JP2003127372A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JP2003127372A JP2002321503A JP2002321503A JP2003127372A JP 2003127372 A JP2003127372 A JP 2003127372A JP 2002321503 A JP2002321503 A JP 2002321503A JP 2002321503 A JP2002321503 A JP 2002321503A JP 2003127372 A JP2003127372 A JP 2003127372A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェットヘッドの高応答性と高安定性
を得ること。 【解決手段】圧電素子40が積層された振動板48を底
壁とした圧力発生室4に、圧力発生室4に発生する圧力
で変形可能な弾性壁47を設け、更にこの弾性壁47と
対向して圧力発生室4の外側に配置された対向壁43を
設け、圧力発生室4の圧力で弾性壁47が変形した時
に、弾性壁47が対向壁43に当接するようにした。こ
れにより、圧力発生室4の剛性がインク吐出時には高く
なりインク滴を高速に吐出させ、インク吐出後は弾性壁
47が対向壁43から離れ圧力発生室4の剛性が低くな
りインク圧力を緩和させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクを吐出するノ
ズルと、前記ノズルに連通しインクに圧力を加える圧力
発生室と、圧力発生室の圧力を変化させる圧力発生手段
とを備え、前記圧力発生手段に印加する信号によって圧
力発生室の容積を変化させ前記ノズルよりインクを吐出
させるインクジェットヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】一端がインク供給流路を経てインクタン
クに連通する圧力発生室にノズル開口を設けると共に、
圧力発生室に圧力を発生させる手段、例えば圧力発生室
内の一部をダイヤフラム状に形成して変形可能領域を形
成し、この領域を押圧する電気機械的変位手段を設け
て、ノズル開口からインク滴を発生させるように構成さ
れている。このようなインクジェット記録装置は、出力
画像の高品位化と出力速度の高速化が求められており、
より微細なインク滴をより高い周波数で安定して吐出さ
せる技術を開発することが急務となっている。
【0003】メインのインク滴を高速に吐出させ、その
後の不要なインク滴の発生を抑制し、繰り返してインク
滴を吐出させる周波数を高くするという、インクジェッ
トヘッドのインク滴の吐出特性を決める上で、圧力発生
室の圧力振動を適切に制御することが非常に重要であ
る。圧力発生室に圧力で変形する弾性壁を薄肉部として
形成し最適に構成する技術が、特開平6−320725
号明細書に開示されている。また、駆動方法を工夫し
て、圧力発生室の圧力を制御する技術が、特開平2−1
92947号公報に開示されている。
【0004】これらの従来技術は、インクジェットヘッ
ドの構造で決まる振動系の固有振動に着目し、この系に
固有な振動の発生を制御しようとするものである。
【0005】この系に固有な振動を、インク滴の吐出時
には大きく、インク滴の吐出後は小さくすることが良好
なインク吐出特性を得るために必要となるが、この2つ
の条件を両立させることは、温度等の環境変化やインク
ジェットヘッドの製造誤差により固有振動が変化するた
め、非常に難しかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題に鑑みてなされたものであって、その目的とするとこ
ろは、印字品質の向上と印字速度の向上とを図ることが
できる新規なインクジェットヘッドを提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような問題を解消す
るために本発明のインクジェットヘッドにおいては、イ
ンクを吐出するノズルと、該ノズルに連通しインクに圧
力を加える圧力発生室と、該圧力発生室の底壁となる振
動板と、該振動板に積層され、電圧が印加されると前記
振動板を変形させ前記圧力発生室の容積を拡大・縮小す
る圧電素子と、前記圧力発生室にあって、前記圧力発生
室に発生する圧力で変形可能な弾性壁と、前記弾性壁と
対向して前記圧力発生室の外側に配置された対向壁とを
設け、前記圧力発生室の圧力で弾性壁が変形した時に、
