JP3171745B2 - 基板型半導体式ガスセンサ及びガス検出器 - Google Patents
基板型半導体式ガスセンサ及びガス検出器Info
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Description
を調べる必要がある場合、例えば脱臭剤の効果確認、食
品工業で使用されるフレーバーの管理、食品包装材の匂
いの有無の確認、臭気を発生する工場周辺における環境
計測などに用いられる技術に関するものであり、さらに
具体的には、このような臭気ガスを検出するために使用
される、基板上に酸化スズを主成分とする金属酸化物半
導体膜層を備え、金属酸化物半導体膜層に電気的に接続
された検出電極を備えて構成される基板型半導体式ガス
センサ及び、このタイプのセンサを備え、そのセンサ温
度を適切な検知温度に維持する加熱手段を備えたガス検
出器に関する。
スクロなどを用いる機器分析法によって行われてきた。
しかし前者は試験方法が煩雑である、少なくとも3名以
上の人手を必要とする、得られる結果の客観性に欠け
る、などの問題点がある。また後者は設備およびその維
持費が高価である、機器の操作に高度な知識が要求され
る、測定に時間がかかるなどの問題点がある。そこで、
最近匂いの簡便な評価方法として、匂いのあるガスに対
する感度を高くした半導体式匂いセンサを用いる方法も
利用されつつある。そして、本願が対象とする基板型半
導体式ガスセンサにおいては、感ガス体としての酸化ス
ズを600℃〜800℃の温度で焼成し、その平均一次
粒子径を20〜30nmに設定し、比表面積は比較的高
い7〜20m2/g程度に設定されていた。そして、ガ
ス検知にあたっては、センサ温度を350℃程度に設定
してガスの検知をおこなっていた。
下に示すような欠点があった。即ち、従来の半導体式
(600〜800℃で焼成した酸化錫を用いたもの)匂
いセンサにおいては、センサが検出することのできるガ
ス濃度の限界(検出下限界濃度)とヒトが匂いを感じる
限界の濃度(検知域値)の間には大きな隔たりがあり、
充分な匂いの確認ができない。さらに、従来の基板型半
導体式ガスセンサにおいては、アルコール類、ケトン
類、アルデヒド類といった匂いを有するガスに対して、
水素、イソブタン、一酸化炭素等の無臭気性のガスを識
別検知しにくい。また、匂いを有するガス間においても
これらを識別検知することが難しい。一方、酸化スズの
焼成温度(一次粒子径)起因の欠点として、センサに長
期安定性がなく、湿度依存性が高く、膜厚依存性が高
く、品質が安定せず収率が悪い等の点で問題があった。
従って、本発明の目的は、検知対象の各種の匂いに対す
る感度を高めると共に、無臭のガスに対する感度を低下
させることでS/N比を向上させ、より低濃度域での匂
いの計測を正確に行え、また焼成温度が低いことに起因
する上記のような問題点を解決したガスセンサを得るこ
とを目的とする。
の本願第1の発明による基板上に酸化スズを主成分とす
る金属酸化物半導体膜層を備え、金属酸化物半導体膜層
に電気的に接続された検出電極を備えて構成される基板
型半導体式ガスセンサの特徴構成は、酸化スズの平均一
次粒子径が35nmから70nmに形成され、金属酸化
物半導体膜層の膜厚を10μmから50μmに形成さ
れ、金属酸化物半導体膜層に鉛(Pb)またはランタン
(La)のいずれか一種以上が添加されていることにあ
り、この基板型半導体式ガスセンサを備えたガス検出器
の特徴構成は、これが、金属酸化物半導体膜層を450
℃から550℃に加熱維持する加熱手段を備えたことに
ある。本願第2の発明による基板上に酸化スズを主成分
とする金属酸化物半導体膜層を備え、金属酸化物半導体
膜層に電気的に接続された検出電極を備えて構成される
基板型半導体式ガスセンサの特徴構成は、酸化スズの平
均一次粒子径が35nmから70nmに形成され、金属
酸化物半導体膜層の膜厚を10μmから50μmに形成
され、金属酸化物半導体膜層に鉛(Pb)またはランタ
ン(La)のいずれか一種以上が添加されるとともに、
金属酸化物半導体膜層の表層に酸化タングステン(WO
