JP3919305B2 - 空気汚染検出用熱線型半導体式ガス検知素子 - Google Patents

空気汚染検出用熱線型半導体式ガス検知素子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、貴金属線材に金属酸化物半導体を被覆して焼成してある空気汚染検出用熱線型半導体式ガス検知素子に関する。ここにいう空気汚染検出とは、オフィス、家庭、車内等の環境下で、被検知ガスの漏洩等による空気汚染を高感度に検知し、その被検知ガスによる爆発等の危険や人体への悪影響を防止するにとどまらず、さらに、そこに至るまでに被検知ガスを早期に排除する措置を講じるために、その被検知ガスを低濃度にて汚染とみなし、捕捉することを指す。また、熱線型半導体式ガス検知素子とは、貴金属線材に金属酸化物半導体を被覆焼成して形成してあるガス検知素子を指す。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の空気汚染検出用熱線型半導体式ガス検知素子として、通常の一酸化炭素ガス検知素子や、可燃性ガス検知素子等の汎用ガス検知素子が代用されている場合が多い。
ちなみに、これらの汎用ガス検知素子としては、通常、酸化スズ半導体を主材とする金属酸化物半導体を、白金等の貴金属線材に被覆焼成して構成してある、いわゆる熱線型半導体式ガス検知素子が用いられる(図1参照)。このように形成したガス検知素子は、酸化スズ半導体の持つ性質から低濃度ガス検知に極めて高い特性を有すること、貴金属線材上に単に焼成させただけの単純構造により、小型化が容易でかつ小型小容量に基づき吸放熱応答特性に優れる点から、ガス応答性に優れる、小電力で稼働することが出来る等のために、汎用されているものであり、その検知原理は、以下のように説明される。
図16に示すように、ガス検知素子に電圧をかけたときに、貴金属線材と金属酸化物半導体とが、並列に接続された抵抗として働く形態をとる。一方、前記金属酸化物半導体は、被検知ガスが金属酸化物半導体に接触したときに、その金属酸化物半導体の表面で被検知ガスに起きる化学反応により、電子の授受を行うことで見かけの電気抵抗が変化するという性質を持つ。ガス検知素子は、貴金属線材と金属酸化物半導体とが並列接続された合成抵抗体として働いているから、その合成抵抗値が、前記ガス検知素子の前記金属酸化物半導体に対する被検知ガスの接触による化学反応に応じて変化する事になる。また、前記抵抗値の変化は、化学反応に伴う電子の授受に基づいているから、化学反応量は被検知ガスの濃度に基づいて決定されるため、前記抵抗値の変化も被検知ガスの濃度に基づいて決定されることになる。つまり、ガス検知素子全体としての抵抗値が、前記被検知ガスの濃度に基づいて変化することを利用すれば、そのガス検知素子の抵抗値の変化を測定することによって、そのガス検知素子に接触した被検知ガスの濃度を測定することができるようになるのである。ちなみに、前記貴金属線材と、前記金属酸化物半導体とは、抵抗体同士を並列に接続した関係にあるから、前記貴金属線材と、金属酸化物半導体との抵抗差が小さいほど、前記金属酸化物半導体の抵抗値変化に対する合成抵抗の変化が大きく設定できるという特性を有することになり、熱線型半導体式ガス検知素子における前記金属酸化物半導体としては、抵抗値の小さなものほど有利に用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の汎用ガス検知素子によれば、上述の空気汚染検出という利用目的に対しては安定性が十分でなく信頼性の面で改良の余地があった。というのは、前記酸化スズ半導体は、表面酸素や表面水酸基の活性が高くて空気中の水蒸気濃度に応じて変化しやすいという特性を有するために、湿度変化により、その被検知ガスに対する検知特性が変化しやすいため、検知対象地区において常設するような場合に、一日あるいは年間を通じての湿度変化に対する安定性が確保しにくいという事情があるためである。そこで、前記酸化スズ半導体に種々の被覆層を形成したり、添加物を添加することにより、先述の特性を改良して用いることが考えられるのであるが、このような手法によれば、製造工程が煩雑化したり、製品ごとの品質安定性の管理が困難になったりするという欠点があり、製造面からはあまり好ましくないものとされている。
