JP2003128463A - 電気伝導性酸化物並びに電気伝導性酸化物を用いて構成したセンサー - Google Patents

電気伝導性酸化物並びに電気伝導性酸化物を用いて構成したセンサー

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JP2003128463A
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八井　　浄
Hisayuki Suematsu
久幸 末松
Ika Kou
江　　偉華
Yoshiaki Kinemuchi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、Ｎｉ、Ｆｅ、Ｏを含む物質では、温
度、磁場、雰囲気ガス圧力の変化に伴い、その電気抵抗
率の変化は小さくて、温度、磁場、ガスセンサーに応用
した場合の感度が低いため、高感度センサーに使用可能
な物質を提供することが技術的課題である。 【解決手段】 Ｎｉ、ＦｅおよびＯを含み、温度、磁
場、雰囲気ガス分圧の変化に伴い大きな電気抵抗率変化
を示す物質。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、Ｎｉ、Ｆｅ、Ｏを
含み、大きな電気抵抗率変化を示す物質に関するもので
ある。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
Ｎｉ、Ｆｅ、Ｏを含む物質では、温度、磁場、雰囲気ガ
ス圧力の変化に伴い、その電気抵抗率は単調に変化し
た。
【０００３】このため、温度、磁場、雰囲気ガス圧力の
変化が少ない場合、電気抵抗率の変化は小さく、温度、
磁場、ガスセンサーへ応用した場合、測定精度が低かっ
た。
【０００４】本発明は、自動車エンジン、磁気記録媒体
読みとりヘッドなどの高感度温度、磁場、ガスセンサー
への需要が高まっていることに着目し、高感度な温度、
磁場、ガスセンサーに応用可能な電気伝導性酸化物並び
に電気伝導性酸化物を用いて構成したセンサーを提供す
ることが技術的課題である。
【０００５】
【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発
明の要旨を説明する。
【０００６】Ｎｉ、ＦｅおよびＯを含み、温度若しくは
外部磁場若しくは雰囲気ガス分圧の変化に伴い大きな電
気抵抗率変化を示すように構成したことを特徴とする電
気伝導性酸化物に係るものである。
【０００７】また、Ｎｉ、ＦｅおよびＯからなり、６０
０℃以下のある臨界温度±３０℃以内で、温度若しくは
外部磁場若しくは雰囲気酸素分圧の変化に伴い大きな電
気抵抗率変化を示すように構成したことを特徴とする電
気伝導性酸化物に係るものである。
【０００８】また、Ｎｉ、ＦｅおよびＯからなる超微粒
子の焼結体で、１００〜３５０℃の間のある遷移温度±
３０℃以内で、温度若しくは雰囲気酸素分圧の変化に伴
い一桁以上の電気抵抗率変化を示すように構成したこと
を特徴とする電気伝導性酸化物に係るものである。
【０００９】また、Ｎｉ、ＦｅおよびＯを含み、温度若
しくは外部磁場若しくは雰囲気ガス分圧の変化に伴い大
きな電気抵抗率変化を示す電気伝導性酸化物を用い、こ
の大きな電気抵抗変化率を利用して温度若しくは外部磁
場若しくは雰囲気ガス分圧の変化を検出するように構成
したことを特徴とする電気伝導性酸化物を用いて構成し
たセンサーに係るものである。
【００１０】また、Ｎｉ、ＦｅおよびＯからなり、６０
０℃以下のある臨界温度±３０℃以内で、温度若しくは
外部磁場若しくは雰囲気酸素分圧の変化に伴い大きな電
気抵抗率変化を示す電気伝導性酸化物を用い、この大き
な電気抵抗変化率を利用して温度若しくは外部磁場若し
くは雰囲気酸素分圧の変化を検出するように構成したこ
とを特徴とする電気伝導性酸化物を用いて構成したセン
サーに係るものである。
【００１１】また、Ｎｉ、ＦｅおよびＯからなる超微粒
子の焼結体で、１００〜３５０℃の間のある遷移温度±
３０℃以内で、温度若しくは雰囲気酸素分圧の変化に伴
い一桁以上の電気抵抗率変化を示す電気伝導性酸化物を
用い、この大きな電気抵抗変化率を利用して温度若しく
は雰囲気酸素分圧の変化を検出するように構成したこと
を特徴とする電気伝導性酸化物を用いて構成したセンサ
ーに係るものである。
【００１２】
【発明の実施の形態】好適と考える本発明の実施の形態
（発明をどのように実施するか）を、図面に基づいてそ
の作用効果を示して簡単に説明する。
【００１３】Ｎｉ、Ｆｅ、Ｏを含む物質を加熱し、化合
した物質であって、温度、磁場、雰囲気ガス圧力が変化
すると、６００℃以下のある温度付近で、電気抵抗率が
一桁以上変化し、この現象により高感度温度、磁場、ガ
スセンサーへの応用が可能となる。
【００１４】
【実施例】本発明の具体的な実施例について図面に基づ
いて説明する。
【００１５】本実施例の物質は、Ｎｉ、Ｆｅワイヤー
を、圧力２００から６００ＴｏｒｒのＯ2ガス中で放電
したものを、大気中６００℃で焼結したものである。図
１にこの粉末Ｘ線回折図形を示す。ＮｉＦｅ2Ｏ4および
ＮｉＯ相からなることがわかる。
【００１６】この物質の、大気中６００℃まで加熱しな
がら測定した電気抵抗率を図２に示す。酸素分圧６００
Ｔｏｒｒで作製した物質の電気抵抗率は、２７０℃前後
で大きく変化している。このことから電気抵抗率を測定
することにより、２７０℃前後での温度を精度良く測定
