JP2003128741A - 耐熱性架橋ポリエステル樹脂成形品 - Google Patents

耐熱性架橋ポリエステル樹脂成形品

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JP2003128741A JP2001327062A JP2001327062A JP2003128741A JP 2003128741 A JP2003128741 A JP 2003128741A JP 2001327062 A JP2001327062 A JP 2001327062A JP 2001327062 A JP2001327062 A JP 2001327062A JP 2003128741 A JP2003128741 A JP 2003128741A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子機器の小型化、薄肉化への対応のための
精密成形ができ、かつ、高度な耐熱ハンダ性(耐リフロ
ー性)への要求に答えられる耐熱性樹脂成形品を得る。 【解決手段】 (1)テレフタル酸、テレフタル酸
ジメチルなどの芳香族ジカルボン酸、(2)1,4−ブ
タンジオールなどの飽和脂肪族ジオール、(3)フマル
酸ジメチルなどの炭素−炭素二重結合がカルボニル官能
基に対してα、β位に存在するジカルボン酸を主たる繰
り返し単位とし、(3)の炭素−炭素二重結合がカルボ
ニル官能基に対してα、β位に存在するジカルボン酸の
共重合比率が1〜20モル%である熱可塑性ポリエステ
ル樹脂を主体とする樹脂組成物を溶融成形し、電離放射
線の照射により架橋する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面実装コネクタ
ー等の高度な耐熱ハンダ性(耐リフロー性)が要求され
る電子部品に主として用いられる耐熱性樹脂成形品に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型化、薄肉化、高機能化に
伴い、LSIやIC等の半導体素子、抵抗、コンデン
サ、インダクター、コネクター等の電子部品の小型化、
薄肉化が進むとともに、プリント配線板への表面実装化
率が高まっている。プリント配線板への電子部品の実装
は、従来はスズ−鉛系の半田が使用されてきたが、環境
問題への対応の必要性から、鉛フリー半田の実用化が鋭
意進められている。ここで、鉛フリー半田は従来のスズ
−鉛系の半田に比べて融点が20〜40℃高いため、半
田実装時のリフロー温度も高くなり、電子部品の耐熱性
の向上が要求されるようになった。すなわち、鉛フリー
半田を使用する場合、電子部品は260℃×60秒の耐
熱性が必要であるとされている。この結果、表面実装コ
ネクターを例にとると、従来は6−ナイロンやPBT
(ポリブチレンテレフタレート)等の汎用エンプラがハ
ウジング材として適用されてきたが、コネクターの小型
化により、薄肉化も進行していることから、汎用エンプ
ラでは耐熱性が不足し、LCP(液晶ポリマー)やPP
S(ポリフェニレンサルファイド)等のスーパーエンプラ
が適用されるケースが増加している。
【0003】しかし、上記のスーパーエンプラでは、不
満足であるとされている。例えばLCPでは、溶融流動
性に優れるので薄肉成形性に優れるというメリットがあ
る半面、成形品の強度に異方性が生じやすいこと、靱性
に劣るため、薄肉部での強度が劣ること等の欠点があ
る。また、PPSは、射出成形時にバリが生じやすい等
の点で加工しにくいという問題を抱えている。更に、ス
ーパーエンプラでは、ナイロンやPBTなどの汎用エン
プラと比べて値段がかなり高いという問題もある。
【0004】以上のような事情から、汎用エンプラであ
るPBTを架橋して耐熱性を向上させることが注目され
ている。PBTを架橋させる方法としては、分子内に炭
素−炭素不飽和結合を導入したポリブチレンテレフタレ
ート系のポリエステル樹脂を射出成形法等により溶融成
形し、これに電子線やガンマ線等の電離放射線を照射し
て架橋する方法が考えられる。ところで、分子内に炭素
−炭素不飽和結合を導入したポリブチレンテレフタレー
ト系のポリエステル樹脂は、特開昭51−115594
号公報、特開平6−9863号公報、特開平8−134
