)とドライブ
手段17により駆動される。
【0042】前記ドライブ手段17から振動子1に正弦
波状のドライブ信号SDが与えられると、振動子1の検
出電極c,dからも正弦波状の出力信号Sc,Sdが出
力される。そして、前記振動子1が回転系に置かれる
と、前記出力信号ScとSdとの間には回転により生じ
たコリオリ力に相当する位相差が発生する。
【0043】前記二値化手段12では、振動子1の出力
信号(正弦波出力)Sc,Sdが所定のスレッショルド
電圧を基準に二値信号Dc,Ddに変換される。
【0044】位相差検出部13では、前記二値信号D
c,DdとVCO15から出力される基準信号Vkを分
周器16で分周した分周信号Vrとがそれぞれ位相比較
され、位相差をパルス状の差信号として出力する。前記
パルス状の差信号は、LPF14において直流化(積分
と高周波成分の遮断)され、VCO制御電圧としてVC
O15の制御端子(図示せず)に与えられる。VCO1
5は、一定の自走周波数を持ち、前記VCO制御電圧が
与えられると、前記VCO制御電圧に応じた発振周波数
を調整し、前記二値信号Dc,Ddの位相差に相当する
時間幅の中点にロックする基準信号Vkを出力する。こ
れにより、振動子1への入力信号であるドライブ信号S
Dが、常に振動子1の正弦波状の出力信号(出力信号S
cとSdの位相差に相当する時間幅の中点)にロックす
るように駆動される。
【0045】前記分周器16は、VCO15の発振周波
数を振動子1の駆動周波数まで分周した分周信号Vrを
生成する。また前記ドライブ手段17には、制御信号生
成手段17Aおよび正弦波発生手段17Bが設けられて
いる。
【0046】前記分周器16から出力された分周信号V
rは、ドライブ手段17内の制御信号生成手段17Aに
与えられる。前記制御信号生成手段17Aでは、前記分
周信号Vrから所定の時間軸で設定された制御信号D
1,D2,D3,D4,D5およびD6(図示せず)な
どを生成する。そして、上述のように正弦波発生手段1
7Bが、前記制御信号D1,D2,D3,D4,D5お
よびD6に基づいて正弦波出力信号を生成し、前記信号
増幅部が前記正弦波出力信号を増幅することによって振
動子1を駆動するドライブ信号SDが生成される。
【0047】なお、前記正弦波発生手段17Bは、コン
デンサに対し充電電流を供給する複数の充電部および、
前記コンデンサから放出される放電電流を調整する複数
の放電部などから構成され、これら複数の充電部および
放電部が前記制御信号D1,D2,D3,D4,D5お
よびD6によって制御され、且つ前記充電電流および放
電電流の時定数を切り換えることのより、所定の正弦波
を生成する回路が使用される。
【0048】また、振動子1の近傍には、振動子の環境
温度を検出するための温度センサ33が設けられてい
る。前記温度センサ33の出力は入力信号Vsとして、
後述する関数回路30に入力される。なお、関数回路3
0は、温度に対する振動子の内部インピーダンスの状態
を近似的に設定し、この内部インピーダンスに応じた電
流生成用制御電圧Vzを生成する。
【0049】前記電流生成用制御電圧Vzは、関数回路
30の後段に設けられた可変電流源(電圧−電流変換手
段)Ivarに与えられ、前記電流生成用制御電圧Vzに
応じた基準電流を出力する。
【0050】可変電流源Ivarの出力である基準電流
は、前記ドライブ手段17の内の正弦波生成手段17B
に与えられ、前記制御信号D1,D2,D3,D4,D
5およびD6にしたがう正弦波出力信号を生成する。
【0051】ここで、振動型ジャイロスコープから検出
される位相差の精度を高めるためには、振動子の内部イ
ンピーダンスの温度変動にも拘わらず、常に振動子の出
力信号Sc,Sd振幅(ピーク値)が一定となるように
駆動されるものが好ましく、そのためにはドライブ信号
SDの振幅が温度に応じて調整されるようにする必要が
ある。
【0052】そして、このように振動子を駆動するため
には、上記図8の振動子の内部インピーダンス特性を示
す略S字カーブにしたがって調整されるものが好まし
く、S字カーブを発生させる関数回路としては、例えば
以下に示すようなものがある。
【0053】図2は本発明における第1の関数回路を示
す回路構成図、図3は図2に示す関数回路の入出力特性
図である。
【0054】図2に示す第1の関数回路30は、主に第
1の回路31および第2の回路32とから構成されてい
る。
【0055】第1の回路31はカレントミラー回路K1
を構成するトランジスタTr2およびトランジスタTr
3と、前記カレントミラー回路K1の入力側に設けられ