そこで、主材とすべき半導体の種類を替えるなどして、根本的にガス検知特性を変更する必要性が生じている。しかしながら、金属酸化物半導体の特性は、そのガス検知素子の形状、形態、構造によって大きく変化する場合が多く、一概に他のガス検知素子に用いられているものを転用することが出来ない。
【0004】
そこで、本発明者らは、一般にガス検知の際の応答特性に優れた金属酸化物半導体と言われている酸化インジウムを選択し、低濃度ガス検知が可能で、かつ、湿度依存性が低いガス検知素子を提供する目的で鋭意研究をおこなった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
その結果、本発明者らは酸化インジウム自体が本来高抵抗な物質であり、かつ湿度の影響を受けにくいという新知見を得た。また、スズによる原子価制御により、酸化インジウムの抵抗値を調整することが可能であり、また、このような酸化インジウムを用いたガス検知素子により、低濃度ガスを高感度に検知できることを見いだした。
本発明は、上記新知見に基づきなされたものであって、前記目的を達成するための本発明の空気汚染検出用熱線型半導体式ガス検知素子の特徴構成は、
貴金属線材に金属酸化物半導体を被覆して焼成してある空気汚染検出用熱線型半導体式ガス検知素子にであって
前記金属酸化物半導体が、水酸化インジウムに塩化スズの溶液を含浸、または水酸化インジウム及び水酸化スズを共沈させた後、焼成することにより、酸化スズを0.1atm%以上50atm%以下含有させた酸化インジウムを主成分とするものである点にある。
【0006】
〔作用効果〕
酸化インジウムが湿度の影響を受けにくいのは、酸化インジウムの表面酸素や表面水酸基は、酸化スズのものに比べて活性が低く、疎水的になっていることによると考えられる。つまり、前記表面酸素や表面水酸基には、雰囲気下の水蒸気が付着反応して、被検知ガスとの反応を阻害したり、必要以上に活性をあげてしまうような現象が起きにくくなっており、結果として湿度の影響を受けにくくなって、所定の活性を維持し易くなり安定に用いられるのである。そのため、前記特徴構成に記載のガス検知素子は湿度に対して影響を受けにくく、高感度で被検知ガスを検知できるのである。
尚、この論理に基づけば、酸化インジウムは水を加えてペーストにするときに、その疎水性によって分散性が低いはずである。はたして、酸化インジウムをペーストにすると、酸化スズをペーストにする場合に比べて、分散性が低く、貴金属線材上に塗布するような場合に取り扱いの良くないものになりやすいことがわかった。
ところが、前記スズを酸化インジウムに添加する際に酸化スズとして添加してあれば、酸化インジウムの疎水的で、湿度の影響を受けにくい性質を維持しながらペーストにする際の分散性を向上させられることもわかり、ガス検知素子の製造工程上も好ましいことがわかった。
また、酸化スズの添加量について種々検討したところ、0.1〜50atm%程度であれば、先述のペースト分散性を良好にしながら、酸化スズの性質が酸化インジウムの性質に勝ってしまうのを防止し、酸化インジウムの疎水的な特性が十分に発揮されにくくなるといった不都合を生じにくくできる。
【0007】
尚、これらの実験結果は、99.99%以上の純度の原料を用い、実験室レベルで厳密に不純物の混入を遮断した環境下で調製した酸化インジウムについて種々の試験を行って得られたものであり、既報の物性と異なる結果が多数得られていることについては、既報の物性は、原料純度の相違や、製法の相違による種々の不純物が、ドーパントとして働き、再現性に乏しい結果をもたらしたと考えられるのに対し、再現性の高い結果を与えるものと言える条件下で行われた試験によって得られたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔熱線型半導体式ガス検知素子の製造〕