337号公報に開示されている。
【0005】まず、特開昭51−115594号公報で
は、オレフィン性二重結合を有する脂肪族ジオールおよ
び(または)オレフィン性二重結合を有する脂肪族ジカ
ルボン酸を共重合して得られるポリエステルが開示され
ており、250℃における溶融粘度が600Pa・s以
上の高粘度ポリエステルの製造を目的とするものであ
る。なお、上記のオレフィン性二重結合を有するモノマ
ーにおいては、具体例としては2−ブテン−1,4−ジ
オールが例示されているが、成形品に対する電離放射線
の照射による架橋等については示唆されていない。
【0006】次に、特開平6−9863号公報には、オ
レフィン二重結合を有する高分子ポリエステルの成形品
に対する電離放射線の照射が開示されており、オレフィ
ンモノマーとしては、主鎖中に少なくとも1個のオレフ
ィン系二重結合を含有するジオールが挙げられ、オレフ
ィン二重結合はカルボニル官能基に対してα、β位に存
在しないものが良いことが記載されている。同公報に
は、オレフィン系不飽和ジカルボン酸についても記載が
あり、炭素数16〜36個の炭素原子を有する化合物が
特に有利であるとあり、10−エイコセン−1,20−
ジカルボン酸、10−エイコセン−1,20−ジカルボ
ン酸ジメチルエステルを用いるのが特に有利である旨が
記載されている。しかしながら、当該オレフィン二重結
合を有する高分子ポリエステルの成形品の照射後の特性
については、ビカット軟化点、荷重たわみ温度、ゲル分
率等に関しての記載されているに過ぎず、260℃での
リフローに関しては示唆がない。
【0007】一方、特開平8−134337号公報に
も、オレフィン二重結合を有する高分子ポリエステルの
成形品に対する電離放射線の照射が開示されており、オ
レフィンモノマーとしては、2−ブテン−1,4−ジオ
ールが特に有利なモノマーとして開示されている。ま
た、当該ポリエステルの成形品の照射処理後の耐熱性に
関しても、260℃の溶融半田に10秒間浸漬する試験
法での評価結果が記載されている。しかしながら、80
×10×4mmという厚肉の形状の試料での試験結果で
あり、表面実装コネクター等の電子部品の分野で必要と
される厚み0.2〜1.0mmの薄肉成形品での耐熱性
については窺い知ることができず、また、電離放射線の
照射量に関しても、耐溶融半田性を満足するには、ポリ
エステル中への2−ブテン−1,4−ジオールの導入比
率に依らず、250kGy乃至は1000kGyという
多量の照射を必要とすることからコスト的に不利であ
り、工業的利用という見地から必ずしも十分とは言えな
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】更に言えば、前記の公
知文献に記載されているオレフィン二重結合を有する高
分子ポリエステルには、成形加工上の重要な欠点があ
る。それは溶融粘度の経時変化が大きいことである。本
願発明者等の検討によれば、キャピラリーレオメーター
で260℃での溶融粘度の経時変化を測定すると、開始
時には剪断速度1000(1/s)における粘度が80
Pa・sであったものが、260℃×60分後には粘度
が20Pa・sと25%に低下し、熱安定性は不十分で
あった。
【0009】ところで、ポリエステル樹脂を射出成形す
るに際しては、射出成形機中での樹脂の滞留による粘度
変化についても十分考慮する必要がある。すなわち、成
形機内での樹脂の部分的な滞留は、どのような構造の溶
融成形機においても避けることのできない現象であり、
滞留により溶融粘度が上昇する場合は、高粘度化した樹
脂分が成形品の表面に異物、スコーチした微細な塊とし
て析出して外観異常を頻発させる問題があり、逆に、成
形機中での樹脂滞留により溶融粘度が著しく低下する場
合には成形品の強度を低下させる。高粘度化、低粘度
化、何れの場合も、殊に薄肉成形品の製造に於いては致
命的な欠陥となるおそれがあり、成形機内の樹脂滞留に
よる溶融粘度の変化は、出来る限り少ないことが必要で
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは上記の課
題について、鋭意検討した結果、(1)芳香族ジカルボ
ン酸、(2)飽和脂肪族ジオール、(3)オレフィン二
重結合がカルボニル官能基に対してα、β位に存在する
