JP3026523B2 - ガスセンサ - Google Patents

ガスセンサ

Info

Publication number
JP3026523B2
JP3026523B2 JP3238021A JP23802191A JP3026523B2 JP 3026523 B2 JP3026523 B2 JP 3026523B2 JP 3238021 A JP3238021 A JP 3238021A JP 23802191 A JP23802191 A JP 23802191A JP 3026523 B2 JP3026523 B2 JP 3026523B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
gas sensor
catalyst layer
weight
catalyst
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3238021A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0572162A (ja
Inventor
由佳 河端
昌之 白鳥
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Co Ltd
Toshiba Carrier Corp
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
Toshiba Carrier Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Gas Co Ltd, Toshiba Carrier Corp filed Critical Osaka Gas Co Ltd
Priority to JP3238021A priority Critical patent/JP3026523B2/ja
Publication of JPH0572162A publication Critical patent/JPH0572162A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3026523B2 publication Critical patent/JP3026523B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属酸化物半導体を用
いた積層型のガスセンサに係り、特に換気用としてガス
感度特性、長期安定性にすぐれたガスセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、可燃性ガスの漏洩検査や室内
の空気の汚れ検知の目的で、金属酸化物半導体をガス感
応体として用いたガスセンサが使用されている。これら
のガスセンサの中で、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジ
ウムのようなn型半導体をガス感応体として用いたもの
では、還元性ガスとの接触によって、n型半導体の電気
抵抗が減少することを利用してガスが検知され、逆にp
型半導体をガス感応体として用いたものでは、還元性ガ
スとの接触によって、p型半導体の電気抵抗が増加する
ことを利用してガスが検知される。このようなガスセン
サは、半導体ガスセンサと呼ばれもので、感度、応答速
度、さらに経済性にすぐれるという特徴を備えている。
【0003】しかし、現在普及している半導体式ガスセ
ンサは、半導体のみでは電気抵抗の減少や増加が十分で
ないことに加え、特定成分を選択的に識別検知すること
が困難であるという問題を有している。また、被毒劣化
や湿度、温度により経時的に電気抵抗が変化するなどの
問題も有している。前者に対しては、一般に貴金属や金
属酸化物等の触媒物質を担時させた多孔質の金属酸化物
からなる触媒層を、ガス感応体上に被着形成(積層型)
したり、上記したような触媒物質を半導体に添加するな
どが行われている。このような触媒は、検知するガスに
対して吸着、反応、拡散および透過の場を提供し、ガス
感応体の感度を向上させるばかりでなく、特定成分に対
する感度を高くすること、すなわち適度なガス選択性を
発現させる働きを有している。また、後者の信頼性に関
する問題は半導体式のみならず、化学センサの宿命とも
いうべき問題であり、ガスセンサの感応体が化学成分と
直接接触することによって反応するという原理に起因す
るものである。
【0004】したがって、これまでにも経時変化の少な
い安定性にすぐれたガスセンサを得るために、その劣化
機構が研究されてきている。例えば、酸化スズ焼結型半
