JP2003128468A - セラミックス基複合材料の製造方法、及びその製造方法により製造されたセラミックス基複合材料 - Google Patents

セラミックス基複合材料の製造方法、及びその製造方法により製造されたセラミックス基複合材料

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JP2003128468A JP2002235938A JP2002235938A JP2003128468A JP 2003128468 A JP2003128468 A JP 2003128468A JP 2002235938 A JP2002235938 A JP 2002235938A JP 2002235938 A JP2002235938 A JP 2002235938A JP 2003128468 A JP2003128468 A JP 2003128468A
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直幸 金武
Makoto Kobashi
眞 小橋
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貴浩 石川
Masahiro Kida
雅裕 來田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特殊な外部加熱手段や装置を必要とせずに少
量のエネルギー消費で、工業的に簡易且つ安価であると
ともに、マトリックス内の金属残留率を低減可能なセラ
ミックス基複合材料の製造方法を提供する。 【解決手段】 金属粉末と窒化ホウ素粉末とを混合して
得られた混合粉体を所定の容器中に充填して多孔質構造
を有する圧粉体を形成し、圧粉体にAl溶湯を含浸させ
ることにより、金属ホウ化物を含み窒化アルミニウムを
マトリックスとする複合材料を形成する、セラミックス
基複合材料の製造方法である。金属粉末と窒化ホウ素粉
末との混合比が1:1.8〜1:2.2(モル比)であ
る混合粉体を、圧粉体の空隙率が34〜42%となるよ
うに圧粉して圧粉体を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、製造に必要なエ
ネルギー消費の少ないセラミックス基複合材料の製造方
法、及びこの製造方法により得られるセラミックス基複
合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】 複合材料とは、複数素材を巨視的に混
合した組成集合体であり、各素材の持つ機械特性を相補
的に利用して、単独素材では実現できなかった特性発現
を可能にしたものである。基本的には、材料と材料を組
み合わせる技術手法であり、マトリックスとそれに分散
される分散材(強化材等)、使用目的、又はコスト等に
より、種々の組み合せが存在する。
【0003】 その中でも、セラミックス基複合材料
(Ceramics−Matrix−Composit
e:以下、「CMC」とも記す。)、金属間化合物基複
合材料(Intermetallic−Matrix−
Composite:以下、「IMC」と記す。)は、
金属基複合材料(Metal−Matrix−Comp
osite:以下、「MMC」とも記す。)にはない、
例えば耐熱性等に優れるといった物理的特性を有するた
めに、多方面の産業分野への利用が図られている。
【0004】 特に、セラミックスの一種である窒化ア
ルミニウム(AlN)は、優れた熱伝導特性や低熱膨張
率を有する等の特性を生かし、高放熱性基板材料や半導
体製造装置用部材として注目されている。しかしなが
ら、窒化アルミニウムはセラミックス材料の中でも破壊
靭性値が低い部類に属し、熱衝撃等の負荷がかかる使用
条件下や異種材料と組み合わせる場合等においては、ク
ラックが発生し前記特性が阻害される場合がある。この
ため、破壊靭性値の向上等を目的として複合材料化が検
討されている。G.J.Zhang等は本材料系と同一
となる、TiB2/AlN複合材料を合成するプロセス
としてAl、TiH2、BN粉末を用い、反応焼結法
(Reactive−Sintering)を利用する
ことによって元素間での反応を誘起させ、窒化アルミニ
ウムの高強度化及び高靭性化に関して検討を行っている
(Ceramics International、2
2(1996)、143)。しかしながら、この手法の
ようなIn−situCMCの製造プロセスでは、従来
法と同様に高圧・高温条件下での合成となり、またニア
ネットシェイプ化が困難なことから、高コストなプロセ
スなものとなる。このため、窒化アルミニウム、及びこ
れをマトリックスとするCMCの一般的な製造方法とし
ては、高温条件下において加圧焼結する焼結プロセスが
必要となるものである。
【0005】 また、具体的な関連技術として、例えば
特許第2609376号公報には、原料粉を混合して圧
粉体を作製し、これに着火して反応させることによる金
属間化合物及びセラミックスの製造方法が開示されてい
る。
【0006】 一方、特表平8−508460号公報に
は、Alと、遷移金属のホウ化物又は炭化物を原料と
し、気体状窒素の低い圧力下で燃焼合成して複合材料を
製造する方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】 一般的に、高温条件
下において加圧焼結することによる窒化アルミニウム等
のセラミックスをマトリックスとするCMCの製造方法
においては、特別の加圧装置や製造機器が必要であり、
製造コストが高いという問題点がある。また、焼結に使
用する原料粉末となる窒化アルミニウムは還元窒化法、
直接窒化法等の手法により合成される必要性があり、窒
化アルミニウム焼結体が難焼結性を示すことからも製造
工程が非常に煩雑なものとなり、更には約1700℃以
上となる高温での焼成プロセス自体がエネルギー消費量
過多なものである。
【0008】 先述した窒化アルミニウム原料粉末の製
造方法としては、高純度なAl23粉末をカーボンにて
還元しながら窒素ガス又はアンモニアガスにて窒化を行
う還元窒化法と、アルミニウム粉末を窒素ガス又はアン
モニアガスにて窒化させる直接窒化法とが存在する。し
かしながら、還元窒化法においては高純度な窒化アルミ
ニウム粉末が得られるといった長所がある反面、反応自
体が吸熱反応であることから高エネルギーを必要とする
ようなプロセスとなる。また、直接窒化法においては発
熱反応を利用した経済的なプロセスである反面、合成後
の粒度が粗いことから更なる粉砕工程が必要となるた
め、焼結プロセスを材料製造プロセスとして考えた場
合、原料粉末を合成する工程だけを考えても非常に高エ
ネルギー型プロセスといわざるを得ない。また、セラミ
ックスを焼結させる場合は、高温保持はヒーター加熱に
よる外部エネルギーを利用して炉内雰囲気を加熱するこ
とから熱効率が悪く、極めてエネルギーロスの大きなプ
ロセスとなる。
【0009】 また、特許第2609376号公報に示
される製造方法によれば、緻密な微細構造を有する複合
材料を製造するためには、生成したマトリックスを完全
に溶融する必要性がある。従って、製造装置の性能や規
模に制約があり、大型、又は複雑形状の複合材料の製造
が極めて困難であるとともに、最終製品の形状を考慮し
たニアネットシェイプ化を行うことが困難であるという
問題点がある。このことは、セラミックスや複合材料自
体が難加工性材料という観点からも、後の工程において
加工コストの増大を招く場合が想定される。
【0010】 更に、特表平8−508460号公報に
示される製造方法においては、不可避的に残留するAl
の量を低減するためには反応を十分に進行させる必要性
がある。しかし、材料組成比や反応条件等の厳密な制御
が要求されるため、Al残留率を低減することは技術