ジカルボン酸を繰り返し単位とするポリエステルであっ
て、(3)の共重合比率が1〜10モル%であるポリエ
ステル樹脂であれば、溶融粘度の経時変化が極めて少な
く、安定性に優れるという性能が得られ、これを溶融成
形し、電離放射線の照射により架橋すれば、0.2〜
1.0mmといった薄肉形状の成形品でも260℃×6
0秒の耐リフロー性を有し、かつ低線量の電離放射線の
照射で十分な耐リフロー性が得られることを見出した。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に於いて、(1)芳香族ジ
カルボン酸には、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸やこれらの低級アルキルエステルや酸
無水物等の誘導体が使用できる。生成するポリエステル
樹脂の融点を高くできる点から、テレフタル酸、テレフ
タル酸ジメチル、ナフタレンジカルボン酸、ナフタレン
ジカルボン酸ジメチルが好ましく、その中でもテレフタ
ル酸、テレフタル酸ジメタルは、生成するポリエステル
樹脂の射出成形性が良好であるという点から特に好まし
い。
【0012】(2)の飽和脂肪族ジオールとしては、エ
チレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4
−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロ
ヘキサンジメタノール等が使用でき、生成するポリエス
テル樹脂の射出成形性が良いという点から1,4−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオールが好適である。
(3)のオレフィン二重結合がカルボニル官能基に対し
てα、β位に存在するジカルボン酸としては、フマル
酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸やそれらの
低級アルキルエステル、酸無水物等の誘導体が使用でき
る。(3)のオレフィン二重結合がカルボニル官能基に
対してα、β位に存在するジカルボン酸の共重合比率は
1〜10モル%が好ましい。1モル%未満では成形品の
照射後の耐リフロー性が低下し、10モル%を越える
と、電離放射線の照射による架橋効率は向上するが、ポ
リエステル樹脂の結晶融点が200℃を下回るようにな
り、結果としてリフロー時に変形し易くなり、好ましく
ない。
【0013】なお、オレフィン性二重結合を有するジカ
ルボン酸について、前記の特開平6−9863号公報に
開示されているような、炭素数16〜36個の炭素原子
を有する長鎖のオレフィン系不飽和ジカルボン酸化合物
はポリエステル樹脂の結晶融点を著しく低下させてしま
い、これらは共重合比率が低い場合でも融点が200℃
を下回るようになるため、リフロー時に変形し易くな
り、好ましくない。
【0014】上記のリフロー時の熱変形については、照
射処理した成形品について、リフロー時の変形と、リフ
ロー温度である260℃での貯蔵弾性率の関係を検討し
た結果、肉厚が0.2〜1.0mmの薄肉形状の射出成
形品に於いて、リフロー時の形状変化を極力低減するた
めには、ポリエステル樹脂の結晶融点が200℃以上
で、かつ260℃での貯蔵弾性率が2×10Pa以上
であることが必要なことがわかった。そして、この条件
は、モノマー(3)の共重合比を10モル%以下に制限
することにより達成できることがわかった。
【0015】上記ポリエステルは、(1)の芳香族ジカ
ルボン酸成分、(2)の飽和脂肪族ジオール成分、
(3)のオレフィン二重結合がカルボニル官能基に対し
てα、β位に存在するジカルボン酸成分を用いて、チタ
ン酸i−プロピル、チタン酸n−ブチル等の有機チタン
化合物等の触媒による公知の手段により製造できる。ポ
リエステル樹脂の溶融粘度は、0.2〜1.0mm厚の
薄肉の射出成形性や成形品の強度等の点から、250℃
での溶融粘度が30〜300Pa・sの範囲になるよう
に設定することが好ましく、50〜200Pa・sの範
囲になるように設定することがより好ましい。
【0016】なお、本発明の樹脂組成物には、必要に応
じて、滑剤、可塑剤、着色剤、補強剤、充填剤、難燃
剤、酸化防止剤等の既知の配合薬品を適宜添加でき、こ
