JP3929199B2 - 水素ガス検知素子及びその製造方法 - Google Patents

水素ガス検知素子及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素ガス検知素子に関し、特に、貴金属線を覆って、酸化インジウム半導体を主成分とする半導体から形成される感応層を設けてある半導体式のガス検知素子およびその製造方法に関する。このような水素ガス検知素子は主に、還元剤やキャリアガス、燃料等として水素ガスを使用する化学工場、半導体製造工場、電気自動車用水素燃料電池、エンジンシステム等におけるガス漏洩等を監視する目的で使用される。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の水素ガス検知素子としては、貴金属線を覆って、酸化スズ半導体を主成分とする半導体から形成される感応層を設けてあるガス検知素子が知られており、前記感応層にランタン系金属酸化物の少なくとも一種以上を添加して低濃度における水素ガス選択性を向上させた水素ガス検知素子の開発が試みられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の水素ガス検知素子は、100ppm以下の低濃度の水素ガスを高感度に検知することが見出されており、水素ガス漏洩の初期的な検知に効果を発揮するものとして期待されている。というのも、水素ガスは、分子半径が小さく極めて小さなピンホール等からも漏洩し易いという性質があり、また、水素ガスの爆発下限界が4%(Vol)と低い上に爆発ガス濃度領域が広いため、ガス爆発の早期警戒が必要となるからである。
しかしながら、このような水素ガス検知素子は、一旦高濃度の水素ガスに晒されてしまうと、感度が劣化してしまうという欠点があった。具体的には、上述の水素ガス検知素子は100ppm以下の水素ガス濃度においては、高い感度で選択性良く働く優れたセンサであるが、500ppm以上の水素ガスに暴露されると感度が低下して劣化しまうという実験結果が得られている。
【0004】
従って、本発明の目的は、上記欠点に鑑み、湿度安定性の高く、高濃度の水素に暴露されても感度の劣化しにくい水素ガス検知素子を得ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明の水素ガス検知素子の特徴構成は、
貴金属線を覆って、酸化インジウムを主成分とする半導体から形成される感応層を設けてあるガス検知素子であって、前記感応層にガリウム、アルミニウム、ジルコニウムから選ばれる少なくとも一種以上の金属の酸化物を1〜5atm%(原子%)添加してあるとともに、前記感応層に緻密なシリカ薄膜を形成してあることにあり、
貴金属線を覆って、酸化インジウムを主成分とする半導体から形成される感応層を設けてあるガス検知素子であって、前記感応層にガリウム、アルミニウム、ジルコニウムから選ばれる少なくとも一種以上の金属の酸化物を1〜5atm%添加してあるとともに、前記感応層に水素選択透過性のシリカ薄膜を形成してあってもよく、
貴金属線を覆って、酸化インジウムを主成分とする半導体から形成される感応層を設けてあるガス検知素子であって、前記感応層にガリウム、アルミニウム、ジルコニウムから選ばれる少なくとも一種以上の金属の酸化物を1〜5atm%添加してあるとともに、前記感応層にシリカ薄膜を化学蒸着処理によって形成してあることが好ましい。
また、前記感応層が、ガリウム、アルミニウム、ジルコニウムから選ばれる少なくとも一種以上の金属の酸化物を1〜5atm%添加してある酸化インジウムの焼結体であり、前記シリカ薄膜が、ヘキサメチルジシロキサンガス中で、前記貴金属線に電流を流し、350℃〜550℃で(感応部の温度)25分〜25時間の条件下で化学蒸着処理により形成された物であることが好ましい。
