JP2003128741A - 耐熱性架橋ポリエステル樹脂成形品 - Google Patents
耐熱性架橋ポリエステル樹脂成形品Info
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Abstract
精密成形ができ、かつ、高度な耐熱ハンダ性(耐リフロ
ー性)への要求に答えられる耐熱性樹脂成形品を得る。 【解決手段】 (1)テレフタル酸、テレフタル酸
ジメチルなどの芳香族ジカルボン酸、(2)1,4−ブ
タンジオールなどの飽和脂肪族ジオール、(3)フマル
酸ジメチルなどの炭素−炭素二重結合がカルボニル官能
基に対してα、β位に存在するジカルボン酸を主たる繰
り返し単位とし、(3)の炭素−炭素二重結合がカルボ
ニル官能基に対してα、β位に存在するジカルボン酸の
共重合比率が1〜20モル%である熱可塑性ポリエステ
ル樹脂を主体とする樹脂組成物を溶融成形し、電離放射
線の照射により架橋する。
Description
ー等の高度な耐熱ハンダ性(耐リフロー性)が要求され
る電子部品に主として用いられる耐熱性樹脂成形品に関
するものである。
伴い、LSIやIC等の半導体素子、抵抗、コンデン
サ、インダクター、コネクター等の電子部品の小型化、
薄肉化が進むとともに、プリント配線板への表面実装化
率が高まっている。プリント配線板への電子部品の実装
は、従来はスズ−鉛系の半田が使用されてきたが、環境
問題への対応の必要性から、鉛フリー半田の実用化が鋭
意進められている。ここで、鉛フリー半田は従来のスズ
−鉛系の半田に比べて融点が20〜40℃高いため、半
田実装時のリフロー温度も高くなり、電子部品の耐熱性
の向上が要求されるようになった。すなわち、鉛フリー
半田を使用する場合、電子部品は260℃×60秒の耐
熱性が必要であるとされている。この結果、表面実装コ
ネクターを例にとると、従来は6−ナイロンやPBT
(ポリブチレンテレフタレート)等の汎用エンプラがハ
ウジング材として適用されてきたが、コネクターの小型
化により、薄肉化も進行していることから、汎用エンプ
ラでは耐熱性が不足し、LCP(液晶ポリマー)やPP
S(ポリフェニレンサルファイド)等のスーパーエンプラ
が適用されるケースが増加している。
満足であるとされている。例えばLCPでは、溶融流動
性に優れるので薄肉成形性に優れるというメリットがあ
る半面、成形品の強度に異方性が生じやすいこと、靱性
に劣るため、薄肉部での強度が劣ること等の欠点があ
る。また、PPSは、射出成形時にバリが生じやすい等
の点で加工しにくいという問題を抱えている。更に、ス
ーパーエンプラでは、ナイロンやPBTなどの汎用エン
プラと比べて値段がかなり高いという問題もある。
るPBTを架橋して耐熱性を向上させることが注目され
ている。PBTを架橋させる方法としては、分子内に炭
素−炭素不飽和結合を導入したポリブチレンテレフタレ
ート系のポリエステル樹脂を射出成形法等により溶融成
形し、これに電子線やガンマ線等の電離放射線を照射し
て架橋する方法が考えられる。ところで、分子内に炭素
−炭素不飽和結合を導入したポリブチレンテレフタレー
ト系のポリエステル樹脂は、特開昭51−115594
号公報、特開平6−9863号公報、特開平8−134
337号公報に開示されている。
は、オレフィン性二重結合を有する脂肪族ジオールおよ
び(または)オレフィン性二重結合を有する脂肪族ジカ
ルボン酸を共重合して得られるポリエステルが開示され
ており、250℃における溶融粘度が600Pa・s以
上の高粘度ポリエステルの製造を目的とするものであ
る。なお、上記のオレフィン性二重結合を有するモノマ
ーにおいては、具体例としては2−ブテン−1,4−ジ