れら添加剤の混合は単軸押出機や二軸押出機等の既知の
混合装置を適用できる。また、上記の樹脂組成物にトリ
メチロールプロパントリメタクリレートやトリアリルイ
ソシアヌレート等の多官能性モノマーを配合すると、よ
り低線量の照射で耐熱性の良い成形体が得られる。
【0017】
【実施例】表1に、以下で述べる実施例、比較例に於け
るポリエステル樹脂を重合するためのモノマーの仕込み
量のモル比を示す。
【0018】
【表1】
【0019】(実施例1)第1表の実施例1の欄に記載
のモル比にて重合装置にモノマーを仕込み、チタン酸n
−ブチル(触媒)を1000ppm添加して160〜2
40℃でエステル交換を行い、理論量の98%のメタノ
ールを留去し、その後さらにチタン酸i−プロピルを1
50ppm添加して240〜260℃、0.1Torr
の減圧下にて重縮合を3時間行った後、チタン酸の失活
剤として、リン化合物(イルガノックス1222、チバ
スペッシャルティケミカルズ社製、商品名)を600p
pm添加した後、払い出しを行い、融点218℃(DS
C測定)、溶融粘度200Pa・s(250℃)の熱可
塑性ポリエステル樹脂を得た。このポリエステル樹脂を
ペレット化し、80℃にて24時間乾燥させた後、この
二軸混合機(45mmφ、L/D=32)を用いて、ポ
リエステル樹脂100重量部に対し、イルガノックス1
010(チバスペッシャルティケミカルズ社製、商品
名)を0.5重量部の比率で、バレル温度260℃にて
溶融混合し、溶融ストランドを水冷ペタイズしてポリエ
ステル樹脂組成物のペレットを得た。当該ポリエステル
樹脂組成物の溶融粘度の経時変化をキャピラリーレオメ
ーター(ロザンド製 RH−7)で測定した結果、剪断
速度1000(1/s)における260℃での溶融粘度
は、開始時には130Pa・sであったものが、260
℃×60分後にも粘度が90Pa・sと約30%程度の
粘度低下に留まり、溶融粘度の経時変化が極めて少な
く、優れた熱安定性を有することがわかった。射出成形
機(型締力100トン、スクリュー径45mmφ)を用
いて、バレル温度260℃、射出圧100kg/cm
2、保圧時間10秒、金型温度60℃の条件にて長さ1
0×幅10×厚み0.4mm及び長さ30×幅5×厚み
2mmの2種類のプレートを製造し、加速電圧3MeV
の電子線を100kGy照射して試験試料を得た。長さ
10×幅10×厚み0.4mmの試料を260℃設定ゾ
ーンを60秒間で通過する条件にて、リフロー炉内を移
動させ、形状変化率を調べたところ、長さ方向、幅方向
ともに1%以内であり、優れた耐リフロー性を有するこ
とがわかった。また、長さ40×幅5×厚み1mmを用
い、動的粘弾性測定装置(アイティー計測製、DVA2
20)を用いて、260℃での貯蔵弾性率を測定した結
果、6×10Paであった。
【0020】(実施例2)第1表の実施例2の欄に記載
のモル比のモノマーを用いた熱可塑性ポリステル樹脂を
実施例1と同様の方法で製造した。このポリエステル樹
脂の融点は221℃、溶融粘度は130Pa・s(25
0℃)であった。このポリエステル樹脂をペレット化し
た。このポリエステル樹脂をペレット化し、80℃にて
24時間乾燥させた後、実施例1と同様に、ポリエステ
ル樹脂100重量部に対し、イルガノックス1010
(チバスペッシャルティケミカルズ社製、商品名)を
0.5重量部の比率で混合したポリエステル樹脂組成物
のペレットを得た。当該ポリエステル樹脂組成物を実施
例1と同じ方法で測定した結果、剪断速度1000(1
/s)における260℃での溶融粘度は、開始時には8
0Pa・sであったものが、260℃×60分後にも粘
度が60Pa・sと約25%程度の粘度低下に留まり、
溶融粘度の経時変化が極めて少なく、優れた熱安定性を
有することがわかった。この樹脂ペレットを射出成形機
(型締力100トン、スクリュー径45mmφ)を用い
て、実施例1と同じ条件にて、長さ10×幅10×厚み
0.4mm及び長さ30×幅5×厚み2mmの2種類の
プレートを製造し、加速電圧3MeVの電子線を150
kGy照射して試験試料を得た。実施例1と同様の方法
で耐リフロー性を評価した結果、長さ方向、幅方向の変
化率はともに1%以内であり、優れた耐リフロー性を有
することがわかった。また、長さ40×幅5×厚み1m