たNNP型のトランジスタTr1、前記カレントミラー
回路K1の出力側に設けられ、能動負荷を構成するPN
P型のトランジスタTr4、およびトランジスタTr1
のエミッタ端子に接続された抵抗R3、さらには前記ト
ランジスタTr4のベース端子に印加される基準電圧源
V1により構成されている。
【0056】他方、第2の回路32はカレントミラー回
路K2を構成するトランジスタTr6およびトランジス
タTr7と、前記カレントミラー回路K2の入力側に設
けられたPNP型のトランジスタTr5、前記カレント
ミラー回路K2の出力側に設けられ、能動負荷を構成す
るNPN型のトランジスタTr8、およびトランジスタ
Tr5のエミッタ端子に接続された抵抗R2、さらには
前記トランジスタTr8のベース端子に印加される基準
電圧源V2により構成されている。
【0057】そして、第1の回路31の抵抗R3と第2
の回路32の抵抗R2とが接続され、その接続部P1
に、抵抗R1を介して温度センサ33の入力信号Vsが
与えられるようになっている。以下、関数回路30の動
作について説明する。
【0058】なお、上記関数回路30では、動作の一例
として電源電圧Vcc=5[v]、変化点の基準電圧がV1
=2[v]、V2=3[v]に設定されているものとして説
明する。
【0059】(1)Vs≦V1(低温時)の場合 前記トランジスタTr4のベース端子には、常に基準電
圧V1=2[v]が印加されてるため、トランジスタTr
4のエミッタ端子の電圧およびトランジスタTr1のベ
ース端子の電圧は、ともにトランジスタTr4のベース
・エミッタ間電圧Vbe4だけ高い電位に設定されてい
る。またトランジスタTr1のエミッタ端子の電圧は、
前記トランジスタTr1のベース電圧よりもトランジス
タTr1のベース・エミッタ間電圧Vbe1だけ低い電位
に設定される。したがって、トランジスタTr1のエミ
ッタ電圧は、ほぼトランジスタTr4のベース電圧と等
しい電位に設定されている。
【0060】ここで、入力信号Vs(低温に相当する出
力)として例えば1[v]が印加されると、抵抗R3,抵
抗R1を介してトランジスタTr1のエミッタ電流が流
れようとするため、カレントミラー回路K1の入力側に
同様の定電流I1が流れる。そして、カレントミラー回
路K1の特性より、入力側に定電流I1が流れると、そ
の出力側にも前記定電流I1と同じ大きさの定電流I2
がトランジスタTr3およびトランジスタTr4に流れ
る(I1=I2)。前記I1=I2の関係より、トラン
ジスタTr4のベース電流Ib4とトランジスタTr5
のベース電流Ib1とが等しくなるように設定される
(Ib1=Ib4)。このため、トランジスタTr4の
ベース・エミッタ間電圧Vbe4とトランジスタTr1の
ベース・エミッタ間電圧Vbe1を等しく設定することが
できる(Vbe1=Vbe4)。すなわち、トランジスタT
r4のベース・エミッタ間電圧Vbe4をトランジスタT
r1のベース・エミッタ間電圧Vbe1で相殺することが
できるようになるため、トランジスタTr1のエミッタ
端子の電位電圧をトランジスタTr4のベース電圧に一
致させることが可能となる。
【0061】また温度変動した場合においても、前記ト
ランジスタTr4のベース電流Ib4とトランジスタT
r1のベース電流Ib1の変化量を同程度とすることが
できるため、Vbe4=Vbe1を維持することができる。
よって、温度の影響を受けることなく両者を相殺するこ
とができるため、常にトランジスタTr1のエミッタ電
圧をトランジスタTr4のベース電圧に一致させること
が可能である。
【0062】このとき、この関数回路の出力信号Vout
は、次の数7で表わすことができる。
【0063】
【数7】
【0064】例えば、R1=R3、Vs=1[v]、V1
=2[v]の場合、関数回路の電圧出力はVout=1.5
[v]となり、図3ではグラフ上の点α1で示される。
【0065】なお、このとき第2の回路側ではトランジ
スタTr5がOFF状態、すなわちハイ・インピーダン
ス状態に設定されるため、第2の回路32が関数回路3
0の出力信号Voutに何等影響を与えることはない。
【0066】(2)Vs≧V2(高温時)の場合 図2に示すように、第2の回路32を構成するトランジ
スタTr5はPNP型のトランジスタであり、トランジ
スタTr8はNPN型のトランジスタである。
【0067】前記トランジスタTr8のベース端子に
は、常に基準電圧V2=3[v]が印加されてるため、ト
ランジスタTr8はON状態にある。よって、トランジ
スタTr8のエミッタ端子の電圧およびトランジスタT