導体式ガスセンサでは、金属酸化物半導体粒子の成長、
金属触媒の表面積の減少、表面水酸基の減少などが劣化
原因であることが判明しており(五百蔵、電気化学 50,
(No.1),99,(1982);松浦,高畠,五百蔵,第6回[セ
ンサの基礎と応用]シンポジウム講演予稿集,B3-1,P63,
(1986);中村他、第5回化学センサ研究発表会講演予稿
集,Z-26,P55,(1986)等参照)、焼結条件やバインダの変
更を行うことによって、一部で良好な結果が得られてい
る。
【0005】一方、上記した積層型酸化スズ半導体ガス
センサにおいても、信頼性向上のために半導体薄膜の焼
成条件を変更したり電極材料を替えることにより、その
寿命を数倍に延ばしたことが報告されている。しかし、
これらの方法を用いた場合でも、高湿中の劣化を十分に
制御することは達成されていない。さらに、プレッシャ
ークッカーテスタを用いた半導体の熟成試験からは、処
理時間の長さあるいは処理の有無と高湿中での信頼性に
は相関関係は認められていない。すなわち、積層型半導
体式ガスセンサにおいて、ガスは半導体とその上部に形
成された触媒層をなかだちとして反応するのであり、高
湿中での劣化も半導体膜に起因するものではなく、主に
触媒活性の低下に起因するものと考えられる。したがっ
て、一般に触媒の長寿命化の方策としては、金属触媒の
担体上への分散性の向上、触媒担持量の調整や触媒の粒
経制御が有効であると思われる。
【0006】ここで、特に換気用センサとして、室内の
雰囲気により自動的に換気を行うための制御信号を発す
るために用いられるガスセンサへの要求特性としては、
(a) 不快感を与えるか、または人体に有害である各種の
ガスに対して、一様な感度を有すること(特に有害ガス
である一酸化炭素(CO)ガスについての感度が重要と
される。COガスはその危険性から 200 ppm程度が検出
基準となる。)、 (b) 一般的な雰囲気に晒されるため
に湿度の影響が大きいので、耐湿性に優れていること、
などがあげられる。
【0007】たとえば、含浸法によってアルミナに銅、
タングステンを担持させてなるタングステン−銅/アル
ミナ粉体に、アルミニウム樹脂塩、テレピン油、エチル
ヒドロキシエチルセルロースなどを加えたペーストを、
平面基板上に形成された酸化スズ半導体からなるガス感
応体上にスクリーン印刷し、乾燥の後に焼成し、触媒層
を被着形成して作製したガスセンサ素子は、上記 (a)の
感度特性を満たすものである。厚膜集積回路の製法に用
いられているスクリーン印刷手法は、量産性の高いすぐ
れた方法であり、この方法で作られた積層型ガスセンサ
は、ガス感応体である半導体と上記触媒との組み合わ
せ、さらに半導体、触媒それぞれに表面処理などを施す
ことも可能であるため、センサ特性の変更、調整等も容
易であるという利点を有するものである。
【0008】しかし、このスクリーン印刷によって触媒
層を形成した、積層型酸化スズ半導体式ガスセンサは、
耐湿性試験において空気中での半導体の抵抗値が高くな
るほか、触媒の変化によっては検知対象であるCOに対
する感度が変化する場合があるなど、上記した換気用セ
ンサに対する (b)の要求特性に対しては、良好な結果は
得られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、換気
の自動化制御などに用いる、従来の積層型半導体式ガス
センサは、高湿雰囲気での連続使用により、空気中で半
導体の抵抗値が上昇したり、また各種ガスに対する感度
が変化するなど、経時安定性に問題があった。
【0010】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、エタノール、プロパンおよびCOな
どの雑ガスに対してすぐれた感度を示し、さらに長時間
の使用あるいは高湿雰囲気での使用におけるガス感度の
変化を抑制し、経時安定性にすぐれる積層型の半導体式
ガスセンサを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明のガスセ
ンサは、絶縁基板と、この絶縁基板上に対向して形成さ
れた一対の電極と、これら一対の電極に跨って形成され
た金属酸化物半導体からなるガス感応膜と、このガス感
応膜を覆うように形成された触媒層とを具備するガスセ
ンサにおいて、前記触媒層は、アルミナを担体とし、こ
の担体に銅もしくはその酸化物、タングステンもしくは
その酸化物、ニッケルもしくはその酸化物およびリンも
しくはその酸化物を担持させた触媒により構成されてい
ることを特徴としている。
【0012】触媒層における、銅、タングステン、ニッ