mを用い、動的粘弾性測定装置(アイティー計測製、D
VA220)を用いて、260℃での貯蔵弾性率を測定
した結果、4×10Paであった。
【0021】(実施例3)実施例2で製造したポリエス
テル樹脂ペレット100重量部に対し、イルガノックス
1010(チバスペッシャルティケミカルズ社製、商品
名)0.5重量部、トリメチロールプロパントリメタク
リレート3重量部の比率で実施例1と同様の方法で溶融
混合し、ポリエステル樹脂組成物のペレットを得た。こ
の樹脂ペレットを射出成形機(型締力100トン、スク
リュー径45mmφ)を用いて、バレル温度260℃、
射出圧100kg/cm2、保圧時間10秒、金型温度
60℃の条件にて、長さ10×幅10×厚み0.4mm
及び長さ30×幅5×厚み2mmのプレートを製造し、
加速電圧3MeVの電子線を100kGy照射して試験
試料を得た。長さ10×幅10×厚み0.4mmの試料
を260℃設定ゾーンを60秒間で通過する条件にて、
リフロー炉内を移動させ、形状変化率を調べたところ、
長さ方向、幅方向ともに1%以内であり、優れた耐リフ
ロー性を有することがわかった。また、長さ40×幅5
×厚み1mmを用い、動的粘弾性測定装置(アイティー
計測製、DVA220)を用いて、260℃での貯蔵弾
性率を測定した結果、8×10Paであった。
【0022】(比較例1)第1表の比較例1の欄に記載
のモル比にて、2−ブテン−1,4−ジオールをオレフ
ィン性モノマーとして適用したポリステル樹脂を実施例
1と同様の方法で製造した。このポリエステル樹脂の融
点は222℃、溶融粘度は180Pa・s(250℃)
であった。このポリエステル樹脂をペレット化し、80
℃にて24時間乾燥させた後、実施例1と同様の方法
で、ポリエステル樹脂100重量部に対し、イルガノッ
クス1010(チバスペッシャルティケミカルズ社製、
商品名)を0.5重量部の比率で溶融混合し、ポリエス
テル樹脂組成物のペレットを得た。当該ポリエステル樹
脂組成物を実施例1と同じ方法で測定した結果、剪断速
度1000(1/s)における260℃での溶融粘度
は、開始時には100Pa・sであったものが、260
℃×60分後にも粘度が30Pa・sと約70%以上の
粘度低下があり、溶融粘度の経時変化が大きく、熱安定
性が良くないことがわかった。このポリエステル樹脂を
用いて、実施例1と同様に長さ10×幅10×厚み0.
4mmのプレートを製造し、このプレート対して、加速
電圧3MeVの電子線を100kGy及び250kGy
の2条件で照射して試験試料を得た。このプレート試料
を260℃設定ゾーンを60秒間で通過する条件にて、
リフロー炉内を移動させ、形状変化率を調べたところ、
何れの照射条件の試料も大きく収縮し、100kGy照
射品では大きくカールし、250kGy照射品も長さ方
向の収縮率が8%、幅方向の収縮率が7%と、耐リフロ
ー性が不十分であることがわかった。また、長さ40×
幅5×厚み1mmを用い、動的粘弾性測定装置(アイテ
ィー計測製、DVA220)を用いて、260℃での貯
蔵弾性率を測定した結果、1×10Paであった。
【0023】(比較例2)第1表の比較例2の欄に記載
のモル比、すなわち、二重結合がカルボニル基に対して
α、β位にないモノマーであるテトラヒドロフタル酸無
水物をオレフィン性モノマーとして適用したポリステル
樹脂を実施例1と同様の方法で製造した。このポリエス
テル樹脂の融点は222℃、溶融粘度は150Pa・s
(250℃)であった。このポリエステル樹脂をペレッ
ト化し、80℃にて24時間乾燥させた後、実施例1と
同様の方法で、ポリエステル樹脂100重量部に対し、
イルガノックス1010(チバスペッシャルティケミカ
ルズ社製、商品名)を0.5重量部の比率で溶融混合
し、ポリエステル樹脂組成物のペレットを得た。溶融粘
度の経時変化を実施例1と同じ方法で測定した結果、剪
断速度1000(1/s)における260℃での溶融粘
度は、開始時には110Pa・sであったものが、26
0℃×60分後にも粘度が20Pa・sと約80%以上
の粘度低下があり、溶融粘度の経時変化が大きく、熱安
定性が良くないことがわかった。このポリエステル樹脂
を用いて、実施例1と同様に長さ10×幅10×厚み
0.4mmのプレートを製造し、このプレート対して、