r5のベース端子の電圧は、トランジスタTr8のベー
ス電圧よりも、ともにトランジスタTr8のベース・エ
ミッタ間電圧Vbe8だけ低い電位に設定されている。ま
たトランジスタTr5のエミッタ端子の電圧は、前記ト
ランジスタTr5のベース電圧よりもトランジスタTr
5のベース・エミッタ間電圧Vbe5だけ高い電位に設定
されている。したがって、トランジスタTr5のエミッ
タ電圧は、ほぼトランジスタTr8のベース電圧と同じ
電圧(3[v])に設定されている。
【0068】ここで、温度センサ33から入力信号Vs
(Vs≧V2)が印加されると、抵抗R1,抵抗R2を
介してトランジスタTr5のコレクタ端子に電流I3が
流れ込むため、カレントミラー回路K2の入力側に同様
の電流I3が流れる。よって、カレントミラー回路K2
の出力側にも前記定電流I3と同じ大きさの定電流I4
がトランジスタTr8およびトランジスタTr7を介し
て流れる(I3=I4)。そして、I3=I4の関係よ
り、トランジスタTr8のベース電流Ib8とトランジ
スタTr5のベース電流Ib5とを等しくなるように設
定される(Ib8=Ib5)。このため、トランジスタ
Tr5のベース・エミッタ間電圧Vbe5とトランジスタ
Tr8のベース・エミッタ間電圧Vbe8を等しく設定す
ることが可能となる(Vbe5=Vbe8)。すなわち、P
NP型のトランジスタTr5のベース・エミッタ間電圧
Vbe5をNPN型のトランジスタTr8のベース・エミ
ッタ間電圧Vbe8で相殺することができるようになるた
め、トランジスタTr5のエミッタ端子の電圧をトラン
ジスタTr8のベース電圧に一致させることが可能とな
る。
【0069】また温度変動した場合においても、前記ト
ランジスタTr8のベース電流Ib8とトランジスタT
r5のベース電流Ib5の変化量を同程度とすることが
できるため、Vbe8=Vbe5を維持することができる。
よって、温度の影響を受けることなく両者を相殺するこ
とができるため、常にトランジスタTr5のエミッタ電
圧をトランジスタTr8のベース電圧に一致させること
が可能である。
【0070】このとき、この関数回路の出力信号Vout
は、次の数8で表わすことができる。
【0071】
【数8】
【0072】例えば、R1=R2、Vs=4[v]、V2
=3[v]の場合、関数回路の電圧出力はVout=3.5
[v]となり、図3ではグラフ上の点β1で示される。
【0073】なお、この場合にも第1の回路31側では
トランジスタTr1がOFF状態、すなわちハイ・イン
ピーダンス状態に設定されるため、関数回路の出力信号
Voutに何等影響を与えることはない。
【0074】(3)V1<Vs<V2(中温域)の場合 この場合には、第1の回路31のトランジスタTr1お
よび第2の回路32のトランジスタTr5がOFF状態
に設定され、ともにハイ・インピーダンス状態となるた
め、入力信号Vsが関数回路の出力電圧Voutとしてそ
のまま出力される(Vout=Vs)。
【0075】上記関数回路では、基準電圧V1−V2間
では、入力信号をそのまま、すなわちVout=Vsとし
て出力させることができる。また基準電圧V1,V2を
設定することにより、Vs≧V2およびVs≦V2の範
囲では上記数7および数8にしたがう出力信号Voutを
生成することができる。
【0076】しかもVs≦V1(低温域)およびVs≧
V2(高温域)の範囲では数7および数8に示される、
抵抗R1,R2およびR3の比によって直線の傾きを容
易に設定することが可能である。
【0077】また、トランジスタのベース・エミッタ間
電圧Vbeを十分に相殺することができるため、従来のよ
うにダイオードの順方向電圧Vdや前記トランジスタの
ベース・エミッタ間電圧Vbeの温度変動による影響を受
けることがない。
【0078】このように、関数回路30により、振動子
の内部インピーダンス特性を示すS字カーブを形成する
ことができ、この関数回路30に応じた電流生成用制御
電圧Vzが生成される。そして、可変電流源Ivarが、
この電流生成用制御電圧Vzに基づいた基準電流を発生
させ、前記ドライブ手段17の正弦波生成手段17Bが
所定の正弦波出力信号を生成することにより、AGCを
用いることなく振動子1を精度の高い一定の振幅で駆動
することができるようになる。
【0079】図4は本発明における第2の関数回路40
を示す回路構成図、図5は図4に示す関数回路の入出力
特性図である。
【0080】図4に示す第2の関数回路40は、図2に
示した関数回路30を2組組み合わせたものである。す
なわち、第1の回路31と同様の第3の回路41と、第