ケルおよびリンの含有比率としては、アルミナ 100重量
部に対して、銅は 0.1〜10.0重量部の範囲が、タングス
テンは 0.1〜20.0重量部の範囲が、ニッケルは 0.1〜1
0.0重量部の範囲が、リンは0.01〜10.0重量部の範囲が
好ましい。リンの添加量がアルミナに対して0.01重量部
未満では、耐湿性などの向上効果が十分に得られず、ま
た10.0重量部を超えると感度の低下を招く恐れがある。
また、タングステンと銅との比、例えばW/Cuで表され
る重量比が10を超えるとガス感度が低下するため、実用
的にはW/Cuを 0.1〜10の範囲とすることが望ましい。
【0013】また、本発明のガスセンサにおいて、アル
ミナなどからなる耐熱性の絶縁基板内部にヒータを設け
て、ガスセンサへ付着する蒸気や塵、油分などを燃焼さ
せるとともに、ガスの吸着脱離速度を早めて素子の感度
と応答性を高めるように構成してもよい。
【0014】
【作用】本発明のガスセンサにおいては、ガス感応膜の
触媒層として、銅もしくはその酸化物、タングステンも
しくはその酸化物、ニッケルもしくはその酸化物および
リンもしくはその酸化物を、担体であるアルミナに同時
に担持させた触媒を使用している。このように、上記し
た4種類の元素を混合して用いることによって、とくに
高湿雰囲気中での触媒の劣化を効果的に抑制することが
可能となる。
【0015】銅およびタングステンは、触媒として、主
に換気センサとして望ましいガス感度特性や選択性を発
現させるのに対し、ニッケルおよびリンの添加はそのガ
ス感度特性にほとんど影響を与えずに、特性の安定性向
上に寄与する。ニッケルを添加することにより、表面特
性が変化し電気抵抗の経時安定性が向上する。リンの添
加は、ニッケル添加の場合と同様な効果に加えて、触媒
および半導体表面の特性を変化させ、とくに湿度特性を
向上させる。このことは、リンが水蒸気または水酸基の
吸着・脱離反応を促進するような働きをするためと考え
られる。具体的には、高湿雰囲気に長期間おかれて一度
増加した素子の抵抗を、低湿雰囲気に戻したときに低下
させる働きを示す。
【0016】ニッケルおよびリンの添加により、触媒の
シンタリングやその他の特性変化が制御されるため、耐
湿性および長期安定性が向上される。
【0017】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0018】図1は、本発明の一実施例のガスセンサの
構成を示す図であり、(a)はその平面図、(b)はA
−A線に沿った断面図である。同図において、1はアル
ミナ等からなる絶縁基板であり、絶縁基板1の内部には
ヒータ2が内蔵されている。また、絶縁基板1の表面に
は、対向するように設けられた一対の電極3、4が形成
されている。
【0019】これら対向する電極3、4は、櫛歯状の電
極本体3a、4aと、電極パッド3b、4bとから構成
されており、絶縁基板1の中央付近に位置する電極本体
3a、4aの上に、それぞれに接するように、ガス感応
膜5が積層形成されている。このガス感応膜5は、金属
酸化物半導体からなり、例えば酸化スズ、酸化亜鉛、酸
化インジウムなどを主とするものである。
【0020】上記ガス感応膜5上には、これを覆うよう
に触媒層6が積層形成されている。この触媒層6は、
銅、タングステン、ニッケルおよびリンの4種類の元素
をアルミナ粒子に担持させた触媒粒子の多孔質層からな
るものである。
【0021】そして、対向電極3、4用の電極パッド3
b、4bにリード線7が取り付けられ、またヒータ2に
はヒータ用パッド8が接続され、さらにこのヒータ用パ
ッドにリード線9が取り付けられて、ガスセンサが構成
されている。
【0022】上記したような構成を有するこの実施例の
ガスセンサは、たとえば次のようにして製造される。
【0023】図2は、本発明のガスセンサの製造工程の
一例を示すフローチャートであり、絶縁基板としてはた
とえば多数個取りの基板が使用される。以下に、図2に
したがって製造工程を説明する。
【0024】はじめに、多数個取りの絶縁基板を用意す
る(ステップ 101)。この絶縁基板の表面に対向電極を
形成する(ステップ 102)。次いで、対向電極上にガス
感応膜をスクリーン印刷によりパターン形成する(ステ
ップ 103)。印刷したパターンを乾燥させた後(ステッ
プ 104)、焼成する(ステップ 105)。これらのステッ
プ 103〜 105は、通常 2回以上繰り返して行い、所望と
するガス感応膜を形成する。
【0025】続いて、積層形成したガス感応膜の上に、
多孔質触媒層をスクリーン印刷により形成し(ステップ