オールが例示されているが、成形品に対する電離放射線
の照射による架橋等については示唆されていない。
レフィン二重結合を有する高分子ポリエステルの成形品
に対する電離放射線の照射が開示されており、オレフィ
ンモノマーとしては、主鎖中に少なくとも1個のオレフ
ィン系二重結合を含有するジオールが挙げられ、オレフ
ィン二重結合はカルボニル官能基に対してα、β位に存
在しないものが良いことが記載されている。同公報に
は、オレフィン系不飽和ジカルボン酸についても記載が
あり、炭素数16〜36個の炭素原子を有する化合物が
特に有利であるとあり、10−エイコセン−1,20−
ジカルボン酸、10−エイコセン−1,20−ジカルボ
ン酸ジメチルエステルを用いるのが特に有利である旨が
記載されている。しかしながら、当該オレフィン二重結
合を有する高分子ポリエステルの成形品の照射後の特性
については、ビカット軟化点、荷重たわみ温度、ゲル分
率等に関しての記載されているに過ぎず、260℃での
リフローに関しては示唆がない。
も、オレフィン二重結合を有する高分子ポリエステルの
成形品に対する電離放射線の照射が開示されており、オ
レフィンモノマーとしては、2−ブテン−1,4−ジオ
ールが特に有利なモノマーとして開示されている。ま
た、当該ポリエステルの成形品の照射処理後の耐熱性に
関しても、260℃の溶融半田に10秒間浸漬する試験
法での評価結果が記載されている。しかしながら、80
×10×4mmという厚肉の形状の試料での試験結果で
あり、表面実装コネクター等の電子部品の分野で必要と
される厚み0.2〜1.0mmの薄肉成形品での耐熱性
については窺い知ることができず、また、電離放射線の
照射量に関しても、耐溶融半田性を満足するには、ポリ
エステル中への2−ブテン−1,4−ジオールの導入比
率に依らず、250kGy乃至は1000kGyという
多量の照射を必要とすることからコスト的に不利であ
り、工業的利用という見地から必ずしも十分とは言えな
い。
知文献に記載されているオレフィン二重結合を有する高
分子ポリエステルには、成形加工上の重要な欠点があ
る。それは溶融粘度の経時変化が大きいことである。本
願発明者等の検討によれば、キャピラリーレオメーター
で260℃での溶融粘度の経時変化を測定すると、開始
時には剪断速度1000(1/s)における粘度が80
Pa・sであったものが、260℃×60分後には粘度
が20Pa・sと25%に低下し、熱安定性は不十分で
あった。
るに際しては、射出成形機中での樹脂の滞留による粘度
変化についても十分考慮する必要がある。すなわち、成
形機内での樹脂の部分的な滞留は、どのような構造の溶
融成形機においても避けることのできない現象であり、
滞留により溶融粘度が上昇する場合は、高粘度化した樹
脂分が成形品の表面に異物、スコーチした微細な塊とし
て析出して外観異常を頻発させる問題があり、逆に、成
形機中での樹脂滞留により溶融粘度が著しく低下する場
合には成形品の強度を低下させる。高粘度化、低粘度
化、何れの場合も、殊に薄肉成形品の製造に於いては致
命的な欠陥となるおそれがあり、成形機内の樹脂滞留に
よる溶融粘度の変化は、出来る限り少ないことが必要で
ある。
題について、鋭意検討した結果、(1)芳香族ジカルボ
ン酸、(2)飽和脂肪族ジオール、(3)オレフィン二
重結合がカルボニル官能基に対してα、β位に存在する
ジカルボン酸を繰り返し単位とするポリエステルであっ
て、(3)の共重合比率が1〜10モル%であるポリエ
ステル樹脂であれば、溶融粘度の経時変化が極めて少な
く、安定性に優れるという性能が得られ、これを溶融成
形し、電離放射線の照射により架橋すれば、0.2〜
1.0mmといった薄肉形状の成形品でも260℃×6