2の回路32と同様の第4の回路42をそれぞれ接続し
たものである。ただし、第3,第4の回路41,42の
基準電圧源V3,V4の電圧は、第1,第2の回路3
1,32の基準電圧源V1,V2の電圧とは異なる電圧
であり、例えばV3=1[v]、V4=4[v]に設定され
ている。
【0081】また、R2/(R1+R2)およびR1/
(R1+R3)は、所定の抵抗分割比となるように設定
されている。
【0082】図5に示すように、この関数回路40で
は、Vs=V1=2[v]およびVs=V2=3[v]の変
化点α1,β1以外に、それぞれVs=V3=1[v]お
よびVs=V4=4[v]に変化点α′およびβ′を設定
することができる。
【0083】このように、図1に示した関数回路を複数
組み合わせることにより、変化点の数を増やすことがで
き、複数の1次関数を前記各変化点でつなぎ合わせるこ
とで、より実際の内部インピーダンス(図8)を近似す
ることが可能となる。
【0084】よって、振動子の内部インピーダンスが複
雑に温度変動する場合であっても、温度によって傾きの
異なる複数の1次直線を連続的につなぎ合わせることよ
り、そのような内部インピーダンスを近似的に生成する
ことが可能である。そして、前記関数回路40に温度セ
ンサ33からの入力信号Vsを与えることにより、振動
子1の内部インピーダンスの温度特性に基づいてドライ
ブ信号SDを生成することができるため、ドライブ信号
SDの振幅量(電圧量)が温度変化に応じて調整される
ようになる。よって、振動子1の内部インピーダンスの
温度変動にも拘わらず、常に出力信号Sc,Sd振幅
(ピーク値)が一定となるように振動子1を駆動するこ
とが可能となる。
【0085】しかもAGCを使用することがないため、
外乱に対する応答特性が複雑化することを防止できる。
【0086】図6は本発明における第3の関数回路を示
す回路構成図である。第3の関数回路50は、図4の第
2の関数回路40の第1〜第4の回路31,32、4
1,42の各カレントミラー回路にそれぞれ抵抗R1
1、R12、R13、R14、R15、R16、R17
およびR18を付加したものである。
【0087】このように、各カレントミラー回路の各々
のエミッタに同一値の抵抗を挿入すると、トランジスタ
の特性のばらつきの影響を小さくできる。
【0088】通常、トランジスタの大きさや抵抗の大き
さ、あるいは製造プロセスの違いなどにより、トランジ
スタのばらつきの小さい工程と抵抗のばらつきの小さい
工程がある。
【0089】しかし、抵抗のばらつきの小さい工程を使
用できる場合には、ばらつきを小さくでき有利となる。
また、抵抗をトリミングする。あるいは外付けすれば、
抵抗値のばらつきを小さくすることができ、トランジス
タのばらつきの影響を低減できる。
【0090】図7は本発明における第4の関数回路を示
す回路構成図、図8は図7に示す関数回路の入出力特性
の拡大図である。
【0091】図7に示す第4の関数回路60は、主に第
1の差動増幅部DA1、第2の差動増幅部DA2および
第1および第2のカレントミラー回路K11,K12と
から構成されている。
【0092】第1の差動増幅部DA1は、2ケのPNP
型のトランジスタTr11,Tr12のエミッタ端子ど
うしが接続され、コレクタ端子側に定電流源となるカレ
ントミラー回路(トランジスタTr13,Tr14)の
入力部と出力部を接続した構成である。一方のトランジ
スタTr11のベース端子には抵抗R3が接続され、他
方のトランジスタTr12のベース端子には基準電圧源
V1(例えば2[v])が接続されている。
【0093】同様に第2の差動増幅部DA2は、2ケの
NPN型のトランジスタTr15,Tr16のエミッタ
端子どうしが接続され、コレクタ端子側に定電流源とな
るカレントミラー回路(トランジスタTr17,Tr1
8)が接続された構成であり、一方のトランジスタTr
15のベース端子には抵抗R2が接続され、他方のトラ
ンジスタTr16のベース端子には基準電圧源V2(例
えば3[v])が接続されている。
【0094】前記第1のカレントミラー回路K11は、
入力側がNPN型のトランジスタTr21により、出力
側が2ケのNPN型のトランジスタTr22およびTr
23によって構成されている。前記入力側のトランジス
タTr21のコレクタ端子は、抵抗Rを介して電源Vcc
に接続されている。また出力側のトランジスタTr23
のコレクタ端子は、前記第2の差動増幅部DA2のトラ
ンジスタTr15,Tr16のエミッタ端子に接続さ
れ、エミッタ端子側は接地されている。すなわち、第2