106)、乾燥させた(ステップ 107)後に、焼成して
(ステップ 108)、所望とする触媒層を形成する。
【0026】その後、多数個取りの絶縁基板をチップ毎
に分割し(ステップ 109)、各チップ毎にリード線を接
続して(ステップ 110)、ガスセンサが完成する。
【0027】ここで、触媒層の形成工程(ステップ 10
6)について、図3を用いてさらに詳しく説明する。図
3は、本発明のガスセンサにおける触媒層の形成方法を
示すフローチャートである。
【0028】はじめに、担体となるアルミナの微粉体を
所定量秤量し(ステップ 201)、これを 3種類の触媒金
属のうち、銅、タングステン、およびニッケルを含む水
溶液、たとえば硫酸銅、タングステン酸アンモニウム、
および硝酸ニッケルを含む水溶液に浸漬する(ステップ
202)。十分に撹拌、混合した後(ステップ 203)、減
圧乾燥し(ステップ 204)、さらに加熱乾燥させる(ス
テップ 205)。その後、粉砕機等を用いて乾燥物を粉末
とし(ステップ 206)、石英ルツボ等に収容して焼成す
る(ステップ 207)。さらに、粒径の調整のために篩に
かけ、触媒の2次粒子を取り出す(ステップ 208)。
【0029】次に、この触媒の 2次粒子にバインダを加
えてペースト化し、さらにリンを例えばリンレジネート
として加え、よく混合して触媒層印刷用ペーストとする
(ステップ 209)。この触媒層印刷用ペーストを所定の
ガス感応膜上にスクリーン印刷によりパターン形成し
(ステップ 210)、乾燥させた(ステップ 211)後に、
焼成して(ステップ 212)、所望とする触媒層を形成す
る。これらの工程のうち、ステップ 211は図2のステッ
プ 107に対応し、ステップ 212は図2のステップ108に
対応している。
【0030】なお、リンは上記したように、バインダに
リンネジネートとして加える他、触媒粉体の調製時(ス
テップ 202)にリン酸水溶液として加えてもよい。
【0031】次に、上記したガスセンサの具体的な製造
例およびその特性評価結果について述べる。
【0032】実施例1 まず、多数個取り用のヒーター内蔵アルミナ基板上に、
金導体ペーストの印刷、焼成によって対向電極を形成し
た。次に、2-エチルヘキサン酸スズ50.5重量%、2-ニオ
ブレジネート 0.5重量%、エチルヒドロキシエチルセル
ロース(EHEC) 5.0重量%、テルピネオール44.5重
量%からなるガス感応膜用のペーストを調製し、このペ
ーストをスクリーン印刷によって対向電極上にガス感応
膜のパターンに印刷した。その後、 120℃で15分間乾燥
し、 500℃で10分間のピークを有する焼成プログラムに
より熱処理を行い、 1層目のガス感応膜を形成した。こ
うして形成した 1層目の感応膜上に、再び同一組成のペ
ーストを印刷し、乾燥および熱処理を行い、 2層目のガ
ス感応膜を形成した。
【0033】次いで、上記ガス感応膜の上層側にアルミ
ナ担持触媒層を、以下のようにして形成した。
【0034】まず、アルミナの微粉体を所定量秤量し、
これを硫酸銅、タングステン酸アンモニウム、および硝
酸ニッケルを含む水溶液に浸漬した。十分に撹拌、混合
した後、 1時間減圧乾燥し、さらに 120℃で加熱乾燥し
た。この後、粉砕機を用いて乾燥物を粉末とし(ステッ
プ 206)、石英ルツボに収容して 400℃〜 600℃の温度
で焼成した。さらに、篩にかけて#400〜#100のメッシュ
間に残った粒径の触媒の2次粒子を取り出した。
【0035】この触媒の2次粒子に、バインダとしてア
ルミニウムレジネート、エチルヒドロキシエチルセルロ
ース(EHEC)、テルピネオールを加えてペースト化
し、さらにリンレジネートを加え、よく混合して触媒層
印刷用ペーストとした。この触媒層印刷用ペーストは、
アルミナ 100重量部に対して、銅が 1重量部、タングス
テンが 5重量部、ニッケルが 1重量部、リンが 1重量部
となるように調製した。次に、上記触媒層印刷用ペース
トを、上記した2層構造のガス感応膜上にスクリーン印
刷によりパターン形成し、 120℃で15分間乾燥させた後
に、 600℃×10分のピークを有するベルト炉で焼成して
触媒層を形成した。
【0036】この後、触媒層が形成された絶縁基板を所
定数のチップに分割し、対向電極用の電極パッドおよび
ヒータ用パッドにそれぞれリード線を接続して、チップ
の実装を行うと共に、このチップのまわりを防爆ネット
で覆い、目的とするガスセンサを得た。
【0037】実施例2 触媒層として、アルミナ 100重量部に対して、銅を1重
量部、タングステンを5重量部、ニッケルを 1.0重量
部、リンを 1.0重量部で含有(担持)させる以外は、実