また、上記目的を達成するための水素ガス検知素子の製造方法の特徴構成は、
貴金属線材に、ガリウム、アルミニウム、ジルコニウムから選ばれる少なくとも一種以上の金属の酸化物を1〜5atm%添加してある酸化インジウムペーストを塗布し、前記貴金属線材への通電により前記酸化インジウムを焼結させ、その酸化インジウムの焼結体を前記貴金属線材と共にヘキサメチルジシロキサンガス中に導入すると共に、前記貴金属線に電流を流し、350℃〜550℃で25分〜25時間の条件下で化学蒸着処理を行い、シリカ薄膜を形成することにある。
【0006】
〔作用効果〕
酸化スズ半導体、酸化亜鉛等を主材とする感応層にシリカ薄膜を蒸着させる技術が知られており(特開昭56−168542号公報参照)、そのような薄膜を緻密に形成することにより、前記感応層が水素ガス以外のガスと接触するのを制限し、水素ガス選択性を高める技術が実用化されている(特公昭61−31422号公報参照)。しかしながら、特定の組成の感応層に関しては、緻密な薄膜を形成する技術は知られているものの、緻密な薄膜を形成するためには、薄膜を形成すべき基材の性質等が、その薄膜の性質に大きく影響する場合があり、その感応層の種類により種々検討を要し、水素ガスだけを選択的に透過するようなシリカ薄膜を得ることは困難であり、得られたシリカ薄膜の性質についても予測しがたい。
しかしながら、今般本発明者らは、前記シリカ薄膜の機能に着目し、水素ガスの曝露に対して耐久性を発揮すると思われるガリウム、アルミニウム、ジルコニウムから選ばれる少なくとも一種以上の金属の酸化物を1〜5atm%添加してある酸化インジウムを主成分とする感応層を有するガス検知素子を用いて、鋭意検討した結果、酸化インジウム半導体を主材とする水素選択性を有する感応層に緻密なシリカ薄膜を形成すると、そのガス検知素子が、先述の水素ガス選択性を発揮するという新知見を得た。
【0007】
つまり、このような水素ガス検知素子は、前記感応層の水素ガス選択性の高さをさらに向上させつつも、さらに、高濃度水素ガスに対する耐久性も向上した高性能な検知素子となるのである。
ここで、前記シリカ薄膜としては、水素ガスを選択的に透過するものとして形成してあると、水素ガス検知の際の選択性を高くすることができて有効であるとともに、化学蒸着処理によって形成すると、さらに、高濃度ガスによって劣化するのを有効に予防できる。
さらに、前記シリカ薄膜が、ヘキサメチルジシロキサンガス中で、前記貴金属線に電流を流し、350℃〜550℃の条件下で25分〜25時間の条件下で化学蒸着処理により形成された物であれば、いずれの特性も同時に高くできるため、極めて安定性に優れたガス検知素子を提供することができるようになった。
【0008】
このときこのような水素ガス検知素子の製造方法としては、貴金属線材に酸化インジウム半導体ペーストを塗布し、前記貴金属線材への通電により前記酸化インジウム半導体を焼結させ、その酸化インジウム半導体の焼結体を前記貴金属線材と共にヘキサメチルジシロキサンガス中に導入すると共に、前記貴金属線に電流を流し、350℃〜550℃の条件下で25分〜25時間化学蒸着処理を行いシリカ薄膜を有する熱線型半導体式ガス検知素子に形成すれば、前記貴金属線材を化学蒸着処理を行う際のジュール熱供給源として用いることができ、簡便に水素ガス検知素子を得ることができるとともに、このような形態の水素ガス検知素子は、その径を小さくすることができるという特徴を有するものであり、また、熱線型半導体式ガス検知素子は、貴金属線が電極としての機能と同時にヒータとしての機能を持ち、前記感応層を小径に形成した場合には、その感応層にジュール熱を供給したときに、表面温度をほぼ一定に制御しやすく、均一なシリカ膜を得るのに役立つ。また、このように構造が簡単であるため、取扱いが容易で、生産コストも安く設定できるという利点がある。