の差動増幅部DA2は第1のカレントミラー回路H11
の能動負荷とされている。
【0095】前記第2のカレントミラー回路K12は、
PNP型のトランジスタTr24とTr25で構成され
ており、入力部となるトランジスタTr24が前記第1
のカレントミラー回路K11の能動負荷となっている。
また出力部となるトランジスタTr25のコレクタ端子
には、前記第1の差動増幅部DA1のカレントミラー回
路を構成するトランジスタTr17,Tr18のコレク
タ端子にそれぞれ接続されている。すなわち、第1の差
動増幅部DA1は第2のカレントミラー回路K12の能
動負荷とされている。
【0096】前記第1の差動増幅部DA1と第2の差動
増幅部DA2とは、抵抗R3およびR2を介して接続さ
れ、その接続部P2には抵抗R1を介して温度センサ3
3に接続されている。そして、温度センサ33からの入
力信号Vsが、前記抵抗R1を介して第1の差動増幅部
DA1と第2の差動増幅部DA2に与えられるようにな
っている。なお、前記接続部P2が、第4の関数回路6
0の出力端子OUTとされている。
【0097】以下、第4の関数回路60の動作について
説明する。 (Vs≦V1(低温時)のとき)第1の差動増幅部DA1
側では、トランジスタTr11とTr12とが差動アン
プを構成しており、温度センサ33の入力信号Vsが、
例えばVs=Vss(電源電圧)のときにはトランジスタ
Tr11にベース電流は流れない。このため、差動アン
プのトランジスタTr11は動作しておらず、トランジ
スタTr12はON(導通)状態になっている。
【0098】この状態から前記入力信号Vsの電位が下
降してV1の電位以下になり、トランジスタTr11の
ベース電位が、トランジスタTr12のベース電圧(基
準電圧V1)に近づくと、トランジスタTr11のベー
ス電流が流れはじめて差動動作を開始する。
【0099】ここで、トランジスタTr11のベース電
流は抵抗R1とR3で規制され、トランジスタTr11
のベース電圧とトランジスタTr12のベース電圧(基
準電圧V2)がほぼ等しくなった状態で安定する。すな
わち、トランジスタTr11のベース電圧を、基準電圧
V2に一致させることができる。このとき、第4の関数
回路60の出力Voutを次式で示すことができる。
【0100】
【数9】
【0101】(Vs≧V1(高温時)のとき)第2の差動
増幅部DA2側では、トランジスタTr15とTr16
とが差動アンプを構成しており、温度センサ33の入力
信号Vs=0のときトランジスタTr15にベース電流
は流れない。このため、差動アンプトランジスタTr1
5とTr16は動作しておらず、トランジスタTr16
はON(導通)状態になっている。
【0102】この状態から前記入力信号Vsの電位が上
昇し、V2の電位を越えるとトランジスタTr15のベ
ース電位が、トランジスタTr16のベース電位に近づ
くと、トランジスタTr15のベース電流が流れはじめ
て差動動作を開始する。
【0103】ここで、トランジスタTr15のベース電
流は抵抗R1とR2で規制され、トランジスタTr15
のベース電圧とトランジスタTr16のベース電圧(基
準電圧V2)がほぼ等しくなった状態で安定する。すな
わち、トランジスタTr15のベース電圧を、基準電圧
V2に一致させることができる。このため、第4の関数
回路60の出力Voutは次式で示すことができる。
【0104】
【数10】
【0105】(V1<Vs<V2のとき)この場合に
は、第1の差動増幅部DA1のトランジスタTr11お
よび第2の差動増幅部DA2のトランジスタTr15が
OFF状態に設定され、ともにハイ・インピーダンス状
態となるため、Vout=Vs、すなわち入力信号Vsが
関数回路の出力信号Voutとしてそのまま出力される。
【0106】また上記第4の関数回路60の第2の差動
増幅部DA2では、入力信号Vsが0[v]のとき、トラ
ンジスタTr16のエミッタ電圧は基準電圧V2よりも
トランジスタTr16のベース・エミッタ間電圧Vbe16
だけ低い電圧となっている。
【0107】そして、トランジスタTr15のOFF状
態は、入力信号Vsの電位が上昇し、前記トランジスタ
Tr15のエミッタ電圧付近に近づくまでが続くが、ト
ランジスタTr15のベース電流が流れはじめると、そ
のエミッタ電流も流れはじめる。
【0108】ここで、トランジスタTr15がONしは
じめる電圧は、トランジスタTr16のベース電圧より
も低い電圧となる。これは、トランジスタTr16が非
導通状態なの対して、トランジスタTr15がOFF状
態であり、トランジスタTr16のベース・エミッタ間