水酸化インジウムの微粉体に塩化スズの所定濃度水溶液を、前記水酸化インジウム中のインジウムに対してスズが0.5atm%含まれるように含浸させ、80℃で24時間乾燥させた後、電気炉で600℃で4時間焼成した。こうして得られた酸化インジウムをさらに粉砕して、平均粒径1.5μm程度の微粉体を形成した。この微粉体を1,3ブタンジオールを用いてペーストにして、実効寸法0.4mmの白金線コイル1(線径20μm、巻き径0.30mm、巻き間隔0.02mm)に直径0.50mmの球形で、前記白金線コイルの全体を覆うように塗布する。これをさらに80℃で1時間乾燥させた後、前記白金線コイル1に電流を流し、そのジュール熱で600℃で1時間焼成させて感応層2を被覆形成して、熱線型半導体式ガス検知素子を得た(図1参照)。
【0009】
尚、この場合、被覆というのは、白金線コイル1を覆って焼成してあれば足り、焼成物が白金線コイル1と感応層2とが一体となって、働く形態であればよい。また、前記貴金属線としては、白金線コイルのほかに、白金とロジウムの合金等の貴金属が用いられる。さらに、焼成という場合には、前記貴金属線のジュール熱で加熱する場合のほか、電気炉で加熱する場合等も含み、不可避不純物の混入の許容量によっては、空気中で行っても良いし、不活性ガス雰囲気下で行っても良い。
また、水酸化インジウムを調整するには、塩化インジウムの水溶液にアンモニア水を滴下して、加水分解により沈殿させても良い。
塩化インジウムと塩化スズの混合水溶液を、前記アンモニア水で処理し、共沈する水酸化インジウム及び水酸化スズを焼成することによっても酸化スズを含有する酸化インジウムを得ることが出来る。
【0010】
尚、熱線型半導体式ガス検知素子の形成には以下に示す各試薬を用いた。
水酸化インジウム:(株)高純度化学研究所社製、純度99.99%
塩化スズ:(株)高純度化学研究所社製、純度99.99%
1,3ブタンジオール:東京化成工業(株)製、純度99%
【0011】
〔回路構成〕
前記熱線型半導体式ガス検知素子は、図2に示すように、ブリッジ回路に組み込んで用いられる。つまり、前記熱線型半導体式ガス検知素子に、固定抵抗R0を直列に接続するとともに、この熱線型半導体式ガス検知素子と固定抵抗R0との合成抵抗に対して固定抵抗R1と固定抵抗R2との合成抵抗を、前記熱線型半導体式ガス検知素子と固定抵抗R1、固定抵抗R0と固定抵抗R2が対向するように並列に接続する。また、前記熱線型半導体式ガス検知素子と固定抵抗の間と、前記固定抵抗R1と固定抵抗R2との間との電位差をセンサ出力として取出す出力部を接続してある。
【0012】
このようなブリッジ回路によれば、供給電圧をE、センサ出力をV、熱線型半導体式ガス検知素子の全体としての抵抗値をRs、各固定抵抗R0,R1,R2の抵抗値をそれぞれR0 、R1 、R2 としたときに、数1の関係を有する。
【0013】
【数1】
Figure 0003919305
【0014】
ここでR1 =R2 とし、ガス感度を、被検知ガス共存雰囲気下でのセンサ出力と清浄空気中でのセンサ出力との差(ΔV)とすると、そのガス感度は、熱線型半導体式ガス検知素子の被検知ガスとの接触による抵抗値変化をΔRsとしたときに、熱線型半導体式ガス検知素子の抵抗変化値に比例することになる。
一方、熱線型半導体式ガス検知素子の抵抗値Rsは、金属酸化物半導体と、白金線コイルとの並列抵抗として挙動するから、金属酸化物半導体の抵抗をrS とし、白金線コイルの抵抗値をrC としたときに、数2(1)式であらわされる。また、被検知ガスとの接触の際の金属酸化物半導体の抵抗値変化をΔrS としたときに、被検知ガスの濃度が低いときには、ΔRsやΔrS は、非常に小さいとすると、その熱線型半導体式ガス検知素子の抵抗変化率は近似的に数2(2)式で与えられる。つまり、熱線型半導体式ガス検知素子の抵抗変化率は、金属酸化物半導体の抵抗変化率に比例することになり、さらに熱線型半導体式ガス検知素子の感度は、数2(3)のように近似されることになる。ここで、βは、増幅率に相当し、rS /rC が小さいほど大きくなり、つまり、一般に金属酸化物半導体の抵抗は貴金属の抵抗よりも大きいものであるから、金属酸化物半導体の抵抗rS が小さいほど、感度の良い熱線型半導体式ガス検知素子が得られることになる。ところで、前記感度はΔrS /rS にも関与しているので、半導体の抵抗値を小さくしすぎても感度の低下を招くことになり、その抵抗値を最適化すべく、酸化スズの添加量を調整するのである。