0秒の耐リフロー性を有し、かつ低線量の電離放射線の
照射で十分な耐リフロー性が得られることを見出した。
カルボン酸には、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸やこれらの低級アルキルエステルや酸
無水物等の誘導体が使用できる。生成するポリエステル
樹脂の融点を高くできる点から、テレフタル酸、テレフ
タル酸ジメチル、ナフタレンジカルボン酸、ナフタレン
ジカルボン酸ジメチルが好ましく、その中でもテレフタ
ル酸、テレフタル酸ジメタルは、生成するポリエステル
樹脂の射出成形性が良好であるという点から特に好まし
い。
チレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4
−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロ
ヘキサンジメタノール等が使用でき、生成するポリエス
テル樹脂の射出成形性が良いという点から1,4−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオールが好適である。
(3)のオレフィン二重結合がカルボニル官能基に対し
てα、β位に存在するジカルボン酸としては、フマル
酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸やそれらの
低級アルキルエステル、酸無水物等の誘導体が使用でき
る。(3)のオレフィン二重結合がカルボニル官能基に
対してα、β位に存在するジカルボン酸の共重合比率は
1〜10モル%が好ましい。1モル%未満では成形品の
照射後の耐リフロー性が低下し、10モル%を越える
と、電離放射線の照射による架橋効率は向上するが、ポ
リエステル樹脂の結晶融点が200℃を下回るようにな
り、結果としてリフロー時に変形し易くなり、好ましく
ない。
ルボン酸について、前記の特開平6−9863号公報に
開示されているような、炭素数16〜36個の炭素原子
を有する長鎖のオレフィン系不飽和ジカルボン酸化合物
はポリエステル樹脂の結晶融点を著しく低下させてしま
い、これらは共重合比率が低い場合でも融点が200℃
を下回るようになるため、リフロー時に変形し易くな
り、好ましくない。
射処理した成形品について、リフロー時の変形と、リフ
ロー温度である260℃での貯蔵弾性率の関係を検討し
た結果、肉厚が0.2〜1.0mmの薄肉形状の射出成
形品に於いて、リフロー時の形状変化を極力低減するた
めには、ポリエステル樹脂の結晶融点が200℃以上
で、かつ260℃での貯蔵弾性率が2×106Pa以上
であることが必要なことがわかった。そして、この条件
は、モノマー(3)の共重合比を10モル%以下に制限
することにより達成できることがわかった。
ルボン酸成分、(2)の飽和脂肪族ジオール成分、
(3)のオレフィン二重結合がカルボニル官能基に対し
てα、β位に存在するジカルボン酸成分を用いて、チタ
ン酸i−プロピル、チタン酸n−ブチル等の有機チタン
化合物等の触媒による公知の手段により製造できる。ポ
リエステル樹脂の溶融粘度は、0.2〜1.0mm厚の
薄肉の射出成形性や成形品の強度等の点から、250℃
での溶融粘度が30〜300Pa・sの範囲になるよう
に設定することが好ましく、50〜200Pa・sの範
囲になるように設定することがより好ましい。
じて、滑剤、可塑剤、着色剤、補強剤、充填剤、難燃
剤、酸化防止剤等の既知の配合薬品を適宜添加でき、こ
れら添加剤の混合は単軸押出機や二軸押出機等の既知の
混合装置を適用できる。また、上記の樹脂組成物にトリ
メチロールプロパントリメタクリレートやトリアリルイ