【0009】
尚、上述の作用が得られるのは、以下のような理由によると考えられる。
前記感応層にシリカの薄膜を形成すると、図21(模式図)に示すように、酸化インジウムの焼結表面の性状に対応してシリカの結晶が通常多孔質である前記感応層の孔を閉塞するように成長し、あるいは、前記感応層の外表面に極めて細かな多孔質構造を有する薄膜を形成し、分子篩の機能を持った緻密な層を形成する。分子サイズの大きなエタノール等のガスは、シリカの緻密な層を通過できず、主に水素ガスのみが、そのシリカの薄膜を透過して感応層に達する。感応層に達した水素ガスは、酸化インジウムと接触し、その表面吸着酸素と反応して水分子と自由電子とを生成する。この際生じた自由電子が、水素検知出力として測定される訳であるが、生じた水分子は、前記感応層を透過して外部に放出されることになるため、前記シリカ薄膜の感応層側では、吸着酸素不足になる。すると、前記シリカ薄膜の感応層側では、酸素ガスのシリカ薄膜透過速度が水素ガスの場合よりも遅いことから遅れがちになって、ガス状酸素濃度も低下するため、水素分子と吸着酸素との反応にガス状酸素が悪影響を与えにくくなり、微量の水素ガスであっても確実に自由電子を発生させることになって、確実なガス検知が行えるようになるのである。
また、インジウムの酸化数は、3価のもののみが安定なものとして知られており、還元された状態では安定に存在しにくいと考えられるため、水素ガスによる還元作用を受けたとしてもすぐに元の酸化数に戻りやすいため、安定な挙動を示すものと考えられる。更に、酸化インジウムの格子酸素は、イオン性が大きいことが知られており、表面吸着酸素が熱的にも安定であり、酸化活性も低いことから水素の強い還元力に対して有利と考えられる。
【0010】
その結果、水素ガスに対して高い感度を有しながらも、1000ppm以上の高濃度水素ガスに対する暴露に対しても劣化が少なく、かつ、湿度依存性が小さくまた、硫黄酸化物等によっても被毒しにくい水素ガス検知素子を提供できた。これにより、広い濃度範囲で、信頼性高くガス検知できるようになった。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
市販の水酸化インジウム(In(OH)3) の微粉体を電気炉を用いて焼成することにより酸化インジウムの粉体が得られる。この酸化インジウムをさらに粉砕し、微粉体とし、1.3−ブタンジオール等の分散媒を用いてペースト状にし、貴金属線1を覆って球状に塗布し、乾燥後前記貴金属線1に電流を流通させ、空気中で焼結し、感応層2のみからなる熱線型半導体式ガス検知素子を得た。この熱線型半導体式ガス検知素子に、ランタン、カルシウム、バリウム、ガリウム、アルミニウム、ジルコニウム、イットリウム及びスカンジウムから選ばれる少なくとも一種以上の金属の塩の溶液を含浸させ、乾燥・焼成して前記感応層2に、各種金属を酸化物の形態で担持させる。
こうして出来た熱線型半導体式ガス検知素子を、例えば、ヘキサメチルジシロキサン(HMDS)の飽和蒸気圧(35℃で約9Vol%)の環境において加熱する。加熱は、貴金属線1に電流を流通させ、ジュール熱を発生させることにより感応層2全体がヘキサメチルジシロキサンの分解温度以上になるように調整する。すると、雰囲気のヘキサメチルジシロキサンが熱分解して感応層2表面に緻密なシリカ薄膜3を形成し、水素ガス検知素子として用いられるようになる(図1参照)。
【0012】
この水素ガス検知素子を図2に示すブリッジ回路に組み込み、ガス検知装置として用いた。このときセンサ出力(出力)は、以下の数式によって得られる。
【0013】
V=−E{rs/(rs+r0)−r1/(r1+r2)}
ここで、各変数は以下のとおりである。
V :センサ出力
E :ブリッジ電圧