【0015】
【数2】
Figure 0003919305
【0016】
【実施例】
以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
〔スズ添加量依存性〕
熱線型半導体式ガス検知素子の抵抗をベース出力として測定し、そのスズ添加量依存性を調べたところ、図3に示すようになった。
つまり、この熱線型半導体式ガス検知素子は、酸化スズの含有量によって、ベース出力が変動し、酸化スズの使用量によって有利にガスを検出できる領域があることがわかる。
【0017】
これに対し、熱線型半導体式ガス検知素子の各ガス種(水素(H2 )、エタノール(C2 5 OH)、一酸化炭素(CO)、イソブタン(i−C4 10)、メタン(CH4 ))に対するガス感度を調べ、そのスズ添加量依存性を調べたところ、図4に示すようになった。
つまり、種々のガスに対して、特に、1atm%程度のスズ含有量に調整した場合に、高感度でガスを検知できるようになることがわかり、また、スズの添加量が50atm%に達したとしても、正の感度出力を示すことから、酸化インジウムを主材とする熱線型半導体式ガス検知素子としてのガス検知機能を有していることがわかる。
【0018】
〔ガス検知温度依存性〕
スズを0.5atm%含有する先の熱線型半導体式ガス検知素子を製造し、種々のガス種に対してガス感度の温度依存性を調べたところ、図5に示すようになった。
つまり、この熱線型半導体式ガス検知素子は、種々のガスを高感度に検知出来ることがわかる。
【0019】
〔湿度依存性〕
同様に、前記熱線型半導体式ガス検知素子のガス感度の水素ガス濃度依存性を種々の湿度環境下で求めたところ、図6に示すようになった。また、従来の酸化スズ半導体を主材とする熱線型半導体式ガス検知素子についても同様に調べたところ図7に示すようになった。
つまり、センサ出力の濃度依存性は、従来のものに比べて湿度によってあまり変動していないことがわかる。尚、図中、標準あるいはSTDとあるのは、絶対湿度7.1g/m3 、低湿あるいはDRYとあるのは0.8g/m3 、高湿あるいはWETとあるのは26g/m3 の湿度条件を指し、いずれもセンサ電圧1.7V(420℃相当)の条件下で出力を調べたものである。
【0020】
また、同様の湿度依存性を各種センサ電圧で調べたところ、図8に示すようになった。
つまり、高温動作させるほど湿度依存性は低下し、安定した出力が得られることがわかる。尚図8においては、出力を、標準条件のものをもとに規格化してあり、標準条件下で水素ガス100ppmに対する感度を1とする相対感度で示してある。
【0021】
さらに、同様の湿度依存性を、スズ添加量の異なる各種ガス検知素子で調べたところ、図9に示すようになった。
つまり、この種の熱線型半導体式ガス検知素子の対湿度特性は、酸化インジウム自体の持つ重要な特性であって、スズの添加量の少ない領域ではその添加量によっては、ほとんど影響を受け得ていないことがわかる。
【0022】
これらの結果、本発明の熱線型半導体式ガス検知素子は、高いガス感度を有しながら、対湿度特性にも優れたものであると言える。
【0023】
〔経時安定性〕
先の実施の形態における熱線型半導体式ガス検知素子を、1.90V(R0 =5.6Ω)の使用条件下で経日的に使用し、各種ガス(100ppm)に対するセンサ出力がどのように変化するかを調べたところ、図10に示すようになった。
つまり、ベース出力、センサ出力ともにほぼ安定しているので、安定した感度が長期にわたって得られることが読みとれる。
【0024】
〔別実施形態〕