加速電圧3MeVの電子線を100kGy及び250k
Gyの2条件で照射して試験試料を得た。このプレート
試料を260℃設定ゾーンを60秒間で通過する条件に
て、リフロー炉内を移動させ、形状変化率を調べたとこ
ろ、何れの照射条件の試料もカールしていることが目視
で確認でき、耐リフロー性は不十分であることがわかっ
た。
【0024】(比較例3)第1表の比較例3の欄に記載
のモル比率、すなわち、フマル酸ジメチルのモル比が1
0モル%を越える比率で共重合したポリエステル樹脂を
実施例1と同様の方法で製造した。このポリエステル樹
脂の融点は182℃、溶融粘度は110Pa・s(25
0℃)であった。このポリエステル樹脂をペレット化
し、80℃にて24時間乾燥させた後、実施例1と同様
の方法で、ポリエステル樹脂100重量部に対し、イル
ガノックス1010(チバスペッシャルティケミカルズ
社製、商品名)を0.5重量部の比率で溶融混合し、ポ
リエステル樹脂組成物のペレットを得た。このポリエス
テル樹脂を用いて、実施例1と同様に長さ10×幅5×
厚み0.4mmのプレートを製造し、このプレート対し
て、加速電圧3MeVの電子線を100kGy及び25
0kGyの2条件で照射して試験試料を得た。このプレ
ート試料を260℃設定ゾーンを60秒間で通過する条
件にて、リフロー炉内を移動させ、形状変化率を調べた
ところ、100kGy品は幅方向に5%収縮、長さの変
化率は7%収縮し、また、250kGy照射品でも幅方
向の収縮率は1%以内であったが、長さ方向の収縮率は
4%であり、耐リフロー性は不十分であることがわかっ
た。
【0025】
【発明の効果】以上に述べた通り、(1)芳香族ジカル
ボン酸、(2)飽和脂肪族ジオール、(3)オレフィン
二重結合がカルボニル官能基に対してα、β位に存在す
るジカルボン酸を繰り返し単位とするポリエステルであ
って、(3)の共重合比率が1〜20モル%であるポリ
エステル樹脂は、加工安定性に優れ、薄肉形状の精密成
形ができ、しかも低線量の照射で高度な耐熱性を確保で
きるので、基板実装コネクター等の電子部品の製造分野
での利用価値は大変大きいものがある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早味 宏 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 西川 信也 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 管家 春水 岐阜県大垣市神田町2丁目35番地 日本合 成化学工業株式会社内 Fターム(参考) 4F070 AA49 GA04 GC01 GC02 GC09 HB01 HB11 4F071 AA49 AG05 AH12 4J027 AB06 AB07 AB15 AB18 AB22 CC03 CD06 CD08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)芳香族ジカルボン酸、(2)飽和脂
    肪族ジオール、(3)炭素−炭素二重結合がカルボニル
    官能基に対してα、β位に存在するジカルボン酸を主た
    る繰り返し単位とし、前記(3)の炭素−炭素二重結合
    がカルボニル官能基に対してα、β位に存在するジカル
    ボン酸の共重合比率が1〜10モル%である熱可塑性ポ
    リエステル樹脂を主体とする樹脂組成物を溶融成形し、
    電離放射線の照射により架橋してなることを特徴とする
    耐熱性架橋ポリエステル樹脂成形品。
  2. 【請求項2】前記(3)の炭素−炭素二重結合がカルボ
    ニル官能基に対してα、β位に存在するジカルボン酸
    が、フマル酸または、マレイン酸であることを特徴とす
    る請求項1に記載の耐熱性架橋ポリエステル樹脂成形
    品。
  3. 【請求項3】融点が200℃以上で、260℃での貯蔵
    弾性率が2×10Pa以上であることを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載の耐熱性架橋ポリエステル
    樹脂成形品。
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