電圧Vbe16よりもトランジスタTr15のベース・エミ
ッタ間電圧Vbe15が小さいためである。
【0109】そして、トランジスタTr15のエミッタ
電流が流れ始めると、トランジスタTr15のエミッタ
電流の分だけ、トランジスタTr16のエミッタ電流は
減少する。よって、このエミッタ電流の減少により、ト
ランジスタTr16のベース・エミッタ間電圧Vbe16が
小さくなり、トランジスタTr16のエミッタ電位が基
準電圧V2に近づくように上昇させられる。
【0110】ここで、トランジスタTr15のエミッタ
端子とトランジスタTr16のエミッタ端子とは接続さ
れているため、トランジスタTr15のエミッタ電位も
上昇させられる。このため、トランジスタTr15のベ
ース電圧は、当初のベース電流の流れはじめよりも高い
電圧に設定することができる。そして、トランジスタT
r15のエミッタ電位の上昇は、トランジスタTr15
のエミッタ電流とトランジスタTr16のエミッタ電流
とが拮抗するまで続けられる。
【0111】これにより、トランジスタTr15のベー
ス電流は、トランジスタTr15のベース電位がトラン
ジスタTr16のベース電位よりも若干低い電圧から流
れ始め、ほぼ同電位になった後は定電圧を保つように動
作する。よって、この第4の関数回路60では、図8に
示すように入出力特性図上の直線どうしが変化点αで急
激に折れ曲がることなく漸近させることができ、より実
際のS字カーブに近い滑らかなカーブを生成することが
可能となる。
【0112】なお、上記の漸近作用は、第1の差動増幅
部DA1においても同様に生じる。また、前記第1の差
動増幅部DA1および第2の差動増幅部DA2を上記図
4同様に複数個組み合わせることにより、より実際の内
部インピーダンス特性を近似する関数回路とすることが
できる。
【0113】
【発明の効果】以上のように本発明では、圧電振動子が
有する内部インピーダンスの温度特性を温度によって傾
きの異なる1次直線からなる電圧を連続的につなげる関
数回路で模擬し、これに基づいてドライブ信号を発生す
ることにより、温度変動が生じた場合であっても振動子
を一定の出力振幅で駆動できる。このため、AGC回路
を使用する必要がなく、フィードバックループの数を削
減することができ、外乱に対する応答を安定にすること
ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】振動型ジャイロスコープにおける振動子の駆動
装置の構成を示すブロック図、
【図2】本発明における第1の関数回路を示す回路構成
図、
【図3】図2に示す関数回路の入出力特性図、
【図4】本発明における第2の関数回路を示す回路構成
図、
【図5】図4に示す関数回路の入出力特性図、
【図6】本発明における第3の関数回路を示す回路構成
図、
【図7】本発明における第4の関数回路を示す回路構成
図、
【図8】図7に示す関数回路の入出力特性の拡大図、
【図9】圧電振動子の温度に対するインピーダンスを示
す特性図、
【図10】従来の関数回路の構成を示す回路構成図、
【図11】図10に示す回路の入出力特性図、
【図12】従来の他の関数回路の構成を示す回路構成
図、
【図13】図12に示す関数回路の入出力特性図、
【符号の説明】
1 圧電振動子 10 駆動制御部 17 ドライブ手段 17A 制御信号生成手段 17B 正弦波発生手段 33 温度センサ 30 第1の関数回路 40 第2の関数回路 50 第3の関数回路 60 第4の関数回路 K1,K2,K11,K12 カレントミラー回路 DA1 第1の差動増幅部 DA2 第2の差動増幅部 Tr トランジスタ R1,R2,R3 抵抗(分圧手段) V1 第1の基準電圧源 V2 第2の基準電圧源 Vs 温度センサからの入力信号 Vbe ベース・エミッタ間電圧 Vout 出力電圧 Ib ベース電流
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高井 大輔 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 鈴木 裕久 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 西村 正明 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 2F056 JT06 2F075 EE07 EE08 2F105 BB09 CC06 CD02 CD06 CD11 5H420 NB02 NB22 NB31 NB36 NC02 NE23