3)または酸化モリブデン(MoO3)のコーティング層
を備えたことにある。そして、この基板型半導体式ガス
センサを備えたガス検出器の特徴構成は、金属酸化物半
導体膜層を450℃から550℃に加熱維持する加熱手
段を備えたことにある。本願第3の発明による基板上に
酸化スズを主成分とする金属酸化物半導体膜層を備え、
金属酸化物半導体膜層に電気的に接続された検出電極を
備えて構成される基板型半導体式ガスセンサの特徴構成
は、酸化スズの平均一次粒子径が35nmから70nm
に形成され、金属酸化物半導体膜層に鉛(Pb)または
ランタン(La)のいずれか一種以上が添加されるとと
もに、金属酸化物半導体膜層の膜厚を10μmから50
μmに形成され、金属酸化物半導体膜層の表層に酸化亜
鉛(ZnO)または酸化チタン(TiO2)のコーティ
ング層を備えたことにある。そして、この基板型半導体
式ガスセンサを備えるガス検出器の特徴構成は、これが
金属酸化物半導体膜層を450℃から550℃に加熱維
持する加熱手段を備えたことにある。それらの作用・効
果は次の通りである。
いては、第1、第2、第3の発明ともに、金属酸化物半
導体膜層を形成する酸化スズの平均一次粒子径が特定の
範囲に設定される。酸化スズの平均一次粒子径を制御す
る場合、一つの方法としては、その焼成温度を制御して
おこなうのが最も一般的である。図2に酸化スズの焼結
温度と平均一次粒子径あるいは比表面積の関係を示し
た。同図に示すように、従来型のセンサは、600℃〜
800℃で焼成することにより平均一次粒子径が20〜
30nmで、比表面積が7〜20m2/gに設定されて
おり、本願発明のものにおいては、1000〜1400
℃で焼成することにより、その平均一次粒子径が35〜
70nmで、比表面積が4.5〜1.8m2/gとなっ
ている。そして、このようにして形成されるセンサは、
その膜厚(電極表面から金属酸化物半導体表面までの厚
さをいう)によって、アルコール類、ケトン類、アルデ
ヒド類等の匂いガスに対して感度を有するものとなる。
この状況を図4について説明する。図4は、感度の膜厚
依存性を示すものであり、実線が、本願の平均一次粒子
径の大きなセンサ(実際のセンサは53nm)を示して
いる。図示するように、膜厚が10〜50μmの場合は
匂いガスを代表できるエタノールに対して水素に対する
選択性を備えた状態でガスを検知可能となる。従って、
基板型半導体式ガスセンサの酸化スズにおける平均一次
粒子径とその膜の厚みを適切に選択することにより、匂
いガスを有効に識別検知することができる。ここで、上
記の説明にあたって、ガス検知状態に於ける膜層の温度
に関しては説明しなかったが(上記の説明にあたっては
良好な感度域で説明している)、センサ温度に対する各
検知対象ガスに対する温度感度状態を図5に示した。同
図において図5(イ)は、本願のセンサにおける感度の
温度依存性を示しており、図5(ロ)は従来型センサの
感度の温度依存性を示している。両図の比較から判明す
るように、本願のセンサにおいては、感度が比較的高い
温度域が450℃〜550℃にあり、従来型のそれは、
350℃未満である。従って、本願のガス検出器には、
加熱手段が設けられ、センサが最も高い感度を示す温度
域に於けるガス検知をおこなうように構成されている。
厚、さらには温度を適切に選択することにより、第1、
第2、第3の発明とも得られる作用であるが、上記の共
通点とともに、第1の発明のセンサにおいては、この感
ガス体に鉛もしくはランタンの一方、もしくは両方が添
加される。これらの元素の添加に伴う感度の変化を各種
ガスについて表1に示した。この時の表1の「Laの添
加」の添加量は2atm%、「Pbの添加」の添加量は
2atm%、「La+Pb添加」の添加量はそれぞれ2
atm%である。
この場合、水素、イソブタンに対する感度の低下割合
と、アルコールに対する感度の低下割合を比較すると、
前者のほうがかなり大きい、しかも、図8、図9にも示
すように、一般に本願のような構成のセンサにおいて
は、検知に対してノイズとなるガスはこれらのガスであ
り、結果的にこれらのガスに対する感度が低下すること