前記弾性壁が前記対向壁に当接するようにした。弾性壁
は対向壁に当接しない状態では、圧力に比例してたわ
む。即ち、単位圧力に対する壁の変形による容積変化で
定義されるコンプライアンスが一定となる特性を持って
いる。しかし、弾性壁が対向壁に当接すると圧力の増加
に対する弾性壁の変形が小さくなる。即ちコンプライア
ンスが変化し小さくなる。このコンプライアンスはイン
クの振動系の固有周期を決めるため、弾性壁が当接して
いない状態と当接している状態で固有周期が変化し、当
接している状態では固有周期は短くなる。また、当接の
程度によっても固有周期は変化する。インクの吐出時に
は、大きな正圧が発生するが、この時に弾性壁が当接
し、系の応答性が速くなると、高速にインク滴を吐出さ
せることが出来る。また、吐出後は弾性壁が対向壁から
離れるため、系の応答が遅くなり、吐出後の流体運動を
緩和できる。また、このように系の特性が非線形的に変
化する系では、特定の振動が強く発振することが無くな
り、不必要なインク吐出が抑えられる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明のインクジェットヘ
ッドについて詳しく説明する。
【0009】本発明の参考例のインクジェットヘッドの
断面図を図1に、平面図を図2に、図1に直交する面で
の断面図を図3に示す。シリコン基板1は、基板の一方
の面よりエッチングを施すことにより、圧力発生室4、
インク供給路5、共通インク室6となる溝を加工し、ノ
ズルプレート2で塞ぎ、流路を形成してある。ノズルプ
レート2にはノズル11が形成されており、圧力発生室
4に連通している。圧力発生室4の底壁は、シリコン基
板1の薄い弾性壁7、8で構成されている。
【0010】図2に示すように、図示していない外部の
インクタンクからのインクはインク供給口14から共通
インク室6に供給され、ここよりインク供給路5を経て
複数の圧力発生室4へ分配される。
【0011】シリコン基板1の弾性壁7、8が形成され
ている面には、シリコンと熱膨張率が近いホウ珪酸ガラ
ス基板3が接合されている。このガラス基板3のシリコ
ン基板1との接合面には、シリコン基板1の各圧力発生
室4に対応して浅くエッチングした凹部9が形成されて
おり、弾性壁7、8は非常に僅かな空隙を隔ててガラス
基板3の凹部9の底壁と対向している。
【0012】各圧力発生室に共通な電極としても機能す
る弾性壁7、8と対向して、ガラス基板3の凹部9の底
壁にはセグメント電極10が形成されており、セグメン
ト電極10上に形成された無機ガラスからなる絶縁層1
5と空隙を挟んで、弾性壁7、8とセグメント電極10
が対向電極を形成している。
【0013】電圧印加手段13は、図示していない外部
からの印字信号に応じ、圧力発生室に対応した対向電極
に駆動電圧を印加する。電圧印加手段13一方の出力
は、個々のセグメント電極10に接続し、もう一方の出
力はシリコン基板1に形成された共通電極端子12に接
続している。シリコン基板1自体は導電性を持つため、
この共通電極端子12から弾性壁7、8の共通電極に電
圧を供給することが出来る。また、より低い電気抵抗で
共通電極に電圧を供給する必要が有る場合には、例え
ば、シリコン基板1の一方の面に金等の導電性材料の薄
膜を蒸着やスパッタリングで形成する。本例では、シリ
コン基板1とガラス基板3との接合に陽極接合を用いる
ために、シリコン基板1の流路形成面側に導電膜を形成
した。
【0014】このように、本例では弾性壁と空隙を挟ん
だ対向壁との間に対向電極を形成し、圧力発生手段を形
成している。即ち、電圧印加手段13からの駆動電圧が
対向電圧間に印加されると、対向電極間に充電された電
荷によるクーロン力が発生し、弾性壁7、8はセグメン
ト電極側へたわみ、圧力発生室4の容積を拡大する。次
に電圧印加手段13からの駆動電圧を急激に落とし、対
向電極間の電荷を放電させると、弾性壁8は弾性力によ
り復帰し、圧力発生室4の容積が急激に収縮する。この
時発生するインク圧力により、圧力発生室4を満たすイ
ンクの一部が、圧力発生室4に連通するノズル11よ
り、インク滴として吐出する。
【0015】本例では、弾性壁は圧力発生室4の長手方
向で、その厚さの薄い部分7と厚い部分8を有してい
る。薄い弾性壁7は剛性が低いため、電圧印加手段13
によりセグメント電極10との間に電圧を印加すると、
厚い弾性壁8よりも容易にたわみ、図4に示すように、
より低い電圧で対向壁に当接する。対向電極間に電圧を