rs :熱線型半導体式ガス検知素子Rsの抵抗
r0 :固定抵抗R0の抵抗
r1 :固定抵抗R1の抵抗
r2 :固定抵抗R2の抵抗
【0014】
また、感度は、検知ガス共存空気中の出力と、清浄空気中出力との差として求めた。尚、相対感度として感度を表記する場合、ある特定条件下の感度出力を1とした比をもって他の条件下における感度を示したものを指すこととしている。
【0015】
【実施例】
以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
〔実施例1〕 市販の水酸化インジウム(In(OH)3)((株)高純度化学研究所社製、純度99.99atm%)の微粉体を電気炉を用いて600℃で4時間焼成することにより酸化インジウムの粉体が得られる。この酸化インジウムをさらに粉砕し、微粉体とし、1.3−ブタンジオール(分散媒)を用いてペースト状にし、貴金属線としての白金線コイル(線径20μm)を覆って直径0.50mmの球状に塗布し、乾燥後前記白金線コイルに電流を流通させ、600℃で1時間空気中で焼結し、熱線型半導体式ガス検知素子を得た。
この熱線型半導体式ガス検知素子に、硝酸ランタンの水溶液を含浸させ、乾燥・焼成して前記酸化インジウムに対して1atm%添加させる。
更に、この熱線型半導体式ガス検知素子に、下記の条件で、シリカ薄膜を蒸着した。
【0016】
HMDS蒸着処理
処理温度 :550℃
処理時間 :25分
HMDS蒸気圧:9Vol%(35℃)
感度測定電圧 :2.3V(10Ω)
【0017】
このようにして作成したガス検知素子の感度特性を調べ、このガス検知素子に高濃度の水素ガスに暴露させたときのガス感度の変化をしらべた。その結果図3の様になった。
【0018】
つまり、高濃度の水素に暴露されたとしても感度変化の起きにくいガス検知素子が得られていることがわかる。
【0019】
〔比較例1〕 同様にして酸化スズ(SnO2 )半導体を主成分とする感応層を備えた熱線型半導体式ガス検知素子を得た。
この熱線型半導体式ガス検知素子に、硝酸セリウムの水溶液を含浸させ、乾燥・焼成して前記酸化スズに対して2atm%添加させる。
更に、この熱線型半導体式ガス検知素子に下記の条件でシリカ薄膜を蒸着した。
【0020】
処理温度 :550℃
処理時間 :25分
HMDS蒸気圧:9Vol%(35℃)
感度測定電圧 :2.3V(10Ω)
【0021】
このようにして作成したガス検知素子の感度特性を調べ、このガス検知素子に高濃度の水素ガスに曝露させたときのガス感度の変化を調べた。また、曝露後のガス感度の回復についても調べた。その結果、図4の様になった。尚、水素ガスの暴露条件は、3%の水素ガスに10分間であり、ガス感度の回復度合いは、前記暴露試験後1日間通常環境下の通電状態を維持した後のガス感度によって調べた。
【0022】
つまり、酸化スズを主成分とする感応層を有するガス検知素子は高濃度の水素ガスに暴露された後には、水素感度が大きく低下していることが分かり、しかも、1日放置後も感度が回復していないことが分かる。
【0023】
〔比較例2〕
同様にして酸化インジウム半導体を主成分とする感応層に前記添加物を加えることなく形成した熱線型半導体式ガス検知素子を作成し、このガス検知素子を高濃度の水素ガスに暴露させたときのガス感度の変化を調べた。また、暴露後のガス感度の回復についても調べた。その結果、図5の様になった。尚、水素ガスの曝露条件は、3%の水素ガスに10分間であり、ガス感度の回復度合いは、前記暴露試験後2日間通常環境下の通電状態を維持した後のガス感度によって調べた。
【0024】
つまり、高濃度の水素ガスに曝露された後には、水素感度が大きく低下していることがわかる。しかし、酸化インジウム半導体を主成分とする感応層を有するガス検知素子は、酸化スズ半導体を主成分とするものに比べて、感度の回復性には優れていることが分かる。