的、製造コスト的に困難であった。
【0011】 本発明は、このような従来技術の有する
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、特殊な外部加熱手段や装置を必要とせずに少量
のエネルギー消費で、工業的に簡易且つ安価であるとと
もに、マトリックス内の金属残留率を低減可能なセラミ
ックス基複合材料の製造方法、及びこの製造方法により
得られる、高強度及び低熱膨張特性を有するセラミック
ス基複合材料を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】 即ち、本発明によれ
ば、以下に示すセラミックス基複合材料の製造方法、及
びこの製造方法により製造されるセラミックス基複合材
料が提供される。
【0013】 (1) 金属粉末と窒化ホウ素粉末とを
混合して得られた混合粉体を所定の容器中に充填して多
孔質構造を有する圧粉体を形成し、前記圧粉体にAl溶
湯を含浸させることにより、金属ホウ化物を含み窒化ア
ルミニウムをマトリックスとする複合材料を形成する、
セラミックス基複合材料の製造方法であって、前記金属
粉末と前記窒化ホウ素粉末との混合比が1:1.8〜
1:2.2(モル比)である前記混合粉体を、前記圧粉
体の空隙率が34〜42%となるように圧粉して前記圧
粉体を形成することを特徴とするセラミックス基複合材
料の製造方法。
【0014】 (2) 金属粉末と窒化ホウ素粉末とを
混合して得られた混合粉体を所定の容器中に充填して多
孔質構造を有する圧粉体を形成し、前記圧粉体にAl溶
湯を含浸させることにより、金属ホウ化物を含み窒化ア
ルミニウムをマトリックスとする複合材料を形成する、
セラミックス基複合材料の製造方法であって、前記金属
粉末と前記窒化ホウ素粉末との混合比が1:2.2〜
1:4.0(モル比)である前記混合粉体を、前記圧粉
体の空隙率が26〜40%となるように圧粉して前記圧
粉体を形成することを特徴とするセラミックス基複合材
料の製造方法。
【0015】 (3) 金属粉末と窒化ホウ素粉末とを
混合して得られた混合粉体を所定の容器中に充填して多
孔質構造を有する圧粉体を形成し、前記圧粉体にAl溶
湯を含浸させることにより、金属ホウ化物を含み窒化ア
ルミニウムをマトリックスとする複合材料を形成する、
セラミックス基複合材料の製造方法であって、前記金属
粉末と前記窒化ホウ素粉末との混合比が1:1.8〜
1:2.2(モル比)である前記混合粉体を、前記圧粉
体の空隙率が15〜34%となるように圧粉して前記圧
粉体を形成することを特徴とするセラミックス基複合材
料の製造方法。
【0016】 (4) 金属粉末と窒化ホウ素粉末とを
混合して得られた混合粉体を所定の容器中に充填して多
孔質構造を有する圧粉体を形成し、前記圧粉体にAl溶
湯を含浸させることにより、金属ホウ化物を含み窒化ア
ルミニウムをマトリックスとする複合材料を形成する、
セラミックス基複合材料の製造方法であって、前記金属
粉末と前記窒化ホウ素粉末との混合比が1:2.2〜
1:4.0(モル比)である前記混合粉体を、前記圧粉
体の空隙率が15〜26%となるように圧粉して前記圧
粉体を形成することを特徴とするセラミックス基複合材
料の製造方法。
【0017】 (5) 混合粉体が、金属粉末と窒化ホ
ウ素粉末に加えて、金属粉末の1モルに対して、窒化ア
ルミニウム粒子を1モル以下の比率で更に含むものであ
る上記(1)〜(4)のいずれかに記載のセラミックス
基複合材料の製造方法。
【0018】 (6) 窒化ホウ素粉末の平均粒径が2
0μm以下である上記(1)〜(5)のいずれかに記載
のセラミックス基複合材料の製造方法。
【0019】 (7) Al溶湯を含浸させた後に、1
000〜1400℃で10分間以上保持する上記(1)
〜(6)のいずれかに記載のセラミックス基複合材料の
製造方法。
【0020】 (8) Ti、Ta、Hf、Nb、及び
Zrからなる群より選択される少なくとも一種の金属粉
末を用いる上記(1)〜(7)のいずれかに記載のセラ
ミックス基複合材料の製造方法。
【0021】 (9) Al溶湯を、不活性ガス雰囲気
下で含浸させる上記(1)〜(8)のいずれかに記載の
セラミックス基複合材料の製造方法。
【0022】 (10) Al溶湯が、3質量%以下の
Mgを含有する上記(1)〜(9)のいずれかに記載の
セラミックス基複合材料の製造方法。
【0023】 (11) 上記(1)、(3)、(5)
〜(10)のいずれかに記載のセラミックス基複合材料
の製造方法により製造されてなるとともに、金属ホウ化
物と、Al含有率が20体積%以下である、窒化アルミ
ニウムを主成分とするマトリックスとからなることを特
徴とするセラミックス基複合材料。
【0024】 (12) Al含有率が10体積%以下
である上記(11)に記載のセラミックス基複合材料。
【0025】 (13) 上記(2)、(4)、(6)
〜(10)のいずれかに記載のセラミックス基複合材料
の製造方法により製造されてなるとともに、金属ホウ化
物と、窒化ホウ素と、Al含有率が20体積%以下であ
る、窒化アルミニウムを主成分とするマトリックスとか
らなることを特徴とするセラミックス基複合材料。
【0026】 (14) Al含有率が10体積%以下
である上記(13)に記載のセラミックス基複合材料。
【0027】 (15) 熱膨張係数が10ppm/K
以下である上記(11)〜(14)のいずれかに記載の
セラミックス基複合材料。
【0028】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施の形態につ
いて説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当
業者の通常の知識に基づいて、適宜、設計の変更、改良
等が加えられることが理解されるべきである。
【0029】 本発明の第一の実施形態は、金属粉末と
窒化ホウ素粉末とを混合して得られた混合粉体を所定の
容器中に充填して多孔質構造を有する圧粉体を形成し、
この圧粉体にAl溶湯を含浸させることにより、金属ホ
ウ化物を含み窒化アルミニウムをマトリックスとする複
合材料(CMC)を製造する方法であり、特に約100
0℃以上にて発現する窒化ホウ素と溶融Alとの良好な
濡れ性を利用してAlの無加圧浸透現象を発現させ、そ
の後、元素間での自己燃焼反応によりin−situ
(その場)合成でAlの窒化アルミニウムへの置換反応
を誘起させ、目的とするCMCを製造するものである。
この際、特にホウ化物の安定的な生成自由エネルギーを
in−situ合成エネルギーの駆動力として、固体で
ある窒化ホウ素粉末を溶融Alのin−situ窒化供
給源として反応を生起させるものとなる。このため、前
工程となる焼結性に優れた窒化アルミニウム粉末の合
成、また焼結助剤の添加、混合、コンタミ(不純物)の
除去、成形、焼結の必要がなく、本in−situ窒化
反応により窒化アルミニウム粉末合成からマトリックス
形成までを同時に行えることから、製造工程と製造コス
トが大幅に低減されたCMCの製造方法が可能となる。
【0030】 また、Al溶湯と各元素粉末との反応に
より発生した自己燃焼反応熱を利用してAlから窒化ア
ルミニウムへの置換反応を促進するため、通常約170
0℃以上となる高温での焼成を必要とした窒化アルミニ
ウム焼結体と比較して低温条件下においてCMCの製造
が可能である。更に、従来の製造方法である、HP又は
HIPのような高圧を必要とせず、無加圧浸透によるC
MCの製造が可能である。従って、製品形状を模擬した
型中に流動性のある溶融Alを含浸させることにより、
製造装置の性能上困難であった、大型セラミックスの合
成、又は加工費を大幅に低減させた複雑形状を有する最
終製品形状を模擬したCMCの製造が可能となる。
