JP4110961B2 - ガスセンサ用ガス感応膜の製造方法 - Google Patents

ガスセンサ用ガス感応膜の製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスセンサにおけるガスセンサ用ガス感応膜の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CO、CH、NO等のガスを検出するガスセンサは、絶縁膜(基材)と、この絶縁膜表面に形成された1対の電極と、当該電極を覆うように絶縁膜上に形成された金属酸化物粒子を焼結してなる半導性のガス感応膜と、絶縁膜の非ガス感応膜形成面側に形成されたヒータとから構成される。このようなガスセンサおいては、ガスがヒータによる加熱で活性化されたガス感応膜にて反応し、ガス感応膜の抵抗値変化を生じさせる。このガス感応膜の抵抗値変化を電極にて検知することにより、ガス濃度の検出が可能となっている。
【0003】
このガスセンサ用ガス感応膜を形成する方法として、本出願人らは特許文献1において、ナノメータオーダのSnまたはSn酸化物の粒子と、粒子の凝集を防ぐ分散剤と、分散材を補足する補足剤とを溶剤中に混合させることによりペースト体を作成し、基材上に塗布したペースト体を焼成して形成する方法を提案している。
【0004】
【特許文献1】
特願平14−72343号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
センサ特性の1つである応答性は、ガス感応膜内におけるガスの拡散浸透に要する時間に依存する。従って、応答性を向上させるためには、ガス感応膜をできる限り薄膜化する必要がある。
【0006】
そこで、本発明者は特許文献1に提案されたペースト体を、インクジェット装置を用いて吐出することにより、ガス感応膜の薄膜化を試みた。その際、ガス感応膜をできる限り薄くするため、ペースト体中の粒子とバインダーとしてペースト体中に含まれている高分子量の有機樹脂との含有量を減少させた。
【0007】
しかしながら、ペースト体中には高分子量の有機樹脂が混在し、粒子は有機樹脂の周囲に存在している。また、ペースト体の粘度は有機樹脂が混在しているため、低くなるように調整してもせいぜい10Pa・s程度である。従って、焼成後のガス感応膜の膜厚を1μm以下とするのが困難であり、応答性を向上させるためにガス感応膜の更なる薄膜化を検討する必要が生じてきた。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑み、応答性に優れるガスセンサ用ガス感応膜の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
上記目的を達成する為に請求項1に記載の発明は基板上に絶縁膜を介して電極を覆うように、金属酸化物からなる粒子を焼結してなるガス感湿膜を絶縁膜上に形成するガスセンサ用ガス感応膜の製造方法であって、表面を分散剤により被覆されたナノメータオーダの粒径を有する粒子を溶媒中に所定量分散させることにより、粘度が1〜20mPa・sに調整されたインクを製造するインク製造工程と、当該インクをインクジェット装置により基板上に吐出し、当該基板上に所望のインクパターンを形成するパターン形成工程と、加熱によりインクパターンを焼結し、ガス感応膜を形成する加熱工程とを備える。そして、インク製造工程において、粒子として、酸化スズ、酸化タングステン、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化インジウムのうちの複数種類を用いることを特徴とする。
【0010】
このように、溶媒中にナノメータオーダの粒径を有する複数種類の粒子を分散させたインクを用い、インクジェット装置によりガスセンサ用ガス感応膜に対応したインクパターンを形成している。このインクはバインダーとなる有機樹脂を含んでおらず、その粘度は1〜20mPa・sとペースト体と比較して低粘度であるので、焼成後のガス感応膜はペースト体を用いた場合よりも薄く均一に形成されることとなる。
【0011】
従って、本発明によれば、複数種類の金属酸化物を焼結してガスセンサ用ガス感応膜を形成するとともに、ガス感応膜を応答性に優れたものとすることができる。
【0013】
また、粒子は、請求項3に記載のように、50nm以下の粒径を有することが好ましい。粒子が50nm以下の粒径を有していれば、低温での焼結が可能となる。