施例1と同様にしてガスセンサを製造した。
【0038】比較例1 触媒層において、アルミナ 100重量部に対して、銅を1
重量部、タングステンを5重量部含有(担持)させる以
外は、実施例1と同様にしてガスセンサを製造した。
【0039】比較例2 触媒層において、アルミナ 100重量部に対して、銅を1
重量部、タングステンを5重量部、ニッケルを 1.0重量
部含有(担持)させる以外は、実施例1と同様にしてガ
スセンサを製造した。
【0040】このようにして得た各実施例および比較例
のガスセンサの感度特性を、CO、タバコ煙、水素およ
びエタノールについて測定した。また、高湿雰囲気中
(40℃、 90%RH)におけるガスセンサの抵抗値の変化
(2000時間後)を測定した。それらの結果を表1および
図4に示す。さらに、実施例2および比較例2のガスセ
ンサを用いて、高湿雰囲気中(40℃、 90%RH)で1000時
間通電した後、常温・常湿中で通電した時の抵抗値の変
化の様子を図5に示す。
【0041】
【表1】
【0042】*1:担持元素割合はアルミナ 100重量部に
対する割合である。
【0043】*2:抵抗値変化率は2000時間経過後の変化
率であり、次の計算式から求めた。 (R[2000]−R[0] /R[0] )× 100 (%) なお、R[2000]は2000時間経過後の空気中の抵抗値(R
air)、R[0] は耐湿性試験にかける以前の抵抗値(Rai
r)である。
【0044】表1の結果から明らかなように、各実施例
によるガスセンサは、各種ガスに対する感度が良好で、
しかも高湿雰囲気中における空気中での抵抗値(Rair)
およびCO 200ppm 存在下での抵抗値(Rco)ともに安
定であった。
【0045】また、図4から明らかなように、従来のガ
スセンサ(比較例)は時間の経過に従って抵抗値が大き
く変動しており、徐々に抵抗値が上昇するのに対し、実
施例によるガスセンサは時間の経過に伴う抵抗値の変動
が非常に少なく、安定性が高いことがわかる。さらに図
5からは、従来のガスセンサ(比較例)は、高湿雰囲気
において上昇した抵抗値が低湿雰囲気に戻しても徐々に
上昇する傾向が認められるのに対し、実施例によるガス
センサは、一旦上昇した抵抗値が低湿雰囲気に戻すと減
少することが明らかに認められる。
【0046】このように、実施例によるガスセンサで
は、従来のものより経時的な性能劣化を抑制することが
でき、COに高感度で、かつ高湿雰囲気中での劣化を低
減させることができた。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
銅、タングステン、ニッケルおよびリンの4種類の元素
をアルミナに担持させた触媒層を設けることによって、
一酸化炭素に対する感度が高く、かつ高湿雰囲気中でも
経時劣化が少ない、長期間にわたって高信頼性が得られ
るガスセンサを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のガスセンサの構成を示す図
である。
【図2】本発明のガスセンサの製造工程を示すフローチ
ャートである。
【図3】図2における触媒層形成工程を詳細に示すフロ
ーチャートである。
【図4】本発明の実施例および比較例によるガスセンサ
の高湿雰囲気中での抵抗値変化を示す図である。
【図5】本発明の一実施例によるガスセンサの高湿雰囲
気中で通電した後に常温・常湿中に戻して通電した際の
抵抗値変化を示す図である。
【符号の説明】
1………絶縁基板 2………ヒーター 3、4…対向電極 5………ガス感応膜 6………触媒層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白鳥 昌之 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝 総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−83652(JP,A) 特開 昭59−195148(JP,A) 特開 昭55−33609(JP,A) 特開 平4−145200(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板と、この絶縁性基板上に対向
    して形成された一対の電極と、これら一対の電極に跨っ
    て形成された金属酸化物半導体からなるガス感応膜と、
    このガス感応膜を覆うように形成された触媒層とを具備
    するガスセンサにおいて、 前記触媒層は、アルミナを担体とし、この担体に、銅
    しくはその酸化物、タングステンもしくはその酸化物、
    ニッケルもしくはその酸化物およびリンもしくはその酸
    化物を担持させた触媒により構成されていることを特徴
    とするガスセンサ。
JP3238021A 1991-09-18 1991-09-18 ガスセンサ Expired - Lifetime JP3026523B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3238021A JP3026523B2 (ja) 1991-09-18 1991-09-18 ガスセンサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3238021A JP3026523B2 (ja) 1991-09-18 1991-09-18 ガスセンサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0572162A JPH0572162A (ja) 1993-03-23
JP3026523B2 true JP3026523B2 (ja) 2000-03-27

Family

ID=17023985

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3238021A Expired - Lifetime JP3026523B2 (ja) 1991-09-18 1991-09-18 ガスセンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3026523B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3669807B2 (ja) * 1996-06-28 2005-07-13 大阪瓦斯株式会社 一酸化炭素検出センサー
KR100246719B1 (ko) * 1997-02-04 2000-04-01 박호군 Wo3 감지막을 이용한 nox 가스 감지 소자 및 그의 제조 방법
JP5169622B2 (ja) * 2008-08-26 2013-03-27 富士電機株式会社 薄膜ガスセンサのガス検出方法およびガス検知装置
JP6076177B2 (ja) * 2013-04-01 2017-02-08 理研計器株式会社 ホスフィン検出用半導体ガスセンサ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0572162A (ja) 1993-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0102067B1 (en) Co gas detecting device and circuit for driving the same
US4543273A (en) Carbon monoxide sensing element and method of making same
JP2766853B2 (ja) ガスセンサ
JP3026523B2 (ja) ガスセンサ
JP3046387B2 (ja) ガスセンサ
JP2922264B2 (ja) ガスセンサ
JP3091776B2 (ja) ガスセンサ
JPS58221154A (ja) ガスセンサ素子
JPH0531104B2 (ja)
JP2575479B2 (ja) ガスセンサ
JPS6036017B2 (ja) 還元性ガス検知素子の製造方法
JP3393504B2 (ja) 接触燃焼式一酸化炭素センサ
EP0261275B1 (en) A hydrogen gas detecting element and method of producing same
JP3171734B2 (ja) 一酸化炭素ガス検知素子
JP3271635B2 (ja) 厚膜ガスセンサおよびその製造方法
JPH08226909A (ja) 接触燃焼式一酸化炭素ガスセンサ
JPH07198651A (ja) 薄膜ガスセンサー及びその製造方法
JPS58118953A (ja) 感ガス素子
JPS63279150A (ja) 半導体式ガスセンサ
JP3919306B2 (ja) 炭化水素ガス検知素子
JPS6128937B2 (ja)
JP2849588B2 (ja) 薄膜ガスセンサ及びその製造方法
JP3516033B2 (ja) 炭酸ガスセンサ材料
JPH07104309B2 (ja) ガスセンサの製造方法
KR100253532B1 (ko) 전자렌지용가스센서의제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19991224