【0031】 このため、従来法となる焼結プロセスに
おいては、主として外部エネルギーを利用した高エネル
ギー型プロセスであったのに対し、本実施形態は元素間
での自発的な内部エネルギー利用した低エネルギー型プ
ロセスである。
【0032】 更に、従来の複合材料は外部エネルギー
を加えることによって異種材料を複合材料化させる点か
ら、その界面構造制御が非常に問題であったのに対し、
本発明の第一の実施形態においてはin−situ合成
にて強化材を生成することから、粒子/マトリックス界
面結合性が非常に良好であり、高温での化学的安定性に
優れ、マトリックス内に非常に均一に微細分散する特徴
を有する等の利点が存在する。なお、本発明の第一の実
施形態は混合粉体に含まれる金属粉末と窒化ホウ素粉末
との混合比、及びその空隙率を所定の数値範囲内に設定
した圧粉体を用いることによって、原料であるAlを効
率的に消費し、マトリックス中におけるAl残留率を低
減した、セラミックスをマトリックスとしてなるセラミ
ックス基複合材料の製造方法を提供するものである。以
下、その詳細について説明する。
【0033】 本発明の第一の実施形態に係るCMCの
製造方法に用いる圧粉体は、金属粉末と窒化ホウ素粉末
とを混合して得られた混合粉体を所定の容器中に充填し
て形成した、多孔質構造を有するものであり、これにA
l溶湯、即ち、溶融状態で高温のAlを含浸させる。本
発明の第一の実施形態は、金属粉末と窒化ホウ素粉末と
の混合比が1:1.8〜1:2.2(モル比)である混
合粉体を、その空隙率が34〜42%となるように圧粉
して圧粉体を形成し、この圧粉体にAl溶湯を含浸させ
ることを特徴とし、得られるCMCのマトリックスにお
けるAl残留率をより低く、具体的には20体積%以下
とすることができる製造方法である。
【0034】 本発明の第一の実施形態において用いる
圧粉体は多孔質構造であるために、圧粉体全体に網目状
に広がった空隙にAl溶湯が含浸される。圧粉体に含ま
れる金属粉末、窒化ホウ素粉末、及びAlによって、下
記反応式(1)に示すようなその場(in−situ)
反応が生起され、緻密な微細構造を有するCMCが得ら
れる。ここで、本発明における「圧粉」とは、適当な容
器中に充填した混合粉体に適度な圧力を加えて、その空
隙率を任意に変化させた状態の圧粉体を得る操作のこと
をいう。従って、本発明では加える圧力を調整すること
によって空隙率を適度な値とし、形成された空隙中にA
l溶湯を含浸させてAlの窒化アルミニウムへの置換反
応を誘起させる。
【0035】
【化1】 Me+2BN+2Al→2AlN+MeB2 …(1) (但し、Meは金属粉末である。)
【0036】 なお、上記反応式(1)が完全に進行す
ると考えた場合、例えばMe元素にTi、Taを用いた
場合では、理論的にTiB2(38体積%)/AlN、
TaB2(42体積%)/AlN複合材料の合成が可能
となる。
【0037】 本発明の第一の実施形態では、Al溶湯
の含浸によりその場(in−situ)反応が生起され
るために、従来のセラミックスをマトリックスとするC
MCの製造方法において必要とされていた高温、加圧条
件下による焼成が必要ではない。従って、特殊な外部加
熱手段や装置が不要であるために、工業的に簡易である
とともに製造コストの低減のなされたCMCの製造方法
である。更には、大型、又は複雑形状を有する部材であ
っても容易に製造することができる。
【0038】 また、前記反応式(1)に示すように、
金属粉末、窒化ホウ素粉末、Alの各原料が、化学量論
的には1:2:2のモル比で反応することによって、マ
トリックス中に原料が残留することを回避できる。即
ち、本発明の第一の実施形態によれば圧粉体の空隙率を
前記数値範囲内に制御することにより、原料、特にAl
の残留が極力回避された、マトリックス内のAl残留率
の低いCMCを製造することができる。なお、本発明の
第一の実施形態においては、混合粉体に含まれる金属粉
末と窒化ホウ素粉末との混合比率が1:1.9〜1:
2.1(モル比)であることが好ましく、1:1.95
〜1:2.05(モル比)であることが更に好ましい。
【0039】 Alが反応によって完全に消費されるた
めの最適空隙率(理論値)は以下の通り算出することが
できる。即ち、金属粉末と窒化ホウ素粉末によって形成
される空隙をAl溶湯が埋め尽くしたときの各原料のモ
ル比が最適となる空隙率を算出すればよい。ここで金属
粉末、窒化ホウ素粉末、Alの、原子量をWMe、WBN
Al、密度をρMe、ρBN、ρAlとしたとき、最適空隙率
(%)は下記数式(1)に示す式により算出される。但
し、下記の最適空隙率はあくまで室温での理想的な最適
値であり、実際には含浸温度での各種原料粉末の加熱に
よる膨張等を加味する必要があり、そのため最適空隙率
は下記式よりも若干変動する場合がある。
【0040】
【数1】
【0041】 なお、上記式に従い、前記反応式(1)
における最適空隙率を算出すると、MeがTiである場
合には38.0%、Taである場合には37.8%とな
る。また、本発明の第一の実施形態においては、得られ
るCMCのマトリックス中のAl残留率を更に低減する
観点からは、圧粉体の空隙率が36〜42%となるよう
に圧粉することが好ましく、37〜40%となるように
圧粉することが更に好ましい。42%超とすると、Al
が残留する場合があり、耐熱性の低下等の不具合を生ず
る恐れがあるために好ましくない。
【0042】 なお、Al残留率に関しては、マトリッ
クス中のAl残留率が20体積%以下であれば、CMC
としての熱膨張特性等の物理特性に与える影響が無視で
きる程度となり、10体積%以下であれば更に好まし
い。ここでマトリックスとは、窒化アルミニウム、及び
不可避的に残留するAlからなる相のことであり、生成
したホウ化物と残留する窒化ホウ素の両者からなる分散
材に対する概念である。また、本発明の第一の実施形態
ではマトリックス中のAl残留率の下限については特に
限定されるものではないが、2体積%以上とするもので
あり、実質的にマトリックス中のAlの残留率を0とす
ることは困難であると推測される。しかしながら、合成
後のCMCとして耐熱性が必要視されない用途において
は、先述した窒化アルミニウムの低い破壊靱性特性に対
し、マトリックス中に残留した上記のAl相がクラック
進展時の破壊抵抗として作用し、破壊靭性値を増加させ
る因子として効果的に寄与するものとなる。このため、
従来問題であった窒化アルミニウムに生じるクラック発
生問題を低減することが可能となり、耐熱サイクル特性
に優れたCMCを得ることが可能となる。
【0043】 次に、本発明の第二の実施形態について
説明する。本発明の第二の実施形態は、金属粉末と窒化
ホウ素粉末とを混合して得られた混合粉体を所定の容器
中に充填して多孔質構造を有する圧粉体を形成し、この
圧粉体にAl溶湯を含浸させることにより、金属ホウ化
物を含み窒化アルミニウムをマトリックスとする複合材
料を形成する、セラミックス基複合材料の製造方法であ
り、金属粉末と窒化ホウ素粉末との混合比が1:2.2
〜1:4.0(モル比)である混合粉体を、その空隙率
が26〜40%となるように圧粉して圧粉体を形成する
ことを特徴とし、マトリックスにおけるAl残留率を低
減したCMCの製造方法である。以下、その詳細につい
て説明する。
【0044】 本発明の第二の実施形態では、圧粉体を
形成する混合粉体に含まれる金属粉末と窒化ホウ素粉末
との混合比を、1:2.2〜1:4.0(モル比)とす
る。即ち、前記反応式(1)において示した化学量論比
を基準とした場合、下記反応式(2)に示すように、金
属粉末に比して窒化ホウ素粉末の量を過剰(xモル)と
することにより、マトリックス内のAl残留率を更に低
減したCMCを製造することができる。具体的には下記
反応式(2)に示すように、マトリックス中に余剰分で