により、匂いガス(エタノールによって代表される)を
妨害ガスである水素、イソブタン等に対して識別検知が
可能になるのである。さて、これらの元素の添加量とし
ては、酸化錫に対して0.5〜8atm%が適切で、こ
の範囲以下では効果がない。これ以上では匂いガスに対
する感度が低下する。
1の発明のセンサ構成で、その表面に酸化タングステン
(WO3)または酸化モリブデン(MoO3)のコーティ
ング層を備えることとなる。そして、このような層を備
えることにより、図12、13に示すように、プロピオ
ン酸、スチレンに対して特に感度の高いものを得ること
ができる。そして、酸化タングステン(WO3)のコー
ティング層を備える場合は、上記の2種のガスの他、硫
化メチル、トリメチルアミンに対しても高い感度を備え
ることとなる。一方、酸化モリブデン(MoO3)のコ
ーティング層を備える場合は、上記の2種のガスの他、
硫化水素、メチルメルカプタン、トリメチルアミンに対
して高い感度を有することとなる。さて、これらのコー
ティング層の層厚としては、10〜100μm程度が適
当であり、これを越えて、厚くなると感度が低下し、応
答速度がおそくなる。薄くなると効果がなくなる。さら
に、本願第3のガスセンサは、上記第1の発明のセンサ
構成で、その表面に酸化亜鉛(ZnO)または酸化チタ
ン(TiO2)のコーティング層を備えることとなる。
そして、このような層を備えることにより、図10、1
1に示すように、エタノール、アセトアルデヒド、アセ
トン、プロピオン酸、酢酸エチルに対して特に感度の高
いものを得ることができる。さて、これらのコーティン
グ層の層厚としては、10〜100μm程度が適当であ
り、これを越えると感度が低下し応答速度がおそくな
る。薄くなると効果がなくなる。
感度を高めると共に、無臭のガスに対する感度を低下さ
せることでS/N比を向上させ、より低濃度域での匂い
の計測を正確に行えるガスセンサを得ることができた。
そして、この様に酸化スズの平均一次粒子径を操作した
センサにおいては、感度が長期間安定で、湿度依存性が
低く、膜厚依存性が低く、品質の安定したセンサを収率
良く得ることができる。
示されている。図示するように、センサ1は、アルミナ
基板2上に酸化スズを主成分とする金属酸化物半導体膜
層3を備えて構成されており、この金属酸化物半導体膜
層3に電気的に接続された検出電極としての白金薄膜電
極4を備えて構成されている。そして、この白金薄膜電
極4に対して、この電極間における抵抗値の変化を検出
するように、検出側回路を組んで、検出手段5が構成さ
れる。この検出側回路の一般例としては、センサ1に直
列に接続される負荷抵抗RLを備え、この抵抗における
電圧出力を得る回路を挙げることができる。さらに、ア
ルミナ基板2の裏面側に白金薄膜ヒーター6が備えら
れ、これにセンサ温度制御装置7が接続されて、加熱手
段が構成されている。この加熱手段は、本願のセンサの
動作に適するセンサ温度である450〜550℃にセン
サ(金属酸化物半導体膜層)1を加熱維持する。さら
に、下記するように、特定のガスに対する感度を上昇さ
せる目的から、センサ表面にコーティング層8が設けら
れる。以上の構成を採用することにより、全体としてガ
ス検出器100が構成される。
要件を記載する。 匂いガスセンサ 酸化スズの平均一次粒子径 35〜70nm 焼成温度 1000〜1400℃ 比表面積 4.5〜1.8m2/g 金属酸化物半導体膜厚 10〜50μm ガス検知時の作動温度 450〜550℃ 鉛、ランタンの添加割合 0.5〜8atm% 各コーティング層の層厚 10〜100μm
ニア水を滴下して得た水酸化スズの沈澱物を乾燥後、電
気炉で600℃で2時間焼成して酸化スズを得る。これ
を粉砕して微粉末とし、水で練ってペースト状にする。
このペーストを白金薄膜の櫛形電極4とヒーター6を備
えたアルミナ基板2の電極部分に塗布する。これを乾燥
させた後に電気炉(図外)で1000℃〜1400℃の
温度で2時間焼成し酸化スズの厚膜を得て、ガスセンサ
1を得る。鉛(Pb)の添加は硝酸鉛、ランタン(L
a)の添加は硝酸ランタンの水溶液を、前述の酸化スズ