【0014】
請求項4に記載のように、インクは、粒子を1〜50重量%の範囲内で含有することが好ましい。この範囲をもって形成されたインクは、所望のインク粘度を有する。従って、インクジェット装置から好適に吐出され、焼結後のガスセンサ用ガス感応膜が薄く形成される。
【0015】
請求項5に記載のように、インクは、Pd化合物、Pt化合物の少なくとも1種を、粒子に対して20重量%以下の範囲内で含有しても良い。このように、Pd化合物、Pt化合物の少なくとも1種をインクに添加すると、触媒として作用することにより、還元性のガス(CO、CH)とガス感応膜に吸着した酸素との反応性を向上させることができるので、ガスセンサ用ガス感応膜の応答性が向上される。
【0016】
請求項6に記載のように、加熱工程における加熱温度は、400〜1200℃であればよい。ガスセンサ用ガス感応膜は、ナノメータオーダの粒径を有する粒子を用いたインクにより形成されている。従って、金属酸化物の融点よりも低い温度で、焼結することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態におけるガス感応膜が形成されたガスセンサ1の概略構成を示す断面図である。尚、このガスセンサは、例えばCO、CH、NO、NO等のガスの濃度を検出するためのガスセンサ1として用いられる。
【0018】
このガスセンサ1は、基材としてのシリコン基板2の一方の表面に、絶縁膜としてのシリコン酸化膜3を有しており、このシリコン酸化膜3上には、Alまたはポリシリコン等からなる一対の電極4が形成されている。
【0019】
そして、電極4を覆うように、金属酸化物からなる粒子を焼結してなるガスセンサ用のガス感応膜5が形成されている。尚、ガス感応膜5については後に詳細に説明する。
【0020】
また、シリコン基板2には、例えばシリコン基板2にp層やn層の領域を形成するなどによって形成された拡散抵抗としてのヒータ6が形成されている。このヒータ6は通電により発熱し、ガス感応膜5を加熱できるようになっている。
【0021】
このガスセンサ1は、例えば、次のように作動させることができる。ガス感応膜5がヒータ6により、例えば400℃程度まで加熱される。これにより、ガス感応膜5が活性化され、半導性酸化物としての導電性が発現する。この際、半導性酸化物の最表面には酸素が吸着することにより空間電荷層が形成され、後述するように、この空間電荷層での酸化・還元反応あるいは吸着反応により生ずる導電性の変化によりガスを検知する。
【0022】
具体的には、測定環境中に還元性ガス(CO、CH)が侵入してくると、ガス感応膜5に吸着していた酸素とガスとの間で酸化反応が起こり、酸素吸着量が減少することによりトラップされていた自由電子がフリーになり導電率が増大する。
【0023】
また、NOx(NO、NO)が侵入してくると、ガス自体がガス感応膜5に吸着し、さらに自由電子をトラップするため導電率が低下する。
【0024】
これらの結果、ガス感応膜5の電気抵抗がガス侵入前の値から変化する。このガス感応膜5の抵抗変化を、電極4にて検知し、図示されない外部回路等によって信号処理され、出力されることによりガスの濃度検出を行うことができる。
【0025】
次に、本実施の形態の特徴であるガス感応膜5の製造方法について、図2及び図3を用いて詳細に説明する。
【0026】
先ず、ガス感応膜5の元となるインクを製造するインク製造工程が行われる。尚、図2(a)は、インク製造工程を説明するためのインクの模式図である。
【0027】
図2(a)に示されるインク10は、粒径がナノメータオーダの半導性金属酸化物からなる粒子11を、溶媒12中に独立分散させたものである。ナノメータオーダの粒子11の表面は、湿式処理により形成される分散剤13によって被覆・保護されており、これにより粒子11同士の凝集が防止されている。
【0028】
粒子11としては、例えば半導性の金属酸化物である酸化スズが用いられる。また、後工程の加熱工程における焼結をできるだけ低温化するため、粒径は50nm以下であることが好ましい。このように粒子11の粒径が50nm以下であると、粒子11の融点よりも低い温度にて焼成することができる。尚、粒子11としては、酸化スズ以外にも、酸化タングステン、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化インジウムを単独で用いても良いし、酸化スズを含めた夫々を混合して用いても良い。
【0029】
尚、インク10には、触媒として作用する図示されないPd化合物、Pt化合物を添加しても良い。Pd化合物は、例えば塩化Pd,ビスアセチルアセトナトPdなどを、Pt化合物は塩化Ptなどを適宜選択可能である。このように、インク10に触媒としてのPd化合物及びPt化合物の少なくとも一方を添加すると、検出対象が還元性ガスの場合に、ガス感応膜5に吸着していた酸素とガスとの間の酸化反応が促進されることこととなるので、ガス感応膜5の応答性が向上される。
【0030】
溶媒12としては、粒子11の表面に被覆された分散剤13の安定性及び後述するインクジェット適性により選択される。例えば、ターピネオール、ミネラルスピリット、テトラデカン、エタノール、水等を用いることができ、好ましくはテトラデカン或いは水を好適に用いることができる。
【0031】
分散剤13としては、窒素、酸素または硫黄原子の孤立電子対を持つ基を有し、粒子11と配位的な結合をする材料が利用できる。例えば、窒素原子の孤立電子対をもつ基としては、アミノ基を有するC8〜C18のアルキルアミンがある。硫黄原子の孤立電子対をもつ基としては、スルファニル基(−SH−)を有するC8〜C18のアルカンチオールがある。また、酸素原子の孤立電子対をもつ基としては、ヒドロキシ基を有するエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のアルカンジオールがある。
【0032】
上述の構成からなるインク10は、粒子11を1〜50重量%の範囲内で含有し、且つ、1〜20mPa・sの粘度を有するように調整される。これにより、後述する工程において、インクジェット装置によるインク10の吐出を好適に行うことができ、所望の膜厚を有するガス感応膜5を形成することができる。
【0033】
次に、当該インク10を用いて、電極4を覆うように酸化シリコン膜3表面にインクパターンを形成するパターン形成工程が行われる。尚、図2(b)はインクジェット装置によるインクパターンの形成の様子を示す模式図である。
【0034】
図2(b)で示されるように、インクジェット装置20は、電圧をかけると変形するピエゾ素子21を用い、インク10が貯められた容器22の壁23を矢印方向に押すことで、インク10を微小液滴で吐出する装置である。吐出されたインク10の液滴容量は、1滴あたり数pl(ピコリットル)で、インク10の粘度が1〜20mPa・sに調整されているため、インク液滴が安定して飛翔することができる。また、インクジェット装置20は、容器22側若しくはシリコン基板2側のいずれかをX−Y駆動しながらインク10を吐出して、シリコン基板2のシリコン酸化膜3上に、所望のガス感応膜5に対応したインクパターン5aを直接描画する。
【0035】
このように、電極4を覆うようにシリコン酸化膜3上にインクパターン5aが形成されたシリコン基板2が完成する。その後、インクパターン5aを、例えば大気中で熱循環方式により400〜1200℃の温度で加熱する加熱工程が行われ、図1に示されるガス感応膜5並びにガスセンサ1が形成される。尚、大気中ではなく、酸素雰囲気中で焼成することにより、形成されるガス感応膜5の表面を活性化しても良い。
【0036】
この加熱工程において、粒子11の表面を被覆・保護していた分散剤13が焼失し、粒子11の表面が露出する。従って、図3に示すように、ナノメータオーダの粒径をもち活性化された粒子11同士が接触し、焼結する。
【0037】
以上の工程を経て、半導性の金属酸化物粒子11の焼結体からなるガス感応膜5が形成される。
【0038】
ここで、ガス感応膜5の形成にペースト体を使用した場合、ペースト体はバインダーとして高分子量の有機樹脂を含み、有機樹脂の周囲に粒子11が存在している。従って、シリコン酸化膜3上にパターン化されたペースト体は、有機樹脂の影響で粒子11が高さ方向に幅広く分布した膜厚の厚い状態となっている。すなわち、加熱工程において有機樹脂が揮発・燃焼により除去されても、粒子11が焼結して形成されるガス感応膜5は、厚さの不均一な平均膜厚の厚い膜となる。このように、ペースト体を用いた場合には、形成されるガス感応膜5の膜厚は、粒子11及び有機樹脂の含有量に左右され、仮に両者の含有量を低減しても、ペースト体は有機樹脂を含むので、例えば1μm以下のガス感応膜5を形成するのは困難である。
【0039】
さらに、ペースト体は、粘度が10〜200Pa・s程度と高いため、仮に薄膜化を狙ってインクジェット装置20を用いたとしても、インクジェット装置20のヘッドが詰まり易いという問題もある。
【0040】
しかしながら、本実施の形態におけるインク10は、粒子11と溶媒12から構成されるので、高分子量の有機樹脂を含まない。従って、当該インク10を用いて形成されたインクパターン5aの膜厚は粒子11の含有量に依存する。すなわち、インク10を用いて形成されたインクパターン5aを加熱し、粒子11が焼結して形成されるガス感応膜5は、均一な薄膜となる。また、インク10の粘度は1〜20mPa・sと低粘度であり、インクジェット装置20での使用に好適であるとともに、特に1μm以下の薄膜化が可能である。
【0041】
以上より、本実施形態で示した製造方法により形成されたガスセンサ用のガス感応膜5は、ペースト体を用いる方法と比較して、均一且つ薄い膜厚(例えば0.1〜5μm程度)を有している。従って、本実施の形態におけるガス感応膜5は、応答性に優れている。尚、本実施の形態におけるガス感応膜5は、ナノメータオーダの粒子11の焼結体であるので、粒界を有しており、感度にも優れている。
【0042】
また、本実施の形態においては、図1に示されるように、1つのシリコン基板2上に1つのガス感応膜5のみを設ける例を示した。しかしながら、異なるガスを検出するために、同一シリコン基板2上に複数のガス感応膜5を設ける場合もある。この場合、本実施の形態のように、インクジェット装置20を用いたインク10によるパターン形成工程であると、インクジェット装置20に複数の容器22を設けるだけでよい。異なるガスを検出する粒子11を含んだインク10毎に容器22を設ければ、異なるガスを検出する複数のガス感応膜5に対応したインクパターン5aを、同一のパターン形成工程において形成することができる。
【0043】
また、図示されないが、ガスセンサ1のシリコン基板2におけるヒータ6の直下部分が、薄肉の薄膜メンブレン構造を有していると、例えばペースト体をスクリーン印刷法を用いてシリコン酸化膜3上に転写する際、スキージの印圧により、薄肉部が破損する恐れがある。しかしながら、本実施の形態のようにインクジェット装置20を用いてインク10を吐出する場合は、シリコン酸化膜3に対して非接触でインクパターン5aを形成することができるので、ガスセンサ1が上記構造を有する場合にも好都合である。
【0044】
ここで、本実施の形態において形成されたガス感応膜5において、感度及び応答性といったセンサ特性を確認した。一具体例の結果を、図4に示す。尚、感度はNOガス1ppm中における抵抗値を清浄エア中における抵抗値で割った値を示し、この抵抗値変化率が大きいものほどセンサ感度が良いこととなる。また、応答性は同じくNO1ppm中における飽和抵抗値の63%出力到達時間を示したものであり、この時間が短いほど応答性が良いこととなる。また、ヒータ6の温度は300℃として出力を調べた。
【0045】
この具体例に用いたインク10には、具体例1として酸化スズ、具体例2として酸化亜鉛、具体例3として酸化タングステンの各粒子11を用いた。各粒子11の粒子径は夫々30〜40nm程度ものを使用し、溶媒としては、具体例1がテトラデカン、具体例2がエタノール、具体例3が水を用い、インク10の濃度が5重量%程度となるように調整した。尚、ここで言う粒子径とは、平均粒子径(BET換算値)である。
【0046】
また、具体例1〜3に示すインク10の吐出条件は、インクジェット装置20のヘッド走査速度を約300dpiとし、1kHzにて50pl/滴とした。
【0047】
そして、シリコン酸化膜3上に形成されたインクパターン5aを、400℃にて空気中で加熱することにより焼成を行い、各粒子11が焼結され具体例1〜3に示すガス感応膜5が形成されたガスセンサ1を得た。
【0048】
尚、具体例1〜3に対する比較例として、粒子11の粒子径が異なる2種類の酸化スズを用いたペースト体を作成し、ガス感応膜5を作成した。尚、比較例1が粒子径1000nm、比較例2が粒子径37nmの酸化スズからなる粒子11を用いている。
【0049】
図4に示されるように、本実施の形態である具体例1〜3は、ナノメータオーダの粒子11を用いており、比較例1に比べて感度が大幅に向上している。
【0050】
また、比較例2と比較すると、感度はほぼ同等かそれ以上の値を示し、ガス感応膜5の膜厚(図4における焼成後膜厚)が均一に薄く形成されたことにより、応答性が大幅に向上した。
【0051】
このように、本実施の形態によれば、ナノメータオーダの粒子11を使用したペースト体(比較例2)と比べて、感度については略同等かそれ以上の高いレベルを維持しつつ、応答性については大幅に向上させることができた。すなわち、センサ感度に優れたガス感応膜5を形成することができた。
【0052】
以上本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態のみに限定されず、種々変更して実施する事ができる。
【0053】
本実施の形態において、インクは分散剤に被覆・保護された粒子と溶媒とにより構成される例を示した。しかしながら、インク中に加熱工程における加熱によって粒子表面から分散剤を除去する補足剤を添加しても良い。
【0054】
また、本実施の形態において、基材としての基板にシリコン基板を用いる例を示したが、それ以外にもアルミナ等からなるセラミック基板を用いても良い。
【0055】
本実施の形態においては、ガス感応膜の膜厚調整をインクの濃度或いは粘度により調整する例を示したが、インクを重ね刷り(すなわち同じ箇所を複数回吐出)することで、焼結により形成されるガス感応膜の膜厚を調整しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態におけるガス感応膜を備えたガスセンサの概略を示す断面図である。
【図2】 ガス感応膜の製造工程を説明するための補足図であり、(a)はインクの模式図、(b)はインクジェット装置によるインクパターン形成の様子を示す模式図である。
【図3】 インクパターン加熱後の粒子の状態を示す模式図である。
【図4】 センサ特性に対する効果の具体例を示す図である。
【符号の説明】
1・・・ガスセンサ
2・・・シリコン基板
3・・・シリコン酸化膜
5・・・ガス感応膜
5a・・・インクパターン
10・・・インク
11・・・粒子
20・・・インクジェット装置

Claims (5)

  1. 基板上に絶縁膜を介して形成された電極を覆うように、金属酸化物からなる粒子を焼結してなるガス感応膜を前記絶縁膜上に形成するガスセンサ用ガス感応膜の製造方法であって
    表面を分散剤により被覆されたナノメータオーダの粒径を有する前記粒子を溶媒中に所定量分散させることにより、粘度が1〜20mPa・sに調整されたインクを製造するインク製造工程と、
    当該インクをインクジェット装置により前記基板上に吐出し、当該基板上に所望のインクパターンを形成するパターン形成工程と、
    加熱により前記インクパターンを焼結し、前記ガス感応膜を形成する加熱工程とを備え、
    前記インク製造工程において、前記粒子として、酸化スズ、酸化タングステン、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化インジウムのうちの複数種類を用いることを特徴とするガスセンサ用ガス感応膜の製造方法。
  2. 前記粒子は、50nm以下の粒径を有することを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ用ガス感応膜の製造方法。
  3. 前記インクは、前記粒子を1〜50重量%の範囲内で含有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガスセンサ用ガス感応膜の製造方法。
  4. 前記インクは、Pd化合物、Pt化合物の少なくとも1種を、前記粒子に対して20重量%以下の範囲内で含有していることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のガスセンサ用ガス感応膜の製造方法。
  5. 前記加熱工程における加熱温度は、400〜1200℃であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載のガスセンサ用ガス感応膜の製造方法。
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CN1054236C (zh) * 1994-10-31 2000-07-05 戴超智 以片状材料层叠结构的半导体二极管制造方法

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