先の熱線型半導体式ガス検知素子に替え、スズの添加量を12atm%に替えた以外は同様に製造した熱線型半導体式ガス検知素子を製造した。
〔感度特性〕
センサ電圧1.90V(R0 =5.6Ω、センサ温度480℃)として、各種ガスに対して、感度のガス濃度依存性を調べたところ、図11のようになった。以下すべてこの動作条件で測定した。
つまり各ガスに対して、高い感度を示していることがわかる。
〔湿度依存性〕
同様に各ガスの濃度を100ppmとしたときのセンサ出力及びベース出力の湿度依存性を調べたところ図12(イ)に示すようになった。また、酸化スズを主材とする従来の熱線型半導体式ガス検知素子についても同様に調べたところ、図12(ロ)に示すようになった。
つまり、ベース出力、センサ出力ともにほぼ安定しているので、湿度によらず安定した感度が得られることが読みとれる。
また、20℃、相対湿度50%、絶対湿度9g/m3 の条件下で100ppmの被検知ガスに対して正確なガス濃度を出力するように調整した熱線型半導体式ガス検知素子を用いて、表1に示す各条件下における入力ガス濃度と出力濃度との関係を調べたところ、被検知ガスが水素ガスの場合、図13(イ)に示すようになった。また、酸化スズを主材とする従来の熱線型半導体式ガス検知素子についても同様に調べたところ、図13(ロ)に示すようになった。
つまり、本発明の熱線型半導体式ガス検知素子は、各種湿度条件において安定した性能を発揮し、従来のものに比べて信頼性の高い濃度出力が得られることが読みとれる。
この傾向は、被検知ガスが一酸化炭素ガスの場合にも同様に言えることがわかった(図14参照)。
【0025】
【表1】
Figure 0003919305
【0026】
〔経時安定性〕
この熱線型半導体式ガス検知素子を、1.90V(R0 =5.6Ω)の使用条件下で経日的に使用し、各種ガス(100ppm)に対するセンサ出力がどのように変化するかを調べたところ、図15に示すようになった。
つまり、ベース出力、センサ出力ともにほぼ安定しているので、安定した感度が長期にわたって得られることが読みとれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱線型半導体式ガス検知素子の縦断斜視図
【図2】熱線型半導体式ガス検知素子を組み込む回路構成図
【図3】ベース出力のスズ添加量依存性を示すグラフ
【図4】感度出力のスズ添加量依存性を示すグラフ
【図5】感度出力のガス検知温度依存性を示すグラフ
【図6】センサ出力の水素ガス濃度依存性の湿度による影響を示すグラフ
【図7】従来の熱線型半導体式ガス検知素子でのセンサ出力の水素ガス濃度依存性の湿度による影響を示すグラフ
【図8】水素ガス感度曲線に対する湿度の影響を示すグラフ
【図9】水素ガス感度曲線に対する湿度の影響を示すグラフ
【図10】熱線型半導体式ガス検知素子の経時安定性を示すグラフ
【図11】別実施形態における熱線型半導体式ガス検知素子の感度特性を示すグラフ
【図12】別実施形態における熱線型半導体式ガス検知素子の経時安定性を示すグラフ
【図13】別実施形態における水素ガス感度曲線に対する湿度の影響を示すグラフ
【図14】別実施形態における一酸化炭素ガス感度曲線に対する湿度の影響を示すグラフ
【図15】別実施形態における熱線型半導体式ガス検知素子の経時安定性を示すグラフ
【図16】熱線型半導体式ガス検知素子の動作概念図
【符号の説明】
1 貴金属線材
2 感応層

Claims (1)

  1. 貴金属線材に金属酸化物半導体を被覆して焼成してある空気汚染検出用熱線型半導体式ガス検知素子であって、
    前記金属酸化物半導体が、水酸化インジウムに塩化スズの溶液を含浸、または水酸化インジウム及び水酸化スズを共沈させた後、焼成することにより、酸化スズを0.1atm%以上50atm%以下含有させた酸化インジウムを主成分とするものである空気汚染検出用熱線型半導体式ガス検知素子。
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