印加しクーロン力で駆動するアクチュエータでは、駆動
力は対向電圧間の電圧の2乗に比例し、対向電極間の距
離に反比例する。電圧印加により弾性壁7がたわむと、
弾性壁8の弾性壁7側が弾性壁7に引かれるようにし
て、対向壁に当接する。この作用が弾性壁8の弾性壁7
側から弾性壁8全体に伝播していき、結果として剛性の
低い弾性壁7が無く剛性の高い弾性壁8のみの場合に比
べ、非常に低い電圧で弾性壁を対向壁に当接させること
が可能となった。
【0016】弾性壁を対向壁に当接させた後、電圧印加
を解除すると、クーロン力が無くなり、弾性壁はその弾
性力により復帰しようとする。この時、剛性の高い弾性
壁8は弾性力が大きいため、剛性の低い弾性壁7より速
く応答し、弾性壁8の部分で圧力発生室4の容積を急激
に収縮させ、圧力発生室4に高いインク圧力を発生させ
る。弾性の低い弾性壁7は、非常に緩やかに復帰しよう
とするが、弾性壁8により発生したインク圧力によって
変形が妨げられ、対向壁に当接した状態を維持する。図
4に示すようなこの状態では、インク圧力によって弾性
壁7は更に対向壁側に変形することが出来ないため、コ
ンプライアンスが非常に小さい。即ち、インク滴の吐出
に際して圧力発生室4の剛性は高く(コンプライアンス
が小さい)、インクの流れが急速に大きく発生し、イン
ク滴が高い速度で吐出する。この圧力発生室4のインク
圧力は急激に高くなった後、同じく急激に減少し負の圧
力となる。この負の圧力により、剛性の低い弾性壁7は
対向壁から剥離し、図5に示すように圧力発生室4側に
たわむ。このように対向壁から離れている状態では、弾
性壁は圧力に比例して変形するため、圧力発生室4の剛
性は低く(コンプライアンスが大きい)、インクの流れ
の振動を緩和し、インク滴吐出後のノズルメニスカスの
振動が小さく抑えられる。その後、インク流れの振動
は、インクの粘性により徐々に減衰し、弾性壁7は対向
壁に当接することなく、圧力発生室4の圧力を吸収し、
不要なインク滴の発生を抑え、次のインク滴吐出迄の時
間間隔を短く抑えることが出来る。即ち、インク滴吐出
の周波数を高くすることが出来る。以上述べたように、
本例では、剛性の高い弾性壁8が圧力発生手段として機
能し、剛性の低い弾性壁7が圧力発生室の圧力で変形可
能な弾性壁として機能していることになる。
【0017】圧力発生室4の圧力で弾性壁が対向壁に当
接するようにするには、弾性壁の厚さと対向壁との空隙
の距離を適切に設定する必要がある。例えば、圧力発生
室を1インチ当たり90個の密度で配置させる場合を具
体的に述べる。圧力発生室の幅は200μm、圧力発生
室の長さを3mm、薄い弾性壁の厚さを3μm、厚い弾
性壁の厚さを5μm、薄い弾性壁の長さを0.8mm、
厚い弾性壁の長さを2.2mm、弾性壁と対向壁との空
隙の距離を1μmとする。この時、薄い弾性壁は、およ
そ1気圧の圧力で対向壁に当接する。コンプライアンス
は弾性壁の厚さの3乗に反比例し弾性壁の長さに比例す
るから、弾性壁のコンプライアンスの比率は、薄い弾性
壁部が5に対して厚い弾性壁部が3となる。従って、薄
い弾性壁が対向壁に当接すると、コンプライアンスがお
よそ3分の1に減少し、インクの固有振動周期は4割も
短くなる。即ち、インク滴の吐出時には、圧力発生室4
は硬く、吐出後は3倍軟らかくなり、インク滴を速く吐
出させた後のメニスカスの振動を十分に小さく抑えられ
る。
【0018】本例では、弾性壁をBドープシリコンで構
成している。即ち、シリコン基板1の表面よりBを拡散
させることで、耐エッチング性の高い層を形成し、エッ
チングでこの層を残すことで弾性壁を形成している。従
って、弾性壁の厚さを変えるために、シリコン基板1を
マスクしてBのドーピング深さを変えた。
【0019】本例では、薄い弾性壁7を対向壁となる凹
部9の底壁に当接させる弾性壁変形手段として、上記の
通りクーロン力を利用したアクチュエータを用いてお
り、このアクチュエータは厚い弾性壁8の圧力発生手段
と駆動回路を兼ねている。これらの2つの弾性壁の領域
に対し、別々の駆動回路を設けることも可能であり、こ
の場合にはより細かい制御が可能となる。しかし、本例
では非常に単純な電極形成と駆動方法により、弾性壁8
を対向壁側にたわませる吐出の準備段階で、弾性壁7が
対向壁に当接するため、圧力発生室4の圧力が高くなる
始めから圧力発生室4の剛性が高くなっており、非常に
効率良く弾性壁8のエネルギをインク滴の吐出に変換出
来る。
【0020】また、弾性壁を対向壁に当接させる弾性壁