【0025】
〔実施例2〕
化学蒸着処理によるセンサ出力の前記感応層へのランタン添加量依存性を調べたところ図6の様になった。尚、蒸着処理条件は実施例1と同様である。
【0026】
すなわち、蒸着処理を行ったものは、蒸着処理を行っていないものに比べて、エタノール2000ppmに対して水素感度が高く、ガス選択性に優れていることが読みとれる。
【0027】
また、ランタン添加量を種々に変化させたときの感度の水素ガス濃度依存性を調べたところ図7〜図9のようになった。図3、図6を参照してもランタン添加量は、1atm%以上あれば、十分な効果を発揮し、添加量を増加させてもガス選択性に関してはあまり影響を与えないことが分かった。尚、添加量が増加するにつれ、ガス応答速度が低下する現象が見られるために、添加量は、5atm%以下とすることが望ましいこともわかった。
【0028】
〔実施例3〕
同様に添加する金属の酸化物を種々に変更して感度特性を調べたところ図10〜図16のようになった。つまり、ランタンに替えて、カルシウム、バリウム、ガリウム、アルミニウム、ジルコニウム、イットリウム、スカンジウムを用いても同様に、高濃度水素の曝露に対する耐久性が向上したことが分かる。
【0029】
〔実施例4〕
同様に酸化ランタンを添加した酸化インジウム半導体を主成分とする感応層を備えた熱線型半導体式ガス検知素子について種々のガスに対する検知特性を調べたところ図17の様になった。つまり、高い水素選択性が得られていることが分かる。
【0030】
〔実施例5〕
上述の熱線型半導体式ガス検知素子における、水素ガス感度の感度出力(図15参照)を500ppm、1000ppm、2000ppmを基準として表現し直すと、図18〜20の様になり、比較的直線性の高いグラフが得られる。このことから、干渉ガスの影響を受けにくい設定をしやすい水素選択性ガス検知素子が得られることが分かる。
【0031】
〔別実施形態〕
以下に別実施形態を説明する。
先の実施の形態では、ペーストを作成するための酸化インジウムを得るのに市販の水酸化インジウムを焼結したが、塩化インジウム等のインジウム塩水溶液から水酸化インジウムの沈殿物を得るとともに、水洗、乾燥、焼結により、酸化インジウムを得るようにしても良い。(共沈法)
また、先の実施の形態では、シリカ薄膜を形成するのにHMDSを用いたが、ハロシラン(SiXx4-x )、アルキルシラン(Rx SiH4-x )、アルキルハロシラン(Rx SiX4-x )、シリルアルコキシド((RO) x Si( OH)4-x) (ただしXはハロゲン、Rはアルキル基であり、xは1〜4の整数であり、X、Rともに複数種混在してもかまわない。)等、他のケイ素化合物を用いることも出来る。この様な場合、HMDSとは条件は異なるとは思われるが、前述の条件と類似の条件下で緻密なシリカ薄膜が得られると予想されるからである。
尚、本発明において貴金属線は白金線コイルに限らず白金とパラジウムの合金等、他の貴金属類を採用してもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【図1】水素ガス検知素子の一部断面斜視図
【図2】ガス検知装置の回路説明図
【図3】本発明のガス検知素子(添加剤ランタン、1atm%)の高濃度水素の曝露に対する耐久性を示すグラフ
【図4】比較例のガス検知素子の高濃度水素の曝露に対する耐久性を示すグラフ
【図5】比較例のガス検知素子の高濃度水素の曝露に対する耐久性を示すグラフ
【図6】ガス検知感度のランタン添加量依存性を示すグラフ
【図7】本発明のガス検知素子(添加剤ランタン、2atm%)の高濃度水素の曝露に対する耐久性を示すグラフ
【図8】本発明のガス検知素子(添加剤ランタン、4atm%)の高濃度水素の曝露に対する耐久性を示すグラフ