ソシアヌレート等の多官能性モノマーを配合すると、よ
り低線量の照射で耐熱性の良い成形体が得られる。
るポリエステル樹脂を重合するためのモノマーの仕込み
量のモル比を示す。
のモル比にて重合装置にモノマーを仕込み、チタン酸n
−ブチル(触媒)を1000ppm添加して160〜2
40℃でエステル交換を行い、理論量の98%のメタノ
ールを留去し、その後さらにチタン酸i−プロピルを1
50ppm添加して240〜260℃、0.1Torr
の減圧下にて重縮合を3時間行った後、チタン酸の失活
剤として、リン化合物(イルガノックス1222、チバ
スペッシャルティケミカルズ社製、商品名)を600p
pm添加した後、払い出しを行い、融点218℃(DS
C測定)、溶融粘度200Pa・s(250℃)の熱可
塑性ポリエステル樹脂を得た。このポリエステル樹脂を
ペレット化し、80℃にて24時間乾燥させた後、この
二軸混合機(45mmφ、L/D=32)を用いて、ポ
リエステル樹脂100重量部に対し、イルガノックス1
010(チバスペッシャルティケミカルズ社製、商品
名)を0.5重量部の比率で、バレル温度260℃にて
溶融混合し、溶融ストランドを水冷ペタイズしてポリエ
ステル樹脂組成物のペレットを得た。当該ポリエステル
樹脂組成物の溶融粘度の経時変化をキャピラリーレオメ
ーター(ロザンド製 RH−7)で測定した結果、剪断
速度1000(1/s)における260℃での溶融粘度
は、開始時には130Pa・sであったものが、260
℃×60分後にも粘度が90Pa・sと約30%程度の
粘度低下に留まり、溶融粘度の経時変化が極めて少な
く、優れた熱安定性を有することがわかった。射出成形
機(型締力100トン、スクリュー径45mmφ)を用
いて、バレル温度260℃、射出圧100kg/cm
2、保圧時間10秒、金型温度60℃の条件にて長さ1
0×幅10×厚み0.4mm及び長さ30×幅5×厚み
2mmの2種類のプレートを製造し、加速電圧3MeV
の電子線を100kGy照射して試験試料を得た。長さ
10×幅10×厚み0.4mmの試料を260℃設定ゾ
ーンを60秒間で通過する条件にて、リフロー炉内を移
動させ、形状変化率を調べたところ、長さ方向、幅方向
ともに1%以内であり、優れた耐リフロー性を有するこ
とがわかった。また、長さ40×幅5×厚み1mmを用
い、動的粘弾性測定装置(アイティー計測製、DVA2
20)を用いて、260℃での貯蔵弾性率を測定した結
果、6×106Paであった。
のモル比のモノマーを用いた熱可塑性ポリステル樹脂を
実施例1と同様の方法で製造した。このポリエステル樹
脂の融点は221℃、溶融粘度は130Pa・s(25
0℃)であった。このポリエステル樹脂をペレット化し
た。このポリエステル樹脂をペレット化し、80℃にて
24時間乾燥させた後、実施例1と同様に、ポリエステ
ル樹脂100重量部に対し、イルガノックス1010
(チバスペッシャルティケミカルズ社製、商品名)を
0.5重量部の比率で混合したポリエステル樹脂組成物
のペレットを得た。当該ポリエステル樹脂組成物を実施
例1と同じ方法で測定した結果、剪断速度1000(1
/s)における260℃での溶融粘度は、開始時には8
0Pa・sであったものが、260℃×60分後にも粘
度が60Pa・sと約25%程度の粘度低下に留まり、
溶融粘度の経時変化が極めて少なく、優れた熱安定性を
有することがわかった。この樹脂ペレットを射出成形機
(型締力100トン、スクリュー径45mmφ)を用い
て、実施例1と同じ条件にて、長さ10×幅10×厚み
0.4mm及び長さ30×幅5×厚み2mmの2種類の
プレートを製造し、加速電圧3MeVの電子線を150
kGy照射して試験試料を得た。実施例1と同様の方法