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィードバック制御により振動駆動させ
    られる振動子の駆動装置であって、 前記振動子の近傍の温度を検出する温度センサと、前記
    温度センサからの入力信号を振動子の内部インピーダン
    スの温度特性に基づいて電流生成用の制御電圧に変換す
    る関数回路と、前記制御電圧に応じた基準電流を生成す
    る電圧/電流変換手段と、分周手段から所定の制御信号
    を生成する制御信号生成手段と、前記基準電流および制
    御信号から振動子を駆動するドライブ信号を生成する正
    弦波発生手段と、を有することを特徴とする振動子の駆
    動装置。
  2. 【請求項2】 前記関数回路が、温度によって傾きの異
    なる1次直線からなる電圧を連続的につなげたものであ
    り、前記1次直線が折り曲げられる温度に相当する電圧
    を与える第1および第2の基準電圧源と、前記入力信号
    を所定の分割比で分圧する分圧手段と、前記分圧手段の
    一端に前記第1および第2の基準電圧源と同じ電圧を与
    える第1および第2の回路とからなる請求項1記載の振
    動子の駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2の回路は、各々1組の
    NPN型の第1のトランジスタとPNP型の第2のトラ
    ンジスタとを備え、一方のトランジスタのベース端子と
    他方のトランジスタのエミッタ端子とが接続され、一方
    のトランジスタのエミッタ端子が前記分圧手段の一端に
    接続され、他方のトランジスタのベース端子には前記第
    1又は第2の基準電圧源が接続され、他方のトランジス
    タのコレクタ端子は接地又は電源に接続されているもの
    であり、 かつ両トランジスタのコレクタ端子およびエミッタ端子
    には、カレントミラー回路の入力部および出力部が接続
    されている請求項2記載の振動子の駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の回路および/または第2の回
    路が少なくとも1以上設けられている請求項2又は3記
    載の振動子の駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記関数回路が、傾きの異なる1次直線
    を連続的につなげて前記振動子の内部インピーダンスを
    近似するものであり、前記1次直線が折り曲げられる温
    度に相当する電圧を与える第1および第2の基準電圧源
    と、前記入力信号を所定の分割比で分圧する分圧手段
    と、前記分圧手段の一端に前記第1および第2の基準電
    圧源と同じ電圧を与える第1および第2の差動増幅部
    と、前記第1および第2の差動増幅部に定電流を与える
    第1および第2のカレントミラー回路が設けられている
    請求項1記載の振動子の駆動装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の差動増幅部の一方の入力部に
    は、第1の基準電圧源が接続され、他方の入力部に前記
    温度センサからの入力信号が前記分圧手段を介して与え
    られており、前記第2の差動増幅部の一方の入力部に
    は、第2の基準電圧源が接続され、他方の入力部に前記
    温度センサからの入力信号が前記分圧手段を介して与え
    られている請求項5記載の振動子の駆動装置。
  7. 【請求項7】 前記第1の差動増幅部および第2の差動
    増幅部が少なくとも1以上設けられている請求項5又は
    6記載の振動子の駆動装置。
JP2001324764A 2001-10-23 2001-10-23 振動子の駆動装置 Expired - Fee Related JP3853190B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001324764A JP3853190B2 (ja) 2001-10-23 2001-10-23 振動子の駆動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001324764A JP3853190B2 (ja) 2001-10-23 2001-10-23 振動子の駆動装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003130646A true JP2003130646A (ja) 2003-05-08
JP3853190B2 JP3853190B2 (ja) 2006-12-06