あるxモルの窒化ホウ素が残留する。
【0045】
【化2】 Me+(2+x)BN+2Al→2AlN+MeB2+xBN …(2) (但し、Meは金属粉末である。)
【0046】 本発明の第二の実施形態は、特殊な外部
加熱手段や装置が不要であるために、工業的に簡易であ
るとともに製造コストの低減のなされたCMCの製造方
法である。更には、大型、又は複雑形状を有する部材で
あっても容易に製造することができる。なお、窒化ホウ
素を残留させることにより、Al残留率の低減が可能で
あるとともに、得られる窒化アルミニウムマトリックス
中にMeB 2と窒化ホウ素が分散し、窒化ホウ素の特性
が顕在化した自己潤滑性及び加工性に優れたCMCを製
造することが可能である。なお、混合粉体に含まれる金
属粉末と窒化ホウ素粉末との混合比が1:2.5〜1:
3.8(モル比)であることが好ましく、1:2.8〜
1:3.5(モル比)であることが更に好ましい。
【0047】 また、本発明の第二の実施形態では、そ
の空隙率が26〜40%である圧粉体にAl溶湯を含浸
させる。空隙率が40%超であると、Alが残留する場
合があるために好ましくない。なお、得られるCMCの
マトリックス中のAl残留率を更に低減する観点から
は、圧粉体の空隙率を27〜38%とすることが好まし
く、28〜38%とすることが更に好ましい。
【0048】 次に、本発明の第三の実施形態について
説明する。本発明の第三の実施形態は、金属粉末と窒化
ホウ素粉末とを混合して得られた混合粉体を所定の容器
中に充填して多孔質構造を有する圧粉体を形成し、この
圧粉体にAl溶湯を含浸させることにより、金属ホウ化
物を含み窒化アルミニウムをマトリックスとする複合材
料を形成する、セラミックス基複合材料の製造方法であ
り、金属粉末と窒化ホウ素粉末との混合比が1:1.8
〜1:2.2(モル比)である混合粉体を、その空隙率
が15〜34%となるように圧粉して圧粉体を形成し、
これにAl溶湯を含浸させることを特徴とし、マトリッ
クスにおけるAl残留率を低減したCMCの製造方法で
ある。以下、その詳細について説明する。
【0049】 本発明の第三の実施形態では、圧粉体を
形成する混合粉体に含まれる金属粉末と窒化ホウ素粉末
との混合比を、1:1.8〜1:2.2(モル比)とす
る。この混合粉体により形成された圧粉体にAl溶湯を
含浸させることにより、得られるCMCのマトリックス
におけるAl残留率をより低く、具体的には20体積%
以下とすることができる。また、Al溶湯を含浸させる
ことにより生ずる反応のメカニズムについては、第一の
実施形態と同様である。従って、特殊な外部加熱手段や
装置が不要であるために、工業的に簡易であるとともに
製造コストの低減のなされたCMCの製造方法である。
更には、大型、又は複雑形状を有する部材であっても容
易に製造することができる。
【0050】 なお、本発明の第三の実施形態におい
て、得られるCMCのマトリックス中のAl残留率を更
に低減する観点からは、混合粉体に含まれる金属粉末と
窒化ホウ素粉末との混合比率が1:1.9〜1:2.1
(モル比)であることが好ましく、1:1.95〜1:
2.05(モル比)であることが更に好ましい。また、
圧粉体の空隙率が18〜28%となるように圧粉するこ
とが好ましく、20〜25%となるように圧粉すること
が更に好ましい。
【0051】 次に、本発明の第四の実施形態について
説明する。本発明の第四の実施形態は、金属粉末と窒化
ホウ素粉末とを混合して得られた混合粉体を所定の容器
中に充填して多孔質構造を有する圧粉体を形成し、この
圧粉体にAl溶湯を含浸させることにより、金属ホウ化
物を含み窒化アルミニウムをマトリックスとする複合材
料を形成する、セラミックス基複合材料の製造方法であ
り、金属粉末と窒化ホウ素粉末との混合比が1:2.2
〜1:4.0(モル比)である混合粉体を、その空隙率
が15〜26%となるように圧粉して圧粉体を形成する
ことを特徴とし、マトリックスにおけるAl残留率を低
減したCMCの製造方法である。以下、その詳細につい
て説明する。
【0052】 本発明の第四の実施形態では、圧粉体を
形成する混合粉体に含まれる金属粉末と窒化ホウ素粉末
との混合比を、1:2.2〜1:4.0(モル比)とす
る。即ち、前記反応式(1)において示した化学量論比
を基準とした場合、前記反応式(2)に示すように、金
属粉末に比して窒化ホウ素粉末の量を過剰(xモル)と
することにより、マトリックス内のAl残留率を更に低
減したCMCを製造することができる。具体的には、マ
トリックス中に余剰分であるxモルの窒化ホウ素が残留
する。また、Al溶湯を含浸させることにより生ずる反
応のメカニズムについては、第二の実施形態と同様であ
る。従って、特殊な外部加熱手段や装置が不要であるた
めに、工業的に簡易であるとともに製造コストの低減の
なされたCMCの製造方法である。更には、大型、又は
複雑形状を有する部材であっても容易に製造することが
できる。なお、窒化ホウ素を残留させることにより、A
l残留率の低減が可能であるとともに、得られる窒化ア
ルミニウムマトリックス中にMeB2と窒化ホウ素が分
散し、窒化ホウ素の特性が顕在化した自己潤滑性及び加
工性に優れたCMCを製造することが可能である。な
お、混合粉体に含まれる金属粉末と窒化ホウ素粉末との
混合比が1:2.5〜1:3.8(モル比)であること
が好ましく、1:2.8〜1:3.5(モル比)である
ことが更に好ましい。
【0053】 また、本発明の第四の実施形態では、そ
の空隙率が15〜26%である圧粉体にAl溶湯を含浸
させる。空隙率が26%超であると、Alが残留する場
合があるために好ましくない。なお、得られるCMCの
マトリックス中のAl残留率を更に低減する観点から
は、圧粉体の空隙率を17〜24%とすることが好まし
く、18〜23%とすることが更に好ましい。
【0054】 次に、本発明のCMCの製造方法の、更
なる詳細について説明する。本発明においては、Ti、
Ta、Hf、Nb、及びZrからなる群より選択される
少なくとも一種の金属粉末を用いることが好ましい。こ
れらの金属粉末は前記反応式(1)において示すよう
に、安定なホウ化物の生成自由エネルギーを駆動力とし
て、マトリックスのin−situ窒化反応を促進させ
る。また、用いる量を調整することにより、過剰のAl
と金属間化合物を形成し、マトリックス中へのAlの残
留を効果的に抑制することが可能な金属であるために好
ましい。更には、これらの金属粉末は入手が容易、且
つ、安価である点においても好ましいものである。
【0055】 なお、本発明においてはAl溶湯を含浸
させた後に、1000〜1400℃で10分間以上保持
することが好ましい。このことにより、Alの含浸によ
って生起されたその場(in−situ)反応をより進
行させることが可能であり、更にAlの残留率を抑える
ことが可能となる。なお、前記保持時間の上限について
は特に限定されるものではないが、反応の進行度合い、
及びエネルギーコスト等を勘案すると1〜数時間程度で
十分である。
【0056】 本発明における前述の保持温度と時間
は、焼結によってCMCを製造する場合の保持温度と時
間に比して、低温且つ短時間であるために、特殊な外部
加熱手段や装置は不要であり、工業的にも簡易な製造方
法である。
【0057】 次に、本発明の製造方法の一例を挙げ、
更なる詳細を説明する。まず、平均粒径44μm以下の
金属粉末と、平均粒径20μm以下の窒化ホウ素粉末を
所定のモル比率となるように混合して混合粉体を調製す
る。ここで、窒化ホウ素粉末の平均粒径は10μm以下
であることが更に好ましく、5μm以下であることが特
に好ましい。なお、本発明において、窒化ホウ素粉末の
平均粒径の下限値については特に限定されるものではな
いが、入手可能性及び取扱い容易性等の観点からは0.
5μm以上であればよい。即ち、本反応のin−sit
u窒化反応の窒化開始ポイントは窒化ホウ素粉末に依存
し、マトリックスの窒化反応の供給源として作用するこ
とから、窒化ホウ素粉末の細粒化によって窒化ポイント
となる核数を増加させることは窒化率を向上させるため
に効果的となる。いずれの原料についても、平均粒径が
前述の数値を超えると、その後のその場(in−sit
u)反応において反応完結が困難となる場合があるため
に好ましくない。また、混合に際しては粉末の分散性を
向上させるために有機系溶媒を加えてもよい。なお、前
記溶媒は、金属粉末や窒化ホウ素粉末と反応せず、その
後脱脂することによって除去できるものであればよい。
【0058】 また、本発明においては、混合粉体が、
金属粉末と窒化ホウ素粉末に加えて、金属粉末の1モル
に対して、窒化アルミニウム粒子を1モル以下の比率で
更に含むものであることが好ましい。即ち、窒化アルミ
ニウム粒子が、いわゆる核として、in−situ窒化
反応を促進させる役割を果たすこととなり、CMCを構
成するマトリックス中のAl残留率を低減することがで
きる。また、反応にてin−situ窒化させるマトリ
ックス領域部を減少させることから、窒化率の向上に寄
与するものである。
【0059】 更に、前記反応式(1)の場合、得られ
るCMCに含まれる窒化アルミニウムの体積率は、用い
る金属粉末の種類によって定まるのに対し、混合粉体中
に所定量の窒化アルミニウム粒子を予め添加することに
より、CMCに含まれる窒化アルミニウムの体積率を制
御することができる。即ち、下記反応式(3)に示すよ
うに、yモルの窒化アルミニウムを添加することによ
り、窒化アルミニウムの体積率を制御しつつCMCを製
造することができる。具体的には、下記反応式(3)に
示すように(2+y)モルの窒化アルミニウム及び1モ
ルのMeB2が共存したCMCを製造することができ
る。
【0060】
【化3】 Me+2BN+2Al+yAlN→(2+y)AlN+MeB2 …(3) (但し、Meは金属粉末である。)
【0061】 混合粉体を所定の時間攪拌して混合した
後、所望の形状となるよう治具等に入れる。その後、こ
の混合粉体に与える圧力を調整することによって、得ら
れる圧粉体の空隙率を制御することができる。
【0062】 その後、有機溶媒を使用した場合は脱脂
を行い、使用していない場合はそのまま圧粉体とする。
圧粉体の正確な空隙率は、得られた圧粉体のサイズ(体
積)と質量から算出することができる。
【0063】 得られた圧粉体上に所定量の固体Alを
設置し、Ar等の不活性ガス雰囲気下、700〜140
0℃に加熱してAl溶湯を圧粉体に含浸させる。なお、
予め調製しておいたAl溶湯を含浸させてもよい。その
後、100〜1400℃で10分間保持した後、徐冷す
ることにより、窒化アルミニウムをマトリックスとする
CMCを製造することができる。なお、Al溶湯を含浸
する際に使用する不活性ガスとしては、Ar又はN2
スを挙げることができるが、前述の窒化アルミニウム粉
末合成時の直接窒化法と同様に、N2ガスはAl溶湯に
対する強い反応性を示すため、これを回避する観点か
ら、(Ar+N2)混合ガスとし、N2ガスを希釈しても
よい。なお、窒化の観点からN2ガスをNH3ガスに置き
換えてもよい。
【0064】 更に、含浸Alに関しても純Alのみで
なく、Alの酸化によって生じるAl23の還元を目的
として、3質量%以下のMgを含有するAl溶湯を用い
ることも可能である。なお、Al23の還元を効果的に
行うためには、0.5質量%以上のMgを含有すること
が好ましい。
【0065】 得られたCMCに残留したAlをはじめ
とする各原料の残留量(率)は、XRD分析にて予め所
定の質量比に調整した原料及び生成物の混合粉末を用い
て検量線を作成しておき、これを元にして、マトリック
ス組成を変化させた試料をXRD分析することにより得
られた測定結果のX線強度より算出する。ここで用いる
混合粉末はホウ化物と、Alと窒化アルミニウムとを混
合したものであり、このAlと窒化アルミニウムとの混
合粉末におけるAlと窒化アルミニウムの体積比を0:
10、1:9、2:8…と順次変化させる。また、窒化
ホウ素を含むCMCについては、上記混合粉末に、更に
所定量の窒化ホウ素粉末を混合したものを用いる。
【0066】 次に、本発明の第五の実施形態について
説明する。本発明の第五の実施形態は、これまで述べて
きた本発明の第一、第三の実施態様のいずれかの製造方
法により製造されてなるセラミックス基複合材料であ
り、金属ホウ化物と、Al含有率が20体積%以下であ
る、窒化アルミニウムを主成分とするマトリックスとか
らなることを特徴とするものである。即ち、Al含有率
が低いためにマトリックスである窒化アルミニウムの特
性が発揮され、高強度であるとともに、低熱膨張率であ
るといった特徴を有する複合材料である。ここで、熱膨
張係数を、具体的には10ppm/K以下とすることが
可能となる。なお、Alを含有することによる物性値へ
の影響を排除するといった観点からは、Al含有率は1
0体積%以下であることが好ましく、より高強度とする
ことができ、また、更なる熱膨張係数の低減が可能とな
る。
【0067】 次に、本発明の第六の実施形態について
説明する。本発明の第六の実施形態は、これまで述べて
きた本発明の第二、第四の実施態様のいずれかの製造方
法により製造されてなるセラミックス基複合材料であ
り、金属ホウ化物と、Al含有率が20体積%以下であ
る、窒化アルミニウムを主成分とするマトリックスとか
らなることを特徴とするものである。即ち、Al含有率
が低いためにマトリックスである窒化アルミニウムの特
性が発揮され、高強度であるとともに、低熱膨張率であ
るといった特徴を有する複合材料である。ここで、熱膨
張係数を、具体的には10ppm/K以下とすることが
可能となる。なお、Alを含有することによる物性値へ
の影響を排除するといった観点からは、Al含有率は1
0体積%以下であることが好ましく、より高強度とする
ことができ、また、更なる熱膨張係数の低減が可能とな
る。
【0068】
【実施例】 以下、本発明の具体的な実施結果を説明す
る。 (実施例1)平均粒径44μm以下のTi粉末と、平均
粒径10μmの窒化ホウ素粉末を、モル比で1:2とな
るように調合し、混合した。得られた混合粉体を所定の
治具に充填し、得られる圧粉体の空隙率が38.0%と
なるように圧粉した。得られた圧粉体上に、窒化ホウ素
粉末と等モルのAl(市販の純Al(A1050、純度
>99.5%))を設置し、Arガス雰囲気下、120
0℃まで加熱してAlを含浸させ、同温度で60分保持
後に徐冷して複合材料を製造した(実施例1)。また、
実施例1において作製した複合材料のミクロ組織を示す
走査電子顕微鏡写真を図1に示す。
【0069】(比較例1〜3)圧粉体の空隙率を87、
78、及び65%とすること以外は、前記実施例1と同
様の操作によって複合材料を製造した(比較例1〜
3)。また、比較例1において作製した複合材料のミク
ロ組織を示す走査電子顕微鏡写真を図3に示す。
【0070】(実施例2)Ti粉末に代えて、平均粒径
44μm以下のTa粉末を使用し、圧粉体の空隙率を3
7.8%とすること以外は、前記実施例1と同様の操作
によって複合材料を製造した(実施例2)。図2に、実
施例2において作製した複合材料のミクロ組織を示す走
査電子顕微鏡写真を示す。なお、図2(b)は図2
(a)の一部拡大写真である。また、図4は、実施例2
において作製した複合材料のEPMAによる元素マッピ
ングをディスプレー上に表示した中間調画像を表す写真
であり、(a)は無処理の写真、(b)はホウ素
(B)、(c)は窒素(N)の分布を示す写真である。
同じく図5は、実施例2において得られた複合材料のE
PMAによる元素マッピングをディスプレー上に表示し
た中間調画像を表す写真であり、(a)は酸素(O)、
(b)はアルミニウム(Al)、(c)はタンタル(T
a)の分布を示す写真である。
【0071】(実施例3)Al溶湯含浸後の保持時間を
設けないこと以外は、実施例1と同様の操作によって複
合材料を製造した(実施例3)。
【0072】(実施例4)Al溶湯含浸後の保持時間を
設けないこと以外は、実施例2と同様の操作によって複
合材料を製造した(実施例4)。
【0073】(実施例5)平均粒径1μmの窒化ホウ素
粉末を使用すること以外は、実施例1と同様の操作によ
って複合材料を製造した(実施例5)。また、実施例5
において作製した複合材料のミクロ組織を示す走査電子
顕微鏡写真(倍率×200、×5000)を図6、7に
示す。
【0074】(実施例6、7)平均粒径44μm以下の
Ti粉末と、平均粒径10μmの窒化ホウ素粉末を、モ
ル比で1:(2+x)(但し、xは0.20又は0.4
1)となるように、調合し、混合した。得られた混合粉
体を所定の治具に充填し、空隙率が、x=0.20の場
合には36.5%、x=0.41の場合には35.0%
となるように圧粉して圧粉体とした。この圧粉体上に、
金属粉末の2倍モルのAl(市販の純Al(A105
0、純度>99.5%))を設置し、Arガス雰囲気
下、1200℃まで加熱してAlを含浸させ、同温度で
60分保持後に徐冷して複合材料を製造した(実施例
6、7)。この結果、実施例6及び7ではAlN、Ti
2に加えてBN相が混在したCMCを製造することが
できた。
【0075】(実施例8、9)平均粒径44μm以下の
Ta粉末と、平均粒径10μmの窒化ホウ素粉末を、モ
ル比で1:(2+x)(但し、xは0.21又は0.9
8)となるように、調合し、混合した。得られた混合粉
体を所定の治具に充填し、空隙率が、x=0.21の場
合には36.2%、x=0.98の場合には31.4%
となるように圧粉して圧粉体とした。この圧粉体上に、
金属粉末の2倍モルのAl(市販の純Al(A105
0、純度>99.5%))を設置し、Arガス雰囲気
下、1200℃まで加熱してAlを含浸させ、同温度で
60分保持後に徐冷して複合材料を製造した(実施例
8、9)。この結果、実施例8及び9ではAlN、Ta
2、及びBN相が各々約55体積%、約40体積%、
及び約5体積%、実施例9ではAlN、TaB2に加え
てBN相が混在したCMCを製造することができた。
【0076】(実施例10、11)平均粒径44μm以
下のTi粉末と、平均粒径1μmの窒化ホウ素粉末に対
して、平均粒径1.2μmの窒化アルミニウム粉末をモ
ル比で1:2:y(yは0.10又は0.36)となる
ように、調合し、混合した。得られた混合粉体を所定の
治具に充填し、空隙率が、y=0.10の場合には3
7.1%、y=0.36の場合には35.0%となるよ
うに圧粉して圧粉体とした。この圧粉体上に、金属粉末
の2倍モルのAl(市販の純Al(A1050、純度>
99.5%))を設置し、Arガス雰囲気下、1200
℃まで加熱してAlを含浸させ、同温度で60分保持後
に徐冷して複合材料を製造した(実施例10、11)。
この結果、実施例10では窒化アルミニウムが約64体
積%、実施例11では窒化アルミニウムが約70体積%
からなるCMCを製造することができた。従って、原料
となる混合粉体に、予め所定量の窒化アルミニウム粉末
を含ませることにより、マトリックスとなる窒化アルミ
ニウムの体積率の制御が可能であることが判明した。
【0077】(実施例12、13)平均粒径44μm以
下のTa粉末と、平均粒径10μmの窒化ホウ素粉末に
対して、平均粒径1.2μmの窒化アルミニウム粉末を
モル比で1:2:y(yは0.11又は0.38)とな
るように、調合し、混合した。得られた混合粉体を所定
の治具に充填し、空隙率がy=0.11の場合には3
6.9%、y=0.38の場合には34.7%となるよ
うに圧粉して圧粉体とした。この圧粉体上に、金属粉末
の2倍モルのAl(市販の純Al(A1050、純度>
99.5%))を設置し、Arガス雰囲気下、1200
℃まで加熱してAlを含浸させ、同温度で60分保持後
に徐冷して複合材料を製造した(実施例12、13)。
この結果、実施例12では窒化アルミニウムが約60体
積%、実施例13では窒化アルミニウムが約66体積%
からなるCMCを製造することができた。従って、原料
となる混合粉体に、予め所定量の窒化アルミニウム粉末
を含ませることにより、マトリックスとなる窒化アルミ
ニウムの体積率の制御が可能であることが判明した。
【0078】(実施例14)圧粉体の空隙率25.0%
とすること以外は、実施例5と同様の操作によって複合
材料を製造した(実施例14)。
【0079】(実施例15)圧粉体の空隙率25.0%
とすること以外は、実施例2と同様の操作によって複合
材料を製造した(実施例15)。
【0080】(実施例16)圧粉体の空隙率21.0%
とすること以外は、実施例6と同様の操作によって複合
材料を製造した(実施例16)。
【0081】(実施例17)圧粉体の空隙率21.0%
とすること以外は、実施例8と同様の操作によって複合
材料を製造した(実施例17)。
【0082】(実施例18)圧粉体の空隙率21.0%
とすること以外は、実施例10と同様の操作によって複
合材料を製造した(実施例18)。
【0083】(実施例19)圧粉体の空隙率21.0%
とすること以外は、実施例12と同様の操作によって複
合材料を製造した(実施例19)。
【0084】(実施例20)含浸するAl溶湯として、
A5052合金(Al+2.5質量%Mg)を使用する
こと以外は、実施例5と同様の操作によって複合材料を
製造した(実施例20)。
【0085】(実施例21)含浸ガス雰囲気にArとN
2ガスの混合ガス(Ar:N2=1:1(体積比))を使
用すること以外は、実施例20と同様の操作によって複
合材料を製造した(実施例21)。
【0086】(比較例4、5)圧粉体の空隙率を72
%、58%とすること以外は、実施例5と同様の操作に
よって複合材料を製造した(実施例4、5)。
【0087】(比較例6、7)圧粉体の空隙率を74
%、60%とすること以外は、実施例2と同様の操作に
よって複合材料を製造した(実施例6、7)。
【0088】(XRD分析)実施例2、5〜21、比較
例4〜7において作製した複合材料のXRD分析を行っ
た。
【0089】(物理特性の測定)前述の実施例2、5〜
21、比較例4〜7において作製した複合材料から試験
片を切り出し、マトリックスのAlから窒化アルミニウ
ムへの置換反応の進行度合いを確認するため、熱膨張係
数、及びヤング率を測定した。なお、各種測定方法は以
下の通りである。測定結果を表1に示す。
【0090】[熱膨張率の測定]:熱膨張計(マックサ
イエンス製:TD−5000S)を用いて、Arガス雰
囲気中にて室温から所定の温度までの測定を行った。
【0091】[ヤング率の測定]:得られた複合材料か
ら所定形状の試料を切り出し、JIS R 1601に
従って、室温での4点曲げ試験を実施することによりヤ
ング率を測定した。
【0092】
【表1】
【0093】(評価)比較例1〜3において作製した複
合材料には、図1に示す実施例1において作製した複合
材料に比して多量のAlが残留していることを確認でき
た。これは、実施例1における圧粉体の空隙率が所定の
数値範囲内であったために、過不足なく反応が進行し、
マトリックスにおけるAlの残留が抑制されたためと考
えられる。また、図2に示すように、金属粉末としてT
aを用いた実施例2においても、Al残留率が抑制され
た複合材料を得ることができた。
【0094】 更に、図4、5に示す写真から、得られ
た複合材料においてはTaとB(図5(c)と図4
(b))、AlとN(図5(b)と図4(c))の元素
の組み合せで偏析しており、即ちTaB2、窒化アルミ
ニウムが生成して分布することによって複合材料が構成
されていることが明らかとなった。従って、本発明の製
造方法の効果を確認することができた。なお、図4、5
の原図においては各元素の存在量(%)が少ない方から
多い方へ、赤色系〜黄色系〜緑色系〜青色系へと変化す
る色彩が付されており、各元素の存在分布がより鮮明に
表されている。
【0095】 また、実施例3と実施例4において作製
した複合材料のXRD分析結果を比較したところ、金属
粉末としてTaを用いると、Al溶湯含浸後の高温保持
を実施しない場合であっても、その場(in−sit
u)反応は完結することが判明した。Tiを使用した場
合に原材料の残留を抑制するためには、Al含浸後の高
温保持の実施が好ましいことが判明した。
【0096】 また、10μmの窒化ホウ素粉末を使用
した実施例1〜3、及び比較例1〜3においては、製造
直後の段階でAl3Ti金属間化合物が生成し、その後
高温保持することによってAl3Tiの分解が促進され
たのに対して、1μmの窒化ホウ素粉末を使用した実施
例5においては、製造直後の段階でAl3Tiは生成せ
ず、使用したTiは全てTiB2の生成に費やされたこ
とが判明した。このため、図1に示す写真においては塊
状のAl3Ti相(写真中央の白色部分)を確認するこ
とができるのに対し、図6、7に示す写真においては、
Al 3Ti相を確認することができなかった。これは、
実施例1(図1)で使用した窒化ホウ素粉末の平均粒径
(10μm)と比較して、実施例5で使用した窒化ホウ
素粉末の平均粒径(1μm)が細粒化されていたため、
窒化ポイントとなる核数が増加することによって、Ti
元素が図7の写真中に観察される微細な約1μm(平均
粒径)のTiB2相(白色部分)の生成に費やされ、A
3Ti相の形成に寄与しにくくなったものと考えられ
る。
【0097】 また、実施例10で製造した複合材料
は、実施例1で製造した複合材料と比較して残留Al量
が低減し、マトリックスの窒化率が増加していた。この
ことから、窒化アルミニウム粉末の添加により、形成さ
れるマトリックスの窒化率を増加可能であることが判明
した。
【0098】 表1の材料特性結果に関して見ると、実
施例の結果と比較して、比較例4〜7の試料は圧粉体の
空隙率が化学量論組成よりも大きくずれたことから、マ
トリックス中の残留Al量が多く、CMCというよりも
AlをマトリックスとするMMCに近い物性値を示し
た。これらの試料の熱膨張係数は、マトリックス中にお
いて熱膨張が大きい残留Al相の体積率が大きくなった
ことから10ppm/K以上の値を示したのに対し、実
施例の試料は10ppm/K以下の値となり熱膨張係数
の低減効果が確認された。更に、本願発明により得られ
た複合材料の熱膨張係数は、混合の複合則より予想され
る値と比較しても、残留Al量の低減が示唆されるもの
であった。また、ヤング率を測定した結果、比較例4〜
7の試料ではMMCに近い物性値を示したのに対し、実
施例の試料はマトリックスがセラミックスに近い組成と
なるまで置換反応が進行したことから、その値の増加が
確認された。このため、圧粉体の空隙率を制御した場
合、及び、窒化ホウ素及び窒化アルミニウム粒子を過剰
に添加した場合の効果を確認することができた。
【0099】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明のセラミ
ックス基複合材料の製造方法によれば、所定の材料を含
む混合粉体からなる、多孔質構造の圧粉体の空隙率を所
定の数値範囲内となるように形成し、これにAl溶湯を
含浸させるために、マトリックス中のAl残留率を低減
することが可能であり、所望の物理特性を有するセラミ
ックス基複合材料を製造することができる。また、用い
る金属粉末の量を規定することによっても、Al残留率
の低減が可能である。更に、従来の複合材料の製造方法
に比して少量のエネルギーでセラミックスをマトリック
スとする複合材料を製造することができるために、製造
コストの削減を図ることも可能であり、且つ、最終製品
の形状を考慮したニアネットシェイプ化も可能であるた
めに、工業的生産工程にも好適に採用することができ
る。
【0100】 また、本発明のセラミックス基複合材料
は、前述のセラミックス基複合材料の製造方法により製
造され、そのAl含有率が所定の数値以下であるため
に、マトリックスである窒化アルミニウムの特性が発揮
され、高強度であるとともに、低熱膨張率であるといっ
た特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1において作製した複合材料のミクロ
組織を示す走査電子顕微鏡写真である。
【図2】 実施例2において作製した複合材料のミクロ
組織を示す走査電子顕微鏡写真であり、(b)は(a)
の一部拡大写真である。
【図3】 比較例1において作製した複合材料のミクロ
組織を示す走査電子顕微鏡写真である。
【図4】 実施例2において作製した複合材料のEPM
Aによる元素マッピングをディスプレー上に表示した中
間調画像を表す写真であり、(a)は無処理の写真、
(b)はホウ素(B)、(c)は窒素(N)の分布を示
す写真である。
【図5】 実施例2において得られた複合材料のEPM
Aによる元素マッピングをディスプレー上に表示した中
間調画像を表す写真であり、(a)は酸素(O)、
(b)はアルミニウム(Al)、(c)はタンタル(T
a)の分布を示す写真である。
【図6】 実施例5において作製した複合材料のミクロ
組織を示す走査電子顕微鏡写真(倍率×200)であ
る。
【図7】 実施例5において作製した複合材料のミクロ
組織を示す走査電子顕微鏡写真(倍率×5000)であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B22F 3/26 C04B 35/00 E (72)発明者 金武 直幸 岐阜県岐阜市光町3丁目8番地 (72)発明者 小橋 眞 愛知県名古屋市昭和区八事富士見25−2− 304 (72)発明者 石川 貴浩 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 (72)発明者 來田 雅裕 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 Fターム(参考) 4G001 BA33 BA61 BA63 BB36 BB43 BB44 BB45 BB63 BB71 BC22 BC33 BC44 BC48 BD01 4G030 AA51 AA53 AA54 AA63 BA24 GA19 GA23 4K018 AD10 AD20 BA11 FA35 KA70

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属粉末と窒化ホウ素粉末とを混合して
    得られた混合粉体を所定の容器中に充填して多孔質構造
    を有する圧粉体を形成し、前記圧粉体にAl溶湯を含浸
    させることにより、金属ホウ化物を含み窒化アルミニウ
    ムをマトリックスとする複合材料を形成する、セラミッ
    クス基複合材料の製造方法であって、 前記金属粉末と前記窒化ホウ素粉末との混合比が1:
    1.8〜1:2.2(モル比)である前記混合粉体を、
    前記圧粉体の空隙率が34〜42%となるように圧粉し
    て前記圧粉体を形成することを特徴とするセラミックス
    基複合材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 金属粉末と窒化ホウ素粉末とを混合して
    得られた混合粉体を所定の容器中に充填して多孔質構造
    を有する圧粉体を形成し、前記圧粉体にAl溶湯を含浸
    させることにより、金属ホウ化物を含み窒化アルミニウ
    ムをマトリックスとする複合材料を形成する、セラミッ
    クス基複合材料の製造方法であって、 前記金属粉末と前記窒化ホウ素粉末との混合比が1:
    2.2〜1:4.0(モル比)である前記混合粉体を、
    前記圧粉体の空隙率が26〜40%となるように圧粉し
    て前記圧粉体を形成することを特徴とするセラミックス
    基複合材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 金属粉末と窒化ホウ素粉末とを混合して
    得られた混合粉体を所定の容器中に充填して多孔質構造
    を有する圧粉体を形成し、前記圧粉体にAl溶湯を含浸
    させることにより、金属ホウ化物を含み窒化アルミニウ
    ムをマトリックスとする複合材料を形成する、セラミッ
    クス基複合材料の製造方法であって、 前記金属粉末と前記窒化ホウ素粉末との混合比が1:
    1.8〜1:2.2(モル比)である前記混合粉体を、
    前記圧粉体の空隙率が15〜34%となるように圧粉し
    て前記圧粉体を形成することを特徴とするセラミックス
    基複合材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 金属粉末と窒化ホウ素粉末とを混合して
    得られた混合粉体を所定の容器中に充填して多孔質構造
    を有する圧粉体を形成し、前記圧粉体にAl溶湯を含浸
    させることにより、金属ホウ化物を含み窒化アルミニウ
    ムをマトリックスとする複合材料を形成する、セラミッ
    クス基複合材料の製造方法であって、 前記金属粉末と前記窒化ホウ素粉末との混合比が1:
    2.2〜1:4.0(モル比)である前記混合粉体を、
    前記圧粉体の空隙率が15〜26%となるように圧粉し
    て前記圧粉体を形成することを特徴とするセラミックス
    基複合材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記混合粉体が、前記金属粉末と前記窒
    化ホウ素粉末に加えて、前記金属粉末の1モルに対し
    て、窒化アルミニウム粒子を1モル以下の比率で更に含
    むものである請求項1〜4のいずれか一項に記載のセラ
    ミックス基複合材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記窒化ホウ素粉末の平均粒径が20μ
    m以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載のセラ
    ミックス基複合材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記Al溶湯を含浸させた後に、100
    0〜1400℃で10分間以上保持する請求項1〜6の
    いずれか一項に記載のセラミックス基複合材料の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 Ti、Ta、Hf、Nb、及びZrから
    なる群より選択される少なくとも一種の前記金属粉末を
    用いる請求項1〜7のいずれか一項に記載のセラミック
    ス基複合材料の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記Al溶湯を、不活性ガス雰囲気下で
    含浸させる請求項1〜8のいずれか一項に記載のセラミ
    ックス基複合材料の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記Al溶湯が、3質量%以下のMg
    を含有する請求項1〜9のいずれか一項に記載のセラミ
    ックス基複合材料の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1、3、5〜10のいずれか一
    項に記載のセラミックス基複合材料の製造方法により製
    造されてなるとともに、 金属ホウ化物と、Al含有率が20体積%以下である、
    窒化アルミニウムを主成分とするマトリックスとからな
    ることを特徴とするセラミックス基複合材料。
  12. 【請求項12】 前記Al含有率が10体積%以下であ
    る請求項11に記載のセラミックス基複合材料。
  13. 【請求項13】 請求項2、4、6〜10のいずれか一
    項に記載のセラミックス基複合材料の製造方法により製
    造されてなるとともに、 金属ホウ化物と、窒化ホウ素と、Al含有率が20体積
    %以下である、窒化アルミニウムを主成分とするマトリ
    ックスとからなることを特徴とするセラミックス基複合
    材料。
  14. 【請求項14】 前記Al含有率が10体積%以下であ
    る請求項13に記載のセラミックス基複合材料。
  15. 【請求項15】 熱膨張係数が10ppm/K以下であ
    る請求項11〜14のいずれか一項に記載のセラミック
    ス基複合材料。
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