で耐リフロー性を評価した結果、長さ方向、幅方向の変
化率はともに1%以内であり、優れた耐リフロー性を有
することがわかった。また、長さ40×幅5×厚み1m
mを用い、動的粘弾性測定装置(アイティー計測製、D
VA220)を用いて、260℃での貯蔵弾性率を測定
した結果、4×106Paであった。
テル樹脂ペレット100重量部に対し、イルガノックス
1010(チバスペッシャルティケミカルズ社製、商品
名)0.5重量部、トリメチロールプロパントリメタク
リレート3重量部の比率で実施例1と同様の方法で溶融
混合し、ポリエステル樹脂組成物のペレットを得た。こ
の樹脂ペレットを射出成形機(型締力100トン、スク
リュー径45mmφ)を用いて、バレル温度260℃、
射出圧100kg/cm2、保圧時間10秒、金型温度
60℃の条件にて、長さ10×幅10×厚み0.4mm
及び長さ30×幅5×厚み2mmのプレートを製造し、
加速電圧3MeVの電子線を100kGy照射して試験
試料を得た。長さ10×幅10×厚み0.4mmの試料
を260℃設定ゾーンを60秒間で通過する条件にて、
リフロー炉内を移動させ、形状変化率を調べたところ、
長さ方向、幅方向ともに1%以内であり、優れた耐リフ
ロー性を有することがわかった。また、長さ40×幅5
×厚み1mmを用い、動的粘弾性測定装置(アイティー
計測製、DVA220)を用いて、260℃での貯蔵弾
性率を測定した結果、8×106Paであった。
のモル比にて、2−ブテン−1,4−ジオールをオレフ
ィン性モノマーとして適用したポリステル樹脂を実施例
1と同様の方法で製造した。このポリエステル樹脂の融
点は222℃、溶融粘度は180Pa・s(250℃)
であった。このポリエステル樹脂をペレット化し、80
℃にて24時間乾燥させた後、実施例1と同様の方法
で、ポリエステル樹脂100重量部に対し、イルガノッ
クス1010(チバスペッシャルティケミカルズ社製、
商品名)を0.5重量部の比率で溶融混合し、ポリエス
テル樹脂組成物のペレットを得た。当該ポリエステル樹
脂組成物を実施例1と同じ方法で測定した結果、剪断速
度1000(1/s)における260℃での溶融粘度
は、開始時には100Pa・sであったものが、260
℃×60分後にも粘度が30Pa・sと約70%以上の
粘度低下があり、溶融粘度の経時変化が大きく、熱安定
性が良くないことがわかった。このポリエステル樹脂を
用いて、実施例1と同様に長さ10×幅10×厚み0.
4mmのプレートを製造し、このプレート対して、加速
電圧3MeVの電子線を100kGy及び250kGy
の2条件で照射して試験試料を得た。このプレート試料
を260℃設定ゾーンを60秒間で通過する条件にて、
リフロー炉内を移動させ、形状変化率を調べたところ、
何れの照射条件の試料も大きく収縮し、100kGy照
射品では大きくカールし、250kGy照射品も長さ方
向の収縮率が8%、幅方向の収縮率が7%と、耐リフロ
ー性が不十分であることがわかった。また、長さ40×
幅5×厚み1mmを用い、動的粘弾性測定装置(アイテ
ィー計測製、DVA220)を用いて、260℃での貯
蔵弾性率を測定した結果、1×106Paであった。
のモル比、すなわち、二重結合がカルボニル基に対して
α、β位にないモノマーであるテトラヒドロフタル酸無
水物をオレフィン性モノマーとして適用したポリステル
樹脂を実施例1と同様の方法で製造した。このポリエス
テル樹脂の融点は222℃、溶融粘度は150Pa・s
(250℃)であった。このポリエステル樹脂をペレッ
ト化し、80℃にて24時間乾燥させた後、実施例1と
同様の方法で、ポリエステル樹脂100重量部に対し、
イルガノックス1010(チバスペッシャルティケミカ