することができる。
【００１７】作製時の酸素分圧が４００，２００と低下
するに従い、電気抵抗率が変化する臨界温度がそれぞれ
２５０，２００℃と低下する。このことから、電気抵抗
率が変化する温度を測定することにより、酸素分圧を高
精度に測定できる。
【００１８】作製時の酸素分圧と電気抵抗率の変化を示
したが、測定時の酸素分圧あるいは他のガス分圧による
電気抵抗率変化を測定しても良い。
【００１９】前記実施例では、温度と雰囲気ガス分圧に
よる電気抵抗率変化を測定したが、磁場を変化させて電
気抵抗率を変化させても良い。
【００２０】尚、本発明は、本実施例に限られるもので
はなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るもの
である。
【００２１】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したから、請
求項１，３記載の発明においては、前述のように、温
度、磁場、雰囲気ガス分圧の変化により、電気抵抗率が
大幅に変化する物質の合成により、温度、磁場、雰囲気
ガス圧力の変化を検出するセンサーの作製を可能にし
た。
【００２２】また、請求項２，４記載の発明において
は、臨界温度前後３０℃という、決まった温度範囲にお
いて温度、磁場、雰囲気酸素分圧の変化を高精度に検出
するセンサーの作製を可能にした。
【００２３】また、請求項３，５記載の発明において
は、臨界温度前後３０℃の範囲内で、さらに大きな電気
抵抗率変化を示す、超高精度で温度、雰囲気酸素分圧の
変化を測定可能なセンサーの作製を可能にした。
【００２４】さらに超微粒子を用いた大表面積の物質を
用いることにより、雰囲気酸素ガスの物質内部への拡散
を高速化させることができ、センサーの応答速度をより
早くする事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本実施例における粉末Ｘ線回折図形であり、ａ
は酸素分圧６００Ｔｏｒｒで作製した物質の粉末Ｘ線回
折図形，ｂは酸素分圧４００Ｔｏｒｒで作製した物質の
粉末Ｘ線回折図形，ｃは酸素分圧２００Ｔｏｒｒで作製
した物質の粉末Ｘ線回折図形である。
【図２】本実施例における電気抵抗率の温度依存性を示
すグラフである。
フロントページの続き (71)出願人 597040429 江 偉華 新潟県長岡市深沢町1769番地１深沢宿舎１ 号棟406 (71)出願人 501407492 杵鞭 義明 新潟県長岡市土合５−３−３ 県営住宅 512 (72)発明者 八井 浄 新潟県長岡市学校町１−４−18 長岡住宅 １−301 (72)発明者 末松 久幸 新潟県長岡市学校町１−３−19 長岡住宅 ４−201 (72)発明者 江 偉華 新潟県長岡市深沢町1769番地１ 深沢宿舎 １号棟406 (72)発明者 杵鞭 義明 新潟県長岡市土合５−３−３ 県営住宅 512 Ｆターム(参考） 4G030 AA27 AA29 BA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 Ｎｉ、ＦｅおよびＯを含み、温度若しく
    は外部磁場若しくは雰囲気ガス分圧の変化に伴い大きな
    電気抵抗率変化を示すように構成したことを特徴とする
    電気伝導性酸化物。
  2. 【請求項２】 Ｎｉ、ＦｅおよびＯからなり、６００℃
    以下のある臨界温度±３０℃以内で、温度若しくは外部
    磁場若しくは雰囲気酸素分圧の変化に伴い大きな電気抵
    抗率変化を示すように構成したことを特徴とする電気伝
    導性酸化物。
  3. 【請求項３】 Ｎｉ、ＦｅおよびＯからなる超微粒子の
    焼結体で、１００〜３５０℃の間のある遷移温度±３０
    ℃以内で、温度若しくは雰囲気酸素分圧の変化に伴い一
    桁以上の電気抵抗率変化を示すように構成したことを特
    徴とする電気伝導性酸化物。
  4. 【請求項４】 Ｎｉ、ＦｅおよびＯを含み、温度若しく
    は外部磁場若しくは雰囲気ガス分圧の変化に伴い大きな
    電気抵抗率変化を示す電気伝導性酸化物を用い、この大
    きな電気抵抗変化率を利用して温度若しくは外部磁場若
    しくは雰囲気ガス分圧の変化を検出するように構成した
    ことを特徴とする電気伝導性酸化物を用いて構成したセ
    ンサー。
  5. 【請求項５】 Ｎｉ、ＦｅおよびＯからなり、６００℃
    以下のある臨界温度±３０℃以内で、温度若しくは外部
    磁場若しくは雰囲気酸素分圧の変化に伴い大きな電気抵
    抗率変化を示す電気伝導性酸化物を用い、この大きな電
    気抵抗変化率を利用して温度若しくは外部磁場若しくは
    雰囲気酸素分圧の変化を検出するように構成したことを
    特徴とする電気伝導性酸化物を用いて構成したセンサ
    ー。
  6. 【請求項６】 Ｎｉ、ＦｅおよびＯからなる超微粒子の
    焼結体で、１００〜３５０℃の間のある遷移温度±３０
    ℃以内で、温度若しくは雰囲気酸素分圧の変化に伴い一
    桁以上の電気抵抗率変化を示す電気伝導性酸化物を用
    い、この大きな電気抵抗変化率を利用して温度若しくは
    雰囲気酸素分圧の変化を検出するように構成したことを
    特徴とする電気伝導性酸化物を用いて構成したセンサ
    ー。
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