【図9】本発明のガス検知素子(添加剤ランタン、6atm%)の高濃度水素の曝露に対する耐久性を示すグラフ
【図10】本発明のガス検知素子(添加剤カルシウム、2atm%)の高濃度水素の曝露に対する耐久性を示すグラフ
【図11】本発明のガス検知素子(添加剤ジルコニウム、2atm%)の高濃度水素の曝露に対する耐久性を示すグラフ
【図12】本発明のガス検知素子(添加剤アルミニウム、2atm%)の高濃度水素の曝露に対する耐久性を示すグラフ
【図13】本発明のガス検知素子(添加剤バリウム、2.5atm%)の高濃度水素の曝露に対する耐久性を示すグラフ
【図14】本発明のガス検知素子(添加剤ガリウム、0.5atm%)の高濃度水素の曝露に対する耐久性を示すグラフ
【図15】本発明のガス検知素子(添加剤イットリウム、4atm%)の高濃度水素の曝露に対する耐久性を示すグラフ
【図16】本発明のガス検知素子(添加剤スカンジウム、4atm%)の高濃度水素の曝露に対する耐久性を示すグラフ
【図17】本発明のガス検知素子のガス選択性を示すグラフ
【図18】500ppm水素ガス感度を基準にした本発明のガス検知素子の水素感度曲線を示すグラフ
【図19】1000ppm水素ガス感度を基準にした本発明のガス検知素子の水素感度曲線を示すグラフ
【図20】2000ppm水素ガス感度を基準にした本発明のガス検知素子の水素感度曲線を示すグラフ
【図21】シリカ薄膜によるガス選択性の向上を説明する模式図
【符号の説明】
1 貴金属線
2 感応層
3 シリカ薄膜

Claims (5)

  1. 貴金属線を覆って、酸化インジウムを主成分とする半導体から形成される感応層を設けてあるガス検知素子であって、前記感応層にガリウム、アルミニウム、ジルコニウムから選ばれる少なくとも一種以上の金属の酸化物を1〜5atm%添加してあるとともに、前記感応層に緻密なシリカ薄膜を形成してある水素ガス検知素子。
  2. 貴金属線を覆って、酸化インジウムを主成分とする半導体から形成される感応層を設けてあるガス検知素子であって、前記感応層にガリウム、アルミニウム、ジルコニウムから選ばれる少なくとも一種以上の金属の酸化物を1〜5atm%添加してあるとともに、前記感応層に水素選択透過性のシリカ薄膜を形成してある水素ガス検知素子。
  3. 貴金属線を覆って、酸化インジウムを主成分とする半導体から形成される感応層を設けてあるガス検知素子であって、前記感応層にガリウム、アルミニウム、ジルコニウムから選ばれる少なくとも一種以上の金属の酸化物を1〜5atm%添加してあるとともに、前記感応層にシリカ薄膜を化学蒸着処理によって形成してある水素ガス検知素子。
  4. 前記感応層が、前記感応層にガリウム、アルミニウム、ジルコニウムから選ばれる少なくとも一種以上の金属の酸化物を1〜5atm%添加してある酸化インジウムの焼結体であり、前記シリカ薄膜が、ヘキサメチルジシロキサンガス中で、前記貴金属線に電流を流し、350℃〜550℃で25分〜25時間の条件下で化学蒸着処理により形成された物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の水素ガス検知素子。
  5. 貴金属線材に、ガリウム、アルミニウム、ジルコニウムから選ばれる少なくとも一種以上の金属の酸化物を1〜5atm%添加してある酸化インジウムペーストを塗布し、前記貴金属線材への通電により前記酸化インジウムを焼結させ、その酸化インジウムの焼結体を前記貴金属線材と共にヘキサメチルジシロキサンガス中に導入すると共に、前記貴金属線に電流を流し、350℃〜550℃で25分〜25時間の条件下で化学蒸着処理を行い、シリカ薄膜を形成する水素ガス検知素子の製造方法。
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