ルズ社製、商品名)を0.5重量部の比率で溶融混合
し、ポリエステル樹脂組成物のペレットを得た。溶融粘
度の経時変化を実施例1と同じ方法で測定した結果、剪
断速度1000(1/s)における260℃での溶融粘
度は、開始時には110Pa・sであったものが、26
0℃×60分後にも粘度が20Pa・sと約80%以上
の粘度低下があり、溶融粘度の経時変化が大きく、熱安
定性が良くないことがわかった。このポリエステル樹脂
を用いて、実施例1と同様に長さ10×幅10×厚み
0.4mmのプレートを製造し、このプレート対して、
加速電圧3MeVの電子線を100kGy及び250k
Gyの2条件で照射して試験試料を得た。このプレート
試料を260℃設定ゾーンを60秒間で通過する条件に
て、リフロー炉内を移動させ、形状変化率を調べたとこ
ろ、何れの照射条件の試料もカールしていることが目視
で確認でき、耐リフロー性は不十分であることがわかっ
た。
のモル比率、すなわち、フマル酸ジメチルのモル比が1
0モル%を越える比率で共重合したポリエステル樹脂を
実施例1と同様の方法で製造した。このポリエステル樹
脂の融点は182℃、溶融粘度は110Pa・s(25
0℃)であった。このポリエステル樹脂をペレット化
し、80℃にて24時間乾燥させた後、実施例1と同様
の方法で、ポリエステル樹脂100重量部に対し、イル
ガノックス1010(チバスペッシャルティケミカルズ
社製、商品名)を0.5重量部の比率で溶融混合し、ポ
リエステル樹脂組成物のペレットを得た。このポリエス
テル樹脂を用いて、実施例1と同様に長さ10×幅5×
厚み0.4mmのプレートを製造し、このプレート対し
て、加速電圧3MeVの電子線を100kGy及び25
0kGyの2条件で照射して試験試料を得た。このプレ
ート試料を260℃設定ゾーンを60秒間で通過する条
件にて、リフロー炉内を移動させ、形状変化率を調べた
ところ、100kGy品は幅方向に5%収縮、長さの変
化率は7%収縮し、また、250kGy照射品でも幅方
向の収縮率は1%以内であったが、長さ方向の収縮率は
4%であり、耐リフロー性は不十分であることがわかっ
た。
ボン酸、(2)飽和脂肪族ジオール、(3)オレフィン
二重結合がカルボニル官能基に対してα、β位に存在す
るジカルボン酸を繰り返し単位とするポリエステルであ
って、(3)の共重合比率が1〜20モル%であるポリ
エステル樹脂は、加工安定性に優れ、薄肉形状の精密成
形ができ、しかも低線量の照射で高度な耐熱性を確保で
きるので、基板実装コネクター等の電子部品の製造分野
での利用価値は大変大きいものがある。
Claims (3)
- 【請求項1】(1)芳香族ジカルボン酸、(2)飽和脂
肪族ジオール、(3)炭素−炭素二重結合がカルボニル
官能基に対してα、β位に存在するジカルボン酸を主た
る繰り返し単位とし、前記(3)の炭素−炭素二重結合
がカルボニル官能基に対してα、β位に存在するジカル
ボン酸の共重合比率が1〜10モル%である熱可塑性ポ
リエステル樹脂を主体とする樹脂組成物を溶融成形し、
電離放射線の照射により架橋してなることを特徴とする
耐熱性架橋ポリエステル樹脂成形品。 - 【請求項2】前記(3)の炭素−炭素二重結合がカルボ
ニル官能基に対してα、β位に存在するジカルボン酸
が、フマル酸または、マレイン酸であることを特徴とす
る請求項1に記載の耐熱性架橋ポリエステル樹脂成形
品。 - 【請求項3】融点が200℃以上で、260℃での貯蔵
弾性率が2×106Pa以上であることを特徴とする請
求項1または請求項2に記載の耐熱性架橋ポリエステル
樹脂成形品。
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