に対して、鉛の場合0.5〜8atm%(最適添加量2
atm%)、ランタンの場合0.5〜8atm%(最適
添加量2atm%)になるように調整して、それぞれの
液を焼結体に含浸する。さらにこれを室温で乾燥後60
0℃で1時間加熱しそれぞれの酸化物を得る。次に酸化
亜鉛、酸化チタン、酸化タングステン、酸化モリブデン
のそれぞれを粉砕して微粉末としたものを水で練ってペ
ースト状にし、これを前述の酸化スズ焼結体の表層に塗
布する。さらに室温で乾燥後600℃で2時間加熱し焼
結させてコーティング層を形成する。
路に組み込まれ、センサの電極端子と直列に接続された
負荷抵抗RLの両端の電圧を測定し、この電圧値からセ
ンサの抵抗値を計算する。感度は清浄な空気中のセンサ
抵抗値(Ra)とガス中でのセンサ抵抗値(Rg)との
比すなわちRa/Rg(抵抗変化率)として定義する。
本願において、図3、4、5、6の感度測定は上記の手
法で整理した。さらに図7〜13は絶対出力値(mV単
位)を示した。
500℃,550℃それぞれのときのエタノールおよび
水素に対する感度の平均一次粒子径依存性を示した。こ
の場合に、エタノールの識別性を確認するため、このガ
スの濃度を100ppmにさらに、水素ガス濃度を10
00ppmとした。平均一次粒子径は10〜70nmま
で変化させた。同図において、実線はエタノールに対す
る感度変化であり、点線は水素に対する感度変化を示し
ている。この図より判明するように、酸化スズの平均一
次粒子径が40nm以上からエタノールに対する感度は
急激に増大する。一方水素に対する感度は平均一次粒子
径が45nm以上から減少するため、平均一次粒子径を
制御することで水素感度を低下させることも可能であ
る。さらに、本願センサの平均一次粒子径を持った酸化
スズを有機溶剤ガス用のセンサとして利用する場合には
その動作温度は450℃〜550℃、好ましくは500
℃であることがわかる。
のセンサとしては、上記本願センサ(平均一次粒子径5
3nm、センサ温度500℃)と比較的粒子径が小さい
従来型センサ(平均一次粒子径19nm、センサ温度3
50℃)とを比較した。膜厚は、10μmから300μ
mまで変化させた。同図において、実線は本願センサの
膜厚に対する感度変化(エタノール100ppm、水素
1000ppmに対する感度)を示し、点線は従来型セ
ンサの膜厚に対する感度変化(エタノール100pp
m、水素1000ppmに対する感度)を示している。
図より判るように、本願センサは比較的広い膜厚範囲に
おいて感度が安定した領域が存在するとともに、匂いガ
スに対する感度が高い膜厚領域と水素ガスに対する感度
が高い領域とが、交代する特性を有している。従って、
匂いガスの検知にあっては、膜厚を10〜50μmに設
定するのがよい。一方、従来型のセンサにおいては、セ
ンサ感度の膜厚依存性が大きく(破線が大きく立ち下が
っている)、さらに、匂いガスと水素ガスに対する膜厚
に対する感度の増減傾向が似通っている。従って、従来
型のものは、膜厚に対する依存性が大きく、さらに、ガ
ス間の選択性についても得にくい。
(以上が匂いを有するガス)、水素、イソブタン、一酸
化炭素、メタン(以上が無臭気ガス)に対する感度のセ
ンサ温度依存性を示した。この場合に、臭気ガスの識別
性を確認するため、これらのガスの濃度を100ppm
にさらに、無臭ガス濃度を1000ppmとした。セン
サ温度は300〜550℃まで変化させた。さらに、図
5(イ)に平均一次粒子径が大きく設定されている本願
センサの結果を、図5(ロ)に従来型センサの結果を示
している。図5(イ)からも明らかなように、本願セン
サにおいて感度の良好な温度領域は、図3にも示すよう
に450〜550℃の温度領域である。そして、この領
域においては、無臭気性のガスに対して充分な識別性を
備えている。一方、従来型のセンサにおいては、その感
度の高い領域は、比較的温度の低い350℃未満の温度
領域である。そして、この領域においては、従来型のセ
ンサにおいては、無臭気性のガス(特に水素)に対する
識別性が低い。
た結果を図6に示した。ここで、各ガス(エタノール、
アセトン、アセトアルデヒド、プロピオン酸、ジエチル
エーテル、酢酸エチル)の濃度は従来検知が難しかった
100ppmであり、センサの膜厚は10〜50μm
に、さらにセンサ温度は450〜550℃としている。
結果、エタノール以外の各種ガスに対する感度も、平均
一次粒子径が35nm〜70nmの範囲で高感度とな
る。従って、このような有機溶剤ガスと水素など無臭ガ
スとの選択性を高め、なおかつ有機溶剤ガスの感度を増
加させるためには、酸化スズの平均一次粒子径を35n
m以上とするのが好ましい。また平均一次粒子径が70
nm以上では酸化スズの一次粒子が大きすぎるために粒
子間の結合が弱まるために焼結体の強度の面からは平均
一次粒子径は70nm以下が望ましい。さらに、平均一
次粒子径を40nm以上としておくと、図示する各種ガ
スに対して、感度をより高くすることができる。又、5
0nm近傍(45nm〜55nm)が感度が最もよい。 (5)種々のガスに対する感度特性 図7は平均一次粒子径が53nmである酸化スズを用い
た本願センサ(平均一次粒子径と膜厚のみを調整したも
の)の各種ガスに対する感度特性を示している。このよ
うに匂いのあるガス(エタノール、アセトン、酢酸エチ
ル、アセトアルデヒド、トリメチルアミン、スチレン、
プロピオン酸)に対する感度は非常に高く、無臭ガス
(イソブタン、水素、一酸化炭素、メタン)に対する感
度が極めて低い。従って、優良な匂いセンサが得られて
いる。ただし、膜厚は10〜50μmに設定されてお
り、ガス検知時のセンサ温度は、450〜550℃に設
定している。
各種ガスに対する感度特性を図8に、鉛(Pb)を添加
したものの各種ガスに対する感度特性を図9に示した。
各図を比較すると、これら元素の添加により、匂いを持
たない、水素、一酸化炭素、イソブタン、メタンの対す
る感度が大きく低下しており、匂いガスのこれらのガス
に対する選択性(識別性)が得られていることがわか
る。
を設けたものの結果を、図10、11、12、13に示
した。これらの図において、コーティング層はそれぞ
れ、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO2)、酸
化タングステン(WO3)、酸化モリブデン(MoO3)
である。 (イ)酸化亜鉛(ZnO)コーティング層 このセンサもまた、前述のものと同様に、硫化水素、プ
ロピオン酸、アセトアルデヒド、エタノール、アセト
ン、酢酸エチル等に対して感度が高いためこれら有機溶
剤ガス臭用の匂いセンサに適する。 (ロ)酸化チタン(TiO2)コーティング層 このセンサは、硫化水素、プロピオン酸、エタノール、
アセトアルデヒド、アセトン、酢酸エチル等に対して感
度が高いためこれら有機溶剤ガス臭用の匂いセンサに適
する。 (ハ)酸化タングステン(WO3)コーティング層 このセンサは、硫化水素、プロピオン酸、スチレン、ト
リメチルアミン、、硫化メチル(図示していない)(以
上のガスはかなりの悪臭を有する)、エタノール、アセ
トアルデヒド、アセトン、酢酸エチルに対して感度が高
いためこれら悪臭ガス臭用のセンサに適する。 (ニ)酸化モリブデン(MoO3)コーティング層 このセンサは、硫化水素、プロピオン酸、トリメチルア
ミン、エタノール、アセトアルデヒド、スチレン、メチ
ルメルカプタン(図示していない)に対して特に感度が
高いためこれら悪臭ガス臭用のセンサに適する。
て説明する。基板としては、上記のアルミナ基板の他、
電気絶縁性、耐熱性であって、熱伝導のよい材料からな
る基板であればよい。感ガス体部とヒーターをアルミナ
基板の別面に設けたが同一面に設けてもよい。上記実施
例においては感ガス体のにおい吸着による抵抗変化を単
独に検出する構成(又は構造)であるが、この抵抗変化
をヒーターの抵抗と感ガス体の抵抗との合成抵抗の変化
として検出する構成(又は構造)であってもよく、要す
るに金属酸化物半導体の匂い吸着による抵抗変化を検出
できれば、センサの形式にはとらわれない。上記の実施
例においては、感ガス体部を所定の温度域に加熱するの
に、アルミナ基板の裏面に白金薄膜ヒーターを備えた
が、このヒーターを基板と金属酸化物半導体膜層とは別
個に、これらの部位を周部より囲んで備えられるヒータ
ーとして備えてもよい。
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
度依存性を示す図
径と感度の関係を示す図
関係を示す図
る感度とセンサ温度の関係を示す図
図
センサの感度特性を示す図
する感度特性を示す図
度特性を示す図
スに対する感度特性を示す図
ガスに対する感度特性を示す図
の各種ガスに対する感度特性を示す図
各種ガスに対する感度特性を示す図
Claims (9)
- 【請求項1】 基板(2)上に酸化スズを主成分とする
金属酸化物半導体膜層(3)を備え、前記金属酸化物半
導体膜層(3)に電気的に接続された検出電極(4)を
備えた基板型半導体式ガスセンサであって、前記酸化ス
ズの平均一次粒子径が35nmから70nmに形成さ
れ、前記金属酸化物半導体膜層(3)の膜厚を10μm
から50μmに形成され、前記金属酸化物半導体膜層
(3)に鉛(Pb)またはランタン(La)のいずれか
一種以上が添加されている基板型半導体式ガスセンサ。 - 【請求項2】 請求項1記載の基板型半導体式ガスセン
サを備え、前記金属酸化物半導体膜層(3)を450℃
から550℃に加熱維持する加熱手段(6)(7)を備
えたガス検出器。 - 【請求項3】 基板(2)上に酸化スズを主成分とする
金属酸化物半導体膜層(3)を備え、前記金属酸化物半
導体膜層(3)に電気的に接続された検出電極(4)を
備えて構成される基板型半導体式ガスセンサであって、
前記酸化スズの平均一次粒子径が35nmから70nm
に形成され、前記金属酸化物半導体膜層(3)の膜厚を
10μmから50μmに形成され、前記金属酸化物半導
体膜層(3)に鉛(Pb)またはランタン(La)のい
ずれか一種以上が添加されるとともに、前記金属酸化物
半導体膜層(3)の表層に酸化タングステン(WO3)
または酸化モリブデン(MoO3)のコーティング層
(8)を備えた基板型半導体式ガスセンサ。 - 【請求項4】 前記酸化タングステン(WO3)または
酸化モリブデン(MoO3)のコーティング層(8)の
厚みが、10〜100μmである請求項3記載の基板型
半導体式ガスセンサ。 - 【請求項5】 請求項3記載の基板型半導体式ガスセン
サを備え、前記金属酸化物半導体膜層(3)を450℃
から550℃に加熱維持する加熱手段(6)(7)を備
えたガス検出器。 - 【請求項6】 基板(2)上に酸化スズを主成分とする
金属酸化物半導体膜層(3)を備え、前記金属酸化物半
導体膜層(3)に電気的に接続された検出電極(4)を
備えて構成される基板型半導体式ガスセンサであって、
前記酸化スズの平均一次粒子径が35nmから70nm
に形成され、前記金属酸化物半導体膜層(3)の膜厚を
10μmから50μmに形成され、前記金属酸化物半導
体膜層(3)に鉛(Pb)またはランタン(La)のい
ずれか一種以上が添加されるとともに、前記金属酸化物
半導体膜層(3)の表層に酸化亜鉛(ZnO)または酸
化チタン(TiO2)のコーティング層(8)を備えた
基板型半導体式ガスセンサ。 - 【請求項7】 前記酸化亜鉛(ZnO)または酸化チタ
ン(TiO2)のコーティング層(8)の厚みが、10
〜100μmである請求項6記載の基板型半導体式ガス
センサ。 - 【請求項8】 請求項6記載の基板型半導体式ガスセン
サを備え、前記金属酸化物半導体膜層(3)を450℃
から550℃に加熱維持する加熱手段(6)(7)を備
えたガス検出器。 - 【請求項9】 前記鉛(Pb)またはランタン(La)
のいずれか一種以上の添加量が、0.5〜8atm%で
ある請求項1、3、4、6、7のいずれか1項に記載の
基板型半導体式ガスセンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04839494A JP3171745B2 (ja) | 1994-03-18 | 1994-03-18 | 基板型半導体式ガスセンサ及びガス検出器 |
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