変形手段として、クーロン力を用いるアクチュエータの
他に、弾性壁に非常に薄い圧電材料をスパッタリング等
で形成し、弾性壁と圧電素子からなるユニモルフアクチ
ュエータを形成し、圧電素子に電圧を印加することで弾
性壁をたわませる方法も適用できる。
【0021】次に、他の参考例のインクジェットヘッド
の断面図を図6に示す。
【0022】本例では、剛性の低い弾性壁7を圧力発生
室4のインク供給路5側に形成した。このインクジェッ
トヘッドは、図1に示した本発明の実施例に比較し、更
に優れた特性をもたらした。即ち、対向電極間に電圧を
印加し弾性壁7が対向壁に当接すると、弾性壁8の弾性
壁7側が弾性壁7に引かれるようにして、対向壁に当接
する。この時、圧力発生室4のインク供給路5側からノ
ズル11側に向かって弾性壁8がたわみ、対向壁に当接
していくため、インク供給路5からノズル11に向かう
流れが発生し、その結果としてより多くのインクをより
速い速度で吐出させることが可能となった。この効果
は、より小型のインクジェットヘッドを設計する上で有
効である。
【0023】次に、他の参考例のインクジェットヘッド
を図7の平面図を用いて説明する。
【0024】本例では、圧力発生室24の幅を一部広く
し、積層するガラス基板23の凹部29の幅も圧力発生
室24の幅に対応して広く形成し、この部分で弾性壁2
7の幅を広く構成した。また、圧力発生室24をより高
密度に配置させるため、隣接する圧力発生室24で幅を
広くする位置を圧力発生室の長手方向にずらして配置し
た。コンプライアンスはおよそ弾性壁の幅の4乗に反比
例する。従って、この幅の広い弾性壁27は、他の幅の
狭い弾性壁28部分より剛性が低くなる。
【0025】本例では、弾性壁27の幅を弾性壁28の
幅の1.3倍に設定し、圧力発生室24のコンプライア
ンスの50%を弾性壁27部分に持たせてある。この弾
性壁27が、クーロン力を用いた弾性壁変形手段あるい
は圧力発生室のインク圧力により対向壁に当接すると、
圧力発生室24の剛性が半分となり、インク流れの応答
性を高くすることが出来る。また、弾性壁27の幅に対
応して、対向電極となるセグメント電極30の幅も広く
形成し、低い電圧で弾性壁27を対向壁に当接させるよ
うに構成した。
【0026】次に、本発明の実施例のインクジェットヘ
ッドを図8の断面図を用いて説明する。
【0027】図8は、圧力発生室4の長手方向に沿った
断面図で、共通インク室6、インク供給路5、圧力発生
室4とつながる流路が流路形成基板44に形成され、こ
の流路形成基板44の一方の面をノズルプレート2で塞
ぎ、他方の面を振動板48で封止し流路を形成してあ
る。ノズルプレート2にはノズル11が形成されてお
り、圧力発生室4に連通している。圧力発生室4の底壁
となる振動板48には、細長い圧電素子40が接続され
て、この圧電素子40の他方の端部はフレーム42に固
定されている。この圧電素子40に電圧を印加すると、
圧電素子40は固定部を支点にして長さ方向、即ち振動
板48に垂直に伸縮し、圧力発生室4の容積を拡大・縮
小する。この圧電素子40による圧力発生手段は、発生
力が大きく、インク滴を高速に吐出させることが出来
る。しかし、インク滴を高速に吐出させると、吐出後の
インク流れの残留振動が大きく、主となるインク滴の後
に不要なインク滴が吐出して、安定したインク滴吐出を
得るためには圧力発生室4に、インクの圧力で変形する
弾性壁を配置し、急激な圧力の立ち上がりを緩和する必
要が有る。しかし、このような弾性壁を設けると、イン
ク滴の吐出速度は低下し、圧電素子40の駆動力を有効
に活用せず、効率の低いインクジェットヘッドとなって
しまう。本実施例では、圧力発生室4の端部に固定基板
41と接合しない弾性壁47を形成した。弾性壁47と
重なる固定基板41の部分は、周囲に深く溝を形成し、
振動板48と固定基板41を接合する接着剤が弾性壁4
7部へ流入しないようにしてある。周囲に溝を形成した
中央には、島状の凸部43を固定基板41の面から僅か
に凹ませて形成し、弾性壁47に対向する対向壁として
形成した。弾性壁47は、高い正圧に対しては対向壁に
当接するため大きくたわむことは無く、インク滴を高い
圧力で吐出させるように機能し、負圧にたいしては圧力
に比例してたわみ圧力の急激な変化を緩和するように機
能する。
【0028】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のインクジェ
ットヘッドによれば、弾性壁がインク滴の吐出時にはイ