Family

ID=19141439

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001324764A Expired - Fee Related JP3853190B2 (ja) 2001-10-23 2001-10-23 振動子の駆動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3853190B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006153715A (ja) * 2004-11-30 2006-06-15 Japan Aviation Electronics Industry Ltd 振動ジャイロ
US7564164B2 (en) 2004-02-23 2009-07-21 Nec Corporation Drive circuit for piezoelectric pump and cooling system that uses this drive circuit
JP2010534823A (ja) * 2008-01-25 2010-11-11 コンクク、ユニバーシティー、インダストリアル、コーオペレーション、コーポレーション 自動利得制御ループを使用した力平衡制御システム及び制御方法
US10520311B2 (en) 2016-05-20 2019-12-31 Denso Corporation Gyro sensor apparatus
CN114594817B (zh) * 2020-12-07 2023-10-27 中移物联网有限公司 一种输入输出芯片驱动能力的调节电路及方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7564164B2 (en) 2004-02-23 2009-07-21 Nec Corporation Drive circuit for piezoelectric pump and cooling system that uses this drive circuit
JP2006153715A (ja) * 2004-11-30 2006-06-15 Japan Aviation Electronics Industry Ltd 振動ジャイロ
JP2010534823A (ja) * 2008-01-25 2010-11-11 コンクク、ユニバーシティー、インダストリアル、コーオペレーション、コーポレーション 自動利得制御ループを使用した力平衡制御システム及び制御方法
US10520311B2 (en) 2016-05-20 2019-12-31 Denso Corporation Gyro sensor apparatus
CN114594817B (zh) * 2020-12-07 2023-10-27 中移物联网有限公司 一种输入输出芯片驱动能力的调节电路及方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3853190B2 (ja) 2006-12-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003130646A (ja) 振動子の駆動装置
JPWO2004079895A1 (ja) 水晶発振回路
JP2002157030A (ja) 安定化直流電源装置
JP2003152454A (ja) 発振回路および発振用集積回路
JP4889849B2 (ja) 正弦波発生回路
JP2001308641A (ja) 圧電発振器
JP2602727B2 (ja) 圧電発振器
US4994764A (en) Single-pin oscillator
JP4857408B2 (ja) 正弦波発生回路
JPS61186004A (ja) デユアルモード移相発振器
JP2000292172A (ja) 圧電振動子の駆動および検出装置
JPH11340797A (ja) 電圧制御発振器
JP2006033092A (ja) 圧電発振器
JPH11205095A (ja) 電圧制御発振回路
JP3205248B2 (ja) 電圧制御発振回路の周波数調整装置
JPH10200381A (ja) 電圧制御発振器
JP2000183652A (ja) 発振回路
JP3146088B2 (ja) 可変リアクタンス回路
JP3744780B2 (ja) 発振回路
JP2001006369A (ja) 半導体インターフェースシステム及び半導体メモリ回路
JPH06232700A (ja) デューティサイクル可変発振回路
CN116647229A (zh) 一种晶振控制装置
JP2007067787A (ja) 弾性表面波共振子の温度補償方法および温度補償型弾性表面波発振器
JP2519271B2 (ja) 周波数可変発振回路
JPH09261012A (ja) 電圧制御発振器及びその発振方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040825

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060613

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060810

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060905

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060905

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100915

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110915

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110915

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120915

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120915

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130915

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees