JP7296625B2 - 酸素センサ - Google Patents

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Description

本願は、酸素センサに関する。
少子高齢化社会による医療費増大への対策として、日常の基礎代謝や運動効率を把握し、生活習慣を改善させることが重要となっている。代謝量は、間接熱量測定法により、呼気の酸素摂取量と二酸化炭素産生量から求めることができる。
呼吸代謝測定機に用いられる酸素センサは、保安用途の酸素濃度計測とは異なり、呼気中の平均的な酸素濃度15%から大気中の酸素濃度21%までの狭い酸素濃度変化を正確に計測できることが必要である。また、このためには、センサシグナルの高い再現性が必要となるが、それには十分な感度、すなわちセンサシグナルの充分な変化量の確保が必須である。
このため、酸素濃度の微量変化を高感度に測定することが可能な酸素センサが求められている。
特許文献1には、酸素濃度検出部に、平均粒径が200nm以下の酸化物半導体微粒子を使用した、多孔体からなる抵抗型酸素センサが開示されている。
特許文献2には、酸素濃度検出部の酸化物半導体厚膜の上部に絶縁膜と触媒膜を設置することにより、可燃性の干渉ガスの影響を抑制し、微量酸素濃度を測定する抵抗型酸素センサが開示されている。
特開2003-149189号公報 特開2016-65827号公報
しかしながら、従来の酸化物半導体微粒子を用いた抵抗型酸素センサでは、センサシグナルの変化量が十分ではなく、呼気中の平均的な酸素濃度である15%から、大気中の酸素濃度である21%までの狭い酸素濃度範囲において、酸素濃度の変化を正確に測定することは難しいという問題がある。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、15%から21%までの狭い酸素濃度範囲において、酸素濃度変化をより高精度に測定することが可能な酸素センサを提供することを目的とする。
本発明では、酸素センサであって、
基板と、
該基板上に設置された一組の電極と、
該一組の電極の上に設置された半導体層と、
を有し、
前記半導体層は、金属酸化物半導体の粒子を有し、
前記電極の上面は、算術平均粗さRa(ave)が0.4μm以上である、酸素センサが提供される。
ここで、前記算術平均粗さRa(ave)は、前記電極の上面の異なる10箇所において、0.5mmの測定距離で測定された算術平均粗さRaの平均値を意味する。
本発明では、15%から21%までの狭い酸素濃度範囲において、酸素濃度変化をより高精度に測定することが可能な酸素センサを提供することができる。
本発明の一実施形態による酸素センサの構成例を示した断面図である。 白金ペーストAを用いて形成された配線Aによる、上面の凹凸の測定結果を示したグラフである。 白金ペーストBを用いて形成された配線Bによる、上面の凹凸の測定結果を示したグラフである。 白金ペーストCを用いて形成された配線Cによる、上面の凹凸の測定結果を示したグラフである。 本発明の一実施形態による酸素センサ(第1の素子)の縦断面を模式的に示した図である。 本発明の別の実施形態による酸素センサ(第3の素子)の縦断面を模式的に示した図である。 本発明の一実施形態による酸素センサにおいて、空気を流した状態から、模擬呼気ガスに切り替えた際の電気抵抗の変化を示したグラフである。 比較例に係る酸素センサにおいて、空気を流した状態から、模擬呼気ガスに切り替えた際の電気抵抗の変化を示したグラフである。 本発明の別の実施形態による酸素センサにおいて、空気を流した状態から、模擬呼気ガスに切り替えた際の電気抵抗の変化を示したグラフである。 別の比較例に係る酸素センサにおいて、空気を流した状態から、模擬呼気ガスに切り替えた際の電気抵抗の変化を示したグラフである。 本発明の別の実施形態による酸素センサにおいて、電極と半導体層の間の界面で撮影された走査電子顕微鏡写真である。 比較例に係る酸素センサにおいて、電極と半導体層の間の界面で撮影された走査電子顕微鏡写真である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1には、本発明の一実施形態による酸素センサの断面を模式的に示す。
図1に示すように、本発明の一実施形態による酸素センサ(以下、「第1の酸素センサ」と称する)100は、基板110と、一組の電極120と、半導体層130とを有する。
一組の電極120は、基板110の上に設置され、半導体層130は、電極120を覆うように設置される。
図1に示す例では、第1の酸素センサ100は、さらに、半導体層130を覆うように設置された絶縁層140と、触媒層150とを有する。ただし、絶縁層140および触媒層150は、必要に応じて設置される層であり、少なくとも一方は、省略されてもよい。
基板110は、上部に各種部材を支持する役割を有する。基板110は、例えば、アルミナ、または熱酸化膜付シリコン等で構成されてもよい。
基板110は、第1の表面112および第2の表面114を有し、電極120等は、第1の表面112の側に設置される。
電極120は、例えば、白金等の導電性材料で構成される。
電極120は、例えば、基板110の上に、白金のような導電性粒子を含むペーストを印刷することにより形成することができる。ペーストの印刷方法としては、特に限定されないが、例えばスクリーン印刷法等が挙げられる。
なお、図1に示した例では、一対の電極120は、平行型構造を有する。しかしながら、これは単なる一例であって、電極120は、その他の構成を有してもよい。例えば、電極120は、櫛形電極で構成されてもよい。
電極120の上には、半導体層130が設置される。半導体層130は、金属酸化物半導体の粒子を含む。
半導体層130は、環境中の酸素濃度の変化を検知する機能を有する。例えば、第1の酸素センサ100の使用の際に、環境中の酸素濃度が低下すると、半導体層130中に含まれる金属酸化物半導体の粒子において、格子酸素が酸素分子として脱離し、酸素空孔が生成する反応が生じる。
これは、クレーガー=ビンクの表記法では、以下の(1)式で表される:

×→V ・・+1/2O+2e' (1)式

その結果、環境中の酸素濃度が減少すると、半導体層130に含まれる金属酸化物半導体の粒子の電気抵抗が減少する。従って、半導体層130の電気抵抗を測定することにより、環境中の酸素濃度の変化を検知することができる。
このような金属酸化物半導体の粒子を構成する材料は、酸素貯蔵能を有する限り、特に限られない。金属酸化物半導体の粒子は、例えば、酸化セリウム、セリウム-ジルコニウム系複合酸化物、またはセリウム-イットリウム系複合酸化物等で構成されてもよい。特に、酸化セリウムが好ましい。
また、金属酸化物半導体の粒子には、白金粒子のような触媒粒子が担持されていてもよい。
この場合、半導体層130内の触媒粒子により、金属酸化物半導体の粒子内での上記反応を、より促進させることができる。
半導体層130は、例えば、金属酸化物半導体の粒子を含むペーストを、電極120を覆うように印刷することにより形成することができる。金属酸化物半導体の粒子の平均粒径は、通常、10nm~200nmの範囲である。ペーストの印刷方法としては、特に限定されないが、例えばスクリーン印刷法等が挙げられる。
半導体層130の上には、絶縁層140が設置されてもよい。絶縁層140は、半導体層130を保護する役割を有する。ただし、絶縁層140により、半導体層130への環境中のガスの拡散が妨げられることを避けるため、絶縁層140は、多孔質層で構成される。
絶縁層140を構成する材料は、絶縁体である限り特に限られないが、例えば、アルミナ等であってもよい。
絶縁層140は、例えば、絶縁体粒子を含むペーストを、半導体層130を覆うように印刷することにより形成される。絶縁体粒子の平均粒径は、通常、100~2000nmである。ペーストの印刷方法としては、特に限定されないが、例えばスクリーン印刷法等が挙げられる。
絶縁層140の上には、触媒層150が設置されてもよい。
触媒層150を構成する材料およびその形態は、特に限定されないが、例えば、金属酸化物粒子と貴金属粒子の混合物、あるいは貴金属が担持された金属酸化物粒子などが挙げられる。金属酸化物粒子としては、例えば、酸化セリウムなどが使用されてもよい。また、貴金属としては、例えば、白金などが使用されてもよい。
触媒層150は、例えば、金属酸化物粒子および貴金属粒子を含むペーストを、絶縁層140を覆うように印刷することにより形成される。金属酸化物粒子および貴金属粒子の平均粒径は、通常、100~2000nmである。ペーストの印刷方法としては、特に限定されないが、例えばスクリーン印刷法等が挙げられる。
一般に、酸素センサは、環境中の可燃性ガスの影響を受け易く、これらのガスにより、酸素センサの測定精度が低下する可能性がある。
しかしながら、触媒層150を設けた場合、環境中に可燃性ガスが存在する場合であっても、これを触媒層150で分解することができる。従って、触媒層150の下側にある半導体層130の酸素感度に及ぼす環境因子の影響を、有意に抑制することができる。その結果、酸素センサの測定精度を高めることができる。
特に、触媒層150を微粒子で構成した場合、触媒層150には多くの細孔が含まれるため、環境中に含まれる酸素ガスを、半導体層130の方まで十分に拡散させることが可能になる。
なお、図1には示されていないが、第1の酸素センサ100は、基板110の第2の表面114の側に、ヒータ線を有してもよい。
そのようなヒータ線を設けることにより、第1の酸素センサ100を、例えば、200℃~1000℃の温度まで、自己加熱することが可能になる。
ヒータ線を構成する材料は、導電性である限り特に限られないが、例えば、白金等であってもよい。
ここで、第1の酸素センサ100では、電極120の上面の算術平均粗さRa(ave)が0.4μm以上であるという特徴を有する。
電極120の上面をこのように構成した場合、電極120の上面の凹凸により、半導体層130に含まれる金属酸化物半導体の粒子と、電極120との接点の数を増加させることが可能になる。また、これにより、金属酸化物半導体の粒子の電気抵抗変化を、より高精度かつ迅速に捉えることが可能になる。
従って、第1の酸素センサ100では、測定環境中の酸素濃度の変化が比較的小さい場合であっても、そのような酸素濃度の変化を適正に検知することができる。
なお、本願において、算術平均粗さRa(ave)は、異なる10箇所で得られる算術平均粗さRaの測定結果の平均値を意味する。また、各測定において、測定領域、すなわちスタート点から終了点までの距離は、0.5mmである。
なお、センサができ上がった状態では、同時にスクリーン印刷されている電極の配線箇所を同様に計測すればよい。
次に、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の記載において、例1および例3は、実施例であり、例2および例4は、比較例である。
(半導体層用の粒子の合成)
以下の方法で、半導体層に含有される酸化物半導体の粒子を合成した。酸化物半導体の粒子は、酸化セリウムの微粒子とした。
まず、所定量の硝酸セリウム六水和物に蒸留水を加え、硝酸セリウム濃度が0.1mol/Lの水溶液を調製した。
次に、この水溶液を撹拌しながら、沈殿物が充分に生成するまで、この水溶液にアンモニア水を添加した。その後、沈殿物を吸引濾過により回収した。
次に、回収された沈殿物に、質量比が11/75となるようにカーボンパウダーを加えた後、混合物を、混練機ハイブリッドミキサー(HM-500;キーエンス社製)を用いて2分間撹拌し、カーボンパウダーを均一に分散させた。
次に、混合物を70℃で12時間乾燥させた後、900℃で4時間で焼成した。
次に、得られた焼成物をめのう乳鉢で粉砕して、微粒子を得た。
これにより、酸化セリウムの微粒子を得た。
得られた微粒子を走査型電子顕微鏡で観察したところ、微粒子の平均粒径は、約100nmであることがわかった。
(電極の表面粗さの測定)
白金粒子を含むペーストを用いて、電極の試作を行った。
第1の試作では、市販の白金ペースト(TR-7091T;田中貴金属社製)の新品を開封して、使用した(以下、「白金ペーストA」と称する)。
まず、アルミナ基板の上に、白金ペーストAの線状パターンをスクリーン印刷した。各パターンの線幅は、0.3mmとした。
次に、このアルミナ基板を200℃/hで1400℃まで昇温し、2時間保持した。焼成後に、白金製の電極配線(以下、「配線A」と称する)が形成された。配線Aの全長は、18.6mmとした。
同様の方法により、第2の試作として、白金製の電極配線(以下、「配線B」と称する)を形成した。ただし、配線Bを形成する際、白金ペースト(TR-7091T;田中貴金属社製)として、複数回使用後、再利用されたものを使用した(以下、「白金ペーストB」と称する)。
第3の試作では、市販の白金ペースト(TR-7070;田中貴金属社製)の新品を開封して、使用した(以下、「白金ペーストC」と称する)。また、アルミナ基板の上に、白金ペーストCの線状パターンをスクリーン印刷した。各パターンの線幅は、0.12mmとした。
次に、このアルミナ基板を200℃/hで1200℃まで昇温し、2時間保持した。焼成後に、白金製の電極配線(以下、「配線C」と称する)が形成された。
得られた配線A~配線Cを用いて、上面の凹凸を測定した。測定には、触針式膜厚計(KLC-Tencor P16+)を使用した。
結果を図2~図4に示す。図2には、白金ペーストAを用いて形成された配線Aによる測定結果を示す。また、図3には、白金ペーストBを用いて形成された配線Bによる測定結果を示す。さらに、図4には、白金ペーストCを用いて形成された配線Cによる測定結果を示す。
図2に示すように、配線Aの場合、上面は、比較的平坦な形状を有することがわかった。一方、図3および図4に示すように、配線Bおよび配線Cの場合、上面には、比較的大きな凹凸が生じていることがわかった。
次に、配線A~配線Cのそれぞれにおいて、算術平均粗さRa(ave)を測定した。測定は、それぞれの配線の延在方向に沿って、0.5mmの範囲で実施した。前述のように、異なる10か所で算術平均粗さの測定を行い、得られた結果を平均して、算術平均粗さRa(ave)とした。
測定の結果、配線Bでは、算術平均粗さRa(ave)は、0.45μmであった。また、配線Cでは、算術平均粗さRa(ave)は、0.49μmであった。これに対して、配線Aでは、算術平均粗さRa(ave)は、0.4μm未満であった。
(例1)
以下の方法により、酸素センサを作製した。
図5には、作製された酸素センサの断面を模式的に示す。
図5に示すように、作製された酸素センサ(以下、「第1の素子」と称する)200は、アルミナ基板210と、櫛形電極220および電極リード部222と、半導体層230と、ヒータ線260と、第1の保護層270と、第2の保護層272と、第1の電気コンタクト275および第2の電気コンタクト277と、を有する。
以下、図5を参照して、第1の素子200の作製方法について説明する。
まず、アルミナ基板210にヒータ線260を形成した。
スクリーン印刷法により、縦2.8mm×横25mm×厚さ0.32mmのアルミナ基板210の一方の表面(第2の表面)214上に、白金ペースト(TR-7091T;田中貴金属社製)を印刷した。次に、これを200℃/hで1400℃まで昇温し、2時間保持した。この焼成処理により、アルミナ基板210の第2の表面214に、白金製のヒータ線260が形成された。
次に、アルミナ基板210に櫛形電極220および電極リード部222を形成した。
アルミナ基板210のヒータ線260が形成されていない表面(第1の表面)212に、所定の形状で白金ペーストBを印刷した。また、このアルミナ基板210を200℃/hで1400℃まで昇温し、2時間保持した。これにより、アルミナ基板210の第1の表面212に、白金製の櫛形電極220、および電極リード部222が形成された。
櫛形電極220は、上面視、縦2.8mm×横2.8mmの寸法の範囲に配置し、電極リード部222の線幅は、0.12mmとした。
この櫛形電極220の上面の算術平均粗さRa(ave)は、前述の配線Bの評価結果から、0.45μmであると予想される。
次に、半導体層230用のペーストを調製した。
エチルセルロースおよびテルピネオールを含む有機バインダーに、前述の方法により合成された酸化セリウムの微粒子を加えて混合し、ペースト1を得た。
次に、スクリーン印刷法を用いて、櫛形電極220上にペースト1を印刷した。その後、アルミナ基板210を150℃で15分間保持し、ペースト1を乾燥させた。次に、500℃/hで500℃に昇温し、この温度に5時間保持した後、さらに200℃/hで1100℃まで昇温し、2時間保持し、焼成処理を行った。
これにより、櫛形電極220上に半導体層230が形成された。なお、電極リード部222には、半導体層230は形成しなかった。
次に、ヒータ線260を保護するため、ヒータ線260の一部を覆うように第1の保護層270を設置した。
第1の保護層270は、ヒータ線260の一端を除いて、ヒータ線260の全体を覆うように設置した。具体的には、ヒータ線260の所定の位置に誘電体ペースト(QM42;デュポン社製)を印刷した後、アルミナ基板210を150℃程度に保持し、第1の保護層270を形成した。
同様の方法により、電極リード部222を保護するため、第2の保護層272を形成した。
次に、ヒータ線260の第1の保護層270で覆われていない端部に、第1の電気コンタクト275を形成した。
第1の電気コンタクト275は、以下のように形成した。まず、ヒータ線260の第1の保護層270で覆われていない端部に、銀-パラジウム混合ペースト(TR-4846;田中貴金属製)を印刷した。その後、アルミナ基板210を150℃程度に維持して、混合ペーストを乾燥させた。その後、200℃/hで850℃まで昇温し、2時間保持し、焼成処理を行った。
同様の方法により、電極リード部222の端部に、第2の電気コンタクト277を形成した。
最後に、第1の電気コンタクト275および第2の電気コンタクト277のそれぞれに、導線をはんだ付けした。
これにより、第1の素子200が製作された。
(例2)
例1と同様の方法により、酸素センサ(以下、「第2の素子」と称する)を製作した。
ただし、この例2では、白金ペーストBの代わりに、白金ペーストAを使用して、白金製の櫛形電極を形成した。従って、得られた櫛形電極の上面の算術平均粗さRa(ave)は、0.4μm未満であると予想される。
その他の製造条件は、例1と同様である。
(例3)
以下の方法により、酸素センサを作製した。
図6には、作製された酸素センサの断面を模式的に示す。
図6に示すように、作製された酸素センサ(以下、「第3の素子」と称する)300は、アルミナ基板310と、櫛形電極320および電極リード部322と、半導体層330と、ヒータ線360と、第1の保護層370と、第2の保護層372と、第1の電気コンタクト375および第2の電気コンタクト377と、を有する。
以下、図6を参照して、第3の素子300の作製方法について説明する。
まず、前述の例1と同様の方法により、アルミナ基板310の第2の表面314上に、ヒータ線360を形成した。
次に、以下のようにして、アルミナ基板310上に、櫛形電極320および電極リード部322を形成した。
まず、アルミナ基板310の第1の表面312に、所定の形状で白金ペーストC(TR-7070;田中貴金属社製)を印刷した。白金ペーストCは、新品とした。次に、このアルミナ基板310を200℃/hで1200℃まで昇温し、2時間保持した。これにより、アルミナ基板310の第1の表面312に、白金製の櫛形電極320、および電極リード部322が形成された。
櫛形電極320は、上面視、縦2.8mm×横2.8mmの寸法の範囲に配置し、電極リード部322の線幅は、0.12mmとした。
この櫛形電極320の上面の算術平均粗さRa(ave)
は、前述の配線Cの評価結果から、0.49μmであると予想される。
次に、半導体層330用のペーストを調製した。
エチルセルロースおよびテルピネオールを含む有機バインダーに、前述の方法により合成された酸化セリウムの微粒子と、白金のコロイド分散液(田中貴金属社製)とを加えて混合し、ペースト2を得た。コロイド分散液は、酸化セリウムの微粒子に対して1質量%となるように添加した。
次に、スクリーン印刷法を用いて、櫛形電極320上にペースト2を印刷した。その後、アルミナ基板310を150℃で15分間保持し、ペースト2を乾燥させた。次に、500℃/hで500℃に昇温し、この温度に5時間保持した後、さらに200℃/hで1100℃まで昇温し、2時間保持し、焼成処理を行った。
これにより、櫛形電極320上に半導体層330が形成された。なお、電極リード部322には、半導体層330は形成しなかった。
次に、半導体層330の上に、絶縁層340および触媒層350を順次設置した。
絶縁層340は、以下の方法で形成した。
まず、エチルセルロースおよびテルピネオールを含む有機バインダーに、平均粒径が約100nmのアルミナ粒子を加えて混合し、ペースト3を得た。
次に、スクリーン印刷法を用いて、半導体層330上にペースト3を印刷した。その後、アルミナ基板310を150℃で15分間保持し、ペースト3を乾燥させた。次に、500℃/hで500℃に昇温し、この温度に5時間保持した。
これにより、絶縁層340が形成された。
また、触媒層350は、以下の方法で形成した。
エチルセルロースおよびテルピネオールを含む有機バインダーに、前述の方法により合成された酸化セリウムの微粒子と、白金のコロイド分散液(田中貴金属社製)とを加えて混合し、ペースト4を得た。コロイド分散液は、酸化セリウムの微粒子に対して3質量%となるように添加した。
次に、スクリーン印刷法を用いて、触媒層350上にペースト4を印刷した。その後、アルミナ基板310を150℃で15分間保持し、ペースト4を乾燥させた。次に、500℃/hで500℃に昇温し、この温度に5時間保持した後、さらに200℃/hで1100℃まで昇温し、2時間保持し、焼成処理を行った。
これにより、触媒層350が形成された。
その後、例1と同様の方法により、第1の保護層370および第2の保護層372を形成した。また、第1の電気コンタクト375および第2の電気コンタクト377を形成した後、これらに導線をはんだ付けした。
これにより、第3の素子300が製作された。
(例4)
例3と同様の方法により、酸素センサ(以下、「第4の素子」と称する)を製作した。
ただし、この例4では、白金ペーストBの代わりに、白金ペーストAを使用して、白金製の櫛形電極を形成した。従って、得られた櫛形電極の上面の算術平均粗さRa(ave)は、0.4μm未満であると予想される。
その他の製造条件は、例3と同様である。
(評価)
第1~第4の素子を用いて、センサの特性評価を行った。
特性評価は、以下のように実施した。
各素子の半導体層が形成されている部分を、ガス雰囲気を置換することが可能な試料室内に挿入し、ガスが漏れないように封止した。次に、各素子のヒータ線に電圧を印加して、素子を自己加熱することにより800℃まで昇温した。
次に、試料室内に、130mL/minの流量で空気を流しながら、半導体層の電気抵抗を連続して測定した。その後、あるタイミングで、流入ガスを模擬呼気ガスに切り替えた。模擬呼気ガスは、15体積%酸素+5体積%二酸化炭素+80体積%窒素の混合ガスとした。
なお、電気抵抗の測定は、特開2018-17539号に記載のガス濃度測定装置を用い、1kHzの交流で実施した。
図7および図8には、それぞれ、第1の素子および第2の素子において得られた測定結果を示す。これらの図において、横軸は、時間を表し、縦軸は、電気抵抗を表している。なお、縦軸は、空気流通時の電気抵抗の値を1として規格化されている。
図7から、第1の素子では、流通ガスを空気から模擬呼気ガスに切り替えると、電気抵抗が約0.946に低下することがわかる。これは、約5.4%の電気抵抗の変化率に相当する。
一方、図8から、第2の素子では、流通ガスを空気から模擬呼気ガスに切り替えても、電気抵抗があまり変化しないことがわかる。第2の素子では、電気抵抗の変化率は、約1.7%であった。
このように、第1の素子では、第2の素子に比べて、酸素濃度の変化をより高精度に検知できることがわかった。
第1の素子では、第2の素子に比べて、櫛型電極の上面は、比較的大きな凹凸を有する。このため、半導体層に含まれる酸化セリウム微粒子と電極との間に、多くの接点が形成され、検出感度が向上したものと考えられる。
また、図9および図10には、それぞれ、第3の素子および第4の素子において、得られた結果を示す。これらの図においても、横軸は、時間を表し、縦軸は、規格化された電気抵抗を表している。
図9から、第3の素子では、流通ガスを空気から模擬呼気ガスに切り替えると、電気抵抗が約0.955に低下することがわかる。これは、約4.5%の電気抵抗の変化率に相当する。
一方、図10から、第4の素子では、流通ガスを空気から模擬呼気ガスに切り替えても、電気抵抗があまり変化しないことがわかる。第4の素子では、電気抵抗の変化率は、約2.6%であった。
このように、第3の素子では、第4の素子に比べて、酸素濃度の変化をより高精度に検知できることがわかった。
第3の素子では、第4の素子に比べて、櫛型電極の上面は、比較的大きな凹凸を有する。このため、半導体層に含まれる白金担持酸化セリウム微粒子と電極との間に、より多くの接点が形成され、検出感度が向上したものと考えられる。
図11には、第3の素子の断面の一部の走査電子顕微鏡写真を示す。また、図12には、第4の素子の断面の一部の走査電子顕微鏡写真を示す。これらの写真は、いずれも、電極と半導体層の界面を撮影したものである。
図11から、第3の素子の場合、界面には、半導体層を形成する酸化セリウム粒子と、電極を形成する白金粒子とが、相互に入り組んだ状態で存在していることがわかる。
これに対し、図12から、第4の素子の場合、電極の表面は平滑で、電極と酸化セリウム粒子との間の境界線が明確であることがわかる。
この結果から、第3の素子のように、電極の上面が多くの凹凸を有する場合、電極と半導体層の間の界面がより複雑化され、酸化セリウムの微粒子と電極との接点が増加していることが確認された。
100 第1の酸素センサ
110 基板
112 第1の表面
114 第2の表面
120 電極
130 半導体層
140 絶縁層
150 触媒層
200 第1の素子
210 アルミナ基板
212 第1の表面
214 第2の表面
220 櫛形電極
222 電極リード部
230 半導体層
260 ヒータ線
270 第1の保護層
272 第2の保護層
275 第1の電気コンタクト
277 第2の電気コンタクト
300 第3の素子
310 アルミナ基板
312 第1の表面
314 第2の表面
320 櫛形電極
322 電極リード部
330 半導体層
360 ヒータ線
370 第1の保護層
372 第2の保護層
375 第1の電気コンタクト
377 第2の電気コンタクト

Claims (6)

  1. 15%から21%の範囲の酸素濃度範囲における酸素濃度を測定する酸素センサであって、
    基板と、
    該基板上に設置された一組の電極と、
    該一組の電極の上に設置された半導体層と、
    を有し、
    前記半導体層は、金属酸化物半導体の粒子を有し、
    前記電極の上面は、算術平均粗さRa(ave)が0.4μm以上である、酸素センサ:
    ここで、前記算術平均粗さRa(ave)は、前記電極の上面の異なる10箇所において、0.5mmの測定距離で測定された算術平均粗さRaの平均値を意味する。
  2. 前記金属酸化物半導体の粒子は、酸化セリウム、セリウム-ジルコニウム系複合酸化物、またはセリウム-イットリウム複合酸化物で構成される、請求項1に記載の酸素センサ。
  3. 前記金属酸化物半導体の粒子には、貴金属粒子が担持されている、請求項1または2に記載の酸素センサ。
  4. 前記電極は、白金の微粒子を含む、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の酸素センサ。
  5. さらに、前記半導体層を覆う絶縁層を有する、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の酸素センサ。
  6. さらに、前記絶縁層を覆う触媒層を有する、請求項5に記載の酸素センサ。
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