ンク滴を高い圧力で吐出させるように機能し、インク滴
の吐出後はインクの振動を緩やかにするように機能する
ため、主インク滴を高速に吐出させながら、主インク滴
の後の不要インク滴の吐出を抑えられ、次の吐出までの
時間間隔を短くすることが可能となる。これにより、応
答性の高い印字品質の優れたインクジェットヘッドを提
供できるという効果を有する。
【0029】また、圧力発生室の剛性、言い換えるとコ
ンプライアンスで定義されるようなインク室の圧力によ
る圧力発生室の容積の変化の程度を、受動的、あるいは
弾性壁変形手段を設けることにより能動的に変化させる
ことが可能となる。圧力発生室のコンプライアンス値が
変化すると、圧力発生室のインク流れの固有振動周期が
変化する。従来のインクジェットヘッドでは、固有周期
が一定であったため、隣接する圧力発生室間で共振した
り、複数の圧力発生室を駆動するとインクジェットヘッ
ド全体の変形が強調され、インク滴吐出が不安定になっ
たり、不必要なインク滴吐出を誘発したりし、印字品質
を低下させていたが、本発明では、インク滴吐出後の振
動が一定とならず、このような圧力発生室間のクロスト
ークを究極的に低減させることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例のインクジェットヘッドの断
面を示した図。
【図2】 図1のインクジェットヘッドの平面構造を示
した図。
【図3】 図1のインクジェットヘッドの圧力発生室の
断面を示した図。
【図4】 図3のインクジェットヘッドの弾性壁の動作
を示した図。
【図5】 図3のインクジェットヘッドの弾性壁の動作
を示した図。
【図6】 本発明の他の参考例のインクジェットヘッド
の断面を示した図。
【図7】 本発明の他の参考例のインクジェットヘッド
の平面構造を示した図。
【図8】 本発明の特徴をなす実施例のインクジェット
ヘッドの断面を示した図。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 ノズルプレート 3 ガラス基板 4 圧力発生室 5 インク供給路 6 共通インク室 7、8 弾性壁 10 セグメント電極 11 ノズル 13 電圧印加手段 15 絶縁層 40 圧電素子 41 固定基板 43 対向壁 44 流路形成基板 47 弾性壁 48 振動板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C057 AF07 AG44 AG53 AG54 AG57 AG60 AP52 AP54 AQ02 BA04 BA14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するノズルと、該ノズルに
    連通しインクに圧力を加える圧力発生室と、該圧力発生
    室の底壁となる振動板と、該振動板に積層され、電圧が
    印加されると前記振動板を変形させ前記圧力発生室の容
    積を拡大・縮小する圧電素子と、前記圧力発生室にあっ
    て、前記圧力発生室に発生する圧力で変形可能な弾性壁
    と、前記弾性壁と対向して前記圧力発生室の外側に配置
    された対向壁とを有し、 前記圧力発生室の圧力で弾性壁が変形した時に、前記弾
    性壁が前記対向壁に当接することを特徴とするインクジ
    ェットヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記振動板を形成す
    る基板が接合される固定基板を有し、 前記対向壁は、前記固定基板の凹ませた部分により形成
    され、前記弾性壁は、前記振動板を形成する基板のう
    ち、前記対向壁に対向し、前記固定基板と接合されない
    部分によって形成されていることを特徴とするインクジ
    ェットヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記固定基板の対向
    壁の周囲には溝が形成されていることを特徴とするイン
    クジェットヘッド。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009220557A (ja) * 2008-02-20 2009-10-01 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
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